JP6477336B2 - 陰極の製造方法、陰極およびx線管装置 - Google Patents

陰極の製造方法、陰極およびx線管装置 Download PDF

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Description

本発明は、陰極の製造方法、陰極およびX線管装置に関する。
従来、通電加熱により電子を放出する電子放出部を備える陰極が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
従来、通電加熱により電子を放出する金属製のエミッタ(電子放出部)と、エミッタに通電するための端子とを備える陰極が知られている。ここで、金属の蒸発量は、温度に対して指数関数的に増大することが知られている。そして、従来の通電加熱により電子を放出するエミッタでは、エミッタに通電した際(初期段階)において、エミッタの電子を放出する面(以下、電子放出面という)の温度分布に偏りがある場合、電子放出面のうちの比較的温度の高い領域では、温度の低い領域に比べてエミッタを構成する金属の蒸発量が大きくなる。その結果、電子放出面のうちの比較的温度の高い領域のエミッタの板厚が小さくなることにより電流密度が増大し、さらに、蒸発量が大きくなる。すなわち、初期段階において、エミッタの電子放出面の温度分布に偏りがある場合、電子放出面のうちの比較的温度の高い領域では、低い領域に比べて、加速度的に温度が上昇する。その結果、電子放出面のうちの比較的温度の高い領域が断線し、エミッタが使用できなくなる(寿命を迎える)。言い換えれば、初期段階において、エミッタの電子放出面の温度分布の偏りを小さくすることにより、エミッタの寿命を長くすることが可能になる。
そこで、上記特許文献1に記載の陰極では、エミッタにスリットを設けることにより、エミッタに曲がりくねった形状(ミアンダ形状)の電流通路が形成されている。これにより、電流が流れる流路の断面積が比較的小さくなる。ここで、電流が流れる流路の断面積が比較的大きい場合、流れる電流量が多い流路の中心部近傍と、流れる電流量が小さい外縁部近傍とでは、発熱量に差(温度差)が生じる。この点を考慮して、エミッタに曲がりくねった形状(ミアンダ形状)の電流通路を形成して、電流の流れる流路の断面積を比較的小さくすることにより、エミッタの電子放出面の温度分布の偏りを小さくすることが可能になる。
また、上記特許文献1に記載の陰極では、エミッタに通電するための一対の板形状の端子が設けられている。そして、板形状の端子の幅(断面積)を比較的小さくすることによって、エミッタに通電した際(初期段階)のエミッタの電子放出面の温度分布の偏りをより小さくするように構成されている。
また、上記特許文献1に記載の陰極では、一対の板形状の端子は、電流を供給するための電極に溶接されている。ここで、一対の板形状の端子を電極に溶接する場合では、端子の材質および電極の材質に制限がある。すなわち、端子の材質、電極の材質によっては、溶接できない場合がある。
そこで、従来では、一対の板形状の端子を電極に挿入した状態で、外部から電極に圧力を加えることにより電極を変形させて、一対の板形状の端子を電極に固定する方法が提案されている。この従来の提案された固定方法では、端子の材質および電極の材質にかかわらず、一対の板形状の端子を電極に固定することが可能になる。すなわち、使用可能な電極の材質の種類を多様化することが可能になる。
米国特許第6115453号
上記特許文献1の陰極に、従来の提案された電極に圧力を加えることにより、断面積の小さい一対の板形状の端子を電極に固定する方法を適用すれば、使用可能な電極(固定部)の材質の種類を多様化しながら、エミッタの電子放出面の温度分布の偏りを小さくすることが可能である一方、ミアンダ形状の電流通路を形成するなどのエミッタ(電子放出部)の形状の工夫、および、板形状の端子(脚部)の断面積を小さくすることには限界があるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、電子放出部の温度分布を調整することが可能な陰極の製造方法、陰極およびX線管装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における陰極の製造方法は、通電加熱により電子を放出する電子放出部からそれぞれ延びる複数の脚部が、金属製の複数の固定部に固定された陰極の製造方法は、固定部の凹部に、脚部を挿入する工程と、少なくとも1つの脚部に対する圧力を、他の脚部に対する圧力とは異なるように、複数の固定部のそれぞれの外部から圧力を加えることにより複数の固定部を変形させて、脚部を固定部に固定することによって、脚部と固定部との間の熱伝達率を少なくとも1つの脚部と他の脚部とで異なるように調整する工程とを備える。これにより、電子放出部の温度分布を調整することができる。例えば温度分布の偏りを小さくすることができる。
上記第1の局面による陰極の製造方法において、好ましくは、脚部と固定部との間の熱伝達率を調整する工程は、固定部の凹部に脚部を挿入する前の電子放出部の温度分布において、相対的に温度の高い電子放出部の部分の近傍から延びる脚部に対する圧力を、相対的に温度の低い電子放出部の部分の近傍から延びる脚部に対する圧力よりも大きくすることにより、脚部と固定部との間の熱伝達率を調整する工程を含む。これにより、相対的に温度の高い電子放出部の部分の温度を低下させることができ、電子放出部の温度分布の偏りを小さくできる。
上記第1の局面による陰極の製造方法において、好ましくは、脚部と固定部との間の熱伝達率を調整する工程は、少なくとも1つの脚部に対する圧力を、他の脚部に対する圧力とは異ならせることに加えて、少なくとも1つの固定部の材質が他の固定部の材質とは異なる複数の固定部に、脚部を固定することによって、脚部と固定部との間の熱伝達率を調整する工程を含む。
