JP6003993B2 - X線管装置およびx線管装置の使用方法 - Google Patents
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Description
この発明は、X線管装置およびX線管装置の使用方法に関し、特に、平板状の電子放出部を有するエミッタを備えたX線管装置およびX線管装置の使用方法に関する。
従来、平板状の電子放出部を有するエミッタを備えたX線管装置が知られている。このようなX線管装置は、たとえば、特表2010−534396号公報に開示されている。
上記特表2010−534396号公報に開示されているX線管装置は、平板状の電子放出部と、電子放出部と電極とを接続する一対(2本)の端子部とを含むエミッタを備える。電子放出部には、長尺の結晶構造を持つ異方性多結晶材(タングステン)が用いられている。端子部は、平板状の電子放出部の両端部近傍の下面(電子放出面とは反対側面)を支持するとともに、電子放出部に通電する機能を有する。電子放出部は、端子部を介して約2000℃以上まで通電加熱されることにより、電子放出を行う。このため、エミッタの使用に伴う高温と、電子放出部に作用する外力とによって、電子放出部ではクリープ変形が生じる。上記特表2010−534396号公報では、電子放出部を、結晶粒の長手方向が所定方向を向くように構成することにより、通常使用時における主応力負荷の作用方向(電子放出面と平行な方向)における電子放出部の機械的強度を向上させている。これにより、クリープ変形によるエミッタの電子放出特性の悪化およびエミッタ寿命の短縮の抑制が図られている。
しかしながら、上記特表2010−534396号公報のX線管装置では、電子放出部の結晶粒の向きを所定方向に揃えるという材料的な構成により電子放出面と平行な方向の機械的強度を向上させている一方、平板状の電子放出部の両端近傍が一対の端子部によって支持されている構造上、長期間の使用に伴うクリープ変形によって電子放出部が沈み込むように変形する現象(サグ現象という)を十分に抑制することが困難であるという問題点がある。サグ現象によって電子放出部が沈み込むと、エミッタから放出される電子の収束性が低下し、その結果、X線管装置から出射されるX線の焦点径を所望の範囲内に収めることができなくなる。このため、より長期にわたって所望のX線焦点径を維持し、エミッタのさらなる長寿命化を図るために、電子放出部の沈み込みを十分に抑制することが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、使用に伴うクリープ変形による電子放出部の沈み込みを十分に抑制することが可能なX線管装置およびX線管装置の使用方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるX線管装置は、陽極と、陽極に対して電子を放出するエミッタを含む陰極とを備え、エミッタは、電流通路により平板状に形成された電子放出部と、電子放出部からそれぞれ延びるとともに、電極に接続される一対の端子部と、端子部とは別個に端子部と同じ方向に設けられ、電極に対して絶縁されるとともに、電子放出部を支持する支持部とを含み、電流通路は、少なくとも、一方の端子部から他方の端子部側に向けて延びる外周側の第1部分と、第1部分から連続して第1部分よりも内周側を他方の端子部側から一方の端子部側に向けて延びる第2部分とを含み、支持部は、第1部分と第2部分との接続部分を支持するように配置されている。
この発明の第1の局面によるX線管装置では、上記のように、端子部とは別個に設けられ、電極に対して絶縁されるとともに、電子放出部を支持する支持部をエミッタに設けることによって、平板状の電子放出部を、端子部のみならず、端子部とは別個に設けられた支持部により構造的に支持することができる。これにより、平板状の電子放出部において構造上不可避的に発生する、使用に伴うクリープ変形による電子放出部の沈み込み(サグ現象)を材料的ではなく、構造的な手段である支持部により十分に抑制することができる。また、電極に対して絶縁された専用の支持部を設けることによって、電極から端子部を介して電子放出部に流れる電流経路を阻害することなく、容易に電子放出部を支持することができる。また、本発明のように第1部分と第2部分との接続部分を支持するように支持部を配置することによって、確実かつより一層効果的に、電子放出部の沈み込み(サグ現象)を抑制することができる。
上記第1の局面によるX線管装置において、好ましくは、支持部は、電子放出部のうち、エミッタの使用に伴うクリープ変形により電子放出部の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部を支持するように配置されている。このように構成すれば、平坦度の変化が大きい変形部を支持することによって、効果的に電子放出部の沈み込み(サグ現象)を抑制することができる。
ここで、「平坦度」とは、本願明細書では、変形のない状態の理想的な電子放出部の上下面をそれぞれ基準面とし、電子放出部と平行な側面方向の投影図における、上下それぞれの基準面からの電子放出部の逸脱量とする。なお、電子放出部の上面は、電子放出面であり、下面は電子放出面とは反対側の面であるとする。また、「変形部」とは、支持部を設けない状態を仮定した場合に、電子放出部において平坦度が変化する度合いが相対的に大きい部分である。変形部が電子放出部のどの部分であるかは電子放出部の形状によって決まり、たとえばシミュレーションによって導出することができる。なお、本発明では、「変形部の近傍」とは、変形部および変形部周辺の近傍領域を含む。
上記第1の局面によるX線管装置において、好ましくは、支持部は、電子放出部と交差する方向で端子部と同じ側に延びるように形成されるとともに、一端が固定され、他端が電子放出部に連結されるか、または電子放出部と接触する位置に配置されている。このように構成すれば、エミッタの端子部側に支持部を追加するだけでよいので、構造上、容易に支持部を設けることができる。なお、支持部は電子放出部を支持できればよいので、支持部が電子放出部に連結固定される場合だけでなく、支持部が端子部と同じ側から電子放出部に接触して支持するだけでもよい。
上記第1の局面によるX線管装置において、好ましくは、エミッタと陽極としてのターゲットとを収容するとともに、中心軸回りに回転する筒状の外囲器をさらに備え、支持部は、中心軸を挟んで対向する位置に一対設けられている。このように構成すれば、エミッタが外囲器とともに回転するいわゆる外囲器回転型のX線管装置において、エミッタに支持部を設ける場合にも、回転中心軸回りの機械的バランスをとることができるので、使用時(回転動作時)のエミッタの回転を安定させて変形を抑制することができる。
上記第1の局面によるX線管装置において、好ましくは、電子放出部は、エミッタの使用に伴うクリープ変形により電子放出部の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部を含む領域において、変形部の変形方向とは逆方向に向けて突出するように傾斜された突出部を有する。このように構成すれば、たとえ電子放出部にクリープ変形が発生した場合にも、変形方向とは逆方向に突出する突出部によって平坦度の変化を打ち消すことができる。これにより、支持部による変形の抑制に加えて、さらに変形が発生した場合にも突出部によってその変形を打ち消すことができるので、電子放出部の沈み込みをより十分に抑制することができる。
上記第1の局面によるX線管装置において、好ましくは、電子放出部は、曲がりくねった電流通路により平板状に形成されているとともに、電流通路の他の部分より経路幅の大きい幅広部を有し、幅広部は、エミッタの使用に伴うクリープ変形により電子放出部の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部を含む領域に配置されている。このように構成すれば、変形部を含む領域における電流通路(幅広部)の機械的強度を他の部分よりも相対的に向上させることができる。これにより、支持部による変形の抑制に加えて、幅広部によってさらに変形を抑制することができるので、電子放出部の沈み込みをさらに十分に抑制することができる。
