JP2008128977A - 電子線照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電子線透過ユニットにおいて、隣り合う電子線透過部材間のフレーム部分が発熱するのを抑制することができる電子線照射装置を提供する。
【解決手段】 電子線照射装置1では、電子銃10から出射された電子線EBは、電子線通過孔2を通過する際に集束コイル6によって集束されて、Y軸方向に並んだ複数の電子線透過部材21を有する電子線透過ユニット20に照射される。このとき、集束コイル6によって集束されて電子線通過孔2を通過する電子線EBは、電子線透過ユニット20において、電子線透過部材21に電子線EBが照射される時間より、隣り合う電子線透過部材21,21間のフレーム部分20aに電子線EBが照射される時間が短くなるように、偏向コイル7及び制御部9によってY軸方向に偏向される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子線照射装置に関する。
従来の電子線照射装置として、電子線通過孔を形成するチャンバと、チャンバの一端側に設けられ、電子線を出射する電子銃と、チャンバの他端側に設けられ、複数の電子線透過部材を有する電子線透過ユニットと、を備えるものが存在する(例えば、特許文献1参照)。このような電子線照射装置は、電子銃から出射された電子線が全ての電子線透過部材を順次透過するように偏向されるため、電子線を照射すべき領域が比較的広い場合に特に有効である。なお、電子線透過ユニットに複数の電子線透過部材が設けられるのは、電子線透過部材が一般的にベリリウム等からなる厚さ10μm程度の薄膜であって破損し易いことに鑑み、各電子線透過部材を小面積化して、電子線透過部材の破損を防止するためである。
特開2004−239920号公報
しかしながら、上述したような電子線照射装置には、次のような問題が存在する。すなわち、電子銃から出射された電子線が全ての電子線透過部材を順次透過するように偏向される際に、電子線透過ユニットにおいては、電子線透過部材だけでなく、隣り合う電子線透過部材間のフレーム部分にも電子線が照射されることになる。そのため、隣り合う電子線透過部材間のフレーム部分が発熱し、最悪の場合、溶融するおそれがある。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電子線透過ユニットにおいて、隣り合う電子線透過部材間のフレーム部分が発熱するのを抑制することができる電子線照射装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電子線照射装置は、電子線通過孔を形成するチャンバと、チャンバの一端側に設けられ、電子線を出射する電子銃と、チャンバの他端側に設けられ、所定の方向に並んだ複数の電子線透過部材を有する電子線透過ユニットと、電子銃から出射されて電子線通過孔を通過する電子線を集束する集束手段と、集束手段によって集束されて電子線通過孔を通過する電子線を所定の方向に偏向する偏向手段と、電子線透過ユニットにおいて、電子線透過部材に電子線が照射される時間より、隣り合う電子線透過部材間のフレーム部分に電子線が照射される時間が短くなるように、偏向手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
この電子線照射装置では、電子銃から出射された電子線は、電子線通過孔を通過する際に集束手段によって集束されて、所定の方向に並んだ複数の電子線透過部材を有する電子線透過ユニットに照射される。このとき、集束手段によって集束されて電子線通過孔を通過する電子線は、電子線透過ユニットにおいて、電子線透過部材に電子線が照射される時間より、隣り合う電子線透過部材間のフレーム部分に電子線が照射される時間が短くなるように、偏向手段及び制御手段によって所定の方向に偏向される。従って、各電子線透過部材を介して電子線を確実に外部へ出射することができると共に、電子線透過ユニットにおいて、隣り合う電子線透過部材間のフレーム部分が発熱するのを抑制することができる。
本発明に係る電子線照射装置においては、集束手段は、電子線透過部材に照射される電子線の像が電子線透過部材に含まれる大きさとなるように、電子線を集束することが好ましい。これにより、電子線透過ユニットにおいて、隣り合う電子線透過部材間のフレーム部分に電子線が照射されるのをより一層抑制することができる。
