JP6009018B2 - 自立膜、自立構造体、及び自立膜の製造方法 - Google Patents

自立膜、自立構造体、及び自立膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カメラ等の撮像光学系、表示デバイス等の投影光学系、画像表示装置等の観察光学系等、光学設計の際に好適に用いることができる反射防止膜などの自立膜、この自立膜を用いた自立構造体及び自立膜の製造方法に関するものである。また、本発明は、IC(Integrated Circuit:集積回路)、LSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)、TFT型LCD(Thin Film Transistor,Liquid Crystal Display:薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)等の半導体装置を製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマクスやレティクルに異物が付着することを防止するために用いるペリクルに関する。
近年、ディスプレイ、太陽電池、光学素子への応用を目的として、従来からの干渉による反射防止膜に代わり、波長レベルの微細凹凸形状を表面に有する反射防止膜の開発が行われてきている。反射防止膜上に、空気界面側から基材側へゆくに従い凹凸形状の占有体積が増大していくような形状を形成する事で、入射光にとっては、あたかも屈折率が空気の屈折率1から基材の屈折率に徐々に変化することとなり、屈折率の異なる界面で起こる反射を抑えることが出来る。その製造は従来からの干渉による反射防止膜に比べ一般に煩雑となるが、このような凹凸形状を有する反射防止膜は、干渉による反射防止膜に比べ角度特性が良く、広い波長域にわたり低反射率を実現できるというメリットがある。このような凹凸形状を持つ反射防止膜の製造方法としては、例えば、周期凹凸形状を有するモールドに硬化性樹脂組成物や溶融状態にある熱可塑性樹脂を充填して硬化させた後、モールドから剥離することによって作製する方法(特許文献1)などが知られている。
また、光透過性基材と、該光透過性基材上にモスアイ構造を有する反射防止層を備えてなる反射防止積層体については、特許文献2に開示がある。
特開2008−197216号公報 特開2009−230045号公報
ところで、近年の光学装置の精密化に伴い、使用される光学素子の形状も複雑化している。そして光学素子の形状の複雑化に伴い、複雑な形状を有する光学素子、具体的には球面形状のような直交する2軸方向において断面が曲面形状となるような光学素子に対して追従可能な反射防止膜が求められている。また、基材などを用いなくても自立膜に反射防止特性が備われば、例えば、ペリクル分野において、積層体構造とせずとも光学特性に優れた自立膜を得ることができる。
しかし、特許文献1や特許文献2に記載されている凹凸構造を有するモールドに紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を充填して硬化させた後、モールドから剥離することによって自立膜を作製する場合、薄膜を作成しようとすると、膜が破れて作製し難いという問題があった。
また、溶融状態にある熱可塑性樹脂をモールドに充填して冷却硬化させた後、モールドから剥離することによって凹凸構造を持つ自立膜を作製する場合にも同様の問題があった。
更に、全体の系が厚いと、球面形状の様な直交する2軸方向において断面が曲面形状となる部材に自立膜を貼り付けた際に、自立膜が形状に追従しきれず、隙間(エアギャップ)が生じてしまい、その結果、反射防止効果が得られない場合がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、自立膜単独で反射防止機能を備えることで、優れた光学特性を備える自立膜を提供することができる。
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、従来の製造方法とは全く異なる製法で自立膜を作製することで、従来技術では成し得なかった薄さの自立膜の作製が可能となることを見出し、更に、自立膜の厚みや素材を特定することで、球面形状のような直交する2軸方向において断面が曲面形状となる部材に貼り付けた際にも隙間が生じにくく、形状追従性に優れた自立膜となることを見出した。本発明はこのような知見に基づき完成されたものであり、その内容は以下の通りである。
[1] 本発明に係る自立膜は、少なくとも片面に周期的な凹凸形状が形成された凹凸構造層を有することを特徴とする自立膜。
本発明に係る自立膜によれば、少なくとも片面に凹凸構造層を有することで、別途基材などを用いた積層体にしなくても、自立膜単独で反射防止機能を備えることができる。このため、光学特性に優れた自立膜を得ることができる。
[2] 厚み平均が0.2μm以上20.0μm以下であることを特徴とする[1]に記載の自立膜。
[3] 前記凹凸構造層の降伏歪みが1%以上であり、且つ、引張伸度が10%以上であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の自立膜。
[4] 前記凹凸構造層の厚みばらつき平均が100nm以下であることを特徴とする[1]〜[3]の何れかに記載の自立膜。
[5] 前記凹凸構造層の主成分にパーフルオロアルキルエーテル環構造を有するフッ素系樹脂、セルロース系誘導体、及びシクロオレフィン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの樹脂を用いることを特徴とする[1]〜[4]の何れかに記載の自立膜。
[6] 前記凹凸形状における凸部が一定の周期間隔を有して配置されていることを特徴とする[1]〜[5]の何れかに記載の自立膜。
[7] 前記凹凸形状における凸部の周期間隔が1.0μm以下であることを特徴とする[1]〜[6]の何れか記載の自立膜。
[8] 前記凹凸形状における凸部の高さが前記凹凸形状の周期間隔の0.5倍以上2.0倍以下であることを特徴とする[1]〜[7]の何れかに記載の自立膜。
[9] 前記凹凸形状における凸部の形状が多角錐形状、円錐形状、截頭多角錐形状又は截頭円錐形状であることを特徴とする[1]〜[8]の何れかに記載の自立膜。
[10] [1]〜[9]の何れか記載の自立膜と、前記自立膜の裏面に設けられて前記自立膜に対し剥離可能な剥離体と、を含む自立構造体。
[11] 前記凹凸構造層と前記剥離体が接していることを特徴とする[10]に記載の自立構造体。
[12] 前記剥離体の前記凹凸構造層に対向する表面が、略球面形状を有する[10]又は[11]に記載の自立構造体。
[13] [1]〜[9]の何れかに記載の自立膜と、前記自立膜の裏面に設けられた粘着剤層又は接着剤層と、を含む自立構造体。
[14] 前記凹凸構造層と前記粘着剤層又は接着剤層が接していることを特徴とする[13]に記載の自立構造体。
[15] [1]〜[9]の何れかに記載の自立膜の製造方法であって、降伏歪みが1%以上であり、且つ、引張伸度が10%以上である樹脂組成物を有機溶媒に溶解させてなるポリマー溶液を、表面に周期的な凹凸形状を有する成膜基板上に塗布した後、乾燥させて剥離し、厚み平均が0.2μm以上20.0μm以下である自立膜を得ることを特徴とする、自立膜の製造方法。
[16] [1]〜[9]の何れかに記載の自立膜の製造方法であって、基板表面に凹形状を有する成膜基板上に、自立膜材料を所定の膜厚になるように塗布して自立膜を成形した後、前記成膜基板より該自立膜を剥離することを特徴とする自立膜の製造方法。
[17] 前記基板表面上にシランカップリングを施すことを特徴とする[16]に記載の自立膜の製造方法。
[18] 枠体と、該枠体の一端面に塗着した粘着剤と、該枠体の他端面に[1]〜[9]の何れかに記載された自立膜が接着されたペリクルであって、前記自立膜の内面側及び/又は外面側に前記凹凸構造層を有することを特徴とするペリクル。
本発明によれば、自立膜単独で反射防止機能を備えることで、優れた光学特性を備える自立膜を提供することができる。さらに、本発明によれば、厚さを調整することで、形状追従性に優れた自立膜を提供することが可能となるため、直交する2軸方向において断面が曲面形状となる部材に貼り付けた際にも極めて隙間が生じにくい。
本発明の実施態様に係る自立膜の一例の部分拡大断面図である。 本発明の実施態様に係る凹凸構造層の一例の部分拡大断面図である。 本発明の実施態様に係る自立膜の厚み平均を算出する際の測定点を示す図である。 収差による位置ずれを説明する模式図である。 本発明の実施態様に係る凹凸構造層の一例の部分拡大断面図である。 本発明の実施態様に係る自立膜の一例の部分拡大断面図である。 本発明の実施態様に係る自立膜の部分拡大斜視図である。 本発明の別の実施態様に係る自立膜の部分拡大斜視図である。 本発明の別の実施態様に係る自立膜の部分拡大斜視図である。 第2の実施形態に係るペリクルの断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。
本発明の自立膜は、表面に周期的な凹凸形状が形成された凹凸構造層を有する自立膜であって、少なくとも片面に周期的な凹凸形状が形成された凹凸構造層を有することを特徴とする。なお、周期的な構造としては、凹凸形状やピッチがランダムな周期構造も含む。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施態様に係る自立膜の一例の部分拡大断面図である。図1において自立膜4は、一方の表面に周期凹凸形状5が形成された凹凸構造層1を備え、凹凸構造層1の他方の表面に、薄膜層2を備える。
ここで、凹凸構造層とは、表面に周期的な凹凸形状を有し、且つ、凹凸形状と一体形成されている層を指す。