上記第1の局面による陰極の製造方法において、好ましくは、少なくとも1つの固定部の形状が他の固定部の形状とは異なっている。
この発明の第2の局面における陰極の製造方法は、通電加熱により電子を放出する電子放出部からそれぞれ延びる複数の脚部が、金属製の複数の固定部に固定された陰極の製造方法は、固定部の凹部に、脚部を挿入する工程と、少なくとも1つの固定部の材質が他の固定部の材質とは異なる複数の固定部に、脚部を固定することによって、脚部と固定部との間の熱伝達率を、少なくとも1つの固定部と他の固定部とで異なるように調整する工程とを備え、複数の固定部は、それぞれ長手方向を有し、複数の脚部の各々の、長手方向に垂直な方向に切った断面の断面積は、複数の固定部の各々の、長手方向に垂直な方向に切った断面の断面積よりも小さい。これにより、電子放出部の温度分布を調整することができる。例えば温度分布の偏りを小さくすることができる。
上記第2の局面による陰極の製造方法において、好ましくは、脚部と固定部との間の熱伝達率を調整する工程は、固定部の凹部に脚部を挿入する前の電子放出部の温度分布において、相対的に温度の高い電子放出部の部分の近傍から延びる脚部に対する固定部の熱伝導率が、相対的に温度の低い電子放出部の部分の近傍から延びる脚部に対する固定部の熱伝導率よりも大きくなるように固定部の材質を選択することにより、脚部と固定部との間の熱伝達率を調整する工程を含む。これにより、相対的に温度の高い電子放出部の部分の温度を低下させることができ、電子放出部の温度分布の偏りを小さくできる。
この発明の第3の局面における陰極は、通電加熱により電子を放出する電子放出部と、電子放出部からそれぞれ延びる複数の脚部と、脚部が挿入されるとともに接合される凹部を有する金属製の複数の固定部とを備え、少なくとも1つの脚部の固定部に対する接合強度が、他の脚部の固定部に対する接合強度と異なり、脚部と固定部との間の熱伝達率が、少なくとも1つの脚部と他の脚部とで異なっている。
この発明の第4の局面における陰極は、通電加熱により電子を放出する電子放出部と、電子放出部からそれぞれ延びる複数の脚部と、脚部が挿入されるとともに接合される凹部を有する金属製の複数の固定部とを備え、少なくとも1つの固定部の材質が他の固定部の材質とは異なり、脚部と固定部との間の熱伝達率が、少なくとも1つの固定部と他の固定部とで異なっており複数の固定部は、それぞれ長手方向を有し、複数の脚部の各々の、長手方向に垂直な方向に切った断面の断面積は、複数の固定部の各々の、長手方向に垂直な方向に切った断面の断面積よりも小さい



この発明の第5の局面におけるX線管装置は、陽極と、いずれかの陰極とを備える。
本発明によれば、上記のように、電子放出部の温度分布を調整することが可能な陰極の製造方法、陰極およびX線管装置を提供することができる。
本発明の第1〜第4実施形態によるX線管装置の概略を示したブロック図である。 本発明の第1および第2実施形態による陰極の斜視図である。 接合強度(圧力)と熱伝達率との関係を確認するための実験に用いられたタングステン板および固定部を示す側面図である。 接合強度(圧力)と熱伝達率との関係を確認するための実験に用いられたタングステン板および固定部を示す上面図である。 図4の拡大上面図である。 接合強度(圧力)と熱伝達率との関係を確認するための実験の結果を示す図である。 本発明の第3実施形態による陰極の斜視図である。 本発明の第4実施形態による陰極の斜視図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(X線管装置の構成)
まず、図1を参照して、第1実施形態によるX線管装置100の構成について説明する。
図1に示すように、X線管装置100は、X線を発生させるように構成されている。また、X線管装置100は、電子ビームを発生させる陰極1と、陽極2と、陰極1および陽極2を内部に収容する容器3と、電源回路4および5とを備えている。
陰極1は、陽極2に対して電子を放出するように構成されている。陰極1は、陽極2に対向するように配置されている。また、陰極1と陽極2との間には、電源回路4により所定の電圧が印加されるように構成されている。具体的には、陰極1および陽極2は、電源回路4に配線4aを介して接続されており、陽極2は陰極1に対し、相対的に正の電圧が印加されるように構成されている。また、陰極1は、電源回路5に配線5aおよび5bを介して接続されている。そして、陰極1は、電源回路5により通電されることによって、加熱されるように構成されている。これにより、陰極1から陽極2に向かう電子ビーム(熱電子)が発生される。
陽極2は、金属により形成されている。たとえば、陽極2は、銅、モリブデン、コバルト、クロム、鉄、銀などの金属材料により形成されている。陽極2は、陰極1から放出される電子ビーム(熱電子)が衝突すると、X線を発生させる。
容器3の内部には、陰極1および陽極2が配置されている。容器3の内部は、真空排気されている。容器3は、たとえば、ステンレス(SUS)などの非磁性の金属材料により形成されている。また、容器3には、X線を外部に放出させる窓部が設けられている。
(陰極の構成)
次に、陰極1の構成について詳細に説明する。図2に示すように、陰極1は、純タングステンまたはタングステン合金からなり、平板状の電子放出部11と、一対の端子用脚部12aおよび端子用脚部12bと、一対の支持用脚部13aおよび支持用脚部13bとを一体的に有している。つまり、電子放出部11、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bは、同一の部材により一体的に形成されている。なお、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bは、特許請求の範囲の「脚部」の一例である。
