JP2010032495A - ガスフロー型比例計数管 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間に渡って検出器用ガスの漏洩を防止することができ、取り扱いも容易なガスフロー型比例計数管を提供する。
【解決手段】内部に柱状の空間Sを有する筒状で、側面において柱状の空間Sが開口して窓Wとなっている本体1、本体1に導電性ゴム製で枠状のパッキン4を介して窓Wを覆うように取り付けられる窓箔5、窓枠6、フレーム8およびスリット9を備えている。窓枠6を介してフレーム8に取り付けられた窓箔5の内面5aが、フレーム8の内面の外周部8a1よりも凹入している。スリット9のスリット枠11に設けられた溝11aの底面11aaにフレーム8の外面8bが当接するように、フレーム8がスリット枠11に嵌め込まれ、パッキン4の弾力に抗して、フレーム8の内面の外周部8a1が、対向する本体1の窓Wの周辺部に当接するまで、スリット枠11がねじにより本体1に締め付けられる。
【選択図】図1
【解決手段】内部に柱状の空間Sを有する筒状で、側面において柱状の空間Sが開口して窓Wとなっている本体1、本体1に導電性ゴム製で枠状のパッキン4を介して窓Wを覆うように取り付けられる窓箔5、窓枠6、フレーム8およびスリット9を備えている。窓枠6を介してフレーム8に取り付けられた窓箔5の内面5aが、フレーム8の内面の外周部8a1よりも凹入している。スリット9のスリット枠11に設けられた溝11aの底面11aaにフレーム8の外面8bが当接するように、フレーム8がスリット枠11に嵌め込まれ、パッキン4の弾力に抗して、フレーム8の内面の外周部8a1が、対向する本体1の窓Wの周辺部に当接するまで、スリット枠11がねじにより本体1に締め付けられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、X線を検出するために検出器用ガスが流されながら使用されるガスフロー型比例計数管に関する。
従来、蛍光X線分析などにおいて、X線を検出するためにガスフロー型比例計数管がよく用いられる(特許文献1、2参照)。従来のガスフロー型比例計数管は、例えば、図3の分解斜視図に示すように、以下の本体1、窓箔5、窓枠16、パッキン18およびスリット9を備えている。
本体1は、内部に柱状の空間Sを有する四角筒状の金属製部材で、一側面において柱状の空間Sが開口して窓Wとなっており、柱状の空間Sの横断面(柱状の空間Sの軸A方向に直交する断面)が半円よりも大きい弓形Cで、その弓形の弦Chが柱状の空間Sの軸A方向に連なって窓Wを形成しており、柱状の空間Sの軸A方向に延びる芯線2が絶縁体である支持部材3を介して取り付けられている。本体1に設けられた図示しない入口からPRガス等の検出器用ガスが柱状の空間Sに流入し、やはり本体1に設けられた図示しない出口から流出する。
窓箔5は、内面5a(以下、窓箔5に限らず、本体1側を内側、スリット9側を外側とする)に金属が蒸着された高分子フィルムからなり、本体1に、内面5aで窓Wを覆うように取り付けられる。窓枠16は、金属製の枠状の薄板で、内面16aに窓箔5の外面5bの周辺部がグリスで密着される。パッキン18は、ゴム製の枠状の弾性体で、内面18aの内周部に窓枠16の外面16bの周辺部が例えば枠状の両面テープ7で貼り付けられる。スリット9は、ソーラースリット10および取付け用のスリット枠11を有する。
そして、この比例計数管の上部の横断面拡大模式図である図4に示すように、窓枠16を介してパッキン18に取り付けられた窓箔5の内面5aが、パッキン18の内面18aの外周部よりも突出している。さらに、スリット枠11に設けられた溝11aの底面11aaにパッキン18の外面18bが当接するように、パッキン18がスリット枠11に嵌め込まれ、図示しない4本のねじが、図1のスリット枠11の4つの貫通孔11hと、パッキン18の4つの切欠き18hとを通って、本体1の図示しない4つのねじ孔にねじ込まれる。この際、図4において、パッキン18の弾力に抗して、スリット枠11がねじにより本体1に締め付けられることにより、柱状の空間Sが密閉される。
