JP2011026530A - 樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フッ素樹脂製基材とアクリル樹脂被覆層とを高い接着力で接着でき、しかも簡便である樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法は、不活性ガス雰囲気下にて、フッ素樹脂製基材11の表面11aをプラズマ処理する工程と、フッ素樹脂製基材11のプラズマ処理した面11aに重合性成分12aを供給し、グラフト重合させて、樹脂被覆層を形成させる工程とを有し、重合性成分12aは、(メタ)アクリルオリゴマーを含有し、重合禁止剤含有量が20ppm以下でかつ20℃における溶存酸素量が25mg/リットル以下である。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法は、不活性ガス雰囲気下にて、フッ素樹脂製基材11の表面11aをプラズマ処理する工程と、フッ素樹脂製基材11のプラズマ処理した面11aに重合性成分12aを供給し、グラフト重合させて、樹脂被覆層を形成させる工程とを有し、重合性成分12aは、(メタ)アクリルオリゴマーを含有し、重合禁止剤含有量が20ppm以下でかつ20℃における溶存酸素量が25mg/リットル以下である。
【選択図】図3
Description
本発明は、フッ素樹脂製の基材にアクリル樹脂被覆層が形成された樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法に関する。
フッ素樹脂シート等のフッ素樹脂製成形体は、機械的性質、耐熱性、耐候性、耐薬品性などが優れ、高機能である反面、難接着性材料であるため、他の部材との複合化が困難であった。そのため、フッ素樹脂製成形体の利用分野に制限があるのが実情であった。
そこで、フッ素樹脂製基材の表面を親水化して接着性を向上させる方法が検討されてきた。その親水化方法としては、例えば、機械的な粗面化、化学的エッチング、金属ナトリウム処理、プラズマ、コロナなどの放電処理などが提案されている。これらのうち、プラズマによる表面処理は、クリーンでかつ表面改質の自由度が大きいという利点を有している。
フッ素樹脂製基材をプラズマにより表面処理する方法としては、特許文献1に、不活性ガス雰囲気でコロナ放電させて得た大気圧のプラズマ雰囲気に、フッ素樹脂製基材とアクリルモノマーとを配置する方法が開示されている。この方法では、フッ素樹脂製基材の表面に活性ラジカルを形成させると共にアクリルモノマーを蒸気プラズマとし、気相重合を生じさせて、フッ素樹脂製基材の表面にグラフト重合したアクリル樹脂被覆層を形成させている。
そこで、フッ素樹脂製基材の表面を親水化して接着性を向上させる方法が検討されてきた。その親水化方法としては、例えば、機械的な粗面化、化学的エッチング、金属ナトリウム処理、プラズマ、コロナなどの放電処理などが提案されている。これらのうち、プラズマによる表面処理は、クリーンでかつ表面改質の自由度が大きいという利点を有している。
フッ素樹脂製基材をプラズマにより表面処理する方法としては、特許文献1に、不活性ガス雰囲気でコロナ放電させて得た大気圧のプラズマ雰囲気に、フッ素樹脂製基材とアクリルモノマーとを配置する方法が開示されている。この方法では、フッ素樹脂製基材の表面に活性ラジカルを形成させると共にアクリルモノマーを蒸気プラズマとし、気相重合を生じさせて、フッ素樹脂製基材の表面にグラフト重合したアクリル樹脂被覆層を形成させている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、フッ素樹脂製基材とアクリル樹脂被覆層との接着力にばらつきがあり、接着力が低くなることがあった。しかも、特許文献1に記載の方法は特殊なプラズマ処理法であり、簡便ではなかった。
本発明は、フッ素樹脂製基材とアクリル樹脂被覆層とを高い接着力で接着でき、しかも簡便である樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、フッ素樹脂製基材とアクリル樹脂被覆層とを高い接着力で接着でき、しかも簡便である樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の構成を有する。
[1] 不活性ガス雰囲気下にて、フッ素樹脂製基材の表面をプラズマ処理する工程と、フッ素樹脂製基材のプラズマ処理した面に重合性成分を供給し、グラフト重合させて、樹脂被覆層を形成させる工程とを有し、
前記重合性成分は、(メタ)アクリルオリゴマーを含有し、重合禁止剤含有量が20ppm以下でかつ20℃における溶存酸素量が25mg/リットル以下であることを特徴とする樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法。
[2] 前記樹脂被覆層の表面に他の層を形成する工程を有することを特徴とする[1]に記載の樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法。
[1] 不活性ガス雰囲気下にて、フッ素樹脂製基材の表面をプラズマ処理する工程と、フッ素樹脂製基材のプラズマ処理した面に重合性成分を供給し、グラフト重合させて、樹脂被覆層を形成させる工程とを有し、
