JP6021842B2 - ブラックジンジャー抽出物組成物及びブラックジンジャー抽出物含有飲食物並びにブラックジンジャー抽出物の呈味改善方法 - Google Patents
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Description
<1> 糖、糖アルコール、可食性酸類、及び人工甘味料の少なくともいずれかである化合物と、ブラックジンジャー抽出物と、を含有することを特徴とする呈味良好なブラックジンジャー抽出物組成物である。
<2> 糖が、ラクトース、マルトース、及びパラチノースの少なくともいずれかであり、糖アルコールが、マルチトール、キシリトール、及びエリスリトールの少なくともいずれかであり、可食性酸類が、アスコルビン酸、及びクエン酸の少なくともいずれかであり、人工甘味料が、アセスルファムカリウムである前記<1>に記載のブッラクジンジャー抽出物組成物である。
<3> 糖の配合量が、ブラックジンジャー抽出物1質量部に対して0.1質量部〜10質量部であり、糖アルコールの配合量が、ブラックジンジャー抽出物1質量部に対して0.1質量部〜50質量部であり、可食性酸類の配合量が、ブラックジンジャー抽出物1質量部に対して0.05質量部〜1質量部であり、人工甘味料の配合量が、ブラックジンジャー抽出物1質量部に対して0.001質量部〜0.05質量部である前記<1>から<2>のいずれかに記載のブラックジンジャー抽出物組成物である。
<4> ブラックジンジャー抽出物が、ブラックジンジャー(Kaempferia parviflora)の根茎部を水、親水性有機溶媒及びこれらの混合溶媒のいずれかを用いて抽出処理して得られた抽出物である前記<1>から<3>のいずれかに記載のブラックジンジャー抽出物組成物である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のブラックジンジャー抽出物組成物を飲食物に添加してなることを特徴とするブラックジンジャー抽出物含有飲食物である。
<6> 糖、糖アルコール、可食性酸類、及び人工甘味料の少なくともいずれかの化合物をブラックジンジャー抽出物に対して添加することにより、ブラックジンジャー抽出物の匂い、後味、苦味、及び渋味が改善されることを特徴とするブラックジンジャー抽出物の呈味改善方法である。
本発明のブラックジンジャーの抽出物組成物は、糖、糖アルコール、可食性酸類、及び人工甘味料の少なくともいずれかである化合物と、ブラックジンジャー抽出物とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記ブラックジンジャー(黒ショウガ)は、ショウガ科バンウコン属の植物であって、学名は、ケンペリア・パルウィフローラ(Kaempferia parviflora)であり、東南アジアのタイ等に分布しており、この地域から容易に入手可能である。
前記糖は、前記ブラックジンジャー抽出物の呈味を改善する成分である。
前記糖としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グルコース、アロース、アルトロース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース等の単糖類;タロースラクトース、マルトース、パラチノース等の二糖類;ラフィノース、パノース、マルトトリオース、メレジトース、ゲンチアノース等の三糖類;スタキオース等の四糖類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ブラックジンジャーの苦味、渋味、甘味、及び後味だけでなく、ブラックジンジャー特有の匂いをも改善することができる点で、ラクトース、マルトース、パラチノース等の二糖類がより好ましい。
前記ラクトース(乳糖)(化学式:C12H22O11;分子量:342.3)は、下記構造式(1)で表され、D−ガラクトースとD−グルコースとがβ−1,4ガラクシド結合した二糖類である。前記ラクトースとしては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、ラクトース(製品名「ラクトース」、和光純薬工業社製)などが挙げられる。
前記マルトース(麦芽糖)(化学式:C12H22O11;分子量:342.3)は、下記構造式(2)で表され、α−グルコース2分子がα−1,4グリコシド結合した還元性の二糖類である。前記マルトースとしては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、マルトース(製品名「マルトース」、和光純薬工業社製)などが挙げられる。
