JP2017501533A - 内蔵フローセンサを有するx線発生装置 - Google Patents

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Abstract

本発明はX線管の分野に含まれ、X線フラックスセンサの管への統合に関する。本発明によれば、X線発生管は陰極および陽極を有する真空チャンバを備え、前記陰極および陽極は真空チャンバの中に設置され、陰極は前記陽極の方向に電子ビームを放出し、陽極は前記電子ビームによって衝突されるときX線を放射するターゲットを含み、X線はダイヤモンドベースの透過窓を介してチャンバの壁を通過することによって真空チャンバから伝播する。本発明によれば、ダイヤモンドベースのX線センサはダイヤモンドベースの透過窓に統合される。

Description

本発明はX線管の分野に含まれ、X線フラックスセンサの管への統合に関する。
X線発生装置は、一方の端に陰極をそして反対側に陽極を含む真空チャンバを主に備える。陰極から発せられた電子ビームは、電界の作用の下で、真空チャンバ内で加速される。加速器場は、RF電磁波によって、または非常に高い電圧(通常10キロボルトから500キロボルト)に引き上げられた2つの電極間に生み出された静的な場によって生み出すことができる。高度に加速された電子ビームは、一般に高い原子番号の耐熱性材料からなるまたは本当に特有の蛍光線を持つターゲットに衝突させられる。エネルギー電子とターゲットとの間の相互作用は、X線範囲の電磁放射線が主に制動放射効果によっておよびX線蛍光によって放射されることを可能にする。電子のエネルギーの数パーセントだけがX線を作り出すために使用される。エネルギーの残り、すなわち約96から99%は、主にターゲットの中で熱の形で消散する。電子束の下で、一般にタングステン(3400度(セ氏))でできている、ターゲットの温度はその融解点に接近する場合がある。この影響はX線発生源の輝度を限定する主因の1つであるから、作り出された熱は効果的に除去されなければならない。X線はそれから、X線に対して透明でX線ビームの経路上に設置される窓を通過することによって真空チャンバから伝播する。
管の2つのファミリー、反射型で動作する管および透過型で動作するものがある。反射管において、ターゲットは管の内部に存在している。X線のフラックスは、X線に対してほとんど透明な(例えばベリリウムでできている)窓を通過することによって外部に向かって伝播し、その窓は管のチャンバに位置している。ターゲットと透過窓は分かれている。透過型で動作している管において、この場合薄膜からなる、ターゲットは透明窓と並置される。透過窓と呼ばれる窓はそれから、ターゲットの中で発生した熱の除去に重要な役割を果たす。X線に対する高い透過性を持つことに加えて、透過窓は最大限の熱伝導率を持たなければならない。
透過窓の配置とは無関係に、X線のフラックスは、コントラスト、透過力または空間分解能などの撮像パラメータを調整するために、強度においてそしてエネルギーにおいて経時的に変更され得る。X線のフラックスはこの場合意図的に変更される。具体的には、オペレータが電流および/または電子ビームの加速電圧を修正することができる。X線のフラックスは、とりわけ、高電圧電源におけるまたは電子源におけるゆらぎの後に、同様に意図するところなく変化し得る。X線発生管を最適に使用するために、X線のフラックスの直接測定が必要とされる。放射線療法において、例えば、これは管によって供給される放射線量率をリアルタイムで知ることを可能にする。
現在、透過窓は主にベリリウムでできている。ベリリウムは、X線に対する良好な透過性および、動作中のX線管によって発せられた熱を消散させることを可能にする、室温で約200W/(m.K)の熱伝導率を保有する金属である。それと対照的に、ベリリウムは、それが吸入された場合に重症を引き起こすことが可能な、極めて発癌性のある物質である。例としてベリリウム症が挙げられる。さらに、ベリリウムは金属であるから、X線フラックスの検出において使用することができない。
