JP4094332B2 - 水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物 - Google Patents

水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水に対し優れた分散性及び可溶性を有し、飲食品、健康食品、化粧品又は医薬品、特にpH2〜6の飲料に添加した場合に、長期間に亘って沈殿の生成を防止することができる水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
バナバ葉は、ミソハギ科の植物の葉で、フィリピンでは昔から知られている薬用植物であり、その葉を煎じて糖尿病に用いられている。日本においても健康食品(顆粒、錠剤、飲料)及び嗜好品として扱われている。
【0003】
前記バナバ葉抽出物の食品への使用に関しては、特開平10−349667号公報(血糖値上昇抑制及び下降用組成物)及び特願2000−194068号(糖質分解阻害剤、インスリン分泌抑制剤及び健康飲食物)、などが提案されている。
これらの提案においては、バナバ葉抽出物を食品に使用する場合、コロソリン酸が水に極めて溶解しないため、特開平10−349667号公報ではエタノール抽出物を粉末として使用することが示されている。特願2000−194068号では、熱水抽出物を希薄液にレトルトすることにより容易に摂取しやすくすることが可能であることが開示されている。
【0004】
しかしながら、前記バナバ葉抽出物は、上記有効成分の効率的な抽出のため、又は食品として使用することを目的としているため、含水エタノールを用いる場合が主である。このことから、バナバ葉抽出物は、飲料等の水溶液に対し極めて溶解しにくく作業性に欠き、有効成分であるコロソリン酸を含む極性の低い物質が沈殿を生じる。
【0005】
前記バナバ葉抽出物は、含水エタノールによる抽出物であるため、極めて水に対し難溶であり、経時的に沈殿を生じる。このことから、特に液状の製品に配合する際、注意が必要である。
この場合、清涼飲料水のような果汁や酸味料が使用されpHが低い場合、バナバ葉抽出物の溶解安定性は著しく低下し、0.01%程度の極めて低い濃度においても沈殿を生じてしまう。そのため、製品化にあたって、大きな解決課題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、極めて水に対し難溶であり、経時的に沈殿を生じてしまうバナバ葉抽出物を飲食品及び健康食品、特にpH2〜6の飲料に使用する際、該バナバ葉抽出物を容易に溶解させることができ、更に、保存時において沈殿の生成が少ない水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、バナバ葉抽出物にサポニン、特にキラヤサポニン、ダイズサポニン、ユッカサポニン、エンジュサポニン、茶種子サポニン、ビートサポニン、ニンジンサポニン及び甘草サポニン(グリチルリチン酸)から選ばれる1種又は2種以上を添加し、更に、プロピレングリコール、グリセリン、糖類、糖アルコール、デキストリン、サイクロデキストリン及び分岐サイクロデキストリンから選ばれる1種又は2種以上を添加することにより、バナバ葉抽出物を水に容易に分散又は溶解させることができ、飲食品及び健康食品等に添加した場合に、長期間に亘って沈殿の生成を極めて少なくできることを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】
即ち、本発明は、前記課題を解決するため、下記の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物を提供する。
<1> バナバ葉抽出物及びサポニンを含有し、飲食品及び健康食品に添加して用いられることを特徴とする水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物である。
<2> サポニンが、キラヤサポニン、ダイズサポニン、ユッカサポニン、エンジュサポニン、茶種子サポニン、ビートサポニン、ニンジンサポニン及び甘草サポニン(グリチルリチン酸)から選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物である。
<3> サポニンの配合量が、組成物全体の0.01〜50質量%である前記<1>又は<2>に記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物である。
> 更に、デキストリン、サイクロデキストリン及び分岐サイクロデキストリンから選ばれる1種又は2種以上を含有し、粉末状である前記<1>から<3>のいずれかに記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物である。
> pH2〜6の飲料に添加して用いられる前記<1>から<4>のいずれかに記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物である。
