JP5248254B2 - X線発生方法及びx線発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超高輝度を実現できるX線発生方法及びX線発生装置に関する。
X線回折測定等においては、可能なかぎり強い強度のX線を試料に照射して測定を行う必要のある場合がある。この様な場合に用いられるX線発生装置として従来から回転対陰極X線発生装置が知られている。
この回転対陰極X線発生装置は、内部に冷却媒体を流通させた円柱状の対陰極(ターゲット)を高速で回転させながら、その外周表面に電子線を照射してX線を発生させるものである。この回転対陰極X発生装置は、ターゲットを固定した固定ターゲットのタイプに比較してターゲット上の電子線の照射位置が時々刻々と変化するので冷却効率が極めて高く、したがって、対陰極に大電流の電子線を照射することができ、強力な(高輝度の)X線を発生させることができる。
ところで、一般的にX線の出力は陰極と対陰極との間に印加する電力(電流×電圧)に対応する。一方、X線の輝度は(電力)/(ターゲット上の電子ビームの面積)であるので、上記電力の最大値はターゲット上の電子ビームの面積に大きく依存する。すなわち、X線の輝度を向上させるには、上記電力を増大させるとともに及び上記ターゲット上の電子ビームの面積を減少させればよい。
しかしながら、この場合においては、上記ターゲット上において単位面積当たりに照射される電子ビームの強度が増大してしまうことになるので、電子線照射によって前記ターゲットが溶解し、飛散してしまうことになる。したがって、理論上は、上述のような関係式に基づいてX線の輝度を増大させることはできるが、実際上は、前記ターゲットの融点に起因してX線の輝度の増大には限界があった。
このような問題に鑑みて、特開2004−172135号公報には、回転対陰極X線発生装置の、回転中心を中心軸とする筒状部分の内側に対して電子線を照射し、かかる部分をその融点近傍にまで加熱して、高輝度のX線を発生することが試みられている。この場合、前記電子線の照射部は前記回転対陰極の融点近傍にまで加熱されるので、前記照射部は少なくとも部分的に溶解するようになる。しかしながら、前記照射部は前記回転対陰極の回転に伴って発生する遠心力によって前記筒状部分に保持されるようになるので、前記照射部の、溶解部分の外方への飛散を抑制することができる。
したがって、特開2004−172135号公報に開示された技術によれば、上述したターゲットの溶解及び飛散の問題を回避した状態で、ターゲット上における単位面積当たりに照射される電子ビームの強度を増大させることができるので、従来に比し、比較的高い輝度のX線を得ることができる。
特開2004−172135号公報
しかしながら、X線を利用した高分解能の分析及び検査、さらには医療等の分野への応用を考慮するとさらなる高輝度のX線が求められており、そのためのX線発生方法及びX線発生装置の開発が求められている。
本発明は、高輝度のX線を発生させることが可能な、新規なX線発生方法及びX線発生装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、
Cu,Co,Mo及びWからなる群より選ばれる少なくとも一種からなる回転対陰極を6000rpm〜9000rpmの回転速度で回転させるとともに、その表面に電子線を照射して、前記回転対陰極の平衡時における蒸気圧が0.1Torr以上100Torr以下となるように、前記回転対陰極の前記電子線が照射された部分を加熱し、前記回転対陰極よりX線を発生させるステップと、
前記回転対陰極の、前記電子線が照射された前記部分に対して、その表面から外方に向かうように遠心力を作用させ、前記回転対陰極自体で、前記電子線が照射された前記部分を支持するステップとを具え、
前記回転対陰極は、筒状部と、この筒状部の筒の一方の開口部を塞ぐように形成された円板状部と、前記筒状部及び前記円板状部の共通の中心軸をその中心軸とする回転軸部とが連続して一体に形成され、かつ内部は空洞に形成され、前記筒状部の筒の内壁表面を電子線照射部とするものであり、前記電子線照射部の内壁面に冷却水が流通される構成を有することを特徴とする、X線発生方法に関する。
また、本発明は、
電子線を発生させるための電子線源と、
