JP2004095196A - X線管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、高真空中のガラスバルブ1内に、熱電子を放出するフィラメント7と熱電子を集束する集束電極8とからなる陰極に対して、回転陽極2を対向するように配置し、熱電子を高電圧で加速して陽極2に衝突させることによりX線を発生させるX線管において、集束電極8は、電気的に絶縁された複数の集束電極要素11,12,13,14からなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医用診断により有効な画像情報を提供するためのX線を発生するX線管に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のX線管は、傘状の陽極が回転することで、許容負荷を大幅に増大させた回転陽極型が一般的である。加熱されたフィラメントから放出される熱電子は、集束電極で集束され、高電圧により加速され、回転陽極のターゲットに衝突する。それによりX線が発生する。
【0003】
エネルギーの変換効率は、低く、エネルギーのほとんどが熱に変換される。そのため陽極の熱膨張に伴ってX線焦点位置が変動する不具合が生じている。また、この不具合は、陽極ロータの回転ぶれや架台回転による陽極のターゲット位置のずれによっても起こる。
【0004】
また、X線管には大小2つの焦点を備えたデュアルフォーカス型X線管がある。小焦点は高分解能用に、そして大焦点は大出力用として使い分けている。このようなデュアルフォーカス型のX線管では、小焦点用のフィラメントと大焦点用のフィラメントとが集束電極(フィラメントカップ)に納められている。各フィラメントから放射される電子ビームは、同じターゲット位置に衝突するように集束電極で偏向される。
【0005】
しかし、デュアルフォーカス型X線管では、焦点サイズがフィラメントサイズに依存して決まる。そのため、焦点サイズの選択肢を増やすためには、フィラメント数を増やすことが必要とされる。しかし、フィラメント数を3以上に増やすことは構造上現実的ではない。
【0006】
また、X線の曝射と停止の切り替えは、フィラメントとを過熱した状態で、陽極と陰極間に印加する高電圧のON/OFFにより制御している。そのためμ秒という極短時間のオーダでの切り替えは、実際上、不可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、X線焦点の位置及び焦点サイズを任意に制御可能とするX線管を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高真空中の容器内に、熱電子を放出するフィラメントと熱電子を集束する集束電極とからなる陽極に対して、回転陽極を対向するように配置し、前記熱電子を高電圧で加速して前記陽極に衝突させることによりX線を発生させるX線管において、前記集束電極は、電気的に絶縁された複数の集束電極要素からなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明による装置を好ましい実施形態により説明する。
【0010】
図1は本発明の実施形態に係るX線管の内部構造図である。10−7mmHg程度の高真空に維持されたガラスバルブ1内で、主としてW(タングステン)とMo(モリブデン)の張り合わせにより衝突面が形成され、裏面が熱容量の大きな例えばMo(モリブデン)で形成された傘状の回転陽極2が、金属潤滑剤を使ったボールベアリング等の軸受け4により高速回転可能に保持されている。回転陽極2のシャフト3にはロータ5が取り付けられ、ガラスバルブ1の外側に配置されたステータ6とともに電動機を構成している。
【0011】
また、ガラスバルブ1内には、回転陽極2のシャフト3からずれた位置に陰極が配置される。陰極は、タングステン製の単一のフィラメント7と、フィラメント7で発生した熱電子をターゲット上の焦点に集束するための分割型集束電極(フィラメントカップ)8とからなる。
【0012】
図2,図3には、陰極を示している。フィラメント7は分割型集束電極8の溝の中に保持される。分割型集束電極8は、鉄、ニッケル又はそれらの合金製の複数、ここでは4つの集束電極要素11,12,13,14から構成される。集束電極要素11,12,13,14は、フィラメント7を取り囲むようにその周囲円弧状に配列される。
【0013】
