JP2012084383A - X線発生方法及びx線発生装置 - Google Patents

X線発生方法及びx線発生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高輝度のX線を発生させることが可能な、新規なX線発生方法及びX線発生装置を提供する。
【解決手段】室内に少なくともターゲットを配置し、前記ターゲットの表面に対する電子線の入射角をβとした場合に、前記ターゲットの表面に、前記室内又は前記室外に配置された電子線源よりβ≦60度を満足するようにして電子線を照射する。そして、前記ターゲットの表面からのX線の出射角をαとした場合において、−30度≦β−α≦60度を満足するようにして前記X線を発生させて取り出す。
【選択図】図1

Description

本発明は、高輝度のX線を生成することが可能なX線発生方法及びX線発生装置に関する。
X線回折測定等においては、可能なかぎり強い輝度のX線を試料に照射して測定を行う必要のある場合がある。この様な場合に用いられるX線発生装置として従来から回転対陰極X線発生装置が知られている。
この回転対陰極X線発生装置は、内部に冷却媒体を流通させた円柱状の対陰極(ターゲット)を高速で回転させながら、その外周表面に電子線を照射してX線を発生させるものである。この回転対陰極X発生装置は、ターゲットを固定した固定ターゲットのタイプに比較してターゲット上の電子線の照射位置が時々刻々と変化するので冷却効率が極めて高く、したがって、対陰極に大電流の電子線を照射することができ、強力な(高輝度)X線を発生させることができる。
しかしながら、この場合においては、上記ターゲット上において単位面積当たりに照射される電子ビームの強度が増大してしまうことになるので、電子線照射によって前記ターゲットが溶解し、飛散してしまうことになる。したがって、理論上は、上述のような関係に基づいてX線の輝度を増大させることはできるが、実際上は、前記ターゲットの融点に起因してX線の輝度の増大には限界があった。
このような問題に鑑みて、特開2004−172135号公報には、回転対陰極X線発生装置の、回転中心を中心軸とする筒状部分の内側に対して電子線を照射し、かかる部分をその融点近傍にまで加熱して、高輝度のX線を発生することが試みられている。この場合、前記電子線の照射部は前記回転対陰極の融点近傍にまで加熱されるので、前記照射部は少なくとも部分的に溶解するようになる。しかしながら、前記照射部は前記回転対陰極の回転に伴って発生する遠心力によって前記筒状部分に保持されるようになるので、前記照射部の、溶解部分の外方への飛散を抑制することができる。
したがって、特開2004−172135号公報に開示された技術によれば、上述したターゲットの溶解及び飛散の問題を回避した状態で、ターゲット上における単位面積当たりに照射される電子ビームの強度を増大させることができるので、従来に比し、比較的高い輝度のX線を得ることができる。
特開2004−172135号公報
しかしながら、X線を利用した高分解能の分析及び検査を考慮するとさらなる高輝度のX線が求められている。また、このような高輝度のX線を少ない電力で実現することが望まれている。
本発明は、高輝度のX線を発生させることが可能な、新規なX線発生方法及びX線発生装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、
室内に少なくともターゲットを配置するステップと、
前記ターゲットの表面に対する電子線の入射角をβとした場合に、前記ターゲットの表面に、前記室内又は前記室外に配置された電子線源よりβ≦60度を満足するようにして電子線を照射するステップと、
前記ターゲットの表面からのX線の出射角をαとした場合において、−30度≦β−α≦60度を満足するようにして前記X線を発生させて取り出すステップと、
を具えることを特徴とする、X線発生方法に関する。
また、本発明は、
電子線照射によりX線を発生させるためのターゲットと、
少なくとも前記ターゲットを配置するための室と、
前記室内又は前記室外に配置された、前記電子線を照射するための電子線源とを具え、
前記ターゲットの表面に対する前記電子線の入射角をβとし、前記ターゲットの表面からのX線の出射角をαとした場合において、前記ターゲットの表面に、前記電子線源よりβ≦60度を満足するようにして電子線を照射し、−30度≦β−α≦60度を満足するようにして前記X線を発生させて取り出すように構成したことを特徴とする、X線発生装置に関する。
なお、入射角β及び出射角αは、ターゲット表面を基準にして測定したものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を実施した。その結果、ターゲットから発生させるべきX線の輝度には、X線を発生させるべきエネルギー線、すなわち電子線の入射角、及び発生したX線の取り出し角度が重大な影響を与えていることを見出した。すなわち、汎用のX線生成方法及び装置においては、X線発生のためのターゲットの表面に対して約90度の角度で電子線を入射させ、ターゲットの表面から約5〜6度の範囲で出射されるX線のみを選択して取り出すようにしていた。
