JP6011183B2 - ポリマー組成物 - Google Patents
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Description
S=〔ΔH msc /(ΔH mh +ΔH msc )〕×100
式中のSはステレオコンプレックス結晶化度(%)を示し、ΔH msc はステレオコンプレックス型結晶の融解熱(J/g)であって、ΔH mh はステレオコンプレックス型結晶の形成に寄与しないホモ結晶の融解熱(J/g)である。
まず、ポリマー組成物の製造において原材料として用いられるモノマー等の成分について説明する。本実施形態において、原材料とは、ポリマーを製造するもとになる材料であって、ポリマーの構成成分となる材料であり、モノマーを含み、更に必要に応じて適宜選択した開始剤、添加剤などの任意成分を含む。
本実施形態では、原材料のモノマーとして、第1の開環重合性モノマー(以下、第1のモノマーという)と、第2の開環重合性モノマー(以下、第2のモノマーという)と、を用いる。なお、開環重合性とは、開環重合し得ることを意味する。
第1のモノマーとしては、使用する圧縮性流体との組み合わせにもよるが、エステル結合などのカルボニル結合を環内に有するものが好ましい。カルボニル結合は、電気陰性度の高い酸素が炭素とπ結合して成り、π結合電子がひきつけられることにより酸素が負に分極し、炭素が正に分極しているため、反応性が高くなる。また、圧縮性流体が二酸化炭素の場合、カルボニル結合が二酸化炭素の構造と似ていることから、二酸化炭素と生成したポリマーとの親和性は高くなると推測される。これらの作用により、圧縮性流体による、生成したポリマーの可塑化の効果は高くなる。カルボニル結合を環内に有する第1のモノマーとしては、例えば、環状エステル、環状カーボネートなどが挙げられる。カルボニル結合を環内に有する第1のモノマーを開環重合することにより、ポリエステルあるいはポリカーボネートなどのカルボニル結合を有する第1のポリマーが得られることになる。なお、本実施形態では、第1のモノマーとしては、光学異性体の一方(例えばL体)が用いられる。
R−C*−H(−OH)(−COOH) 一般式(1)
(一般式(1)において、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す。また、一般式(1)において、「C*」は、不斉炭素を表す。)
本実施形態において第2のモノマーは、第1のモノマーの光学異性体である。例えば、第1のモノマーがL−ラクチドである場合、第2のモノマーはD−ラクチドである。これにより、第1のモノマーを開環重合して得られた第1のポリマーと、第2のモノマーを開環重合して得られた第2のポリマーとを混合することで、ステレオコンプレックス型結晶を有するポリマー組成物が得られることになる。
本実施形態では、第1のモノマーあるいは第2のモノマーに加えて、その他のモノマーを用いても良い。この場合、第1のモノマーあるいは第2のモノマーによって構成されるブロックと、その他のモノマーによって構成されるブロックとを有するマルチブロック共重合体としてのポリマーが得られることになる。その他のモノマーとしては、特に限定されないが、上述の開環重合性モノマー以外に、イソシアネート化合物やグリシジル化合物も挙げることができる。イソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートなど、従来公知の多官能性イソシアネート化合物が挙げられるが、特に限定されるものではない。グリシジル化合物としては、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジグリシジルテレフタレート等の従来公知の多官能グリシジル化合物が挙げられるが特に限定されるものではない。
本実施形態では、触媒が好適に用いられる。本実施形態で用いられる触媒は、目的に応じて適宜選択することができ、金属原子を含有する金属触媒であっても、金属原子を含有しない有機触媒であっても良い。
本実施形態では、上記の各モノマーの他、開環重合開始剤(開始剤)やその他の添加剤が原材料の任意成分として用いられる。