陰極1は、いわゆる熱電子放出型のエミッタであり、一対の端子用脚部12a、12bを介して通電されて、加熱されるように構成されている。これにより、平板状の電子放出部11が所定電流で所定温度(約2400K〜約2700K)に通電加熱されることにより、電子放出部11から電子が放出される。陰極1は、金属製のカバー(図示せず)に覆われている。また、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bは、それぞれ、固定部14a〜14dに固定されている。端子用脚部12a、12bが固定されている固定部14aおよび14bには、それぞれ、配線5aおよび5b(図1参照)が接続されている。なお、支持用脚部13a、13bが固定されている固定部14cおよび14dには、それぞれ、配線が接続されておらず、電気的に浮いた状態(フローティング状態)になっている。
図2に示すように、電子放出部11は、曲がりくねった形状(ミアンダ形状)の電流通路11aによって平板状に形成されている。電子放出部11は、平面的に見て(Z方向から見て)、略円形状に形成されている。
図2に示すように、電流通路11aは、略一定の通路幅Wで形成されている。電流通路11aは、略一定の厚みtを有する平板形状に形成されている。電流通路11aの両端は、それぞれ、端子用脚部12a、12bと接続されている。電流通路11aは、平面的に見て、略点対称に形成されている。
また、一対の端子用脚部12a、12bは、電子放出部11から延びるとともにZ2方向に曲げられることにより形成されている。端子用脚部12a、12bの一方端は、それぞれ、電流通路11a(電子放出部11)の端部に接続されている。また、一対の端子用脚部12a、12bの他方端は、それぞれ、固定部14aおよび14bに接続されている。また、端子用脚部12a、12bは、互いに略等しい形状を有している。具体的には、略直線状の板形状を有している。
また、支持用脚部13a、13bは、電子放出部11から延びるとともにZ2方向に曲げられることにより形成されている。支持用脚部13a、13bは、端子用脚部12a、12bとは別個に設けられ、電子放出部11を支持するように形成されている。支持用脚部13a、13bの一方端は、電子放出部11(電流通路11aの端部間の部分)に接続されている。支持用脚部13a、13bの他方端は、電気的に浮いた状態の固定部14cおよび14dに接続されている。また、支持用脚部13a、13bは、互いに略等しい形状を有している。具体的には、支持用脚部13a、13bは、屈曲した板形状を有している。
固定部14a〜14dは、互いに同一の形状を有する。具体的には、固定部14a〜14dは、直径R1および長さLが互いに略等しい、Z方向に延びる円柱形状(棒形状)を有する。また、固定部14a〜14dは、たとえば、タングステン、レニウム、タンタル、オスミウム、モリブデン、ニオブ、イリジウム、ホウ素、ルテニウム、ハフニウムなどの金属、これらの金属を使用した合金、ステンレスなどからなる。なお、第1実施形態では、固定部14a〜14dは、互いに同一の材質(たとえば、モリブデン)からなる。
また、固定部14a〜14dには、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bがそれぞれ挿入されるとともに接合される凹部15a〜15dが設けられている。具体的には、第1実施形態では、凹部15a〜15dは、それぞれ、固定部14a〜14dが挿入される方向(Z2方向)と直交する方向に貫通するスリット状に形成されている。
ここで、第1実施形態では、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bのうちの少なくとも1つの固定部(対応する固定部14a〜14d)に対する接合強度を、他の固定部に対する接合強度と異ならせることによって、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部14a〜14dとの間の熱伝達率が調整されている。具体的には、固定部14a〜14dの凹部15a〜15dのそれぞれに、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bを挿入する前の電子放出部11の温度分布において、相対的に温度の高い電子放出部11の部分の近傍から延びる脚部(端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13b)に対する接合強度を、相対的に温度の低い電子放出部11の部分の近傍から延びる脚部に対する接合強度よりも大きくすることにより、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部14a〜14dとの間の熱伝達率が調整されている。たとえば、固定部14a〜14dに挿入(接合)される前の、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bが接続されている電子放出部11の部分近傍が、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bの順に温度が高い場合には、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bの順に接合強度が大きくなるように構成されている。