しかしながら、上述のような条件で電子線をターゲットに照射し、生成したX線を取り出す場合、電子線はターゲット内に深く入り込む(飛程re)ようになり、そこで生成したX線はターゲット表面に達して取り出されるようになるまで、ターゲット内を比較的長距離(re/sinα)(αはX線の取り出し角度)に亘って進むようになる。この結果、このようにして生成したX線はターゲットによって大部分が吸収されてしまい、最終的にターゲットより取り出されるX線の強度も減少してしまう。
また、上述した現象は、電子線のエネルギー、すなわち加速電圧が増大するにつれて顕著になる。
例えば、Cuターゲットに80keVのエネルギーを有する電子線を照射した場合、電子線はCuターゲット中に約14μmの深さまで入り込み、X線の出射角を5.7度とすると、当該深さで発生したX線は、約14μm/sin5.7度=140μmに亘ってターゲット内を進むことになる。したがって、当該深さで発生したX線は、吸収がない場合に比べて表面に達するX線の量は1/1000程度にまで減少する。
したがって、本発明者は、上述のような事実に鑑み、ターゲットに対する電子線の入射角及びX線の出射角、すなわち取り出し角度を種々変化させ、その際のX線の輝度を種々調べた。その結果、ターゲットに対する電子線の入射角βを所定の角度、具体的には60度以下とし、生成したX線の出射角(取り出し角度)αを−30度≦β−α≦60度を満足するように設定し、この要件を満足するような角度αに出射したX線を取り出すことによって、比較的輝度の高いX線を簡易に得られることを見出した。
換言すれば、X線発生装置等に大幅な改良を加えることなく、X線を発生すべきターゲットに対する電子線の入射角β及び発生したX線の出射角αが上述した要件を満足するように装置に改良を加えるのみで、高輝度のX線を簡易に得られることを見出したものである。
なお、上述した説明から明らかなように、本発明は、試行錯誤とこれによる現象の発見とに基づいて完成されたものであり、上述した現状の発見等も当然に本発明の範疇に含まれるものである。
本発明の一例において、X線は、0度≦β−α≦60度を満足するように発生させて取り出すことができる。この場合、高エネルギーの電子線がターゲットに照射された場合においても、上記関係を満足するような出射角αのX線を選択して取り出すようにすれば、比較的簡易に高輝度のX線を得ることができる。
また、本発明の一例において、X線は、30度≦β−α≦50度を満足するように発生させて取り出すことができる。この場合、低エネルギーの電子線がターゲットに照射された場合においても、上記関係を満足するような出射角αのX線を選択して取り出すようにすれば、比較的簡易に高輝度のX線を得ることができる。
なお、低エネルギーの電子線が照射された場合のX線の出射角αの要件が、高エネルギーの電子線が照射された場合のX線の出射角αの要件より減縮されている。これは、低エネルギーの電子線が照射された場合、電子線はターゲットに対してあまり深く侵入しなくなるので、ターゲットによる吸収が減少し、生成して取り出されるX線の輝度は、その出射角αの依存度が小さくなる。したがって、このような緩和された状態の下で、輝度の高いX線を得るには、出射角αをより厳密に選択しなければならので、上述のような関係が成立することになる。
さらに、本発明の一例において、ターゲットの表面に対する電子線の入射角βは、室内又は室外に配置された電子線源の配置を調整することによって制御することができる。また、室内に配置された偏向磁石を用い、電子線の軌道を偏向させることによって制御することができる。
また、本発明の一例において、ターゲット表面からのX線の出射角αは、室の、X線透過窓の形成位置を制御することによって制御することができる。
以上、本発明によれば、高輝度のX線を発生させることが可能な、新規なX線発生方法及びX線発生装置を提供することができる。
第1の実施形態に係るX線発生装置の構成を示す図である。 第2の実施形態に係るX線発生装置の構成を示す図である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明のX線発生装置の一例を示す概略構成図である。以下、これらの図を参照にしながら一実施の形態を説明する。
図1に示すX線発生装置10は、室11と、この室内に配置されたターゲット12と、同じく室11内に配置された電子線源13及び偏向磁石14とを具えている。また室11の壁面11には開口11Aが形成され、開口11AにはX線透過膜16が形成されている。開口11A及びX線透過膜16はX線透過窓を構成する。
