JP6075213B2 - 平板エミッタ - Google Patents

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Description

この発明は、X線管用もしくはそれ以外の用途の電子源に用いられる平板エミッタに係り、特に、4本の通電加熱用の脚部を備えて点灯を制御する技術に関する。
X線管を用いたX線装置においては、細部の透視や撮影を行う場合には電子線の焦点寸法を小さくし、被検体の体厚が厚い透視や撮影を行う場合には陽極への負担を小さくするために焦点寸法を大きくする。これらの電子線の焦点寸法を形成するエミッタ(「フィラメント」とも呼ばれる)を複数用意して、用途に応じて各エミッタを切り替える構造が考えられる。しかし、用途に応じてエミッタを複数用意するのは構造上複雑化してしまい、X線管自体の構造が大きくなってしまう。
そこで、近年では、単一の平板エミッタにて複数のサイズの焦点が形成可能なエミッタが本出願人から提案されている(例えば、特許文献1参照)。以下、この平板エミッタを「平板ダブルエミッタ」と呼ぶ。従来の平板ダブルエミッタも含め従来の平板エミッタの構造について、図7〜図15を参照して説明する。図7は、従来の平板エミッタの概略平面図であり、図8は、従来の平板ダブルエミッタの概略平面図であり、図9は、集束電極およびエミッタの配置関係を模式的に表した図であり、図10は、図7の通電加熱用の脚部を付け根より90°に折り曲げた従来の平板エミッタの概略図であり、図11は、図10の従来の平板エミッタをX線管用のベースに組み込んだ概略図であり、図12は、図8の通電加熱用の脚部を付け根より90°に折り曲げた平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 1)の概略図であり、図13は、図12の平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 1)をX線管用のベースに組み込んだ概略図であり、図14は、全ての通電加熱用の脚部を複数回蛇行させた平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 2)の概略図であり、図15は、図14の平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 2)をX線管用のベースに組み込んだ概略図である。
従来の平板エミッタは、図7に示すように電子線出射面101の付け根に2本の通電加熱用の脚部102,103を有している。図中の右上斜線のハッチングに示すように脚部102,103から通電することで、図中の右上斜線のハッチングに示すように電子線出射面101の全面の領域を加熱し、電子線出射面101の全面の領域から熱電子を放出させる。電子線出射面101から放出した熱電子B(図9を参照)が、陽極からなるターゲットT(図9を参照)に衝突することで、X線R(図9を参照)を発生する。図7の構造では、1種類の焦点しか得られない。
そこで、単一のエミッタにて2種類のサイズの焦点を形成するように、図8に示すような平板ダブルエミッタを構成する。この平板ダブルエミッタは、図8に示すように電子線出射面101の付け根に4本の通電加熱用の脚部102〜105を有している。脚部102〜105のうち、脚部102,103は、電子線出射面101の全面の領域を通電加熱(以下、「全灯」とする)して電子線を出射する大焦点用の全灯に用いられる全灯通電加熱用脚部102,103である。一方、脚部102〜105のうち、脚部104,105は、電子線出射面101の全面よりも狭い領域のみを通電加熱(以下、「半灯」とする)して電子線を出射する小焦点用の半灯に用いられる半灯通電加熱用脚部104,105である。
すなわち、図8(a)に示すように電子線出射面101の全面の領域(図中の右上斜線のハッチングで示された領域を参照)を加熱する場合には、全灯通電加熱用脚部102,103(図中の右上斜線のハッチングを参照)から通電して全面を加熱する。一方、部分的に点灯して電子の放出範囲を制限して、焦点を小さくする場合には、図8(b)に示すように半灯通電加熱用脚部104,105(図中の右上斜線のハッチングを参照)から通電して、図中の右上斜線のハッチングで示された領域のみを点灯させて加熱する。全灯の場合には通電経路は全灯通電加熱用脚部102→全灯通電加熱用脚部102の付け根→半灯通電加熱用脚部105の付け根→半灯通電加熱用脚部104の付け根→全灯通電加熱用脚部103の付け根→全灯通電加熱用脚部103となり、半灯の場合には通電経路は半灯通電加熱用脚部104→半灯通電加熱用脚部104の付け根→半灯通電加熱用脚部105の付け根→半灯通電加熱用脚部105となる。このようにして、通電経路を変えることで電子線の出射領域を切り替える。