この発明の第2の局面におけるX線管装置は、陽極と、陽極に対して電子を放出するエミッタを含む陰極とを備え、エミッタは、電流通路により平板状に形成された電子放出部と、電子放出部の両端からそれぞれ延びるとともに、電極に接続される一対の端子部と、を含み、電子放出部は、エミッタの使用に伴うクリープ変形により電子放出部の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部を含む領域において、変形部の変形方向とは逆方向に向けて突出するように傾斜させた突出部を有する。
この発明の第2の局面によるX線管装置では、上記のように、エミッタの使用に伴うクリープ変形により電子放出部の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部を含む領域において、変形部の変形方向とは逆方向に向けて突出した突出部を電子放出部に設けることによって、電子放出部にクリープ変形が発生した場合にも、変形方向とは逆方向に突出する突出部によって平坦度の変化を打ち消すことができる。これにより、変形部を含む領域における平坦度の変化を打ち消すことができるので、使用に伴うクリープ変形による電子放出部の沈み込みを十分に抑制することができる。
上記第2の局面によるX線管装置において、好ましくは、突出部は、使用時における重力作用方向とは逆方向に向けて突出するように傾斜している。このように構成すれば、エミッタに常に作用する重力による電子放出部のクリープ変形を、突出部によって打ち消すことができる。
上記第2の局面によるX線管装置において、好ましくは、電子放出部は、曲がりくねった電流通路により平板状に形成され、突出部は、電子放出部のうち、変形部を含む電子放出部の外周側の電流通路に配置されている。このように構成すれば、構造上、電子放出部のうちの外周側の電流通路に平坦度が変化し易い変形部が存在するので、平坦度が変化しやすい部分の電子放出部の沈み込み(サグ現象)を効果的に打ち消すことができる。
上記第2の局面によるX線管装置において、好ましくは、電流通路は、少なくとも、一方の端子部から他方の端子部側に向けて延びる外周側の第1部分と、第1部分から連続して第1部分よりも内周側を他方の端子部側から一方の端子部側に向けて延びる第2部分とを含み、突出部は、第1部分と第2部分との接続部分が突出するように第1部分を傾斜させることにより、形成されている。このように構成すれば、構造上、第1部分と第2部分との接続部分の近傍が特に平坦度が変化し易い部分となるので、変形部のうちで特に平坦度が変化し易い部分の近傍における電子放出部の沈み込み(サグ現象)を、確実かつより一層効果的に打ち消すことができる。
この発明の第3の局面におけるX線管装置は、陽極と、陽極に対して電子を放出するエミッタを含む陰極とを備え、エミッタは、曲がりくねった電流通路により平板状に形成されているとともに、電流通路の他の部分よりも経路幅の大きい幅広部を有する電子放出部と、電子放出部の両端からそれぞれ延びるとともに、電極に接続される一対の端子部と、を含み、幅広部は、エミッタの使用に伴うクリープ変形により電子放出部の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部を含む領域に配置されている。
この発明の第3の局面によるX線管装置では、上記のように、エミッタの使用に伴うクリープ変形により電子放出部の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部を含む領域に幅広部を配置することによって、変形部を含む領域における電流通路(幅広部)の機械的強度を他の部分よりも相対的に向上させることができる。これにより、変形部を含む領域(幅広部)における変形の発生を抑制することができるので、使用に伴うクリープ変形による電子放出部の沈み込みを十分に抑制することができる。
上記第3の局面によるX線管装置において、好ましくは、幅広部は、電子放出部のうち、変形部を含む電子放出部の外周側の電流通路に配置されている。このように構成すれば、構造上、電子放出部のうちの外周側の電流通路に平坦度が変化し易い変形部が存在するので、電子放出部の平坦度が変化し易い部分の沈み込み(サグ現象)を効果的に抑制することができる。
上記第3の局面によるX線管装置において、好ましくは、電子放出部は、少なくとも、一方の端子部から他方の端子部側に向けて延びる外周側の第1部分と、第1部分から連続して第1部分よりも内周側を他方の端子部側から一方の端子部側に向けて延びる第2部分とを含み、幅広部は、第1部分と第2部分との接続部分を含む第1部分に形成されている。このように構成すれば、構造上、第1部分と第2部分との接続部分の近傍が特に平坦度が変化し易い変形部となるので、変形部のうちで特に平坦度が変化し易い部分の近傍における電子放出部の沈み込み(サグ現象)を、確実かつより一層効果的に抑制することができる。
上記のように、本発明によれば、使用に伴うクリープ変形による電子放出部の沈み込みを十分に抑制することが可能なX線管装置およびX線管装置の使用方法を提供することができる。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図3を参照して、第1実施形態によるX線管装置100の構成について説明する。
まず、図1〜図3を参照して、第1実施形態によるX線管装置100の構成について説明する。
図1に示すように、X線管装置100は、電子ビームを発生させる電子源1と、ターゲット2と、電子源1およびターゲット2を内部に収容する外囲器3と、外囲器3の外部に設けられた磁場発生器4とを備えている。第1実施形態では、X線管装置100は、ターゲット2が回転する回転陽極型X線管装置であり、より具体的には、外囲器3がターゲット2と一体的に回転する外囲器回転型のX線管装置である。なお、電子源1およびターゲット2は、それぞれ、本発明の「陰極」および「陽極」の一例である。
電子源1は、外囲器3の軸方向(A方向)の一端に、絶縁部材5を介して固定的に取り付けられている。また、電子源1は、外囲器3の回転軸3a上に配置され、回転軸3a回りに外囲器3と一体的に回転するように構成されている。電子源1は、図2に示すように、エミッタ10と、エミッタ10を通電加熱するための一対の電極1aとを含んでいる。エミッタ10の構造については、後述する。
図1に示すように、ターゲット2は、外囲器3の軸方向(A方向)の他端に、電子源1と対向するようにして一体的(固定的)に取り付けられている。ターゲット2は、縁部2aが外側に向けて薄肉となるように傾斜した円板形状を有する。ターゲット2の中心は、外囲器3の回転軸3aと一致しており、ターゲット2は、回転軸3a回りに外囲器3と一体的に回転するように構成されている。
ターゲット2と電子源1とは、それぞれ、図示しない電源部の正負極と接続されている。ターゲット2に正の高電圧が印加され、電子源1に負の高電圧が印加されることにより、電子源1から回転軸3a(軸方向A)に沿ってターゲット2に向かう電子ビームが発生する。
外囲器3は、回転軸(中心軸)3aを中心に軸方向Aに延びる筒状形状を有する。外囲器3は、両端に設けられたシャフト7および軸受7aによって回転軸3a回りに回転可能に支持されている。そして、外囲器3は、シャフト7に連結されたモータ6によって回転駆動される。外囲器3の一端は、円板状の絶縁部材5によって塞がれており、外囲器3の他端は、ターゲット2によって塞がれている。そして、外囲器3の内部は真空排気されている。外囲器3は、ステンレス(SUS)などの非磁性の金属材料からなり、絶縁部材5は、セラミックなどの絶縁材料からなる。
磁場発生器4は、環状のコアに配置された複数の磁極と、それぞれの磁極に巻回されたコイルとを含んでいる。磁場発生器4は、電子源1からターゲット2に向かう電子ビームを集束、偏向させるための磁場を発生させる機能を有する。図1に示すように、磁場発生器4から発生した磁場の作用によって、軸方向Aに沿ってターゲット2に向かう電子ビームは集束および偏向され、ターゲット2の傾斜した縁部2aに衝突する。この結果、ターゲット2の縁部2aからX線が発生し、外囲器3の図示しない窓部から外部に放出される。
次に、電子源1のエミッタ10の構成について詳細に説明する。図2〜図5に示すように、エミッタ10は、純タングステンまたはタングステン合金からなり、平板状の電子放出部11と、一対の端子部12と、一対の支持部13とを一体的に有している。第1実施形態では、電子放出部11と、一対の端子部12と、一対の支持部13とは、単一の平板材料から切り出され、曲げ加工によって一体形成されている。