また、凹凸構造層の一方の面に周期凹凸形状が設けられ、他方の面には周期凹凸形状が設けられていない場合には、周期凹凸形状が設けられていない方の面を裏面とする。一方、凹凸構造層の両面に周期凹凸形状が設けられている場合は、凹凸形状の周期が大きい方の面を裏面とし、凹凸形状の周期が同一の場合は任意の一面を裏面とする。
本実施形態の自立膜は厚み平均を0.2μm以上20.0μm以下と従来の自立膜に比べ格段に薄く形成することで、形状追従性に優れる。そして球面形状の様な直交する2軸方向において断面が曲面形状となる部材に対して貼り付けた際にも隙間が極めて生じにくい。自立膜の厚み平均は薄ければ薄いほど形状追従性に優れるが、自立膜の強度や均一な膜の作り易さから、自立膜の厚み平均は0.3μm以上15.0μm以下が好ましく、更に0.5μm以上10.0μm以下が好ましく、特に好ましくは0.7μm以上6.0μm以下である。なお、前記厚み平均を20.0μm以下とすることは、収差による位置ずれを低減する観点からも好ましい。ここでいう収差による位置ずれとは、光の波長によって物質の屈折率が異なることに起因して発生するものである。図4は、収差による位置ずれを説明する模式図である。斜め方向から自立膜に入射した際の界面での屈折角が波長によって異なるため、自立膜通過後の透過光が発生する位置が波長によってずれてしまい、収差12が生じる。この収差による位置ずれが大きいと、自立膜透過後の光学設計が複雑になるという問題や精密な光学設計が困難になるという問題が生じ得る。前記自立膜は厚み平均が0.2μm以上20.0μm以下と従来の自立膜に比べ格段に薄いため、収差による位置ずれが極めて小さい。
前記凹凸形状における凸部の形状に関しては特に限定は無いが、凸部の形状が高さ方向に連続的に変化する形状であると反射防止効果が高まり、好ましい。また、ブロードバンドの光での、特に透過率の最低値が高くなるため平均透過率が高くなるという効果も有する。好ましい凸部の形状としては、例えば、厚み方向の断面形状が台形、矩形、方形、プリズム状や三角形状、半円状となる形状が考えられる。そして、好ましい凹凸形状としては、例えば、厚み方向の断面形状が台形、矩形、方形、プリズム状や三角形状、半円状となる凸部が連続して配置された形状や、正弦波形状等の周期的な凹凸形状などが考えられる。ここで、正弦波状とは凹部と凸部の繰り返しからなる曲線部をもつことを意味する。なお、曲線部は湾曲した曲線であればよく、例えば、凸部にくびれがある形状も正弦波状に含める。これら断面形状の中でも、三角形状、正弦波形状であると高い反射防止効果となる。
更に、前記凸部の断面形状が、直交する二軸方向で共に台形、矩形、方形、プリズム状、三角形状、半円状といった高さ方向に連続的に変化する形状であると、光の入射方向による反射防止効果の差が少なくなり、好ましい。好ましい凸部の形状としては、例えば三角錐や四角錐、六角錐といった多角錐形状や円錐形状、截頭多角錐形状、截頭円錐形状などが考えられる。ここで、截頭多角錐とは多角錐の頭頂部を水平に截断した形状をいい、截頭円錐とは円錐の頭頂部を水平に截断した形状をいう。これらの多角錐形状や円錐形状、截頭多角錐形状、截頭円錐形状は各面が接する部分を曲面にしても良く、また隣り合う凸形状同士のつなぎ部分を曲面にしても良い。
また、反射防止効果の観点から、自立膜表面には平面部分をなるべく作らないことが好ましい。具体的には、自立膜表面上における凹凸形状の占有率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上、特に好ましくは95%以上である。
凹凸形状の占有率を高める為にも凸部の底面形状は平面上に隙間無く敷き詰められる形状であることが好ましい。従って、凹凸形状は、凹凸が一軸方向に延在する格子状凹凸形状や、(截頭)三角錐や(截頭)四角錐、(截頭)六角錐等の底面が敷き詰め可能な凸部を連続配置した形状であることが好ましい。円錐や截頭円錐形状を使用する場合は六方最密構造にすることが好ましく、更に凹凸構造層表面に平面部分をなるべく作らないように、となりあう円錐の裾部同士を重ね合わせて配置することが好ましい。
また、凹凸形状は反射防止効果の角度依存性がなるべく少ない形状であることが好ましく、厚み方向の断面形状が直交する二軸方向で同じ断面形状となる凹凸形状であると角度依存性が少なくなり好ましい。従って、凸部の形状としては、多角錐形状や円錐形状、截頭多角錐形状、截頭円錐形状といった直交する二軸方向で同じ断面形状となる形状を使用することが好ましい。特に角度依存性の観点からは円錐形状、截頭円錐形状が好ましい。一方、反射防止効果の観点からは高さ方向に連続的に変化する形状であることが好ましいため、円錐形状、多角錐形状が好ましい。
更に、凹凸形状の周期間隔が使用波長と同程度以下であると反射防止効果が高まり、好ましい。通常光学素子には150nm〜2000nmの波長が使用されることから、反射防止効果を高めるには凹凸形状の周期間隔を250nm以下にすることが好ましい。より好ましくは150nm以下、特に好ましくは75nm以下であり、製造上の観点から1nm以上が好ましい。また、凸部の高さが凹凸形状周期間隔の0.5倍以上2.0倍以下、特には1.0倍以上2.0倍以下であると良好な光学特性を得ることができ、好ましい。ここで定義する凸部の高さとは、周期凹凸形状の凹部底点と凸部頂点の高さの差を指す。
凸部の形状が角錐形状や円錐形状である場合、凸部の高さが使用波長の0.3倍以上であると高い反射防止効果を得ることができ、好ましい。また、凸部の形状が四角錐形状の場合、凸部の高さが使用波長の0.5倍以上、円錐形状の場合、凸部の高さが使用波長の0.45倍以上、円錐が水平方向に重なり合った形状の場合は、凸部の高さが0.65倍以上であると、特に高い反射防止効果を得ることができ、好ましい。凸部の高さは高いほど好ましいが、1μm以下でも十分な反射防止効果が得られる。
凹凸形状は自立膜、凹凸構造層共に片面側のみだけでなく、両面側に設けても良い。両面側に凹凸形状を設けた場合、片面側のみに凹凸形状を設けた場合よりも反射防止効果を高めることができる為、両面側に凹凸形状を設けることが好ましい。また、後述する粘着剤層、接着剤層と接する面側に凹凸形状を設けた場合、アンカー効果により粘着剤層、接着剤層との接着性が上がり、好ましい。
前記厚みばらつき平均は、使用する波長以下に設定することが好ましい。図5は、本発明の実施態様に係る凹凸構造層の一例の部分拡大断面図である。凹凸構造層1の一方の面に設けられた周期凹凸形状5の凹部底点13から凹凸構造層裏面6までの距離(最小)15と、凹部底点13から凹凸構造層裏面6までの距離(最大)14との差が凹凸構造層の厚みばらつき16である。また、凹部底点13から凹凸構造層裏面6までの距離の相加平均が、厚みばらつき平均である。
凹凸構造層1の厚みは、凹凸構造層裏面から凸部頂点までの厚みある。この凹凸構造層1の厚み11は、例えば、図2に示すように、凸部の頂点を高い方から数番目(例えば5番目)まで抽出し、この抽出した頂点の平均高さ10から凹凸構造層裏面までの寸法とすることができる。
可視光領域での使用を想定した場合、厚みばらつき平均は100nm以下が好ましく、より好ましくは50nm以下である。また、紫外光領域での使用をも想定した場合は、厚みばらつき平均は50nm以下が好ましく、より好ましくは10nm以下である。厚みばらつき平均を100nm以下とすることは、自立膜として使用した際に、色むらが見えることを低減する観点から好適である。
前記凹凸形状5の表面には、コーティング層3を設けてもよい。コーティング層としてはハードコート層、金属薄膜層、その他の自立層、防湿層、帯電防止層、電磁波シールド層、近赤外線吸収層、紫外線吸収層、選択吸収フィルター層等が考えられ、コーティング層は何層に重ねても良い。
上述のハードコート層としては、活性エネルギー線によって硬化する硬化性樹脂である、公知のアクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマーやシリカ系化合物や珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はその複合物、金属薄膜層等が挙げられる。金属薄膜層としてはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニア(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はそれらの複合物が挙げられる。また、その他の自立層としては、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレンの3元コポリマー、パーフルオロアルキルエーテル環構造を有するフッ素系樹脂(特に、デュ・ポン社製のテフロン(登録商標)AF、旭硝子社製のサイトップ(商品名)、アウジモント社製のアルゴフロン(商品名)、ポリフルオロアクリレートが好ましい。)や、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム等の屈折率の低い材料から形成された自立層等が挙げられる。
光学部材への傷つきを抑制する為にも、自立膜表面7を形成するコーティング層の最表面層は、樹脂層であることが望ましく、特にデュロメーター硬さ(JIS K7215に準拠して測定)がHDA30以上HDD90以下の樹脂層であることが望ましい。また、球面形状を有する部材への追従性という観点からはコーティング層は全層に渡って樹脂層であることが望ましく、特に、全層に渡ってデュロメーター硬さ(JIS K7215に準拠して測定)がHDA30以上HDD90以下の樹脂層であることが望ましい。コーティング層は凹凸構造層の凹凸形状となるべく近い屈折率であると反射防止効果が高まり、好ましい。尚、凹凸構造層の定義からも明らかなように、コーティング層は凹凸構造層に含まれない。
また、凹凸構造層の裏面に薄膜層を積層させてもよい。前記薄膜層としては上述のその他の自立層や金属薄膜層等を使用することが好ましい。また薄膜層は一層でも多層でもよい。尚、凹凸構造層の定義からも明らかなように、裏面の薄膜層は凹凸構造層に含まれない。