室11は、例えばSUSから構成することができ、ターゲット12は、生成すべきX線の波長に応じて、Cu,Co,W、Mo,Cr等から構成することができる。X線透過膜16は、Be,Al等から構成することができる。なお、電子線源13及び偏向磁石14は、汎用のものから構成することができる。
図1に示すX線発生装置10においては、最初の室11内を所定の真空度、例えば10−6Pa〜10−8Paまで図示しない排気機構によって排気した後、電子線源13より電子線EBを発射し、偏向磁石14によってその向きを所定の角度偏向した後、ターゲット12に照射し、X線XRを発生させる。
このとき本発明に従って、ターゲット12の表面に入射する電子線EBの入射角βをβ≦60度とし、ターゲット12の表面からのX線XRの出射角αとした場合において、−30度≦β−α≦60度を満足するようにしてX線XRを取り出すことにより、このX線XRの、ターゲット12による吸収を抑制して、高輝度のX線XRが得られるようになる。
なお、電子線EBの入射角βの下限値は、電子線EBをターゲット12の表面に入射させ、X線を発生させることができれば特に限定されるものではない。したがって、入射角βは0度以上であればよいが、実用上は5度である。
X線XRは、室11のX線透過膜(X線透過窓)16より外部に取り出すので、このX線透過膜(X線透過窓)16の形成位置は、−30度≦β−α≦60度を満足するようなX線XRの出射角αに合わせて形成する。
また、入射角β及び出射角αは、ターゲット12表面を基準にして測定したものである。
電子線EBのターゲット12への入射角βについては、電子線EBのエネルギー(加速電圧)に応じ、偏向磁石14の磁場強度及び位置を変更することによって、上記のような範囲に制御することができる。
X線XRは、0度≦β−α≦60度を満足するように発生させて取り出すことができる。この場合、高エネルギーの電子線EBがターゲットに照射された場合においても、上記関係を満足するような出射角αのX線を選択して取り出すようにすれば、比較的簡易に高輝度のX線XRを得ることができる。
また、X線XRは、30度≦β−α≦50度を満足するように発生させて取り出すことができる。この場合、低エネルギーの電子線EBがターゲットに照射された場合においても、上記関係を満足するような出射角αのX線XRを選択して取り出すようにすれば、比較的簡易に高輝度のX線XRを得ることができる。
なお、低エネルギーの電子線EBが照射された場合のX線XRの出射角αの要件が、高エネルギーの電子線が照射された場合のX線XRの出射角αの要件より減縮されている。これは、低エネルギーの電子線EBが照射された場合、電子線EBはターゲットに対してあまり深く侵入しなくなるので、生成して取り出されるX線XRの輝度は、その出射角αの依存度が小さくなる。したがって、このような緩和された状態の下で、輝度の高いX線XRを得るには、出射角αをより厳密に選択しなければならので、上述のような関係が成立することになる。
以上説明したように、本実施形態におけるX線発生装置10において、X線XRを発生すべきターゲット12に対する電子線EBの入射角β及び発生したX線XRの出射角αが上述した要件を満足するように装置に改良を加えるのみで、高輝度のX線を簡易に得ることができる。
なお、本実施形態では、電子線源13は室11内に配置しているが、室11外に配置し、室11に形成された電子線導入窓あるいは電子線導入口を介して室11内に電子線を導入するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
図2は、本発明のX線発生装置の構成を示す断面図である。以下、これらの図を参照にしながら一実施の形態を説明する。
図2に示すX線発生装置20は、回転対陰極22が収納される対陰極室21と、陰極32が収納される陰極室31と、回転対陰極22を回転駆動する駆動モータ27が設けられた回転駆動部28とが、それぞれ隣接して配置されている。なお、対陰極室21及び陰極室31は気密構造となっている。また、対陰極室21の、陰極室31側の壁面には、陰極34から出射される電子線EBを通過させる小さな貫通孔21bが設けられている。さらに、対陰極室21及び陰極室31には、それぞれ図示しない真空排気装置が接続される真空排気□21c及び31aが設けられている。
回転対陰極22は、Cu(銅)等からなる筒状部22aと、この筒状部22aの筒の一方の開口部を塞ぐように形成された円板状部22bと、筒状部22a及び円板状部22bの共通の中心軸をその中心軸とする回転軸部23とが連続して一体に形成され、かつ円板状部22b内は空洞に形成され、筒状部22aの筒の内壁表面を電子線照射部とするものである。
回転対陰極22の回転軸部23は、回転騒動部28内に設けられた1対の軸受け部材28a及び28bによって回転自在に支持されている。なお、回転軸部23の回転によって回転対陰極22も回転するようになり、回転対陰極22、すなわち筒状部22aの外方に向けて遠心力が作用するようになる。
