JP5370292B2 - X線管用平板フィラメントおよびx線管 - Google Patents

X線管用平板フィラメントおよびx線管 Download PDF

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Description

この発明は、X線管用平板フィラメントおよびX線管に関する。
医療用のX線撮影装置に使用されるX線管は、電子ビームを発生させる陰極と、この陰極から発生した電子ビームが衝突することによりX線を発生させる陽極とを備える。そして、陰極には、電子放出面と、この電子放出面に接続された一対の通電用脚部とを有する平板フィラメントが使用される(特許文献1および特許文献2参照)。
図5は、このような従来の平板フィラメント71の概要図である。
この平板フィラメント71は、二箇所の屈曲部を有する電子放出面72と、この電子放出面72に接続された一対の通電用脚部73、74とを備える。この平板フィラメント71においては、一対の通電用脚部73、74は、図5に示す破線部において直角に曲げられた状態で集束電極に取り付けられる。
図6は、特許文献2に記載された平板フィラメント75の概要図である。
この平板フィラメント75は、そのライフタイムをより長くするためのものであり、同心円状の形状を有する複数の領域からなる電子放出面76と、この電子放出面76に接続された一対の通電用脚部77、78とを備える。この平板フィラメント75においても、一対の通電用脚部77、78は、図6に示す破線部において直角に曲げられた状態で集束電極に取り付けられる。
特開平5−67442号公報 米国特許6115453号明細書
上述した平板フィラメントを使用したX線管においては、平板フィラメントにおける電子放出面の大きさに対応した一定のサイズの焦点しか得られなかった。このため、このような平板フィラメントを使用した場合においては、複数の焦点寸法をもつX線管を実現することは困難である。
一方、医療用のX線撮影装置においては、X線撮影を行う被検体によって、その焦点寸法を変更することが好ましい。すなわち、例えば、細部の撮影を実行する場合には焦点寸法を小さくすることが好ましく、一方、体厚の厚い被検体の撮影を実行する場合や、陽極に対する負荷を小さくして撮影を実行する場合においては、焦点寸法を大きくすることが好ましい。
このため、単一のX線管内に複数のフィラメントを配設したX線管も使用されているが、その構成が複雑となるという問題がある。また、陰極および陽極を内部に収容する外囲器を備え、陽極が外囲器と一体となって回転する外囲器回転型のX線管においては、フィラメントを陽極および外囲器の回転中心に配置する必要があることから、フィラメントを設置すべき位置は一箇所のみであり、複数のフィラメントを配設することはできないという問題も生ずる。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、単一の平板フィラメントを使用しながら複数のサイズの焦点を形成できる熱電子を発生することが可能な平板フィラメントおよびこの平板フィラメントを使用したX線管を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、第1の電子放出面と、前記第1の電子放出面における第1の端部側に接続された第1の通電用脚部と、前記第1の電子放出面における前記第1の端部とは逆側の第2の端部側に接続された第2の通電用脚部と、前記第1の電子放出面の側方に配設され、前記第1の電子放出面と前記第1の端部側で接続された第2の電子放出面と、前記第2の電子放出面に対し、前記第2の端部側に接続された第3の通電用脚部と、前記第1の電子放出面における前記第2の電子放出面とは逆側の側方に配設され、前記第1の電子放出面と前記第2の端部側で接続された第3の電子放出面と、前記第3の電子放出面に対し、前記第1の端部側に接続された第4の通電用脚部とを備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2の電子放出面における前記第1の電子放出面との接続部付近、および、前記第3の電子放出面における前記第1の電子放出面との接続部付近には、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されている。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記放熱領域は、前記第2の電子放出面および前記第3の電子放出面に形成された孔部を有する領域である。