JP5609399B2 - ポリマー粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
超臨界二酸化炭素中での不均一重合は、水や有機溶媒中での不均一重合と比べて下記のような利点を有するため、種々のモノマーから微小なポリマー粒子を製造する方法に利用され、得られたポリマー粒子は、電子写真の現像材、印刷用インク、建築用塗料、化粧品などの各種用途に用いられている。
(1)重合後の溶媒除去や乾燥工程を簡素化できる。
(2)廃溶剤処理が不要である。
(3)毒性の高い有機溶剤を使用しなくてよい。
(4)洗浄工程により、残存する未反応のモノマー成分や有害物質を除去することが可能である。
(5)使用した二酸化炭素は回収・再利用することができる。
また、特許文献2には、オルガノシロキサン骨格を有する高分子ラジカル重合開始剤を用い、モノマーに応じた界面活性剤を別途合成し準備することなく、1ポットで高分子界面活性剤を合成すると同時に、ポリマー粒子を得る方法が開示されている。しかし、この方法もポリマー粒子の分子量分布(Mw/Mn)が2以下のものを得ることはできない。また、開環重合性モノマーに関する記載はない。
したがって、超臨界流体などの圧縮性流体中で開環重合性モノマーを用いて分子量分布の小さいポリマー粒子を製造する方法は知られていない。
<1> 圧縮性流体中で、界面活性剤の存在下、金属原子を含まない有機触媒を用いてエステル結合を環内に有する開環重合性モノマーを重合させつつ造粒することを特徴とするポリマー粒子の製造方法。
<2> 前記触媒が有機触媒であることを特徴とする<1>に記載のポリマー粒子の製造方法。
<3> 前記有機触媒が、塩基性を有する求核性の窒素化合物であることを特徴とする<2>に記載のポリマー粒子の製造方法。
<4> 前記有機触媒が、窒素原子を含有する環状化合物であることを特徴とする<2>に記載のポリマー粒子の製造方法。
<5> 前記有機触媒が環状アミン、環状ジアミン(アミジン骨格を有する環状ジアミン化合物)、グアニジン骨格を有する環状トリアミン化合物、窒素原子を含有する複素環式芳香族有機化合物、N−ヘテロサイクリックカルベンから選ばれた1種であることを特徴とする<2>〜<4>のいずれかに記載のポリマー粒子の製造方法。
<6> 前記有機触媒が、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、ジフェニルグアニジン(DPG)、N、N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)、4−ピロリジノピリジン(PPY)、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾール−2−イリデン(ITBU)のいずれかであることを特徴とする<5>に記載のポリマー粒子の製造方法。
<7> 前記開環重合性モノマーがL体及び/又はD体の乳酸のラクチドであることを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載のポリマー粒子の製造方法。
<8> 前記界面活性剤が、圧縮性流体と開環重合性モノマーの双方に親和性を有するものであることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載のポリマー粒子の製造方法。
<9> 前記界面活性剤が、パーフルオロアルキル基、ポリジメチルシロキサン基、ポリアクリレート基のいずれかを有することを特徴とする<1>〜<8>のいずれかに記載のポリマー粒子の製造方法。
<10> 前記圧縮性流体が二酸化炭素からなることを特徴とする<1>〜<9>のいずれかに記載のポリマー粒子の製造方法。
本発明は、圧縮性流体中でエステル結合を環内に有する開環重合性モノマーの重合と生成したポリマーの造粒(粒状化)とを一挙に行う点に特徴がある。圧縮性流体中での開環重合性モノマーを用いたポリマーの造粒は本発明が初めてである。
本発明における「圧縮性流体」とは、物質が、図1で表される相図の中で、図2に示す(1)、(2)、(3)の何れかの領域に存在するときの状態を意味する。
このような領域においては、物質はその密度が非常に高い状態となり、常温常圧時とは異なる挙動を示すことが知られている。なお、物質が(1)の領域に存在する場合には超臨界流体となる。超臨界流体とは、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮を起こさず、臨界温度以上かつ臨界圧力以上の状態にある流体のことである。また、物質が(2)の領域に存在する場合には液体となるが、本発明においては、常温(25℃)、常圧(1気圧)において気体状態である物質を圧縮して得られた液化ガスを表す。また、物質が(3)の領域に存在する場合には気体状態であるが、本発明においては、圧力が1/2Pc以上の高圧ガスを表す。