合成多結晶ダイヤモンドに対する数百W/(m.K)と単結晶ダイヤモンドに対する2000W/(m.K)との間に含まれる熱伝導率で、ダイヤモンドは、ベリリウムのそれより最高10倍高い熱伝導率を保有し、効果的に熱を伝導する。原子番号Z=6のダイヤモンドは、ベリリウム(Z=4)のそれに隣接したX線に対する透過性を持ち、超高真空気密膜の形で実施され得る。単結晶ダイヤモンドは優れた熱伝導率および非常に良好なX線検出特性を保有する。それと対照的に、数平方ミリメートルより大きいその面積を合成することはできない。多結晶ダイヤモンドは、より大きい面積にわたって容易に合成され得る。さらに、それは500から1500W/(m.K)の熱伝導率を保有する。多結晶ダイヤモンドの熱伝導率は多くの要因に依存する。例えば、結晶粒界の密度およびダイヤモンドの結晶構造の結晶粒径が挙げられる。さらに、多結晶ダイヤモンドは、ダイヤモンドの結晶構造の品質に同様に依存するX線検出特性を保有する。
多結晶ダイヤモンドでできた透過窓を含むX線発生装置は、しばらくの間使用されてきた。ベリリウムでできた透過窓をダイヤモンドでできた透過窓に置き換えることは、より高い電力密度を取り扱うことを可能にする。具体的には、ダイヤモンドの高い熱伝導率は、透過窓に影響を及ぼす電子スポットによって作り出された熱をよりよく消散させることを可能にする。熱のよりよい消散は、透過型で、すなわち同じ構造体の中にターゲット機能と窓機能の並置を用いて、動作するX線管に特に有利である。先行技術において、従来的な管のものより高出力を達成するために、ダイヤモンドの高い熱伝導率だけが利用されている。
現在、実際のX線のフラックスは、較正によって、電子ビームの加速電圧の測定値およびX線管の電流の測定値と、X線線量を関連付けることによって間接的に測定される。しかしながら、X線発生装置内のリーク電流、微小故障または実際に管の構造のエネルギーろ過および吸収効果は、それらが有用なX線のフラックスを発生させない一方でフラックスの決定に統合されるので、誤差要因である。
この困難を軽減するために、X線発生管によって放射されたX線のフラックスは、線量計とも呼ばれる、センサを使用して検出することができる。フラックスセンサはX線の入射フラックスを測定する。フラックスセンサは、X線ビームが続く方向に管から数センチメートルから数メートルに設置される。
本発明は、ダイヤモンドベースの透過窓にX線フラックスのセンサを設けることによって機能化された窓を管に統合することを目指す。
この目的を達成するために、本発明の主題は、陰極および陽極を有する真空チャンバを備えるX線発生管であって、前記陰極および陽極は真空チャンバの中に設置され、陰極は陽極の方向に電子ビームを放出し、陽極は電子ビームによって衝突されるときX線を放射するターゲットを含む。X線は、ダイヤモンドベースのX線センサがダイヤモンドでできた透過窓に統合されることを特徴とする、ダイヤモンドでできた透過窓を介してチャンバの壁を通過することによって真空チャンバから伝播する。
インラインX線フラックスセンサを作り出すために、ダイヤモンドは、半導体特性を保有するので、活性層として使用することができる。活性層がX線の入射フラックスのほとんどすべてを吸収しなければならない遠隔検出器と異なり、統合されたX線フラックススセンサは、管の使用を中断させないために、そして光子のフラックスに比例した信号を供給するために、X線フラックスのごく一部だけを吸収しなければならない。このようにして、X線のフラックスの連続的なインライン測定は、管の有用なフラックスを中断させることなく達成される。ダイヤモンドは、X線に対して非常に良好な透過性を持つので、インラインX線フラックスセンサの統合に使用され得る。遠隔のダイヤモンドベースのフラックス検出器の追加は、インラインで実際に作り出されたX線のフラックスを測定するために有利である場合がある。この組合せはしかしながら、使用されるために2つの独立したダイヤモンド基板を必要とする。フラックス検出器のダイヤモンドベースの透過窓への相互統合は、材料の使用を減少させ統合レベルを高めることを可能にすることになる。
その説明が添付の図面によって例示される、例として与えられた1つの実施形態の詳細な説明を読めば、本発明はよりよく理解され、他の利点は明らかになるであろう。
反射型X線管を概略的に示す。 透過型X線管を概略的に示す。 熱除去機能およびX線センサ機能を有する、透過型で動作する管のダイヤモンドベースの透過窓を例示する。 保護環を用いたX線センサの1つの変形形態を示す。 表面実装型電流検出器を用いたX線センサの1つの変形形態を示す。 複数のX線センサが窓に統合され複数の電子源に面して設置される、多焦点/マルチソースの管に対する透過窓の1つの変形形態を示す。 複数のターゲットが窓と並置される、透過窓の1つの変形形態を示す。 ダイヤモンドでできた透過窓の1つの変形形態を示す。 フィードバック制御ループを備えるX線発生管を示す。