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、前記第2の電子放出面における前記第1の電子放出面とは逆側の側方に配設され、前記第2の電子放出面と前記第2の端部側で接続された第4の電子放出面と、前記第4の電子放出面に対し、前記第1の端部側に接続された第5の通電用脚部と、前記第3の電子放出面における前記第1の電子放出面とは逆側の側方に配設され、前記第3の電子放出面と前記第1の端部側で接続された第5の電子放出面と、前記第5の電子放出面に対し、前記第2の端部側に接続された第6の通電用脚部とをさらに備える。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記第4の電子放出面における前記第2の電子放出面との接続部付近、および、前記第5の電子放出面における前記第3の電子放出面との接続部付近には、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されている。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記放熱領域は、前記第4の電子放出面および前記第5の電子放出面に形成された孔部を有する領域である。
請求項7に記載の発明は、平板フィラメントを有し電子ビームを発生させる陰極と、前記陰極から発生した電子ビームが衝突することによりX線を発生させる陽極と、を備えたX線管において、前記平板フィラメントは、第1の電子放出面と、前記第1の電子放出面における第1の端部側に接続された第1の通電用脚部と、前記第1の電子放出面における前記第1の端部とは逆側の第2の端部側に接続された第2の通電用脚部と、前記第1の電子放出面の側方に配設され、前記第1の電子放出面と前記第1の端部側で接続された第2の電子放出面と、前記第2の電子放出面に対し、前記第2の端部側に接続された第3の通電用脚部と、前記第1の電子放出面における前記第2の電子放出面とは逆側の側方に配設され、前記第1の電子放出面と前記第2の端部側で接続された第3の電子放出面と、前記第3の電子放出面に対し、前記第1の端部側に接続された第4の通電用脚部とを備えるとともに、前記第1、第2の通電用脚部と、前記第3、第4の通電用脚部とに対して選択的に加熱電流を供給する加熱電流供給部を備えたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、電子ビームを発生させる陰極と、前記陰極から発生した電子ビームが衝突することによりX線を発生させる陽極と、前記陰極から発生した電子ビームを偏向させることにより当該電子ビームが前記陽極と衝突する焦点の位置を制御する偏向コイルと、前記陰極および前記陽極を内部に収容する外囲器とを備え、前記陽極が前記外囲器と一体となって回転する外囲器回転型のX線管において、前記平板フィラメントは、第1の電子放出面と、前記第1の電子放出面における第1の端部側に接続された第1の通電用脚部と、前記第1の電子放出面における前記第1の端部とは逆側の第2の端部側に接続された第2の通電用脚部と、前記第1の電子放出面の側方に配設され、前記第1の電子放出面と前記第1の端部側で接続された第2の電子放出面と、前記第2の電子放出面に対し、前記第2の端部側に接続された第3の通電用脚部と、前記第1の電子放出面における前記第2の電子放出面とは逆側の側方に配設され、前記第1の電子放出面と前記第2の端部側で接続された第3の電子放出面と、前記第3の電子放出面に対し、前記第1の端部側に接続された第4の通電用脚部と、を備えるとともに、前記第1、第2の通電用脚部と、前記第3、第4の通電用脚部とに対して選択的に加熱電流を供給する加熱電流供給部を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、第1、第2の通電用脚部と、第3、第4の通電用脚部とに対して選択的に加熱電流を供給することにより、異なる寸法の焦点を形成できる熱電子を発生することが可能となる。このため、単一のフィラメントを使用しながら異なる焦点寸法でX線を照射するX線管を実現することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、熱伝導が小さくなる放熱領域の作用により、第1、第2の通電用脚部に通電を行ったときに、第1の電子放出面に生じた熱エネルギーが第2の電子放出面および第3の電子放出面に逃げる割合を減少させることが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、焦点形状を変化させることなく、第1の電子放出面に生じた熱エネルギーが第2の電子放出面および第3の電子放出面に逃げる割合を減少させることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、第1、第2の通電用脚部と、第3、第4の通電用脚部と、第5、第6の通電用脚部とに対して選択的に加熱電流を供給することにより、異なる三種類の寸法の焦点を形成できる熱電子を発生することが可能となる。