本実施形態では、得られるポリマーの分子量を制御するために、開始剤が好適に用いられる。開始剤としては、公知のものが使用でき、アルコール系であれば例えば脂肪族アルコールのモノ、ジ、又は多価アルコールのいずれでもよく、また飽和、不飽和のいずれであっても構わない。開始剤としては、具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等のモノアルコール;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール等のジアルコール;グリセロール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、エリスリトール、トリエタノールアミン等の多価アルコール;及び乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。
また、開環重合に際しては、必要に応じて添加剤を添加してもよい。添加剤の例としては、界面活性剤、酸化防止剤、安定剤、防曇剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、無機粒子、各種フィラー、熱安定剤、難燃剤、結晶核剤、帯電防止剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、滑剤、天然物、離型剤、可塑剤、その他類似のものがあげられる。必要に応じて重合反応後に重合停止剤(安息香酸、塩酸、燐酸、メタリン酸、酢酸、乳酸等)を用いることもできる。上記添加剤の配合量は、添加する目的や添加剤の種類によって異なるが、好ましくは、ポリマー組成物100質量部に対して0質量部以上5質量部以下である。
次に、図1及び図2を用いて本実施形態においてポリマーの製造で用いられる圧縮性流体について説明する。図1は、温度と圧力に対する物質の状態を示す相図である。図2は、本実施形態において圧縮性流体の範囲を定義するための相図である。本実施形態における「圧縮性流体」とは、物質が、図1で表される相図の中で、図2に示す(1)、(2)、(3)の何れかの領域に存在するときの状態を意味する。
続いて、図3乃至図5を用いて、本実施形態のポリマー組成物の製造で好適に用いられる製造装置について説明する。図3は、複合体製造装置を示す模式図である。図4は、重合反応装置を示す模式図である。図5は、複合体製造装置を示す模式図である。本実施形態におけるポリマー組成物の製造は、連続式の工程で実行される。
まず、図3及び図4を用いて、第1の製造装置としての複合体製造装置300について説明する。複合体製造装置300は、モノマーを重合してポリマーを得る複数の重合反応装置100と、得られたポリマーを移送する配管31と、移送されたポリマーを混合する混合装置41と、混合して得られた複合体(ポリマー組成物)を排出する圧調整バルブ42とを有する。
続いて、図5を用いて、第2の製造装置としての複合体製造装置400について説明する。図5に示すように複合体製造装置400は、図4のものと同様の重合反応装置100と、タンク(21,27)と、計量フィーダー22と、計量ポンプ28と、接触部29と、反応部33とを有する。
続いて、ステレオコンプレックス型結晶を有するポリマー組成物の製造方法として、複合体製造装置300を用いた第1の製造方法、及び、複合体製造装置400を用いた第2の製造方法について説明する。なお、第1の製造方法は、第1のモノマーと第2のモノマーの重合をそれぞれ行い、得られた中間体としてのポリマー(ホモポリマー)を、続けて混合する方法である。また、第2の製造方法は、まず第1のモノマーの重合を行い、この第1のモノマーを消費した段階で、第2のモノマーを加えて重合を行うことで、ブロック共重合体を得る方法である。
第1の製造方法は、各重合反応装置100において、少なくとも開環重合性モノマーと、圧縮性流体とを連続的に供給し、接触させて、開環重合性モノマーを開環重合させてポリマーを連続的に得る重合工程を有する。更に、本実施形態の製造方法は、重合工程で得られた複数のポリマーを圧縮性流体の存在下、混合させることによって、ポリマー組成物PPを連続的に得る混合工程を有する。
まず、本実施形態のポリマーの製造方法における重合工程について説明する。各計量フィーダー(2,4)および計量ポンプ6、計量ポンプ8を作動させる。これにより、各タンク(1,3,5,7)内の第1のモノマーとしての開環重合性モノマー、開始剤、添加剤、圧縮性流体を連続的に供給し、各導入口(9a,9b,9c,9d)から、接触部9の管内に導入させる。なお、固体(粉末又は粒状)の原材料は、液体の原材料と比較して計量精度が低い場合がある。この場合、固体の原材料を前もって融点以上に加熱して液体にしてタンク5に貯蔵しておき、計量ポンプ6によって接触部9の管内に導入させても良い。各計量フィーダー(2,4)および計量ポンプ6、計量ポンプ8を作動させる順序は、特に限定されないが、初期の原材料が圧縮流体に接触せずに反応部13に送られると、温度低下によって固化する恐れがあるため、先に計量ポンプ8を作動させることが好ましい。
