JP2017111854A - エミッタおよびx線管装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子放出部の通電加熱時における通電脚部と支え脚部との熱変形量に差が生じることに起因する出射面の変形を抑制することが可能なエミッタを提供する。【解決手段】このエミッタ1は、電子放出部11と、電子放出部11からそれぞれ延びる通電脚部12および支え脚部13と、通電脚部12の端部を支持し通電脚部12に電力供給を行う通電脚部固定部14と、支え脚部13の端部を支持する支え脚部固定部15と、を備える。通電脚部固定部14および支え脚部固定部15は、エミッタ1の通電加熱時における、電子放出部11に対して垂直な方向の通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を低減するように、材質および形状の少なくとも一方が互いに異なっている。【選択図】図2

Description

本発明は、X線管装置およびそれに用いられるエミッタに関する。
従来、通電加熱により電子を放出するエミッタが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1では、通電加熱により電子を放出する板状の電子放出部と、電子放出部に通電するための一対の板状の通電脚部と、電子放出部への通電には寄与しない板状の支え脚部とを備えたエミッタが開示されている。エミッタは、通電脚部と支え脚部とが、それぞれ個別に固定部に接合されることにより、固定部を介してX線管装置内に設置される。
エミッタの使用時(通電加熱時)には、電子放出部が高温に加熱されるため、サグ現象とよばれる重力によるクリープ変形や、外力の作用によって電子の出射面(電子放出部の表面)に変形が生じ、電子放出特性の悪化や、寿命短縮の要因となる。上記特許文献1では、通電脚部の他に支え脚部を設けることにより、サグ現象や外力に起因する電子放出部の出射面の変形を抑制している。
国際公開第2014/041639号
しかしながら、支え脚部は通電加熱には寄与しない(通電は行われない)ように設けられることから、エミッタの使用時(通電加熱時)に、通電を行う通電脚部と通電を行わない支え脚部とで温度差が生じる。そのため、サグ現象や外力に起因する出射面の変形を抑制するだけでなく、電子放出部の通電加熱時における通電脚部と支え脚部との熱変形量に差が生じることに起因する出射面の変形を抑制することが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、電子放出部の通電加熱時における通電脚部と支え脚部との熱変形量に差が生じることに起因する出射面の変形を抑制することが可能なエミッタおよびX線管装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるエミッタは、X線管装置に取り付けられ、電子照射によって陽極からX線を放出させるためのエミッタであって、電子放出部と、電子放出部からそれぞれ延びる通電脚部および支え脚部と、通電脚部の端部を支持し通電脚部に電力供給を行う通電脚部固定部と、支え脚部の端部を支持する支え脚部固定部と、を備え、通電脚部固定部および支え脚部固定部は、エミッタの通電加熱時における、電子放出部に対して垂直な方向の通電脚部および支え脚部の熱変形量の差を低減するように、材質および形状の少なくとも一方が互いに異なっている。
この発明の第1の局面によるエミッタでは、上記のように、エミッタの通電加熱時における、電子放出部に対して垂直な方向の通電脚部および支え脚部の熱変形量の差を低減するように、通電脚部固定部および支え脚部固定部の材質および形状の少なくとも一方を互いに異ならせることによって、通電脚部固定部と支え脚部固定部との間での熱変形量および伝熱量の少なくとも一方を異ならせることができる。その結果、通電脚部および支え脚部の熱変形量の差を、通電脚部固定部と支え脚部固定部との熱変形量の差によって低減したり、通電加熱時における通電脚部および支え脚部の温度差を、通電脚部固定部と支え脚部固定部との伝熱量の差によって低減し、それによって通電脚部および支え脚部の熱変形量の差を低減することができる。これにより、電子放出部の通電加熱時における通電脚部と支え脚部との熱変形量に差が生じることに起因する出射面の変形を抑制することができる。
好ましくは、支え脚部固定部は、通電脚部固定部よりも大きい熱膨張率を有する材質で形成されている。このように構成すれば、通電によって通電脚部の方が支え脚部よりも高温になるため、支え脚部固定部の熱膨張率を相対的に大きく設定することによって、確実に、通電脚部および支え脚部の熱変形量の差を低減することができる。
支え脚部固定部が通電脚部固定部よりも大きい熱膨張率を有する材質で形成される構成において、好ましくは、通電脚部固定部は、第1熱膨張率を有する材質で形成され、支え脚部固定部は、第2熱膨張率を有する材質で形成され、エミッタの通電加熱時における通電脚部および通電脚部固定部の熱変形量の合計と、支え脚部および支え脚部固定部の熱変形量の合計とが互いに近付くように、第1熱膨張率と第2熱膨張率とが互いに異なっている。このように構成すれば、通電脚部および通電脚部固定部の全体の熱変形量と、支え脚部および支え脚部固定部の全体の熱変形量とを考慮して、それぞれの熱変形量が互いに近付くように第1熱膨張率および第2熱膨張率を設定することができる。その結果、支え脚部固定部の熱変形量が大きすぎたり、通電脚部固定部の熱変形量が小さすぎたりすることなく、確実かつ効果的に、通電脚部および支え脚部の熱変形量の差を低減することができる。