前記重合性成分は、(メタ)アクリルオリゴマーを含有し、重合禁止剤含有量が20ppm以下でかつ20℃における溶存酸素量が25mg/リットル以下であることを特徴とする樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法。
[2] 前記樹脂被覆層の表面に他の層を形成する工程を有することを特徴とする[1]に記載の樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法。
本発明の樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法によれば、フッ素樹脂製基材とアクリル樹脂被覆層とを高い接着力で接着でき、しかも簡便である。
本発明の樹脂被覆フッ素樹脂製成形体(以下、成形体と略す。)の製造方法の一実施形態例について説明する。
図1に、本実施形態例の成形体の製造方法により得られる成形体を示す。この成形体10は、シート状のフッ素樹脂製基材(以下、基材と略す。)11と、基材11の表面に形成されたアクリル樹脂被覆層12とを有する。
基材11を構成するフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルフッ素樹脂(例えば、パーフルオロエチレンプロピレンコポリマー等)、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、ポリクロロ3フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル樹脂などが挙げられる。
図1に、本実施形態例の成形体の製造方法により得られる成形体を示す。この成形体10は、シート状のフッ素樹脂製基材(以下、基材と略す。)11と、基材11の表面に形成されたアクリル樹脂被覆層12とを有する。
基材11を構成するフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルフッ素樹脂(例えば、パーフルオロエチレンプロピレンコポリマー等)、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、ポリクロロ3フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル樹脂などが挙げられる。
成形体10の製造方法は、基材11の表面をプラズマ処理する工程と、基材11のプラズマ処理した面にアクリル樹脂被覆層12を形成させる工程とを有する。
以下、各工程について説明する。
以下、各工程について説明する。
図2に示すような、基材11の表面11aをプラズマ処理する工程は、公知のプラズマ発生装置を用いて、不活性ガス雰囲気下で行う。ここで、不活性ガスとしては、例えば、ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガスなどが用いられる。
プラズマ処理は、低圧プラズマ処理であってもよいし、大気圧プラズマ処理であってもよいが、活性ラジカルを容易に形成できる点では、低圧プラズマ処理が好ましい。
低圧プラズマ処理を採用する場合には、真空度を1.33〜1333Paにし、10〜500Wの出力で、1秒〜30分処理することが好ましい。
真空度が1.33Pa以上かつ1333Pa以下、出力が10W以上、処理時間が1秒以上であれば、基材11の表面11aに活性ラジカルを充分量形成できる。しかし、出力を500Wより高くしても、処理時間を30分より長くしても、プラズマ処理によって形成される活性ラジカルの量は飽和するため、無益である。
プラズマ処理は、低圧プラズマ処理であってもよいし、大気圧プラズマ処理であってもよいが、活性ラジカルを容易に形成できる点では、低圧プラズマ処理が好ましい。
低圧プラズマ処理を採用する場合には、真空度を1.33〜1333Paにし、10〜500Wの出力で、1秒〜30分処理することが好ましい。
真空度が1.33Pa以上かつ1333Pa以下、出力が10W以上、処理時間が1秒以上であれば、基材11の表面11aに活性ラジカルを充分量形成できる。しかし、出力を500Wより高くしても、処理時間を30分より長くしても、プラズマ処理によって形成される活性ラジカルの量は飽和するため、無益である。
アクリル樹脂被覆層12を形成する工程では、まず、図3に示すように、基材11のプラズマ処理した面11aに重合性成分12aを供給し、次いで、その重合性成分12aをグラフト重合させる。ここで、重合性成分12aは、(メタ)アクリルオリゴマーを必須成分として含有し、(メタ)アクリルモノマーを任意成分として含有する。
なお、本発明における「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の総称である。
なお、本発明における「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の総称である。
