JP2018181768A - X線管 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置を大型化することなく、X線焦点径を小さなものとすることが可能なX線管を提供する。【解決手段】 外囲器回転型のX線管においては、陰極1におけるエミッタ2からの電子ビームEの出射方向と陽極3におけるターゲット面4とがなす角度θが90度以下となる構成を採用するとともに、入射角αを25度以下、さらに好ましくは、12度以下とし、さらに、平板状の電子放出部を備えたエミッタ2を使用している。【選択図】 図8

Description

この発明は、陽極と、陰極および陽極を内部に収容する外囲器とが一体となって回転する外囲器回転型のX線管に関する。
特許文献1には、電子ビームを出射する陰極と、この陰極から出射された電子ビームが衝突することによりX線を発生させる陽極と、この陰極から出射された電子ビームを偏向させることにより当該電子ビームを陽極と衝突させる磁場発生器と、陰極および陽極を内部に収容する外囲器とを備え、陽極と外囲器とが一体となって回転する外囲器回転型のX線管が開示されている。
陽極が回転する従来の回転陽極型X線管においては、冷却が輻射により行われることから、陽極のサイズを大きくすることにより熱容量を増やすことで長時間の点灯に対応している。これに対して、上述した外囲器回転型のX線管においては、陽極が熱的に外部と接続されていることにより、陽極のサイズを小さくしてX線管全体のサイズを小さくすることが可能となる。
なお、特許文献2に記載されたように、実質的に平面的に形成された電子放出部を有する陰極(エミッタ)を使用することにより、X線の焦点径を改善することが可能であることが知られている。また、特許文献3に記載されたように、陰極と陽極との間に四重極を一対備えた四重極レンズを配設することにより、X線の焦点径を制御することが可能であることが知られている。
特開平10−69869号公報 米国特許6646366号明細書 米国特許7839979号明細書
陰極から出射される電子ビームのビーム径は、電子ビームの進行方向と垂直となる面で最小となる。このため、陽極に衝突するときの電子ビームの進行方向と陽極(ターゲット)の表面とがなす角度は、垂直であることが好ましい。一方、従来の回転陽極型X線管においては、X線の視野の関係から、電子ビームの進行方向と陽極の表面とがなす角度を、垂直方向から12度程度傾けている。この程度の傾きであれば、入射電子ビーム径に対するX線焦点径の変化は無視できる程度となる。
一方、上述したような外囲器回転型のX線管においては、陰極からの電子ビームの出射方向と外囲器の回転軸方向とが同軸状となっており、この電子ビームを偏向して陽極に衝突させる構成であることから、電子ビームが陽極のターゲット面に対して浅い角度で入射することになる。すなわち、陰極から出射されて陽極におけるターゲット面に衝突するときの電子ビームの軌道とターゲット面に立てた法線とがなす交差角度である入射角が大きなものとなる。このように、電子ビームの入射角が大きくなった場合においては、ターゲット面と衝突して生ずるX線焦点径が偏向方向に広がってしまうという問題が発生する。また、電子ビームの入射角が大きくなった場合においては、後方散乱電子が増加することから、同一の管電流を付与した場合においても得られるX線量が減少してしまうという問題も生ずる。このX線量の減少に対応するため、管電流を増加させた場合には、空間電荷効果により電子ビーム径が大きくなってしまう。
この点について、図14および図15に基づいて説明する。図14および図15は、陽極3に対する電子ビームEの入射角αを示す説明図である。
図14に示すように、従来の回転陽極型のX線管において、X線の視野の関係から、陽極3のターゲット面4が角度Aだけ傾斜して形成されており、図14において破線で示すように、電子ビームEが陽極3に対して垂直方向からターゲット面4に照射された時には、ターゲット面4に対する電子ビームEの入射角αはAとなる。
入射電子に対する反射電子(X線)の伸長Lは、ターゲット面4に対する電子ビームEの入射角をαとしたときに、下記の式により表される。
L=1/cosα
このため、Aが12度、すなわち、入射角αが12度であれば、伸長Lは1.02倍となる。また、入射角αが25度であれば、伸長Lは1.1倍となる。これらのいずれの場合においても、伸長Lは無視し得る範囲となる。