(第1実施形態の構造の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bがそれぞれ挿入されるとともに接合される凹部15a〜15dを有する金属製の固定部14a〜14dを設けて、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bのうちの少なくとも1つの脚部の固定部に対する接合強度を、他の脚部の固定部に対する接合強度と異ならせることによって、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部14a〜14dとの間の熱伝達率を調整する。これにより、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bに対する接合強度(圧力)を異ならせることによって、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部14a〜14dとの間の密着性(端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13b、および、固定部14a〜14dの接合強度)を異ならせることができる。すなわち、微視的に見た場合に、接合強度を異ならせることによって、接触界面における微細な凹凸の平坦化度合いが変化されるので、接合面積も変化し、その結果、密着性(接合強度)が変化すると考えられる。これにより、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部14a〜14dとの間の熱伝達率が調整されるので、電子放出部11の温度分布の偏りを小さくすることができる。また、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bの材質、および、固定部14a〜14dの材質にかかわらず、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bを、固定部14a〜14dに固定することができるので、使用可能な固定部14a〜14dの材質の種類を多様化することができる。その結果、使用可能な固定部14a〜14dの材質の種類を多様化しながら、電子放出部11の形状の工夫、および、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bの断面積を小さくすることとは別個に、電子放出部11の温度分布の偏りを小さくすることができる。なお、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bに対する圧力(接触強度)を異ならせることにより、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部14a〜14dとの間の熱伝達率が調整できることは、後述する発明者による実験により確認済みである。
また、第1実施形態では、上記のように、固定部14a〜14dの凹部15a〜15dは、それぞれ、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bが挿入される方向と交差する方向に貫通するスリット状に形成されている。これにより、脚部が挿入される方向と交差する方向に貫通しない凹部と異なり、凹部15a〜15dへの、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bの挿入が容易になるとともに、固定部14a〜14dの変形を容易にすることができる。
(陰極の製造方法)
次に、陰極1の製造方法について説明する。
(脚部の挿入工程)
まず、図2に示すように、複数の固定部14a〜14dのそれぞれの、脚部(端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13b)が挿入される方向(Z方向)と交差する方向に貫通するスリット状の凹部15a〜15dに、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bを挿入する。
(熱伝達率の調整工程)
次に、第1実施形態では、固定部14a〜14dの凹部15a〜15dにそれぞれに挿入された端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bのうちの少なくとも1つに対する圧力を、他に対する圧力とは異なるように、固定部14a〜14dのそれぞれの外部から圧力を加えることにより固定部14a〜14dを変形させて、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bのそれぞれを固定部14a〜14dに固定する(カシメる)。具体的には、空気などの圧力により固定部14a〜14dを押圧する治具(図示せず)によって、固定部14a〜14dのそれぞれの外部から圧力を加えることにより、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bのそれぞれを固定部14a〜14dに固定する。これにより、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部14a〜14dとの間の熱伝達率を調整する。
詳細には、固定部14a〜14dの凹部15a〜15dのそれぞれに、固定部14a〜14dを挿入する前の電子放出部11の温度分布において、相対的に温度の高い電子放出部11の部分の近傍から延びる脚部(端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13b)に対する圧力を、相対的に温度の低い電子放出部11の部分の近傍から延びる脚部に対する圧力よりも大きくすることにより、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部14a〜14dとの間の熱伝達率を調整する。