上記第1の局面によるエミッタにおいて、好ましくは、通電脚部固定部および支え脚部固定部は、エミッタの通電加熱時における通電脚部と支え脚部との温度差を低減するように、電子放出部と平行な方向の断面積が互いに異なる形状を有する。このように構成すれば、通電脚部固定部および支え脚部固定部の伝熱面積を互いに異ならせることにより、通電脚部と支え脚部との温度差を低減し、通電脚部および支え脚部の熱変形量の差を低減することができる。
この場合、好ましくは、支え脚部固定部は、電子放出部と平行な方向の断面積が通電脚部固定部の電子放出部と平行な方向の断面積よりも小さい部分を含む。このように構成すれば、通電によって通電脚部の方が支え脚部よりも高温になるため、支え脚部固定部の伝熱面積を通電脚部固定部の伝熱面積よりも小さくすることにより、通電脚部と支え脚部との温度差を確実に低減することができる。その結果、通電脚部および支え脚部の熱変形量の差を確実に低減することができる。
上記第1の局面によるエミッタにおいて、好ましくは、通電脚部固定部および支え脚部固定部は、電子放出部に対して垂直な方向に延びる柱状形状を有し、先端部でそれぞれ通電脚部および支え脚部と接続されている。このように構成すれば、電子放出部に対して垂直な方向の熱変形量を容易に算出することができるので、通電脚部および支え脚部の熱変形量の差を低減することが可能な通電脚部固定部および支え脚部固定部の材質や形状(外形寸法)を容易に得ることができる。
この発明の第2の局面におけるX線管装置は、上記いずれかに記載のエミッタと、エミッタからの電子照射によりX線を放出する陽極とを備える。
本発明によれば、上記のように、電子放出部の通電加熱時における通電脚部と支え脚部との熱変形量に差が生じることに起因する出射面の変形を抑制することができる。
本発明の第1〜第3実施形態によるX線管装置の概略を示したブロック図である。 本発明の第1実施形態によるエミッタの斜視図である。 本発明の第1実施形態によるエミッタの平面図である。 エミッタの通電加熱時における各部の熱変形量を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態によるエミッタの斜視図である。 本発明の第3実施形態によるエミッタの斜視図である。 第1、第2実施形態および比較例によるエミッタの通電加熱時の変位量を比較したシミュレーション結果を説明するための図である。 本発明の第2実施形態の変形例によるエミッタの斜視図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(X線管装置の構成)
まず、図1を参照して、第1実施形態によるX線管装置100の構成について説明する。
図1に示すように、X線管装置100は、X線を発生させるように構成されている。また、X線管装置100は、電子ビームを発生させるエミッタ1と、陽極2と、エミッタ1および陽極2を内部に収容する容器(外囲器)3と、電源回路4および5とを備えている。
エミッタ1は、陽極2に対して電子を放出するように構成されている。エミッタ1は、陽極2に対向するように配置されている。また、エミッタ1と陽極2との間には、電源回路4により所定の電圧が印加されるように構成されている。具体的には、エミッタ1および陽極2は、電源回路4に配線4aを介して接続されており、陽極2はエミッタ1に対し、相対的に正の電圧が印加されるように構成されている。また、エミッタ1は、電源回路5に配線5aおよび5bを介して接続されている。そして、エミッタ1は、電源回路5により通電されることによって、加熱されるように構成されている。これにより、エミッタ1から陽極2に向かう電子ビーム(熱電子)が発生される。
陽極2は、金属により形成されている。たとえば、陽極2は、銅、モリブデン、コバルト、クロム、鉄、銀などの金属材料により形成されている。陽極2は、エミッタ1から放出される電子ビーム(熱電子)が衝突すると、X線を発生させる。
容器3の内部には、エミッタ1および陽極2が配置されている。容器3の内部は、略真空状態で密閉されている。容器3は、たとえば、ステンレス(SUS)などの非磁性の金属材料により形成されている。また、容器3には、X線を外部に放出させる窓部(図示せず)が設けられている。
(エミッタの構成)
次に、エミッタ1の構成について詳細に説明する。図2に示すように、エミッタ1は、平板状の電子放出部11と、通電脚部12と、支え脚部13とを一体的に有している。つまり、電子放出部11、通電脚部12および支え脚部13は、同一の部材により一体的に形成されている。電子放出部11、通電脚部12および支え脚部13は、たとえば純タングステンまたはタングステン合金からなる。図2の例では、エミッタ1は、一対(2本)の通電脚部12を備え、二対(4本)の支え脚部13aおよび13bを備えている。
エミッタ1は、いわゆる熱電子放出型のエミッタであり、一対の通電脚部12を介して通電されて、加熱されるように構成されている。これにより、平板状の電子放出部11が所定電流で所定温度(約2400K〜約2700K)に通電加熱されることにより、電子放出部11から電子が放出される。エミッタ1は、金属製のカバー(図示せず)に覆われている。以下、便宜的に、平板状の電子放出部11の電子出射面(上面)と直交する方向をZ方向という。電子放出部11の電子出射面に平行な平面内で直交する2方向をそれぞれX方向およびY方向とする。