このため、単一のフィラメントを使用しながら異なる三種類の焦点寸法でX線を照射するX線管を実現することが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、熱伝導が小さくなる放熱領域の作用により、第1の電子放出面に生じた熱エネルギーが第2の電子放出面および第3の電子放出面に逃げ、あるいは、第2の電子放出面および第3の電子放出面に生じた熱エネルギーが第4の電子放出面および第5の電子放出面に逃げる割合を減少させることが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、焦点形状を変化させることなく、第1の電子放出面に生じた熱エネルギーが第2の電子放出面および第3の電子放出面に逃げ、あるいは、第2の電子放出面に生じた熱エネルギーが第4の電子放出面および第5の電子放出面に逃げる割合を減少させることが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、加熱電流供給部により第1、第2の通電用脚部と第3、第4の通電用脚部とに対して選択的に加熱電流を供給することで、異なる寸法の焦点を形成できる熱電子を発生することが可能となる。このため、単一のフィラメントを使用しながら異なる焦点寸法でX線を照射するX線管を実現することが可能となる。
請求項8記載の発明によれば、陰極および陽極を内部に収容する外囲器を備え、陽極が外囲器と一体となって回転する外囲器回転型のX線管において、陽極および外囲器の回転中心に第1、第2、第3の電子放出面を備えたフィラメントを配置することにより、加熱電流供給部により第1、第2の通電用脚部と第3、第4の通電用脚部とに対して選択的に加熱電流を供給することで、異なる寸法の焦点を形成できる熱電子を発生することが可能となる。このため、外囲器回転型のX線管において、単一のフィラメントを使用しながら異なる焦点寸法でX線を照射するX線管を実現することが可能となる。
この発明に係るX線管1の概要図である。 この発明の第1実施形態に係る平板フィラメント13aを加熱電流供給部100とともに示す説明図である。 この発明の第2実施形態に係る平板フィラメント13bを加熱電流供給部100とともに示す説明図である。 この発明の第3実施形態に係る平板フィラメント13cを加熱電流供給部100とともに示す説明図である。 従来の平板フィラメント71の概要図である。 従来の平板フィラメント75の概要図である。
図1は、この発明に係るX線管1の概要図である。
このX線管1は外囲器回転型のものであり、その内部が真空排気された外囲器11を備える。この外囲器11内には、高温に加熱され熱電子を放出するこの発明に係る平板フィラメント13と、この平板フィラメント13を溝の中に取り付けた集束電極14とから構成され、電子ビームAを発生させる陰極15が配設されている。また、この陰極15と対向する外囲器11の端面には、陰極15から発生した電子ビームAが衝突することによりX線Bを発生させる陽極21が配設されている。陰極15および陽極21には、図示を省略したスリップリング機構により、陰極側回転軸16および陽極側回転軸18を介して高電圧が印加される。なお、陰極側回転軸16および陽極側回転軸18は、各々、軸受17、19により軸支されている。そして、外囲器11は、図示しないモータの駆動により、陰極15および陽極21とともに、陰極側回転軸16および陽極側回転軸18を中心に回転する。
加熱された平板フィラメント13において発生した熱電子は集束電極14により集束され、陰極15より電子ビームAが発生する。この電子ビームAは、高電圧が作る電界の作用により陽極21に向けて加速される。そして、この電子ビームAは、外囲器11の外周部に設けられた偏向コイル12の作用により偏向され、陽極21のターゲットディスク傾斜部22に対して焦点Fにおいて衝突し、X線Bを発生させる。このX線Bは、外囲器11に形成された放射口23から外部に放射される。電子ビームAが陽極21に衝突する焦点Fの位置は、偏向コイル12に印加する電流を制御することにより変更することができる。
図2は、この発明の第1実施形態に係る平板フィラメント13aを加熱電流供給部100とともに示す説明図である。
この平板フィラメント13aは、第1の電子放出面31と、この第1の電子放出面31における第1の端部側(図2における右側)に接続された第1の通電用脚部41と、第1の電子放出面31における第1の端部とは逆側(図2における左側)の第2の端部側に接続された第2の通電用脚部42と、第1の電子放出面31の側方(図2における上側)に配設され、第1の電子放出面31と第1の端部側で接続された第2の電子放出面32と、この第2の電子放出面32に対し、第2の端部側に接続された第3の通電用脚部43と、第1の電子放出面31における第2の電子放出面32とは逆側の側方(図2における下側)に配設され、第1の電子放出面31と第2の端部側で接続された第3の電子放出面33と、この第3の電子放出面33に対し、第1の端部側に接続された第4の通電用脚部44とを備える。この平板フィラメント13aにおいては、第1、第2、第3、第4の通電用脚部41、42、43、44は、図2に示す破線部において直角に曲げられた状態で集束電極14に取り付けられる。