しかし、このような従来のガスフロー型比例計数管では、比例計数管の組立て時や窓箔5の交換時において、パッキン18の締め代が作業者によりまちまちで、本体1の窓Wの周囲を適切な圧力で均等に密封することができない。したがって、締め付け不足による検出器用ガスの漏洩や、締め付け過度で窓Wの周囲に不均一な圧力がかかることによる検出器用ガスの漏洩が、短期間に生じるおそれがある。また、窓箔5は、窓枠16を介してパッキン18に取り付けられた状態で取り扱われ、その状態では、窓箔5の内面5aはパッキン18の内面18aの外周部よりも突出しているので、窓箔5の内面5a側を下にして作業台に置かれたりすると、窓箔5の内面5aが作業台の表面に接触して損傷したり汚染されたりするおそれがある。
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、長期間に渡って検出器用ガスの漏洩を防止することができ、取り扱いも容易なガスフロー型比例計数管を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、検出器用ガスが流されながら使用されるガスフロー型比例計数管であって、以下の本体、窓箔、窓枠、フレームおよびスリットを備えている。
本体は、内部に柱状の空間を有する筒状の金属製部材で、側面において前記柱状の空間が開口して窓となっており、前記柱状の空間の横断面が半円よりも大きい弓形で、その弓形の弦が前記柱状の空間の軸方向に連なって前記窓を形成しており、前記柱状の空間の軸方向に延びる芯線が絶縁体である支持部材を介して取り付けられている。
窓箔は、内面に金属が蒸着された高分子フィルムからなり、前記本体に、導電性ゴム製で枠状のパッキンを介して、前記内面で前記窓を覆うように取り付けられる。窓枠は、メッシュ部およびその周囲の枠部からなる薄板で、内面に前記窓箔の外面の周辺部が接着される。フレームは、金属製またはプラスチック製の枠状の剛体で、内面の内周部が外周部から段差をもって凹入し、その凹入した内周部に前記窓枠の外面の周辺部が貼り付けられる。スリットは、ソーラースリットおよび取付け用のスリット枠を有する。
そして、前記窓枠を介して前記フレームに取り付けられた前記窓箔の内面が、前記フレームの内面の外周部よりも凹入している。さらに、前記スリット枠に設けられた溝の底面に前記フレームの外面が当接するように、前記フレームが前記スリット枠に嵌め込まれ、前記パッキンの弾力に抗して、前記フレームの内面の外周部が前記本体の窓の周辺部に当接するまで、前記スリット枠がねじにより前記本体に締め付けられることにより、前記柱状の空間が密閉される。
本発明のガスフロー型比例計数管によれば、窓枠を介してフレームに取り付けられた窓箔の内面に載せたパッキンの表面がフレームの内面の外周部から突出する寸法が、パッキンの締め代となるので、比例計数管の組立て時や窓箔の交換時において、作業者によらず、本体の窓の周囲を適切な圧力で均等に密封することができ、したがって、長期間に渡って、検出器用ガスの漏洩を防止することができる。また、窓箔は、窓枠を介してフレームに取り付けられた状態で取り扱われ、その状態では、窓箔の内面はフレームの内面の外周部よりも凹入しているので、窓箔の内面側を下にして作業台に置かれたりしても、窓箔の内面が作業台の表面に接触して損傷したり汚染されたりするおそれがない。
以下、本発明の一実施形態のガスフロー型比例計数管について、図にしたがって説明する。このガスフロー型比例計数管は、図1の分解斜視図に示すように、以下の本体1、窓箔5、窓枠6、フレーム8およびスリット9を備えている。本体1、窓箔5およびスリット9は、従来の技術で説明したのと同じものを用いることができる。
本体1は、内部に柱状の空間Sを有する四角筒状の金属製部材で、一側面において柱状の空間Sが開口して窓Wとなっており、柱状の空間Sの横断面が半円よりも大きい弓形Cで、つまり弓形Cの角(弓形Cの弧上の1点を弧の両端に結んでできる角)が直角よりも小さく、その弓形の弦Chが柱状の空間Sの軸A方向に連なって長方形の窓Wを形成しており、柱状の空間Sの軸A方向に延びる芯線2が絶縁体である支持部材3を介して取り付けられている。空間Sの形状を円柱に近づけるのは、芯線2まわりに均等に電場を形成するためである。本体1に設けられた図示しない入口からPRガス等の検出器用ガスが柱状の空間Sに流入し、やはり本体1に設けられた図示しない出口から流出する。