【0009】
本発明においては、更に以下の態様も好ましい。
<6> 更に、プロピレングリコール、グリセリン、糖類及び糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上を含有し、液体状である前記<1>から<3>のいずれかに記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物である。
> バナバ葉抽出物が、含水エタノール抽出物であり、組成物全体に対し0.01〜50質量%添加されている前記<1>から<>のいずれかに記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物である。
> 飲食品及び健康食品に対してバナバ葉抽出物組成物を0.01〜50質量%添加する前記<1>から<7>のいずれかに記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物である。
> バナバ葉抽出物と、サポニンと、更に、グリセリン、糖類、糖アルコール、プロピレングリコール、又はこれらの混合物とを添加混合し減圧濃縮することを特徴とする液体状のバナバ葉抽出物組成物の製造方法である。
<1> バナバ葉抽出物と、サポニンと、更に、デキストリン、サイクロデキストリン、分岐サイクロデキストリン、又はこれらの混合物とを添加混合し、減圧濃縮した後、乾燥することを特徴とする粉末状の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物の製造方法である。
<1サポニンが、キラヤサポニンである前記<>又は<10>に記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物は、バナバ葉抽出物及び界面活性剤(サポニン)を含有する。
また、本発明の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物は、バナバ葉抽出物及び界面活性剤(サポニン)と、更に、プロピレングリコール、グリセリン、糖類及び糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上を含有し、液体状であるバナバ葉抽出物組成物、或いはバナバ葉抽出物及び界面活性剤(サポニン)と、更に、デキストリン、サイクロデキストリン及び分岐サイクロデキストリンから選ばれる1種又は2種以上を含有し、粉末状であるバナバ葉抽出物組成物である。
【0011】
前記バナバ葉抽出物は、特に制限はないが、バナバ葉を乾燥した後、含水有機溶媒を用い抽出されるものであり、必要に応じて吸着樹脂で精製して得られるものが好ましい。
【0012】
ここで、バナバ葉〔学名:Lagerstroemia spesiosa(Linn)Pers.〕というミソハギ科の植物の葉である。フィリピンでは昔から知られている薬用植物であり、その葉を煎じて糖尿病の治療に使われている。日本においても健康食品(顆粒、錠剤、飲料)及び嗜好品として扱われている。有効成分としては、5環性のトリペルテンであるコロソリン酸が見出されており、血糖値を調整する機能が知られている。
【0013】
前記含水有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の炭素数1〜6の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール、トルエンなどが挙げられるが、これらの中でも、安全性、取扱性の観点からエタノールが好適である。
前記含水エタノールを抽出溶媒として用いる場合には、エタノールの濃度は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上の濃度であることがより好ましい
【0014】
前記吸着樹脂としては、芳香族系又は芳香族系修飾型のものが適当である。使用可能な吸着樹脂の具体例としては、ダイヤイオンHP,同20,同21、セパビーズSP207,同825,同850(以上、三菱化学社製)、アンバーライトXAD2,同4,同7(以上、オルガノ社製)、等が挙げられる。
【0015】
バナバ葉から有効成分を抽出するに際して、特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温乃至還流加熱下で、任意の装置を用いて抽出することができる。
【0016】