また、入射電子に対する反射電子の割合ηは、ターゲット面4に対する電子ビームEの入射角をαとしたときに、下記の式により表される。
η=(1+cosα)−1.046
入射角が0度、すなわち、電子ビームEがターゲット面4に垂直に入射した場合の割合ηは0.4846となる。これに対して、入射角αが12度である時にはηは0.4899となり、X線の発生に寄与する電子ビームは入射角αが0度のときの約99%となる。また、入射角αが25度である時にはηは0.5092となり、X線の発生に寄与する電子ビームは入射角αが0度のときの約95%となる。これらのいずれの場合においても、反射電子の割合の変化も無視し得る範囲となる。
これに対して、外囲器回転型のX線管の場合においては、電子ビームEが陽極3のターゲット面4に対して浅い角度で入射することになる。図15において破線で示すように、電子ビームEが陽極3に対して角度Bだけ傾斜した方向からターゲット面4に入射したときには、ターゲット面4に対する電子ビームEの入射角は、図15に示すαとなる。例えば、図15に示すBが30度であり、図14と同様、Aが12度であった場合には、入射角αは72度となり、伸長は3.24倍となる。また、入射角αが72度であった場合には、ηは0.7545となり、入射角αが0度の場合と比較して、X線の発生に寄与する電子が半減してしまうことになる。
電子ビームEが陽極3のターゲット面4に対して浅い角度で入射する(入射角αが大きくなる)という問題は、例えば、外囲器回転型のX線管の場合に陽極を小さなものとしたり、陰極と陽極の距離を大きく設定したりすることによりある程度は緩和することが可能となる。しかしながら、前者の対応を採る場合においては、陽極の熱拡散速度の限界から陽極を小さくするのにも限界があり、後者の対応を採る場合においては、電子の飛行距離が大きくなって空間電荷効果の影響が大きくなり、また、装置全体が大型化するという問題が生ずる。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、装置を大型化することなく、X線焦点径を小さなものとすることが可能なX線管を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、電子ビームを出射する陰極と、前記陰極から出射された電子ビームが衝突することによりX線を発生させる陽極と、前記陰極から出射された電子ビームを偏向させることにより当該電子ビームを前記陽極と衝突させる磁場発生器と、前記陰極および前記陽極を内部に収容する外囲器とを備え、前記陽極と前記外囲器とが一体となって回転する外囲器回転型のX線管であって、前記陰極から出射される電子ビームの出射方向と前記陽極におけるターゲット面とがなす角度が90度以下であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記陰極から出射されて前記陽極に衝突するときの電子ビームの軌道と、前記ターゲット面に立てた法線とがなす交差角度が、25度以下である。
請求項3に記載の発明は、電子ビームを出射する陰極と、前記陰極から出射された電子ビームが衝突することによりX線を発生させる陽極と、前記陰極から出射された電子ビームを偏向させることにより当該電子ビームが前記陽極と衝突させる磁場発生器と、前記陰極および前記陽極を内部に収容する外囲器とを備え、前記陽極が前記外囲器と一体となって回転する外囲器回転型のX線管であって、前記陰極から出射されて前記陽極に衝突するときの電子ビームの軌道と、前記陰極におけるターゲット面に立てた法線とがなす交差角度が、25度以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の発明において、前記陰極から出射されて前記陽極に衝突するときの電子ビームの軌道と、前記ターゲット面に立てた法線とがなす交差角度が、12度以下である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明において、前記陽極は、平面状の電子ビーム出射面を有するエミッタを備える。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の発明において、前記陰極と前記磁場発生器との間に、一対の四重極からなる四重極レンズを備える。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記磁場発生器は、前記一対の四重極のうち陽極側の四重極と一体として構成される。