本発明に係る電子線照射装置においては、電子線透過ユニットは、他端面に電子線透過部材が取り付けられた基板を有し、基板において電子線透過部材に対向する部分には、開口が形成されており、基板の一端面において電子線通過孔の他端に対向する部分には、凹部が形成されていることが好ましい。この場合、基板において電子線通過孔の他端に対向する部分の厚さは、基板においてチャンバに取り付けられる部分の厚さより薄くなる。これにより、基板とチャンバとの取付強度を維持することができると共に、電子線が基板の開口を通って電子線透過部材に向かう際に電子線が基板に照射されて基板が発熱するのを抑制することができる。更に、基板において電子線通過孔の他端に対向する部分は、チャンバの外部側に片寄ることになる。これにより、基板からチャンバの外部へ熱を効率良く放出することができる。
本発明に係る電子線照射装置においては、開口における少なくとも基板の一端面側の部分は、基板の一端面側に向かって末広がりの形状となっていることが好ましい。これにより、電子線が基板の開口を通って電子線透過部材に向かう際に電子線が基板に照射されて基板が発熱するのをより一層抑制することができる。
本発明に係る電子線照射装置においては、基板は、真鍮からなることが好ましい。真鍮は熱伝導率が高いため、基板の一部に電子線が照射されたとしても、熱が基板全体に拡散し易い。従って、電子線が照射された基板の一部が溶融するような事態を防止することができる。なお、基板が真鍮からなる場合には、基板が例えばアルミニウムからなる場合に比べ、基板の強度を高くすることができる。
本発明に係る電子線照射装置においては、基板は、チャンバに対して着脱自在となっており、電子線透過部材は、基板に対して着脱自在となっていることが好ましい。これにより、例えば1個の電子線透過部材が破損した場合に、電子線透過ユニットをチャンバから取り外して、新たな電子線透過ユニットをチャンバに取り付けることができる。そして、チャンバから取り外した電子線透過ユニットにおいて、破損した電子線透過部材を基板から取り外して、新たな電子線透過部材を取り付けることができる。
本発明によれば、電子線透過ユニットにおいて、隣り合う電子線透過部材間のフレーム部分が発熱するのを抑制することができる。
以下、本発明に係る電子線照射装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示されるように、電子線照射装置1は、電子線通過孔2を形成するチャンバ3と、電子線通過孔2の後端(一端)2aを塞ぐようにチャンバ3に気密に取り付けられた電子銃10と、電子線通過孔2の前端(他端)2bを塞ぐようにチャンバ3に気密に取り付けられた電子線透過ユニット20と、を備えている。電子銃10は、カソード11から放出された電子線EBをZ軸方向に出射する。電子銃10から出射された電子線EBは、電子線透過ユニット20に向かって電子線通過孔2を通過する。電子線透過ユニット20は、Y軸方向(所定の方向)に並んだ複数(ここでは5個)の電子線透過部材21を有している。なお、電子線照射装置1によって電子線EBが照射される側を前側、その反対側を後側とする。
このような電子線照射装置1は、電子銃10から出射された電子線EBが全ての電子線透過部材21を順次透過するようにY軸方向に偏向されるため、電子線EBを照射すべき領域が比較的広い場合に特に有効である。例えば、電子線照射装置1は、窒素等の不活性ガス中においてライン上を流れる照射対象物に電子線EBを照射し、照射対象物の乾燥、殺菌、表面改質等を行うために使用される。
チャンバ3は、電子銃10が取り付けられるチャンバ3と、電子線透過ユニット20が取り付けられるチャンバ3と、を有している。チャンバ3は、金属により円柱状に形成されている。チャンバ3が形成する電子線通過孔2の断面は円形状であり、電子線通過孔2は、前側の小径部と後側の大径部とが接続された形状となっている。一方、チャンバ3は、金属により台形板状に形成されている。チャンバ3が形成する電子線通過孔2の断面は、Y軸方向を長手方向とする長方形状であり、電子線通過孔2は、前側に向かってY軸方向のみに末広がりの形状となっている。
チャンバ3の後端部には、金属により円板状に形成されたフランジ4が設けられており、フランジ4の後面は、チャンバ3の前端面と接触している。チャンバ3は、チャンバ3に対してZ軸回りに回転自在となっており、フランジ4を貫通するボルト5によってチャンバ3に所望の角度で固定される。