エミッタ1は、通電脚部12の端部を支持し通電脚部12に電力供給を行う通電脚部固定部14と、支え脚部13の端部を支持する支え脚部固定部15と、を備える。図2の例では、エミッタ1は、通電脚部12に対応して、一対(2本)の通電脚部固定部14を備え、支え脚部13に対応して、二対(4本)の支え脚部固定部15を備えている。
複数の通電脚部12は、対応する通電脚部固定部14に、それぞれ個別に固定されている。同様に、複数の支え脚部13は、対応する支え脚部固定部15に、それぞれ個別に固定されている。一対の通電脚部固定部14には、それぞれ、配線5aおよび5b(図1参照)が接続されている。なお、支え脚部固定部15には、それぞれ、配線が接続されておらず、電気的に浮いた状態(フローティング状態)になっている。したがって、支え脚部13および支え脚部固定部15は、エミッタ1の通電加熱には寄与せず、通電加熱時にも実質的に電流が流れない状態で維持される。
図2および図3に示すように、電子放出部11は、曲がりくねった形状(ミアンダ形状)の電流通路11aによって平板状に形成されている。電子放出部11は、平面的に見て(Z方向から見て)、略円形状に形成されている。
電流通路11aは、略一定の通路幅W(図3参照)で形成されている。電流通路11aは、略一定の厚みt(図2参照)を有する平板形状に形成されている。なお、電子放出部11、通電脚部12および支え脚部13は、共通の厚みtを有している。電流通路11aの両端は、それぞれ、一対の通電脚部12の各々と接続されている。電流通路11aは、平面的に見て、略点対称に形成されている。
また、一対の通電脚部12は、電子放出部11から延びるとともにZ2方向に曲げられることにより形成されている。通電脚部12の一方端は、それぞれ、電流通路11a(電子放出部11)の端部に接続されている。また、一対の通電脚部12の他方端は、それぞれ、通電脚部固定部14に接続されている。また、一対の通電脚部12は、互いに略等しい形状(対称形状)を有している。一対の通電脚部12は、屈曲した板形状を有する。
また、支え脚部13は、電子放出部11から延びるとともにZ2方向に曲げられることにより形成されている。支え脚部13は、通電脚部12とは別個に設けられ、電子放出部11を支持するように形成されている。支え脚部13の一方端は、それぞれ、電子放出部11(電流通路11aの端部間の中間部分)に個別に接続されている。支え脚部13の他方端は、それぞれ、電気的に浮いた状態の支え脚部固定部15に別個に接続されている。また、一対の支え脚部13aは、互いに略等しい形状を有し、直線状の板形状を有している。また、一対の支え脚部13bは、互いに略等しい形状を有し、屈曲した板形状を有している。それぞれの支え脚部13aおよび13bには、板厚方向に貫通する貫通孔が長手方向に沿って長穴状に形成されている。
通電脚部固定部14および支え脚部固定部15には、通電脚部12および支え脚部13(13a、13b)がそれぞれ挿入されるとともに接合される凹部14a、15aがそれぞれ設けられている。具体的には、凹部14a、15aは、それぞれ、通電脚部12および支え脚部13の厚みtに対応させたスリット状に形成されている。通電脚部12、支え脚部13を対応する凹部14a、15a内に挿入した状態で、外部から挟み込むように押圧して変形させるカシメ加工によって、通電脚部12および支え脚部13がそれぞれ通電脚部固定部14および支え脚部固定部15に固定(接合)されている。なお、通電脚部12および支え脚部13の各々は、たとえば溶接などの他の方法により、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15に固定されてもよい。
通電脚部固定部14および支え脚部固定部15は、それぞれ、電子放出部11に対して垂直なZ方向に延びる柱状形状を有し、Z1方向側の先端部でそれぞれ通電脚部12および支え脚部13と接続されている。通電脚部固定部14および支え脚部固定部15は、Z2方向側の先端部でそれぞれ容器3に固定されている。
ここで、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15は、エミッタ1の通電加熱時における、電子放出部11に対して垂直な方向(Z方向)の通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1(図4参照)を低減するように、材質および形状の少なくとも一方が互いに異なっている。
第1実施形態では、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15の材質が互いに異なっている例を示す。図2の例では、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15の形状は同一である。具体的には、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15は、直径d1および長さLが互いに略等しい、Z方向に延びる円柱形状(棒形状)を有する。
通電脚部固定部14および支え脚部固定部15は、たとえば、タングステン、レニウム、タンタル、オスミウム、モリブデン、ニッケル、ニオブ、イリジウム、ホウ素、ルテニウム、ハフニウムなどの金属、これらの金属を使用した合金、ステンレスなど材質からなる。したがって、第1実施形態では、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15は、これらの材質のうちから選定された互いに異なる材質からなる。なお、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15は、これらの金属以外の材質により形成されてもよい。一対の通電脚部固定部14同士、二対の支え脚部固定部15同士は、互いに同一の材質からなる。