前記自立膜と、前記自立膜の裏面に設けられて前記自立膜に対し剥離可能な剥離体とから、自立構造体を形成することが可能である。この場合、前記凹凸構造層と前記剥離体が接していることが好ましい。このような自立構造体は、使用前の反射防止膜を容易に取り扱う観点から好適である。また、前記剥離体の前記凹凸構造層に対向する表面が略球面形状(又は球面形状)を有すると、剥離体から容易に剥離することが可能となるため好ましい。
また、前記自立膜と、前記自立膜の裏面に設けられた粘着剤層又は接着剤層とから、自立構造体を形成することが可能である。この場合、前記凹凸構造層と前記粘着剤層又は接着剤層が接していることが好ましい。このような自立構造体は、使用前の自立膜を容易に取り扱う観点から好適である。
以下、前記自立膜の作製方法について説明する。
前記自立膜の作製方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、降伏歪みが1%以上であり、且つ、引張伸度が10%以上である樹脂組成物を有機溶媒に溶解させてなるポリマー溶液を、表面に周期的な凹凸形状を有する成膜基板上に塗布した後、乾燥させて剥離し、厚み平均が0.2μm以上20.0μm以下である自立膜を得る方法が挙げられる。
凹凸構造層の膜材となる樹脂組成物の降伏歪みが1%以上であり、且つ、引張伸度が10%以上であると、後述する製法を用いて凹凸構造層を作製した際に、厚み平均が0.2μm以上20.0μm以下の凹凸構造層の作製が可能となる。
自立膜は可視光及び紫外光に対する反射防止効果を念頭において設計される場合が多い。そのため前記樹脂組成物に含まれる樹脂は、可視光領域及び紫外領域において光透過率の高いものであることが好ましい。このような樹脂としては具体的にはポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、セルロース系誘導体(セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等、あるいはこれら2種以上の混合物)、シクロオレフィン系樹脂(ノルボルネンの重合体又は共重合体(水素添加したものを含む)であり、例えばアペル(登録商標)(三井化学社製)、トパス(登録商標)(ポリプラスチックス株式会社製)、ゼオネックス(登録商標)又はゼオノア(登録商標)(日本ゼオン社製)、アートン(登録商標)(JSR社製)等)、フッ素系樹脂(テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレンの3元コポリマー、パーフルオロアルキルエーテル環構造を有するフッ素系樹脂であるデュ・ポン社製のテフロン(登録商標)AF、旭硝子社製のサイトップ(商品名)、アウジモント社製のアルゴフロン(商品名)等)等の非晶性熱可塑性樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂等が考えられる。
上記樹脂の中でも、降伏歪みが1%以上であり、且つ、引張伸度が10%以上の樹脂を前記樹脂組成物の主成分として使用することが好ましい。主成分とは、前記樹脂組成物に含まれる降伏歪みが1%以上であり、且つ、引張伸度が10%以上の樹脂成分の量が50重量%以上であることを意味する。
降伏歪みが1%以上であり、且つ、引張伸度が10%以上である樹脂の中でも特にパーフルオロアルキルエーテル環構造を有するフッ素系樹脂やシクロオレフィン系樹脂、セルロース系誘導体(特にセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテート等が好ましい)は後述する凹凸形状を有する成膜基板との離型性が良く、また、伸縮性に優れるため、より薄い凹凸構造層の作製が可能となる。特にパーフルオロアルキルエーテル環構造を有するフッ素系樹脂が好ましい。前記樹脂組成物中に含まれる降伏歪みが1%以上であり、且つ、引張伸度が10%以上の樹脂成分の量は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。又、前記樹脂組成物には使用目的に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、光安定剤の効果を向上させるための酸化防止剤等を配合しても良い。
凹凸構造層は、降伏歪みが1%以上であり、且つ、引張伸度が10%以上である樹脂組成物を有機溶媒に溶解させてなるポリマー溶液(自立膜材料)を、表面に周期的な凹凸形状を有する成膜基板上に所定の膜厚になるように塗布した後、乾燥させ、前記成膜基板上から剥離することで作製することができる。
成膜基板の材料としては十分な平坦性が確保できる材質の物が好ましく、合成石英、溶融石英、無アルカリガラス、低アルカリガラス、ソーダライムガラス、シリコン、ニッケル板等が好ましい。特にシリコンを用いると高い精度での基板表面の平坦性を確保することができ、又、基板表面上の凹凸が作製しやすい為、好ましい。
また、成膜基板が後述する凹凸構造層乾燥時の温度ムラにより割れる恐れがあることを考慮して、成膜用基板の熱膨張係数は小さいほど好ましい。特に、0℃〜300℃における線膨張係数が50×10−7m/℃以下であることが好ましい。成膜基板表面の凹凸形状は前述した凹凸構造層の凹凸形状と対応した形状を設けておけばよい。
次に基板表面に凹凸形状を有する成膜基板の作製方法について説明する。クロム薄膜層を設けた透明基板(合成石英ガラスが好ましい。)上にフォトレジストを塗布し、プレベーク後、電子ビーム露光装置を用いてレジストに凹凸形状を描画する。クロム薄膜層上に描画する凹凸形状は凹凸構造層の凹凸形状に対応する形状とする。現像処理後、レジストのパタンから露出しているクロム層部分をエッチングし、レジストパタンをクロム層に転写する。最後にレジスト残渣を洗浄しレティクルを作製する。
成膜基板上にフォトレジストを均一に塗布後、プレベークしフォトレジストを固化させる。半導体素子製造装置の一つである縮小投影型露光装置(ステッパー)を用いて、先に作製されたレティクルの微細パタンを縮小投影レンズにより縮小し、フォトレジストを塗布したウエハ上を移動しながら投影露光する。次いで、有機アルカリ現像液に浸して、感光した部分のフォトレジストを除去する。更に、超純水で数回すすぎ、感光した残渣を除去した後、加熱させる。フォトレジストで被覆されていない部分をドライエッチング法で選択的にエッチングし、ウエハに微細パタンを作製する。最後に溶剤でフォトレジストを完全に除去することで基板表面に凹凸形状を有する成膜基板を得ることが出来る。成膜基板上の周期凹凸形状はレティクルのパタンサイズや露光・エッチング条件を変更することで自由に形状を変更することが出来る。また、上記は成膜基板の作製方法の一例であり、これに限定されるものではない。
前記ポリマー溶液の成膜基板への塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ナイフコート法、キャスト法等が挙げられるが、膜厚の均一性や異物の管理、薄膜化の点から、スピンコート法が特に好ましい。以下、スピンコート法による製膜方法について説明する。
凹凸構造層は、前述した膜材を有機溶媒に溶解させたポリマー溶液を使用して作製する。溶媒に関しては周囲温度での揮発が極めて少なく、且つ、沸点が高すぎないものが好ましい。以上を考慮して溶媒は沸点が100〜200℃のものであることが望ましい。このような溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素系化合物、芳香族系化合物、塩素系炭化水素などのハロゲン化系炭化水素、エステル系化合物、またはケトン系化合物などが挙げられる。中でも、シクロオレフィン系樹脂に対しては脂環式炭化水素などの飽和脂肪族炭化水素系化合物、芳香族系化合物、ハロゲン化炭化水素等の有機溶媒が好適に使用でき、セルロース系誘導体に関しては塩素系炭化水素、ケトン、エステル、アルコキシアルコール、ベンゼン、アルコールなどの単一又は混合有機溶媒に可溶である。これらの有機溶媒の例としては、塩素系炭化水素やエステル系化合物、ケトン系化合物等の有機溶媒が挙げられる。塩素系炭化水素としては、塩化メチレン、塩化エチレン、塩化プロピレン等が好適に使用され、ケトン系化合物有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が好適に使用される。エステル系化合物有機溶媒としては、酢酸エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、乳酸エステル類(乳酸エチル、乳酸ブチル等)が好適に使用される。そのほかとしてはベンゼン、エタノール、メタノール、セルソルブアセテート、カルビトールなども単一または混合溶媒として利用できる。ポリマー溶液の濃度は1〜10質量%とすること、乾燥時の凹凸構造層の厚みばらつきが少なくなり好ましい。より好ましくは3〜8質量%である。凹凸構造層中の光透過率を大きくし、かつ凹凸構造層中の異物を少なくするためにも、ポリマー溶液の吸光度は0.05以下のものが好ましい。
凹凸構造層の厚みと均一性(厚みばらつき)は主にポリマー溶液の液温、周囲温度・湿度、成膜基板の回転数によって決定される。薄膜化と均一性の観点から、ポリマー溶液の液温は周囲温度(10〜30℃)と同程度にすることが好ましく、成膜基板の温度も周囲温度と同程度にすることが好ましい。液温、周囲温度、成膜基盤の温度が同程度であると厚みばらつきを抑えることができ、好ましい。湿度は30〜60%が好ましい。ポリマー溶液を成膜基板上に適量滴下させた後、毎分50〜5000回転の回転数で成膜基板を回転させ成膜する。膜の均一性の観点から、回転数は毎分50〜500回転の速さで行うことが好ましく、より好ましくは毎分75〜400回転であり、更に好ましくは毎分100〜300回転である。また、回転時間は30秒以上120秒以下とすることが好ましく、より好ましくは30秒以上60秒以下である。