X線の電子源としてエミッタを使用する際、図9に示すように電子線Bを陽極からなるターゲットT上に集束させるためにエミッタEの前面(出射面)に集束電極Cを配置する。したがって、図7もしくは図8に示すように通電加熱用の脚部も含めて平板エミッタが板状であると、(1)電極に対するエミッタの設置に複雑な機構を要する上に、設置作業も煩雑となる、(2)大電流照射時に電子線出射領域(図9の熱電子Bを参照)が脚部にまで広がり、所望の焦点形状を得ることができない等の問題が生じる。
そこで、図7に示す従来の平板エミッタでは、必要な電子線出射領域のみを電極に対向させるために、図10に示すように通電加熱用の脚部102,103を付け根から90°折り曲げる。図7の図中の破線箇所で脚部102,103を90°に折り曲げて、図10に示すように脚部102,103を互いに対向させる。図10(a)は従来の平板エミッタの概略斜視図であり、図10(b)は、図10(a)の正面Fから見た概略正面図であり、図10(c)は、図10(a)の側面Sから見た概略側面図であり、図10(d)は、図10(a)の上面Uから見た概略平面図である。
なお、エミッタをX線管に組み込む場合には、X線管への組み込み工程の簡素化のために、図11に示すように組み込むのが一般的である。具体的には、セラミックなどの絶縁体Iにロウ付けした電極棒ER(以下、セラミックなどの絶縁体および電極棒をまとめて「ベース」と呼ぶ)に通電加熱用の脚部102,103の終端をロウ付けや溶接等の手段で固定してからX線管に組み込むことが多い。
上述した理由により、図8に示す従来の平板ダブルエミッタも、従来の平板エミッタと同様に、図12に示すように4本の通電加熱用の脚部102〜105を付け根から90°折り曲げる。図8の図中の破線箇所で脚部102〜105を90°に折り曲げて、電子線出射面101の鉛直軸で、かつ当該電子線出射面101の中心を通る中心軸に対して、図12に示すように全灯通電加熱用脚部102,103を互いに軸対称に対向させて、半灯通電加熱用脚部104,105を互いに軸対称に配置させる。以下、図12のように脚部102〜105を直線状に形成した平板ダブルエミッタを「ダブルエミッタtype 1」と呼ぶ。図12(a)はダブルエミッタtype 1の概略斜視図であり、図12(b)は、図12(a)の正面Fから見た概略正面図であり、図12(c)は、図12(a)の側面Sから見た概略側面図であり、図12(d)は、図12(a)の上面Uから見た概略平面図である。
ダブルエミッタtype 1をX線管に組み込む場合にも、図13に示すように絶縁体Iにロウ付けした電極棒ER(ベース)に4本の通電加熱用の脚部102〜105の終端を溶接等で固定する。図13(a)はダブルエミッタtype 1をX線管用のベースに組み込んだ概略斜視図であり、図13(b)は、図13(a)の下面から見た概略平面図である。
特開2012−15045号公報
しかしながら、ダブルエミッタtype 1の構造では、図13から明らかなようにベースの電極棒ERの間隔が非常に狭いという問題がある。したがって、各電極棒ER間で絶縁しながら電極棒ERをセラミックなどの絶縁体に固定するのは非常に難しい。電極棒ERを細くすることも考えられるが、強度上好ましくない。
そこで、電極棒ER間で確実な絶縁を取るために、図14に示すように4本の通電加熱用の脚部102〜105を付け根から90°折り曲げて、全ての通電加熱用の脚部102〜105を複数回(図14では2回)蛇行させて形成することで、脚部102〜105の終端を広げる構成が考えられる。以下、図14のように全ての脚部102〜105を複数回蛇行させて形成した平板ダブルエミッタを「ダブルエミッタtype 2」と呼ぶ。図14(a)はダブルエミッタtype 2の概略斜視図であり、図14(b)は、図14(a)の正面Fから見た概略正面図であり、図14(c)は、図14(a)の側面Sから見た概略側面図であり、図14(d)は、図14(a)の上面Uから見た概略平面図である。
図14では、脚部102〜105を90°に直角に蛇行させて、さらに90°に直角に蛇行させることで、脚部102〜105を2回蛇行させて形成する。なお、蛇行させる回数については、図14のような2回に限定されず、複数回であればよい。このように、脚部102〜105を複数回蛇行させて形成することで、終端において脚部102〜105が延びている方向を平行に揃えることができる。
同じくダブルエミッタtype 2をX線管に組み込む場合にも、図15に示すように絶縁体Iにロウ付けした電極棒ER(ベース)に4本の通電加熱用の脚部102〜105の終端を溶接等で固定する。ダブルエミッタtype 2の構造では、図15から明らかなようにベースの電極棒ERの間隔が広いので、各電極棒ER間で絶縁しながら電極棒ERを固定するのが容易になる。