前記パラチノース(化学式:C12H22O11;分子量:342.3)は、下記構造式(3)で表され、スクロースに転移酵素を作用させて結合の仕方を変えた二糖類である。前記パラチノースとしては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、パラチノース(製品名「パラチノース一水和物」、和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
前記糖アルコールは、前記ブラックジンジャー抽出物の呈味を改善する成分である。
前記糖アルコールは、カルボニル基が還元されて生成する糖の一種であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、イソマルト、ラクチトール、スクロース、グリセリンなどが挙げられる。これらの中でも、ブラックジンジャーの苦味、渋味、甘味、及び後味だけでなく、ブラックジンジャー特有の匂いをも改善することができる点で、マルチトール、キシリトール、エリスリトールが好ましい。
前記マルチトール(化学式:C12H24O11;分子量:344.31)は、下記構造式(4)で表され、酵素糖化法によって澱粉からつくられるマルトースを原料として高圧下で接触還元して得られる糖アルコールの一種である。前記マルチトールとしては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、マルチトース(製品名「マルチトース」、和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
前記キシリトール(化学式:C5H12O5;分子量:152.15)は、下記構造式(5)で表され、キシロースから合成される糖アルコールの一種である。前記キシリトールとしては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、キシリトール(製品名「キシリトール」、和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
前記エリスリトール(化学式:C4H10O4;分子量:122.12)は、下記構造式(6)で表され、メロン、ブドウ、梨等の果実;醤油、味噌、清酒等の発酵食品に含まれている天然の糖アルコールである。前記エリスリトールとしては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、エリスリトール(製品名「ジペンタエリスリトール」、和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
前記可食性酸類は、前記ブラックジンジャー抽出物の呈味を改善する成分である。
前記可食性酸類は、酸を有する有機化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、蟻酸、酢酸、シュウ酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸などが挙げられる。これらの中でも、ブラックジンジャーの苦味、渋味、甘味、及び後味だけでなく、ブラックジンジャー特有の匂いをも改善することができる点で、アスコルビン酸、クエン酸が好ましい。
前記アスコルビン酸(化学式:C6H8O6;分子量176.13)は、下記構造式(7)で表され、ラクトン構造を持つ有機化合物の一種である。前記アスコルビン酸としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、アスコルビン酸(製品名「L(+)−アスコルビン酸」、和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
前記クエン酸(化学式:C6H8O7;分子量192.13)は、下記構造式(8)で表され、ヒドロキシ酸を有する有機化合物の一種である。前記クエン酸としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、クエン酸(製品名「クエン酸」,和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
前記人工甘味料は、前記ブラックジンジャー抽出物の呈味を改善する成分である。