エミッタ10は、いわゆる熱電子放出型のエミッタであり、一対の端子部12を介して電極1aから通電加熱されるように構成されている。これにより、平板状の電子放出部11が所定電流で所定温度(約2400K〜約2500K)に通電加熱されることにより、電子放出部11から電子を放出する。
図2および図3に示すように、電子放出部11は、曲がりくねった形状(ミアンダ形状)の電流通路20によって平板状に形成されており、平面的に見て、電子放出部11は円形状に形成されている。電子放出部11の中央部24は、外囲器3の回転軸3aに一致し、エミッタ10は、外囲器3の回転に伴って中央部24(回転軸3a)を中心に回転する。
電流通路20は、略一定の通路幅W1で形成され、電流通路20の両端でそれぞれ端子部12と接続されている。電流通路20は、第1部分21と、第2部分22と、第3部分23と、中央部24とを含んでいる。第1部分21は、一方(他方)の端子部12から他方(一方)の端子部12側に向けて弧状に延びるように一対設けられた、外周側の部分である。第2部分22は、第1部分21から連続して第1部分21よりも内周側を、反対の端子部12側に向けて弧状に延びるように設けられている。第3部分23は、第2部分22から連続してさらに反対側に向けて弧状に延び、中央部24に接続するように設けられている。
図2、図4および図5に示すように、一対の端子部12は、それぞれ、電流通路20(電子放出部11)の端部から延びるとともにZ1方向に曲げられることにより形成されており、端部が電子源1の電極1aに固定されている。端子部12は、電子放出部11の通電加熱のための電極1aとの接続端子として機能するとともに、電極1aに固定されることによって電子放出部11を支持する機能を有している。端子部12は、電流通路20の通路幅(W1)と等しい幅の平板形状を有する。
図2〜図5に示すように、一対の支持部13は、端子部12とは別個に設けられ、電極1aに対して絶縁されるとともに、電子放出部11を支持するように形成されている。また、一対の支持部13は、平面的に見て、外囲器3の回転軸(中心軸)3aを挟んで対向するように配置されている。これらの支持部13は、電流通路20(電子放出部11)の所定部位から延びるとともに、端子部12と同じZ1方向に曲げられることにより平板状に形成されている。支持部13の端部は、電子源1の基部(図示せず)に設けられた固定部材1bによって固定されている。固定部材1bは電極1aに対して絶縁されている。支持部13の端部は、電子源1の基部(図示せず)に直接固定されていてもよい。なお、電極1aおよび固定部材1bは、図3および図4では図示を省略している。
支持部13は、端子部12および電流通路20の通路幅W1よりも小さい幅W2を有しており、第1実施形態では、幅W2は、幅W1の約2分の1である。支持部13の幅W2は、電子放出部11を支持可能な強度を得るために必要な大きさ以上であればよい。また、通電加熱された電子放出部11の熱が支持部13へ逃げるのを抑制可能なように、支持部13の幅W2は小さい方が好ましい。
ここで、第1実施形態では、支持部13は、電子放出部11(電流通路20)のうち、エミッタ10の使用に伴うクリープ変形(サグ現象)により電子放出部11の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部Dfの近傍を支持するように配置されている。
電子放出部11の変形部Dfは、電子放出部の形状によって決まり、たとえばシミュレーションなどの計算的手法によって導出することができる。図6には、支持部13を設けない場合のエミッタのクリープ変形を評価するためのシミュレーション結果(比較例)示している。なお、電子放出部のクリープ変形は、主としてエミッタの通電加熱時の高温と、電子放出部に作用する外力(重力や、遠心力などに起因する慣性力など)とによって発生するが、厳密にはエミッタを構成する金属結晶粒同士のすべりなどが発生しているため、クリープ変形をシミュレーションにより正確に再現するのは困難である。このため、ここでは重力によるクリープ変形のみを考慮し、実験的に確認された1万回曝射(X線照射)後のクリープ変形と同等の変形が得られるように重力の大きさを調整することにより、クリープ変形を再現した。
また、図6では、クリープ変形(サグ現象)の程度を、平坦度によって評価している。平坦度は、電子放出部11と平行な側面方向から見た投影図(図4参照)において、上側(電子放出面側)基準面Rtおよび下側(電子放出面とは反対側)基準面Rbからの電子放出部11のそれぞれの逸脱量である。したがって、変形のない状態では、電子放出部11の上面(電子放出面)11aが上側基準面Rtと一致し、平坦度+0となるとともに、電子放出部11の下面11bが下側基準面Rbと一致し、平坦度−0となる。サグ現象によって電子放出部11の上面11aがZ2方向(上面側)にXだけ逸脱すれば、平坦度+Xであり、下面11bがZ1方向(下面側)にYだけ逸脱すれば、平坦度−Yであるとする。なお、シミュレーションでは、重力方向(鉛直下方)G2が、上面11aから下面11bに向かうZ1方向(平坦度マイナス方向)と一致する。
図6に示すように、支持部13を設けない場合には、電子放出部11の外周側の電流通路20において、電子放出部11の平坦度が大きく変化している(図6の濃いハッチング領域参照)。具体的には、電流通路20のうち、第1部分21と第2部分22との接続部分P1の周辺(接続部分P1を中心とした、第1部分21の略半分および第2部分22の略半分)が、平坦度の変化が相対的に大きい変形部Dfとなっている。同一のハッチングを付しているが、この変形部Dfのうちでは、接続部分P1において平坦度変化が最大(−52μm)となっている。この結果は、電子放出部11が、一対の端子部12によって支持された第1部分21の先端(第2部分22との接続部分P1)において、内周側の第2部分22、第3部分23および中央部24の重量を支持する構造となっていることからも、容易に理解される。
上記のシミュレーション結果(比較例)に基づき、第1実施形態では、支持部13は、電子放出部11の外周側の電流通路20であって、第1部分21と第2部分22との接続部分P1(変形部Df)の近傍を支持するように配置されている。
第1実施形態では、上記のように、端子部12とは別個に設けられ、電極1aに対して絶縁されるとともに、電子放出部11を支持する支持部13を設けることによって、平板状の電子放出部11を、端子部12のみならず、端子部12とは別個に設けられた支持部13により構造的に支持することができる。これにより、使用に伴うクリープ変形による電子放出部11の沈み込み(サグ現象)を材料的ではなく、構造的な手段である支持部13により十分に抑制することができる。また、電極1aに対して絶縁された専用の支持部13を設けるだけでよいので、電極1aから端子部12を介して電子放出部11に流れる電流経路を阻害することなく、容易に電子放出部11を支持することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、電子放出部11のうち、エミッタ10の使用に伴うクリープ変形により電子放出部11の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部Dfの近傍を支持するように支持部13を配置する。これにより、平坦度の変化が大きい変形部Dfの近傍を支持することによって、効果的に電子放出部11の沈み込み(サグ現象)を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、外周側の第1部分21と第2部分22との接続部分P1の近傍を支持するように支持部13を配置する。これにより、最も平坦度が変化し易い接続部分P1の近傍を構造的に支持することができるので、確実かつより一層効果的に、電子放出部11の沈み込み(サグ現象)を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、支持部13を、平板状の電子放出部11の外周部から引き出するとともに端子部12と同じ側に曲げ加工することにより、電子放出部11と一体的に平板状に形成する。これにより、共通の平板材料から、支持部13と電子放出部11とを一体的に形成することができるので、支持部13を容易に形成することができる。また、支持部13と電子放出部11とを別個に設ける場合とは異なり、部品点数を増加させることなく支持部13を設けることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、支持部13は、回転軸(中心軸)3aを挟んで対向する位置に一対設ける。これにより、エミッタ10が外囲器3とともに回転する外囲器回転型のX線管装置100において、エミッタ10に支持部13を設ける場合にも、回転軸(中心軸)3a回りの機械的バランスをとることができるので、使用時(回転動作時)のエミッタ10の回転を安定させて変形を抑制することができる。