中でも二酸化炭素は、臨界圧力が約7.4MPa、臨界温度が約31℃であって、容易に超臨界状態を作り出せること、不燃性で取扱いが容易であることなどの点で好ましい。
また、反応の効率化などを考慮すると、例えば、圧縮性流体が二酸化炭素の場合、その温度は25℃以上であることが好ましく、圧力は5MPa以上であることが好ましい。より好ましくは超臨界流体の状態である。
重合時の圧力すなわち圧縮性流体の圧力は、高圧ガス、液化ガス状態でも問題ないが、特に圧縮性流体へのモノマーの溶解性を高め、均一かつ定量的に重合反応を進めるためには超臨界状態となる圧力が好ましい。圧縮性流体が二酸化炭素の場合には、3.7MPa以上が必要であり、5MPa以上が好ましく、より好ましくは臨界圧力の7.4MPa以上である。
環状エステルとしては、公知のものを特に制限なく用いることができるが、特に好ましいモノマーとしては、次の一般式αで表される化合物のL体及び/又はD体を脱水縮合して得られる環状2量体が挙げられる。
〔一般式α〕 R−C*−H(−OH)(COOH)
(Rは炭素数1〜10のアルキル基)
上記一般式αで表される化合物の具体例としては、乳酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシブタン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシペンタン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシヘキサン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシヘプタン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシオクタン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシノナン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシデカン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシウンデカン酸の鏡像異性体、2−ヒドロキシドデカン酸の鏡像異性体などが挙げられる。これらの中でも、乳酸の鏡像異性体が反応性・入手性の観点から特に好ましい。これら環状2量体は単独で、あるいは数種を混合して使用することも可能である。
また、環状カーボネートとしてはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記開環重合性モノマーは単独で、あるいは数種を混合して使用することも可能であるが、得られるポリマーのガラス転移点は室温以上であることが望ましい。ガラス転移点が低すぎると、粒子として取り出すことができない場合がある。
重合反応温度も、圧縮性流体、開環重合性モノマー及び有機触媒の組み合わせなどによって変わるので、一概に特定できないが、通常の場合、重合反応温度は、40〜150℃程度とし、好ましくは50〜120℃、より好ましくは60〜100℃とする。40℃未満では反応速度が低下しやすく、定量的に重合反応を進めることができない場合がある。また、150℃を超えると、解重合反応も平衡して起きるため、やはり定量的に重合反応が進みにくくなる。
重合反応時間は目標とする分子量に応じて適宜設定すればよい。分子量が3千〜10万の範囲であれば、通常、2〜12時間である。
また、重合反応を均一かつ定量的に進めるため、モノマーとの密度差によってポリマー粒子が沈降しないように、攪拌により密度差を補償してもよい。
重合時の圧力、すなわち圧縮性流体の圧力は、液化ガス、高圧ガス状態でも問題ないが、特に圧縮性流体へのモノマーの溶解性を高め、均一かつ定量的に重合反応を進めるためには、超臨界状態となる圧力が好ましい。圧縮流体が二酸化炭素の場合、3.7MPa以上、好ましくは7.4PMa以上である。
開環重合開始剤の使用量は、目標とする分子量に応じて適宜調整すればよく、開環重合性モノマー100重量部に対して、0.1〜5重量部程度が好ましい。
また、必要に応じて重合反応後に重合停止剤(安息香酸、塩酸、燐酸、メタリン酸、酢酸、乳酸等)を用いることもできる。
界面活性剤を重合系に共存させる場合、圧縮性流体に加えても、開環重合性モノマーに加えても良い。