第1実施形態では、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15は、エミッタ1の通電加熱時における通電脚部12と支え脚部13との熱変形量の差を低減するように熱膨張率が互いに異なる材質により構成されている。より具体的には、支え脚部固定部15は、通電脚部固定部14よりも大きい熱膨張率を有する材質で形成されている。すなわち、通電脚部固定部14は、第1熱膨張率P1を有する材質で形成され、支え脚部固定部15は、第2熱膨張率P2を有する材質で形成されており、第1実施形態では、第1熱膨張率P1<第2熱膨張率P2となっている。
図4に示した模式図を用いてエミッタ1の通電加熱時における熱変形量の関係について説明する。エミッタ1では、通電加熱時の温度上昇により各部が熱変形(熱膨張)を発生することにより、電子放出部11が非通電加熱時と比較してZ方向に変位する。エミッタ1には、当然、X方向およびY方向への熱変形(熱膨張)も生じるが、ここでは便宜的にX方向およびY方向への熱変形(熱膨張)を無視して説明する。
まず、通電脚部12と支え脚部13とは、共通の材質により形成されているため熱膨張率は等しい。通電加熱時には、電流によって通電脚部12の温度T1の方が支え脚部13の温度T2よりも高くなるため、通電脚部12のZ方向の熱変形量D1は、支え脚部13のZ方向の熱変形量D2よりも大きくなる(D1>D2)。電子放出部11が約2400K〜約2700Kに加熱される通電加熱時には、たとえば通電脚部12と支え脚部13との間に数百度の温度差が生じる。
このとき、通電脚部固定部14のZ方向の熱変形量はD3であり、支え脚部固定部15のZ方向の熱変形量はD4であるとする。したがって、電子放出部11と通電脚部12との接続部分S1(通電脚部12の一方端部)の変位量は、(D1+D3)に相当する。電子放出部11と支え脚部13との接続部分S2(支え脚部13の一方端部)の通電加熱時の熱による変位量は、(D2+D4)に相当する。
通電脚部固定部14の温度と支え脚部固定部15の温度との大小関係は通電脚部12の温度T1と支え脚部13の温度T2との関係(T1>T2)と同じになる。そのため、たとえば通電脚部固定部14および支え脚部固定部15の材質(熱膨張率)および形状を共通にする場合、接続部分S1の変位量(D1+D3)>接続部分S2の変位量(D2+D4)となり、電子放出部11の電子出射面が傾斜して変形が生じてしまう。
これに対して、第1実施形態では、第1熱膨張率P1<第2熱膨張率P2の関係となるように材質を選定することによって、通電脚部固定部14のZ方向の熱変形量D3よりも、支え脚部固定部15のZ方向の熱変形量D4の方が大きくなる(D3<D4)ようにエミッタ1が構成されている。すなわち、第1実施形態では、エミッタ1の通電加熱時における通電脚部12および通電脚部固定部14の熱変形量の合計(D1+D3)と、支え脚部13および支え脚部固定部15の熱変形量の合計(D2+D4)とが互いに近付くように、第1熱膨張率P1と第2熱膨張率P2とが互いに異なっている。
これにより、第1実施形態のエミッタ1は、通電脚部12と支え脚部13との熱変形量の差E1(=D1−D2)を、通電脚部固定部14と支え脚部固定部15との熱変形量の差E2(=D3−D4)によって打ち消し、通電加熱時における電子放出部11の電子出射面の変位量が略等しくなるように構成されている。
このような通電脚部12と支え脚部13との熱変形量の差に応じた通電脚部固定部14および支え脚部固定部15の材質選定は、たとえばシミュレーションなどの計算的手法によってそれぞれの熱変形量を取得し、得られた通電脚部12と支え脚部13との熱変形量の差を低減する第1熱膨張率P1および第2熱膨張率P2を算出することにより、適切な熱膨張率を有する材質を選択することが可能である。
一例として、第1実施形態では、通電脚部固定部14は、モリブデンからなり、第1熱膨張率P1は4.9×10−6[/K]である。支え脚部固定部15は、ニッケルからなり、第2熱膨張率P2は13.3×10−6[/K]である。通電脚部12および支え脚部13の形状および材質や、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15の形状等によって、望ましい熱膨張率は変化するため、これらのパラメータに応じて適切な材質が選定されることが好ましい。たとえばタンタルの熱膨張率は6.3×10−6[/K]であり、SUS304の熱膨張率は17.3×10−6[/K]である。そのため、通電脚部固定部14をタンタルとし、支え脚部固定部15をSUS304としてもよい。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、エミッタ1の通電加熱時における、電子放出部11に対して垂直な方向(Z方向)の通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を低減するように、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15の材質を互いに異ならせる。これにより、通電脚部固定部14と支え脚部固定部15との間での熱変形量を異ならせることができる。その結果、通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を、通電脚部固定部14と支え脚部固定部15との熱変形量の差E2によって低減することができる。