前記人工甘味料としては、食品に存在しない甘み成分を人工的に合成したものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、スクラロース、サッカリンなどが挙げられる。これらの中でも、ブラックジンジャーの苦味、渋味、甘味、及び後味だけでなく、ブラックジンジャー特有の匂いをも改善することができる点で、アセスルファムカリウムが好ましい。
前記アセスルファムカリウム(化学式:C4H4KNO4S;分子量:201.24)は、下記構造式(9)で表され、ジケテンとスルファミン酸とを反応させ、これに三酸化硫黄を反応させることによりアセスルファム環を作った後、水酸化カリウムで中和することにより得られる人工甘味料の一種である。前記アセスルファムカリウムとしては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、アセスルファムカリウム(製品名「サネット」、キリン協和フーズ株式会社製)などが挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、乳化剤、酸化防止剤、調味料、着色料、香料、保湿剤、油性成分、紫外線吸収剤、増粘剤、粉末成分、色剤、水性成分、水、皮膚栄養剤、収斂剤、殺菌剤、抗菌剤、保湿剤、細胞賦活剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類などが挙げられる。
前記ブラックジンジャー抽出物組成物における呈味改善に寄与する化合物を1種以上組合せた例としては、例えば、ブラックジンジャー抽出物とラクトースとを配合してなるブラックジンジャー抽出物組成物、ブラックジンジャー抽出物とマルトースとを配合してなるブラックジンジャー抽出物組成物、ブラックジンジャー抽出物とパラチノースとを配合してなるブラックジンジャー抽出物組成物、ブラックジンジャー抽出物とマルチトールとを配合してなるブラックジンジャー抽出物組成物、ブラックジンジャー抽出物とキシリトールとを配合してなるブラックジンジャー抽出物組成物、ブラックジンジャー抽出物とエリスリトールとを配合してなるブラックジンジャー抽出物組成物、ブラックジンジャー抽出物とアスコルビン酸とを配合してなるブラックジンジャー抽出物組成物、ブラックジンジャー抽出物とクエン酸とを配合してなるブラックジンジャー抽出物組成物などが好適である。
本発明のブラックジンジャー抽出物組成物は、ブラックジンジャー抽出物特有の匂い、後味、苦味、渋味等の呈味を容易に改善することができ、ブラックジンジャー抽出物の甘味が増え、総合的な美味しさを備えており、繰返して飲みたいという評価が得られるものであり、粉末、顆粒、キューブ、ペースト、液体などいずれの形態でもよく、製剤化に際しては、必要に応じて更に分散剤、賦形剤等の任意の助剤を配合することができる。
本発明のブラックジンジャー抽出物含有飲食物は、本発明のブラックジンジャー抽出物組成物を飲食物に添加してなる。この場合、ブラックジンジャー抽出物組成物の飲食物への添加量は、飲食物の種類に応じて異なり一概に規定することはできないが、ブラックジンジャー抽出物組成物として飲食物全体の0.1質量%〜50質量%の添加が好ましく、場合によっては50質量%を超えても使用可能である。また、前記ブラックジンジャー抽出物として1日あたり10mg〜1,000mgの摂取量で有効な結果が得られる。
−ブラックジンジャーの50質量%含水エタノール抽出物の製造−
抽出原料としてブラックジンジャーの根茎部の粉砕物100gを、50質量%エタノール(水とエタノールとの質量比1:1)1,000mLに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、80℃に保った後、濾過した。濾液を40℃で減圧下に濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥して、抽出物(粉末状:収率11.7%)を得た。
−ブラックジンジャーのエタノール抽出物の製造−
抽出原料としてブラックジンジャーの根茎部の粉砕物100gを、エタノール1,000mLに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、80℃に保った後、濾過した。濾液を40℃で減圧下に濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥して、抽出物(粉末状:収率3.3%)を得た。
−ブラックジンジャーの水抽出物の製造−