請求項1に記載の発明によれば、陰極から出射される電子ビームの出射方向と陽極におけるターゲット面とがなす角度が90度以下であることから、外囲器回転型のX線管において、電子ビームの軌道とターゲット面に立てた法線とがなす交差角度を小さなものとすることができる。このため、装置全体の大きさをコンパクトにすること、かつ、X線焦点径を小さなものとすることが可能となり、さらに、電子ビームをX線の発生に効率的に使用することが可能となる。
請求項2から請求項4に記載の発明によれば、外囲器回転型のX線管において、電子ビームの軌道とターゲット面に立てた法線とがなす交差角度を小さなものとすることができる。このため、装置全体の大きさをコンパクトにすること、かつ、X線焦点径を小さなものとすることが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、平面状の電子ビーム出射面を有するエミッタを備える陽極を使用することにより、X線焦点径をさらに小さなものとすることが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、一対の四重極からなる四重極レンズの作用により、X線焦点径をさらに小さなものとすることが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、装置全体をさらにコンパクトに構成することが可能となり、その結果電子の飛行距離が短くなるので、X線焦点径をさらに小さくすることが可能となる。
この発明の第1実施形態に係る外囲器回転型のX線管の概要図である。 磁場発生器5の正面概要図である。 磁場発生器5の正面概要図である。 磁場発生器5の正面概要図である。 磁場発生器5の正面概要図である。 エミッタ2の斜視図である。 エミッタ2の平面図である。 この発明に係る外囲器回転型のX線管におけるターゲット面4の角度および電子ビームEの入射角αを示す説明図である。 この発明の第2実施形態に係る外囲器回転型のX線管の概要図である。 四重極6の正面概要図である。 この発明の第3実施形態に係る外囲器回転型のX線管の概要図である。 複合部材7の正面概要図である。 他の実施形態に係る複合部材7の正面概要図である。 陽極3に対する電子ビームEの入射角αを示す説明図である。 陽極3に対する電子ビームEの入射角αを示す説明図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明の第1実施形態に係る外囲器回転型のX線管の概要図である。
この外囲器回転型のX線管は、その内部が真空排気された外囲器12を備える。この外囲器12は、図示を省略したモータの駆動により、一対の回転軸11の軸心を回転中心Cとして回転する。また、この外囲器12内における一方の回転軸11の先端の位置には、平面状の電子ビーム出射面を有するエミッタ2を備えた陰極1が配設されている。また、この陰極1と対向する外囲器12の端面には、陰極1から発生した電子ビームEが衝突することによりX線Xを発生させるターゲット面4を備えた陽極3が配設されている。陰極1および陽極3には、図示を省略したスリップリング機構により、一対の回転軸11を介して高電圧が印加される。
陰極1におけるエミッタ2から出射された電子ビームEは、高電圧が作る電界の作用により陽極3に向けて加速される。そして、この電子ビームEは、外囲器12の外周部に設けられた磁場発生器5の作用により偏向され、陽極3のターゲット面4に衝突し、X線Xを発生させる。このX線Xは、外囲器12に形成されたX線透過部材から構成される放射口13から外部に放射される。
図2から図5は、上述した磁場発生器5の正面概要図である。
図2に示す磁場発生器5は、円形のヨーク53に対して等間隔で形成された4個の突起部51と、この突起部51に巻回されたコイル52とから構成される。この磁場発生器5においては、4個の突起部51およびコイル52により、図2の上方に一対のN極が構成され、下方に一対のS極が構成される。
図3に示す磁場発生器5は、円形のヨーク53に対して等間隔で形成された6個の突起部51と、この突起部51に巻回されたコイル52とから構成される。この磁場発生器5においては、6個の突起部51およびコイル52により、N極とS極とが交互に構成される。