前記電子線源からの前記電子線の照射によってX線を発生させるための、Cu,Co,Mo及びWからなる群より選ばれる少なくとも一種からなる回転対陰極と、
前記回転対陰極と連結し、前記回転対陰極の外方に向けて遠心力を作用させる回転機構とを具え、
前記回転対陰極は、筒状部と、この筒状部の筒の一方の開口部を塞ぐように形成された円板状部と、前記筒状部及び前記円板状部の共通の中心軸をその中心軸とする回転軸部とが連続して一体に形成され、かつ内部は空洞に形成され、前記筒状部の筒の内壁表面を電子線照射部とするものであり、前記電子線照射部の内壁面に冷却水が流通される構成を有し、
前記電子線は、前記回転対陰極の平衡時における蒸気圧が0.1Torr以上100Torr以下となるように、前記回転対陰極の前記電子線が照射された部分を加熱し、前記電子線照射部分は、前記遠心力によって前記回転対陰極自体で支持するように構成したことを特徴とする、X線発生装置に関する。
本発明では、回転対陰極を採用し、この回転対陰極の表面に対してエネルギー線を照射して加熱し、所定のX線を生成するようにしている。この際、前記エネルギー線の照射を前記回転対陰極の平衡時における蒸気圧が0.1Torr以上となるように制御している。したがって、現在のところ特にその原因については明確にはなっていないが、前記回転対陰極の消耗を抑制して長時間に亘って高輝度のX線を生成することができる。なお、上記結果は、実験を通じて反復的に確認されている。
本発明によれば、上述の特開2004−172135号公報に開示された技術によって生成されるX線輝度の約3倍程度以上の輝度のX線を生成することができる。
また、本発明における“平衡時における蒸気圧”とは熱平衡時の蒸気圧を意味し、上述した蒸気圧の値は、「真空ハンドブック」(株)アルバック編(Ohmsha発行)から抜粋したものである。
本発明の一態様においては、前記回転対陰極は、前記回転対陰極の回転中心を中心軸とする筒状部分を有し、前記電子線は前記筒状部分の内壁表面に照射するようにすることができる。これによって、前記回転対陰極の、前記エネルギー線が照射された前記部分の、前記回転対陰極自体での保持を容易かつ確実に行うことができるようになる。
また、本発明の他の態様においては、前記エネルギー線は電子線とすることができる。この場合、上記回転対陰極の単位面積当たりに強度の高いエネルギー線(電子線)を簡易に照射することができ、高輝度X線を簡易に生成することができる。
以上、本発明によれば、高輝度のX線を発生させることが可能な、新規なX線発生方法及びX線発生装置を提供することができる。
図1は、本発明のX線発生装置の構成を示す断面図であり、図2は、図1の一部拡大図である。以下、これらの図を参照にしながら一実施の形態を説明する。
図1及び図2に示すX線発生装置10は、回転対陰極1が収納される対陰極室2と、陰極3が収納される陰極室4と、回転対陰極1を回転駆動する駆動モータ5が設けられた回転駆動部6とが、隣接して気密構造部材2a、4a及び6aによってそれぞれ形成されている。また、対陰極室2と陰極室4とを仕切る隔壁部2bには、陰極3から射出される電子線30を通過させる小さな貫通孔2cが設けられている。さらに、対陰極室2及び陰極室4の各々には図示しない真空排気装置が接続される真空排気□2d及び4dが設けられている。
回転対陰極1は、Cu(銅)等からなる筒状部11と、この筒状部11の筒の一方の開口部を塞ぐように形成された円板状部12と、筒状部11及び円板状部12の共通の中心軸をその中心軸とする回転軸部13とが連続して一体に形成され、かつ内部は空洞に形成されたもので、筒状部11の筒の内壁表面1aを電子線照射部とするものである。
回転対陰極1の回転軸部13は、回転駆動部6内に設けられた1対の軸受け部材13a、13bによって回転自在に支持されている。また、回転軸部13の外周部には上記駆動モータ5の回転子5bが取付けられ、この回転子5bを回転駆動する固定子5bが上記回転駆動部6内において気密構造部材6aに取付けられている。
なお、回転軸部13の回転によって回転対陰極1も回転するようになり、回転対陰極1、すなわち筒状部11の外方に向けて遠心力が作用するようになる。
回転軸部13の円板状部12寄りの根元部には、回転軸部13と気密構造部材6aとの間を気密に保持して上記体対陰極室2の真空を維持する回転軸シール部材13cが設けられている。