一般式(1)で表される部分構造を有する界面活性剤としては、特に下記〔界面活性剤1〕が好ましい。この界面活性剤はクローダジャパン社から「モナシルPCA」という商品名で発売されている。
〔界面活性剤1〕
また、立体的に粒子同士の反発を高めるため、分子鎖がある程度の長さのもの、好ましくは分子量が1万以上のものが選ばれる。しかし、あまり分子量が大きいと、液粘度の上昇が著しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成ポリマーの粒子表面への析出確率のばらつきが生じるため注意を要する。
界面活性剤の使用量は、開環重合性モノマーの種類や界面活性剤の種類によって異なるが、通常の場合、圧縮性流体に対して、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは1〜5重量%である。
界面活性剤の濃度が低い場合には生成するポリマー粒子は比較的大粒径となり、濃度が高い場合には小粒径となるが、10重量%を越えて用いても小粒径化への効果は少ない。
更に圧縮性流体に対して開環重合性モノマーの量が極端に多い場合は、生成するポリマーが完全に溶解してしまい、重合がある程度進行しないと析出してこない。この場合の析出の状態は粘着性の高い塊状物を形成する様式をとる。
したがって、ポリマー粒子を製造する時の、圧縮性流体に対する開環重合性モノマーの量は、自ずと制限されることになり、圧縮性流体の状態により密度が異なるため多少異なるが、およそ500重量%以下、好ましくは250重量%以下が適当である。
本発明で採用可能な重合法としては、分散重合、懸濁重合、乳化重合が挙げられ、目的に応じて使い分けることができる。特に、圧縮性流体を用いるメリットを活かすことができ、ポリマー粒子の単分散性や粒子径の狭分布化の点で、分散重合の方が懸濁重合や乳化重合よりも優れている。
また、あらかじめ目的の粒子径よりも小さく粒度分布の狭いポリマー粒子(種粒子)を加えておき、上述と同様の系でモノマーを反応させて成長させる方法を利用してもよい。
成長反応に用いるモノマーは、種粒子を製造したものと同じモノマーでも、別のモノマーでもよいが、生成するポリマーは圧縮性流体に溶解してはならない。
上記のような方法で得られたポリマーが分散した圧縮性流体を、常温常圧へ戻すことにより、乾燥したポリマー粒子を得ることができる。
モノアルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ペンタノールなどが挙げられる。
また、多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリエタノールアミン、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの環状エーテルを付加することにより得られる2価のアルコールなどが挙げられる。
なお、重合初期の温度が、生成するポリマー粒子の粒子径に大きな影響を与えるため、開環重合性モノマーを添加した後に温度を重合温度まで上げ、開始剤を少量の圧縮性流体に溶かして投入する方が望ましい。
重合の際には窒素ガス、アルゴンガス、二酸化酸素ガスなどの不活性気体で反応容器の空気中に含まれる水分を充分に追い出す必要がある。もし、水分の除去が不充分であると、粒径を揃えることができず、微粒子が発生しやすくなる。
重合率を高くするためには、5〜72時間の重合時間が必要であるが、所望の粒子径、粒子径分布の状態で重合を停止させたり、重合開始剤を順次添加したり、高圧下で反応を行ったりすることにより重合速度を速めることができる。
なお、実施例及び比較例で得られたポリマーの分子量及びモノマーのポリマー転化率は次のようにして求めた。
<ポリマーの分子量測定>
GPC(gel permeation hromatography)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC−8020(東ソー社製)・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
濃度0.5重量%の試料を1mL注入し、上記の条件で測定したポリマーの分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用してトナーの数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwを算出した。分子量分布は前記MwをMnで除した値である。
SEM(scanning electron microscope)により、以下の条件で観察した。
・装置:JSM−5600(日本電子社製)
・二次電子像分解能:3.5nm
・倍率:×18〜300000(全136段)