続いて、混合工程について説明する。各重合反応装置100で重合させて得られた第1のポリマーまたは第2のポリマーは、計量ポンプ14によって送液されて、配管31を経て、ポリマー導入口41aから混合装置41に導入される。混合装置41は、導入された各ポリマーを混合して、ポリマー組成物PPを生成する。混合装置41の内部の温度としては、ヒータ41cを用いて重合反応温度と同程度とすることが好ましい。ポリ乳酸などのポリマーを融点以上に加熱すると、解重合反応により開環重合性モノマーが生成する。ところが、本実施形態の混合工程では、圧縮性流体の存在下、常圧での融点よりも低い温度で、ポリマーを溶融させることができるので、解重合反応、ラセミ化、熱劣化等を抑えることができる。
続いて、複合体製造装置400を用いた第2の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、少なくとも開環重合性の第1のモノマーと、圧縮性流体とを連続的に供給し、接触させて、第1のモノマーを開環重合させて中間体を連続的に得る第1の重合工程を有する。また、本実施形態の製造方法は、上記の中間体と、第2のモノマーとを接触させて、中間体および第2のモノマーを重合させる第2の重合工程を有する。
第2の製造方法における第1の重合工程は、第1の製造方法において、一方の重合反応装置100を用いて第1のモノマーを重合させる重合工程と同様である。このため、第1の重合工程の詳細な説明を省略する。
続いて、第2の製造方法における第2の重合工程について説明する。この工程では、まず、計量フィーダー22および計量ポンプ28を作動させ、各タンク(21,27)内の第2のモノマーおよび圧縮性流体を連続的に供給し、各導入口(29a,29b)から、接触部29の管内に導入させる。第2のモノマーおよび圧縮性流体は、接触部29の管内に連続的に導入されるので、それぞれが連続的に接触する。これにより、接触部29内で、第2のモノマーが溶融または溶解する。なお、第2の重合工程における第2のモノマーおよび圧縮性流体の導入の手順および条件は、第1の重合工程における開環重合性モノマーおよび圧縮性流体の導入の手順および条件と同様であるため、詳細な説明を省略する。
上記の製造方法によって得られたポリマー組成物は、ステレオコンプレックス型結晶を有し、実質的に有機溶媒を含まず、残存開環重合性モノマー量が2モル%以下である。なお、「ステレオコンプレックス型結晶」とは、光学異性体となる一対の成分(例えば、ポリ−D−乳酸成分及びポリ−L−乳酸成分)を含む結晶である。本実施形態において、次式(i)で表されるステレオコンプレックス結晶化度(S)は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
(S)=〔△Hmsc/(△Hmh+△Hmsc)〕×100 (i)
なお、(i)式中の△Hmhは、ステレオコンプレックス型結晶の形成に寄与しないホモ結晶融解熱(J/g)であって、例えば、ポリ乳酸の場合190℃未満に観測される。また、△Hmscは、ステレオコンプレックス型結晶の融解熱(J/g)であって、例えば、ポリ乳酸の場合190℃以上に観測される。
なお、ステレオコンプレックス結晶化度が90%未満である場合には、使用する用途によっては、ホモ結晶に起因する融点の影響が無視できなくなる場合がある。上述の結晶化度のパラメーターを好適に満たすために、ポリマー組成物がポリ乳酸の場合、ポリD−乳酸成分とポリL−乳酸成分との質量比は90/10から10/90であることが好ましい。より好ましくは40/60〜60/40である。
測定対象となるポリマー組成物1質量部に2−プロパノール2質量部を加え、超音波で30分間分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日以上保存し、ポリマー組成物中の有機溶媒を抽出する。上澄み液をガスクロマトグラフィ(GC−14A,SHIMADZU)で分析し、ポリマー組成物中の有機溶媒および残存開環重合性モノマーを定量することにより有機溶媒濃度を測定する。かかる分析時の測定条件は、以下の通りである。
装置 :島津GC−14A
カラム :CBP20−M 50−0.25
検出器 :FID
注入量 :1〜5μl
キャリアガス :He 2.5kg/cm2
水素流量 :0.6kg/cm2
空気流量 :0.5kg/cm2
チャートスピード:5mm/min