これにより、電子放出部11の通電加熱時における通電脚部12と支え脚部13との熱変形量に差が生じることに起因する出射面の変形を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15を、エミッタ1の通電加熱時における通電脚部12と支え脚部13との熱変形量の差E1を低減するように熱膨張率が互いに異なる材質により構成する。これにより、熱膨張率に適切な差を設けるように通電脚部固定部14および支え脚部固定部15の材質を選定することによって、通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15の熱変形量の差E2によって相殺して、効果的に低減させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、支え脚部固定部15を、通電脚部固定部14よりも大きい熱膨張率を有する材質で形成する。この結果、通電によって通電脚部12の方が支え脚部13よりも高温になるため、支え脚部固定部15の熱膨張率を相対的に大きく設定することによって、確実に、通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を低減することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、エミッタ1の通電加熱時における通電脚部12および通電脚部固定部14の熱変形量の合計(D1+D3)と、支え脚部13および支え脚部固定部15の熱変形量の合計(D2+D4)とが互いに近付くように、通電脚部固定部14の第1熱膨張率P1と支え脚部固定部15の第2熱膨張率P2とを互いに異ならせる。これにより、通電脚部12および通電脚部固定部14の全体の熱変形量と、支え脚部13および支え脚部固定部15の全体の熱変形量とを考慮して、それぞれの熱変形量が互いに近付くように第1熱膨張率P1および第2熱膨張率P2を設定することができる。その結果、支え脚部固定部15の熱変形量が大きすぎたり、通電脚部固定部14の熱変形量が小さすぎたりすることなく、確実かつ効果的に、通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を低減することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15を、電子放出部11に対して垂直な方向(Z方向)に延びる柱状形状に形成し、先端部でそれぞれ通電脚部12および支え脚部13と接続させる。これにより、電子放出部11に対して垂直な方向の熱変形量を容易に算出することができるので、通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を低減することが可能な通電脚部固定部14および支え脚部固定部15の材質や形状(外形寸法)を容易に得ることができる。
[第2実施形態]
次に、図5を参照して、本発明の第2実施形態によるエミッタ31(X線管装置101、図1参照)について説明する。第2実施形態では、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15が互いに異なる材質により形成されている上記第1実施形態とは異なり、通電脚部固定部34および支え脚部固定部35が互いに異なる形状に形成されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
図5に示すように、第2実施形態によるエミッタ31(X線管装置101)では、通電脚部固定部34および支え脚部固定部35は、エミッタ31の通電加熱時における、電子放出部11に対して垂直な方向の通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を低減するように、形状が互いに異なっている。
ここで、第2実施形態では、通電脚部固定部34および支え脚部固定部35は、同一の材質により形成されている。通電脚部固定部34および支え脚部固定部35の材質は、上述した材質例のうちから選定され、たとえばモリブデンである。このため、図4に示したように、通電加熱時に通電脚部固定部34および支え脚部固定部35の間(通電脚部12および支え脚部13の間)で温度差があれば、その温度差に相応する熱変形量の差分が生じることになる。
そこで、第2実施形態では、通電脚部固定部34および支え脚部固定部35は、エミッタ1の通電加熱時における通電脚部12と支え脚部13との温度差を低減するように、電子放出部11と平行な方向の断面積が互いに異なる形状を有する。より具体的には、支え脚部固定部35は、電子放出部11と平行な方向(XY方向)の断面積A2が通電脚部固定部34の電子放出部11と平行な方向の断面積A1よりも小さい部分を含む。ここで、凹部14aおよび15aの形成箇所は、それぞれ通電脚部12および支え脚部13との接続箇所であるため、除外して考えてよい。
なお、通電脚部固定部34および支え脚部固定部35の基本的形状は、上記第1実施形態と同様である。すなわち、通電脚部固定部34および支え脚部固定部35は、電子放出部11に対して垂直な方向に延びる柱状形状を有し、先端部でそれぞれ通電脚部12および支え脚部13と接続されている。図5では通電脚部固定部34および支え脚部固定部35が円柱状に形成されている例を示しているため、通電脚部固定部34および支え脚部固定部35は、直径(外径)が互いに異なることによって、断面積が互いに異なっている。