たとえば、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bが接続されている電子放出部11の部分近傍が、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bの順に温度が高い場合には、固定部14a〜14dのそれぞれの外部から、A[Pa]、B[Pa]C[Pa]、D[Pa](A>B>C>D)の圧力が加えられることにより、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bが、それぞれ、固定部14a〜14dに固定される。
その後、固定部14a〜14dに端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bが固定された陰極1を、X線管装置100の所定の位置に配置することにより、X線管装置100が完成する。
(第1実施形態の製造方法の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、固定部14a〜14dの凹部15a〜15dのそれぞれに挿入された複数の脚部(端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13b)のうちの少なくとも1つの脚部に対する圧力を、他の脚部に対する圧力とは異なるように、固定部14a〜14dのそれぞれの外部から圧力を加えることにより固定部14a〜14dを変形させて、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bのそれぞれを固定部14a〜14dに固定することによって、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部14a〜14dとの間の熱伝達率を調整する工程を備える。これにより、上記第1実施形態の構造の効果と同様に、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bに対する接合強度(圧力)を異ならせることによって、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部14a〜14dとの間の熱伝達率が調整されるので、電子放出部11の温度分布の偏りを小さくすることができる。その結果、使用可能な固定部の材質の種類を多様化しながら、電子放出部11の形状の工夫、および、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bの断面積を小さくすることとは別個に、電子放出部11の温度分布の偏りを小さくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部14a〜14dとの間の熱伝達率を調整する工程は、固定部14a〜14dの凹部15a〜15dのそれぞれに、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bを挿入する前の電子放出部11の温度分布において、相対的に温度の高い電子放出部11の部分の近傍から延びる脚部に対する圧力を、相対的に温度の低い電子放出部11の部分の近傍から延びる脚部に対する圧力よりも大きくすることにより、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部14a〜14dとの間の熱伝達率を調整する工程を含む。これにより、相対的に温度の高い電子放出部11の部分の近傍から延びる脚部と固定部14a〜14dとの間の熱伝達率を、相対的に温度の低い電子放出部11の部分の近傍から延びる脚部と固定部14a〜14dとの間の熱伝達率よりも大きくすることができる。これにより、相対的に温度の高い電子放出部11の部分の温度を低下させることができるので、電子放出部11の温度分布の偏りを効果的に小さくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、固定部14a〜14dの凹部15a〜15dは、それぞれ、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bが挿入される方向と交差する方向に貫通するスリット状に形成されている。そして、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bを挿入する工程は、固定部14a〜14dのスリット状の凹部15a〜15dに、それぞれ、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bを挿入する工程を含む。これにより、脚部が挿入される方向と交差する方向に貫通しない凹部と異なり、凹部15a〜15dへの、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bの挿入が容易になるとともに、固定部14a〜14dの変形を容易にすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、電子放出部11に通電するための端子用脚部12a、12bと、端子用脚部12a、12bとは別個に設けられ、電子放出部11を支持する支持用脚部13a、13bとを設ける。そして、固定部14a〜14dの凹部15a〜15dのそれぞれに挿入された端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bのうちの少なくも1つに対する圧力を、他に対する圧力とは異なるように、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bのそれぞれの外部から圧力を加えることにより固定部14a〜14dを変形させて、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bのそれぞれを固定部14a〜14dに固定することによって、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部14a〜14dとの間の熱伝達率を調整する。これにより、端子用脚部12a、12bに加えて、支持用脚部13a、13bによっても電子放出部11の温度分布の偏りを調整することができるので、電子放出部11の温度分布の偏りをさらに小さくすることができる。