感度 :Range101×Atten20
カラム温度 :40℃
Injection Temp :150℃
本実施形態の製造方法により得られたポリマー組成物は、有機溶媒を使用しない製法で製造され、残存モノマー量も少ないことから、安全性、安定性に優れている。従って、本実施形態の製造方法により得られたポリマー組成物は、電子写真の現像剤、印刷用インク、建築用塗料、化粧品、医療用材料などの各種用途に幅広く適用される。その際、成形性、二次加工性、分解性、引張強度、耐熱性、保存安定性、結晶性、耐候性等を向上させる目的で、各種添加剤を使用しても良い。
本実施形態では、少なくとも開環重合性モノマーと、圧縮性流体とを連続的に供給し、接触させて、開環重合性モノマーを開環重合させてポリマーを連続的に得る。この場合、重合反応装置本体100bの反応部13の送液経路における上流側では反応の進行度が低いため系内の粘度が低くなり、下流側では反応の進行度が高いため系内の粘度が高くなる。これにより、局所的な粘度差は発生し難くなるので、反応が促進されて、従来のバッチ方式で反応させる場合と比較して、重合反応に要する時間を短くすることができる。
(1)高温(例えば150℃以上)で反応させる溶融重合法と比較して、低温で反応が進む。
(2)低温で反応が進むので、副反応もほとんど起こらず、加えた開環重合性モノマーに対して高収率でポリマー組成物が得られる(すなわち残存開環重合性モノマー量が少ない)。これにより、成形加工性、熱安定性に優れたポリマー組成物を得るための、残存開環重合性モノマーを除去する精製工程を簡略化又は省略できる。
(3)触媒として金属触媒を含有しない有機触媒を選択できるため、特定の金属の含有を嫌う用途のポリマーを製造する場合に、その除去工程が不要である。
(4)有機溶媒を用いた重合法では、得られたポリマー組成物を固体で使用するためには有機溶媒を除去する処理が必要となる。また、有機溶媒を除去する処理を行っても、完全に有機溶媒を除去することは困難である。本実施形態の重合方法では、圧縮性流体を用いるため廃液等も発生せず、乾燥したポリマー組成物が1段階の工程で得られることから、有機溶媒を除去する工程も省略できる。
(5)圧縮性流体を用いるため、有機溶媒を用いずに開環重合反応を行うことができる。
(6)圧縮性流体によって開環重合性モノマーを溶融させた後に、触媒を加えて開環重合させるため、均一に反応が進む。このため、光学異性体や他のモノマー種との共重合体を得る場合に、好適に用いられる。
GPC(Gel Permeation Chromatography)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC−8020(東ソー社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー社製)
・温度:40℃
・溶媒:HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)
・流速:1.0mL/分
濃度0.5質量%のポリマー組成物を1mL注入し、上記の条件で測定したポリマー組成物の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用してポリマー組成物の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwを算出した。分子量分布はMwをMnで除した値である。
日本電子社製核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、重クロロホルム中でポリマー組成物としてのポリ乳酸の核磁気共鳴測定を行った。この場合、ポリ乳酸由来の四重線ピーク面積(5.10〜5.20ppm)に対するラクチド由来の四重線ピーク面積(4.98〜5.05ppm)の比を算出し、これを100倍したものを残存開環重合性モノマー量(モル%)とした。
TAインスツルメンツ社製の示差走査熱量計Q2000を用いて、窒素雰囲気下、ポリマー組成物の示差走査熱量測定を行った。サンプルとして、約5〜10mgのポリマー組成物を用い、アルミニウムパンに封入した。第一サイクルにおいて、窒素気流下、10℃/分で250℃まで昇温し、ガラス転移温度(Tg)、融解温度(Tm*)およびステレオコンプレックス型結晶の融解熱(ΔHmsc:J/g)およびホモ結晶の融解熱(ΔHmh:J/g)を測定した。
得られたポリマー組成物について、厚さ2mm樹脂ペレットを作成してJIS−K7103に従い、SMカラーコンピューター(スガ試験機社製)を用いて測定し、YI値を求めた。