具体的には、通電脚部固定部34は、長さLおよび直径d2を有し、支え脚部固定部35は、長さLおよび直径d3を有する。通電脚部固定部34の直径d2は、支え脚部固定部35の直径d3よりも大きい(d1>d2)。したがって、凹部14a、15aの形成箇所よりもZ2方向側の部位において、支え脚部固定部35は、電子放出部11と平行な方向の断面積A2が通電脚部固定部34の電子放出部11と平行な方向の断面積A1よりも小さい。この結果、支え脚部固定部35の伝熱面積(=A2)が通電脚部固定部34の伝熱面積(=A1)よりも小さくなっている。
通電加熱により電子放出部11に発生した熱は、支え脚部13、支え脚部固定部35を介してZ2方向の端部まで伝わり、容器3などのエミッタ31の外部に放出される。そのため、支え脚部固定部35の伝熱面積A2を相対的に小さくすることによって、支え脚部固定部35の放熱性能が通電脚部固定部34の放熱性能よりも相対的に低くなり、支え脚部13および支え脚部固定部35が相対的に高温に維持されるようになる。その結果、エミッタ31の通電加熱時における通電脚部12と支え脚部13との温度差(T1−T2、図4参照)および通電脚部固定部34と支え脚部固定部35との温度差が、同一形状の場合と比較して小さくなる。このように第2実施形態のエミッタ31は、通電脚部12と支え脚部13との温度差(T1−T2)を小さくすることにより、電子放出部11に対して垂直な方向の通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を小さくするように構成されている。
第2実施形態では、一例として、通電脚部固定部34の直径d2は、支え脚部固定部35の直径d3の1.5倍に設定されている。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、エミッタ31の通電加熱時における、電子放出部11に対して垂直なZ方向の通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を低減するように、通電脚部固定部34および支え脚部固定部35の形状を互いに異ならせる。これにより、通電加熱時における通電脚部12および支え脚部13の温度差(T1−T2)を、通電脚部固定部34と支え脚部固定部35との伝熱量の差によって低減し、それによって通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を低減することができる。これにより、電子放出部11の通電加熱時における通電脚部12と支え脚部13との熱変形量に差が生じることに起因する出射面の変形を抑制することができる。
第2実施形態では、上記のように、通電脚部固定部34および支え脚部固定部35は、エミッタ31の通電加熱時における通電脚部12と支え脚部13との温度差を低減するように、電子放出部11と平行な方向の断面積が互いに異なる形状を有する。これにより、通電脚部固定部34および支え脚部固定部35の伝熱面積を互いに異ならせることにより、通電脚部12と支え脚部13との温度差を低減し、通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を低減することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、支え脚部固定部35に、電子放出部11と平行な方向の断面積A2が通電脚部固定部34の電子放出部11と平行な方向の断面積A1よりも小さい部分を設ける。これにより、通電によって通電脚部12の方が支え脚部13よりも高温になるため、支え脚部固定部35の伝熱面積A2を通電脚部固定部34の伝熱面積A1よりも小さくすることにより、通電脚部12と支え脚部13との温度差を低減することができる。その結果、通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を低減することができる。
[第3実施形態]
次に、図6を参照して、本発明の第3実施形態によるエミッタ41(X線管装置102、図1参照)について説明する。第3実施形態では、通電脚部固定部44および支え脚部固定部45の材質および形状の両方が異なっている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
図6に示すように、第3実施形態によるエミッタ41(X線管装置102)では、通電脚部固定部44および支え脚部固定部45は、エミッタ1の通電加熱時における、電子放出部11に対して垂直な方向の通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を低減するように、材質および形状の両方が互いに異なっている。
通電脚部固定部44および支え脚部固定部45の材質については、上記第1実施形態と同様である。通電脚部固定部44および支え脚部固定部45は、エミッタ1の通電加熱時における通電脚部12と支え脚部13との熱変形量の差E1(図4参照)を低減するように熱膨張率が互いに異なる材質により構成されている。すなわち、通電脚部固定部44は、第1熱膨張率P3を有する材質で形成され、支え脚部固定部45は、第2熱膨張率P4を有する材質で形成され、第1熱膨張率P3<第2熱膨張率P4となっている。