図4に示す磁場発生器5は、円形のヨーク53に対して等間隔で形成された2個の突起部51と、この突起部51に巻回されたコイル52とから構成される。この磁場発生器5においては、図4の上方にN極が構成され、下方にS極が構成される。
図5に示す磁場発生器5は、円形のヨーク53に対して等間隔で形成された6個の突起部51と、この突起部51に巻回されたコイル52とから構成される。この磁場発生器5においては、6個の突起部51およびコイル52により、図5の上方に3個のN極が構成され、下方に3個のS極が構成される。なお、磁場発生器は一般的に偏向面に対してヨーク突起部が対称であり、対応するコイルが作る極が反対であればよい。また、円形のヨーク53は便宜上円形としているが、突起部を連結していればよく、例えば四角形のような形状でもよい。偏向面で対称である必要もない。
図6は、エミッタ2の斜視図である。また、図7は、エミッタ2の平面図である。
このエミッタ2は、純タングステンまたはタングステン合金からなり、平板状の電子放出部20と、一対の端子部25と、一対の支持部26とを備えている。これらの電子放出部20、一対の端子部25と、一対の支持部26とは、単一の平板材料から切り出され、曲げ加工によって一体形成されている。
図6および図7に示すように、電子放出部20は、曲がりくねった形状(ミアンダ形状)の電流通路によって平板状に形成されており、平面的に見て、電子放出部20は円形状に形成されている。電子放出部20の中央部24は、上述した外囲器12の回転軸11の回転中心Cに一致し、エミッタ2は、外囲器12の回転に伴って中央部24を中心に回転する。
電子放出部20は、第1部分21と、第2部分22と、第3部分23と、中央部24とを含んでいる。第1部分21は、一方の端子部25から他方の端子部25側に向けて弧状に延びるように一対設けられた、外周側の部分である。第2部分22は、第1部分21から連続して第1部分21よりも内周側を、反対の端子部25側に向けて弧状に延びるように設けられている。第3部分23は、第2部分22から連続してさらに反対側に向けて弧状に延び、中央部24に接続するように設けられている。
このエミッタ2は、いわゆる熱電子放出型のエミッタであり、一対の端子部25を介して通電加熱され、平板状の電子放出部20が、所定電流で所定温度(約2400K〜約2500K)に通電加熱されることにより、電子放出部20から電子ビームEを放出する構成を有する。
このような平板状の電子放出部20を備えたエミッタ2を使用することにより、X線焦点径をより小さなものとすることが可能となる。そして、電子放出部20が、平面的に見て外囲器12の回転中心Cを中心とした円形状を有することにより、エミッタ2が回転した場合においても、均一に電子ビームEを放出することが可能となり、X線焦点径をより一層小さなものとすることが可能となる。なお、エミッタ2の表面に酸化膜などの仕事関数の小さなものを取り付けてもよい。さらに、エミッタ2は電子放出部20が実質的に平板であればよく、一対の端子部25や、一対の支持部26、曲げ加工などがなくてもよい。
図8は、この発明に係る外囲器回転型のX線管におけるターゲット面4の角度および電子ビームEの入射角αを示す説明図である。簡略化のため、磁場発生器などは省略している。
この発明に係るX線管においては、図8に示すように、陰極1におけるエミッタ2から出射される電子ビームEの出射方向と陽極3におけるターゲット面4とがなす角度θが90度以下となっている。ここで、外囲器回転型のX線管においては、エミッタ2から出射される電子ビームEの出射方向は、外囲器12の回転中心Cと一致している。このため、陰極1におけるエミッタ2から出射される電子ビームEの出射方向と陽極3におけるターゲット面4とがなす角度θは、外囲器12の回転中心Cとターゲット面4とがなす角度θと一致している。
従来の外囲器回転型のX線管においては、この角度θは、90度より大きくなっており、図8に示すターゲット面4とは逆側に傾斜している。例えば、図14に示す従来の陽極3のように、ターゲット面4が角度Aだけ傾斜し、この角度Aが12度であった場合には、θは102度となる。このような構成を採用した場合においては、図15に示す従来例の場合と同様に、入射電子に対する反射電子(X線)の伸長Lが大きくなり、また、入射電子に対する反射電子の割合ηも大きなものとなる。