図3及び図4に示された複数の重合反応装置100を有する複合体製造装置300を用いてステレオコンプレックス型結晶を有するポリ乳酸を製造した。複合体製造装置300の構成を示す。
タンク1,計量フィーダー2:
日本精密社製 プランジャーポンプNP−S462
タンク1には、開環重合性モノマーとして溶融状態のラクチドを充填した。なお、一方の重合反応装置100のタンク1にはL−ラクチド(製造会社名:ピューラック社、融点:100℃)を充填し、他方の重合反応装置100のタンク1にはD−ラクチド(製造会社名:ピューラック社、融点:100℃)を充填した。
タンク3,計量フィーダー4:
日本分光社製 インテリジェントHPLCポンプ(PU-2080)
タンク3には、開始剤としてラウリルアルコールを充填した。
タンク5,計量ポンプ6:本実施例では使用しなかった。
タンク7 :炭酸ガスボンベ
タンク11,計量ポンプ12:
日本分光社製 インテリジェントHPLCポンプ (PU-2080)タンク11には1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU、製造会社名:東京化成工業株式会社)(有機触媒)を充填した。
接触部9:攪拌機能を有さない1/8インチの耐圧配管
反応部13 :攪拌機能を有さない1/8インチの耐圧配管
混合装置41 :互いに噛み合うスクリュウを取付けた二軸攪拌装置
シリンダー内径 40mm
二軸同方向回転
回転速度 30rpm
開始剤量を変更した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸について、上記の方法で物性値を求めた。結果を表1に示す。
L体とD体のモノマーのフィード量の比率を変更した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸について、上記の方法で物性値を求めた。結果を表2に示す。
フィード比を変更した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸について、上記の方法で物性値を求めた。結果を表2に示す。
触媒にジ(2−エチルヘキシル酸)スズを用いて、反応および混合に関する温度を変更した以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸について、上記の方法で物性値を求めた。結果を表3に示す。なお、表3中の「スズ」は、ジ(2−エチルヘキシル酸)スズを示す。
触媒の量を変更した以外は実施例8と同様の操作を行うことにより、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸について、上記の方法で物性値を求めた。結果を表3に示す。
触媒の量、各温度を変更し、圧縮性流体を加えずに重合を行った以外は実施例8と同様の操作を行うことにより、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸について、上記の方法で物性値を求めた。結果を表3に示す。
図5の複合体製造装置400を用いて、L−ラクチドおよびD−ラクチドの逐次添加による開環重合によって、ステレオブロック共重合体を得た。複合体製造装置400の構成を示す。
タンク1,計量フィーダー2:日本精密社製 プランジャーポンプNP−S462
タンク1には、開環重合性モノマーとしてラクチド(L−ラクチド 製造会社名:ピューラック社、融点:100℃)(第1のモノマー)と、開始剤としてのラウリルアルコールと、の99:1(モル比)混合物を充填した。なお、タンク1内でラクチドを融点以上に加熱することにより、液体の状態とした。
タンク3,計量フィーダー4:本実施例では使用しなかった。
タンク5,計量ポンプ6 :本実施例では使用しなかった。
タンク7 :炭酸ガスボンベ
タンク27 :炭酸ガスボンベ
タンク21,計量フィーダー22:
日本精密社製 プランジャーポンプNP−S462
タンク21には、開環重合性モノマーとしてラクチド(D−ラクチド 製造会社名:ピューラック社、融点:100℃)(第2のモノマー)を充填した。なお、タンク21内でラクチドを融点以上に加熱することにより、液体の状態とした。
タンク11,計量ポンプ12:
日本分光社製 インテリジェントHPLCポンプ (PU-2080)
タンク11には1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU、製造会社名:東京化成工業株式会社)(有機触媒)を充填した。