重合性成分12aに含まれる(メタ)アクリルオリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、金属(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)ジアクリル酸エチレングリコール、(メタ)ジアクリル酸トリエチレングリコール、(メタ)ジアクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)ジアクリル酸トリプロピレングリコール、(メタ)ジアクリル酸テトラエチレングリコール、(メタ)ジアクリル酸1,3−ブチレングリコール、(メタ)ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール、(メタ)ジアクリル酸ネオペンチルグリコール、(メタ)ジアクリル酸変性ビスフェノールA、(メタ)ジアクリル酸トリシクロデカンジメタノール、(メタ)トリアクリル酸トリメチロールプロパン、(メタ)トリアクリル酸トリメチロールプロパンエトキシ、(メタ)トリアクリル酸ポリエーテル、(メタ)トリアクリル酸ペンタエリスリトール、(メタ)トリアクリル酸グリセリンプロポキシ、(メタ)ヘキサアクリル酸ジペンタエリスリトール、(メタ)テトラアクリル酸ペンタエリスリトール、(メタ)テトラアクリル酸ペンタエリスリトールエトキシ、(メタ)テトラアクリル酸ジトリメチロールプロパン、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩等のアクリル酸誘導体などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
このような(メタ)アクリルモノマーが含まれると、重合性成分12aの粘度を下げることができる。
このような(メタ)アクリルモノマーが含まれると、重合性成分12aの粘度を下げることができる。
モノマー含有量は、アクリルオリゴマー100質量部に対して100質量部以下であることが好ましい。モノマー含有量が100質量部以下であれば、アクリル樹脂被覆層12の脆さを抑制でき、基材11との接着性のばらつきをより防止できる。
本発明における(メタ)アクリルオリゴマーは、重合禁止剤含有量が20ppm以下であり、15ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがより好ましく、0ppmであることが最も好ましい。ここで、重合禁止剤含有量は、高速液体クロマトグラフィー(測定波長:230nm、移動相:アセトニトリル/水=2/1、流速:1.0ml/分、分析量:10μl、カラム:Inertsil ODS−2)により測定した値である。
(メタ)アクリルオリゴマー中の重合禁止剤含有量が20ppmを超えると、グラフト重合が起こりにくくなる。
重合禁止剤の含有量を20ppm以下にする方法としては、例えば、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによるリサイクル分取などが挙げられる。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、2,6−ジブチル−4−メチルフェノール、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、p−メトキシフェノール、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−テオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、p−ニトロソフェノール、ジイソプロピルキサントゲンスルフィド等が挙げられる。
(メタ)アクリルオリゴマー中の重合禁止剤含有量が20ppmを超えると、グラフト重合が起こりにくくなる。
重合禁止剤の含有量を20ppm以下にする方法としては、例えば、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによるリサイクル分取などが挙げられる。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、2,6−ジブチル−4−メチルフェノール、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、p−メトキシフェノール、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−テオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、p−ニトロソフェノール、ジイソプロピルキサントゲンスルフィド等が挙げられる。
また、(メタ)アクリルオリゴマーは、20℃における溶存酸素量が25mg/リットル以下であり、8mg/リットル以下であることが好ましく、5mg/リットル以下であることがより好ましい。ここで、溶存酸素量は有機溶媒用の溶存酸素計により測定した値である。
溶存酸素量が25mg/リットルを超えると、溶存酸素によるラジカル捕捉量が多くなるため、ラジカル連鎖移動によるグラフト重合が進行しにくくなる。
溶存酸素量を25mg/リットル以下にするために、(メタ)アクリルオリゴマーから溶存酸素を除去する方法としては、例えば、液体窒素で(メタ)アクリルオリゴマーを凍結させた後、真空ポンプを用いて脱気し、解凍する操作を複数回繰り返す方法、窒素やアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスをアクリルオリゴマー中にバブリングして、溶存酸素を追い出す方法などが挙げられる。