第2の電子放出面32における第1の電子放出面31との接続部付近には、孔部36が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されている。また、同様に、第3の電子放出面33における第1の電子放出面31との接続部付近には、孔部37が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されている。
また、第1の通電用脚部41、第2の通電用脚部42、第3の通電用脚部43および第4の通電用脚部44は、各々、加熱電流供給部100と接続されている。加熱電流供給部100は、X線管1を制御する制御部からの信号を受け、第1、第2の通電用脚部41、42と、第3、第4の通電用脚部43、44とに対して選択的に加熱電流を供給する構成を有する。
以上のような構成を有する平板フィラメント13aにおいては、第1の通電用脚部41と第2の通電用脚部42とに加熱用電流を供給した場合には、第1の電子放出面31が加熱され、この第1の電子放出面31から熱電子が放出される。一方、第3の通電用脚部43と第4の通電用脚部44とに加熱用電流を供給した場合には、第1の電子放出面31、第2の電子放出面32および第3の電子放出面33の全体が加熱され、この第1、第2、第3の電子放出面31、32、33から熱電子が放出される。
このため、加熱電流供給部100により第1、第2の通電用脚部41、42と、第3、第4の通電用脚部43、44とに対して選択的に加熱電流を供給することにより、異なる寸法の焦点を形成できる熱電子を発生することが可能となる。従って、陽極21および外囲器11の回転中心に配置された単一の平板フィラメント13aを使用しながら、異なる焦点寸法でX線を照射するX線管1を実現することが可能となる。
なお、この平板フィラメント13aにおいては、第1の通電用脚部41と第2の通電用脚部42とに加熱用電流を供給した場合には、第1の電子放出面31が加熱されるが、第2の電子放出面32および第3の電子放出面33は加熱されない。このため、第1の電子放出面31に生じた熱エネルギーが第2の電子放出面32および第3の電子放出面33に逃げることも考えられる。
しかしながら、第2の電子放出面32における第1の電子放出面31との接続部付近には、孔部36が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されており、また、第3の電子放出面33における第1の電子放出面31との接続部付近には、孔部37が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されている。このため、熱が逃げる経路となる第2、第3の電子放出面32、33における熱の通路の断面積を減少させることにより、第1の電子放出面31に生じた熱エネルギーが第2の電子放出面32および第3の電子放出面33に逃げる割合を減少させることが可能となる。
これらの孔部36、37の大きさや第2、第3の電子放出面32、33の幅や第1の通電用脚部41と第2の通電用脚部42の幅を、第1の電子放出面31と第2の電子放出面32および第3の電子放出面33との熱勾配等を考慮して調整することで、平板フィラメント13aに生ずる温度分布を制御することが可能となる。
なお、上述した実施形態においては、第2、第3の電子放出面32、33に孔部36、37を穿設することにより、熱伝導が小さくなる放熱領域を形成している。しかしながら、これらの孔部36、37に換えて、第2、第3の電子放出面32、33に対してその幅が小さくなるようにその両側から凹部を形成することにより、熱伝導が小さくなる領域を形成してもよい。但し、この場合には、第2、第3の電子放出面32、33の外形形状が変化することから、焦点形状が変化する可能性がある。
次に、この発明に係る平板フィラメントの他の実施形態について説明する。図3は、この発明の第2実施形態に係る平板フィラメント13bを加熱電流供給部100とともに示す説明図である。
