JP2010067525A - X線発生方法及びx線発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高輝度のX線を発生させることが可能な、新規なX線発生方法及びX線発生装置を提供する。
【解決手段】回転対陰極の表面にエネルギー線を照射して、前記回転対陰極の前記エネルギー線が照射された部分を加熱し、少なくとも部分的に気化させた状態で、前記回転対陰極よりX線を発生させ、前記回転対陰極の、前記エネルギー線が照射された前記部分に対して、その表面から外方に向かうように遠心力を作用させ、前記回転対陰極自体で、前記エネルギー線が照射された前記部分を支持する。
【選択図】図1
【解決手段】回転対陰極の表面にエネルギー線を照射して、前記回転対陰極の前記エネルギー線が照射された部分を加熱し、少なくとも部分的に気化させた状態で、前記回転対陰極よりX線を発生させ、前記回転対陰極の、前記エネルギー線が照射された前記部分に対して、その表面から外方に向かうように遠心力を作用させ、前記回転対陰極自体で、前記エネルギー線が照射された前記部分を支持する。
【選択図】図1
Description
本発明は、超高輝度を実現できるX線発生方法及びX線発生装置に関する。
X線回折測定等においては、可能なかぎり強い強度のX線を試料に照射して測定を行う必要のある場合がある。この様な場合に用いられるX線発生装置として従来から回転対陰極X線発生装置が知られている。
この回転対陰極X線発生装置は、内部に冷却媒体を流通させた円柱状の対陰極(ターゲット)を高速で回転させながら、その外周表面に電子線を照射してX線を発生させるものである。この回転対陰極X発生装置は、ターゲットを固定した固定ターゲットのタイプに比較してターゲット上の電子線の照射位置が時々刻々と変化するので冷却効率が極めて高く、したがって、対陰極に大電流の電子線を照射することができ、強力な(高輝度の)X線を発生させることができる。
ところで、一般的にX線の出力は陰極と対陰極との間に印加する電力(電流×電圧)に対応する。一方、X線の輝度は(電力)/(ターゲット上の電子ビームの面積)であるので、上記電力の最大値はターゲット上の電子ビームの面積に大きく依存する。すなわち、X線の輝度を向上させるには、上記電力を増大させるとともに及び上記ターゲット上の電子ビームの面積を減少させればよい。
しかしながら、この場合においては、上記ターゲット上において単位面積当たりに照射される電子ビームの強度が増大してしまうことになるので、電子線照射によって前記ターゲットが溶解し、飛散してしまうことになる。したがって、理論上は、上述のような関係式に基づいてX線の輝度を増大させることはできるが、実際上は、前記ターゲットの融点に起因してX線の輝度の増大には限界があった。
このような問題に鑑みて、特開2004−172135号公報には、回転対陰極X線発生装置の、回転中心を中心軸とする筒状部分の内側に対して電子線を照射し、かかる部分をその融点近傍にまで加熱して、高輝度のX線を発生することが試みられている。この場合、前記電子線の照射部は前記回転対陰極の融点近傍にまで加熱されるので、前記照射部は少なくとも部分的に溶解するようになる。しかしながら、前記照射部は前記回転対陰極の回転に伴って発生する遠心力によって前記筒状部分に保持されるようになるので、前記照射部の、溶解部分の外方への飛散を抑制することができる。
したがって、特開2004−172135号公報に開示された技術によれば、上述したターゲットの溶解及び飛散の問題を回避した状態で、ターゲット上における単位面積当たりに照射される電子ビームの強度を増大させることができるので、従来に比し、比較的高い輝度のX線を得ることができる。
特開2004−172135号公報
しかしながら、X線を利用した高分解能の分析及び検査、さらには医療等の分野への応用を考慮するとさらなる高輝度のX線が求められており、そのためのX線発生方法及びX線発生装置の開発が求められている。
本発明は、高輝度のX線を発生させることが可能な、新規なX線発生方法及びX線発生装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、