チャンバ3には、電子線通過孔2の小径部を挟んで対になるようにアライメントコイル6及び集束コイル(集束手段)6が配置されている。電子銃10から出射されて電子線通過孔2を通過する電子線EBは、アライメントコイル6によって、電子銃部10や電子線EBの通過経路を構成する各部材の機械的な中心のズレや、各構成部材の残留磁気及び設置場所周辺の磁界等の影響による、所望の通過経路(電子線通過孔2の中心軸)に対しての電子線EBのズレを補正した後、集束コイル6によって電子線透過部材21に対して集束される。また、フランジ4の前面には、偏向コイル(偏向手段)7が配置されている。集束コイル6によって集束されて電子線通過孔2を通過する電子線EBは、偏向コイル7によってY軸方向に偏向される。
チャンバ3には、電子線通過孔2と真空ポンプ(図示せず)とを接続する排気管8が形成されている。これにより、チャンバ3内(すなわち、電子線通過孔2)が真空引きされる。また、電子線照射装置1は、その全体を制御する制御部(制御手段)9を備えている。
電子銃10は、金属により直方体状に形成されたケース12と、絶縁ブロック13と、高耐圧型のコネクタ14と、を有している。
ケース12は、チャンバ3の後端部に気密に固定されている。ケース12の前壁には、ケース12内とチャンバ3内とを連通させる開口12aが設けられている。また、ケース12の側壁には、コネクタ14を取り付けるための開口12bが設けられている。開口12bの周りのケース12の内面には凹凸部分が設けられており、絶縁ブロック13との結合強度の確保が図られている。
絶縁ブロック13は、絶縁性材料(例えば、エポキシ樹脂等)からなり、コネクタ14からカソード11への電力供給経路を外部から絶縁している。絶縁ブロック13は、ケース12内に収容された基部13aと、基部13aから開口12aを通って電子線通過孔2の大径部内に突出し、Z軸方向において前端部が電子線通過孔2の小径部の後端に対向する突出部13bと、を有している。基部13aは、ケース12の内部空間の大部分を占めており、ケース12の開口12a側及び開口12b側の内面と接触している。また、基部13aにおいてケース12の内面と接触しない部分には、導電性材料からなるフィルム15が貼り付けられており、フィルム15が接地電位であるケース12と電気的に接続されることで、ケース12の内面に面する絶縁ブロック13の表面電位を接地電位とすることができ、動作時の安定性を向上させることができる。
コネクタ14は、電子線照射装置1の外部の電源装置からカソード11に高電圧を供給するためのものである。コネクタ14は、ケース12の側壁の開口12bに差し込まれ、コネクタ14の先端が絶縁ブロック13の中心付近に位置した状態で絶縁ブロック7中に埋没されて固定されている。コネクタ14の先端部の外周面には凹凸部分が設けられており、絶縁ブロック13との結合強度の確保が図られている。
コネクタ14の基端部には、電源装置と接続された外部配線の先端を保持する電源用プラグが挿入される挿入口14aが設けられている。また、コネクタ14の先端には、1対の内部配線16,16が接続されている。内部配線16,16は、コネクタ14の先端から基部13aの中心に向かって延在すると共に、基部13aの中心で折り曲げられて突出部13bの前端部まで延在している。内部配線16,16には、突出部13bの前端部に埋設されたソケット31,31が接続されており、ソケット31,31には、突出部13bの前端面から突出した前端部にカソード11が掛け渡された給電用ピン32,32が結合されている。なお、給電用ピン32,32は、突出部13bの前端面上に配置されたセラミック板33を貫通して、セラミック板33にロウ付け等により固定されている。
カソード11は、電子線EBとなる電子を放出する薄板状部材である。すなわち、カソード11は、電子線EBを放出するために用いられる電源装置とは別の加熱用電源装置によって、内部配線16,16、ソケット31,31及び給電用ピン32,32を介して、電子放出部11a(図2参照)が電子を放出可能な温度まで通電加熱される。その後、カソード11は、電源装置によって、内部配線16の一方に高電圧が印加されることで、電子線EBとなる電子を放出する。カソード11の周囲には、いわゆるグリッドである中間電極17が設けられている。中間電極17は、所定の電圧が印加されることで、カソード11から放出された電子を引き出して電子線EBを集束する電界を発生させる。なお、中間電極17に対する所定の電圧印加には、内部配線16のいずれかと突出部13bの先端付近において電気的に接続させることで、簡易的に中間電極17へカソード11と同じ電位を与えてもよいし、内部配線16,16と同様にコネクタ14から内部配線を設けてもよい。これにより、電子線EBが電子銃10からZ軸方向前側に出射される。