抽出原料としてブラックジンジャーの根茎部の粉砕物100gを、水1,000mLに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、80℃に保った後、濾過した。濾液を40℃で減圧下に濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥して、抽出物(粉末状:収率9.3%)を得た。
−ブラックジンジャーの呈味改善試験(糖)−
製造例1のブラックジンジャー抽出物1質量部に対して、ラクトース(製品名「pharmatose200M」,DMV international社製)を表1に示す配合量となるよう添加して、粉砕機で粉砕して均一な混合物とし、呈味の改善されたブラックジンジャー抽出物組成物を製造した。得られた各ブラックジンジャー抽出物組成物と水とを混合して、製造例1のブラックジンジャー抽出物の水溶液における濃度が0.5質量%となるよう、ブラックジンジャー抽出物組成物の水溶液を調製し、下記評価方法にしたがって呈味の評価を行った。結果を表1及び図1に示す。
−ブラックジンジャーの呈味改善試験(糖)−
製造例1のブラックジンジャー抽出物1質量部に対して、マルトース(製品名「サンマルト」,株式会社林原製)を表1に示す配合量となるよう添加して、粉砕機で粉砕して均一な混合物とし、呈味の改善されたブラックジンジャー抽出物組成物を製造した。得られた各ブラックジンジャー抽出物組成物と水とを混合して、製造例1のブラックジンジャー抽出物の水溶液における濃度が0.5質量%となるよう、ブラックジンジャー抽出物組成物の水溶液を調製し、下記評価方法にしたがって呈味の評価を行った。結果を表1及び図2に示す。
−ブラックジンジャーの呈味改善試験(糖)−
製造例1のブラックジンジャー抽出物1質量部に対して、パラチノース(製品名「結晶パラチノースIC」,三井製糖株式会社製)を表1に示す配合量となるよう添加して、粉砕機で粉砕して均一な混合物とし、呈味の改善されたブラックジンジャー抽出物組成物を製造した。得られた各ブラックジンジャー抽出物組成物と水とを混合して、製造例1のブラックジンジャー抽出物の水溶液における濃度が0.5質量%となるよう、ブラックジンジャー抽出物組成物の水溶液を調製し、下記評価方法にしたがって呈味の評価を行った。結果を表1及び図3に示す。
−ブラックジンジャーの呈味改善試験(糖アルコール)−
製造例1のブラックジンジャー抽出物1質量部に対して、マルチトール(製品名「マルビット」,物産フードサイエンス株式会社製)を表1に示す配合量となるよう添加して、粉砕機で粉砕して均一な混合物とし、呈味の改善されたブラックジンジャー抽出物組成物を製造した。得られた各ブラックジンジャー抽出物組成物と水とを混合して、製造例1のブラックジンジャー抽出物の水溶液における濃度が0.5質量%となるよう、ブラックジンジャー抽出物組成物の水溶液を調製し、下記評価方法にしたがって呈味の評価を行った。結果を表1及び図4に示す。
−ブラックジンジャーの呈味改善試験(糖アルコール)−
製造例1のブラックジンジャー抽出物1質量部に対して、キシリトール(製品名「キシリトール50M」,物産フードサイエンス株式会社製)を表1に示す配合量となるよう添加して、粉砕機で粉砕して均一な混合物とし、呈味の改善されたブラックジンジャー抽出物組成物を製造した。得られた各ブラックジンジャー抽出物組成物と水とを混合して、製造例1のブラックジンジャー抽出物の水溶液における濃度が0.5質量%となるよう、ブラックジンジャー抽出物組成物の水溶液を調製し、下記評価方法にしたがって呈味の評価を行った。結果を表1及び図5に示す。
−ブラックジンジャーの呈味改善試験(糖アルコール)−
製造例1のブラックジンジャー抽出物1質量部に対して、エリスリトール(製品名「エリスリトール」,三菱化学フーズ株式会社製)を表1に示す配合量となるよう添加して、粉砕機で粉砕して均一な混合物とし、呈味の改善されたブラックジンジャー抽出物組成物を製造した。得られた各ブラックジンジャー抽出物組成物と水とを混合して、製造例1のブラックジンジャー抽出物の水溶液における濃度が0.5質量%となるよう、ブラックジンジャー抽出物組成物の水溶液を調製し、下記評価方法にしたがって呈味の評価を行った。結果を表1及び図6に示す。
−ブラックジンジャーの呈味改善試験(可食性酸類)−