回転対陰極の表面にエネルギー線を照射して、前記回転対陰極の前記エネルギー線が照射された部分を加熱し、少なくとも部分的に気化させた状態で、前記回転対陰極よりX線を発生させるステップと、
前記回転対陰極の、前記エネルギー線が照射された前記部分に対して、その表面から外方に向かうように遠心力を作用させ、前記回転対陰極自体で、前記エネルギー線が照射された前記部分を支持するステップと、
を具えることを特徴とする、X線発生方法に関する。
回転対陰極の表面にエネルギー線を照射して、前記回転対陰極の前記エネルギー線が照射された部分を加熱し、少なくとも部分的に気化させた状態で、前記回転対陰極よりX線を発生させるステップと、
前記回転対陰極の、前記エネルギー線が照射された前記部分に対して、その表面から外方に向かうように遠心力を作用させ、前記回転対陰極自体で、前記エネルギー線が照射された前記部分を支持するステップと、
を具えることを特徴とする、X線発生方法に関する。
また、本発明は、
エネルギー線を発生させるためのエネルギー線源と、
前記エネルギー線源からの前記エネルギー線の照射によってX線を発生させるための回転対陰極と、
前記回転対陰極と連結し、前記回転対陰極の外方に向けて遠心力を作用させる回転機構とを具え、
前記エネルギー線は、前記回転対陰極の照射部分を加熱し、少なくとも部分的に気化させた状態で前記X線を発生させ、前記照射部分は、前記遠心力によって前記回転対陰極自体で支持するように構成したことを特徴とする、X線発生装置に関する。
エネルギー線を発生させるためのエネルギー線源と、
前記エネルギー線源からの前記エネルギー線の照射によってX線を発生させるための回転対陰極と、
前記回転対陰極と連結し、前記回転対陰極の外方に向けて遠心力を作用させる回転機構とを具え、
前記エネルギー線は、前記回転対陰極の照射部分を加熱し、少なくとも部分的に気化させた状態で前記X線を発生させ、前記照射部分は、前記遠心力によって前記回転対陰極自体で支持するように構成したことを特徴とする、X線発生装置に関する。
一般に、X線発生装置におけるターゲットに対してエネルギー線を照射し、その温度を融点以上にまで上昇させると、前記ターゲットを構成する部材の蒸気圧が増大するようになるので、前記ターゲットが消耗する。したがって、このような場合においては、ターゲットに凹みが出来、発生したX線が取り出し不能になるため取り出されるX線の輝度も減少するものと考えられていた。
ところが、本発明に従って、回転対陰極を採用し、この回転対陰極の表面に対してエネルギー線を照射して加熱し、前記エネルギー線照射部が少なくとも部分的に気化するようにすることによって、驚くべきことに照射するエネルギー線の、前記回転対陰極の単位面積当たりの強度の増大に伴い、生成されるX線の輝度が格段に増大することを見出した。具体的には、上述の特開2004−172135号公報に開示された技術によって生成されるX線輝度の約3倍程度以上の輝度のX線が生成されることが判明した。
なお、前記回転対陰極の、前記エネルギー線照射部を少なくとも部分的に気化させることによって生成されるX線の輝度が向上する理由については、現在明確とはなっておらず、原因究明の最中である。しかしながら、前記エネルギー線照射部を少なくとも部分的に気化させれば、X線輝度が向上することについては、実験を通じて反復的に確認されている。
また、本発明における“少なくとも部分的に気化させた状態”とは、上記回転対陰極の融点時における、前記回転対陰極を構成する部材の蒸気圧よりも高いことを意味しており、例えば数倍から数十倍、数千倍の蒸気圧を呈する場合を意味する。
本発明の一態様においては、前記回転対陰極は、前記回転対陰極の回転中心を中心軸とする筒状部分を有し、前記電子線は前記筒状部分の内壁表面に照射するようにすることができる。これによって、前記回転対陰極の、前記エネルギー線が照射された前記部分の、前記回転対陰極自体での保持を容易かつ確実に行うことができるようになる。