凹凸構造層の膜厚は、0.2μm以上20.0μm以下程度が好適であり、凹凸構造層の強度や均一な膜の作り易さから、0.3μm以上15.0μm以下が好ましく、更に0.5μm以上10.0μm以下が好ましい。特に好ましくは0.7μm以上6.0μm以下である。
成膜後、熱したホットプレート上に成膜基板を置いて乾燥させて、溶媒を揮発させる。膜の均一性の観点から、乾燥は低温乾燥と高温乾燥の二段階で行うことが好ましく、30℃〜90℃で4分〜15分程度乾燥させた後、50℃〜200℃で4分〜30分程度乾燥させることが好ましい。
膜の乾燥後、基板から膜を剥離する。凹凸構造層を基板から剥離する際は、その離型性が重要となる。スピンコート法による成膜がしやすく、かつ成膜後に剥離しやすくするためには、凹凸構造層の膜材と基板の接触角を最適にする必要がある。基板の接触角をコントロールする方法としてシランカップリングが知られている。無機材料からなる基板をカップリングするためには、エーテル結合を末端に持つシランを基板表面に接触させて反応させる。また他方の末端基は、膜材料と親和性の低い基とすることで離型性が向上する。フッ素は離型剤としての効果が高く、高い離型性を実現させるためには、他方の末端基は特にフッ素末端とすることが望ましい。
基板からの剥離の際に、膜に応力がかかるので、厚みが0.2μm以上20.0μm以下といった薄膜の凹凸構造層の膜破れを抑えて基板から膜を剥離するためには、降伏歪みが1%以上であり、且つ、引張伸度が10%以上である樹脂組成物を使用して、凹凸構造層の降伏歪みを1%以上、引張伸度を10%以上とする必要がある。降伏歪みと引張伸度が大きければ大きいほど、基板から膜を剥離する際の膜破れが生じにくくなり、より大面積での凹凸構造層及び自立膜を作製することができ、好ましい。降伏歪みに関しては2%以上がより好ましく、更に好ましくは4%以上、特に好ましくは5%以上である。引張伸度に関しては50%以上がより好ましく、更に好ましくは100%以上、特に好ましくは160%以上である。降伏歪み、引張伸度共に上限は特に限定は無いが、降伏歪みは1%以上30%以下、引張伸度は10%以上500%以下であれば十分に膜破れを抑制することが出来る。
生産性の観点から、自立膜及び凹凸構造層の面積は大きいほど好ましく、好ましくは100cm以上、より好ましくは300cm以上、更に好ましくは700cm以上、特に好ましくは1000cm以上である。ただし、膜厚の均一性の観点から、反射防止膜及び凹凸構造層の面積は35000cm以下とすることが好ましい。
また、作製された凹凸構造層の降伏歪みが1%以上であり、且つ、引張伸度が10%以上であると、部材に対し引っ張りながら展張することが可能となる為、より追従性に優れる。降伏歪みに関しては2%以上がより好ましく、更に好ましくは4%以上、特に好ましくは5%以上である。引張伸度に関しては50%以上がより好ましく、更に好ましくは100%以上、特に好ましくは160%以上である。降伏歪み、引張伸度共に上限に限定は無いが、降伏歪みは1%以上30%以下、引張伸度は10%以上500%以下であれば十分な形状追従性が得られる。
本実施形態に係る自立膜は、その製法上、凹凸構造層を支持する基材層を必須としない為、凹凸構造層裏面に直接粘着剤層や接着剤層を設けることが可能となる。そして、凹凸構造層裏面に直接粘着剤層や接着剤層を設けることで非常に薄い自立構造体となる。
粘着剤、接着剤は光学材料用途で好適に使用されている粘着剤、接着剤を使用することが好ましい。粘着剤としては、具体的にはウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤等が好ましく、接着剤としては、具体的にはアクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、UV硬化型接着剤等が好ましい。粘着剤、接着剤の厚みは実用的な粘着、接着強度を保つことが出来、また被着体の形状変形を抑制出来る範囲で薄ければ薄いほど好ましい。また、凹凸構造層裏面に粘着剤層や接着剤層を設けずに凹凸構造層の裏面に直接凹凸構造層に対し剥離可能な剥離体を設けることも可能となる。前記剥離体に特に制限は無く、例えばガラス基板やフィルム基材、光学素子等が考えられる。前記剥離体は平面形状のみならず球面形状であってもよい。
自立膜は通常、自立膜の裏面に前記自立膜に対し剥離可能な剥離体が設けられた状態、又は、自立膜の裏面に粘着材層が設けられ、更に前記粘着材層の反射防止膜を有する面とは反対側の面に、該粘着材層に対し剥離可能な剥離体が設けられた状態で保管され、そして使用時に前記剥離体から剥離されて使用される。
本実施形態に係る自立膜は、その厚み平均が0.2μm以上20.0μm以下と非常に薄く、剛性が小さい。このため、自立膜の保管方法としては、自立膜と、前記自立膜の裏面に設けられた前記自立膜に対し剥離可能で、且つ、直交する2軸方向において断面が曲面形状となる剥離体と、を含む積層体にして自立膜を保管する方法、又は、自立膜と、前記反射防止膜の裏面に設けられた粘着材層と、前記粘着材層の自立膜を有する面とは反対側の面に設けられた、前記粘着材層に対し剥離可能で、且つ、直交する2軸方向において断面が曲面形状となる剥離体と、を含む積層体にして保管する方法が好ましい。直交する2軸方向において断面が曲面形状となる剥離体であると、平面形状や1軸方向においてのみ断面が曲面形状となる形状(例えばロール形状)の剥離体に比べ、剥離体から自立膜又は粘着材層付き自立膜を剥がす際に角部から引き剥がしやすくなり、取り扱い性が格段に向上する。また、凹凸構造層の裏面に前記自立膜に対し剥離可能で、且つ、直交する2軸方向において断面が曲面形状となる剥離体を直接設ける形態や、凹凸構造層の裏面に直接粘着材層を設け、前記粘着材層の凹凸構造層を有する面とは反対側の面に前記粘着材層に対し剥離可能で、且つ、直交する2軸方向において断面が曲面形状となる剥離体が設ける形態であると前記剥離体から剥がした後の自立膜が薄く、形状追従性に優れた自立膜となる為、好ましい。
本願発明の自立膜は形状追従性に優れる為、タッチパネルや液晶表示パネル、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイといった画像表示装置、プロジェクター等の投影光学系、光学レンズ等の観察光学系、カメラ等の撮像光学系、偏光ビームスプリッターや発光ダイオードの発光部先端、太陽電池パネルの表面等の光学素子に好適に使用可能である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、本発明に係る自立膜をペリクルのペリクル膜に用いたものである。近年、半導体部品はより一層の低価格化が求められており、そのため経済的観点からペリクル膜に付着した異物が除去しやすく、繰り返し使用できるペリクルが求められている。しかし、従来のペリクル膜は、ペリクル面に付着した異物は除去しにくく、異物を除去するためには高圧力及び高流量のエアブローを行う必要があるため、エアーの圧力でペリクル膜が撓んだり、破れたりする問題や、エアーの圧力でペリクル膜がフォトマスクに付着するといった問題が生じていた。
そこで、第2の実施形態に係るペリクルは、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、異物が付着しにくく、また、異物が付着してもエアブローで容易に除去することが可能なペリクル膜を提供するものである。図10は、第2の実施形態に係るペリクルの断面図である。図10に示すように、第2の実施形態に係るペリクル20は、枠体27と、該枠体27の一端面に塗着した粘着剤28と、該枠体27の他端面に、自立膜であるペリクル膜21が接着されている。
図6は、本発明の実施態様に係る自立膜の一例の部分拡大断面図である。
本実施形態に係るペリクル膜21は、少なくとも片面に複数の凸構造22を設けることを特徴としている。なお、第2の実施形態に係るペリクル膜21では、凸構造22が、凹凸形状を形成する凸部に対応し、凸構造22を含む層が、凹凸形状が形成された凹凸構造層に対応する。
複数の凸構造を有するペリクル膜の場合、平坦なペリクル膜に比べ、一の凸構造と該凸構造に最も近接する凸構造との頂点間隔(以下、単に凸構造の間隔6という。)よりも大きい異物が付着した際に異物とペリクル膜との接触面積が小さくなる為、ペリクル膜に異物が付着しにくくなり、また、ペリクル膜に異物が付着した場合であっても、エアブロー時の異物除去が容易になる。ここでいう凸構造とは、高さが30nm以上の凸型の形状を指し、又、ここでいう凸構造の高さ25とは、凸構造の頂点23と凸構造の底点24との差を指す。
また、ペリクル膜の場合、特にマイクロオーダーの異物の付着が問題になることが多く、従来のペリクル膜ではマイクロオーダーの異物が一旦膜に付着してしまうと、その除去は容易ではなかった。しかし、凸構造の間隔が1.0μm以下のペリクル膜を用いると、マイクロオーダーの異物であっても異物とペリクル膜との接触面積が小さくなる為、ペリクル膜に付着しにくく、また、付着したとしてもエアブロー時の異物除去が極めて容易になる。ここで、凸構造の間隔とは、対象とする凸構造と該凸構造に最も近接する凸構造との頂点間隔を指すが、凸構造の頂部が水平面となっている場合は、該水平面の重心を該凸構造の頂点とする。
凸構造の形状に関しては特に限定は無く、例えば、膜厚方向の断面形状が台形、矩形、方形、プリズム状や三角形状、半円状などの正弦波形状である凸構造などが考えられる。ここで、正弦波状とは凹部と凸部の繰り返しからなる曲線部をもつことを意味する。なお、曲線部は湾曲した曲線であればよく、例えば、凸部にくびれがある形状も正弦波状に含める。これら断面形状の中でも、三角形状、正弦波形状であると異物付着の抑制効果が高く、またエアブロー時の異物除去が特に容易になる為、好ましい。これは、また、凸構造を有するペリクル膜は、後述する反射抑制効果が高いという利点も有する。