集束電極要素11,12,13,14は、相互に電気的に絶縁されており、それぞれ個別に導入線G1,G2,G3,G4によりガラスバルブ1の外部に電気的に引き出されている。また、これら集束電極要素11,12,13,14に対してフィラメント7は電気的に分離してガラスバルブ1の外部に引き出される。それによりフィラメント7とは同じ又は異なる電圧を集束電極要素11,12,13,14に印加することができ、また集束電極要素11,12,13,14それぞれに印加する電圧を同じ又は相互に相違させるように制御することが可能となる。
【0014】
図4にはX線管に対する電力供給系統を示している。陽極2と陰極間に高電圧を印加するための高電圧電源24、フィラメント7に加熱電流を供給するための加熱電源23と共に、集束電源21が設けられる。集束電源21には、集束電極要素11,12,13,14それぞれの端子G1,G2,G3,G4に個々に接続されており、制御回路22の制御に従って、集束電極要素11,12,13,14それぞれに印加する電圧を個別に設定することができるように構成されている。
【0015】
以上のように構成されたことにより、集束電極要素11,12,13,14それぞれに印加する電圧分布を制御することで、集束電極8が形成する電界分布を調整し、ターゲット状のX線焦点の位置を期待位置から動かしたり、移動したX線焦点を期待位置に戻したり、さらにX線焦点のサイズを変更することが可能となる。
【0016】
例えば、集束電極要素11の印加電圧を他の集束電極要素12,13,14に印加する電圧よりも低く制御することにより、集束電極要素11と反対側に電子流を偏向することができる。また、集束電極要素11の印加電圧を他の集束電極要素12,13,14に印加する電圧よりも高く制御することにより、集束電極要素11の側に電子流を偏向することができる。さらに、集束電極要素11,12,13,14に印加する電圧を任意に相違させることで、図5に矢印A,Bで示すように任意の向きに偏向させることができる。また、集束電極要素11,12,13,14に印加する電圧を基準電圧より低く/高く設定することにより、焦点サイズを基準サイズより小さく/大きく変更することができる。
【0017】
なお、ターゲット上の焦点位置は既存の技術により測定することができる。例えばX線放射窓の外側に感度領域を3分割又は4分割したレファレンス検出器を配置し、このレファレンス検出器にX線スポットを当て、これら感度領域の検出信号強度差からX線焦点を計算することができる。測定したX線焦点の位置を制御回路22による電圧制御にフィードバックさせることで、X線焦点を期待位置に固定することが可能となる。
【0018】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されてもよい。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、X線焦点の位置及び焦点サイズを任意に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るX線管の内部構造図。
【図2】図1の分割型集束電極の平面図。
【図3】図1の分割型集束電極の斜視図。
【図4】図1のX線管の電力供給系統図。
【図5】図1の陰極から陽極への電子流を示す図。
【符号の説明】
1…ガラスバルブ、
2…回転陽極、
3…シャフト、
4…軸受け、
5…ロータ、
6…ステータ、
7…フィラメント、
8…分割型集束電極(フィラメントカップ)、
11,12,13,14…集束電極要素。
Claims (4)
- 高真空中の容器内に、熱電子を放出するフィラメントと熱電子を集束する集束電極とからなる陰極に対して、回転陽極を対向するように配置し、前記熱電子を高電圧で加速して前記陽極に衝突させることによりX線を発生させるX線管において、
前記集束電極は、電気的に絶縁された複数の集束電極要素からなることを特徴とするX線管。 - 前記複数の集束電極要素に個々に対応する複数の外部接続端子が前記容器に装備されていることを特徴とする請求項1記載のX線管。
- 前記複数の集束電極要素は、前記フィラメントを取り囲むように円弧状に配列されていることを特徴とする請求項1記載のX線管。
- 前記集束電極は、4つの集束電極要素からなることを特徴とする請求項1記載のX線管。
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JP2002250740A JP2004095196A (ja) | 2002-08-29 | 2002-08-29 | X線管 |
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2002
- 2002-08-29 JP JP2002250740A patent/JP2004095196A/ja active Pending
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