しかし、ダブルエミッタtype 2では全ての脚部が長く、かつ蛇行しているので、バランスが取り難く、ベースへ位置精度良く固定することが難しい。したがって、(1)固定による不自然な応力にて電子線出射面が変形し、所定の焦点形状を得ることができなくなる、(2)上記(1)の変形はダブルエミッタtype 2の位置ズレを引き起こすので、集束電極C(図9を参照)に対して当該ダブルエミッタtype 2を位置精度良く配置することが非常に困難となる。位置精度良く配置することができないと焦点広がりや非対称性の出現等が生じ、所定の焦点形状を得ることができなくなる等の問題が生じる。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、X線管用もしくはそれ以外の用途の電子源への組み込みが容易で、かつ位置精度良く行うことができる形状の平板エミッタを提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明に係る平板エミッタは、4本の通電加熱用の脚部を備え、当該脚部の組み合わせに応じて、全面よりも狭い領域のみを通電加熱して電子線を出射する小焦点用の半灯または全面の領域を通電加熱して電子線を出射する大焦点用の全灯のいずれかが選択可能に構成され、前記4本の通電加熱用の脚部の全てが電子線出射部の付け根にて折り曲げられた、電子源に用いられる平板エミッタであって、組となる前記全灯のための2本の全灯通電加熱用脚部、または組となる前記半灯のための2本の半灯通電加熱用脚部のいずれか一方を直線状に形成し、他方を複数回蛇行させて形成することで、互いに隣接する前記全灯通電加熱用脚部・前記半灯通電加熱用脚部の間隔において、前記付け根での当該間隔よりも、脚部の終端での当該間隔を広げて形成するものである。
[作用・効果]この平板エミッタによれば、互いに隣接する全灯通電加熱用脚部・半灯通電加熱用脚部の間隔において、付け根での当該間隔よりも、脚部の終端での当該間隔を広げて形成することができ、脚部を固定する電極棒間の距離も広がり、同棒間の絶縁も容易となる。また、いずれか一方の組の脚部が直線状に形成されるので、電子源への組み込みの際に平板エミッタのバランスが取り易く、電子線出射面の変形も起こり難くい。
上述したこの発明に係る平板エミッタにおいて、2本の全灯通電加熱用脚部、または2本の半灯通電加熱用脚部のいずれか一方を直線状に形成し、他方を複数回蛇行させて形成するのであればよいが、2本の全灯通電加熱用脚部を直線状に形成し、2本の半灯通電加熱用脚部を複数回蛇行させて形成するのが好ましい。こうすることで電子線出射面内の温度分布が均一に近づく。
電子線出射面の鉛直方向で、かつ付け根での折り曲げ線に平行な方向で、当該電子線出射面の中心を通る面に対して、直線状に形成された2本の全灯通電加熱用脚部または半灯通電加熱用脚部が互いに面対称に配置されるのが好ましい。こうすることで電子源への組み込みの際に平板エミッタのバランスが取り易くなり、電子線出射面の変形が起こり難くなる。
また、電子線出射面の鉛直軸で、かつ当該電子線出射面の中心を通る中心軸に対して、複数回蛇行して形成された2本の半灯通電加熱用脚部または全灯通電加熱用脚部が互いに軸対称に配置されるのが好ましい。こうすることでX線管用もしくはそれ以外の用途の電子源への組み込みが位置精度良く容易に行える。
上述したこれらの発明に係る平板エミッタにおいて、全灯通電加熱用脚部および半灯通電加熱用脚部は、電子線出射面に鉛直な方向の高さが等しいのが好ましい。各々の脚部を固定するベースの電極棒の高さも同一になり、電子線出射面も水平面に固定することができる。
上述したこれらの発明に係る平板エミッタにおいて、付け根での折り曲げ線を垂線として下した面に平板エミッタを投影した場合に、同じ付け根で折り曲げられた全灯通電加熱用脚部および半灯通電加熱用脚部の対が上述の投影した面に互いに重なるように配置されるのが好ましい。こうすることでX線管用もしくはそれ以外の用途の電子源への組み込みに用いられるベースに脚部を固定する際の強度を高めることができ、さらには位置精度良く固定することができる。
この発明に係る平板エミッタによれば、組となる全灯のための2本の全灯通電加熱用脚部、または組となる半灯のための2本の半灯通電加熱用脚部のいずれか一方を直線状に形成し、他方を複数回蛇行させて形成することで、互いに隣接する全灯通電加熱用脚部・半灯通電加熱用脚部の間隔において、付け根での当該間隔よりも、脚部の終端での当該間隔を広げて形成することができる。また、平板エミッタのバランスも取り易く変形も起こり難い。