凸構造はペリクル膜の片面側のみに設けてもよいし、両面側に設けても良い。両面側に設けた場合、ペリクル膜の両面に対し異物付着の抑制効果を付与することができる。また、片面側のみに凸構造を設けた場合に比べ、後述する反射防止効果を高めることができるため、好ましい。
また、凸構造の表面やペリクル膜の凸構造を設けた面とは反対側の面に反射防止層を設けても良い。反射防止層は一層でも良く、多層でも良い。反射防止層の材料としては、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレンの3元コポリマー、パーフルオロアルキルエーテル環構造を有するフッ素系樹脂(特に、デュ・ポン社製のテフロン(登録商標)AF、旭硝子社製のサイトップ(商品名)、アウジモント社製のアルゴフロン(商品名)、ポリフルオロアクリレートが好ましい。)や、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム等屈折率の低い材料を好適に使用することができる。
ペリクル膜の膜材料及び凸構造に用いる材料に特に限定はないが、ペリクル膜が使用される露光波長において光透過率の高いものであることが好ましく、具体的にはセルロース系誘導体(セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等、あるいはこれら2種以上の混合物)、シクロオレフィン系樹脂(ノルボルネンの重合体又は共重合体(水素添加したものを含む)であり、例えばアペル(登録商標)(三井化学社製)、トパス(登録商標)(ポリプラスチックス株式会社製)、ゼオネックス(登録商標)又はゼオノア(登録商標)(日本ゼオン社製)、アートン(登録商標)(JSR社製)等)、フッ素系樹脂(テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレンの3元コポリマー、パーフルオロアルキルエーテル環構造を有するフッ素系樹脂であるデュ・ポン社製のテフロン(登録商標)AF、旭硝子社製のサイトップ(商品名)、アウジモント社製のアルゴフロン(商品名)等)等の樹脂の使用が考えられる。上記樹脂の中でも特に、パーフルオロアルキルエーテル環構造を有するフッ素系樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート又はシクロオレフィン系樹脂をペリクル膜材料及び凸構造に用いる材料の主成分として使用すると、ペリクル膜及び凸構造の形成性が良く特に好ましい。主成分とは、ペリクル膜材中に含まれる目的とする樹脂成分の量が50重量%以上であることを意味する。
なお、ニトロセルロースを主成分にすると、300nm以下の波長が照射されると劣化が早くなり耐光性が悪くなる。そのため、透過率は高いが、膜の寿命が短くなるためあまり好ましくない。また、ニトロセルロース自体が爆発性をもっているため含有量の増加に伴い、安易に作製できなくなる。
ペリクル膜の膜材料と凸構造の材料を同じ材料としてもよく、異なる材料、つまり、ペリクル膜上にペリクル膜とは異なる材料で形成された凸構造を有する凹凸構造層を設けた構造としてもよい。製造の簡便性の観点からペリクル膜の膜材料と凸構造の材料は同一とすることが好ましい。
前記凸構造が一定の周期間隔を有して配置されていると、エアブロー時の異物除去が特に容易になり、また、後述する反射防止効果が高まる為、特に好ましい。凸構造が一定の周期間隔を有して配置されているとエアブロー時の異物除去が特に容易になる理由は定かではないが、周期的な凸構造であるとエアブロー時の気流がスムーズな流れとなる為、より低いブロー圧で異物を除去することが可能になるものと考えられる。前記凸構造の周期はペリクル膜全面で一定の周期である必要は無く、部分的に異なる周期的な凸構造を設けても良い。また、マイクロオーダーの異物付着抑制の観点から、前記周期間隔は1.0μm以下であることが好ましい。
更に、凸構造の周期間隔が使用波長と同程度以下であると、前述の異物付着抑制効果に加え、反射抑制効果を高めることができる。反射抑制効果とは、露光光がペリクル膜に入射した際のペリクル膜界面の反射を抑制する効果であり、反射が抑制されると、迷光が少なくなるだけでなく、実質的に透過光が多くなり、露光時の光強度のロスを防ぐことが出来る。通常露光には500nm以下、特に近年の微細構造化に伴い200nm以下の波長が使用されることから、反射抑制効果を高めるには凸構造の周期間隔を500nm以下にすることが好ましく、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは150nm以下、特に好ましくは100nm以下である。凸構造の周期間隔が短くなるほど、反射抑制効果、異物付着抑制効果ともに向上するため、反射抑制効果、異物付着抑制効果の観点からは凸構造の周期間隔は短いほど好ましい。周期間隔の下限値に関しては特に限定は無いが、周期間隔が短くなるほど製造コストが増大することを考慮し、性能と製造コストのバランスから50nm以上とすることが好ましい。
凸構造の高さに関しては、凸構造の高さが30nm以上であれば異物付着抑制効果としては十分なものが得られるが、凸構造の高さは高い方が異物付着抑制効果及び反射抑制効果が高まり好ましい。より好ましくは70nm以上、特に好ましくは100nm以上である。また、凸構造の高さが凸構造の周期間隔の0.5倍以上2.0倍以下、特には1.0倍以上2.0倍以下であると特に高い反射抑制効果が得られる為、好ましい。なお、凸構造の周期間隔は、凹凸形状または凸部の周期間隔に対応する。
凸構造が図7に示す円錐形状や図8に示す角錐形状である場合、凸構造の高さが使用波長の0.3倍以上であると高い反射抑制効果を得ることができ、好ましい。また、凸構造が四角錐形状の場合、高さが使用波長の0.5倍以上、円錐形状の場合、高さが使用波長の0.45倍以上、円錐が水平方向に重なり合った形状の場合は0.65倍以上であると、特に高い反射抑制効果を得ることができ、好ましい。凸構造の高さの上限値に関しては特に限定は無いが、1μm以下で十分な反射抑制効果が得られる。
凸構造の形状に関しても特に限定は無いが、高さ方向に連続的に変化する形状であると、異物付着抑制効果及び反射抑制効果が高く特に好ましい。このような形状としては具体的には角錐形状や円錐形状等が考えられる。
また、ペリクル膜上に凸構造が無い部分をなるべく作らない方が異物付着抑制効果、反射抑制効果共に高まり、好ましい。具体的には、ペリクル膜表面上における凸構造の占有率を70%以上、より好ましくは85%以上、特に好ましくは95%以上にすることが好ましい。そして、ペリクル膜表面上における凸構造の占有率を高める為にも凸構造の底面形状はペリクル膜平面上に隙間無く敷き詰められる形状であることが好ましい。
凸構造としては、凸構造が一軸方向に延在する格子状凸構造や、角錐形状や截頭多角錐形状を使用する場合は底面が三角形や四角形、六角形等の敷き詰め可能な形状をしていることが好ましい。円錐や截頭円錐形状を使用する場合は六方最密構造にすることが好ましく、更にペリクル膜表面に平面部分をなるべく作らないように、図9に示すように隣り合う円錐の裾部同士を重ね合わせて配置することが好ましい。
次に本願発明のペリクル膜の製造方法について説明する。
本願発明のペリクル膜は表面に凹形状を有するペリクル用成膜基板の表面に、ペリクル膜材料を所定の膜厚になるように塗布してペリクル膜を成形した後、前記ペリクル用成膜基板より該ペリクル膜を剥離させることによって作製することが出来る。
ペリクル用成膜基板の材料としては十分な平坦性が確保できる材質の物が好ましく、合成石英、溶融石英、無アルカリガラス、低アルカリガラス、ソーダライムガラス、シリコン、ニッケル版等が好ましい。特にシリコンを用いると高い精度での基板表面の平坦性を確保することができ、又、基板表面上の凹凸が作製しやすい為、好ましい。また、成膜基板が後述するペリクル膜乾燥時の温度ムラにより割れる恐れがあることを考慮して、成膜用基板の熱膨張係数は小さいほど好ましい。特に、0℃〜300℃における線膨張係数が50×10−7m/℃以下であることが好ましい。成膜基板表面の凸形状又は凹形状は前述した凸構造と対応した形状を設けておけばよい。
以下基板表面に凹形状を有する成膜基板の作製方法について説明する。
クロム薄膜層を有する合成石英ガラス上にフォトレジスト(感光性物質)を塗布し、プレベーク後、電子ビーム露光装置を用いてレジストに凹形状を描画する。描画する凹形状はペリクル膜上の凸構造に対応する形状とする。現像処理後、レジストのパタンから露出しているクロム層部分をエッチングし、レジストパタンをクロム層に転写する。最後にレジスト残渣を洗浄しレティクルを作製する。
成膜基板上にレジストを均一に塗布後、プレベークしレジストを固化させる。半導体素子製造装置の一つである縮小投影型露光装置(ステッパー)を用いて、先に作製されたレティクルの微細パタンを縮小投影レンズにより縮小し、レジストを塗布したウエハ上を移動しながら投影露光する。有機アルカリ現像液に浸し、感光した部分のレジストを除去し、超純水で数回すすぎ、感光した残渣を完全に除去後、加熱させる。レジストで被覆されていない部分をドライエッチング法で選択的にエッチングし、ウエハに微細パタンを作製する。最後に溶剤でレジストを完全に除去することで基板表面に凸形状又は凹形状を有する成膜基板を得ることが出来る。成膜基板上の凹形状はレティクルのパタンサイズや露光・エッチング条件を変更することで自由に形状を変更することが出来る。
次に膜上に凸構造を有する自立膜の製法について、ペリクル膜の作製方法を例に挙げて説明する。
膜上に凸構造を有するペリクル膜は上記凹形状を有する成膜基板上にペリクル膜材料を所定の膜厚になるように塗布することで作製することが出来る。
ペリクル膜の作製には、ペリクル膜材料を有機溶媒に溶解させたポリマー溶液を使用することが好ましい。溶媒に関しては周囲温度での揮発が極めて少なく、且つ、沸点が高すぎないものが好ましい。以上を考慮して溶媒は沸点が100〜200℃のものであることが望ましい。