明確化のために、同じ要素は、さまざまな図で同じ参照番号を与えられている。
一般に、そして図1aおよび1bに概略的に示されるように、X線発生管10は陰極12および陽極13を有する真空チャンバ11を備え、前記陰極および陽極は真空チャンバ11の中に設置される。陰極12は、電子ビーム14にさらされるときX線16を放射するターゲットとしてふるまう、陽極13の方向に電子ビーム14を放出する。換言すれば、ターゲットは陽極13である。X線16は、透明窓17を介してチャンバ11の壁を通過することによって真空チャンバ11から伝播する。窓17はX線に対して高い透過性を持たなければならない。図1aにおいて、ターゲット13は透過窓17から離れている。X線発生管10は反射構造を持つといわれる。図1bにおいて、ターゲット13は透過窓17と並置される。X線発生管10は透過構造を持つといわれる。電子ビーム16がターゲット13に衝突するとき、電子ビーム16から発せられたエネルギーの大部分はターゲット13の中で熱の形で消散する。X線発生管10のどんな劣化でも防止するために、熱は効果的に除去されなければならない。透過構造については、ターゲット13は透過窓17と並置されるので、透過窓17はターゲット13の中で発生した熱の除去に重要な役割を果たす。X線に対する高い透過性に加えて、透過窓17は非常に良好な熱伝導率を持たなければならない。
図2は、(矢印18で表された)熱除去機能およびX線16センサ機能で機能化された、ダイヤモンドベースの透過窓30を例示する。タングステンまたはターゲット13を形成可能な別の金属の堆積物がダイヤモンド窓30上に作り出される。ダイヤモンドの厚さは、窓が真空チャンバ11の真空と約1バールの外部圧力との間の圧力差に耐えることを可能にするのに十分でなければならない。例えば、1000GPaのヤング率および8mmの直径を保有するダイヤモンドでできた窓については、100μmの厚さが1バールの圧力差に抵抗するのに適している。したがって、検出および熱的機能に加えて、透過窓は同様に機械的機能を持つ。
透過窓30は、追加のダイヤモンド層を備える。追加の層はX線センサ21の役割を果たす。センサ21は、図1aに示した反射型で動作するターゲットに対しても、図1bに示した透過型で動作するターゲットに対しても実施され得ることは理解されるであろう。センサ21を形成するダイヤモンド体はドープされていない、すなわち、それは真性半導体特性を持っている。
電極19は、透過窓30上にセンサ21のために作り出される。電極19は、例えば金属層から構成され得る。電極19は同様に、ドープされたダイヤモンド層から構成され得る。換言すれば、電極19は半導体または金属である。窓30をX線発生管10に統合するために、前者は後者にはんだ付けまたは接着接合される。
動作において、電子ビーム14はターゲット13に衝突し、X線16のフラックスおよび熱を発生させる。熱は、ダイヤモンドでできた透過窓30を通して熱伝導によってX線発生管10の本体に転送される。窓30の材料の熱伝導率は、熱の除去において基本的な役割を果たす。
電圧20はセンサ21の電極19に印加される。センサ21の真性ダイヤモンド内でX線16のフラックスによって発生した電流は、電極19によって収集される。電流は放射されたフラックスに比例している。(図示されない)較正テーブルは、X線発生管10によって発生したX線16のフラックスをリアルタイムで知ることを可能にする。
上に詳述したように、ダイヤモンドは、X線フラックスに対して低い吸収率を保有し、フラックスをインラインで測定することを可能にする。X線フラックスに対するこの低い吸収率は、シリコンなどの他の半導体材料と比較してX線の線量により弱い応答(より低い電流)をもたらす。さらに、良好な結晶品質のダイヤモンドは、低い雑音レベルを呈する。したがって、信号対雑音比は好ましいものであって、有用なフラックスの最小の損失を保証すると同時にX線フラックスの正確な測定を可能にする。
図3は、センサを取り囲み電圧源に接続された導電性保護環22を用いたX線センサの変形形態を有する機能化されたダイヤモンドベースの透過窓31を示す。導電性保護環22は、矩形の形状であるが、任意の他の多角形の形状としてもよい。導電性保護環22は電極19を取り囲む環である。