接触部9:互いに噛み合うスクリュウを取付けた二軸攪拌装置
シリンダー内径 30mm
二軸同方向回転
回転速度 30rpm
接触部29:互いに噛み合うスクリュウを取付けた二軸攪拌装置
シリンダー内径 30mm
二軸同方向回転
回転速度 30rpm
反応部13 :二軸混練機
シリンダー内径 40mm
二軸同方向回転
回転速度 60rpm
反応部33 :二軸混練機
シリンダー内径 40mm
二軸同方向回転
回転速度 60rpm
開始剤量を変更した以外は実施例2−1と同様の操作を行うことにより、ポリ乳酸得た。得られたポリ乳酸について、上記の方法で物性値を求めた。結果を表4に示す。
L体とD体のモノマーの流量比率を変更した以外は実施例2−1と同様の操作を行うことにより、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸について、上記の方法で物性値を求めた。結果を表4に示す。
フィード比を変更した以外は実施例2−1と同様の操作を行うことにより、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸について、上記の方法で物性値を求めた。結果を表4に示す。
触媒にジ(2−エチルヘキシル酸)スズを用いて、送液経路の温度を変更した以外は実施例2−1と同様の操作を行うことにより、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸について、上記の方法で物性値を求めた。結果を表4に示す。なお、表4中の「スズ」は、ジ(2−エチルヘキシル酸)スズを示す。
開始剤の量を変更した以外は実施例2−8と同様の操作を行うことにより、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸について、上記の方法で物性値を求めた。結果を表5に示す。
開始剤の量、送液経路の温度、圧縮性流体を加えずに重合を行った以外は実施例2−8と同様の操作を行うことにより、ポリ乳酸を得た。得られたポリ乳酸について、上記の方法で物性値を求めた。結果を表5に示す。
2 計量フィーダー
3 タンク
4 計量フィーダー
5 タンク
6 計量ポンプ
7 タンク
8 計量ポンプ
9 接触部
10 送液ポンプ
11 タンク
12 計量ポンプ
13 反応部
14 計量ポンプ
21 タンク
22 計量フィーダー
27 タンク
28 計量ポンプ
29 接触部
33 反応部
100 重合反応装置
100a 供給ユニット
100b 重合反応装置
300 複合体製造装置
PP ポリマー組成物
Claims (5)
- ステレオコンプレックス型結晶を有するポリマー組成物であって、
ガスクロマトグラフィ測定による有機溶媒の含有量が検出限界以下であり、
残存開環重合性モノマー量が2モル%以下であり、
下式で示されるステレオコンプレックス結晶化度が90%以上100%以下であり、
重量平均分子量が14000以上240000以下であり、
ポリ−D−乳酸成分、及びポリ−L−乳酸成分を含む
ことを特徴とするポリマー組成物。
S=〔ΔH msc /(ΔH mh +ΔH msc )〕×100
式中のSはステレオコンプレックス結晶化度(%)を示し、ΔH msc はステレオコンプレックス型結晶の融解熱(J/g)であって、ΔH mh はステレオコンプレックス型結晶の形成に寄与しないホモ結晶の融解熱(J/g)である。 - イエローインデックス値が5以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー組成物。
- 金属原子の含有量が検出限界以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマー組成物。
- 金属原子を含有しない有機触媒を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
- 前記有機触媒が、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、ジフェニルグアニジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、又は、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾール−2−イリデンを含有することを特徴とする請求項4に記載のポリマー組成物。
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