(実験)
次に、図3〜図6を参照して、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bを、それぞれ、固定部14a〜14dに固定するための圧力(接合強度)と、熱伝達率との関係を確認するための実験について説明する。
図3および図4に示すように、モリブデンからなる固定部22のスリット23(図5参照)に、タングステン板21を挿入した状態で、固定部22に圧力を加えることにより、固定部22を変形させて、タングステン板21を固定部22に固定した。この実験では、固定部22に0.4M[Pa]の圧力を加えてタングステン板21を固定部22に固定したサンプルと、0.6M[Pa]の圧力を加えてタングステン板21を固定部22に固定したサンプルとを準備した。そして、図5に示すように、それぞれのサンプルの固定部22に通電して、タングステン板21を加熱し、タングステン板21のスリット23に挿入された部分(A点)の温度と、固定部22のスリット23の近傍の部分(B点)とを測定した。
図6に示すように、通電の結果、0.4M[Pa]の圧力によりタングステン板21を固定したサンプルでは、電流が15[A]、電圧が2.29[V]、A点の温度が1960[K]、B点の温度が1381[K]になることが確認された。すなわち、A点とB点との温度差は、579[K]になることが判明した。また、0.6M[Pa]の圧力によりタングステン板21を固定したサンプルでは、電流が21[A]、電圧が4.22[V]、A点の温度が1932[K]、B点の温度が1682[K]になることが確認された。すなわち、A点とB点との温度差は、250[K]になることが判明した。この結果、タングステン板21と固定部22との熱伝達率が、タングステン板21を固定する圧力に依存することが確認された。具体的には、タングステン板21を固定する圧力(接合強度)を大きくすることにより、熱伝達率が大きくなることが確認された。
[第2実施形態]
次に、図2を参照して、本発明の第2実施形態による陰極31(X線管装置101、図1参照)について説明する。第2実施形態では、固定部14a〜14dが互いに同一の材質により形成されている上記第1実施形態とは異なり、固定部34a〜34dのうちの少なくとも1つの材質が他の材質とは異なっている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
図2に示すように、第2実施形態による陰極31(X線管装置101)では、固定部34a〜34dのうちの少なくとも1つの固定部の材質が他の固定部の材質とは異なる固定部34a〜34dに、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bを固定することによって、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部34a〜34dとの間の熱伝達率が調整されている。具体的には、固定部34a〜34dの材質が互いに異なるように構成されている。たとえば、固定部34a〜34dは、それぞれ、モリブデン、タングステン、レニウム、タンタルからなる。すなわち、固定部34a〜34dの材質を異ならせることにより、材質毎の熱伝導率が異なるので、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部34a〜34dとの間の熱伝達率が調整される。各金属の300Kにおける熱伝導率は、大きい順に、タングステンが173W/(m・K)、モリブデンが138W/(m・K)、タンタルが57.5W/(m・K)、レニウムが48W/(m・K)である。固定部34a〜34dの凹部35a〜35dに脚部を挿入する前の電子放出部11の温度分布において、相対的に温度の高い電子放出部11の部分の近傍から延びる脚部に対する固定部の熱伝導率が、相対的に温度の低い電子放出部11の部分の近傍から延びる脚部に対する固定部の熱伝導率よりも大きくなるように固定部の材質が選択される。一例として、温度の高い電子放出部11の部分の近傍から延びる脚部に対する固定部をタングステンとし、その他の温度が低い電子放出部11の部分の近傍から延びる脚部に対する固定部をタンタルとする。なお、第1実施形態と同様に、固定部34a〜34dの凹部35a〜35dのそれぞれに挿入された端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bのうちの少なくとも1つの脚部に対する圧力を、他の脚部に対する圧力と異ならせても良く、同じにしても良い。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、固定部34a〜34dのうちの少なくとも1つの固定部の材質が他の固定部の材質とは異なる固定部34a〜34dに、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bを固定することによって、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bと、固定部34a〜34dとの間の熱伝達率を、少なくとも1つの固定部と他の固定部との間で異なるように調整する。これにより、固定部34a〜34dの材質によって電子放出部11の温度分布の偏りを調整することができるので、電子放出部11の温度分布の偏りを効果的に小さくすることができる。