通電脚部固定部44および支え脚部固定部45の形状については、上記第2実施形態と同様である。通電脚部固定部44および支え脚部固定部45は、エミッタ1の通電加熱時における通電脚部12と支え脚部13との温度差を低減するように、電子放出部11と平行な方向(XY方向)の断面積が互いに異なる形状を有する。すなわち、支え脚部固定部45の直径d5は、通電脚部固定部44の直径d4よりも小さく、支え脚部固定部45は、電子放出部11と平行な方向の断面積A4が通電脚部固定部44の電子放出部11と平行な方向の断面積A3よりも小さい。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。第3実施形態では、上記第1実施形態および上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(シミュレーション結果の説明)
次に、図7を参照して、上記第1実施形態および上記第2実施形態の効果を確認するために行ったシミュレーションの結果について説明する。
シミュレーションは、第1実施形態によるエミッタ1(図2参照)、第2実施形態によるエミッタ31(図5参照)、および比較例によるエミッタ(図示せず)について行った。具体的には、通電加熱を行った場合における、通電脚部と電子放出部との接続箇所S1のZ方向の変位量と、支え脚部と電子放出部との接続箇所S2のZ方向の変位量とを、それぞれ算出して比較した。変位量は、Z1方向を正とし、通電加熱を行わない状態からの変位量とした。
図7に示すように、第1実施形態によるエミッタ1は、通電脚部固定部14をモリブデン、支え脚部固定部15をニッケルにより構成した。形状は、長さL、直径d1=1.24mmである。
第2実施形態によるエミッタ31は、通電脚部固定部34および支え脚部固定部35の材質を、共にモリブデンとした。通電脚部固定部34の形状は、長さL、直径d2=1.5mmである。支え脚部固定部35の形状は、長さL、直径d3=1.0mmである。
比較例によるエミッタは、通電脚部固定部および支え脚部固定部を、同一材質および同一形状により構成した。材質は、モリブデンであり、形状は、長さL、直径d=1.24mmである。
図7に示すように、比較例によるエミッタでは、通電脚部と電子放出部との接続箇所S1のZ方向の変位量が88μm、支え脚部と電子放出部との接続箇所S2のZ方向の変位量が69μmであった。変位量の差分は19μmであり、通電加熱前の状態と比較して、電子放出部の出射面に19μm分の変形(傾きあるいは歪み)が生じたことになる。
第1実施形態によるエミッタ1では、通電脚部12と電子放出部11との接続箇所S1のZ方向の変位量が92μm、支え脚部13と電子放出部11との接続箇所S2のZ方向の変位量が100μmであった。変位量の差分は8μmであり、比較例と比べて、変位量の差分が小さく抑制されることが確認された。
第2実施形態によるエミッタ31では、通電脚部12と電子放出部11との接続箇所S1のZ方向の変位量が86μm、支え脚部13と電子放出部11との接続箇所S2のZ方向の変位量が69μmであった。変位量の差分は17μmであり、比較例と比べて、変位量の差分が小さく抑制されることが確認された。
以上の比較により、通電脚部固定部14および支え脚部固定部15の材質および形状の一方を互いに異ならせることの効果が確認された。特に、第1実施形態によるエミッタ1では、相対的に低温になる支え脚部13側の変位量(100μm)が通電脚部12側の変位量(92μm)を上回っており、第1熱膨張率P1と第2熱膨張率P2との相違によって、通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1を効果的に低減できることが明らかとなった。
また、第3実施形態によるエミッタ41については、上記の結果から、第1実施形態および第2実施形態と同等以上に出射面の変形を抑制できることは明らかである。通電脚部固定部14および支え脚部固定部15の材質および形状の両方を最適化することにより、通電脚部12および支え脚部13の熱変形量の差E1をさらに低減可能であることが示唆された。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、エミッタに二対(4本)の支え脚部が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図8に示した変形例のように、エミッタが4本以外の数の支え脚部を備えていてもよい。図8の変形例によるエミッタ51は、一対(2本)の通電脚部54と、一対(2本)の支え脚部55とを備えている。
また、上記第1〜第3実施形態では、一対の通電脚部固定部同士、および2対(4本)の支え脚部固定部同士の間では、材質および形状を共通にした例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば図2において、支え脚部13aが固定された支え脚部固定部15と、支え脚部13bが固定された支え脚部固定部15とで、材質および形状の少なくとも一方を異ならせてもよい。通電脚部12と支え脚部13との間の熱変形量の差E1に比べると影響は非常に小さいものの、支え脚部13aと支え脚部13bとで形状が異なるため、これに応じて支え脚部固定部15の材質および形状の少なくとも一方を異ならせてもよい。通電脚部固定部同士についても同様である。
また、上記第1〜第3実施形態では、通電脚部固定部および支え脚部固定部を円柱状に形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、通電脚部固定部および支え脚部固定部を四角柱や多角柱などの円柱形状以外の形状に形成してもよい。また、通電脚部固定部および支え脚部固定部が円筒や角筒などの筒状形状であってもよい。また、通電脚部固定部および支え脚部固定部が折れ曲がった形状または曲線状に湾曲した形状であってもよい。