さらに、回転対陰極1の内部には、電子線照射部1aの内壁面に冷却水を流通させるための固定隔壁部材14が挿入設定されている。この固定隔壁部材14は、回転軸部13の内部においては筒状をなしており、円板状部12に至ってその筒の端部を円板状に拡げ、筒状部11の内部の右端部内壁の手前で延長されている。
すなわち、この固定隔壁14は、回転対陰極1の内部の空洞部分をいわば二重管構造に仕切っている。この二重管の外側管部14aは冷却水の導入口16に連通されている。なお、回転軸部13の左端部の外周には軸シール部材5aが設けられており、冷却水の導入口16から導入された冷却水が軸受け部材13bや駆動モータ5が設けられた収納スペース内に洩れ出ないようにしつつ二重管の外側管部14a内に導入されるようになっている。
したがって、冷却水導入口16から導入された冷却水は、二重管の外側管部14aを進行、上記筒状部11の内部の右端部内壁で折り返して二重管の内側管部14bに進行して電子線照射部1aの内壁面を冷却した後、内側管部14b内をさらに進行して冷却水の排出□17を通じて外部に排出される。
回転対陰極1の電子線照射部1aの近傍の気密構造部材2aには、電子線照射部1aに電子線30が照射されたときに発生するX線20を外部に取り出すためのX線窓21が形成されている。このX線窓21にはべリリウム膜やニッケル膜等のX線透過性の材料からなるX線透過膜22が形成されており、対陰極室2の真空の維持しながらX線を取り出せるようになっている。
陰極3は、絶縁構造部32、フィラメント33及びウエーネルト34等とから構成されており高圧導入部31から導入された数十KVの高圧電力及びフィラメント電力を供給することによって、対陰極1に電子線30を照射する。
上述の構成において、冷却水導入口16から冷却水を導入し、騒動モータ5によって回転対陰極1を高速回転させ、陰極3から対陰極1の電子線照射部1aに電子線30を照射するとX線20を発生させることができる。
本態様では、回転対陰極1の筒状部11の表面1aに対して電子線30を照射して加熱し、電子線照射部1aの平衡時における蒸気圧が0.1Torr以上、好ましくは100Torr以下、より好ましくは10Torrとする。これによって、特に原因については明確にはなっていないが、電子線照射部1a、すなわち回転対陰極1の消耗を抑制して長時間に亘って高輝度のX線を生成することができる。
なお、上限である100Torrを超えると、回転対陰極1の消耗が激しくなり、高輝度X線を長時間安定して生成することができない場合がある。また、10Torr前後であれば、種々のターゲット材について回転対陰極1の消耗を抑制しながら、高輝度のX線を比較的長時間に亘って安定的に生成することができる。
一般に、材料の蒸発速度Γmは以下の式で表わすことができる(「真空の物理と応用」裳華房刊)
Γm=5.8×10−2×p・(M/T)1/2 (g・cm−2・sec−1) (1)
(p:平衡蒸気圧(Torr),M:分子量,T:温度(K))。
一例として、回転対陰極1がCuから構成されているとすると、平衡蒸気圧pが10Torrとなる温度Tは2130Kであり、その分子量Mが63.54であることから、(1)に基づいてΓmは0.1(g・cm−2・sec−1)となる。一方、電子線照射部1aの面積は例えば約0.24(cm)であるので、電子線照射部1aから蒸発するCuの量は、0.1(g・cm−2・sec−1)×0.24(cm)から2.4×10−2(g・sec−1)となる。すなわち、1秒間に2.4×10−2(g)のCuが蒸発していることになる。
なお、Cuの密度ρ=8.92(g・cm−1)を用いれば、2.4×10−2(g・sec−1)/8.92(g・cm−1)=2.7×10−3・cm・sec−1となり、1秒間に2.7×10−3(cm)のCuが蒸発していることになる。
また、回転対陰極1の電子線照射部1aからの体積換算の蒸発量は、
回転対陰極の円周長(cm)×電子線のビーム幅(cm)×回転対陰極の毎秒毎の凹む深さd (2)
で表わすことができるので、例えば回転対陰極1の円周長を10πcm、電子線30のビーム幅を0.08cmとすると、10π×0.08×d=2.7×10−3より、d=10.7μm・sec−1となる。