このような溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素系化合物、芳香族系化合物、塩素系炭化水素などのハロゲン化系炭化水素、エステル系化合物、またはケトン系化合物などが挙げられる。中でも、シクロオレフィン系樹脂に対しては脂環式炭化水素などの飽和脂肪族炭化水素系化合物、芳香族系化合物、ハロゲン化炭化水素等の有機溶媒が好適に使用でき、セルロース系誘導体に関しては塩素系炭化水素、ケトン、エステル、アルコキシアルコール、ベンゼン、アルコールなどの単一又は混合有機溶媒に可溶である。これらの有機溶媒の例としては、塩素系炭化水素やエステル系化合物、ケトン系化合物等の有機溶媒が挙げられる。塩素系炭化水素としては、塩化メチレン、塩化エチレン、塩化プロピレン等が好適に使用され、ケトン系化合物有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が好適に使用される。エステル系化合物有機溶媒としては、酢酸エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、乳酸エステル類(乳酸エチル、乳酸ブチル等)が好適に使用される。そのほかとしてはベンゼン、エタノール、メタノール、セルソルブアセテート、カルビトールなども単一または混合溶媒として利用できる。ペリクル膜材料を溶解させたポリマー溶液は、ペリクル膜の光透過率を大きく、かつペリクル膜中の異物を少なくするため、吸光度が0.05以下のものが好ましい。
ペリクル膜の成膜方法及び凸構造の作製方法に関しては、スピンコート法、ロールコート法、ナイフコート法、キャスト法等、特に限定は無いが、均一性や異物の管理の点から、スピンコート法が好ましい。以下、スピンコート法による製膜方法について説明する。
ペリクル膜の膜厚と膜の平坦性は主にポリマー溶液の液温、周囲温度・湿度、成膜基板の回転数によって決定される。ポリマー溶液の液温は周囲温度(10〜30℃)と同程度にすることが好ましく、成膜基盤の温度も周囲温度と同程度にすることが好ましい。液温、周囲温度、成膜基盤の温度が同程度であると膜厚ムラを抑えることができ、好ましい。湿度は30〜60%が好ましい。ポリマー溶液を成膜基板上に適量滴下させた後、50〜5000回転の回転数で成膜基板を回転させ成膜する。ペリクル膜の膜厚は、0.2μm以上10μm以下程度が好適であり、本発明に係るペリクル膜では、ペリクル膜の強度や均一な膜の作り易さから、0.3μm以上8μm以下が好ましい。膜厚は、凸構造がペリクル膜の片面のみに設けられている場合は、凸構造の頂点から凸構造を有さない方の面までの距離を指し、凸構造がペリクル膜の両面に設けられている場合は、一方の面の凸構造の頂点から他方の面の凸構造の頂点までの距離のうち、最も短い距離のものを指す。
成膜後、熱したホットプレート上に成膜基板を置いて乾燥させて、溶媒を揮発させる。膜の乾燥後、基板から膜を剥離する。この時、膜に応力がかかるので、膜材料には伸展性があるのが好ましい。膜を基板から剥離する際は、その離型性が重要となる。成膜しやすく、かつ成膜後に剥離しやすくするためには、膜材料と基板の接触角を最適にする必要がある。基板の接触角をコントロールする方法としてシランカップリングが知られている。無機材料からなる基板をカップリングするためには、エーテル結合を末端に持つシランを基板表面に接触させて反応させることが好ましい。また他方の末端基は、膜材料と親和性の低い基とすることで離型性が向上する。フッ素は離型剤としての効果が高く、高い離型性を実現させるためには、特にフッ素を末端基とすることが望ましい。
凸構造の材料とペリクル膜材料は同一でなくても良いが、凸構造の材料とペリクル膜材料が同一であると、凸構造とペリクル膜を一の製造工程で作製することが出来るため、特に好ましい。凸構造の材料とペリクル膜材料を異なる材料にする場合は、成膜基板上に凸構造の材料を塗布し、半乾燥又は乾燥させた後、ペリクル膜材料を積層させる方法で作製すればよい。
上述のペリクル膜の製造方法の他に、流動性を有するペリクル膜材料を基板に押し当てて、基板の凹形状を樹脂に転写することで、凸構造を持ったペリクル膜を製造することも可能である。その際に用いるペリクル膜材料は、樹脂に0〜30wt%の溶媒を含ませて流動性を持たせた状態とすることが好ましい。その後基板から膜を剥離することで、基板の凹形状を膜に転写させることが出来る。製造法上、伸展性がある膜材料を主成分として使用することが好ましく、これらの条件を満たす材料として、アモルファスフッ素樹脂等が挙げられ、特に旭硝子社製のサイトップ(商品名)などのパーフルオロアルキルエーテル環構造を有するフッ素系樹脂が好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
(1)(自立膜の)厚み平均(μm)
図3に示すように、測定対象の自立膜4を面内で面積が最大となるように長方形で切り出した後、切り出した長方形の長辺と短辺をそれぞれ5等分するように直線を引いて25等分割し、各長方形の中心点を位置決めした。当該中心点の厚みを、透過分光膜厚計(大塚電子株式会社、FE1300)を用いて測定した(測定波長248nm)。測定された25点の測定値の平均値を厚み平均とした。
(2)厚みばらつき平均(nm)
上述したように25等分割された試験片の各々について、AFM(Atomic Force Microscope:原子間力顕微鏡)を用いて凹凸面の表面形状を測定した。各試験片について、凹部底点間の、凹凸構造層の層厚方向に沿った距離の平均値を算出した。さらに、25個の試験片について算出されたそれら平均値の平均値を、厚みばらつき平均とした。
(3)原料となる樹脂組成物の降伏歪み(%)、引張伸度(%)
JIS K 7113に準拠し、引張速度1mm/minの条件で測定した。測定には島津製作所製 AGS−50Gを使用した。
(4)凹凸構造層の降伏歪み(%)、引張伸度(%)
JIS K 7127に準拠し、引張速度1mm/minの条件で測定した。測定には島津製作所製 AGS−50Gを使用した。
<実施例1>
クロム薄膜層を有する合成石英ガラス上にフォトレジスト(感光性物質)を塗布し、プレベーク後、電子ビーム露光装置を用いて40mm×80mm領域でフォトレジストに微細パタンを描画した。40mm×80mm領域内部の描画形状は、300μm×100μmを1つの素子とし、隣り合う素子間は重なり合うことなく40mm×80mm領域内部を充填的に配列描画した。現像処理後、レジストのパタンから露出しているクロム層部分をエッチングし、レジストパタンをクロム層に転写した。最後にレジスト残渣を洗浄しレティクルを作製した。
シリコン基板(12インチ、300mmφ)上にフォトレジストをスピンコーターで均一に塗布後、プレベークしフォトレジストを固化させた。次に半導体素子製造装置の一つである縮小投影型露光装置(ステッパー)を用いて、先に作製されたレティクルの微細パタンを縮小投影レンズにより1/4に縮小し、レジストを塗布したウエハ上を移動しながら投影露光した。その後、有機アルカリ現像液に浸し、感光した部分のレジストを除去した。超純水で数回すすぎ、感光した残渣を完全に除去後、加熱した。レジストで被覆されていない部分をドライエッチング法で選択的にエッチングし、ウエハに微細パタンを作製した。最後に溶剤でレジストを完全に除去した。今回はレティクルのパタンサイズや露光・エッチング条件を変更することで、周期が150nm、深さ180nmの円錐形状の凹凸形状を有する成膜基板を用意した。
次に用意した成膜基板表面にシランカップリングを行い、離型性を向上させた。次いで、パーフルオロアルキルエーテル環構造を有するアモルファスフッ素樹脂を膜材として含む溶液であるサイトップ CTX−809SP2(旭硝子(株)製商品名、降伏歪み約5%、引張伸度約175%)をパーフルオロトリブチルアミン(フロリナートFC−43 住友スリーエム(株)製商品名)で希釈調整した。この時、ポリマー溶液中に含まれるパーフルオロアルキルエーテル環構造を有するアモルファスフッ素樹脂の濃度は3質量%であった。作製したポリマー溶液を30cc成膜基板上に滴下した後、スピンコーター上で回転数300rpm、回転時間50秒の条件で回転塗布した。
次いで成膜基板ごと80℃、180℃のホットプレートで各5分間乾燥し、成膜基板から乾燥された膜を引き剥がすことで、面積706.5cmの凹凸構造層(自立膜)を得た。出来上がった凹凸構造層の厚み平均は0.7μm、凹凸構造層の厚みばらつき平均は10nmであった。出来上がった凹凸構造層の中心部分を5cm×5cmの正方形で切り出し、切り出した凹凸構造層の厚み平均と凹凸構造層の厚みばらつき平均を測定した所、凹凸構造層の厚み平均は0.7μm、凹凸構造層の厚みばらつき平均は5nmであった。切り出した凹凸構造層をAFMで観察したところ、高さ180nm、周期の長さが150nmの周期凹凸形状が形成されていた。また、作製された凹凸構造層の降伏歪みは5%、引張伸度は175%であった。
次に、凹凸構造層を5cm×5cm角に切り出した。切り出した正方形の任意の一辺と該一辺と直角に交わる辺をそれぞれ5等分するように直線を引いてできる25等分割された各正方形の中心を透過分光膜厚計(大塚電子株式会社、FE1300)で測定した。測定は波長248nmと365nmを使用した。上記25点における波長248nmでの透過率を測定したところ、最も透過率の高い点と最も透過率の低い点との差異は1%であった。また、上記25点における波長365nmでの透過率を測定したところ、最も透過率の高い点と最も透過率の低い点との差異は0.5%であった。
次に5cm×5cm角に切り出した凹凸構造層を直径8cmの透明球体に貼り付けた所、折りたたみ部位は生じず、隙間無く透明球体に貼り付けることが出来た。凹凸構造層付き透明球体を肉眼で観察したところ、色むらは全く見えなかった。
<実施例2>
