JPH10334839A - X線管 - Google Patents

X線管

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JPH10334839A
JPH10334839A JP15428597A JP15428597A JPH10334839A JP H10334839 A JPH10334839 A JP H10334839A JP 15428597 A JP15428597 A JP 15428597A JP 15428597 A JP15428597 A JP 15428597A JP H10334839 A JPH10334839 A JP H10334839A
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JP
Japan
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filament
ray tube
coil
auxiliary
intensity distribution
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Application number
JP15428597A
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English (en)
Inventor
Keiji Koyanagi
慶二 小柳
Yoshiaki Tsuburaya
喜明 円谷
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 陽極ターゲット上の焦点のX線強度分布の形
状を改善し、その双峰性を低減させたX線管を提供す
る。 【解決手段】 陰極の集束電極3の集束溝14に取り付
けられたフィラメントは、外径の大きい主フィラメント
11と外径の小さい補助フィラメント12とから成り、
コイル状で、主フィラメントの内側に補助フィラメント
を配列し、同じコイルピッチで半ピッチずらして配列す
る。補助フィラメントのコイル頂部12Aは、主フィラ
メントの隣接するコイル頂部11Aの中間に位置する。
X線管電圧を印加すると、補助フィラメントのコイル頂
部の周辺部に加速電界が生じ、同頂部からの電子ビーム
も焦点形成に寄与し、ビームは小さな単峰性の強度分布
を有するため、両フィラメントの電子ビームを合成すれ
ば主フィラメントの電子ビームによる双峰性の強度分布
の中央部の谷が浅くなり、単峰性の強度分布に近付く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線管の陰極構造
の改良に係わるもので、特に高解像度の得られるX線発
生源(焦点)をもつX線管の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のX線管は、熱電子を放出するフィ
ラメントと、熱電子を集束する集束溝をもつ集束電極と
を含み、負電位を印加される陰極と、この陰極に対向し
て配置され、正電位を印加される陽極ターゲットと、陰
極と陽極ターゲットとを真空気密に封入する真空外囲器
とから構成されている。陰極のフィラメントは、集束電
極の集束溝に取り付けられていて、X線装置のフィラメ
ント加熱電源により加熱されて熱電子を放出する。X線
管では、使用中、X線装置の高電圧発生装置により、陰
極と陽極ターゲットとの間に百数十KVの高電圧が印加
され、フィラメントから放出された熱電子は、陽極ター
ゲットに向けて高電圧で加速され、陽極ターゲットに衝
突して、X線が発生される。このとき、フィラメントか
らの熱電子は集束電極の集束溝により集束されて、陽極
ターゲット上に小さなX線発生源(焦点)を形成する。
【0003】フィラメントは、タングステンなどの電子
放射材料の線材をコイル状に巻いた構造になっており、
フィラメント加熱電流を流すことにより加熱される。高
温に加熱されたフィラメントからは、その温度に応じた
量の熱電子が放出され、この熱電子によって形成される
電子ビームは、陰極と陽極の間に印加された高電圧が作
る電界によって加速される。この時、電子ビームは集束
電極の集束溝によって作られる電界によって、陽極ター
ゲット上において所望の寸法の焦点となるように集束さ
れる。この電子ビームの量及び陰極と陽極の間に印加さ
れる高電圧は、それぞれX線管電流及びX線管電圧に相
当し、焦点で発生するX線量は、X線管電流、X線管電
圧が大きい程大きくなる。
【0004】上記によって陽極ターゲット上に形成され
る焦点の形状はほぼ長方形状で、X線管軸を基準とし
て、半径方向(焦点長さ方向という)が長く、円周方向