導電性保護環22がなければ、発生管10は接地されるのに対して電極19はV0にバイアスされる。X線フラックスがないときには、ダイヤモンドの表面上の電位差のために電極19から管10の本体に通過する、電流がダイヤモンドの表面に存在し得る。これはリーク電流と呼ばれるものである。図2において、それは矢印41で表される。電位差の望ましくない効果を限定するために、電極19は電位V0にバイアスされ、導電性保護環22が設けられ、それは同様にV0にバイアスされる。したがって、電極19と環22との間にダイヤモンドの表面上の電位差はなく、したがって、電極19と環22との間に寄生電流はない。それと対照的に、寄生電流は電極19と管10の本体との間にまだ存在し得る。これが電極19および導電性保護環22が独立してバイアスされる理由である。電極19の電流は測定され、導電性保護環22の存在のおかげで、リーク電流とも呼ばれる、表面電流42は導電性保護環22と管10の本体との間にのみ存在し、したがって、それらは測定電流に影響を与えない。
図4は、表面実装型電流検出器24を用いたX線16センサ21の変形形態を有する機能化されたダイヤモンドベースの透過窓32を示す。2つの電極25および26は、透過窓17上にセンサ21のために作り出される。電極19については、電極25および26は金属層から、またはドープされたダイヤモンドの層から、構成され得る。電極25および26は交互配置の幾何学的パターンで従来通り配列される。導電性保護環を用いた構成のために言及された表面電流は、ダイヤモンド中の測定されるべき電流に対して無視できると想定されることになる。電極25および26は、測定されるべきセンサ21の表面に近いゾーンで発生した電流および望まれない寄生電流を排除することを可能にする。
一般に、電流を収集するために、セパレータ電界が印加される。例えば、2つの電極の間に電位差を印加することは、ダイヤモンドの中で光発生した電荷を方向づける電界を生み出す。2つの電極は、X線フラックスの測定を行うために、派生電流をピックアップすることを可能にする。2つの電極25および26は、センサの表面上だけに電界を印加する。したがって、電極間の距離は小さく、約数ミクロンである。印加される電圧はより小さく、光発生電荷の移動距離は最小化される。電荷はしたがって、よりよく収集される。さらに、収集量はより小さいので、収集される電荷の数はより小さいが、センサ21の表面温度も同様に巨大な量におけるより低く、熱雑音はしたがって大きく減少される。信号対雑音比はしたがって好ましい。
意図するところなく、または電子ビーム14を初めから構造化することによって制御された方法で、X線のフラックスを不均一とすることが可能である。したがって、X線フラックス分布を空間的に測定することが可能であることが望ましい。X線のフラックスの構造化は、X線解析のための画像再構成を可能にする。ターゲットの構造化は、断層撮影法などの応用を可能にする。
図5は、複数のX線センサが窓33に統合される、機能化されたダイヤモンドベースの透過窓33の変形形態を示す。図5において、2つのセンサ21および121が示される。その中に2つより多いセンサが統合される窓を作り出すことが同様に可能である。2本の電子ビーム14および114はターゲット13に衝突する。ターゲット13は、X線16および116の2つのフラックスを放射する。表面実装型電極25、26および125、126の2つのセットが透過窓33上に作り出される。センサはマトリックス配列されるといわれる。実際、複数のセンサは透過窓33に統合される。複数のセンサの存在は、複数の電子ビームの、または単一の不均一な電子ビームの存在下で、空間および時間分解能を可能にする。
図6は、2つのターゲット15および115が統合される、機能化されたダイヤモンドベースの透過窓34の変形形態を示す。実施例は2つのターゲットを示すが、ターゲットの他の複数のものを持つことは完全に可能である。ターゲットごとに1つの電子ビーム、またはすべてのターゲットにわたって分布した1つの単一の電子ビームは、ターゲット15および115に衝突する。2つのターゲット15および115は各々X線のフラックス、それぞれ16および116を放射する。電極25、26のセットは発生した電流を測定する。ターゲットは、X線のフラックスを構造化するために離散化または構造化されたといわれる。