図2,3に示されるように、突出部13bの前端面には、給電用ピン32,32が貫通して固定されたセラミック板33が配置されている。セラミック板33上には、給電用ピン32,32の前端部を包囲する包囲部材18が配置されており、包囲部材18の前端面には、包囲部材18の開口の前端を覆い塞ぐ薄板状の蓋部材19が配置されている。包囲部材18及び蓋部材19は、金属からなり、中間電極17と接触している。これにより、包囲部材18及び蓋部材19は、中間電極17と同電位となる。なお、カソード11、包囲部材18、蓋部材19、給電用ピン32,32及びセラミック板33は、一体的にユニット化されている。そのため、カソード11の交換の際には、このユニットごと交換することができる。従って、蓋部材19に対するカソード11の位置決め等の煩雑な調整をすることなく、カソード11を容易に交換することが可能となる。
カソード11は、高融点金属(例えば、タングステン、モリブデン、レニウム、ニオブ、タンタル、酸化トリウム等)や合金(例えば、タングステンに酸化トリウムを混合したトリエテッド・タングステン等)により薄板状に形成され、蓋部材19に設けられた長方形状のアパーチャ19aに臨む長方形状の電子放出部11aを有している。アパーチャ19aは、Z軸方向から見て、電子放出部11aの前面を含むように設けられている。また、その形状は電子放出部11aの前面と相似形であり、アパーチャ19aの縁部と、電子放出部11aの前面の縁部とが接触しない範囲内で、その間隔が狭くなっている。電子放出部11aの後側には、一方の給電用ピン32に支持された反射板11bが電子放出部11aと0.5mm〜1.5mmの間隔をとって配置されている。また、電子放出部11aの前面と蓋部材19の前面とが略同一平面上に位置しているため、中間電極17によって発生させられる電界が電子放出部11aの前面に同等に作用し、電子放出部11aの前面から電子が略均一に放出される。なお、電子放出部11aから放出された電子のうち、電子放出部11aの前面からの電子は、そのままZ軸方向前側に放出される。一方、電子放出部11aの後面および側面からも電子は放出されるが、それらの電子のうち、その進行方向が大きく広がったものはアパーチャ19aを通過することなく蓋部材19により遮断されるために、放出される電子の意図しない広がりを抑制することで電子線EBの形状を保持することができる。また、反射板11bは、電子放出部11aの後面から放出された電子の一部をZ軸方向側に反射し、更にその一部が、アパーチャ19aと電子放出部11aの隙間からZ軸方向側に放出される。そのため、特に大電流の取り出しが必要な用途において、必要に応じて配置されている。
図4〜6に示されるように、電子線透過ユニット20は、真鍮により長方形板状に形成された基板22を有している。基板22は、その後端面(一端面)22aが接触するように、チャンバ3の前端面にOリング23を介して気密に取り付けられている。基板22の前端面(他端面)22bには、電子線透過部材21が固定された枠部材24がOリング25を介して気密に取り付けられている。基板22は、チャンバ3に対してボルト26によって着脱自在となっており、電子線透過部材21は、基板22に対してボルト27によって着脱自在となっている。
電子線透過部材21は、気密の保持が可能で、電子線EBの透過性に優れた材料(例えば、ベリリウム、チタン、アルミニウム等)により長方形薄膜状に形成されている。枠部材24は、金属(例えば、ステンレス鋼等)により長方形環状に形成されている。電子線透過部材21は、枠部材24の開口の前端を覆い塞ぐように、枠部材24の前端面に例えばロウ付け等により気密に固定されており、電子線透過部材21の電子線透過部21aは、Z軸方向から見て、Y軸方向を長手方向とする長方形状となっている。なお、Z軸方向から見て、カソード11の電子放出部11aの形状と、電子線透過部21aの形状とは、互いに略相似の関係にある。
基板22において各電子線透過部材21に対向する部分には、断面が長方形状の開口22cが形成されており、各開口22cは、基板22の後端面22a側に向かって末広がりの形状となっている。基板22の後端面22aにおいて電子線通過孔2の前端2bに対向する部分には、断面が長方形状の凹部22dが形成されている。