また、本発明の他の態様においては、前記回転対陰極の、前記エネルギー線の照射部分の温度を、前記回転対陰極の融点から200℃以上、好ましくは700℃以上高い温度であって、前記回転対陰極の1気圧下における沸点以下の温度に加熱する。前記回転対陰極の、前記エネルギー線の照射部分の温度設定を上述のように行うことによって、X線輝度向上に要求される上記部分的な気化を簡易かつ確実に行うことができる。
なお、“前記回転対陰極の融点から200℃以上”なる要件は、前記回転対陰極の構成部材、すなわちX線生成のためのターゲットとして汎用される銅(Cu)等の蒸気圧が融点時の約10倍程度以上となる温度であり、“前記回転対陰極の融点から700℃以上”なる要件は、前記回転対陰極の構成部材、すなわちX線生成のためのターゲットとして汎用される銅(Cu)等の蒸気圧が融点時の約1000倍程度以上となる温度である。但し、これらの値は測定条件等によって変動するものであるので、必ずしも確定した値ではない。
さらに、本発明のその他の態様においては、前記エネルギー線は電子線とすることができる。この場合、上記回転対陰極の単位面積当たりに強度の高いエネルギー線(電子線)を簡易に照射することができ、高輝度X線を簡易に生成することができる。
図1は、本発明のX線発生装置の構成を示す断面図であり、図2は、図1の一部拡大図である。以下、これらの図を参照にしながら一実施の形態を説明する。
図1及び図2に示すX線発生装置10は、回転対陰極1が収納される対陰極室2と、陰極3が収納される陰極室4と、回転対陰極1を回転駆動する駆動モータ5が設けられた回転駆動部6とが、隣接して気密構造部材2a、4a及び6aによってそれぞれ形成されている。また、対陰極室2と陰極室4とを仕切る隔壁部2bには、陰極3から射出される電子線30を通過させる小さな貫通孔2cが設けられている。さらに、対陰極室2及び陰極室4の各々には図示しない真空排気装置が接続される真空排気□2d及び4dが設けられている。
回転対陰極1は、Cu(銅)等からなる筒状部11と、この筒状部11の筒の一方の開口部を塞ぐように形成された円板状部12と、筒状部11及び円板状部12の共通の中心軸をその中心軸とする回転軸部13とが連続して一体に形成され、かつ内部は空洞に形成されたもので、筒状部11の筒の内壁表面1aを電子線照射部とするものである。
回転対陰極1の回転軸部13は、回転騒動部6内に設けられた1対の軸受け部材13a、13bによって回転自在に支持されている。また、回転軸部13の外周部には上記駆動モータ5の回転子5bが取付けられ、この回転子5bを回転駆動する固定子5bが上記回転駆動部6内において気密構造部材6aに取付けられている。
なお、回転軸部13の回転によって回転対陰極1も回転するようになり、回転対陰極1、すなわち筒状部11の外方に向けて遠心力が作用するようになる。
回転軸部13の円板状部12寄りの根元部には、回転軸部13と気密構造部材6aとの間を気密に保持して上記体対陰極室2の真空を維持する回転軸シール部材13cが設けられている。
さらに、回転対陰極1の内部には、電子線照射部1aの内壁面に冷却水を流通させるための固定隔壁部材14が挿入設定されている。この固定隔壁部材14は、回転軸部13の内部においては筒状をなしており、円板状部12に至ってその筒の端部を円板状に拡げ、筒状部11の内部の右端部内壁の手前で延長されている。
すなわち、この固定隔壁14は、回転対陰極1の内部の空洞部分をいわば二重管構造に仕切っている。この二重管の外側管部14aは冷却水の導入口16に連通されている。なお、回転軸部13の左端部の外周には軸シール部材5aが設けられており、冷却水の導入口16から導入された冷却水が軸受け部材13bや駆動モータ5が設けられた収納スペース内に洩れ出ないようにしつつ二重管の外側管部14a内に導入されるようになっている。
したがって、冷却水導入口16から導入された冷却水は、二重管の外側管部14aを進行、上記筒状部11の内部の右端部内壁で折り返して二重管の内側管部14bに進行して電子線照射部1aの内壁面を冷却した後、内側管部14b内をさらに進行して冷却水の排出□17を通じて外部に排出される。
回転対陰極1の電子線照射部1aの近傍の気密構造部材2aには、電子線照射部1aに電子線30が照射されたときに発生するX線20を外部に取り出すためのX線窓21が形成されている。このX線窓21にはべリリウム膜やニッケル膜等のX線透過性の材料からなるX線透過膜22が形成されており、対陰極室2の真空の維持しながらX線を取り出せるようになっている。