(実施例)
次に、図7を参照して、第1実施形態によるX線管装置100の効果を確認するために行ったシミュレーション結果(実施例)について説明する。
次に、図7を参照して、第1実施形態によるX線管装置100の効果を確認するために行ったシミュレーション結果(実施例)について説明する。
図7のシミュレーション結果(実施例)は、支持部13を設けた上記第1実施形態によるエミッタ10について、図6に示したシミュレーション結果(支持部13を設けない場合の比較例)と同じ条件で行ったシミュレーション結果を示している。
図7に示すように、実施例では、変形部Dfのうち、図6において平坦度の最大変化量を示した接続部分P1での平坦度の変化量が0μm(平坦度変化無し)となった。また、実施例では、接続部分P1における平坦度の変化が抑制された結果、内周側の第2部分22と第3部分23との接続部分P2において、平坦度の変化が最大となり、変化量は−13μmであった。これにより、サグ現象による平坦度変化の最大値は、支持部無しの接続部分P1での最大値−52μm(比較例)から、接続部分P2での最大値−13μm(実施例)まで抑制されることが確認された。
なお、接続部分P2における平坦度は、図6の比較例では−36μmであった。したがって、平坦度変化を部位毎にみると、接続部分P1での平坦度の変化量が−52μm(比較例)から0μm(実施例)に抑制され、接続部分P2での平坦度の変化量が−36μm(比較例)から−13μm(実施例)に抑制されたことになる。この結果から、支持部13を設けることにより、クリープ変形による平坦度変化が変形部Dfを含む電子放出部11の全体に渡って十分に抑制されていることが確認された。
(第1実施形態の変形例)
上記第1実施形態では、支持部13を、電流通路20(電子放出部11)と一体的に形成した例を示したが、この第1実施形態の変形例では、支持部を、電流通路20(電子放出部11)とは別体で設けている。
上記第1実施形態では、支持部13を、電流通路20(電子放出部11)と一体的に形成した例を示したが、この第1実施形態の変形例では、支持部を、電流通路20(電子放出部11)とは別体で設けている。
第1実施形態の変形例によるエミッタ110では、図8(a)および(c)に示すように、支持部113は、電子放出部11と交差(直交)する方向で端子部12と同じ下面11b側(Z1方向)に延びるように形成される。支持部113の一端は、電子源1の基部(図示せず)に設けられた固定部材1bによって固定されるとともに、支持部113の他端113a(図8(b)参照)は、電子放出部11に固定的に連結されるか、または電子放出部11の下面11bと接触する位置に配置される。すなわち、支持部113は、電子放出部11を支持して電子放出部11のクリープ変形を抑制することができればよく、電子放出部11に固定される必要はない。なお、図8では、支持部113の他端113aが電子放出部11の下面11bと接触する例を示している。
この第1実施形態の変形例では、支持部113を電子放出部11と別体で形成するため、支持部113を電子放出部11とは異なる材料(タングステンやタングステン合金以外の材料)により形成してもよい。支持部113は、たとえば、モリブデンなどタングステン以外の高融点金属材料や、アルミナ(Al2O3)や窒化ケイ素(Si3N4)などのセラミック材料などにより形成してもよい。また、支持部113を円柱状などの平板形状以外の形状にしてもよい。
この第1実施形態の変形例では、エミッタ110の端子部12側に支持部113を追加するだけでよいので、構造上、容易に支持部113を設けることができる。
(第2実施形態)
次に、図1、図9および図10を参照して、本発明の第2実施形態によるX線管装置200(図1参照)のエミッタ210および230について説明する。第2実施形態では、電子放出部11に支持部13を設けた上記第1実施形態の構成に加えて、電子放出部11の変形部Dfをクリープ変形による変形方向(重力方向)とは逆方向に突出するように構成した例について説明する。なお、第2実施形態では、エミッタ以外の構成は上記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、エミッタについて上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
次に、図1、図9および図10を参照して、本発明の第2実施形態によるX線管装置200(図1参照)のエミッタ210および230について説明する。第2実施形態では、電子放出部11に支持部13を設けた上記第1実施形態の構成に加えて、電子放出部11の変形部Dfをクリープ変形による変形方向(重力方向)とは逆方向に突出するように構成した例について説明する。なお、第2実施形態では、エミッタ以外の構成は上記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、エミッタについて上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
図9に示すように、第2実施形態によるX線管装置200のエミッタ210は、上面11aから下面11bに向かうZ1方向(平坦度マイナス方向)が、使用時における重力方向(鉛直下方)G2と一致するように設けられている。エミッタ210の電子放出部211は、エミッタ210の使用に伴うクリープ変形により電子放出部211の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部Dfを含む領域において、変形部Dfの変形方向(重力方向)とは逆方向(Z2方向)に向けて突出した突出部212が形成されている。
突出部212は、電子放出部211のうち、変形部Dfを含む電子放出部211の外周側の電流通路20(第1部分21)に配置されている。また、突出部212は、第1部分21と第2部分22との接続部分P1の近傍が突出するように第1部分21を傾斜させることにより、形成されている。
具体的には、第2実施形態では、一方の端子部12(端子部12aとする)側の第1部分21において、端子部12a側の位置Aから接続部分P1側の位置Bに至る第1部分21がZ2方向側に傾斜している。これにより、端子部12a側の第1部分21では、位置Bにおいて平坦度が+αとなる(上側基準面Rtに対してαだけ突出する)ようにZ2方向に突出している。
同様に、他方の端子部12(以下、端子部12bとする)側の第1部分21において、端子部12b側の位置Cから接続部分P1側の位置Dに至る第1部分21がZ2方向側に傾斜している。これにより、端子部12b側の第1部分21でも、位置Dにおいて平坦度が+αとなる(上側基準面Rtに対してαだけ突出する)ようにZ2方向に突出している。
また、第1部分21を傾斜させることにより突出部212を形成した結果、電子放出部211の第2部分22、第3部分23および中央部24も、Z2方向へ若干突出しており、電子放出部211の上面11aは、全体としては上側基準面Rtと略平行な状態となっている。
以上の構成により、エミッタ210では、Z2方向へ平坦度が+αとなるように予め突出させた突出部212によって、重力方向G2に一致するZ1方向への平坦度変化を打ち消すことが可能である。すなわち、第2実施形態では、サグ現象によって略−αだけZ1方向の平坦度変化が生じた場合に、平坦度が0となる。これにより、突出部212の突出量αだけサグ現象によるZ1方向への沈み込みが緩和され、所望のX線焦点径が得られなくなるまでのエミッタ210の寿命を延長することが可能である。突出部212による突出量αは、所望のX線焦点径を得ることが可能な範囲内で、大きいほど好ましい。