一般に、回転対陰極1の厚さは約2mm程度であるので、上記条件が成立すると、約3分程度で回転対陰極1に穴があくことになる。一方、電子線30の照射によって、電子線照射部1aは凹み、目的とするX線はかかる凹み部分から取り出すことになるが、その取り出し角度が例えば6度であるとすると、電子線照射部1aが63μm凹んだ時点でX線はその凹み部分の側壁に吸収されるようになるので、結果として約6秒の運転の後、X線を外部に取り出すことができなくなってしまう。
また、平衡蒸気圧pが本発明の下限である0.1Torrの場合においても、上述した計算を再度行うことによって、電子線照射部1aが凹むことによって10分程度でX線を外部に取り出すことができなくなってしまう。
すなわち、従来の文献に掲載されているような理論式に基づいた場合は、本態様の図1及び2に示すようなX線発生装置では、約6秒程度から10分程度の運転しか行うことができず、長時間安定して高輝度のX線を得ることは困難であることが想定された。
ところが驚くべきことに、図1及び2に示す本態様のX線発生装置においては、上述したような操作を行い、電子線照射部1aの平衡時における蒸気圧が0.1Torr以上としても、数日に亘って安定した運転を行うことができ、高輝度のX線を生成することができる。実際、現状では、半径5cmの回転対陰極1をCuから構成した場合において、130kW/mm程度の輝度のX線を20時間に亘って得ている。この間、取り出されたX線の強度に減衰の傾向は殆ど見られないので、上記の数倍〜数百倍の寿命が有る。
なお、回転対陰極1をCu以外のターゲット材、例えばCo,Mo及びW等から構成した場合においても同様の結果を得ている。
電子線照射部1aは、回転軸部13の回転による筒状部11の外方に作用する遠心力によって、筒状部11すなわち回転対陰極1に支持されるようになる。
また、回転対陰極1を加熱するエネルギー線として電子線30を用いているので、回転対陰極1の単位面積当たりに強度の高いエネルギー線(電子線)を簡易に照射することができ、高輝度X線を簡易に生成することができる。
さらに、図1及び2に示す装置においては、回転対陰極1を6000rpm〜9000rpmなる速度で回転させることが好ましい。これによって、特に原因は定かではないが、本発明の作用効果を効果的に奏することができるようになる。
図3は、本発明のX線発生装置の他の例における要部を示す概略構成図である。図1及び2に示すX線発生装置では、回転対陰極1が収納される対陰極室2と、陰極3が収納される陰極室4とを分割し、対陰極室2と陰極室4とを仕切る隔壁部2bに形成された貫通孔2cを介して、陰極3から電子線30を直線的に対陰極室2に導入し、回転対陰極1の筒状部11に照射するようにしている。
これに対して、本態様のX線発生装置10では、上述のように回転対陰極1及び電子線源(陰極)を別の室に設けることなく同じ室に配置し、前記電子線源から発射された電子線を偏向磁石によって変更させることによって、回転対陰極1の筒状部11に照射するようにしている。以下、具体的に説明する。
図3に示すように、本態様におけるX線発生装置10は、回転対陰極1と電子線源としての電子銃40とを具えている。回転対陰極1は、Cu(銅)等からなる筒状部11と、この筒状部11の筒の一方の開口部を塞ぐように形成された円板状部12と、筒状部11及び円板状部12の共通の中心軸をその中心軸とする回転軸部13とが連続して一体に形成されている。なお、筒状部11、円板状部12及び回転軸部13は、上記態様と同様に、必要に応じて空洞化し、冷却水が循環できるように構成することができる。
なお、本態様においても、筒状部11の筒の内壁表面1aを電子線照射部とするものである。
本態様のX線発生装置10は、図3に示すように、回転対陰極1及び電子銃40を同じ室に配置し、電子銃40から発射された電子線30を偏向磁石によって変更させることによって、回転対陰極1の筒状部11に照射するように構成している。したがって、図1及び2に示すように、回転対陰極1が収納される対陰極室2と、陰極3が収納される陰極室4とを分割配置するように構成したX線発生装置10と比較して、装置構成を簡略化することができる。
電子銃40からは電子線30が水平方向に出射され、偏向電子レンズ41によって約180度の方向転換を受け、回転対陰極1の筒状部分11の内壁に照射されることにより、加熱された電子線照射部1aから所定のX線20を生成するようになる。