(焦点幅方向という)が短くなっている。通常、陽極タ
ーゲット面に傾斜をもたせて、焦点長さ方向(この方向
にX線放射窓が取り付けられている)から見た焦点(実
効焦点という)の形状はほぼ正方形に近くなっている。
【0005】この焦点における電子ビームの強度分布
は、従来のX線管では、焦点長さ方向と焦点幅方向とで
は異なる分布をしており、前者がピークが1つの分布
(以下、単峰性分布という)であるのに対し、後者はピ
ークが2つの分布(以下、双峰性分布という)である。
従って、発生するX線の強度分布も、焦点幅方向では双
峰性分布となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】X線を利用した画像診
断装置等で得られる画像の画質、特に解像度は、焦点寸
法,X線強度,X線強度分布等に依存する。このうち、
X線強度分布と解像度との関係については、X線強度分
布形状をフーリェ変換して得られるレスポンス関数によ
って評価できる。このレスポンス関数によれば、解像度
はX線強度分布がガウス分布のときに最も優れており、
ピークが2つに分離した双峰性分布になるにつれて劣化
することが知られている。これは2つの光源で物体を照
らしたとき、その物体の影にぼけが生じるという現象と
類似である。換言すれば、双峰性分布の谷の深さを浅く
して(双峰性を低減して)、よりガウス分布に近づけれ
ば、解像度が向上することになる。
【0007】このようなことから、従来のX線管焦点の
焦点幅方向のX線強度分布の双峰性は画質、特に解像度
を劣化させる要因になっている。この双峰性は、コイル
状フィラメントの側面から出射する熱電子が焦点幅の両
端部に到達するように集束するために発生すると考えら
れている(内田、金森著、放射線画像情報工学I、診療
放射線技術学大系4、通商産業研究社、昭和55年4月
発行)。このため、本発明では、上記問題点に対し、陽
極ターゲット上の焦点のX線強度分布の形状を改善し、
その双峰性を低減させたX線管を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のX線管は、熱電子を放出するコイル状フィ
ラメント(以下、第1のフィラメントという)と、該第
1のフィラメントからの熱電子を集束するための集束溝
をもつ集束電極とを有する陰極と、該陰極と対向して配
置された陽極ターゲットと、該陽極ターゲットを回転自
在に支持する回転機構部とを有する陽極と、前記陰極と
前記陽極とを絶縁支持し、真空気密に封入する真空外囲
器とで構成されるX線管において、前記第1のフィラメ
ントの内側で、かつ、第1のフィラメントの長手方向と
平行に、熱電子を放出する補助電子放射源を配設し、前
記第1のフィラメント及び補助電子放射源からの電子ビ
ームを重ね合わせて、陽極ターゲット上に焦点を形成す
るものである(請求項1)。
【0009】この構成では、上記第1のフィラメントか
らの電子ビームの焦点幅方向の強度分布は双峰性の分布
となるのに対し、補助電子放射源からの電子ビームの焦
点幅方向の強度分布は強度的には上記第1のフィラメン
トからのものより小さいが、単峰性の分布と成る。これ
は補助電子放射源が上記第1のフィラメントより内側に
配置したことに起因する。2つの電子放射源からの電子
ビームの強度分布特性は異なるが、両者が合成されて焦
点幅方向の強度分布が形成されるので、結果的には、第
1のフィラメントの場合の双峰性分布の谷の部分が補助
電子放射源の単峰性分布に補償されて、双峰性が低減さ
れ、単峰性の分布に近付く。
【0010】本発明のX線管では更に、前記補助電子放
射源が前記第1のフィラメントより外径の小さい第2の
コイル状フィラメントである(請求項2)。この構成で
は、補助電子放射源がコイル状フィラメントであるの
で、加工も容易であり、集束電極への取付や加熱電流の
制御も簡単になる。
【0011】本発明のX線管では更に、前記第1のフィ
ラメントの隣接するコイルの頂部のほぼ中間に、前記第
2のコイル状フィラメントのコイルの頂部が存在するよ
うに、両コイルが配列されている(請求項3)。
【0012】この構成では、第1のフィラメントと第2
のフィラメントとがコイル頂部をずらして配列してある
ので、第2のフィラメントの外径を第1のフィラメント
の内径より大きくすることができるので、第2のフィラ
メントのコイル頂部の周辺の電界を強くすることがで
き、その結果第2のフィラメントからの電子ビームの強
度を増加させることができる。
【0013】本発明のX線管では更に、前記補助電子放
射源が、高融点耐熱金属材料から成る薄肉円筒である
(請求項4)。この構成では、補助電子放射源が円筒状
であるので、第2のコイル状フィラメントの場合のよう