なお、重力方向に対するエミッタの向きは、X線管装置200が搭載される装置における、使用時(曝射時)のX線管装置200の向きによって異なる。このため、X線管装置200の使用状態において、変形方向(重力方向G2)が上面11aから下面11bに向かうZ1方向(平坦度マイナス方向)に一致する場合には、上記エミッタ210を備えたX線管装置200を用い、変形方向(重力方向G2)が下面11bから上面11aに向かうZ2方向(平坦度プラス方向)に一致する場合には、図10に示すエミッタ230をX線管装置200に設ければよい。
図10に示すように、エミッタ230は、エミッタ210とは逆に、下面11bから上面11aに向かうZ2方向(平坦度プラス方向)が、使用時における重力方向G2と一致するように設けられている。そして、エミッタ230の電子放出部231には、Z1方向に突出する突出部232が形成されている。
具体的には、一方の端子部12a側の第1部分21において、端子部12a側の位置Aから接続部分P1側の位置Bに至る第1部分21がZ1方向側に傾斜し、平坦度が−αとなる(下側基準面Rbに対して、αだけ突出する)ようにZ1方向に突出している。同様に、他方の端子部12b側の第1部分21において、端子部12b側の位置Cから接続部分P1側の位置Dに至る第1部分21がZ1方向側に傾斜し、平坦度が−αとなるようにZ1方向に突出している。このようにして、エミッタ230の突出部232は、電子放出部231のうち、接続部分P1の近傍が突出するように第1部分21をZ1方向に傾斜させることにより、形成されている。
第2実施形態では、上記のように、変形部Dfを含む領域において、変形部Dfの変形方向とは逆方向に向けて突出した突出部212(232)を電子放出部211(231)に設ける。これにより、たとえ電子放出部211(231)にクリープ変形が発生した場合にも、変形方向とは逆方向に突出する突出部212(232)によって平坦度の変化を打ち消すことができる。すなわち、図9に示したエミッタ210では、重力方向G2に一致するZ1方向への平坦度変化を、逆のZ2方向へ予め突出された突出部212によって打ち消すことができる。また、図10に示したエミッタ230では、重力方向G2に一致するZ2方向への平坦度変化を、逆のZ1方向へ予め突出された突出部232によって打ち消すことができる。これにより、支持部13による変形の抑制に加えて、さらに変形が発生した場合にも突出部212(232)によってその変形を打ち消すことができるので、電子放出部211(231)の沈み込みをより十分に抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、突出部212(232)を、使用時における重力方向G2とは逆方向に向けて突出させる。これにより、エミッタ210(230)に常に作用する重力による電子放出部211(231)のクリープ変形を、突出部212(232)によって打ち消すことができる。
また、第2実施形態では、上記のように、第1部分21と第2部分22との接続部分P1の近傍が突出するように第1部分21を傾斜させることにより、突出部212(232)を形成する。これにより、最も平坦度が変化し易い接続部分P1の近傍における電子放出部211(231)の沈み込み(サグ現象)を、確実かつより一層効果的に打ち消すことができる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の変形例)
上記第2実施形態では、突出部212(232)を、使用時における重力方向G2とは逆方向に向けて突出させた例を示したが、この第2実施形態の変形例では、突出部を、重力方向G2とは異なる方向に突出させている。
上記第2実施形態では、突出部212(232)を、使用時における重力方向G2とは逆方向に向けて突出させた例を示したが、この第2実施形態の変形例では、突出部を、重力方向G2とは異なる方向に突出させている。
使用に伴うクリープ変形による電子放出部の沈み込み(サグ現象)は、上記の通り、エミッタの通電加熱時の高温と、電子放出部に作用する外力(重力や、遠心力などに起因する慣性力など)とによって発生する。このため、たとえばエミッタが重力方向と直交する横方向に向けて配置される場合でも、外囲器3の回転に伴ってエミッタに作用する遠心力により電子放出部の平坦度が変化する場合や、X線管装置全体が移動機構によって移動される場合の慣性力により電子放出部の平坦度が変化する場合があり得る。
このため、第2実施形態の変形例では、図11(a)に示すエミッタ210aおよび図11(b)に示すエミッタ230aのように、重力方向G2とサグ現象による変形方向とが異なる場合にも、変形方向とは逆方向に向けて突出するように突出部212a(232a)を電子放出部211a(231a)に設ける。
図10(a)に示すエミッタ210aでは、変形部Dfの変形方向が上面11aから下面11bに向かうZ1方向(平坦度マイナス方向)である場合に、突出部212aが変形方向とは逆方向のZ2方向(平坦度プラス方向)に突出するように形成されている。
また、図10(b)に示すエミッタ230aでは、変形部Dfの変形方向が下面11bから上面11aに向かうZ2方向(平坦度プラス方向)である場合に、突出部232aが変形方向とは逆方向のZ1方向(平坦度マイナス方向)に突出するように形成されている。
この第2実施形態の変形例のように、エミッタ210a(230a)の向き(上下方向)が重力方向G2とは異なる場合にも、クリープ変形方向とは逆方向に突出する突出部212a(232a)を電子放出部211a(231a)に設けることにより、電子放出部211a(231a)の沈み込み(サグ現象)を打ち消すことができる。
(第3実施形態)
次に、図1、図12および図13を参照して、本発明の第3実施形態によるX線管装置300のエミッタ310について説明する。第3実施形態では、電子放出部11に支持部13を設けた上記第1実施形態の構成に加えて、電子放出部の変形部を含む電流通路の通路幅を大きくした例について説明する。なお、第3実施形態では、エミッタ以外の構成は上記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
次に、図1、図12および図13を参照して、本発明の第3実施形態によるX線管装置300のエミッタ310について説明する。第3実施形態では、電子放出部11に支持部13を設けた上記第1実施形態の構成に加えて、電子放出部の変形部を含む電流通路の通路幅を大きくした例について説明する。なお、第3実施形態では、エミッタ以外の構成は上記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
図12および図13に示すように、第3実施形態によるX線管装置300(図1参照)のエミッタ310の電子放出部311は、電流通路320のうち、他の部分より通路幅の大きい幅広部312を有している。具体的には、電流通路320は、幅広部312以外の部分における通路幅がW3となるように形成され、幅広部312における通路幅が、W3よりも大きいW4となるように形成されている。
幅広部312は、変形部Dfを含む領域であって、電子放出部311の外周側の電流通路320に配置されている。より具体的には、幅広部312は、電流通路320の第1部分21と第2部分22との接続部分P1の近傍(変形部Df)を含む第1部分21の全体にわたって形成されている。すなわち、第3実施形態では、電流通路320のうち、第1部分21全体が通路幅W4を有する幅広部312となっており、第2部分22および第3部分23が、通路幅W3を有している。この結果、電子放出部311は、通路幅が相対的に大きくなる外周側の第1部分21(幅広部312)における機械的強度が、内周側の第2部分22および第3部分23よりも大きくなる。
なお、図12および図13では、上記第1実施形態によるエミッタ10の通路幅W1(図3参照)に対して、第1部分21(幅広部312)の通路幅W4を大きくし、幅広部312以外の第2部分22および第3部分23の通路幅W3が通路幅W1と等しい例について示している。ここで、第3実施形態では、幅広部312の通路幅が他の部位の通路幅よりも相対的に大きければよい。したがって、幅広部312以外の部位(第2部分22および第3部分23)の通路幅をW1よりも小さくすることにより、幅広部312の通路幅が相対的に大きくなるように構成してもよい。