回転軸部23の円板状部22b寄りの根元部には、回転軸部23と対陰極室21との間を気密に保持して対陰極室21の真空を維持する回転軸シール部材29が設けられている。
さらに、回転対陰極22aの内部には、電子線照射部の内壁面に冷却水を流通させるための固定隔壁部材22cが挿入設定されている。この固定隔壁部材22cは、回転軸部23の内部においては筒状をなしており、円板状部22bに至ってその筒の端部を円板状に拡げ、筒状部22aの内部の左右端部内壁の手前まで延長されている。すなわち、この固定隔壁22cは、回転対陰極22の内部の空洞部分をいわば二重管構造に仕切っている。この二重管構造の外側は冷却水の導入口に連通されている。
したがって、導入された冷却水は、二重管構造の外側を進行し、筒状部22aの内部の右端部内壁で折り返して二重管構造の内側に進行して電子線照射部の内壁面を冷却した後、内側をさらに進行して冷却水の排出□を通じて外部に排出される。
対陰極室21の壁面には、生成したX線XRを外部に取り出すためのX線透過膜26が、その壁面に形成された開口21aにおいて形成されている。このX線透過膜26は、Be,Al等から構成することができる。開口21a及びX線透過膜26は、X線透過窓を構成する。
陰極32は、絶縁構造部33、フィラメント34及びウエーネルト35等とから構成されており高圧導入部37から導入された数十KVの高圧電力及びフィラメント電力を供給することによって、回転対陰極22に電子線EBを照射する。
このとき本発明に従って、回転対陰極22(筒状部22a)の表面に入射する電子線EBの入射角βをβ≦60度とし、回転対陰極22(筒状部22a)の表面からのX線XRの出射角αとした場合において、−30度≦β−α≦60度を満足するようにしてX線XRを取り出すことにより、このX線XRの、回転対陰極22(筒状部22a)による吸収を抑制して、高輝度のX線XRが得られるようになる。
なお、電子線EBの入射角βの下限値は、電子線EBを回転対陰極22(筒状部22a)の表面に入射させ、X線を発生させることができれば特に限定されるものではない。したがって、入射角βは0度以上であればよいが、実用上は5度である。
X線XRは、対陰極室21のX線透過膜(X線透過窓)26より外部に取り出すので、このX線透過膜(X線透過窓)26の形成位置は、−30度≦β−α≦60度を満足するようなX線XRの出射角αに合わせて形成する。
また、入射角β及び出射角αは、回転対陰極22(筒状部22a)表面を基準にして測定したものである。
電子線EBの回転対陰極22(筒状部22a)への入射角βについては、陰極32の配置を調整することによって制御する。本実施形態では、対陰極室21に対する陰極室31の形成位置を調整することによって制御する。
X線XRは、0度≦β−α≦60度を満足するように発生させて取り出すことができる。この場合、高エネルギーの電子線EBがターゲットに照射された場合においても、上記関係を満足するような出射角αのX線を選択して取り出すようにすれば、比較的簡易に高輝度のX線XRを得ることができる。
また、X線XRは、30度≦β−α≦50度を満足するように発生させて取り出すことができる。この場合、低エネルギーの電子線EBがターゲットに照射された場合においても、上記関係を満足するような出射角αのX線XRを選択して取り出すようにすれば、比較的簡易に高輝度のX線XRを得ることができる。
なお、低エネルギーの電子線EBが照射された場合のX線XRの出射角αの要件が、高エネルギーの電子線が照射された場合のX線XRの出射角αの要件より減縮されている。これは、低エネルギーの電子線EBが照射された場合、電子線EBはターゲットに対してあまり深く侵入しなくなるので、ターゲットによる吸収が減少し、生成して取り出されるX線XRの輝度は、その出射角αの依存度が小さくなる。したがって、このような緩和された状態の下で、輝度の高いX線XRを得るには、出射角αをより厳密に選択しなければならので、上述のような関係が成立することになる。
以上説明したように、本実施形態におけるX線発生装置20において、X線発生装置20に大幅な改良を加えることなく、X線XRを発生すべき回転対陰極22(筒状部22a)に対する電子線EBの入射角β及び発生したX線XRの出射角αが上述した要件を満足するように装置に単純な改良を加えるのみで、高輝度のX線を簡易に得ることができる。
また、本実施形態のX線発生装置20において、回転対陰極22の筒状部22aにおける電子線照射部は、回転軸部23の回転による筒状部22aの外方に作用する遠心力によって、筒状部22aすなわち回転対陰極22に支持されるようになる。したがって、回転対陰極22に対して高輝度の電子線を照射した場合において、当該照射部が部分的に溶解したとしても、筒状部22aに発生する遠心力によって保持されるので、溶解部分が外方に飛散することがない。したがって、本実施形態のX線発生装置20においては、その構造的特徴にも起因して、高輝度X線を簡易に生成することができる。