にコイルピッチについての配慮が不要となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて説明する。図1は、本発明のX線管の第1の
実施例の陰極構造の要部を示す図、図2は本発明のX線
管の全体構成を示す図、図3は本発明のX線管の動作の
説明図、図4は本発明のX線管のフィラメントの配置例
を示す拡大図、図5は本発明のX線管のフィラメントの
周辺の電位分布例を示す図である。
【0015】図1及び図2により、本発明の第1の実施
例であるX線管の構成について説明する。図2におい
て、X線管は、熱電子を放出するコイル状フィラメント
をもつ陰極1と、陰極1からの熱電子が衝突してX線を
発生させる陽極ターゲット4をもつ陽極2と、陰極1と
陽極2を絶縁支持して、真空気密に封入する真空外囲器
5とから構成される。フィラメントは、陰極1の集束電
極3に支持され、導通線を介して、外部のフィラメント
加熱電源9に接続されている。集束電極3にはフィラメ
ントから放出された熱電子を集束するための集束溝が設
けられている。陽極ターゲット4は集束電極3と対向し
て配置されており、フィラメントからの熱電子は陽極タ
ーゲット4の傾斜面に衝突しX線を発生する。このX線
発生部7は焦点と呼ばれている。フィラメントから放出
された熱電子は集束電極3で集束されて、ほぼ長方形状
の焦点7を形成する。また、発生したX線は、真空外囲
器3に設けられたX線放射窓6から取り出して利用され
る。
【0016】本実施例の陽極2は回転陽極で、陽極ター
ゲット4は、ロータ2Aに接続され、ロータ2Aは回転
軸2Bに接続され、回転軸2Bは軸受2Cを介して、軸
受固定部2Dに回転自在に支持されている。X線管外
の、ロータ2Aの外周部に、ロータ2Aに回転駆動力を
与えるステータ8が配置されており、このステータ8を
付勢することにより、ロータ2A及び陽極ターゲット4
が回転する。
【0017】本発明の要部は陰極1の構造である。図1
はこの陰極構造の要部の拡大図である。図1(a)にお
いて、集束電極3内に2個のコイル状フィラメント1
1,12が取り付けられている。大径のフィラメントは
主フィラメント11で、小径のフィラメントは補助フィ
ラメント12である。補助フィラメント12は、主フィ
ラメント11のコイルの内径側にコイルの長手方向を合
わせて配置されている。両フィラメントのコイルは、主
フィラメント11のコイルの2つの頂部11Aの間に、
補助フィラメント12のコイルの頂部12Aが来るよう
に配列されている。このような配列例としては、主フィ
ラメント11と補助フィラメント12とのコイルピッチ
を同じにし、両フィラメントをその長手方向に半ピッチ
ずらして配列するとか(例1)、補助フィラメント12
のコイルピッチを主フィラメント11のコイルピッチの
半分とし、両フィラメントの長手方向において、主フィ
ラメント11のコイルの頂部11Aと補助フィラメント
12の1ピッチおきのコイルの頂部12Aの位置が一致
するように配列するとか(例2)すればよい。
【0018】両フィラメントのコイルの中心軸は、組立
上は一致していた方が加工しやすいが、機能上は一致す
る必要はなくずれていてもよい。補助フィラメント12
のコイルの外径は通常主フィラメント11のコイルの内
径より小さく作られるが、上記の例1の場合のように、
両フィラメントのコイルピッチを合わせたときには、補
助フィラメント12のコイル外径を主フィラメント11
のコイル内径よりも大きくすることができ、補助フィラ
メント12のコイルの頂部12Aは、主フィラメント1
1のコイルの頂部11Aの間に配置される。上記の例2
の場合は、補助フィラメント12の外径を主フィラメン
ト12の内径より大きくできないが、フィラメントの抵
抗値を大きくする場合に有効である。
【0019】本実施例では、主フィラメント11と補助
フィラメント12とは、従来のフィラメントと同様タン
グステンで作られている。また、主フィラメント11及
び補助フィラメント12の端部は同一のフィラメント支
持棒13に支持されている。このフィラメント支持棒1
3は、モリブデン等の高融点金属材料から成る。フィラ
メントとフィラメント支持棒13との接続は、フィラメ
ントの端部がフィラメント支持棒13の端部に設けられ
た溝に挿入し、溶接などで固着することにより行われ
る。図1の例では、両フィラメントが1本のフィラメン
ト支持棒13に接続されているが、機能的には両フィラ
メントは別々のフィラメント支持棒に接続してもよい。
両フィラメントを同一のフィラメント支持棒13に接続
した場合には、陰極部の構造が簡単になるので、部品の
加工及び陰極組立が容易になるという利点がある。これ