これに対して、図15に示すように、電子ビームEが陽極3のターゲット面4に対して角度Bだけ傾斜した方向から入射し、この角度Bが30度であった場合においては、陰極1におけるエミッタ2から出射される電子ビームEの出射方向と陽極3におけるターゲット面4とがなす角度θを90度以下の60度とすることにより、陽極3におけるターゲット面4に衝突するときの電子ビームEの進行方向とターゲット面4とがなす角度を垂直(すなわち、入射角αが0度)とすることが可能となる。
そして、図8において一部を拡大して示すように、陰極1におけるエミッタ2から出射されて陽極3におけるターゲット面4に衝突するときの電子ビームEの軌道とターゲット面4に立てた法線とがなす交差角度である入射角αが25度以下であった場合には、上述したように、伸長Lは1.1倍であり、X線の発生に寄与する電子ビームEは入射角αが0度のときの約95%となることから、X線焦点径を小さなものとすることが可能となり、さらには、電子ビームEをX線の発生に効率的に使用することが可能となる。また、この入射角αが12度以下であった場合には、上述したように、伸長Lは1.02倍であり、X線の発生に寄与する電子ビームEは入射角αが0度のときの約99%となることから、X線焦点径をさらに小さなものとすることが可能となり、さらには、電子ビームEをX線の発生により効率的に使用することが可能となる。
すなわち、この発明に係る外囲器回転型のX線管においては、電子ビームEの出射方向と陽極3におけるターゲット面4とがなす角度θが90度以下となる構成を採用するとともに、好ましくは入射角αを25度以下、さらに好ましくは、12度以下とし、さらに、平板状の電子放出部20を備えたエミッタ2を使用することにより、装置全体の大きさをコンパクトにすること、かつ、X線焦点径を小さなものとすることが可能となり、さらに、電子ビームEをX線の発生に効率的に使用することが可能となる。
次に、この発明の他の実施形態について説明する。図9は、この発明の第2実施形態に係る外囲器回転型のX線管の概要図である。なお、上述した第1実施形態に係る外囲器回転型のX線管と同様の部材については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この第2実施形態に係る外囲器回転型のX線管は、陰極1と磁場発生器5との間に、一対の四重極(quadru pole)6からなる四重極レンズを備えた構成を有する。
図10は、四重極レンズを構成する四重極6の正面概要図である。
この四重極6は、円形のヨーク63に対して等間隔で形成された4個の突起部61と、この突起部61に巻回されたコイル62とから構成される。この四重極6においては、4個の突起部61およびコイル62により、N極とS極が交互に構成される。このような四重極6を一定の距離だけ離隔させ極性を逆転させた状態で一対配置して四重極レンズを構成し、それらのコイル62に供給する電流を制御することにより、四重極レンズを通過する電子ビームEの径を制御することが可能となる。従って、この四重極レンズにより、陽極3におけるターゲット面4に衝突する電子ビームEの径を小さなものとすることが可能となる。なお、第1実施形態に記載したように、円形のヨーク63は円形である必要はない。
この第2実施形態に係る外囲器回転型のX線管においては、陰極1におけるエミッタ2から出射された電子ビームEは、一対の四重極6よりなる四重極レンズによりその径が絞られる。そして、磁場発生器5により偏向され、陽極3におけるターゲット面4と衝突する。
このとき、この第2実施形態に係る外囲器回転型のX線管においては、一対の四重極6より成る四重極レンズを陰極1側に配置し、磁場発生器5を陽極3側に配置している。磁場発生器5を陰極1側に配置し、一対の四重極6より成る四重極レンズを陽極3側に配置した場合においても、装置全体の大きさをコンパクトにすること、かつX線焦点径を小さなものとすることが可能となり、さらに、電子ビームEをX線の発生に効率的に使用することが可能となるが、外囲器12と電子ビームEとの衝突を避けるために、外囲器12と四重極6における内部開口を大きなものとする必要がある。このとき、四重極6間の距離は広がるが、これは単純にサイズが大きくなるだけでなく、同等のレンズ効果を得るためにはコイルに流す電流を増やす必要がある。これは、コイルの発熱や磁極の飽和という新たな問題を生み出す。これに対して、この実施形態のように、一対の四重極6より成る四重極レンズを陰極1側に配置し、磁場発生器5を陽極3側に配置した場合においては、装置全体の大きさをよりコンパクトにするだけでなく、このような問題の発生を防止することが可能となる。