本発明で説明されたようなX線発生管は、したがって、直接の、X線のフラックスのインライン測定を取得することを可能にする。加えるに、フラックスの空間分布についての情報を取得することが可能である。
現在、透過窓は主にベリリウムでできている。ベリリウムは、X線に対する良好な透過性を有する金属であり、200W/(m.K)の熱伝導率を保有する。少しずつ、ダイヤモンドでできた透過窓が現れている。本発明で使用されるような透過窓は、小型の窓の場合単結晶ダイヤモンドで作ることができ、または多結晶ダイヤモンドで作ることができる。最後に、本発明によるX線発生管の透過窓は、少なくとも1つの単結晶ダイヤモンド包有物を有する多結晶ダイヤモンドで作ることができる。これは、大きな窓面積を保つと同時にX線フラックスの測定を改善することを可能にする。
図7は多結晶および単結晶ダイヤモンドでできた透過窓を示す。多結晶および単結晶ダイヤモンドでできた透過窓は、ダイヤモンドの膜を成長させることを可能にするキャリア(シリコン、モリブデン、など)の上に単結晶ダイヤモンド50を置くことによって取得される。マスクは、単結晶ダイヤモンドのキャリアと平行でキャリアの反対側の表面53上に堆積される。多結晶ダイヤモンド51、52は単結晶ダイヤモンドの周りに合成される。多結晶ダイヤモンドは横方向および縦方向に成長する。多結晶ダイヤモンドが成長した後、単結晶ダイヤモンド上のマスクは除去され、ダイヤモンド膜はそのキャリアから解放され、単結晶ダイヤモンド包有物を有する多結晶ダイヤモンドでできた透過窓が取得される。透過窓は複数の単結晶ダイヤモンド包有物を持つことができる。各々の単結晶ダイヤモンド包有物は従来通り正方形の横断面を持つが、任意の他の形状であってもよい。
多結晶および単結晶ダイヤモンドでできた透過窓は、小さい面積にわたる単結晶ダイヤモンドの優れたX線検出および熱伝導特性と、広い面積にわたる多結晶ダイヤモンドの良好な機械的および熱的特性とを兼ね備える。理想的には、透過窓は、1つまたは複数の単結晶ダイヤモンド包有物50が1つまたは複数の電子ビーム14の軸上にあるように、設計され配置される。発生した熱は、単結晶ダイヤモンド包有物の数ミリメートルにわたってラジアル方向に効果的に広がる。熱はそれから多結晶ダイヤモンドによって除去される。所定の量の熱を消散させるために、単結晶ダイヤモンド包有物を有する多結晶ダイヤモンドでできた透過窓で必要とされる多結晶ダイヤモンドの厚さは、単に多結晶ダイヤモンドでできた透過窓と比べて小さい。単結晶ダイヤモンド包有物を有する多結晶ダイヤモンドでできた透過窓は、機械的にロバストであり、X線に対して透明である。窓の単結晶ダイヤモンド包有物は、X線フラックスセンサ21を作り出すために使用することができる。電極19がそれからセンサ21上に作り出される。したがって、透過窓は、熱を効果的に消散させ、チャンバの内部と外部との間の圧力差によって課される機械的条件に抵抗し、リアルタイムでX線発生管によって放射されたX線のフラックスを検出することを可能にする。
したがって、電界の効果の下で、X線発生管10の陰極12は、その電子がRF電磁波、または陽極13と陰極12との間に生み出された静的な場のおかげで発生管10の真空チャンバ11の中で加速される、電子ビーム14を放出する。一般に、電界の効果の下で電子を発生させる、多くのタイプの陰極がある。その中で、カーボンナノチューブに基づく冷陰極は、高周波数での電子の放出および光信号を使用するスイッチングなどの、一定数の潜在的な利点を持つ電界効果型エミッタである。冷陰極は、光学制御を達成するために電子ビームを制御することが可能である。さらに、上に解説したように、統合されたフラックスセンサを備えるX線発生装置10は、管10によって放射された線量を、その使用を中断させることなく直接測定することを可能にする。
図8はフィードバック制御ループ70を備えるX線発生管を示す。図2の要素と共通に示される要素は同一である。図8において、機能化された透過窓は、参照される30である。それは同じようにうまく図3から6の透過窓31、32、33または34の問題とすることができることに留意されたい。同様に、透過窓は単結晶または多結晶ダイヤモンドで作ることができ、または少なくとも1つの単結晶ダイヤモンド包有物を有する多結晶ダイヤモンドで作ることができ、その場合X線センサは単結晶ダイヤモンド包有物上で、ダイヤモンドでできた透過窓に統合することができる。