製造例1のブラックジンジャー抽出物1質量部に対して、アスコルビン酸(製品名「アスコルビン酸(L−アスコルビン酸)微粉末」,DSMニュートリションジャパン社製)を表1に示す配合量となるよう添加して、粉砕機で粉砕して均一な混合物とし、呈味の改善されたブラックジンジャー抽出物組成物を製造した。得られた各ブラックジンジャー抽出物組成物と水とを混合して、製造例1のブラックジンジャー抽出物の水溶液における濃度が0.5質量%となるよう、ブラックジンジャー抽出物組成物の水溶液を調製し、下記評価方法にしたがって呈味の評価を行った。結果を表1及び図7に示す。
−ブラックジンジャーの呈味改善試験(可食性酸類)−
製造例1のブラックジンジャー抽出物1質量部に対して、クエン酸(製品名「クエン酸(結晶物)」,和光純薬株式会社製)を表1に示す配合量となるよう添加して、粉砕機で粉砕して均一な混合物とし、呈味の改善されたブラックジンジャー抽出物組成物を製造した。得られた各ブラックジンジャー抽出物組成物と水とを混合して、製造例1のブラックジンジャー抽出物の水溶液における濃度が0.5質量%となるよう、ブラックジンジャー抽出物組成物の水溶液を調製し、下記評価方法にしたがって呈味の評価を行った。結果を表1及び図8に示す。
−ブラックジンジャーの呈味改善試験(人工甘味料)−
製造例1のブラックジンジャー抽出物1質量部に対して、アセスルファムカリウム(製品名「サネット」、キリン協和フーズ株式会社製)を表1に示す配合量となるよう添加して、粉砕機で粉砕して均一な混合物とし、呈味の改善されたブラックジンジャー抽出物組成物を製造した。得られた各ブラックジンジャー抽出物組成物と水とを混合して、製造例1のブラックジンジャー抽出物の水溶液における濃度が0.5質量%となるよう、ブラックジンジャー抽出物組成物の水溶液を調製し、下記評価方法にしたがって呈味の評価を行った。結果を表1及び図9に示す。
−ブラックジンジャーの呈味改善試験(抽出物のみ)−
呈味改善剤を使用せず、製造例1のブラックジンジャー抽出物と水とを混合して、製造例1のブラックジンジャー抽出物の水溶液における濃度が0.5質量%となるよう、ブラックジンジャー抽出物の水溶液を調製し、下記評価方法にしたがって呈味の評価を行った。結果を表1及び図1〜9に示す。
呈味の評価は、成人パネラー17名(男性:9名、女性:8名)で行い、各実施例及び比較例で得られたブラックジンジャー抽出物を含有する水溶液を試飲した後、アンケート用紙に回答することで行った。アンケートの評価方法は、パネラーに下記各評価項目について各5段階に分けて判定した。なお、検体の提供はダブルブラインドで行い、パネラー同士は隔離した状態で評価を行った。得られたパネラーの評価結果を平均値化し、レーダーチャートで表現した。結果を表1及び図1〜9に示す。
5:非常によい
4:比較的よい
3:許容範囲
2:比較的悪い
1:非常に悪い
5:非常に甘い
4:比較的甘い
3:許容範囲
2:比較的甘味がない
1:非常に甘味がない
5:非常に苦味・渋味がない
4:比較的苦味・渋味がない
3:許容範囲
2:比較的苦味・渋味がある
1:非常に苦味・渋味がある
5:非常によい
4:比較的よい
3:許容範囲
2:比較的悪い
1:非常に悪い
5:非常によい
4:比較的よい
3:許容範囲
2:比較的悪い
1:非常に悪い
5:非常に繰返して飲みたい
4:比較的繰返して飲みたい
3:許容範囲
2:比較的繰返して飲みたくない
1:非常に繰返して飲みたくない
小麦粉1,000質量部、コーンスターチ100質量部、マルトース250質量部、マーガリン125質量部、食塩5質量部、炭酸ソーダ25質量部、炭酸アンモニウム9質量部、レシチン6質量部、全卵75質量部、乳酸カルシウム50質量部、製造例1のブラックジンジャー抽出物(粉末)2質量部、及び水350質量部を用いてドウを作成し、延展後、これを成形してばい焼し、呈味の良好なビスケットを製造した。
パラチノース330質量部、ソルビトール140質量部、及び水270質量部を混合して加熱し、そこにゼラチン80質量部及び製造例1のブラックジンジャー抽出物(粉末)10質量部を水150質量部に溶かした溶液と、50質量%リン酸水溶液8質量部とを混合し、型に流し込んで冷却することにより、呈味の良好なグミキャンディーを得た。
チューインガム試作用ミキサーにガムベース25質量部、及びパラチニットシロップ14質量部を加え混合した。更に粉末キシリトール35質量部、粉末マルチトール25質量部、製造例1のブラックジンジャー抽出物(粉末)14質量部、及びステビア(丸善製薬株式会社製、商品名:マルミロン50)0.4質量部を予め混合したものを数回に分けて加え、よく練り合わせた。次いで、グリセリンを1質量部加えて充分混合した後、ミキサーから取り出し、ローラーで圧延することによって呈味の良好なチューインガムを製造した。
常法により下記組成のマウスウオッシュを調製した。