溶存酸素量が25mg/リットルを超えると、溶存酸素によるラジカル捕捉量が多くなるため、ラジカル連鎖移動によるグラフト重合が進行しにくくなる。
溶存酸素量を25mg/リットル以下にするために、(メタ)アクリルオリゴマーから溶存酸素を除去する方法としては、例えば、液体窒素で(メタ)アクリルオリゴマーを凍結させた後、真空ポンプを用いて脱気し、解凍する操作を複数回繰り返す方法、窒素やアルゴン、ヘリウム等の不活性ガスをアクリルオリゴマー中にバブリングして、溶存酸素を追い出す方法などが挙げられる。
通常、オリゴマーは粘度が高く、取り扱いにくい。そのため、粘度を下げるために、重合性成分12aを直接加熱したり、基材11の加熱により間接的に加熱したりすることが好ましい。
また、重合性成分12aの粘度を下げるために、酢酸ブチルやメチルエチルケトン等の溶剤で希釈してもよい。
また、重合性成分12aの粘度を下げるために、酢酸ブチルやメチルエチルケトン等の溶剤で希釈してもよい。
重合性成分12aの供給では、例えば、バーコーター、スピンコーターなどの塗工装置を用いてもよい。
グラフト重合の際には、重合を促進させるために、通常、熱重合開始剤や光重合開始剤等の重合開始剤が用いられる。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)などが挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)などが挙げられる。
光重合開始剤としては、光開裂型光重合開始剤と水素引き抜き型光重合開始剤が挙げられる。
光開裂型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−アクリルべンゾイン等のベンゾイン系、ベンジル、イルガキュア907(チバスペシャルティケミカルズ社製2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン)、イルガキュア369(チバスペシャルティケミカルズ社製2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン)、イルガキュア651(チバスペシャルティケミカルズ社製ベンジルメチルケタール)、イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ社製1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、ダロキュア1173(メルク社製2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、ダロキュア1116(メルク社製1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ZLI3331(チバスペシャルティケミカルズ社製4−(2−アクリロイル−オキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、ジエトキシアセトフェノン、エサキュアーKIP100(ラムベルティ社製)、ルシリンTPO(BASF社製)、BTTB(日本油脂(株)製)、CGI1700(チバスペシャルティケミカルズ社製)等が挙げられる。
水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、テトラクロロベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルサルファイド、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、アセトフェノン等のアリールケトン系開始剤、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p−メチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノアセトフェノン等のジアルキルアミノアリールケトン系開始剤、チオキサントン、キサントン系のおよびそのハロゲン置換系の多環カルボニル系開始剤等が挙げられる。
重合開始剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