(a)〜(d)は、半灯通電加熱用脚部を2回蛇行させた実施例に係る平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 3)の概略図である。 図1の平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 3)をX線管用のベースに組み込んだ概略図である。 (a)〜(c)は、電子線出射面,通電加熱用の脚部,折り曲げ線,各々の面および中心軸の配置関係を模式的に表した図である。 半灯通電加熱用脚部を4回蛇行させた変形例に係る平板ダブルエミッタの概略斜視図である。 半灯通電加熱用脚部を曲線状に蛇行させた変形例に係る平板ダブルエミッタの概略斜視図である。 全灯通電加熱用脚部の方を2回蛇行させた変形例に係る平板ダブルエミッタの概略斜視図である。 従来の平板エミッタの概略平面図である。 (a),(b)は、従来の平板ダブルエミッタの概略平面図である。 集束電極およびエミッタの配置関係を模式的に表した図である。 (a)〜(d)は、図7の通電加熱用の脚部を付け根より90°に折り曲げた従来の平板エミッタの概略図である。 図10の従来の平板エミッタをX線管用のベースに組み込んだ概略図である。 (a)〜(d)は、図8の通電加熱用の脚部を付け根より90°に折り曲げた平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 1)の概略図である。 (a),(b)は、図12の平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 1)をX線管用のベースに組み込んだ概略図である。 (a)〜(d)は、全ての通電加熱用の脚部を複数回蛇行させた平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 2)の概略図である。 図14の平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 2)をX線管用のベースに組み込んだ概略図である。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、半灯通電加熱用脚部を2回蛇行させた実施例に係る平板ダブルエミッタの概略図であり、図2は、図1の平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 3)をX線管用のベースに組み込んだ概略図であり、図3は、電子線出射面,通電加熱用の脚部,折り曲げ線,各々の面および中心軸の配置関係を模式的に表した図である。本実施例では、2本の全灯通電加熱用脚部を直線状に形成し、2本の半灯通電加熱用脚部を2回蛇行させて形成して構成された平板エミッタ(平板ダブルエミッタ)を例に採って説明する。以下、図1のように2本の全灯通電加熱用脚部を直線状に形成し、2本の半灯通電加熱用脚部を2回蛇行させて形成した平板ダブルエミッタを「ダブルエミッタtype 3」と呼ぶ。図1(a)はダブルエミッタtype 3の概略斜視図であり、図1(b)は、図(a)の正面Fから見た概略正面図であり、図1(c)は、図1(a)の側面Sから見た概略側面図であり、図1(d)は、図1(a)の上面Uから見た概略平面図である。
本実施例に係る平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 3)は、図1に示すように電子線出射面1の付け根に4本の通電加熱用の脚部2〜5を有している。脚部2〜5のうち、脚部2,3は、電子線出射面の全面の領域を通電加熱して電子線を出射する大焦点用の全灯に用いられる全灯通電加熱用脚部2,3である。一方、脚部2〜5のうち、脚部4,5は、電子線出射面1の全面よりも狭い領域のみを通電加熱して電子線を出射する小焦点用の半灯に用いられる半灯通電加熱用脚部4,5である。
「背景技術」の欄でも述べたように、電子線出射面1の全面の領域を加熱する場合には、全灯通電加熱用脚部2,3から通電して全面を加熱する。一方、部分的に点灯して電子の放出範囲を制限して、焦点を小さくする場合には、半灯通電加熱用脚部4,5から通電して、全面よりも狭い領域のみを点灯させて加熱する。全灯の場合には通電経路は全灯通電加熱用脚部2→全灯通電加熱用脚部2の付け根→半灯通電加熱用脚部5の付け根→半灯通電加熱用脚部4の付け根→全灯通電加熱用脚部3の付け根→全灯通電加熱用脚部3となり、半灯の場合には通電経路は半灯通電加熱用脚部4→半灯通電加熱用脚部4の付け根→半灯通電加熱用脚部5の付け根→半灯通電加熱用脚部5となる。このようにして、通電経路を変えることで平板エミッタ(ダブルエミッタtype 3)の電子線の出射領域を切り替える。
したがって、平板エミッタ(ダブルエミッタtype 3)は4本の通電加熱用の脚部2〜5を備え、当該脚部2〜5の組み合わせに応じて、全面よりも狭い領域のみを通電加熱して電子線を出射する小焦点用の半灯または全面の領域を通電加熱して電子線を出射する大焦点用の全灯のいずれかが選択可能に構成されている。そして、図1(a)に示すように、4本の通電加熱用の脚部2〜5の全てが電子線出射部(電子線出射面1)の付け根にて折り曲げられている。
通電用の電源については、特に限定されない。交流電源であってもよいし、直流電源であってもよい。
本実施例では、図1(a)に示すように4本の通電加熱用の脚部2〜5を付け根から90°折り曲げる。ここで、電子線出射面1,通電加熱用の脚部2〜5,各々の面および中心軸の配置関係について、図3を参照して説明する。図3(a)〜図3(c)は模式図であり、図3の一部において通電加熱用の脚部2〜5等の図示を省略している。図3(a)は、電子線出射面,折り曲げ線,各々の面および中心軸の配置関係を模式的に表した斜視図であり、図3(b)は、通電加熱用の脚部を模式的に表した正面図および図3(a)の正面から見た正面図であり、図3(c)は、通電加熱用の脚部を模式的に表した平面図および図3(a)の上面から見た平面図である。