以上のように構成された電子線照射装置1の動作について説明する。
排気管8を介して真空ポンプによってチャンバ3内(すなわち、電子線通過孔2)が真空引きされ、内部配線16,16、ソケット31,31及び給電用ピン32,32を介して電源装置によってカソード11に高電圧が印加されると、カソード11の電子放出部11aから電子が放出される。電子放出部11aから放出された電子は、アパーチャ19a及び反射板11bによってZ軸方向前側に放出され、中間電極17によって発生させられた電界により加速及び集束されて、電子線EBが電子銃10からZ軸方向前側に出射される。
電子銃10から出射されて電子線通過孔2を通過する電子線EBは、アライメントコイル6によって中心軸の補正がなされた後、集束コイル6によって電子線透過部材21に対して集束される。このとき、図7に示されるように、電子線透過部材21に照射される電子線EBの像が、Z軸方向から見て電子線透過部21aの形状と略同一となるように、制御部9によって集束コイル6が制御される。
集束コイル6によって集束されて電子線通過孔2を通過する電子線EBは、偏向コイル7によってY軸方向に偏向される。つまり、集束コイル6によって集束されて電子線通過孔2を通過する電子線EBの中心軸がY軸方向に沿って線状に繰り返し変化させられる。このとき、電子線透過ユニット20において、電子線透過部材21に電子線EBが照射される時間より、隣り合う電子線透過部材21,21間のフレーム部分20aに電子線EBが照射される時間が短くなるように、制御部9によって偏向コイル7が制御される。このような制御は、例えば、ステップ状に電流値が変化する電流を制御部9が偏向コイル7に流すことで実現される。
偏向コイル7によってY軸方向に偏向された電子線EBは、各電子線透過部21aを順次透過して外部へ出射される。外部へ出射された電子線EBは、窒素等の不活性ガス中においてライン上を流れる照射対象物に照射され、照射対象物の乾燥、殺菌、表面改質等が行われる。
以上説明したように、電子線照射装置1では、電子銃10から出射された電子線EBは、電子線通過孔2を通過する際に集束コイル6によって集束されて、Y軸方向に並んだ複数の電子線透過部材21を有する電子線透過ユニット20に照射される。このとき、集束コイル6によって集束されて電子線通過孔2を通過する電子線EBは、電子線透過ユニット20において、電子線透過部材21に電子線EBが照射される時間より、隣り合う電子線透過部材21,21間のフレーム部分20aに電子線EBが照射される時間が短くなるように、偏向コイル7及び制御部9によってY軸方向に偏向される。従って、各電子線透過部材21を介して電子線EBを確実に外部へ出射することができると共に、電子線透過ユニット20において、隣り合う電子線透過部材21,21間のフレーム部分20aが発熱するのを抑制することができる。
また、電子線照射装置1では、電子銃10から出射されて電子線通過孔2を通過する電子線EBは、電子線透過部材21に照射される電子線EBの像が、Z軸方向において電子線透過部21aの形状と略同一となるように、集束コイル6及び制御部9によって集束される。これにより、電子線透過ユニット20において、隣り合う電子線透過部材21,21間のフレーム部分20aに電子線EBが照射されてその部分が発熱するのをより一層抑制しつつ、各電子線透過部材21において、電子線透過部21aから外部へ出射される電子線量を均一化することができる。また、電子線透過部21aにおける電子線EBの形状を長方形状とすることにより、高価で破損しやすい電子線透過部21aのX方向の幅を狭くすることができるので、装置の低価格化と出力窓の長寿命化も併せて達成できる。
また、電子線照射装置1では、基板22の後端面22aにおいて電子線通過孔2の前端2bに対向する部分には、断面が長方形状の凹部22dが形成されている。この場合、基板22において電子線通過孔2の前端2bに対向する部分の厚さは、基板22においてチャンバ3に取り付けられる部分の厚さより薄くなる。これにより、基板22とチャンバ3との取付強度を維持することができると共に、電子線EBが基板22の開口22cを通って電子線透過部材21に向かう際に電子線EBが基板22に照射されて基板22が発熱するのを抑制することができる。更に、基板22において電子線通過孔2の前端2bに対向する部分は、チャンバ3の外部側に片寄ることになる。これにより、基板22からチャンバ3の外部へ熱を効率良く放出することができる。