光開裂型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−アクリルべンゾイン等のベンゾイン系、ベンジル、イルガキュア907(チバスペシャルティケミカルズ社製2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン)、イルガキュア369(チバスペシャルティケミカルズ社製2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン)、イルガキュア651(チバスペシャルティケミカルズ社製ベンジルメチルケタール)、イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ社製1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、ダロキュア1173(メルク社製2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、ダロキュア1116(メルク社製1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ZLI3331(チバスペシャルティケミカルズ社製4−(2−アクリロイル−オキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、ジエトキシアセトフェノン、エサキュアーKIP100(ラムベルティ社製)、ルシリンTPO(BASF社製)、BTTB(日本油脂(株)製)、CGI1700(チバスペシャルティケミカルズ社製)等が挙げられる。
水素引き抜き型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、テトラクロロベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルサルファイド、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、アセトフェノン等のアリールケトン系開始剤、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p−メチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノアセトフェノン等のジアルキルアミノアリールケトン系開始剤、チオキサントン、キサントン系のおよびそのハロゲン置換系の多環カルボニル系開始剤等が挙げられる。
重合開始剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合開始剤は、(メタ)アクリルオリゴマーとモノマーとの混合物を100質量%とした際に0.1〜30質量%の範囲で含まれることが好ましく、1〜15質量%の範囲で含まれることがより好ましい。重合開始剤の含有量が0.1質量%以上であれば、充分にグラフト重合を促進させることができ、30質量%以下であれば、充分な機械的物性を有するアクリル樹脂被覆層12を得ることができる。
グラフト重合は、減圧状態または不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。また、熱重合の場合には、温度40〜100℃で1分〜10時間かけて行うことが好ましい。光重合の場合には、20〜50℃、30秒〜10時間をかけて、365nm換算で約3000〜6000mJ/cm2の積算光量を紫外線照射して行うことが好ましい。
グラフト重合の際の加熱方法としては、乾燥機等を用いる方法、赤外線を照射する方法などが挙げられる。
グラフト重合の際の加熱方法としては、乾燥機等を用いる方法、赤外線を照射する方法などが挙げられる。
上記成形体10の製造方法では、基材11を不活性ガス雰囲気下にてプラズマ処理することによって、基材11の表面11aに活性ラジカルを形成させることができる。そして、その活性ラジカルを基点とし、ラジカルの連鎖移動によって、(メタ)アクリルオリゴマーを含む重合性成分12aをグラフト重合させることで、基材11に結合した(メタ)アクリル重合体を含むアクリル樹脂被覆層12を得ることができる。
その際に用いる重合性成分12aは重合禁止剤含有量および溶存酸素量が少ないため、グラフト重合が阻害されず、得られるアクリル樹脂被覆層12を基材11に強固に接着させることができる。また、このグラフト重合は単純な方法であるから、簡便に成形体10を得ることができる。
このようにして得た成形体10では、アクリル樹脂被覆層12の表面に接着剤を塗布し、その接着剤を介して、ガラス材料、金属材料、プラスチック材料等の被着体を貼り合わせることができる。したがって、難接着性のフッ素樹脂製の基材11に、アクリル樹脂被覆層12および接着剤を介して、他の材料を接着させることができる。
しかも、上記製造方法により得た成形体10では、基材11がフッ素樹脂製であるため、機械的性質、耐熱性、耐候性、耐薬品性が優れる。
その際に用いる重合性成分12aは重合禁止剤含有量および溶存酸素量が少ないため、グラフト重合が阻害されず、得られるアクリル樹脂被覆層12を基材11に強固に接着させることができる。また、このグラフト重合は単純な方法であるから、簡便に成形体10を得ることができる。
このようにして得た成形体10では、アクリル樹脂被覆層12の表面に接着剤を塗布し、その接着剤を介して、ガラス材料、金属材料、プラスチック材料等の被着体を貼り合わせることができる。したがって、難接着性のフッ素樹脂製の基材11に、アクリル樹脂被覆層12および接着剤を介して、他の材料を接着させることができる。
しかも、上記製造方法により得た成形体10では、基材11がフッ素樹脂製であるため、機械的性質、耐熱性、耐候性、耐薬品性が優れる。