付け根での折り曲げ線を、図3(a)に示すように符号L,Lとし、電子線出射面1の中心を、図3(a)および図3(c)に示すように符号Oとする。また、電子線出射面1の鉛直方向で、かつ付け根での折り曲げ線L,Lに平行な方向で、当該電子線出射面1の中心Oを通る面を、図3(a)〜図3(c)に示すように符号Pとする。また、電子線出射面1の鉛直軸で、かつ当該電子線出射面1の中心Oを通る中心軸を、図3(a)に示すように符号Axとする。さらに、付け根での折り曲げ線L,Lを垂線として下した面を、図3(a)〜図3(c)に示すように符号Pとする。
本実施例では、図1(a)に示すように折り曲げ線L,L(図3(a)を参照)で脚部2〜5を90°に折り曲げる。図1(a)および図1(d)に示すように、電子線出射面1の鉛直方向で、かつ付け根での折り曲げ線L,Lに平行な方向で、当該電子線出射面1の中心O(図3(a)および図3(c)を参照)を通る面P(図3(a)〜図3(c)を参照)に対して、2本の全灯通電加熱用脚部2,3を互いに面対称に配置する。また、図1(a)および図1(d)に示すように、電子線出射面1の鉛直軸で、かつ当該電子線出射面1の中心Oを通る中心軸Ax(図3(a)を参照)に対して、2本の半灯通電加熱用脚部4,5を互いに軸対称に配置する。後述するように、2本の半灯通電加熱用脚部4,5は2回蛇行して形成されているので、各々の半灯通電加熱用脚部4,5における蛇行の方向も、中心軸Axに対して互いに軸対称となる。また、脚部2〜5を90°に折り曲げているので、2本の全灯通電加熱用脚部2,3は互いに対向し、2本の半灯通電加熱用脚部4,5も互いに平行に配置される。
本実施例では、図1(a)〜図1(c)に示すように全灯通電加熱用脚部2,3および半灯通電加熱用脚部4,5は、電子線出射面1に鉛直な方向の高さが等しい。鉛直な方向の高さは6.6mmに設計されている。もちろん、鉛直な方向の高さについては6.6mmに限定されない。
本実施例では、図1(b)に示すように付け根での折り曲げ線L,Lを垂線として下した面P(図3(a)〜図3(c)を参照)に平板エミッタ(ダブルエミッタtype 3)を投影した場合に、折り曲げ線Lで全灯通電加熱用脚部2および半灯通電加熱用脚部4の対が折り曲げられ、折り曲げ線Lで全灯通電加熱用脚部3および半灯通電加熱用脚部5の対が折り曲げられる。このとき、折り曲げ線Lで折り曲げられた全灯通電加熱用脚部2および半灯通電加熱用脚部4の対、折り曲げ線Lで折り曲げられた全灯通電加熱用脚部3および半灯通電加熱用脚部5の対が上述の投影した面Pに互いに重なるように配置される。また、4本の通電加熱用の脚部2〜5を付け根から90°折り曲げているので、図1(b)に示すように図1(a)の正面Fから見る(投影する)と、電子線出射面1を含めてコの字を90°回転した形状に見える。
本実施例では、図1(a),図1(c)および図1(d)に示すように、2本の全灯通電加熱用脚部2,3を直線状に形成し、2本の半灯通電加熱用脚部4,5を2回蛇行させて形成している。具体的には、半灯通電加熱用脚部4,5を90°に直角に蛇行させて、さらに90°に直角に蛇行させることで形成している。このように、半灯通電加熱用脚部4,5を2回蛇行させて形成することで、終端において全灯通電加熱用脚部2,3および半灯通電加熱用脚部4,5が延びている方向を平行に揃えることができる。また、全灯通電加熱用脚部2,3を直線状に形成し、半灯通電加熱用脚部4,5を2回蛇行させて形成することで、互いに隣接する全灯通電加熱用脚部・半灯通電加熱用脚部の間隔において、付け根での当該間隔よりも、脚部の終端での当該間隔が広がっている。
このように作製されたダブルエミッタtype 3では、互いに隣接する全灯通電加熱用脚部・半灯通電加熱用脚部の間隔(脚部の中心軸間の距離)は3.5mmである。また、電子線出射面1の直径は5mmであり、その厚みは0.1mm±0.01mmである。また、上述したように鉛直な方向の高さが6.6mmになるように脚部2〜5はそれぞれ設計されている。鉛直な方向の高さと同様に、これらの寸法(脚部の中心軸間の距離、電子線出射面1の直径・厚み)についても、上述した具体的な数値に限定されない。
また、ダブルエミッタtype 3をX線管に組み込む場合には、図2に示すように絶縁体Iにロウ付けした電極棒ER(ベース)に4本の通電加熱用の脚部2〜5の終端を溶接やロウ付け等の手段で固定する。互いに隣接する全灯通電加熱用脚部・半灯通電加熱用脚部の間隔(脚部の中心軸間の距離)を3.5mmに設計しているので、強度的に十分な直径φ1.24mmの電極棒ERが各々の間隔で絶縁を取りながらセラミックなどの絶縁体Iに問題なくロウ付けや溶接等の手段で固定することが可能となる。また、電子線出射面1に鉛直な方向の高さは、全灯通電加熱用脚部2,3および半灯通電加熱用脚部4,5の全てにおいて同一であるので、ベースからの電極棒ERの高さは4本全て等しい。