に対し、両フィラメントを別々のフィラメント支持棒1
3に接続した場合には、陰極部の構造が複雑になり加工
が少し困難になるが、両フィラメントの加熱条件を別々
に制御できるので、フィラメント加熱条件の制御がしや
すくなるという利点がある。
【0020】図1(b)は図1(a)のA視図で、フィ
ラメントの集束電極3への取付構造を示している。図1
(b)において、主フィラメント11と補助フィラメン
ト12とは、集束電極3の集束溝14内に配置されてい
る。集束溝14の形状は従来のX線管のものと同様角形
の段付き溝や丸形の溝である。両フィラメント11,1
2を支持するフィラメント支持棒13は、セラミック等
の耐熱性絶縁物15を介して、集束電極3の穴に固定さ
れている。
【0021】次に、図3,図4,図5を用いて、本発明
のX線管の動作について説明する。図4は、フィラメン
トの長さ方向の配置例を示した部分拡大断面図である。
図4において、主フィラメント11と補助フィラメント
12とは同一素線径(0.2mm)のタングステンで作
られ、同一コイルピッチ(0.8mm)で各々半ピッチ
ずらして配列されている。主フィラメント11の外径は
1.4mm、補助フィラメント12の外径は0.6mm
である。
【0022】図5は、図4のフィラメント配列の場合
の、フィラメント長さ方向におけるフィラメント前面
(陽極ターゲットと対向する側)周辺の電位分布の計算
例を示したものである。図5ではフィラメントコイルの
1ピッチ分の電位分布が示されている。この計算例で
は、陰極と陽極の間の距離は15mmで、X線管電圧は
75kVとしている。図5には、主フィラメント11か
らの電子ビームの軌道21と補助フィラメント12から
の電子ビームの軌道22も示してある(両フィラメント
の温度を同一にした場合のものである)。この図から、
図4の如くフィラメントを配列した場合、、補助フィラ
メント12からも陽極ターゲット4への電子ビームが得
られ、X線管の焦点の電子ビーム強度分布に寄与するこ
とがわかる。
【0023】図3には、フィラメントから放射された電
子ビームが陽極ターゲット上に焦点を形成する状況を示
す。図3(a)は、フィラメントから放射された電子ビ
ームの軌道例を示す。図3(b)は、陽極ターゲット上
の焦点における電子ビームの強度分布例を示す。図3
(a)、(b)はいずれも焦点幅方向に関するものであ
る。図3(a)において、主フィラメント11から放射
された電子ビーム21は、集束電極3の集束溝14にお
ける電界で集束されて、陽極ターゲット4上に焦点7の
大部分を形成する。電子ビーム21の軌道は、従来のX
線管とほぼ同様のものであるので、焦点7において双峰
性の電子ビーム強度分布が得られる。これに対し、補助
フィラメント12から放射された電子ビーム22は、補
助フィラメント12の前面の電界が弱く、集束性の電界
であるため、発散することなく、強度の弱い単峰性の小
さい焦点を形成する。図3(b)の合成前の電子ビーム
の強度分布図において、双峰性の強度分布31が主フィ
ラメント11により形成された焦点のもので、単峰性の
強度分布32が補助フィラメント12により形成された
焦点のものである。図3(b)の合成後の電子ビームの
強度分布図に示す合成電子ビームの強度分布33は、両
フィラメントによる電子ビームの強度分布を合成したも
のである。図から判るように、合成電子ビームの強度分
布33はほぼ単峰性となり、理想とするガウス分布に近
いものとなる。
【0024】図3(b)の合成電子ビームの強度分布3
3の形状については、補助フィラメント12から放射さ
れる電子ビーム22の量によって変化する。すなわち、
電子ビーム22の量が多ければ、単峰性強度分布の山が
高くなりガウス分布に近付くが、電子ビーム22の量が
少なければ双峰性強度分布のままで、中央部の谷がいく
らか浅くなるのみである。
【0025】補助フィラメント12から放射される電子
ビーム22の量を多くするためには、補助フィラメント
12のコイルの頂部12Aの周辺の電界を強くすればよ
く、本実施例の場合、補助フィラメント12のコイル頂
部12Aの位置を主フィラメント11の外径にできるだ
け近付けることが最も効果がある。また、主フィラメン
ト11のコイルピッチを大きくして、補助フィラメント
12のコイル頂部12Aの周辺に電子ビーム22の加速
電界ができ易くすることも有効である。
【0026】図6に、本発明のX線管の第2の実施例の
要部である陰極構造を示す。図6(a)において、主フ
ィラメント11は第1の実施例と同様にコイル状フィラ
メントである。主フィラメント11のコイルの内周側
に、補助の熱電子放射源となる薄肉円筒16が、主フィ
ラメント11の長手方向と平行に配列されている。この