具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に、バナバ葉を投入し、必要に応じて時々攪拌しながら、30分〜2時間静置して可溶性成分を溶出した後、濾過して固形物を除去し、得られた抽出液から抽出溶媒を溜去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍量(質量比)であり、抽出条件は、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40〜80℃で30分〜4時間程度である。なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであればそのまま配合して本発明のバナバ葉抽出物として用いることができるが、更に、上述したように、吸着樹脂を用いて精製することが好ましい。
【0017】
前記バナバ葉抽出物の配合量は、組成物全体に対して0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜30質量%である。
前記バナバ葉抽出物の配合量が多すぎると水分散又は溶解性の優れたバナバ葉抽出物組成物の製造が困難となる場合がある。
【0018】
前記界面活性剤(サポニン)は、界面張力を下げる機能を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、今日の健康志向を考慮に入れると、安全性の観点から天然由来のサポニン類を用いることが好ましい。
【0019】
前記界面活性剤(サポニン)としては、例えば、キラヤサポニン、ダイズサポニン、ユッカサポニン、エンジュサポニン、茶種子サポニン、ビートサポニン、ニンジンサポニン、甘草サポニン(グリチルリチン酸)、などが挙げられるが、これらの中でも、キラヤサポニンが界面活性能に優れており、入手が容易である点から好ましい。
なお、サポニンの純度は、界面活性能を有すれば特に制限されるものではないが、サポニン特有の味を考慮に入れると、純度の高い方が使用量を少なくできる観点から好ましい。
【0020】
前記界面活性剤(サポニン)の配合量は、原料バナバ葉の種類、バナバ葉抽出物の抽出条件、目的とするバナバ葉抽出物の有効成分によっても異なるが、組成物全体に対して好ましくは0.001〜50質量%、より好ましくは0.1〜30質量%である。
【0021】
また、本発明のバナバ葉抽出物組成物においては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、更に、増量剤、賦形剤を添加することができる。特に、バナバ葉抽出物組成物中のバナバ葉抽出物の濃度が50質量%より少ない場合には有効である。
【0022】
前記増量剤又は賦形剤の種類は特に限定されるものではないが、水への分散又は溶解を考慮に入れると、水に対する溶解性が高い方が望ましい。
具体的には、バナバ葉抽出物の液体製剤では、プロピレングリコール、グリセリン、糖類、糖アルコール、などが挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
バナバ葉抽出物の粉末製剤では、デキストリン、サイクロデキストリン及び分岐サイクロデキストリン、などが挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
前記糖アルコールとは、還元基を有する糖の還元基(アルデヒド基及びケトン基)を還元してアルコール基としたものを意味し、この糖アルコールは発酵法などにより天然に産するもの、HやNaBH等の化学試薬で工業的に元の糖の還元基に水素を添加することにより製造することができる。
このような糖アルコールとしては、例えば、エリスリトール、キシリトール、トレハロース、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、パラチニット、ラクチトール、リビトール、還元澱粉糖化物などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。
【0024】
前記糖類としては、例えば、ショ糖、果糖、グルコース、キシロース、ガラクトース等の単糖類、マルトース(麦芽糖)、ラクトース(乳糖)、ラクチュロース、パラチノース等の二糖類、異性化糖などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。
【0025】
なお、本発明のバナバ葉抽出物組成物には、上記成分以外にも、更に必要に応じて、例えば、pH調整剤、安定化剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することができる。
【0026】
次に、バナバ葉抽出物組成物の液体製剤の製造方法について説明する。
バナバ葉抽出物は前述の方法で抽出されて得られるものを使用する。バナバ葉抽出物と、界面活性剤と、更に、グリセリン、糖類、糖アルコール、プロピレングリコール、又はこれらの混合物とを添加混合し、例えば、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮することにより、容易に水に対し溶解することができ、pH2〜6、特にpH2〜4の飲料等に使用できる水分散又は溶解性の優れた液体状のバナバ葉抽出物組成物が得られる。