実際に、全灯通電加熱用脚部→一方の半灯通電加熱用脚部→他方の半灯通電加熱用脚部の順番に本実施例に係る平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 3)をベースに固定した際には、ほぼ平坦な電子線出射面1(厚みが0.1mmに対して電子線出射面1の凹凸は約±0.01mm)が得られる歩留まりは約70%(9個中6個)であるのが確認された。また、ベース固定後の平板ダブルエミッタ(ダブルエミッタtype 3)を搭載したX線管の管球の小焦点モード(管電圧:75kV,管電流:300mA)にて所定の0.5mm焦点仕様(焦点幅0.5mm〜0.75mm)を達成したのが確認された。
本実施例に係る平板エミッタ(ダブルエミッタtype 3)によれば、4本の通電加熱用の脚部2〜5を備え、組となる全灯のための2本の全灯通電加熱用脚部2,3、または組となる半灯のための2本の半灯通電加熱用脚部4,5のいずれか一方を直線状に形成し、他方を複数回蛇行させて形成している。図1では、2本の全灯通電加熱用脚部2,3を直線状に形成し、2本の半灯通電加熱用脚部4,5を2回蛇行させて形成している。これにより、互いに隣接する全灯通電加熱用脚部・半灯通電加熱用脚部の間隔において、付け根での当該間隔よりも、脚部の終端での当該間隔を広げて形成することができる。脚部の終端での間隔が広がるので、脚部を固定する電極棒ER間の距離も広がり、同電極棒間の絶縁が容易となる。また、いずれか一方の組の脚部(図1では全灯通電加熱用脚部2,3)が直線状に形成されるので、バランスが取り易くなる。その結果、X線管用またはそれ以外の用途の電子源への組み込みが容易で、位置精度良く行うことができる。
2本の全灯通電加熱用脚部2,3、または2本の半灯通電加熱用脚部4,5のいずれか一方を直線状に形成し、他方を複数回蛇行させて形成するのであればよいが、本実施例のように、2本の全灯通電加熱用脚部2,3を直線状に形成し、2本の半灯通電加熱用脚部4,5を複数回(図1では2回)蛇行させて形成するのが好ましい。通電加熱すると電子線出射部(電子線出射面1)において温度勾配が生じる。具体的には、通電の供給元に近い電子線出射部(電子線出射面1)の付け根の方が電極棒を通じて熱が逃げるので、通電の供給元から遠い中央の領域よりも温度が低くなる。特に、全灯の場合には全灯通電加熱用脚部2,3のみを通電して、通電経路は上流側の全灯通電加熱用脚部2→上流側の全灯通電加熱用脚部2の付け根→上流側の半灯通電加熱用脚部5の付け根→下流側の半灯通電加熱用脚部4の付け根→下流側の全灯通電加熱用脚部3の付け根→下流側の全灯通電加熱用脚部3となり、それぞれの脚部の付け根から熱の逃げが起きるので温度勾配が顕著になる。脚部が短い方が、熱が逃げやすくなるので、2本の全灯通電加熱用脚部2,3を直線状に形成することで全灯通電加熱用脚部2,3での電子線出射部(電子線出射面1)の付け根から熱は逃げ易いが、半灯通電加熱用脚部4,5は長く付け根からの熱は逃げにくいので、温度分布を均一に近づけることが可能になる。
本実施例のように2本の全灯通電加熱用脚部2,3を直線状に形成し、2本の半灯通電加熱用脚部4,5を複数回(図1では2回)蛇行させて形成する場合において、電子線出射面1の鉛直方向で、かつ付け根での折り曲げ線L,Lに平行な方向で、当該電子線出射面1の中心Oを通る面Pに対して、直線状に形成された2本の全灯通電加熱用脚部2,3が互いに面対称に配置されるのが好ましい。このように、直線状に形成された2本の全灯通電加熱用脚部2,3を配置することで、図1(c)に示すように図1(a)の側面Sから全灯通電加熱用脚部2,3を投影すると2本の全灯通電加熱用脚部2,3は完全に重なる。よって、X線管用もしくはそれ以外の用途の電子源への組み込みに用いられるベースへの固定時に平板エミッタ全体のバランスが取り易くなり、電子線出射面1の変形が起こり難くなる。すなわち、電子線出射面1の鉛直軸を回転中心とした電子線出射面1の円周方向のズレが引き起こす電子線出射面の変形が起こり難くなり、電子線出射面1をほぼ水平のまま固定することができる。このようにして、全灯通電加熱用脚部2,3を基準としてベースに精度良く固定することが可能となる。
また、本実施例のように2本の全灯通電加熱用脚部2,3を直線状に形成し、2本の半灯通電加熱用脚部4,5を複数回(図1では2回)蛇行させて形成する場合において、電子線出射面1の鉛直軸で、かつ当該電子線出射面1の中心Oを通る中心軸Axに対して、複数回(図1では2回)蛇行して形成された2本の半灯通電加熱用脚部4,5が互いに軸対称に配置されるのが好ましい。X線管用もしくはそれ以外の用途の電子源への組み込みに用いられるベースの中心と平板エミッタにおける電子線出射面1の中心を一致させることが容易となり、X線管用もしくはそれ以外の用途の電子源において集束電極に対して平板エミッタ(ダブルエミッタtype 3)を精度良く配置することが可能となる。