第3実施形態では、上記のように、電子放出部311に、電流通路320の他の部分より経路幅の大きい幅広部312を設ける。そして、幅広部312を、エミッタ310の使用に伴うクリープ変形により電子放出部311の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部Dfを含む領域に配置する。これにより、変形部Dfを含む領域における電流通路320(幅広部312)の機械的強度を他の部分よりも相対的に向上させることができる。これにより、支持部13による変形の抑制に加えて、幅広部312によってさらに変形を抑制することができるので、電子放出部311の沈み込みをさらに十分に抑制することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、幅広部312を、電子放出部311の外周側であって、第1部分21と第2部分22との接続部分P1(変形部Df)の近傍を含む第1部分21に形成する。これにより、最も平坦度が変化し易い接続部分P1(変形部Df)の近傍における電子放出部311の沈み込み(サグ現象)を、確実かつより一層効果的に抑制することができる。
(第4実施形態)
次に、図1、図14および図15を参照して、本発明の第4実施形態によるX線管装置400のエミッタ410(430)について説明する。上記第2実施形態では、電子放出部11に支持部13と突出部212(232)との両方を設けた例を示したが、この第4実施形態では、電子放出部に突出部のみを設けた例について説明する。なお、第4実施形態では、エミッタ以外の構成は上記第2実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
次に、図1、図14および図15を参照して、本発明の第4実施形態によるX線管装置400のエミッタ410(430)について説明する。上記第2実施形態では、電子放出部11に支持部13と突出部212(232)との両方を設けた例を示したが、この第4実施形態では、電子放出部に突出部のみを設けた例について説明する。なお、第4実施形態では、エミッタ以外の構成は上記第2実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
図14および図15に示すように、第4実施形態によるX線管装置400(図1参照)のエミッタ410(430)には、上記第2実施形態によるエミッタ210(230)(図9および図10参照)とは異なり、支持部13が設けられておらず、突出部212(232)のみが形成されている。突出部212(232)の構成は、上記第2実施形態と同様である。
図14に示すエミッタ410は、電子放出部411における変形部Dfの変形方向がZ1方向(平坦度マイナス方向)の例であり、かつ、変形部Dfの変形方向が使用時における重力方向G2と一致する場合の例を示している。
図15に示すエミッタ430は、電子放出部431における変形部Dfの変形方向がZ2方向(平坦度プラス方向)の例であり、かつ、変形部Dfの変形方向が使用時における重力方向G2と一致する場合の例を示している。
上記第2実施形態と同様、第4実施形態でも、X線管装置400の使用状態において、Z1方向(平坦度マイナス方向)が変形方向(重力方向)に一致する場合には、図14に示すエミッタ410を備えたX線管装置400を用い、Z2方向(平坦度プラス方向)が変形方向(重力方向)に一致する場合には、図15に示すエミッタ430を備えたX線管装置400を用いればよい。
第4実施形態では、上記のように、変形部Dfを含む領域において、変形部Dfの変形方向とは逆方向に向けて突出した突出部212(232)を電子放出部411(431)に予め設けることによって、電子放出部411(431)にクリープ変形が発生した場合にも、変形方向とは逆方向に突出する突出部212(232)によって平坦度の変化を打ち消すことができる。これにより、変形部Dfを含む領域における平坦度の変化を打ち消すことができるので、使用に伴うクリープ変形による電子放出部411(431)の沈み込みを十分に抑制することができる。
このように、第4実施形態では、支持部13を設けることなく、突出部212(232)のみを設けることによっても、電子放出部411(431)の沈み込みを抑制することができる。
また、図11に示した第2実施形態の変形例のように、重力方向G2と変形部Dfの変形方向とが一致しない場合にも、変形部Dfの変形方向に対して逆方向に突出する突出部212a(232a)を形成すれば、電子放出部411(431)の沈み込みを抑制することができる。
(第5実施形態)
次に、図1、図16および図17を参照して、本発明の第5実施形態によるX線管装置500のエミッタ510について説明する。上記第3実施形態では、電子放出部11に支持部13と幅広部312との両方を設けた例を示したが、第5実施形態では、電子放出部に幅広部のみを設けた例について説明する。なお、第5実施形態では、エミッタ以外の構成は上記第3実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
次に、図1、図16および図17を参照して、本発明の第5実施形態によるX線管装置500のエミッタ510について説明する。上記第3実施形態では、電子放出部11に支持部13と幅広部312との両方を設けた例を示したが、第5実施形態では、電子放出部に幅広部のみを設けた例について説明する。なお、第5実施形態では、エミッタ以外の構成は上記第3実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、上記第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
図16および図17に示すように、第5実施形態によるX線管装置500(図1参照)におけるエミッタ510の電子放出部511には、上記第3実施形態によるエミッタ310とは異なり、支持部13が設けられておらず、幅広部312のみが電流通路520に形成されている。幅広部312の構成は、上記第3実施形態と同様である。
なお、この第5実施形態においても、幅広部312以外の部位(第2部分22および第3部分23)の通路幅を小さくすることにより、幅広部312の通路幅が相対的に大きくなるように構成してもよい。
第5実施形態では、上記のように、電子放出部511に、電流通路520の他の部分より経路幅の大きい幅広部312を設ける。そして、幅広部312を、変形部Dfを含む領域に配置する。これにより、変形部Dfを含む領域における電流通路520(幅広部312)の機械的強度を相対的に向上させることができる。その結果、変形部Dfを含む領域(幅広部312)のけるクリープ変形の発生を抑制することができるので、エミッタ510の使用に伴うクリープ変形による電子放出部511の沈み込みを抑制することができる。
このように、第5実施形態では、支持部13を設けることなく、幅広部312のみを設けることによっても、電子放出部511の沈み込みを十分に抑制することができる。
(第6実施形態)
次に、図1、図2、図18および図19を参照して、本発明の第6実施形態によるX線管装置の使用方法について説明する。この第6実施形態では、上記した第1〜第5実施形態(または第1および第2変形例)によるX線管装置のいずれかを用いて、X線管装置の使用時(曝射時)とは逆方向にエミッタを配置して通電加熱する例について説明する。なお、第6実施形態では、上記第1〜第5実施形態(または第1および第2変形例)に示した構成の一例として、上記第1実施形態によるX線管装置100(図1参照)を用いる例を示す。
次に、図1、図2、図18および図19を参照して、本発明の第6実施形態によるX線管装置の使用方法について説明する。この第6実施形態では、上記した第1〜第5実施形態(または第1および第2変形例)によるX線管装置のいずれかを用いて、X線管装置の使用時(曝射時)とは逆方向にエミッタを配置して通電加熱する例について説明する。なお、第6実施形態では、上記第1〜第5実施形態(または第1および第2変形例)に示した構成の一例として、上記第1実施形態によるX線管装置100(図1参照)を用いる例を示す。
まず、X線管装置100を使用するための装置構成の例について説明する。X線管装置100は、たとえば医用X線管であり、レントゲン装置やX線断層撮影装置などのX線撮像装置に搭載される。