これは、界面活性剤が、バナバ葉抽出物中の疎水性部位を安定化させ、水溶液中にて沈殿を生じさせることを防止する。特にpHの低い飲料等に使用する場合において、界面活性剤として、キラヤサポニンを配合することが有効であり、沈殿の生成を防止できる。
【0027】
また、バナバ葉抽出物組成物の粉末製剤の製造方法について説明する。
バナバ葉抽出物は前述の方法で抽出され得られるものを使用する。バナバ葉抽出物と、界面活性剤と、更に、デキストリン、サイクロデキストリン、分岐サイクロデキストリン、又はこれらの混合物とを添加混合し、例えば、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮した後、更に、真空濃縮機、噴霧乾燥、熱風乾燥機又は凍結乾燥機を用いて乾燥することが好ましい。
乾燥条件は特に限定されるものではないが、バナバ葉抽出物の有効成分劣化を考慮に入れると、40〜70℃前後で16〜48時間程度乾燥することが望ましい。乾燥後、例えば、衝撃式粉砕機にて粉砕し、篩い分けすることで、容易に水に対し溶解することができ、pH2〜6、特にpH2〜4の飲料等に使用できる水分散又は溶解性の優れた粉末状のバナバ葉抽出物組成物が得られる。
これは、界面活性剤が、バナバ葉抽出中に添加された後、濃縮することでバナバ葉抽出物の液体製剤を、乾燥し粉末することでバナバ葉抽出物の粉末製剤を極めて容易な製造方法で得ることができる。
【0028】
本発明のバナバ葉抽出物組成物は、水に対し優れた分散性及び可溶性を有し、飲食品、健康食品、化粧品又は医薬品等に添加して用いることができる。これらの中でも、pH2〜6の飲料に添加して用いることが好ましい。
この場合、バナバ葉抽出物組成物の添加量は、添加する飲食品、健康食品、化粧品又は医薬品に応じて異なり一概には規定できないが、通常0.01〜50質量%程度である。
【0029】
前記飲食品としては、例えば、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;種々の形態の健康・栄養補助食品;その他スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物などが挙げられる。
【0030】
また、本発明バナバ葉抽出物組成物は、上記飲食物以外にも経口摂取する錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ、うがい薬等の医薬品、医薬部外品等、口中清涼剤、口臭防止剤等の口腔内で使用する口腔清涼剤、歯磨剤などに添加して用いることができる。
【0031】
【実施例】
以下、製造例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0032】
〔製造例1〕
乾燥したバナバの葉3kgを含水エタノール(エタノール90質量%含有)2Lを加え、還流抽出を行った。その抽出液をろ過後、吸着樹脂(三菱化成製、HP−40)で精製し、減圧濃縮後、バナバ葉抽出物を150g(固形分20質量%)得た。
【0033】
〔比較例1〕
製造例1で得られたバナバ抽出物を50gにプロピレングルコールを90g添加し、減圧濃縮することで、比較例1のバナバ葉抽出物の液体製剤を100g調製した。
なお、プロピレングルコールの代わりに、上述したグリセリン、糖類又は糖アルコールを使用しても同様である。
【0034】
〔比較例2〕
製造例1で得られたバナバ葉抽出物を50gにデキストリン(参松工業(株)製 サンデク#100)を90g添加し、噴霧乾燥することで、比較例2のバナバ葉抽出物の粉末製剤を調製した。
なお、デキストリンの代わりに、上述したサイクロデキストリン又は分岐サイクロデキストリンを使用しても同様である。
【0035】
〔実施例1〕
比較例1で得られたバナバ葉抽出物を50gにキラヤサポニンを5g(丸善製薬(株)製 キラヤニンC−100、固形分 30質量%)とプロピレングルコールを88.5g添加し、減圧濃縮することで、実施例1のバナバ葉抽出物の液体製剤を調製した。
なお、プロピレングルコールの代わりに、上述したグリセリン、糖類又は糖アルコールを使用しても同様である。
【0036】
〔実施例2〕
製造例1で得られたバナバ葉抽出物を50gにキラヤサポニン(丸善製薬(株)製キラヤニンC−100)を5gとデキストリン(参松工業(株)製 サンデク#100)を88.5g添加し、噴霧乾燥することで、実施例2のバナバ葉抽出物の粉末製剤を調製した。
なお、デキストリンの代わりに、上述したサイクロデキストリン又は分岐サイクロデキストリンを使用しても同様である。
【0037】
〔実施例3〕
製造例1で得られたバナバ葉抽出物を50gにキラヤサポニン(丸善製薬(株)製 キラヤニンC−100)を2.5gとグリセリン脂肪酸エステル(太陽化学(株) サンソフトA―171E)を0.75Gとプロピレングルコールを88.5g添加し、減圧濃縮することで、実施例3のバナバ葉抽出物の液体製剤を調製した。
なお、プロピレングルコールの代わりに、上述したグリセリン、糖類又は糖アルコールを使用しても同様である。