・照射電流:10−12〜10−8A
・加速電圧:0.5〜30kV(53段)
・試料ホルダ:10mmφ×10mmh用試料ホルダ
32mmφ×10mmh用試料ホルダ
・最大試料サイズ:6インチφ装着可能
・画素数:640×480、1280×960
ポリ乳酸の場合、未反応モノマー量(モル%)は、重クロロホルム中、日本電子社製核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリ乳酸由来の四重線ピーク面積比(5.10〜5.20ppm)に対するラクチド由来の四重線ピーク面積比(4.98〜5.05ppm)として算出し、これを100倍したものである。
ポリカプロラクトンの場合、未反応モノマー量(モル%)は、重クロロホルム中、日本電子社製核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリカプロラクトン由来の三重線ピーク面積比(4.04〜4.08ppm)に対するカプロラクトン由来の三重線ピーク面積比(4.22〜4.25ppm)として算出し、これを100倍したものである。
ポリカーボネートの場合、未反応モノマー量(モル%)は、重クロロホルム中、日本電子社製核磁気共鳴装置JNM−AL300を使用し、ポリカーボネート由来の四重線ピーク面積比(4.22〜4.25ppm)に対するエチレンカーボネート由来の一重線ピーク面積比(4.54ppm)として算出し、これを100倍したものである。
1H,1H−パーフルオロオクチルアクリレート(アヅマックス社製)1250重量部、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製、V−65)62.5重量部を耐圧反応セル(耐圧容器セルの50体積%)に充填し、超臨界流体として二酸化炭素を選択し、この二酸化炭素を供給ボンベにより前記反応セルに供給し、加圧ポンプと温度調整器で15MPa、85℃に調節しながら、24時間反応を行った。
次いで、温度を0℃まで下げ、背圧弁を使用して圧力を常圧まで下げ、下記構造式で表される界面活性剤2を得た。その数平均分子量(Mn)は、2500であった。
〔界面活性剤2〕
6mLバイアル瓶に、ポリアクリル酸5,000(和光純薬:36.1重量部)、クロロホルム(和光純薬:1480重量部)、1,1′−カルボニルビス−1H−イミダゾール(128重量部)を加え、室温で10分間撹拌した。
次いで、ポリエチレングリコール(和光純薬、分子量200:500重量部)を加え、室温で12時間撹拌した。
次いで、クロロホルムを加え水で洗浄した。
次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、さらに減圧濃縮して、下記構造式で表される界面活性剤3を得た(収率:73重量%)。その数平均分子量は5200であった。
〔界面活性剤3〕
50mLナス型フラスコに、側鎖カルボキシ変性シリコーンオイル(信越シリコーン:KF−8012、分子量4500、12重量部)、クロロホルム(和光純薬、33.3重量部)、1,1′−カルボニルビス−1H−イミダゾール、ポリエチレングリコール(和光純薬、分子量200:1.3重量部)を加え、室温で12時間撹拌した。
次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、析出したステアリン酸ナトリウムを桐山ロートでろ過した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。
次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、シリカゲルろ過し、さらに減圧濃縮して、下記構造式で表される界面活性剤4を得た(収率:91重量%)。その数平均分子量は4700であった。
〔界面活性剤4〕
300mLのナス型フラスコに、側鎖アミノ変性両末端メトキシ変性シリコーンオイル(信越シリコーン:KF−857、分子量790:7.9質量部)、ジクロロメタン(東京化成:66.6質量部)、フェニルイソシアネート(関東化学:3.6質量部)を加え室温で24時間撹拌した。その後、ヘキサンを加えて蒸留水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、綿線ろ過及びシリカゲルろ過し、溶媒を減圧留去して界面活性剤9を得た(収率:80%)。
合成例4におけるフェニルイソシアネートを、フェニルイソチオシアネート(和光純薬:4.0質量部)に変更した点以外は、合成例4と同様の手順により、界面活性剤10を得た。