本態様でも、回転対陰極1の筒状部11の表面に対して電子線30を照射して加熱し、電子線照射部1aの平衡時における蒸気圧が0.1Torr以上、好ましくは100Torr以下、より好ましくは10Torrとする。これによって、特に原因については明確にはなっていないが、電子線照射部1a、すなわち回転対陰極1の消耗を抑制して長時間に亘って高輝度のX線を生成することができる。
電子線照射部1aは、回転軸部13の回転による筒状部11の外方に作用する遠心力によって、筒状部11すなわち回転対陰極1に支持されるようになる。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
例えば、電子線照射部1aの部分だけを、発生させるX線の種類で決まるターゲット物質で構成し、その周囲をより高融点の物質及び/又は熱伝導度のより高い物質で構成すれば、ターゲット物質の冷却効率の向上、あるいは、変形防止が図られて、より高出力化することが可能になる。
また、電子線照射部1aから気化した回転対陰極1の構成部材によって、X線透過膜22が汚染されないように、対陰極室2内のX線透過膜22の前面に交換可能なX線透過性の保護膜を設けることが望ましい。この保護膜としては、例えば、反跳電子に耐えられるNi膜等の長尺状の保護膜をロールに巻いた供給ロールと、この供給ロールの保護膜を巻き取る巻取ロールとをX線窓21の内側に設け、供給ロールと巻取ロールとの間に張られた保護膜がX線透過膜22の前面に配置されるようにすればよい。
本発明の一実施形態に係るX線発生装置の構成を示す図である。 図1の一部拡大図である。 本発明の他の実施形態に係るX線発生装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 回転対陰極
1a 電子線照射部
2 対陰極室
3 陰極
4 陰極室
5 駆動モータ
6 回転駆動部
11 筒状部
20 X線
30 電子線
40 電子銃
41 偏向電子レンズ

Claims (4)

  1. Cu,Co,Mo及びWからなる群より選ばれる少なくとも一種からなる回転対陰極を6000rpm〜9000rpmの回転速度で回転させるとともに、その表面に電子線を照射して、前記回転対陰極の平衡時における蒸気圧が0.1Torr以上100Torr以下となるように、前記回転対陰極の前記電子線が照射された部分を加熱し、前記回転対陰極よりX線を発生させるステップと、
    前記回転対陰極の、前記電子線が照射された前記部分に対して、その表面から外方に向かうように遠心力を作用させ、前記回転対陰極自体で、前記電子線が照射された前記部分を支持するステップとを具え、
    前記回転対陰極は、筒状部と、この筒状部の筒の一方の開口部を塞ぐように形成された円板状部と、前記筒状部及び前記円板状部の共通の中心軸をその中心軸とする回転軸部とが連続して一体に形成され、かつ内部は空洞に形成され、前記筒状部の筒の内壁表面を電子線照射部とするものであり、前記電子線照射部の内壁面に冷却水が流通される構成を有することを特徴とする、X線発生方法。
  2. 前記平衡時の蒸気圧は10Torr以下であることを特徴とする、請求項1に記載のX線発生方法。
  3. 電子線を発生させるための電子線源と、
    前記電子線源からの前記電子線の照射によってX線を発生させるための、Cu,Co,Mo及びWからなる群より選ばれる少なくとも一種からなる回転対陰極と、
    前記回転対陰極と連結し、前記回転対陰極の外方に向けて遠心力を作用させる回転機構とを具え、
    前記回転対陰極は、筒状部と、この筒状部の筒の一方の開口部を塞ぐように形成された円板状部と、前記筒状部及び前記円板状部の共通の中心軸をその中心軸とする回転軸部とが連続して一体に形成され、かつ内部は空洞に形成され、前記筒状部の筒の内壁表面を電子線照射部とするものであり、前記電子線照射部の内壁面に冷却水が流通される構成を有し、
    前記電子線は、前記回転対陰極の平衡時における蒸気圧が0.1Torr以上100Torr以下となるように、前記回転対陰極の前記電子線が照射された部分を加熱し、前記電子線照射部分は、前記遠心力によって前記回転対陰極自体で支持するように構成したことを特徴とする、X線発生装置。
  4. 前記平衡時の蒸気圧は10Torr以下であることを特徴とする、請求項3に記載のX線発生装置。
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