本実施例に係る平板エミッタ(ダブルエミッタtype 3)において、全灯通電加熱用脚部2,3および半灯通電加熱用脚部4,5は、電子線出射面1に鉛直な方向の高さが等しいのが好ましい。各々の脚部2〜5を固定するベースの電極棒ERの高さも同一になり、電子線出射面1も水平面に固定することができる。
本実施例に係る平板エミッタ(ダブルエミッタtype 3)において、付け根での折り曲げ線L,Lを垂線として下した面Pに平板エミッタ(ダブルエミッタtype 3)を投影した場合に、同じ折り曲げ線L(もしくはL)で折り曲げられた全灯通電加熱用脚部および半灯通電加熱用脚部の対が上述の投影した面Pに互いに重なるように配置されるのが好ましい。このように、同じ折り曲げ線L(もしくはL)で折り曲げられた全灯通電加熱用脚部および半灯通電加熱用脚部の対が上述の投影した面Pに互いに重なるように配置されることで、図1(b)に示すように図1(a)の正面Fから見る(投影する)と、付け根での折り曲げ線L(もしくはL)が同じであるので、同じ折り曲げ線L(もしくはL)で折り曲げられた全灯通電加熱用脚部および半灯通電加熱用脚部の対が完全に重なる。よって、X線管用もしくはそれ以外の用途の電子源への組み込みに用いられるベースに脚部2〜5を固定する際の強度を高めることができ、ベースに脚部2〜5を安定して固定することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)この発明に係る平板エミッタは、X線管用もしくはそれ以外の用途の電子源に用いられるものであり、適用する電子源については特に限定されない。例えば、陽極がそれを収容する外囲器と一体となって回転する外囲器回転型医用X線管や、それ以外の医用X線管や、工業用の大焦点X線管や、大焦点が特徴の電子源に適用することができる。
(2)上述した実施例では、円形の形状を有した電子線出射面1を備えた平板エミッタであったが、特許文献1:特開2012−15045号公報の図2に示すように長方形の形状を有した電子線出射面を備えた平板エミッタにも適用することができる。このように、電子線出斜面の形状については特に限定されない。
(3)上述した実施例では、4本の通電加熱用の脚部2〜5を付け根から90°折り曲げたが、折り曲げの角度については必ずしも90°に限定されない。90°以外の鋭角や鈍角に折り曲げてもよい。ただし、ベースに脚部2〜5を固定する際の強度を高めるためには、実施例のように脚部2〜5を付け根から90°折り曲げるのがもっとも好ましい。
(4)上述した実施例では、半灯通電加熱用脚部4,5を90°に直角に蛇行させて、さらに90°に直角に蛇行させることで、半灯通電加熱用脚部4,5を2回蛇行させて形成したが、脚部を蛇行させる回数については、図1のような2回に限定されず、複数回であればよい。例えば、図4に示すように半灯通電加熱用脚部4,5を4回蛇行させてもよい。また、終端において脚部2〜5が延びている方向を平行に揃えるには、必ずしも脚部を蛇行させる回数については偶数回に限定されない。例えば、半灯通電加熱用脚部4,5を135°に蛇行させて、同じ側に135°にさらに蛇行させて、さらに逆側に90°に直角に蛇行させることで、半灯通電加熱用脚部4,5を3回蛇行させて形成してもよい。このように脚部を奇数回蛇行させても、終端において脚部2〜5が延びている方向を平行に揃えることが可能である。
(5)上述した実施例では、半灯通電加熱用脚部4,5を90°に直角に蛇行させて、さらに90°に直角に蛇行させて、直線状に蛇行させて形成したが、蛇行の形状については必ずしも直線状である必要はない。例えば、図5に示すように半灯通電加熱用脚部4,5を曲線状に蛇行させてもよい。
(6)上述した実施例では、2本の全灯通電加熱用脚部2,3を直線状に形成し、2本の半灯通電加熱用脚部4,5を複数回(図1では2回)蛇行させて形成したが、2本の全灯通電加熱用脚部、または2本の半灯通電加熱用脚部のいずれか一方を直線状に形成し、他方を複数回蛇行させて形成するのであれば、逆に、図6に示すように形成してもよい。ただし、実施例(図1を参照)の構造の方が温度分布を均一に近づけることが可能になるので、実施例の構造の方がより好ましい。もちろん温度分布が均一に既になっている、あるいは温度勾配を考慮しないのであれば、図6に示すように、2本の半灯通電加熱用脚部4,5を直線状に形成し、2本の全灯通電加熱用脚部2,3を複数回(図6では2回)蛇行させて形成してもよい。2本の半灯通電加熱用脚部4,5を直線状に形成し、2本の全灯通電加熱用脚部2,3を複数回蛇行させて形成する場合においても、上述した変形例(1)〜(5)のように変形実施することが可能である。