セルロースアセテートプロピオネート(CAP 480−20、Eastman Chemical Company製、降伏歪み約4%、引張伸度約15%)を乳酸エチルに溶かしたポリマー溶液を作製した。
この時、ポリマー溶液中に含まれるセルロースアセテートプロピオネートの濃度は8質量%であった。実施例1で用意した成膜基板表面にシランカップリングを行った後、作製したポリマー溶液を30cc成膜基板上に滴下し、スピンコーター上で、回転数300rpm、回転時間30秒の条件で回転塗布した。
次いで成膜基板ごと80℃、180℃のホットプレートで各5分間乾燥し、成膜基板から乾燥された膜を引き剥がすことで、面積706.5cmの凹凸構造層(自立膜)を得た。出来上がった凹凸構造層の厚み平均は1.5μm、凹凸構造層の厚みばらつき平均は61nmであった。出来上がった凹凸構造層の中心部分を5cm×5cmの正方形で切り出し、切り出した凹凸構造層の厚み平均と凹凸構造層の厚みばらつき平均を測定した所、凹凸構造層の厚み平均は1.5μm、凹凸構造層の厚みばらつき平均は53nmであった。切り出した凹凸構造層をAFMで観察したところ、高さ180nm、周期の長さが150nmの周期凹凸形状が形成されていた。また、作製された凹凸構造層の降伏歪みは4%、引張伸度は15%であった。
次に、凹凸構造層を5cm×5cm角に切り出した。切り出した正方形の任意の一辺と該一辺と直角に交わる辺をそれぞれ5等分するように直線を引いてできる25等分割された各正方形の中心を透過分光膜厚計(大塚電子株式会社、FE1300)で測定した。測定は波長248nmと365nmを使用した。上記25点における波長248nmでの透過率を測定したところ、最も透過率の高い点と最も透過率の低い点との差異は3%であった。また、上記25点における波長365nmでの透過率を測定したところ、最も透過率の高い点と最も透過率の低い点との差異は5%であった。
次に、5cm×5cm角に切り出した凹凸構造層を直径8cmの透明球体に貼り付けた所、折りたたみ部位は生じず、隙間無く透明球体に貼り付けることが出来た。凹凸構造層付き透明球体を肉眼で観察したところ、色むらはほとんど見えなかった。
<実施例3>
シクロオレフィン系樹脂を膜材として含む溶液であるZeonor1060R(日本ゼオン(株)製商品名、降伏歪み約4%、引張伸度約60%)をリモネン(和光純薬工業(株)製)で希釈し、ポリマー溶液を作製した。
この時、ポリマー溶液中に含まれるシクロオレフィン系樹脂の濃度は8質量%であった。実施例1で用意した成膜基板表面にシランカップリングを行った後、作製したポリマー溶液を成膜基板上に滴下し、スピンコーター上で、回転数300rpm、回転時間30秒の条件で回転塗布した。次いで成膜基板ごと80℃、180℃のホットプレートで各5分間乾燥し、成膜基板から乾燥された膜を引き剥がすことで、面積706.5cmの凹凸構造層(自立膜)を得た。出来上がった凹凸構造層の厚み平均は3.0μm、凹凸構造層の厚みばらつき平均は111nmであった。出来上がった凹凸構造層の中心部分を5cm×5cmの正方形で切り出し、切り出した凹凸構造層の厚み平均と凹凸構造層の厚みばらつき平均を測定した所、凹凸構造層の厚み平均は3.0μm、凹凸構造層の厚みばらつき平均は103nmであった。切り出した凹凸構造層をAFMで観察したところ、高さ180nm、周期の長さが150nmの周期凹凸形状が形成されていた。また、作製された凹凸構造層の降伏歪みは4%、引張伸度は60%であった。
次に、凹凸構造層を5cm×5cm角に切り出した。切り出した正方形の任意の一辺と該一辺と直角に交わる辺をそれぞれ5等分するように直線を引いてできる25等分割された各正方形の中心を透過分光膜厚計(大塚電子株式会社、FE1300)で測定した。測定は波長248nmと365nmを使用した。上記25点における波長248nmでの透過率を測定したところ、最も透過率の高い点と最も透過率の低い点との差異は7%であった。また、上記25点における波長365nmでの透過率を測定したところ、最も透過率の高い点と最も透過率の低い点との差異は4%であった。
次に、5cm×5cm角に切り出した凹凸構造層を直径8cmの透明球体に貼り付けた所、折りたたみ部位は生じず、隙間無く透明球体に貼り付けることが出来た。凹凸構造層付き透明球体を肉眼で観察したところ、わずかに色むらが見えた。
<比較例1>
ポリメタクリル酸メチル(三菱レイヨン(株)製、降伏歪み無し、引張伸度約6%)をトルエン溶液に溶かしたポリマー溶液を作製した。この時、ポリマー溶液中に含まれるポリメタクリル酸メチルの濃度は6質量%であった。
実施例1で用意した成膜基板表面にシランカップリングを行った後、作製したポリマー溶液を30cc成膜基板上に滴下し、スピンコーター上で、回転数300rpm、回転時間50秒の条件で回転塗布した。次いで成膜基板ごと80℃、180℃のホットプレートで各5分間乾燥し、成膜基板から乾燥された膜を引き剥がそうとしたところ、膜が破断してしまった。
<比較例2>
ポリマー溶液の成膜基板上に滴下量とスピンコーターの回転数を調節して、5cm×5cm角における凹凸構造層の厚み平均を5.0μmとした以外は実施例1と同様の作製方法で凹凸構造層を作製した。ポリマー溶液の滴下量は30cc、スピンコーターの回転数は500rpm、回転時間は30秒とした。
5cm×5cm角に切り出した凹凸構造層を直径8cmの透明球体に貼り付けた所、折りたたみ部位が生じ、隙間が生じてしまった。
<実施例4>
・凹形状を有するシリコンウエハの作製
クロム薄膜層を有する合成石英ガラス上にフォトレジスト(感光性物質)を塗布し、プレベーク後、電子ビーム露光装置を用いて40mm×80mm領域でレジストに微細パタンを描画した。40mm×80mm領域内部の描画形状は、300μm×100μmを1つの素子とし、隣り合う素子間は重なり合うことなく40mm×80mm領域内部を充填的に配列描画した。現像処理後、レジストのパタンから露出しているクロム層部分をエッチングし、レジストパタンをクロム層に転写した。最後にレジスト残渣を洗浄しレティクルを作製した。
シリコン基板(12インチ、300mmφ)上にレジストをスピンコーターで均一に塗布後、プレベークしレジストを固化させた。次に半導体素子製造装置の一つである縮小投影型露光装置(ステッパー)を用いて、先に作製されたレティクルの微細パタンを縮小投影レンズにより1/4に縮小し、レジストを塗布したウエハ上を移動しながら投影露光した。その後、有機アルカリ現像液に浸し、感光した部分のレジストを除去した。超純水で数回すすぎ、感光した残渣を完全に除去後、加熱した。レジストで被覆されていない部分をドライエッチング法で選択的にエッチングし、ウエハに微細パタンを作製した。最後に溶剤でレジストを完全に除去した。今回はレティクルのパタンサイズや露光・エッチング条件を変更することで、表面に間隔が0.9μm〜1.1μmのランダム周期であって、深さ180nmの凹形状を有するシリコンウエハを用意した。
次にシリコンウエハ表面にシランカップリングを行い、凹凸構造層(自立膜)の離型性を向上させた後、パーフルオロアルキルエーテル環構造を有するアモルファスフッ素樹脂を含む溶液であるサイトップ CTX−809SP2(旭硝子(株)製商品名)をパーフルオロトリブチルアミン(フロリナートFC−43 住友スリーエム(株)製商品名)で2%に希釈したものを滴下し、スピンコーター上で、300rpmで回転塗布した後、80℃、180℃のホットプレートで各5分間乾燥させ、厚さ3.1μmの凹凸構造層(自立膜)を得た。
この凹凸構造層(自立膜)を展張して、上縁面(他端面)に接着剤を塗布したアルミ製の枠体(外形、縦149mm×横122mm×高5.5mm、枠幅2mm)に貼り付け、枠体からはみ出た不要部分の凹凸構造層(自立膜)を切断除去した。出来上がった凹凸構造層(自立膜)上をAFMで観察したところ、高さ180nm、間隔が0.9μm〜1.1μmのランダム周期を持つ凸構造が作製されていた。
次に、凹凸構造層(自立膜)をクリーン度クラス10000の条件下で10日放置し、凹凸構造層(自立膜)上に異物が付着するのを待った。凹凸構造層(自立膜)を10日放置した後、凹凸構造層(自立膜)上を集光灯で観察して、大きさが1μm〜10μmの範囲である異物20点をマーキングした。この20点の異物を口径0.65mmのエアガンノズルで、圧力0.15MPa、距離5cm、角度を凹凸構造層(自立膜)に対して45度、時間5secの条件でエアブローをした。エアブローの後20点の異物を確認したところ、10点の異物が除去され、10点の異物が付着したままだった。
<実施例5>
シリコンウエハ上の凹形状の周期間隔を1.0μmの一定周期にした以外は実施例1と同様の製造方法で凹凸構造層(自立膜)を作製した。出来上がった凹凸構造層(自立膜)上を観察したところ、高さ180nm、周期間隔が1.0μmの一定周期を持つ凸構造が作製されていた。
次に、凹凸構造層(自立膜)をクリーン度クラス10000の条件下で10日放置し、凹凸構造層(自立膜)上に異物が付着するのを待った。凹凸構造層(自立膜)を10日放置した後、凹凸構造層(自立膜)上を集光灯で観察して、大きさが1μm〜10μmの範囲である異物20点に対し印を付けた。この20点の異物を口径0.65mmのエアガンノズルで、圧力0.15MPa、距離5cm、角度を凹凸構造層(自立膜)に対して45度、時間5secの条件でエアブローをした。エアブローの後20点の異物を確認したところ、13点の異物が除去され、7点の異物が付着したままだった。
<実施例6>
シリコンウエハ上の凹形状の周期間隔を150nmの一定周期にした以外は実施例1と同様の製造方法で凹凸構造層(自立膜)を作製した。出来上がった凹凸構造層(自立膜)上を観察したところ、高さ180nm、周期間隔が150nmの一定周期を持つ凸構造が作製されていた。