この第2実施形態に係る外囲器回転型のX線管においては、第1実施形態の場合と同様、陰極1におけるエミッタ2から出射される電子ビームEの出射方向と陽極3におけるターゲット面4とがなす角度θが90度以下となっている。そして、陰極1におけるエミッタ2から出射されて陽極3におけるターゲット面4に衝突するときの電子ビームEの軌道とターゲット面4に立てた法線とがなす交差角度である入射角αが好ましくは25度以下、さらに好ましくは、12度以下となっている。このため、装置全体の大きさをコンパクトにすること、かつ、X線焦点径を小さなものとすることが可能となり、さらに、電子ビームEをX線の発生に効率的に使用することが可能となる。
次に、この発明のさらに他の実施形態について説明する。図11は、この発明の第3実施形態に係る外囲器回転型のX線管の概要図である。なお、上述した第1、第2実施形態に係る外囲器回転型のX線管と同様の部材については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この第3実施形態に係る外囲器回転型のX線管は、陰極1と陽極3との間に、図10に示す四重極6と、四重極と磁場発生器と組み合わせた複合部材7とを、この順に配設した構成を有する。すなわち、この第3実施形態においては、磁場発生器が、一対の四重極のうちの陽極3側の四重極と一体として構成されている。
図12は、複合部材7の正面概要図である。
この複合部材7は、円形のヨーク73と、この円形のヨーク73に対して等間隔で形成された4個の突起部71を備える。各突起部71には、四重極を構成するための図10と同様のコイル62と、磁場発生器を構成するための図2と同様のコイル52とが巻回されている。四重極を構成するためのコイル62により、図10の場合と同様、N極とS極が交互に構成される。また、磁場発生器を構成するためのコイル52により、図2の場合と同様、図12の上方に一対のN極が構成され、下方に一対のS極が構成される。このような構成を有する複合部材7は、各コイル52と各コイル62とにより、四重極の機能と磁場発生器の機能とを奏することになる。なお、便宜上、各突起部71にコイル52とコイル62が巻回されているように記載しているが、両者を一体とし、コイルに流す電流を加算、または、減算してもよい。また、第1実施形態に記載したように、円形のヨーク73は円形である必要はない。
この第3実施形態に係る外囲器回転型のX線管においては、陰極1におけるエミッタ2から出射された電子ビームEは、四重極6と、複合部材7による四重極の機能とにより構成される四重極レンズによりその径が絞られる。そして、複合部材7の磁場発生器の機能により偏向され、陽極3におけるターゲット面4と衝突する。
このとき、この第3実施形態に係る外囲器回転型のX線管においては、四重極6と複合部材7とによる四重極レンズ機能を陰極1側において作用させ、複合部材7による磁場発生機能を陽極3側において作用させている。このため、第2実施形態の場合と同様、四重極6における内部開口を大きなものとすることで発生する問題を回避できる。また、単一の複合部材7により四重極機能と磁場発生機能を奏することができ、陰極1から陽極3に至る外囲器12のサイズを、より一層コンパクトなものとすることが可能となる。
この第3実施形態に係る外囲器回転型のX線管においては、第1、第2実施形態の場合と同様、陰極1におけるエミッタ2から出射される電子ビームEの出射方向と陽極3におけるターゲット面4とがなす角度θが90度以下となっている。そして、陰極1におけるエミッタ2から出射されて陽極3におけるターゲット面4に衝突するときの電子ビームEの軌道とターゲット面4に立てた法線とがなす交差角度である入射角αが好ましくは25度以下、さらに好ましくは、12度以下となっている。このため、装置全体の大きさをコンパクトにすること、かつ、X線焦点径を小さなものとすることが可能となり、さらに、電子ビームEをX線の発生に効率的に使用することが可能となる。