X線のフラックスを制御するための装置および制御するフィードバックは、既に存在する。この制御は一般に、光子の発生源の外部の検出器によって、またはX線発生源に発生装置によって供給される高電圧電流を測定することによってのいずれかで、遂行される。これらの2つの装置は、X線の線量の正確でリアルタイムの制御に対して制限がある。
距離dにおける外部検出器の場合、電離放射線のフラックスは、距離dの平方および検出器の空間的配置で変化する。したがって、正確にこの装置を特徴づけ較正することが必要である。発生装置、X線発生源、撮像システムの幾何学的パターンおよび検出器によって形成されるシステム全体のドリフトのため、これらの較正はとりわけ、例えば、医用画像または断層撮影用途において、頻繁でなければならない。
X線のフラックスの良好な制御に対する現在の装置の別の制限は、目標物または患者が発生源と検出器との間に位置している場合に現れる。この構成において、放射線スペクトルは修正され、この修正は通過される媒質の相互作用と関連付けられる。発生源のエネルギースペクトルは、目標物に応じた可変スペクトルに目標物の出口で修正されることになる。制御検出器の応答は光子のエネルギーの関数として線形でないので、このスペクトル修正は、システムの較正および線量のフィードバック制御に困難をもたらすことになる。
現在のX線発生装置において、線量のフィードバック制御は、発生装置によってX線発生源に供給される高電圧電流によって同様に限定される。具体的には、陽極によって受け取られ電離放射線を作り出す電流は、発生装置の電流設定ポイントに厳密に比例していない。可変的なリーク電流は、発生装置の電圧増倍器レベルで、または高電圧コネクタで、そして最後にX線発生源の内部で現れる場合がある。
加えるに、寄生電流は、入力として発生装置の電流Ikを使用するフィードバック制御の精度に影響を与える場合がある。高電圧(20から500kV)に引き上げられた電子部品に対して測定することが難しい電圧増倍器レベルにリーク電流Ifgがある場合がある。管/発生装置高電圧コネクタレベルにリーク電流Ifiがある場合がある。最後に、X線発生源の内部にリーク電流Ifがある場合がある。X線発生源の内部のリーク電流Ifは経時的に変動および変化し、リアルタイムで測定することは難しい。この電流は、X線発生管を形成する陰極の電極で電界効果によって放出された電流および、弾性衝突または真の二次再放出によって発生した二次電子の陽極からのバックフローに対応する電流に加えられた、陰極によって作り出されたしかし陽極に到達する前にインターセプトされた電流の一部分である。
X線発生管10は、陰極12の電子ビーム14を制御するためのフィードバック制御ループを備え、この制御ループは入力として発生管10によって放射されたX線のフラックスの測定値71を使用する。有利には、陰極12はカーボンナノチューブ光電陰極である。
したがって、X線発生管10は、陽極13によって受け取られた電離放射線を作り出す電流とこの陽極電流を作り出す要素との間に直接のフィードバックを提供するフィードバック制御ループ70を備える。この装置は、統合されたフラックスセンサおよび有利にはカーボンナノチューブ光電陰極または別の、より従来的な、タイプの、その電流が変更され得る電子エミッタを必要とする。これらの2つの機能は、同じX線発生源に統合される。
陽極13に統合されたフラックスセンサは、X線発生源によって発生した実際の線量に比例した信号を供給する。フラックスセンサによって供給された測定値71は、リーク電流の変動がどうであろうと陽極電流を正確な値に、設定ポイント72経由で、維持するために、陰極電流の直接制御を可能にする。
フラックスセンサの信号による放出電流のフィードバック制御は、発生装置、高電圧コネクタおよびX線発生源によって形成されるシステムのリークまたは寄生電流がどうであろうと、非常に安定したX線線量を発生させることを可能にする。放出電流におけるどんな変動も発生装置のセンサによって測定され、フィードバック制御ループ70は陰極12の制御信号に対応する補正を行う。この動作モードは、放出が高周波数でパルス化されるときまたは陰極が光学式コントローラ74経由で光信号73によって光学制御されるとき、供給される線量を安定させることを可能にするので、カーボンナノチューブに基づく陰極の使用のために特に有利である。