次に、凹凸構造層(自立膜)をクリーン度クラス10000の条件下で10日放置し、凹凸構造層(自立膜)上に異物が付着するのを待った。凹凸構造層(自立膜)を10日放置した後、凹凸構造層(自立膜)上を集光灯で観察して、大きさが1μm〜10μmの範囲である異物20点に対し印を付けた。この20点の異物を口径0.65mmのエアガンノズルで、圧力0.15MPa、距離5cm、角度を凹凸構造層(自立膜)に対して45度、時間5secの条件でエアブローをした。エアブローの後20点の異物を確認したところ、20点全ての異物が除去された。
<比較例3>
表面が平滑なシリコンウエハを用いた以外は実施例4と同様の製造方法で凹凸構造層(自立膜)を作製した。次に得られた膜上にアモルファスフッ素樹脂を含む溶液であるサイトップ CTX−809SP2(旭硝子(株)製商品名)をパーフルオロトリブチルアミン(フロリナートFC−43 住友スリーエム(株)製商品名)で4%に希釈したものを滴下し、スピンコーター上で、300rpmで回転塗布した後80℃、180℃で乾燥させ、厚み800μmの反射抑制層付き凹凸構造層(自立膜)を得た。
次に、凹凸構造層(自立膜)をクリーン度クラス10000の条件下で10日放置し、凹凸構造層(自立膜)上に異物が付着するのを待った。凹凸構造層(自立膜)を10日放置した後、凹凸構造層(自立膜)上を集光灯で観察して、大きさが1μm〜10μmの範囲である異物20点に対し印を付けた。この20点の異物を口径0.65mmのエアガンノズルで、圧力0.15MPa、距離5cm、角度を凹凸構造層(自立膜)に対して45度、時間5secの条件でエアブローをした。エアブローの後20点の異物を確認したところ、5点の異物が除去され、15点の異物が付着したままだった。
<実施例7>
・凹形状を有する合成石英ガラス基板の作製
クロム薄膜層を有する合成石英ガラス上にフォトレジスト(感光性物質)を塗布し、プレベーク後、電子ビーム露光装置を用いて800mm×920mm領域でレジストに微細パタンを描画した。800mm×920mm領域内部の描画形状は、フルピッチで150nm×150nmのライン&スペースの形状とし、隣り合う素子間は重なり合うことなく800mm×920mm領域内部を充填的に配列描画した。現像処理後、レジストのパタンから露出しているクロム層部分をエッチングし、レジストパタンをクロム層に転写した。最後にレジスト残渣を洗浄しレティクルを作製した。
合成石英ガラス基板(800mm×920mm)上にレジストをスピンコーターで均一に塗布後、プレベークしレジストを固化させた。次に半導体素子製造装置の一つである縮小投影型露光装置(ステッパー)を用いて、先に作製されたレティクルの微細パタンを縮小投影レンズにより1/4に縮小し、レジストを塗布した合成石英ガラス基板上を移動しながら投影露光した。その後、有機アルカリ現像液に浸し、感光した部分のレジストを除去した。超純水で数回すすぎ、感光した残渣を完全に除去後、加熱した。レジストで被覆されていない部分をドライエッチング法で選択的にエッチングし、基板に微細パタンを作製した。最後に溶剤でレジストを完全に除去した。今回はレティクルのパタンサイズや露光・エッチング条件を変更することで、表面に間隔が130nm〜150nmのランダム周期であって、深さ150nmの凹形状を有する合成石英ガラス基板を用意した。
次に合成石英ガラス基板表面にシランカップリングを行い、ペリクル膜の離型性を向上させた後、セルロースアセテートプロピオネート(CAP 480−20、Eastman Chemical Co.製、降伏歪み約4%、引張伸度約15%)を乳酸エチルに溶かしたポリマー溶液を作製した。
この時、ポリマー溶液中に含まれるセルロースアセテートプロピオネートの濃度は8質量%であった。用意した成膜基板表面にシランカップリングを行った後、作製したポリマー溶液を成膜基板状に滴下し、スピンコーター上で、回転数250rpm、回転時間200秒の条件で回転塗布し、乾燥した。
次いで、その膜上にフッ素系ポリマー溶液をスピンコートで塗布して乾燥し反射防止層を設け、凹凸構造膜に反射防止層が形成された凹凸構造層(自立膜)を基板から剥離し、厚さ4.0μmの凹凸構造層(自立膜)を得た。
この凹凸構造層(自立膜)を展張して、上縁面(他端面)に接着剤を塗布したアルミ製の枠体(外形、長辺800mm×短辺480mm×高4.0mm、長辺幅9.0mm×短辺幅7.0mm)に凹凸膜側を貼り付け、枠体からはみ出た不要部分の凹凸構造層(自立膜)を切断除去した。出来上がった凹凸構造層(自立膜)上をAFMで観察したところ、高さ150nm、間隔が130nm〜150nmの一定周期を持つ凸構造が作製されていた。
次に、凹凸構造層(自立膜)をクリーン度クラス10000の条件下で10日放置し、凹凸構造層(自立膜)上に異物が付着するのを待った。凹凸構造層(自立膜)を10日放置した後、凹凸構造層(自立膜)上を集光灯で観察して、大きさが1μm〜10μmの範囲である異物20点をマーキングした。この20点の異物を口径0.65mmのエアガンノズルで、圧力0.15MPa、距離5cm、角度を凹凸構造層(自立膜)に対して45度、時間5secの条件でエアブローをした。エアブローの後20点の異物を確認したところ、10点の異物が除去され、10点の異物が付着したままだった。
次に、実施例1と同様にして透過率を測定した。波長は、290nm〜700nmのブロードバンドで行い、最も透過率の低い点が92%であった。平均透過率は96%であり、ブロードバンド波長でも凹凸構造膜の効果があることがわかった。
本願発明の自立膜は形状追従性に優れる自立膜であり、タッチパネルや液晶表示パネル、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイといった画像表示装置、プロジェクター等の投影光学系、光学レンズ等の観察光学系、カメラ等の撮像光学系、偏光ビームスプリッターや発光ダイオードの発光部先端、太陽電池パネルの表面等の光学素子に好適に使用可能である。
また、本願発明のペリクルは、異物が付着しにくく、また、異物が付着してもエアブローで容易に除去することが可能なペリクル膜であるため、繰り返し使用が可能であり、経済的にも優れる。
1 凹凸構造層
2 薄膜層
3 コーティング層
4 自立膜
5 周期凹凸形状
6 凹凸構造層裏面
7 自立膜表面
8 自立膜裏面
9 抜き取り線
10 頂点平均高さ
11 凹凸構造層の厚み
12 収差による位置ずれ
13 凹部底点
14 凹部底点から凹凸構造層裏面までの距離(最大)
15 凹部底点から凹凸構造層裏面までの距離(最小)
16 凹凸構造層の厚みばらつき
17 周期間隔
20 ペリクル
21 ペリクル膜
22 凸構造
23 凸構造の頂点
24 凸構造の底点
25 凸構造の高さ
26 凸構造の間隔
27 枠体
28 粘着材

Claims (14)

  1. 少なくとも片面に周期的な凹凸形状が形成された凹凸構造層を有し、
    厚み平均が0.2μm以上20.0μm以下であり、
    前記凹凸構造層の降伏歪みが1%以上であり、且つ、引張伸度が10%以上であり、
    前記凹凸構造層の表面における凸部の占有率は、70%以上であり、
    樹脂を含む溶液を乾燥することによって形成され
    前記凹凸構造層の主成分にパーフルオロアルキルエーテル環構造を有するフッ素系樹脂、セルロース系誘導体、及びシクロオレフィン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの樹脂を用いることを特徴とする自立膜。
  2. 前記凹凸構造層の厚みばらつき平均が100nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の自立膜。
  3. 前記凹凸形状における前記凸部が一定の周期間隔を有して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自立膜。
  4. 前記凹凸形状における前記凸部の周期間隔が1.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の自立膜。
  5. 前記凹凸形状における前記凸部の高さが前記凹凸形状の周期間隔の0.5倍以上2.0倍以下であることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の自立膜。
  6. 前記凹凸形状における前記凸部の形状が多角錐形状、円錐形状、截頭多角錐形状又は截頭円錐形状であることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の自立膜。
  7. 請求項1〜の何れか一項に記載の自立膜と、前記自立膜の裏面に設けられて前記自立膜に対し剥離可能な剥離体と、を含む自立構造体。
  8. 前記凹凸構造層と前記剥離体が接していることを特徴とする請求項に記載の自立構造体。
  9. 前記剥離体の前記凹凸構造層に対向する表面が、略球面形状を有する請求項又はに記載の自立構造体。
  10. 請求項1〜の何れか一項に記載の自立膜と、前記自立膜の裏面に設けられた粘着剤層又は接着剤層と、を含む自立構造体。
  11. 前記凹凸構造層と前記粘着剤層又は接着剤層が接していることを特徴とする請求項10に記載の自立構造体。
  12. 請求項1〜の何れか一項に記載の自立膜の製造方法であって、
    降伏歪みが1%以上であり、且つ、引張伸度が10%以上である樹脂組成物を有機溶媒に溶解させてなるポリマー溶液を、表面に周期的な凹凸形状を有する成膜基板上に塗布した後、乾燥させて剥離し、厚み平均が0.2μm以上20.0μm以下である自立膜を得ることを特徴とする、自立膜の製造方法。
  13. 請求項1〜の何れか一項に記載の自立膜の製造方法であって、
    基板表面に凹形状を有する成膜基板上に、自立膜材料を所定の膜厚になるように塗布して自立膜を成形した後、前記成膜基板より該自立膜を剥離することを特徴とする自立膜の製造方法。
  14. 前記基板表面上にシランカップリングを施すことを特徴とする請求項13に記載の自立膜の製造方法。
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