また、上記第2および第3実施形態では、円柱状の通電脚部固定部および支え脚部固定部の直径を互いに異ならせることにより、伝熱面積を互いに異ならせた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図8に示した変形例のように、通電脚部固定部54と等しい直径d6を有する支え脚部固定部55の一部に、直径が小さくなる絞り部55aを設けてもよい。絞り部55aは、通電脚部固定部54の直径d6よりも小さい直径d7を有する。これにより、支え脚部固定部55の伝熱面積(電子放出部と平行な方向の断面積)は、絞り部55aによって通電脚部固定部54の伝熱面積よりも小さくなっている。
この他、伝熱面積(電子放出部と平行な方向の断面積)を小さくする方法として、支え脚部固定部に切り欠きや、貫通孔などを形成したり、筒形状などの中空形状に形成したりしてもよい。
また、上記シミュレーションでは、第2実施形態によるエミッタ31における通電脚部固定部34の直径d2と支え脚部固定部35の直径d3とを、それぞれ1.5mmおよび1mmとした例を示したが、本発明はこれに限られない。直径d2および直径d3は、1.5mmおよび1mm以外のどのような値であってもよい。実際上は、通電脚部固定部34および支え脚部固定部35の機械的強度などの各種要因により、直径のとりうる範囲が決定されるため、その範囲内で最適な値を設定すればよい。
また、上記第2および第3実施形態では、通電脚部固定部および支え脚部固定部の形状を異ならせる一例として、直径(電子放出部と平行な方向の断面積)を異ならせる例を示したが、本発明はこれに限られない。通電脚部固定部および支え脚部固定部の形状としては、たとえばZ方向の長さLを互いに異ならせてもよい。Z方向の長さLが大きければZ方向の熱変形量も大きくなるため、通電脚部固定部および支え脚部固定部のZ方向の長さLを異ならせることによって、通電脚部と支え脚部との間の熱変形量の差を抑制することが可能である。
また、上記第1〜第3実施形態では、通電脚部および支え脚部が板形状に形成されている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、通電脚部および支え脚部を板形状以外の形状にしてもよい。
また、支え脚部固定部を通電脚部固定部よりも大きい熱膨張率を有する材料で形成したことにより、支え脚部固定部が通電脚部固定部よりも熱変形量が大きくなる場合、支え脚部固定部は、電子放出部と平行な方向の断面積が通電脚部固定部の電子放出部と平行な方向の断面積よりも大きい部分を含むように構成することで、熱変形量の差を低減することができる。
1、31、41、51 エミッタ
2 陽極
11 電子放出部
12、52 通電脚部
13(13a、13b)、53 支え脚部
14、34、44、54 通電脚部固定部
15、35、45、55 支え脚部固定部
100、101、102 X線管装置

Claims (7)

  1. X線管装置に取り付けられ、電子照射によって陽極からX線を放出させるためのエミッタであって、
    電子放出部と、
    前記電子放出部からそれぞれ延びる通電脚部および支え脚部と、
    前記通電脚部の端部を支持し前記通電脚部に電力供給を行う通電脚部固定部と、
    前記支え脚部の端部を支持する支え脚部固定部とを備え、
    前記通電脚部固定部および前記支え脚部固定部は、前記エミッタの通電加熱時における、前記電子放出部に対して垂直な方向の前記通電脚部および支え脚部の熱変形量の差を低減するように、材質および形状の少なくとも一方が互いに異なっている、エミッタ。
  2. 前記支え脚部固定部は、前記通電脚部固定部よりも大きい熱膨張率を有する材質で形成されている、請求項1に記載のエミッタ。
  3. 前記通電脚部固定部は、第1熱膨張率を有する材質で形成され、
    前記支え脚部固定部は、第2熱膨張率を有する材質で形成され、
    前記エミッタの通電加熱時における前記通電脚部および前記通電脚部固定部の熱変形量の合計と、前記支え脚部および前記支え脚部固定部の熱変形量の合計とが互いに近付くように、前記第1熱膨張率と前記第2熱膨張率とが互いに異なっている、請求項2に記載のエミッタ。
  4. 前記通電脚部固定部および前記支え脚部固定部は、前記エミッタの通電加熱時における前記通電脚部と支え脚部との温度差を低減するように、前記電子放出部と平行な方向の断面積が互いに異なる形状を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエミッタ。
  5. 前記支え脚部固定部は、前記電子放出部と平行な方向の断面積が前記通電脚部固定部の前記電子放出部と平行な方向の断面積よりも小さい部分を含む、請求項4に記載のエミッタ。
  6. 前記通電脚部固定部および前記支え脚部固定部は、前記電子放出部に対して垂直な方向に延びる柱状形状を有し、先端部でそれぞれ前記通電脚部および前記支え脚部と接続されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエミッタ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエミッタと、
    前記エミッタからの電子照射によりX線を放出する陽極とを備える、X線管装置。
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