図18に示すように、X線撮像装置601は、X線管装置100を組み込んだ照射部602と、照射部602を移動可能に支持する支持機構603とを備えている。照射部602は、支持機構603の回動軸603aによって軸回りに回動可能に支持されるとともに、回動軸603aごと上下左右に移動可能に構成されている。照射部602(X線管装置100)によるX線照射方向には、X線検出器からなる撮像部604が照射部602と対向するように配置されている。この撮像部604も、支持機構605によって昇降可能に支持されている。
X線撮像装置601の使用時には、照射部602と撮像部604との間の所定の撮像位置606に被写体(患者)を配置した状態で、X線管装置100からX線を照射する。そして、撮像部604が照射部602(X線管装置100)から照射されたX線を検出することにより、X線撮像を行う。
使用時(曝射時)には、エミッタ10が重力方向(鉛直下方)G2に沿うG1方向(鉛直上方)を向いてターゲット2と対向する状態で電子を放出してX線を発生させる。すなわち、図19(a)に示すように、電子放出部11の上面11aが電子放出面であるので、下面11bから上面11aに向かうエミッタ10のZ2方向が、G1方向を向いた状態でエミッタ10に通電加熱を行うことにより、X線を発生させる。
この結果、使用(曝射)に伴ってクリープ変形(サグ現象)が発生すると、電子放出部11は重力方向G2に一致するZ1方向に変形し、平坦度がマイナス方向に変化する。
そこで、第6実施形態では、X線管装置100の非使用時(曝射を行わないとき)に、回動軸603a回りに照射部602(X線管装置100)を回動させ、上下を反転させた状態でエミッタ10に通電加熱を行う。
具体的には、図19(b)に示すように、照射部602(X線管装置100)を回動させて、エミッタ10のZ2方向が使用時とは逆のG2方向を向いた状態に反転させる。そして、エミッタ10(電子放出部11)のZ2方向がG1方向とは反対のG2方向を向いてターゲット2と対向する状態で、エミッタ10に通電加熱を行う。
この結果、通電加熱に伴ってクリープ変形(サグ現象)が発生すると、電子放出部11は重力方向G2に一致するZ2方向に変形し、平坦度がプラス方向に変化する。このため、図19(b)に示す非使用時の反転加熱によって、図19(a)に示した使用時のマイナス方向の平坦度変化が、プラス方向の平坦度変化により打ち消される。
その後、次の使用時(曝射時)には、図19(c)に示すように、再びエミッタ10がG1方向を向いてターゲット2と対向する状態に戻して、X線を発生させる。以上を繰り返すことにより、X線管装置100の使用時に発生した電子放出部11の平坦度変化を、非使用時に打ち消すことが可能となる。
また、第6実施形態では、図19(b)に示す非使用時における反転加熱は、使用時におけるエミッタ10の通電加熱条件(加熱温度(電流値))と同一条件で、かつ、使用時におけるエミッタ10の通電加熱時間の通算時間と略等しい時間をかけて、実施する。なお、この非使用時における反転加熱は、エミッタ10に通電加熱を行うだけでよいので、X線を発生させる必要はない。また、非使用時の反転加熱は、たとえばX線撮像装置601が使用されない夜間の時間帯や、X線撮像装置601を使用する施設の休日などに、実施すればよい。
第6実施形態では、上記のように、エミッタ10が重力方向に沿うとともに使用時(曝射時)のG1方向とは反対のG2方向を向いてターゲット2と対向する状態で、エミッタ10に通電加熱する。これにより、通常使用時(曝射時)において発生したクリープ変形による電子放出部11のZ1方向の平坦度変化を、エミッタ10をG2方向に向けた状態での通電加熱により発生した逆方向(Z2方向)の平坦度変化によって打ち消すことができる。これにより、エミッタ10の使用に伴うクリープ変形による電子放出部11の沈み込み(サグ現象)を効果的に抑制することができる。
また、第6実施形態では、上記のように、端子部12とは別個に設けられ、電極1aに対して絶縁されるとともに、電子放出部11を支持する支持部13(図2参照)を含むエミッタ10を備えたX線管装置100を使用することによって、平板状の電子放出部11を支持部13によって支持することができるので、使用に伴うクリープ変形による電子放出部11の沈み込み(サグ現象)を抑制することができる。
なお、この第6実施形態では、上記第1実施形態によるX線管装置100を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。第6実施形態では、第1実施形態以外の上記第2〜第5実施形態(または第1実施形態および第2実施形態の変形例)によるX線管装置のいずれを用いてもよい。これらの場合にも、同様に電子放出部11の沈み込み(サグ現象)を抑制することができる。
(第7実施形態)
次に、図1、図6および図20を参照して、本発明の第7実施形態によるX線管装置の使用方法について説明する。この第7実施形態では、上記した第1〜第5実施形態(または第1実施形態および第2実施形態の変形例)によるX線管装置以外の構成において、X線管装置の使用時(曝射時)とは逆方向にエミッタを配置して通電加熱する例について説明する。
次に、図1、図6および図20を参照して、本発明の第7実施形態によるX線管装置の使用方法について説明する。この第7実施形態では、上記した第1〜第5実施形態(または第1実施形態および第2実施形態の変形例)によるX線管装置以外の構成において、X線管装置の使用時(曝射時)とは逆方向にエミッタを配置して通電加熱する例について説明する。
第7実施形態おいて用いるX線管装置700(図1参照)のエミッタ710には、上記第1実施形態によるエミッタ10とは異なり、支持部13が設けられていない。なお、エミッタ710には、上記第2実施形態に示した突出部212(232)、上記第3実施形態に示した幅広部312のいずれも設けられておらず、図6に示した比較例によるエミッタと同様の構成を有している。なお、エミッタ710のその他の構成は、上記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第7実施形態では、図20の(a)〜(c)に示すように、エミッタ710を有するX線管装置700を用いて、エミッタ710が重力方向に沿うG1方向(鉛直上方)を向いた状態での使用時(曝射時)のX線発生と、使用時とは逆のG2方向(重力作用方向、鉛直下方)を向いた状態での非使用時のエミッタ710の通電加熱(反転加熱)とを行う。X線管装置700を用いるX線撮像装置の構成や、X線管装置700の使用時(曝射時)の具体的な動作、および、非使用時(反転加熱時)の具体的な動作は、上記第6実施形態と同様である。
この結果、(a)に示した使用時における電子放出部711のマイナス方向(Z1方向)の平坦度変化が、図20(b)に示す非使用時の反転加熱における電子放出部711のプラス方向(Z2方向)の平坦度変化によって打ち消される。
第7実施形態では、上記のように、エミッタ710が重力方向に沿うとともに使用時(曝射時)のG1方向とは反対のG2方向を向いてターゲット2と対向する状態で、エミッタ710に通電加熱する。これにより、通常使用時(X線曝射時)において発生したクリープ変形による電子放出部711のZ1方向の平坦度変化を、エミッタ710をG2方向に向けた状態での通電加熱により発生した逆方向(Z1方向)の平坦度変化によって打ち消すことができる。これにより、エミッタ710の使用に伴うクリープ変形による電子放出部711の沈み込み(サグ現象)を十分に抑制することができる。
このように、第7実施形態では、支持部13を設けることなく、反転加熱のみを行うことによっても、電子放出部711の沈み込みを十分に抑制することができる。
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第7実施形態では、外囲器回転型のX線管装置に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、外囲器のみを固定した陽極回転型のX線管装置や、陽極固定型のX線管装置などの外囲器回転型以外のX線管装置に本発明を適用してもよい。