この平板フィラメント13bは、同心円状の形状を有する複数の領域からなる第1の電子放出面51と、この第1の電子放出面51における第1の端部側(図3における右側)に接続された第1の通電用脚部61と、第1の電子放出面51における第1の端部とは逆側(図3における左側)の第2の端部側に接続された第2の通電用脚部62と、第1の電子放出面51の側方(図3における下側)に配設され、第1の電子放出面51と第1の端部側で接続された第2の電子放出面52と、この第2の電子放出面52に対し、第2の端部側に接続された第3の通電用脚部63と、第1の電子放出面51における第2の電子放出面52とは逆側の側方(図3における上側)に配設され、第1の電子放出面51と第2の端部側で接続された第3の電子放出面53と、この第3の電子放出面53に対し、第1の端部側に接続された第4の通電用脚部64とを備える。この平板フィラメント13bにおいては、第1、第2、第3、第4の通電用脚部61、62、63、64は、図3に示す破線部において直角に曲げられた状態で集束電極14に取り付けられる。
第2の電子放出面52における第1の電子放出面51との接続部付近には、孔部56が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されている。また、同様に、第3の電子放出面53における第1の電子放出面51との接続部付近には、孔部57が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されている。また、第1の通電用脚部61には、孔部58が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されている。さらに、第2の通電用脚部62には、孔部59が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されている。
また、第1の通電用脚部61、第2の通電用脚部62、第3の通電用脚部63および第4の通電用脚部64は、各々、加熱電流供給部100と接続されている。加熱電流供給部100は、X線管1を制御する制御部からの信号を受け、第1、第2の通電用脚部61、62と、第3、第4の通電用脚部63、64とに対して選択的に加熱電流を供給する構成を有する。
以上のような構成を有する平板フィラメント13bにおいても、第1実施形態に係る平板フィラメント13aと同様、第1の通電用脚部61と第2の通電用脚部62とに加熱用電流を供給した場合には、第1の電子放出面51が加熱され、この第1の電子放出面51から熱電子が放出される。一方、第3の通電用脚部63と第4の通電用脚部64とに加熱用電流を供給した場合には、第1の電子放出面51、第2の電子放出面52および第3の電子放出面53の全体が加熱され、この第1、第2、第3の電子放出面51、52、53から熱電子が放出される。
このため、加熱電流供給部100により第1、第2の通電用脚部61、62と、第3、第4の通電用脚部63、64とに対して選択的に加熱電流を供給することにより、異なる寸法の焦点を形成できる熱電子を発生することが可能となる。従って、陽極21および外囲器11の回転中心に配置された単一の平板フィラメント13bを使用しながら、異なる焦点寸法でX線を照射するX線管1を実現することが可能となる。
また、この第2実施形態に係る平板フィラメント13bにおいても、第2の電子放出面52における第1の電子放出面51との接続部付近には、孔部56が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されており、また、第3の電子放出面53における第1の電子放出面51との接続部付近には、孔部57が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されている。このため、熱が逃げる経路となる第2、第3の電子放出面52、53における熱の通路の断面積を減少させることにより、第1の電子放出面51に生じた熱エネルギーが第2の電子放出面52および第3の電子放出面53に逃げる割合を減少させることが可能となる。
次に、この発明に係る平板フィラメントのさらに他の実施形態について説明する。図4は、この発明の第3実施形態に係る平板フィラメント13cを加熱電流供給部100とともに示す説明図である。
この第3実施形態に係る平板フィラメント13cは、図2に示す平板フィラメント13aに対して、第2の電子放出面32における第1の電子放出面31とは逆側の側方(図4における上側)に配設され、第2の電子放出面32と第2の端部側(図4における左側)で接続された第4の電子放出面34と、この第4の電子放出面34に対し、第1の端部側(図4における右側)に接続された第5の通電用脚部45と、第3の電子放出面33における第1の電子放出面31とは逆側の側方(図4における下側)に配設され、第3の電子放出面33と第1の端部側で接続された第5の電子放出面35と、この第5の電子放出面35に対し、第2の端部側に接続された第6の通電用脚部46とをさらに備えた構成を有する。この平板フィラメント13cにおいては、第1、第2、第3、第4、第5、第6の通電用脚部41、42、43、44、45、46は、図4に示す破線部において直角に曲げられた状態で集束電極14に取り付けられる。