[第3実施形態]
次に、図7を参照して、本発明の第3実施形態による陰極41(X線管装置102、図1参照)について説明する。第3実施形態では、固定部14a〜14dが互いに同一の形状を有している上記第1実施形態とは異なり、固定部44a〜44dの形状のうちの少なくとも1つの固定部の形状が他の固定部の形状と異なっている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
図7に示すように、第3実施形態による陰極41(X線管装置102)では、固定部44a〜44dのうちの少なくとも1つの固定部の形状が他の固定部の形状とは異なる固定部44a〜44dに、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bを固定する。固定部44a〜44dのうち少なくとも1つの固定部の形状を他の固定部の形状と異ならせると、少なくとも1つの固定部の熱流束を他の固定部と異ならせることができる。その結果、電子放出部11の温度分布を均一化することが可能となる。具体的には、固定部44cおよび44dは、直径R1の円柱形状を有している。また、固定部44aは、直径R2(R1<R2)の円柱形状を有している。また、固定部44bは、中央部の直径R3が、他の部分の直径R1よりも小さくなる形状を有している。なお、第1実施形態と同様に、固定部44a〜44dの凹部45a〜45dのそれぞれに挿入された端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bのうちの少なくとも1つの脚部に対する圧力を、他の脚部に対する圧力と異ならせてもよく、同じにしてもよい。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、固定部44a〜44dのうちの少なくとも1つの固定部の形状が他の固定部の形状とは異なる固定部44a〜44dに、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bを固定することによって、電子放出部11の温度分布の偏りを調整することができるので、電子放出部11の温度分布の偏りをより効果的に小さくすることができる。
[第4実施形態]
次に、図8を参照して、本発明の第4実施形態による陰極51(X線管装置103、図1参照)について説明する。第4実施形態では、端子用脚部12a、12b、支持用脚部13a、13bが設けられる上記第1実施形態とは異なり、端子用脚部52aおよび52bのみが設けられている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。また、端子用脚部52aおよび52bは、特許請求の範囲の「脚部」の一例である。
陰極51は、純タングステンまたはタングステン合金からなり、平板状の電子放出部51aと、一対の端子用脚部52aおよび52bとを一体的に有している。また、端子用脚部52aおよび52bは、それぞれ、固定部54aおよび54bに固定されている。固定部54aおよび54bは、同一の形状を有するとともに、同一の材質(たとえば、モリブデン)からなる。ここで、第4実施形態では、端子用脚部52aの固定部54aに対する接合強度(圧力)は、端子用脚部52bの固定部54bに対する接合強度(圧力)とは異なるように構成されている。
なお、第4実施形態のその他の構成および効果は、上記第1実施形態と同様である。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、複数の脚部(端子用脚部、支持用脚部)に対する圧力を互いに異ならせる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の脚部のうちの少なくとも1つの脚部に対する圧力を、他の脚部に対する圧力と異ならせればよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、複数の固定部の凹部は、それぞれ、脚部(端子用脚部、支持用脚部)が挿入される方向と交差する方向に貫通するスリット状に形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数の固定部の凹部は、脚部(端子用脚部、支持用脚部)が挿入される方向と交差する方向に貫通しない穴状に形成されていてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、陰極に一対の支持用脚部が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、陰極に1つの支持用脚部、または、3つ以上の支持用脚部が設けられていてもよい。
また、上記第3実施形態では、4つの固定部の形状のうちの2つの固定部の形状が、他の2つの固定部の形状とは異なる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の固定部のうちの少なくとも1つの固定部の形状が他の固定部の形状と異なっていればよい。