また、上記第1〜第7実施形態では、平面的に見て円形の電子放出部を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、電子放出部は平板状であればよく、電子放出部の平面視形状は、矩形状や、多角形状の平板形状であってもよい。ただし、エミッタ(電子放出部)が回転する外囲器回転型のX線管装置に用いる場合には、回転時の安定性を考慮して、電子放出部の平面視形状は円形状か、円形状に近い多角形状の方が好ましい。
また、上記第1〜第7実施形態では、第1部分〜第3部分および中心部を有する電流通路により平板状の電子放出部を形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上記各実施形態において示した形状とは異なる形状の電流通路により、平板状の電子放出部を形成してもよい。この場合、電子放出部を構成する電流通路の形状に応じて、平坦度の変化が大きい変形部の位置も異なるので、支持部の配置は、電子放出部(電流通路)の形状に応じて決定すればよい。
また、上記第1〜第3実施形態および第6実施形態では、支持部をエミッタの端子部と同じ側に延びるように形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、支持部が端子部とは異なる側に延びるように形成してもよく、たとえば、支持部をエミッタの側方(平板状の電子放出部と平行な方向)へ延びるように設けてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態および第6実施形態では、エミッタに一対(2本)の支持部を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。支持部は、1本または3本以上設けてもよい。ただし、支持部の数が多いと、通電加熱時に電子放出部の熱が支持部に逃げ、電子放出部の温度分布がばらつく可能性があるので、支持部は、電子放出部を支持するのに十分な数であって、なるべく少ない数だけ設けるのが好ましい。
また、上記第6実施形態および第7実施形態では、X線管装置を使用例として、レントゲン装置などのX線撮像装置601に搭載する例を示したが、本発明はこれに限られない。医用のX線撮像装置以外にも、たとえばX線検査装置(非破壊検査装置)などの産業用装置に使用されるX線管装置に本発明を適用してもよい。
1 電子源(陰極)
1a 電極
2 ターゲット(陽極)
3 外囲器
10、110、210、210a、230、230a、310、410、430、510、710 エミッタ
11、211、211a、231、231a、311、411、431、511、711 電子放出部
12(12a、12b) 端子部
13 113 支持部
20、320、520 電流通路
21 第1部分
22 第2部分
212、212a、232、232a 突出部
312 幅広部
Df 変形部
P1 接続部分
100、200、300、400、500、700 X線管装置
1a 電極
2 ターゲット(陽極)
3 外囲器
10、110、210、210a、230、230a、310、410、430、510、710 エミッタ
11、211、211a、231、231a、311、411、431、511、711 電子放出部
12(12a、12b) 端子部
13 113 支持部
20、320、520 電流通路
21 第1部分
22 第2部分
212、212a、232、232a 突出部
312 幅広部
Df 変形部
P1 接続部分
100、200、300、400、500、700 X線管装置
Claims (13)
- 陽極と、
前記陽極に対して電子を放出するエミッタを含む陰極とを備え、
前記エミッタは、
電流通路により平板状に形成された電子放出部と、
前記電子放出部からそれぞれ延びるとともに、電極に接続される一対の端子部と、
前記端子部とは別個に前記端子部と同じ方向に設けられ、前記電極に対して絶縁されるとともに、前記電子放出部を支持する支持部とを含み、
前記電流通路は、少なくとも、一方の前記端子部から他方の前記端子部側に向けて延びる外周側の第1部分と、前記第1部分から連続して前記第1部分よりも内周側を前記他方の端子部側から前記一方の端子部側に向けて延びる第2部分とを含み、
前記支持部は、前記第1部分と前記第2部分との接続部分を支持するように配置されている、X線管装置。 - 前記支持部は、前記電子放出部のうち、前記エミッタの使用に伴うクリープ変形により前記電子放出部の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部を支持するように配置されている、請求項1に記載のX線管装置。
- 前記支持部は、前記電子放出部と交差する方向で前記端子部と同じ側に延びるように形成されるとともに、一端が固定され、他端が前記電子放出部に連結されるか、または前記電子放出部と接触する位置に配置されている、請求項1に記載のX線管装置。
- 前記エミッタと前記陽極としてのターゲットとを収容するとともに、中心軸回りに回転する筒状の外囲器をさらに備え、前記支持部は、前記中心軸を挟んで対向する位置に一対設けられている、請求項1に記載のX線管装置。
- 前記電子放出部は、前記エミッタの使用に伴うクリープ変形により前記電子放出部の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部を含む領域において、前記変形部の変形方向とは逆方向に向けて突出するように傾斜された突出部を有する、請求項1に記載のX線管装置。
- 前記電子放出部は、曲がりくねった前記電流通路により平板状に形成されているとともに、前記電流通路の他の部分より経路幅の大きい幅広部を有し、前記幅広部は、前記エミッタの使用に伴うクリープ変形により前記電子放出部の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部を含む領域に配置されている、請求項1に記載のX線管装置。
- 陽極と、
前記陽極に対して電子を放出するエミッタを含む陰極とを備え、
前記エミッタは、
電流通路により平板状に形成された電子放出部と、
前記電子放出部の両端からそれぞれ延びるとともに、電極に接続される一対の端子部と、を含み、
前記電子放出部は、前記エミッタの使用に伴うクリープ変形により前記電子放出部の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部を含む領域において、前記変形部の変形方向とは逆方向に向けて突出するように傾斜させた突出部を有する、X線管装置。 - 前記突出部は、使用時における重力作用方向とは逆方向に向けて突出するように傾斜している、請求項7に記載のX線管装置。
- 前記電子放出部は、曲がりくねった前記電流通路により平板状に形成され、前記突出部は、前記電子放出部のうち、前記変形部を含む前記電子放出部の外周側の前記電流通路に配置されている、請求項7に記載のX線管装置。
- 前記電流通路は、少なくとも、一方の前記端子部から他方の前記端子部側に向けて延びる外周側の第1部分と、前記第1部分から連続して前記第1部分よりも内周側を前記他方の端子部側から前記一方の端子部側に向けて延びる第2部分とを含み、前記突出部は、前記第1部分と前記第2部分との接続部分が突出するように前記第1部分を傾斜させることにより、形成されている、請求項7に記載のX線管装置。
- 陽極と、
前記陽極に対して電子を放出するエミッタを含む陰極とを備え、
前記エミッタは、
曲がりくねった電流通路により平板状に形成されているとともに、前記電流通路の他の部分よりも経路幅の大きい幅広部を有する電子放出部と、
前記電子放出部の両端からそれぞれ延びるとともに、電極に接続される一対の端子部と、を含み、
前記幅広部は、前記エミッタの使用に伴うクリープ変形により前記電子放出部の平坦度が変化する度合いが相対的に大きい変形部を含む領域に配置されている、X線管装置。 - 前記幅広部は、前記電子放出部のうち、前記変形部を含む前記電子放出部の外周側の前記電流通路に配置されている、請求項11に記載のX線管装置。
- 前記電子放出部は、少なくとも、一方の前記端子部から他方の前記端子部側に向けて延びる外周側の第1部分と、前記第1部分から連続して前記第1部分よりも内周側を前記他方の端子部側から前記一方の端子部側に向けて延びる第2部分とを含み、前記幅広部は、前記第1部分と前記第2部分との接続部分を含む前記第1部分に形成されている、請求項11に記載のX線管装置。
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