第4の電子放出面34における第2の電子放出面32との接続部付近には、孔部38が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されている。また、同様に、第5の電子放出面35における第3の電子放出面33との接続部付近には、孔部39が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されている。
また、第1の通電用脚部41、第2の通電用脚部42、第3の通電用脚部43、第4の通電用脚部44、第5の通電用脚部45および第6の通電用脚部46は、各々、加熱電流供給部100と接続されている。加熱電流供給部100は、X線管1を制御する制御部からの信号を受け、第1、第2の通電用脚部41、42と、第3、第4の通電用脚部43、44と、第5、第6の通電用脚部45、46に対して選択的に加熱電流を供給する構成を有する。
以上のような構成を有する平板フィラメント13cにおいては、第1の通電用脚部41と第2の通電用脚部42とに加熱用電流を供給した場合には、第1の電子放出面31が加熱され、この第1の電子放出面31から熱電子が放出される。一方、第3の通電用脚部43と第4の通電用脚部44とに加熱用電流を供給した場合には、第1の電子放出面31、第2の電子放出面32および第3の電子放出面33が加熱され、この第1、第2、第3の電子放出面31、32、33から熱電子が放出される。さらに、第5の通電用脚部45と第6の通電用脚部46とに加熱用電流を供給した場合には、第1の電子放出面31、第2の電子放出面32、第3の電子放出面33、第4の電子放出面34および第5の電子放出面35の全体が加熱され、この第1、第2、第3、第4、第5の電子放出面31、32、33、34、35から熱電子が放出される。
このため、加熱電流供給部100により第1、第2の通電用脚部31、32と、第3、第4の通電用脚部43、44と、第5、第6の通電用脚部45、46とに対して選択的に加熱電流を供給することにより、異なる三種類の寸法の焦点を形成できる熱電子を発生することが可能となる。従って、陽極21および外囲器11の回転中心に配置された単一の平板フィラメント13cを使用しながら、異なる三種類の焦点寸法でX線を照射するX線管1を実現することが可能となる。
また、この実施形態に係る平板フィラメント13cにおいては、第4の電子放出面34における第2の電子放出面32との接続部付近には、孔部38が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されており、また、第5の電子放出面35における第3の電子放出面33との接続部付近には、孔部39が形成されることにより、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されている。このため、熱が逃げる経路となる第4、第5の電子放出面34、35における熱の通路の断面積を減少させることにより、第2の電子放出面32に生じた熱エネルギーが第4の電子放出面34に、また、第3の電子放出面33に生じた熱エネルギーが第5の電子放出面35に逃げる割合を減少させることが可能となる。
1 X線管
11 外囲器
12 偏向コイル
13 平板フィラメント
14 集束電極
15 陰極
16 陰極側回転軸
18 陽極側回転軸
21 陽極
22 ターゲットディスク傾斜部
31 第1の電子放出面
32 第2の電子放出面
33 第3の電子放出面
34 第4の電子放出面
35 第5の電子放出面
36 孔部
37 孔部
38 孔部
39 孔部
41 第1の通電用脚部
42 第2の通電用脚部
43 第3の通電用脚部
44 第4の通電用脚部
45 第5の通電用脚部
46 第6の通電用脚部
51 第1の電子放出面
52 第2の電子放出面
53 第3の電子放出面
56 孔部
57 孔部
61 第1の通電用脚部
62 第2の通電用脚部
63 第3の通電用脚部
64 第4の通電用脚部
100 加熱電流供給部
A 電子ビーム
B X線

Claims (8)

  1. 第1の電子放出面と、
    前記第1の電子放出面における第1の端部側に接続された第1の通電用脚部と、
    前記第1の電子放出面における前記第1の端部とは逆側の第2の端部側に接続された第2の通電用脚部と、
    前記第1の電子放出面の側方に配設され、前記第1の電子放出面と前記第1の端部側で接続された第2の電子放出面と、
    前記第2の電子放出面に対し、前記第2の端部側に接続された第3の通電用脚部と、
    前記第1の電子放出面における前記第2の電子放出面とは逆側の側方に配設され、前記第1の電子放出面と前記第2の端部側で接続された第3の電子放出面と、