グラフト重合の際に(メタ)アクリルオリゴマーの代わりに(メタ)アクリルモノマーのみを用いても、基材11の表面にアクリル樹脂被覆層12を形成することも可能である。しかし、(メタ)アクリルモノマーのみの場合には、グラフトしない重合体を形成しやすく、接着力が低くなる傾向にある。しかも、グラフト重合時に反応熱が大きく、硬化収縮も大きいため、得られるアクリル樹脂被覆層12に応力が残留しやすく、接着力の耐久性が不充分になる。また、モノマーは低沸点で揮発しやすいため、基材11の処理面以外の部分に付着して、汚染させることがある。
これに対し、ある程度重合した(メタ)アクリルオリゴマーを用いることにより、反応熱および硬化収縮を抑制でき、残留応力を小さくできるため、耐久性を向上させることができる。また、オリゴマーは高沸点で揮発しにくいから、基材11の処理面以外の部分に付着しにくく、汚染を防止できる。
これに対し、ある程度重合した(メタ)アクリルオリゴマーを用いることにより、反応熱および硬化収縮を抑制でき、残留応力を小さくできるため、耐久性を向上させることができる。また、オリゴマーは高沸点で揮発しにくいから、基材11の処理面以外の部分に付着しにくく、汚染を防止できる。
なお、本発明は、上記実施形態例に限定されない。例えば、基材はシート状でなくてもよく、三次元立体形状であってもよい。
また、アクリル樹脂被覆層12の表面に他の層を形成させてもよい。他の層としては、例えば、金属膜、ポリマー層、光学膜、塗装膜、絶縁層、接着層などが挙げられる。
また、他の層の形成方法としては、メッキ、各種コーティング、塗装、接着などが挙げられる。
他の層を形成すれば、その層によって別の機能を付与することができる。
また、アクリル樹脂被覆層12の表面に他の層を形成させてもよい。他の層としては、例えば、金属膜、ポリマー層、光学膜、塗装膜、絶縁層、接着層などが挙げられる。
また、他の層の形成方法としては、メッキ、各種コーティング、塗装、接着などが挙げられる。
他の層を形成すれば、その層によって別の機能を付与することができる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
まず、表1に示す(メタ)アクリルオリゴマーが溶解した酢酸ブチル(以下、BuACと表記する。)を充填したガラス管と、パーフルオロエチレンプロピレンコポリマー(以下、FEPと表記する。)シート(ダイキン工業(株)製、厚さ300μm)を充填したガラス管をそれぞれ液体窒素により冷却して凍結させた後、真空ポンプを用いて脱気した。なお、(メタ)アクリルオリゴマーには表1に示す量の重合禁止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル、以下、MEHQと表記する。)が含まれている。
次いで、前記2つのガラス管を室温の水の中につけて解凍した後、充分に振とうし、再び液体窒素により凍結させた。この操作を3サイクル繰り返して、脱気した(メタ)アクリルオリゴマーとFEPシートを調製した。
次いで、プラズマ発生装置(ヤマト科学(株)製PDC210)を用い、FEPシートをヘリウムガスの雰囲気下で66.7Pa、RF(13.56MHz)100Wの条件にて、表1に示す処理時間でプラズマ処理した。その後、直ちに、その処理面に、スピンコーターを用いて、脱気した(メタ)アクリルオリゴマーを塗布した。次いで、減圧下、60℃の恒温槽中で3時間加熱して、グラフト重合を行った。
そして、グラフト重合性、FEPシートに対するアクリル樹脂被覆層の接着性を以下のようにして評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例1]
まず、表1に示す(メタ)アクリルオリゴマーが溶解した酢酸ブチル(以下、BuACと表記する。)を充填したガラス管と、パーフルオロエチレンプロピレンコポリマー(以下、FEPと表記する。)シート(ダイキン工業(株)製、厚さ300μm)を充填したガラス管をそれぞれ液体窒素により冷却して凍結させた後、真空ポンプを用いて脱気した。なお、(メタ)アクリルオリゴマーには表1に示す量の重合禁止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル、以下、MEHQと表記する。)が含まれている。
次いで、前記2つのガラス管を室温の水の中につけて解凍した後、充分に振とうし、再び液体窒素により凍結させた。この操作を3サイクル繰り返して、脱気した(メタ)アクリルオリゴマーとFEPシートを調製した。
次いで、プラズマ発生装置(ヤマト科学(株)製PDC210)を用い、FEPシートをヘリウムガスの雰囲気下で66.7Pa、RF(13.56MHz)100Wの条件にて、表1に示す処理時間でプラズマ処理した。その後、直ちに、その処理面に、スピンコーターを用いて、脱気した(メタ)アクリルオリゴマーを塗布した。次いで、減圧下、60℃の恒温槽中で3時間加熱して、グラフト重合を行った。
そして、グラフト重合性、FEPシートに対するアクリル樹脂被覆層の接着性を以下のようにして評価した。評価結果を表1に示す。
[グラフト重合性]
グラフト重合を行った後のFEPシートを恒温槽から取り出し、メチルエチルケトン(MEK)溶液中で超音波洗浄し、MEK溶解成分を取り除いた。次いで、60℃の真空乾燥機中で1時間以上乾燥させ、FT−IRを用い、ATR法により、FEPシートにグラフトしたアクリル樹脂の有無を以下のように判定した。
○:グラフトしたアクリル樹脂を有していた。