図13は、他の実施形態に係る複合部材7の正面概要図である。
図12に示す複合部材7においては、円形のヨーク73に対して等間隔で形成された4個の突起部71に対して、四重極を構成するためのコイル62と、磁場発生器を構成するためのコイル52とを巻回している。これに対して、図13に示す実施形態においては、4個の突起部71に対して四重極を構成するためのコイル62のみを巻回し、円形のヨーク73に対して、磁場発生器を構成するためのコイル52を巻回した構成を採用している。
このような構成を採用した場合においても、単一の複合部材7により四重極機能と磁場発生機能を奏することができ、陰極1から陽極3に至る外囲器12のサイズを、よりコンパクトなものとすることが可能となる。これは、電子の飛行距離を短くすることになるので、空間電荷効果の影響を少なくすることができ、X線焦点径をより小さくすることが可能となる。
以上のように、この発明の第1〜第3実施形態に係る外囲器回転型のX線管によれば、装置全体の大きさをコンパクトにすること、かつ、X線焦点径を小さなものとすることが可能となり、さらには、入射電子に対する反射電子の割合を小さくして電子ビームEをX線の発生に効率的に使用することが可能となる。
1 陰極
2 エミッタ
3 陽極
4 ターゲット面
5 磁場発生器
6 四重極
7 複合部材
11 支軸
12 外囲器
20 電子放出部
25 端子部
51 突起部
52 コイル
53 ヨーク
61 突起部
62 コイル
63 ヨーク
71 突起部
73 ヨーク
C 回転中心
E 電子ビーム
X X線
α 入射角
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明において、前記陰極は、平面状の電子ビーム出射面を有するエミッタを備える。
請求項5に記載の発明によれば、平面状の電子ビーム出射面を有するエミッタを備える陰極を使用することにより、X線焦点径をさらに小さなものとすることが可能となる。

Claims (7)

  1. 電子ビームを出射する陰極と、前記陰極から出射された電子ビームが衝突することによりX線を発生させる陽極と、前記陰極から出射された電子ビームを偏向させることにより当該電子ビームを前記陽極と衝突させる磁場発生器と、前記陰極および前記陽極を内部に収容する外囲器とを備え、前記陽極と前記外囲器とが一体となって回転する外囲器回転型のX線管であって、
    前記陰極から出射される電子ビームの出射方向と前記陽極におけるターゲット面とがなす角度が90度以下であることを特徴とするX線管。
  2. 請求項1に記載のX線管において、
    前記陰極から出射されて前記陽極に衝突するときの電子ビームの軌道と、前記ターゲット面に立てた法線とがなす交差角度が、25度以下であるX線管。
  3. 電子ビームを出射する陰極と、前記陰極から出射された電子ビームが衝突することによりX線を発生させる陽極と、前記陰極から出射された電子ビームを偏向させることにより当該電子ビームが前記陽極と衝突させる磁場発生器と、前記陰極および前記陽極を内部に収容する外囲器とを備え、前記陽極が前記外囲器と一体となって回転する外囲器回転型のX線管であって、
    前記陰極から出射されて前記陽極に衝突するときの電子ビームの軌道と、前記陰極におけるターゲット面に立てた法線とがなす交差角度が、25度以下であることを特徴とするX線管。
  4. 請求項2または請求項3に記載のX線管において、
    前記陰極から出射されて前記陽極に衝突するときの電子ビームの軌道と、前記ターゲット面に立てた法線とがなす交差角度が、12度以下であるX線管。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のX線管において、
    前記陽極は、平面状の電子ビーム出射面を有するエミッタを備えるX線管。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のX線管において、
    前記陰極と前記磁場発生器との間に、一対の四重極からなる四重極レンズを備えるX線管。
  7. 請求項6に記載のX線管において、
    前記磁場発生器は、前記一対の四重極のうち陽極側の四重極と一体として構成されるX線管。
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