薄肉円筒16は、主フィラメント11と同様熱電子放射
材料、例えばタングステンなどの高融点金属材料で作ら
れている。主フィラメント11の寸法例としては、第1
の実施例と同様、コイル外径を1.4mm、素線径を
0.2mmとし、薄肉円筒16の寸法例としては、外径
を0.6mm、肉厚を0.015mmとすると、第1の
実施例とほぼ同等の特性が得られる。
【0027】本実施例においては、薄肉円筒16は主フ
ィラメント11とは別の支持棒13Aで支持されてい
る。薄肉円筒16と支持棒13Aとの間には、導通線1
7を配し、導通線17と薄肉円筒16,支持棒13Aと
の接続は溶接などにより行っている。導通線17は、タ
ングステンやタンタルなどの高融点金属材料の線材又は
リボン材から成り、その断面積は薄肉円筒の断面積より
大きくする。また、主フィラメント11と薄肉円筒16
とは、図6(b)に示すA視図の如く同軸にすると、加
工が容易になる。しかし、機能上薄肉円筒16の上面の
電界を強くするために、薄肉円筒16は、主コイル11
のコイル頂部にできるだけ近接させた方がよいので、主
フィラメント11と薄肉円筒16とは偏心させてもよ
い。
【0028】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、X
線管の焦点における電子ビームの強度分布の双峰性を低
減させて、ガウス分布に近付けることができるので、本
発明のX線管を使用することにより、X線画像診断装置
で得られる画像の解像度を向上させることができ、高精
度の診断が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線管の第1の実施例の陰極構造の要
部を示す図。
【図2】本発明のX線管の全体構成を示す図。
【図3】本発明のX線管の動作の説明図。
【図4】本発明のX線管のフィラメントの配置を示す拡
大図。
【図5】本発明のX線管のフィラメントの周辺の電位分
布例を示す図。
【図6】本発明のX線管の第2の実施例の要部である陰
極構造を示す図。
【符号の説明】
1 陰極 2 陽極 2A ロータ 2B 回転軸 2C 軸受 2D 軸受固定部 3 集束電極 4 陽極ターゲット 5 真空外囲器 6 X線放射窓 7 X線発生部(焦点) 8 ステータ 9 フィラメント加熱電源 11 主フィラメント 11A 主フィラメントのコイル頂部 12 補助フィラメント 12A 補助フィラメントのコイル頂部 13 フィラメント支持棒 13A 支持棒 14 集束溝 15 耐熱性絶縁物 16 薄肉円筒 17 導通線 21 主フィラメントからの電子ビーム 22 補助フィラメントからの電子ビーム 31 主フィラメントの電子ビーム強度分布 32 補助フィラメントの電子ビーム強度分布 33 合成電子ビームの強度分布

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電子を放出するコイル状フィラメント
    と、該フィラメントからの熱電子を集束するための集束
    溝をもつ集束電極とを有する陰極と、該陰極と対向して
    配置された陽極ターゲットと、該陽極ターゲットを回転
    自在に支持する回転機構部とを有する陽極と、前記陰極
    と前記陽極とを絶縁支持し、真空気密に封入する真空外
    囲器とで構成されるX線管において、前記フィラメント
    の内側で、かつ、フィラメントの長手方向と平行に、熱
    電子を放出する補助電子放射源を配設し、前記フィラメ
    ント及び補助電子放射源からの電子ビームを重ね合わせ
    て、陽極ターゲット上にX線発生源を形成することを特
    徴とするX線管。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のX線管において、前記補
    助電子放射源が前記フィラメントより外径の小さい第2
    のコイル状フィラメントであることを特徴とするX線
    管。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のX線管において、前記フ
    ィラメントの隣接するコイルの頂部のほぼ中間に、前記
    第2のコイル状フィラメントのコイルの頂部が存在する
    ように、両コイルが配列されていることを特徴とするX
    線管。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のX線管において、前記補
    助電子放射源が、高融点耐熱金属材料から成る薄肉円筒
    であることを特徴とするX線管。
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