×:グラフトしたアクリル樹脂を有していなかった。
[接着性]
図4(a)に示すような、アクリル樹脂被覆層1aが形成されたFEPシート1とガラス角棒2を用意した。ここで、FEPシート1としては厚さ300μmのもの、ガラス角棒2としては厚さ6mmのものを用いた。
次いで、図4(b)に示すように、FEPシート1のアクリル樹脂被覆層1aとガラス角棒2とを、紫外線硬化型アクリル系接着剤(「TB3042B」スリーボンド製)3を介して重ね合わせた。
次いで、図4(c)に示すように、ガラス角棒2のFEPシート1に接していない側から、積算光量で約4000mJ/cm2の紫外線(UV)を照射して、紫外線硬化型アクリル系接着剤を硬化させて、FEPシート1とガラス角棒2とを接着させた。その際、接着面積を25mm2とした(幅5mm、長さ5mm)。
次いで、引張試験機(島津製作所製オートグラフ)を用い、図4(d)に示すように、FEPシート1とガラス角棒2とを、互いに離れるように5mm/分の速度で引っ張り、剥離した際の破壊状態、引張りせん断強度により接着性を評価した。
○:引っ張りせん断強度で3MPa以上となり、FEPシートの材料破壊となった。
×:剥離強度3MPa未満で、FEPシートとアクリル系接着剤との界面で剥離した。
グラフト重合を行った後のFEPシートを恒温槽から取り出し、メチルエチルケトン(MEK)溶液中で超音波洗浄し、MEK溶解成分を取り除いた。次いで、60℃の真空乾燥機中で1時間以上乾燥させ、FT−IRを用い、ATR法により、FEPシートにグラフトしたアクリル樹脂の有無を以下のように判定した。
○:グラフトしたアクリル樹脂を有していた。
×:グラフトしたアクリル樹脂を有していなかった。
[接着性]
図4(a)に示すような、アクリル樹脂被覆層1aが形成されたFEPシート1とガラス角棒2を用意した。ここで、FEPシート1としては厚さ300μmのもの、ガラス角棒2としては厚さ6mmのものを用いた。
次いで、図4(b)に示すように、FEPシート1のアクリル樹脂被覆層1aとガラス角棒2とを、紫外線硬化型アクリル系接着剤(「TB3042B」スリーボンド製)3を介して重ね合わせた。
次いで、図4(c)に示すように、ガラス角棒2のFEPシート1に接していない側から、積算光量で約4000mJ/cm2の紫外線(UV)を照射して、紫外線硬化型アクリル系接着剤を硬化させて、FEPシート1とガラス角棒2とを接着させた。その際、接着面積を25mm2とした(幅5mm、長さ5mm)。
次いで、引張試験機(島津製作所製オートグラフ)を用い、図4(d)に示すように、FEPシート1とガラス角棒2とを、互いに離れるように5mm/分の速度で引っ張り、剥離した際の破壊状態、引張りせん断強度により接着性を評価した。
○:引っ張りせん断強度で3MPa以上となり、FEPシートの材料破壊となった。
×:剥離強度3MPa未満で、FEPシートとアクリル系接着剤との界面で剥離した。
なお、表中の(メタ)アクリルオリゴマーは全てダイセル・サイテック製であり、下記の通りである。
EBECRYL 8200:2官能ウレタンアクリレート(分子量8,000)/BuAC=1:1(質量比)
EBECRYL 3703:2官能アミン変性ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート(分子量850)
EBECRYL 3708:2官能変性エポキシアクリレート(分子量1,500)
また、表中の(メタ)アクリルモノマーは全てダイセル・サイテック製であり下記の通りである。
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート
TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート
EBECRYL 8200:2官能ウレタンアクリレート(分子量8,000)/BuAC=1:1(質量比)
EBECRYL 3703:2官能アミン変性ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート(分子量850)
EBECRYL 3708:2官能変性エポキシアクリレート(分子量1,500)
また、表中の(メタ)アクリルモノマーは全てダイセル・サイテック製であり下記の通りである。
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート
TPGDA:トリプロピレングリコールジアクリレート
重合禁止剤含有量は高速液体クロマトグラフィー(測定波長:230nm、移動相:アセトニトリル/水=2/1、流速:1.0ml/分、分析量:10μl、カラム:Inertsil ODS−2)により測定した。
溶存酸素量は有機溶媒用の溶存酸素計により測定した。
溶存酸素量は有機溶媒用の溶存酸素計により測定した。
[実施例2〜16、比較例1〜18]
重合性成分の種類、重合性成分における重合禁止剤含有量および溶存酸素量を表1,2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、グラフト重合を行い、評価した。評価結果を表1,2に示す。
なお、表1,2の重合性成分の欄に比率が記載されている場合、質量比率を意味する。