    前記第3の電子放出面に対し、前記第1の端部側に接続された第4の通電用脚部と、
    を備えたことを特徴とするX線管用平板フィラメント。
  2. 請求項1に記載のX線管用平板フィラメントにおいて、
    前記第2の電子放出面における前記第1の電子放出面との接続部付近、および、前記第3の電子放出面における前記第1の電子放出面との接続部付近には、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されたX線管用平板フィラメント。
  3. 請求項2に記載のX線管用平板フィラメントにおいて、
    前記放熱領域は、前記第2の電子放出面および前記第3の電子放出面に形成された孔部を有する領域であるX線管用平板フィラメント。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のX線管用平板フィラメントにおいて、
    前記第2の電子放出面における前記第1の電子放出面とは逆側の側方に配設され、前記第2の電子放出面と前記第2の端部側で接続された第4の電子放出面と、
    前記第4の電子放出面に対し、前記第1の端部側に接続された第5の通電用脚部と、
    前記第3の電子放出面における前記第1の電子放出面とは逆側の側方に配設され、前記第3の電子放出面と前記第1の端部側で接続された第5の電子放出面と、
    前記第5の電子放出面に対し、前記第2の端部側に接続された第6の通電用脚部と、
    をさらに備えるX線管用平板フィラメント。
  5. 請求項4に記載のX線管用平板フィラメントにおいて、
    前記第4の電子放出面における前記第2の電子放出面との接続部付近、および、前記第5の電子放出面における前記第3の電子放出面との接続部付近には、熱伝導が小さくなる放熱領域が形成されたX線管用平板フィラメント。
  6. 請求項5に記載のX線管用平板フィラメントにおいて、
    前記放熱領域は、前記第4の電子放出面および前記第5の電子放出面に形成された孔部を有する領域であるX線管用平板フィラメント。
  7. 平板フィラメントを有し電子ビームを発生させる陰極と、前記陰極から発生した電子ビームが衝突することによりX線を発生させる陽極と、を備えたX線管において、
    前記平板フィラメントは、
    第1の電子放出面と、
    前記第1の電子放出面における第1の端部側に接続された第1の通電用脚部と、
    前記第1の電子放出面における前記第1の端部とは逆側の第2の端部側に接続された第2の通電用脚部と、
    前記第1の電子放出面の側方に配設され、前記第1の電子放出面と前記第1の端部側で接続された第2の電子放出面と、
    前記第2の電子放出面に対し、前記第2の端部側に接続された第3の通電用脚部と、
    前記第1の電子放出面における前記第2の電子放出面とは逆側の側方に配設され、前記第1の電子放出面と前記第2の端部側で接続された第3の電子放出面と、
    前記第3の電子放出面に対し、前記第1の端部側に接続された第4の通電用脚部と、
    を備えるとともに、
    前記第1、第2の通電用脚部と、前記第3、第4の通電用脚部とに対して選択的に加熱電流を供給する加熱電流供給部を備えたことを特徴とするX線管。
  8. 電子ビームを発生させる陰極と、前記陰極から発生した電子ビームが衝突することによりX線を発生させる陽極と、前記陰極から発生した電子ビームを偏向させることにより当該電子ビームが前記陽極と衝突する焦点の位置を制御する偏向コイルと、前記陰極および前記陽極を内部に収容する外囲器とを備え、前記陽極が前記外囲器と一体となって回転する外囲器回転型のX線管において、
    前記平板フィラメントは、
    第1の電子放出面と、
    前記第1の電子放出面における第1の端部側に接続された第1の通電用脚部と、
    前記第1の電子放出面における前記第1の端部とは逆側の第2の端部側に接続された第2の通電用脚部と、
    前記第1の電子放出面の側方に配設され、前記第1の電子放出面と前記第1の端部側で接続された第2の電子放出面と、
    前記第2の電子放出面に対し、前記第2の端部側に接続された第3の通電用脚部と、
    前記第1の電子放出面における前記第2の電子放出面とは逆側の側方に配設され、前記第1の電子放出面と前記第2の端部側で接続された第3の電子放出面と、
    前記第3の電子放出面に対し、前記第1の端部側に接続された第4の通電用脚部と、
    を備えるとともに、
    前記第1、第2の通電用脚部と、前記第3、第4の通電用脚部とに対して選択的に加熱電流を供給する加熱電流供給部を備えたことを特徴とするX線管。
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