・ エタノール 15質量部
・ ソルビトール 10質量部
・ クエン酸 0.05質量部
・ クエン酸ナトリウム 0.2質量部
・ 安息香酸ナトリウム 0.2質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 0.2質量部
・ サッカリンナトリウム 0.05質量部
・ 製造例1のブッラクジンジャー抽出物 0.4質量部
・ l−メントール 0.05質量部
・ 精製水 残部
合計 100質量部
調製されたマウスウオッシュは、呈味の良好なものであった。
常法により下記組成の錠剤を調製した。
・ 製造例1のブッラクジンジャー抽出物 20質量部
・ マルチトール 72質量部
・ 乳糖 100質量部
・ グリセリン脂肪酸エステル 8質量部
原料の混合と打錠が容易であり、呈味の良好な錠剤が得られた。
常法により下記組成のカクテルを調製した。
・ 製造例1のブッラクジンジャー抽出物 1質量部
・ 日本酒 98.9質量部
・ マルトース 0.1質量部
調製されたカクテルは、呈味の良好なものであった。
常法により下記組成のインスタントティーを調製した。
・ 製造例1のブラックジンジャー抽出物 20質量部
・ エリスリトール 40質量部
・ クエン酸 50質量部
・ ラクチュロース 50質量部
・ デキストリン 810質量部
原料の混合及び流動層造粒機による顆粒化が容易であり、呈味の良好なインスタントティー(顆粒)が得られた。
常法により下記組成のコーヒー飲料を調製した。
・ ブラックジンジャー抽出物 1質量部
・ コーヒー抽出液(L(明度)=20、Brix=3) 40質量部
・ マルチトール 2質量部
・ 香料 適量
・ 水 残部
調製されたコーヒー飲料は、呈味の良好なものであった。
Claims (7)
- アスコルビン酸及びクエン酸から選択される少なくとも1種と、ブラックジンジャー抽出物とを含有し、
前記ブラックジンジャー抽出物が、ブラックジンジャー(Kaempferia parviflora)の根茎部の水抽出物、親水性有機溶媒抽出物、又はこれらの混合溶媒抽出物であり、
前記アスコルビン酸を用いる際には、前記アスコルビン酸の配合量が、前記ブラックジンジャー抽出物1質量部に対して0.5質量部〜1質量部であり、
前記クエン酸を用いる際には、前記クエン酸の配合量が、前記ブラックジンジャー抽出物1質量部に対して0.05質量部〜0.5質量部であることを特徴とする前記ブラックジンジャー抽出物の匂い、後味、苦味、及び渋味が改善される呈味良好なブラックジンジャー抽出物組成物。 - アスコルビン酸を用いる際には、前記アスコルビン酸の配合量が、ブラックジンジャー抽出物1質量部に対して1質量部であり、
クエン酸を用いる際には、前記クエン酸の配合量が、前記ブラックジンジャー抽出物1質量部に対して0.5質量部である請求項1に記載の呈味良好なブラックジンジャー抽出物組成物。 - アスコルビン酸及びクエン酸の少なくともいずれかと、ブラックジンジャー抽出物とを含有する請求項1から2のいずれかに記載の呈味良好なブラックジンジャー抽出物組成物。
- 請求項1から3のいずれかに記載のブラックジンジャー抽出物組成物を飲食物に添加してなることを特徴とするブラックジンジャー抽出物含有飲食物。
- ブラックジンジャー抽出物に対して、アスコルビン酸、及びクエン酸から選択される少なくとも1種を添加することにより、前記ブラックジンジャー抽出物の匂い、後味、苦味、及び渋味が改善されるブラックジンジャー抽出物の呈味を改善する方法であって、
前記アスコルビン酸を用いる際には、前記アスコルビン酸の配合量が、前記ブラックジンジャー抽出物1質量部に対して0.5質量部〜1質量部であり、
前記クエン酸を用いる際には、前記クエン酸の配合量が、前記ブラックジンジャー抽出物1質量部に対して0.05質量部〜0.5質量部であることを特徴とするブラックジンジャー抽出物の呈味改善方法。 - アスコルビン酸を用いる際には、前記アスコルビン酸の配合量が、ブラックジンジャー抽出物1質量部に対して1質量部であり、
クエン酸を用いる際には、前記クエン酸の配合量が、前記ブラックジンジャー抽出物1質量部に対して0.5質量部である請求項5に記載のブラックジンジャー抽出物の呈味改善方法。 - ブラックジンジャー抽出物に対して、アスコルビン酸及びクエン酸の少なくともいずれかを添加する請求項5から6のいずれかに記載のブラックジンジャー抽出物の呈味改善方法。
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