Claims (15)

  1. 陰極(12)および陽極(13)を有する真空チャンバ(11)を備えるX線発生管(10)であって、前記陰極および陽極は前記真空チャンバ(11)の中に設置され、前記陰極(12)は前記陽極(13)の方向に電子ビーム(14)を放出し、前記陽極(13)は前記電子ビーム(14)によって衝突されるときX線(16)を放射するターゲット(13)を含み、前記X線(16)はダイヤモンドベースの透過窓(17;30;31;32;33;34)を介して前記チャンバ(11)の壁を通過することによって前記真空チャンバ(11)から伝播し、ダイヤモンドベースのX線センサ(21;121)が前記ダイヤモンドベースの透過窓(17)に統合されることを特徴とする、X線発生管(10)。
  2. 前記ターゲット(13)は前記透過窓(17;30;31;32;33;34)から離れていることを特徴とする、請求項1に記載のX線発生管(10)。
  3. 前記ターゲット(13)は前記透過窓(17;30;31;32;33;34)と並置されることを特徴とする、請求項1に記載のX線発生管(10)。
  4. 前記X線センサ(21)は導電層から構成される少なくとも1つの電極(19)を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のX線発生管(10)。
  5. 前記X線センサ(21)はダイヤモンドのドープ層から構成される少なくとも1つの電極(19)を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のX線発生管(10)。
  6. 前記X線センサ(21)は表面実装型電流検出器(24)を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のX線発生管(10)。
  7. 複数のセンサ(21;121)が前記透過窓(33)に統合されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のX線発生管(10)。
  8. 複数のターゲット(15;115)が前記透過窓(34)と並置されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のX線発生管(10)。
  9. 前記X線センサ(21)は前記センサを取り囲み電圧源に接続された導電性保護環(22)を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のX線発生管(10)。
  10. 前記透過窓(17;30;31;32;33;34)は多結晶ダイヤモンドでできていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のX線発生管(10)。
  11. 前記透過窓(17;30;31;32;33;34)は単結晶ダイヤモンドでできていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のX線発生管(10)。
  12. 前記透過窓(17;30;31;32;33;34)は少なくとも1つの単結晶ダイヤモンド包有物(50)を有する多結晶ダイヤモンドでできていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のX線発生管(10)。
  13. 前記X線センサ(21)は単結晶ダイヤモンド包有物(50)中で、ダイヤモンドでできた前記透過窓(17;30;31;32;33;34)に統合されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載のX線発生管(10)。
  14. 前記X線発生管(10)は前記陰極(12)の前記電子ビーム(14)を制御するためのフィードバック制御ループ(70)を備え、この制御ループは入力として前記発生管(10)によって放射されたX線のフラックスの測定値(71)を使用することを特徴とする、請求項4〜13のいずれか一項に記載のX線発生管(10)。
  15. 前記陰極(12)はカーボンナノチューブ光電陰極であることを特徴とする、請求項14に記載のX線発生管(10)。
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