また、電子線照射装置1では、基板22の各開口22cは、基板22の後端面22a側に向かって末広がりの形状となっている。これにより、電子線EBが基板22の開口22cを通って電子線透過部材21に向かう際に電子線EBが基板22に照射されて基板22が発熱するのをより一層抑制することができる。
また、電子線照射装置1では、基板22は、真鍮により長方形板状に形成されている。真鍮は熱伝導率が高いため、基板22の一部に電子線EBが照射されたとしても、熱が基板22全体に拡散し易い。従って、電子線EBが照射された基板22の一部が溶融するような事態を防止することができる。更に、基板22が例えばアルミニウムからなる場合に比べ、基板22の強度を高くすることができる。
また、電子線照射装置1では、基板22は、チャンバ3に対してボルト26によって着脱自在となっており、電子線透過部材21は、基板22に対してボルト27によって着脱自在となっている。これにより、例えば1個の電子線透過部材21が破損した場合に、電子線透過ユニット20をチャンバ3から取り外して、直ちに新たな電子線透過ユニット20をチャンバ3に取り付けることができる。そして、チャンバ3から取り外した電子線透過ユニット20においては、破損した電子線透過部材21を基板22から取り外して、新たな電子線透過部材21を取り付けることができる。
本発明の係る電子線照射装置の一実施形態の縦断面図である。 図1のカソード周辺の拡大縦断面図である。 図1のカソード周辺の拡大平面図である。 図1の電子線透過ユニット周辺の拡大縦断面図である。 図4のV−V線に沿っての断面図である。 図1の電子線透過ユニット周辺の拡大平面図である。 電子線透過部材に照射される電子線の像と、電子線透過部の形状との関係を示す図である。
符号の説明
1…電子線照射装置、2,2,2…電子線通過孔、2a…電子線通過孔の後端(一端)、2b…電子線通過孔の前端(他端)、3,3,3…チャンバ、6…集束コイル(集束手段)、7…偏向コイル(偏向手段)、9…制御部(制御手段)、10…電子銃、20…電子線透過ユニット、20a…フレーム部分、21…電子線透過部材、21a…電子線透過部、22…基板、22a…基板の後端面(一端面)、22b…基板の前端面(他端面)、22c…基板の開口、22d…基板の凹部、EB…電子線。

Claims (6)

  1. 電子線通過孔を形成するチャンバと、
    前記チャンバの一端側に設けられ、電子線を出射する電子銃と、
    前記チャンバの他端側に設けられ、所定の方向に並んだ複数の電子線透過部材を有する電子線透過ユニットと、
    前記電子銃から出射されて前記電子線通過孔を通過する前記電子線を集束する集束手段と、
    前記集束手段によって集束されて前記電子線通過孔を通過する前記電子線を前記所定の方向に偏向する偏向手段と、
    前記電子線透過ユニットにおいて、前記電子線透過部材に前記電子線が照射される時間より、隣り合う前記電子線透過部材間のフレーム部分に前記電子線が照射される時間が短くなるように、前記偏向手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする電子線照射装置。
  2. 前記集束手段は、前記電子線透過部材に照射される前記電子線の像が前記電子線透過部材に含まれる大きさとなるように、前記電子線を集束することを特徴とする請求項1記載の電子線照射装置。
  3. 前記電子線透過ユニットは、他端面に前記電子線透過部材が取り付けられた基板を有し、
    前記基板において前記電子線透過部材に対向する部分には、開口が形成されており、
    前記基板の一端面において前記電子線通過孔の他端に対向する部分には、凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電子線照射装置。
  4. 前記開口における少なくとも前記基板の一端面側の部分は、前記基板の一端面側に向かって末広がりの形状となっていることを特徴とする請求項3記載の電子線照射装置。
  5. 前記基板は、真鍮からなることを特徴とする請求項3又は4記載の電子線照射装置。
  6. 前記基板は、前記チャンバに対して着脱自在となっており、
    前記電子線透過部材は、前記基板に対して着脱自在となっていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項記載の電子線照射装置。
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