重合性成分の種類、重合性成分における重合禁止剤含有量および溶存酸素量を表1,2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、グラフト重合を行い、評価した。評価結果を表1,2に示す。
なお、表1,2の重合性成分の欄に比率が記載されている場合、質量比率を意味する。
実施例1〜16より、重合性成分の重合禁止剤量が20ppm以下で溶存酸素量が25mg/リットル以下であることで、FEPシートに対する接着性に優れたアクリル樹脂被覆層を形成できた。
特に、実施例1〜4および比較例1〜6より、重合性成分の重合禁止剤含有量が20ppm以下であることにより、FEPシートにグラフトしたアクリル樹脂を形成でき、しかも接着性が高いことが分かった。
また、実施例5〜7および比較例7,8、実施例8〜10および比較例9,10より、溶存酸素量が25mg/リットル以下であることにより、FEPシートにグラフトしたアクリル樹脂を形成でき、しかも接着性が高いことが分かった。
また、実施例3,11および比較例11より、FEPシートをプラズマ処理することにより、FEPシートにグラフトしたアクリル樹脂を形成でき、しかも接着性が高いことが分かった。
また、比較例12〜14より、重合性成分が(メタ)アクリルモノマーのみでは、FEPシートにグラフトしたアクリル樹脂を形成できるものの、接着性が低いことが分かった。
特に、実施例1〜4および比較例1〜6より、重合性成分の重合禁止剤含有量が20ppm以下であることにより、FEPシートにグラフトしたアクリル樹脂を形成でき、しかも接着性が高いことが分かった。
また、実施例5〜7および比較例7,8、実施例8〜10および比較例9,10より、溶存酸素量が25mg/リットル以下であることにより、FEPシートにグラフトしたアクリル樹脂を形成でき、しかも接着性が高いことが分かった。
また、実施例3,11および比較例11より、FEPシートをプラズマ処理することにより、FEPシートにグラフトしたアクリル樹脂を形成でき、しかも接着性が高いことが分かった。
また、比較例12〜14より、重合性成分が(メタ)アクリルモノマーのみでは、FEPシートにグラフトしたアクリル樹脂を形成できるものの、接着性が低いことが分かった。
10 成形体
11 基材
11a 表面
12 アクリル樹脂被覆層
12a 重合性成分
11 基材
11a 表面
12 アクリル樹脂被覆層
12a 重合性成分
Claims (2)
- 不活性ガス雰囲気下にて、フッ素樹脂製基材の表面をプラズマ処理する工程と、フッ素樹脂製基材のプラズマ処理した面に重合性成分を供給し、グラフト重合させて、樹脂被覆層を形成させる工程とを有し、
前記重合性成分は、(メタ)アクリルオリゴマーを含有し、重合禁止剤含有量が20ppm以下でかつ20℃における溶存酸素量が25mg/リットル以下であることを特徴とする樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法。 - 前記樹脂被覆層の表面に他の層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009176592A JP2011026530A (ja) | 2009-07-29 | 2009-07-29 | 樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009176592A JP2011026530A (ja) | 2009-07-29 | 2009-07-29 | 樹脂被覆フッ素樹脂製成形体の製造方法 |
Publications (1)
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ID=43635643
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103144386A (zh) * | 2013-03-18 | 2013-06-12 | 江苏泰氟隆科技有限公司 | 聚全氟乙丙烯薄膜及其接枝官能团工艺以及复合密封塞 |
JP2013136233A (ja) * | 2011-11-29 | 2013-07-11 | Olympus Corp | フッ素樹脂製部品の製造方法およびフッ素樹脂製部品 |
-
2009
- 2009-07-29 JP JP2009176592A patent/JP2011026530A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013136233A (ja) * | 2011-11-29 | 2013-07-11 | Olympus Corp | フッ素樹脂製部品の製造方法およびフッ素樹脂製部品 |
CN103144386A (zh) * | 2013-03-18 | 2013-06-12 | 江苏泰氟隆科技有限公司 | 聚全氟乙丙烯薄膜及其接枝官能团工艺以及复合密封塞 |
CN103144386B (zh) * | 2013-03-18 | 2015-10-28 | 江苏泰氟隆科技有限公司 | 聚全氟乙丙烯薄膜及其接枝官能团工艺以及复合密封塞 |
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