また、上記第2実施形態では、複数の固定部の材質が互いに異なるとともに、上記第3実施形態では、複数の固定部の形状が異なる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数の固定部の材質、および、複数の固定部の形状を共に、異ならせてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、端子用脚部および支持用脚部が板形状に形成されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、端子用脚部および支持用脚部を板形状以外の形状にしてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、固定部が円柱形状に形成されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、固定部が円柱形状以外の形状(たとえば、直方体状、折れ曲がった形状など)に形成されていてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、本発明の陰極をX線管装置に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明の陰極をX線管装置以外の装置(ヒータなど)に適用してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、電子放出部の温度分布の偏りが小さくなるように熱伝達率を調整する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、電子放出部の温度分布の偏りを意図的に大きくしたい場合にも、本発明は適用可能である。
1、31、41、51 陰極
2 陽極
11、51a 電子放出部
12a、12b、52a、52b 端子用脚部(脚部)
13a、13b 支持用脚部(脚部)
14a〜14d、44a〜44d、54a、54b 固定部
15a〜15d、35a〜35d、45a〜45d 凹部
100、101、102、103 X線管装置

Claims (9)

  1. 通電加熱により電子を放出する電子放出部からそれぞれ延びる複数の脚部が、金属製の複数の固定部に固定された陰極の製造方法であって、
    前記固定部の凹部に、前記脚部を挿入する工程と、
    少なくとも1つの前記脚部に対する圧力を、他の前記脚部に対する圧力とは異なるように、前記複数の固定部のそれぞれの外部から圧力を加えることにより前記複数の固定部を変形させて、前記脚部を前記固定部に固定することによって、前記脚部と前記固定部との間の熱伝達率を少なくとも1つの前記脚部と他の前記脚部とで異なるように調整する工程とを備える、陰極の製造方法。
  2. 前記脚部と前記固定部との間の熱伝達率を調整する工程は、前記固定部の凹部に前記脚部を挿入する前の前記電子放出部の温度分布において、相対的に温度の高い前記電子放出部の部分の近傍から延びる前記脚部に対する圧力を、相対的に温度の低い前記電子放出部の部分の近傍から延びる前記脚部に対する圧力よりも大きくすることにより、前記脚部と前記固定部との間の熱伝達率を調整する工程を含む、請求項1に記載の陰極の製造方法。
  3. 前記脚部と前記固定部との間の熱伝達率を調整する工程は、少なくとも1つの前記脚部に対する圧力を、他の前記脚部に対する圧力とは異ならせることに加えて、少なくとも1つの前記固定部の材質が他の前記固定部の材質とは異なる前記複数の固定部に、前記脚部を固定することによって、前記脚部と前記固定部との間の熱伝達率を調整する工程を含む、請求項1または2に記載の陰極の製造方法。
  4. 少なくとも1つの前記固定部の形状が他の前記固定部の形状とは異なっている、請求項1または2に記載の陰極の製造方法。
  5. 通電加熱により電子を放出する電子放出部からそれぞれ延びる複数の脚部が、金属製の複数の固定部に固定された陰極の製造方法であって、
    前記固定部の凹部に、前記脚部を挿入する工程と、
    少なくとも1つの前記固定部の材質が他の前記固定部の材質とは異なる前記複数の固定部に、前記脚部を固定することによって、前記脚部と前記固定部との間の熱伝達率を、少なくとも1つの前記固定部と他の前記固定部とで異なるように調整する工程とを備え
    前記複数の固定部は、それぞれ長手方向を有し、
    前記複数の脚部の各々の、前記長手方向に垂直な方向に切った断面の断面積は、前記複数の固定部の各々の、前記長手方向に垂直な方向に切った断面の断面積よりも小さい、陰極の製造方法。
  6. 前記脚部と前記固定部との間の熱伝達率を調整する工程は、前記固定部の凹部に前記脚部を挿入する前の前記電子放出部の温度分布において、相対的に温度の高い前記電子放出部の部分の近傍から延びる前記脚部に対する前記固定部の熱伝導率が、相対的に温度の低い前記電子放出部の部分の近傍から延びる前記脚部に対する前記固定部の熱伝導率よりも大きくなるように前記固定部の材質を選択することにより、前記脚部と前記固定部との間の熱伝達率を調整する工程を含む、請求項5に記載の陰極の製造方法。
  7. 通電加熱により電子を放出する電子放出部と、
    前記電子放出部からそれぞれ延びる複数の脚部と、
    前記脚部が挿入されるとともに接合される凹部を有する金属製の複数の固定部とを備え、
    少なくとも1つの前記脚部の前記固定部に対する接合強度が、他の前記脚部の前記固定部に対する接合強度と異なり、前記脚部と前記固定部との間の熱伝達率が、少なくとも1つの前記脚部と他の前記脚部とで異なっている、陰極。
  8. 通電加熱により電子を放出する電子放出部と、
    前記電子放出部からそれぞれ延びる複数の脚部と、
    前記脚部が挿入されるとともに接合される凹部を有する金属製の複数の固定部とを備え、
    少なくとも1つの前記固定部の材質が他の前記固定部の材質とは異なり、前記脚部と前記固定部との間の熱伝達率が、少なくとも1つの前記固定部と他の前記固定部とで異なっており
    前記複数の固定部は、それぞれ長手方向を有し、
    前記複数の脚部の各々の、前記長手方向に垂直な方向に切った断面の断面積は、前記複数の固定部の各々の、前記長手方向に垂直な方向に切った断面の断面積よりも小さい、陰極。
  9. 陽極と、請求項またはに記載の陰極とを備える、X線管装置。
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