【0038】
〔実施例4〕
製造例1で得られたバナバ葉抽出物を50gにキラヤサポニン(丸善製薬(株)製 キラヤニンC−100)2.5gと酵素分解レシチン(T&Kレシチン(株)製 エルマイザーA)1gとデキストリン(参松工業(株)製 サンデク#100)88.5gを添加し、噴霧乾燥することで、実施例4のバナバ葉抽出物の粉末製剤を調製した。
なお、デキストリンの代わりに、上述したサイクロデキストリン又は分岐サイクロデキストリンを使用しても同様である。
【0039】
次に、実施例1〜4及び比較例1,2で調製したバナバ葉抽出物組成物を用いて、下記配合のバナバ葉抽出物配合飲料を作製し、下記方法により安定性試験を行った。結果を表1に示す。
【0040】
<バナバ葉抽出物配合飲料>
Figure 0004094332
上記配合に、水を加えて100mLに調整した後、クエン酸ナトリウムを用いてpH3,4,5,6にそれぞれ調整した。
【0041】
<安定性試験>
得られた各バナバ葉抽出物配合飲料を透明ガラスビンに充填し、熱殺菌後、室温に放置し、経時的に1週間後と1ヶ月後の外観上の変化を目視で観察し、下記基準で評価した。
評価基準
−:沈殿なし
±:わずかに沈殿あり
+:沈殿あり
【0042】
【表1】
Figure 0004094332
表1の結果から、実施例1〜4では、水に容易に溶解し、pH3〜6のいずれの飲料においても、沈殿の生成がないバナバ葉抽出物組成物が得られることが確認できた。
これに対して、比較例1,2では、水に極めて溶解しにくく、pH3〜6のいずれの飲料においても、沈殿の生成が確認された。
【0043】
〔実施例5〕 果汁入り飲料
下記配合組成の果汁入り飲料を常法により製造した。
Figure 0004094332
【0044】
〔実施例6〕 コーヒー飲料
下記配合組成のコーヒー飲料を常法により製造した。
Figure 0004094332
【0045】
〔実施例7〕 レモンティー
下記配合組成のレモンティーを常法により製造した。
Figure 0004094332
【0046】
〔実施例8〕 混合茶
下記配合組成の混合茶を常法により製造した。
Figure 0004094332
【0047】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、次のような効果が得られる。
請求項1に記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物の発明によれば、含水エタノール抽出した水に難溶なバナバ葉抽出物を水に溶解した時、容易に水分散又は水溶解し、沈殿の生成を抑制し、飲食品及び健康食品に添加して用いることができる。
請求項2に記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物の発明によれば、キラヤサポニン、ダイズサポニン、ユッカサポニン、エンジュサポニン、茶種子サポニン、ビートサポニン、ニンジンサポニン及び甘草サポニン(グリチルリチン酸)から選ばれる1種又は2種以上のサポニンであれば、有効成分を失うことなく、容易な方法で製造することができるため、飲食品、健康食品、化粧品、又は医薬品に幅広く用いることができる。
請求項4に記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物の粉末化製剤の発明によれば、バナバ葉抽出物に界面活性剤(サポニン)を添加し、これを乾燥することで、容易に粉末化することができる。
請求項5に記載の水分散性又は水溶解性バナバ葉抽出物組成物によれば、従来困難であった、pH2〜6の飲料に容易に添加して沈殿の発生などの不具合が生じることのないものである。

Claims (4)

  1. バナバ葉抽出物及びサポニンを含有し、飲食品及び健康食品に添加して用いられ、サポニンの配合量が、組成物全体の3〜50質量%であることを特徴とする水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物。
  2. サポニンが、キラヤサポニン、ダイズサポニン、ユッカサポニン、エンジュサポニン、茶種子サポニン、ビートサポニン、ニンジンサポニン及び甘草サポニン(グリチルリチン酸)から選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物。
  3. 更に、デキストリン、サイクロデキストリン及び分岐サイクロデキストリンから選ばれる1種又は2種以上を含有し、粉末状である請求項1から2のいずれかに記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物。
  4. pH2〜6の飲料に添加して用いられる請求項1から3のいずれかに記載の水分散性又は水溶解性のバナバ葉抽出物組成物。
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