耐圧容器に、L−ラクチド(882.4重量部)、4−ジメチルアミノピリジン(48.9重量部)、界面活性剤1(49.7重量部)、脱水エタノール(9.2重量部)を入れたマイクロチューブを加え60℃まで暖めた後、超臨界二酸化炭素(60℃,10MPa)を充填し、60℃で2時間反応を行った。
次いで、加圧ポンプと背圧弁を使用して、背圧弁の出口側流量を5.0L/minに調整し、超臨界二酸化炭素を30分間フローして、有機触媒と残留モノマーを除去した後、徐々に常温・常圧まで戻し、3時間後に、容器内部のポリマー粒子1を取り出した。
このポリマー粒子1の集合状態の電子顕微鏡写真を図3に、一つ一つばらばらにしたときの電子顕微鏡写真を図4に、デジタルカメラで撮影した概観写真を図5に示すが、図から分るように、約40μm以下のポリマー粒子1が得られた。
また、上記ポリマー粒子1について、前述の方法で求めた物性値(Mn、Mw/Mn、ポリマー転化率)を表1に示す。
使用する触媒種、界面活性剤の種類・量、モノマー種及び反応条件を表1の実施例2〜24の欄に示す組み合わせとした点以外は、実施例1と同様の手順により、ポリマー粒子2〜24を得た。なお、界面活性剤5〜8の構造は下記一般式で示される。
〔界面活性剤5〕
〔界面活性剤6〕
〔界面活性剤7〕
〔界面活性剤8〕
これらのポリマー粒子についても実施例1と同様に電子顕微鏡写真を撮影したところ、多少の大きさのばらつきはあるものの、実施例1と似通った大きさのポリマー粒子が得られた。
また、これらのポリマー粒子について、前述の方法で求めた物性値(Mn、Mw/Mn、ポリマー転化率)を表1に示す。
界面活性剤を使用せず、モノマーの種類・量を表1の比較例1、2の欄に示す組み合わせとした点以外は、実施例1と同様の手順により、ポリマー粒子を得ようとしたところ、塊状のポリマーしか得られなかった。
これら塊状ポリマーについて、前述の方法で求めた物性値(Mn、Mw/Mn、ポリマー転化率)を表1に示す。また、デジタルカメラで撮影した比較例1の塊状ポリマーの概観写真を図6に示す。
Claims (10)
- 圧縮性流体中で、界面活性剤の存在下、金属原子を含まない有機触媒を用いてエステル結合を環内に有する開環重合性モノマーを重合させつつ造粒することを特徴とするポリマー粒子の製造方法。
- 前記触媒が有機触媒であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー粒子の製造方法。
- 前記有機触媒が、塩基性を有する求核性の窒素化合物であることを特徴とする請求項2に記載のポリマー粒子の製造方法。
- 前記有機触媒が、窒素原子を含有する環状化合物であることを特徴とする請求項2に記載のポリマー粒子の製造方法。
- 前記有機触媒が、環状アミン、環状ジアミン(アミジン骨格を有する環状ジアミン化合物)、グアニジン骨格を有する環状トリアミン化合物、窒素原子を含有する複素環式芳香族有機化合物、N−ヘテロサイクリックカルベンから選ばれた1種であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のポリマー粒子の製造方法。
- 前記有機触媒が、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、ジフェニルグアニジン(DPG)、N、N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)、4−ピロリジノピリジン(PPY)、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾール−2−イリデン(ITBU)のいずれかであることを特徴とする請求項5に記載のポリマー粒子の製造方法。
- 前記開環重合性モノマーがL体及び/又はD体の乳酸のラクチドであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリマー粒子の製造方法。
- 前記界面活性剤が、圧縮性流体と開環重合性モノマーの双方に親和性を有するものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポリマー粒子の製造方法。
- 前記界面活性剤が、パーフルオロアルキル基、ポリジメチルシロキサン基、ポリアクリレート基のいずれかを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポリマー粒子の製造方法。
- 前記圧縮性流体が二酸化炭素からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のポリマー粒子の製造方法。
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