(実施例1〜5及び比較例)
図1に示すようなX線発生装置10を用い、電子線の入射角β及びX線の出射角αによる、X線の輝度(理論輝度Iに対する実測輝度I)を調べた。なお、輝度I/Iは、以下の式に基づく計算結果(シミュレーション)によるものである。
I/I=(sinβ/sinα)exp(-μX)
ここで、(sinβ/sinα)は、電子線ビーム及びX線の断面積比であり、μはターゲットの吸収係数である。Xは、生成したX線のターゲット内部から表面までの飛程であり、電子線のターゲット内での飛程reを用いることにより、re(sinβ/sinα)として表すことができる。
なお、従来は、電子線をターゲット表面に垂直(90度)で入射させており、さらにこの角度は固定であったことから、今回はじめて導入した電子線の入射角βは、X線の輝度を考慮する上で変数として扱われることはなかった。しかしながら、本発明では、電子線の入射角βをも変化させるため、この角度βも変数として取り扱う必要が生じたため、上式を導入した。このことは、例えば、背景技術では、生成したX線の、ターゲット内部からターゲット表面までの飛程をre(1/sinα)として表していることからも自明である。
また、ターゲット12としてCuターゲットを用い、かつ単位系をμmとした。したがって、上式におけるμは0.041となる。なお、電子線のエネルギー(加速電圧)は40keVとした。この場合、電子線のCuターゲット内での飛程reは、5.36μmとなる。結果を表1に示す。
以下の具体例で、I/Iが1を超えるのは、断面積比(sinβ/sinα)を考慮していることによる。すなわち、0〜90度の範囲で、β>αの関係が成立すると、断面積比(sinβ/sinα)>1となるので、この指数部分の値が比較的大きい場合、輝度I/Iは、これらの積によって表されることになるので、場合により1を超えるものである。
Figure 2012084383
表1から明らかなように、本実施例では、電子線のエネルギーが40keVと比較的低いために、電子線の入射角β≦60度及び30度≦β−α≦50度を満足する場合において、従来に比較し、高いX線輝度が得られることが分かる。
なお、図2に示すX線発生装置20では、電子線の入射角βを変える際には、対陰極室21と陰極室31との相対位置を変化させる必要があり、装置の組み換え等が煩雑であることから、表1に示す条件の一部を同様にしてシミュレーションを実施した。その結果、表1に示す結果と同様の結果を得ることができた。
(実施例6〜18及び比較例)
図1に示すようなX線発生装置10を用い、電子線の入射角β及びX線の出射角αによる、X線の輝度(理論輝度Iに対する実測輝度I)を上式に基づきシミュレーションによって調べた。ターゲット12としてCuターゲットを用いた。なお、電子線のエネルギー(加速電圧)は60keVとした。この場合、電子線のCuターゲット内での飛程reは、9.38μmとなる。結果を表2に示す。
Figure 2012084383
表2から明らかなように、本実施例では、電子線のエネルギーが60keVと比較的高いために、本発明の作用効果がより発揮されるようになり、電子線の入射角β≦60度及び−30度≦β−α≦60度を満足する場合において、従来に比較し、高いX線輝度が得られることが分かる。
なお、上記同様に、図2に示すX線発生装置20では、電子線の入射角βを変える際には、対陰極室21と陰極室31との相対位置を変化させる必要があり、装置の組み換え等が煩雑であることから、表2に示す条件の一部を同様にしてシミュレーションを行った。その結果、表2に示す結果と同様の結果を得ることができた。
(実施例19〜28及び比較例)
図1に示すようなX線発生装置10を用い、電子線の入射角β及びX線の出射角αによる、X線の輝度(理論輝度Iに対する実測輝度I)を上式に基づきシミュレーションによって調べた。ターゲット12としてCuターゲットを用いた。なお、電子線のエネルギー(加速電圧)は80keVとした。この場合、電子線のCuターゲット内での飛程reは、13.96μmとなる。結果を表3に示す。
Figure 2012084383
表3から明らかなように、本実施例では、電子線のエネルギーが80keVと高いために、本発明の作用効果がより発揮されるようになり、電子線の入射角β≦60度及び0度≦β−α≦60度を満足する場合において、従来に比較し、高いX線輝度が得られることが分かる。
なお、上記同様に、図2に示すX線発生装置20では、電子線の入射角βを変える際には、対陰極室21と陰極室31との相対位置を変化させる必要があり、装置の組み換え等が煩雑であることから、表3に示す条件の一部を同様にしてシミュレーションを行った。その結果、表3に示す結果と同様の結果を得ることができた。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、入手が容易で比較的安価なCuをターゲットとして用いたが、Co,W、Mo,Cr等、その他の汎用のターゲットを用いてもよい。