窓箔5は、内面5a(以下、窓箔5に限らず、本体1側を内側、スリット9側を外側とする)に金属が蒸着された高分子フィルムからなり、本体1に、導電性ゴム製で枠状のパッキン4を介して、内面5aで窓Wを覆うように取り付けられる。高分子フィルムの材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、パリレンのいずれかが、耐圧強度とX線透過率の面から好ましい。パッキン4を導電性ゴム製とするのは、金属が蒸着された窓箔5の内面5aを、本体1と同電位にするためである。窓枠6は、網目状のメッシュ部6cおよびその周囲の平坦な枠部6dからなる金属製の薄板で、内面6aに窓箔5の外面5bの周辺部が接着される。
フレーム8は、金属製またはプラスチック製の枠状の剛体で、内面の内周部8a2が外周部8a1から段差をもって凹入し、その凹入した内周部8a2に窓枠6の外面6bの周辺部が例えば枠状の両面テープ7で貼り付けられる。スリット9は、ソーラースリット10および取付け用のスリット枠11を有する。
そして、この比例計数管の上部の横断面拡大模式図である図2に示すように、窓枠6を介してフレーム8に取り付けられた窓箔5の内面5aが、フレーム8の内面の外周部8a1よりも凹入している。さらに、スリット枠11に設けられた溝11aの底面11aaにフレーム8の外面8bが当接するように、フレーム8がスリット枠11に嵌め込まれ、図示しない4本のねじが、図1のスリット枠11の4つの貫通孔11hと、フレーム8の4つの貫通孔8hとを通って、本体1の図示しない4つのねじ孔にねじ込まれる。この際、図2において、パッキン4の弾力に抗して、フレーム8の内面の外周部8a1が、対向する本体1の窓Wの周辺部に当接するまで、スリット枠11がねじにより本体1に締め付けられることにより、柱状の空間Sが密閉される。
ここで、パッキン4を断面矩形の枠形シート状としているのは、断面円形のOリングとすると、本体1にOリング溝を設ける必要が生じ、そうするとOリング溝と柱状の空間Sとの間の肉厚を確保するために本体1を大きくしなければならず、比例計数管全体を十分コンパクトにできないからである。
このガスフロー型比例計数管によれば、窓枠6を介してフレーム8に取り付けられた窓箔5の内面5aに載せたパッキン4の表面がフレーム8の内面の外周部8a1から突出する寸法が、パッキン4の締め代となるので、比例計数管の組立て時や窓箔5の交換時において、作業者によらず、本体1の窓Wの周囲を適切な圧力で均等に密封することができ、したがって、長期間に渡って、検出器用ガスの漏洩を防止することができる。また、窓箔5は、窓枠6を介してフレーム8に取り付けられた状態で取り扱われ、その状態では、窓箔5の内面5aはフレーム8の内面の外周部8a1よりも凹入しているので、窓箔5の内面5a側を下にして作業台に置かれたりしても、窓箔5の内面5aが作業台の表面に接触して損傷したり汚染されたりするおそれがない。
さらに、従来のガスフロー型比例計数管(図3、4)では、窓枠16を介して窓箔5を取り付けたパッキン18をスリット9から一旦取り外すと、再度取り付ける際に窓箔5とソーラースリット10との位置関係が微妙にずれて、窓箔5がソーラースリット10のエッジと接触する部位、すなわち強度的に弱くなる部位が変わる(増える)ので、窓箔5を再使用できなかった。したがって、窓枠16を介してパッキン18に取り付けられた窓箔5に対して、ピンホール等による漏れがないか、試験用の本体およびスリットに取り付けて加圧試験を行ってから、実際の部品としての本体1およびスリット9に取り付けると、その脱着によって窓箔5を傷めるおそれがあり、そのような試験ができなかった。
これに対し、本発明のガスフロー型比例計数管では、窓箔5の外面5bは、周辺部以外も窓枠6のメッシュ部6cに覆われて、ソーラースリット10のエッジに接触することがなく、窓枠6を介して窓箔5を取り付けたフレーム8をスリット9から取り外して再度取り付けても、窓箔5とそれが接触する窓枠6(メッシュ部6cを含む)との位置ずれは起こらないので、フレーム8をスリット9から取り外した後も、窓箔5の再使用が可能である。したがって、窓枠6を介してフレーム8に取り付けられた窓箔5に対して上記のような加圧試験を行うことができ、良品の窓箔5を取り付けたフレーム8のみを用いることで、ガスフロー型比例計数管の品質が向上する。さらに、良品の窓箔5を取り付けたフレーム8を品質の保証された補給部品として在庫しておくことも可能である。なお、窓枠6のメッシュ部6cは、X線の透過率が例えば約90%であるので、X線の光路に設けても支障はない。