(7)上述した実施例では、電子線出射面1の鉛直方向で、かつ付け根での折り曲げ線L,Lに平行な方向で、当該電子線出射面1の中心Oを通る面Pに対して、2本の全灯通電加熱用脚部2,3を互いに面対称に配置したが、必ずしも面対称に配置する必要はない。電子線出射面1の鉛直軸を回転中心とした電子線出射面1の円周方向のズレが引き起こす電子線出射面の変形などを考慮しないのであれば、2本の全灯通電加熱用脚部2,3を非対称に配置してもよい。
(8)上述した実施例では、電子線出射面1の鉛直軸で、かつ当該電子線出射面1の中心Oを通る中心軸Axに対して、2本の半灯通電加熱用脚部4,5を互いに軸対称に配置したが、必ずしも軸対称に配置する必要はない。電子線出射面1の鉛直軸を回転中心とした電子線出射面1の円周方向のズレが引き起こす電子線出射面の変形などを考慮しないのであれば、2本の半灯通電加熱用脚部4,5を非対称に配置してもよい。
(9)上述した実施例では、全灯通電加熱用脚部2,3および半灯通電加熱用脚部4,5は、電子線出射面1に鉛直な方向の高さが等しかったが、必ずしも高さを等しくする必要はない。各々の脚部2〜5を固定するベースの電極棒ERの高さがそれぞれ異なる場合には、電子線出射面1が水平面に固定されるように、ベースの電極棒ERの高さに応じて脚部2〜5の高さを変えてもよい。
(10)上述した実施例では、付け根での折り曲げ線L,Lを垂線として下した面Pに平板エミッタを投影した場合に、同じ折り曲げ線L(もしくはL)で折り曲げられた全灯通電加熱用脚部および半灯通電加熱用脚部の対が上述の投影した面Pに互いに重なるように配置されたが、必ずしも重なるように配置される必要はない。同じ折り曲げ線L(もしくはL)で折り曲げられた全灯通電加熱用脚部および半灯通電加熱用脚部の対がずれて配置されてもよい。
以上のように、この発明は、陽極がそれを収容する外囲器と一体となって回転する外囲器回転型医用X線管や、それ以外の医用X線管や、工業用の大焦点X線管や、大焦点が特徴の電子源に適している。
1 … 電子線出射面
2,3 … 全灯通電加熱用脚部
4,5 … 半灯通電加熱用脚部
,L … 折り曲げ線
O … 電子線出射面の中心
… (電子線出射面の鉛直方向で、かつ付け根での折り曲げ線に平行な方向で、)当該電子線出射面の中心を通る面
Ax … (電子線出射面の鉛直軸で、かつ当該電子線出射面の中心を通る)中心軸
… 付け根での折り曲げ線を垂線として下した面(投影した面)

Claims (6)

  1. 4本の通電加熱用の脚部を備え、
    当該脚部の組み合わせに応じて、全面よりも狭い領域のみを通電加熱して電子線を出射する小焦点用の半灯または全面の領域を通電加熱して電子線を出射する大焦点用の全灯のいずれかが選択可能に構成され、
    前記4本の通電加熱用の脚部の全てが電子線出射部の付け根にて折り曲げられた、電子源に用いられる平板エミッタであって、
    組となる前記全灯のための2本の全灯通電加熱用脚部、または組となる前記半灯のための2本の半灯通電加熱用脚部のいずれか一方を直線状に形成し、他方を複数回蛇行させて形成することで、互いに隣接する前記全灯通電加熱用脚部・前記半灯通電加熱用脚部の間隔において、前記付け根での当該間隔よりも、脚部の終端での当該間隔を広げて形成する、平板エミッタ。
  2. 請求項1に記載の平板エミッタにおいて、
    2本の前記全灯通電加熱用脚部を直線状に形成し、2本の前記半灯通電加熱用脚部を複数回蛇行させて形成する、平板エミッタ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の平板エミッタにおいて、
    電子線出射面の鉛直方向で、かつ前記付け根での折り曲げ線に平行な方向で、当該電子線出射面の中心を通る面に対して、直線状に形成された2本の前記全灯通電加熱用脚部または前記半灯通電加熱用脚部が互いに面対称に配置される、平板エミッタ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の平板エミッタにおいて、
    電子線出射面の鉛直軸で、かつ当該電子線出射面の中心を通る中心軸に対して、複数回蛇行して形成された2本の前記半灯通電加熱用脚部または前記全灯通電加熱用脚部が互いに軸対称に配置されることを特徴とする、平板エミッタ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の平板エミッタにおいて、
    前記全灯通電加熱用脚部および前記半灯通電加熱用脚部は、電子線出射面に鉛直な方向の高さが等しい、平板エミッタ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の平板エミッタにおいて、
    前記付け根での折り曲げ線を垂線として下した面に前記平板エミッタを投影した場合に、同じ折り曲げ線で折り曲げられた前記全灯通電加熱用脚部および前記半灯通電加熱用脚部の対が前記投影した面に互いに重なるように配置される、平板エミッタ。
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