10 X線発生装置
11 室
12 ターゲット
13 電子線源
14 偏向磁石
16 X線透過膜
20 X線発生装置
21 対陰極室
22 回転対陰極
23 回転軸部
26 X線透過膜
27 駆動モータ
28 回転駆動部
31 陰極室
32 陰極
33 絶縁構造部
34 フィラメント
35 ウエーネルト

Claims (14)

  1. 室内に少なくともターゲットを配置するステップと、
    前記ターゲットの表面に対する電子線の入射角をβとした場合に、前記ターゲットの表面に、前記室内又は前記室外に配置された電子線源よりβ≦60度を満足するようにして電子線を照射するステップと、
    前記ターゲットの表面からのX線の出射角をαとした場合において、−30度≦β−α≦60度を満足するようにして前記X線を発生させて取り出すステップと、
    を具えることを特徴とする、X線発生方法。
  2. 前記X線は、0度≦β−α≦60度を満足するように発生させて取り出すことを特徴とする、請求項1に記載のX線発生方法。
  3. 前記X線は、30度≦β−α≦50度を満足するように発生させて取り出すことを特徴とする、請求項1に記載のX線発生方法。
  4. 前記ターゲットの表面に対する前記電子線の入射角βは、前記室内又は前記室外に配置された前記電子線源の配置を調整することによって制御することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載のX線発生方法。
  5. 前記ターゲットの表面に対する前記電子線の入射角βは、前記室内に配置された偏向磁石を用い、前記電子線の軌道を偏向させることによって制御することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載のX線発生方法。
  6. 前記ターゲット表面からの前記X線の出射角αは、前記室の、X線透過窓の形成位置を制御することによって制御することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載のX線発生方法。
  7. 前記ターゲットは回転対陰極として構成され、この回転対陰極は、その回転中心を中心軸とする筒状部分を有し、前記電子線は前記筒状部分の内壁表面に照射することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載のX線発生方法。
  8. 電子線照射によりX線を発生させるためのターゲットと、
    少なくとも前記ターゲットを配置するための室と、
    前記室内又は前記室外に配置された、前記電子線を照射するための電子線源とを具え、
    前記ターゲットの表面に対する前記電子線の入射角をβとし、前記ターゲットの表面からのX線の出射角をαとした場合において、前記ターゲットの表面に、前記電子線源よりβ≦60度を満足するようにして電子線を照射し、−30度≦β−α≦60度を満足するようにして前記X線を発生させて取り出すように構成したことを特徴とする、X線発生装置。
  9. 前記X線は、0度≦β−α≦60度を満足するようにして発生させて取り出すことを特徴とする、請求項8に記載のX線発生装置。
  10. 前記X線は、30度≦β−α≦50度を満足するようにして発生させて取り出すことを特徴とする、請求項8に記載のX線発生装置。
  11. 前記ターゲットの表面に対する前記電子線の入射角βは、前記電子線源の配置を、前記室内又は前記室外において調整することによって制御することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一に記載のX線発生装置。
  12. 前記室内に配置された偏向磁石を具え、
    前記ターゲットの表面に対する前記電子線の入射角βは、前記偏向磁石を用い、前記電子線の軌道を偏向させることによって制御することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一に記載のX線発生装置。
  13. 前記ターゲット表面からの前記X線の出射角αは、前記室の、X線透過窓の形成位置を制御することによって制御することを特徴とする、請求項8〜12のいずれか一に記載のX線発生装置。
  14. 前記ターゲットは回転対陰極として構成され、この回転対陰極は、その回転中心を中心軸とする筒状部分を有し、前記電子線は前記筒状部分の内壁表面に照射することを特徴とする、請求項8〜13のいずれか一に記載のX線発生装置。
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