1 本体
2 芯線
3 支持部材
4 パッキン
5 窓箔
5a 窓箔の内面
5b 窓箔の外面
6 窓枠
6a 窓枠の内面
6b 窓枠の外面
6c 窓枠のメッシュ部
6d 窓枠の枠部
8 フレーム
8a1 フレームの内面の外周部
8a2 フレームの内面の内周部
8b フレームの外面
9 スリット
10 ソーラースリット
11 スリット枠
11a スリット枠の溝
11aa スリット枠の溝の底面
A 柱状の空間の軸
C 弓形
Ch 弓形の弦
S 柱状の空間
W 窓
2 芯線
3 支持部材
4 パッキン
5 窓箔
5a 窓箔の内面
5b 窓箔の外面
6 窓枠
6a 窓枠の内面
6b 窓枠の外面
6c 窓枠のメッシュ部
6d 窓枠の枠部
8 フレーム
8a1 フレームの内面の外周部
8a2 フレームの内面の内周部
8b フレームの外面
9 スリット
10 ソーラースリット
11 スリット枠
11a スリット枠の溝
11aa スリット枠の溝の底面
A 柱状の空間の軸
C 弓形
Ch 弓形の弦
S 柱状の空間
W 窓
Claims (1)
- 検出器用ガスが流されながら使用されるガスフロー型比例計数管であって、
内部に柱状の空間を有する筒状の金属製部材で、側面において前記柱状の空間が開口して窓となっており、前記柱状の空間の横断面が半円よりも大きい弓形で、その弓形の弦が前記柱状の空間の軸方向に連なって前記窓を形成しており、前記柱状の空間の軸方向に延びる芯線が絶縁体である支持部材を介して取り付けられた本体と、
内面に金属が蒸着された高分子フィルムからなり、前記本体に、導電性ゴム製で枠状のパッキンを介して、前記内面で前記窓を覆うように取り付けられる窓箔と、
メッシュ部およびその周囲の枠部からなる薄板で、内面に前記窓箔の外面の周辺部が接着される窓枠と、
金属製またはプラスチック製の枠状の剛体で、内面の内周部が外周部から段差をもって凹入し、その凹入した内周部に前記窓枠の外面の周辺部が貼り付けられるフレームと、
ソーラースリットおよび取付け用のスリット枠を有するスリットとを備え、
前記窓枠を介して前記フレームに取り付けられた前記窓箔の内面が、前記フレームの内面の外周部よりも凹入しており、
前記スリット枠に設けられた溝の底面に前記フレームの外面が当接するように、前記フレームが前記スリット枠に嵌め込まれ、前記パッキンの弾力に抗して、前記フレームの内面の外周部が前記本体の窓の周辺部に当接するまで、前記スリット枠がねじにより前記本体に締め付けられることにより、前記柱状の空間が密閉されるガスフロー型比例計数管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009067813A JP2010032495A (ja) | 2008-06-27 | 2009-03-19 | ガスフロー型比例計数管 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008169045 | 2008-06-27 | ||
JP2009067813A JP2010032495A (ja) | 2008-06-27 | 2009-03-19 | ガスフロー型比例計数管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010032495A true JP2010032495A (ja) | 2010-02-12 |
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ID=41737127
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010032495A (ja) |
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-
2009
- 2009-03-19 JP JP2009067813A patent/JP2010032495A/ja active Pending
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