陰極3は、絶縁構造部32、フィラメント33及びウエーネルト34等とから構成されており高圧導入部31から導入された数十KVの高圧電力及びフィラメント電力を供給することによって、対陰極1に電子線30を照射する。
上述の構成において、冷却水導入口16から冷却水を導入し、騒動モータ5によって回転対陰極1を高速回転させ、陰極3から対陰極1の電子線照射部1aに電子線30を照射するとX線20を発生させることができる。
本態様では、回転対陰極1の筒状部11の表面1aに対して電子線30を照射して加熱し、電子線照射部1aが少なくとも部分的に気化する。したがって、理由は定かではないが、特開2004−172135号公報に開示されたような、回転対陰極の電子線照射部を融点近傍に加熱して溶解させる場合に比較して、生成されるX線20の輝度を十分に向上させることができる。
この場合、回転対陰極1を加熱するエネルギー線として電子線30を用いているので、回転対陰極1の単位面積当たりに強度の高いエネルギー線(電子線)を簡易に照射することができ、高輝度X線を簡易に生成することができる。
なお、電子線照射部1aは、上述のように部分的に気化した場合においても、回転軸部13の回転による筒状部11の外方に作用する遠心力によって、筒状部11すなわち回転対陰極1に支持されるようになる。
また、回転対陰極1の、電子線照射部1aの温度を、回転対陰極1の融点から200℃以上、好ましくは700℃以上高い温度であって、前記回転対陰極の1気圧下における沸点以下の温度に加熱する。前者の場合、測定条件によって変動するため必ずしも確定したものではないが、本態様の回転対陰極1を構成する銅(Cu)の蒸気圧が融点時の約10倍程度以上となり、後者の場合、本態様の回転対陰極1を構成する銅(Cu)の蒸気圧が融点時の約1000倍程度以上となる。
結果として、電子線30の照射によって電子線照射部1aの温度を上述のように設定すれば、電子線照射部1aの部分的な気化を十分に行うことができ、高輝度のX線20を簡易に生成することができる。
具体的に、図1及び2に示す装置において、回転対陰極1を6000rpm〜9000rpmなる速度で回転させ、電子線30の照射によって電子線照射部1aを温度1900℃〜2000℃(銅の融点1083℃に対して約700℃以上高い温度)に加熱した場合に、最大で108kW/mm2の輝度を得ることができた。一方、特開2004−172135号公報に開示されたように、電子線照射部1aの温度を銅の融点近傍に加熱した場合は、約40kW/mm2の輝度しか得られなかった。
図3は、本発明のX線発生装置の他の例における要部を示す概略構成図である。図1及び2に示すX線発生装置では、回転対陰極1が収納される対陰極室2と、陰極3が収納される陰極室4とを分割し、対陰極室2と陰極室4とを仕切る隔壁部2bに形成された貫通孔2cを介して、陰極3から電子線30を直線的に対陰極室2に導入し、回転対陰極1の筒状部11に照射するようにしている。
これに対して、本態様のX線発生装置10では、上述のように回転対陰極1及び電子線源(陰極)を別の室に設けることなく同じ室に配置し、前記電子線源から発射された電子線を偏向磁石によって変更させることによって、回転対陰極1の筒状部11に照射するようにしている。以下、具体的に説明する。
図1に示すように、本態様におけるX線発生装置10は、回転対陰極1と電子線源としての電子銃15とを具えている。回転対陰極1は、Cu(銅)等からなる筒状部11と、この筒状部11の筒の一方の開口部を塞ぐように形成された円板状部12と、筒状部11及び円板状部12の共通の中心軸をその中心軸とする回転軸部13とが連続して一体に形成されている。なお、筒状部11、円板状部12及び回転軸部13は、上記態様と同様に、必要に応じて空洞化し、冷却水が循環できるように構成することができる。
なお、本態様においても、筒状部11の筒の内壁表面1aを電子線照射部とするものである。
本態様のX線発生装置10は、図3に示すように、回転対陰極1及び電子銃40を同じ室に配置し、電子銃40から発射された電子線30を偏向磁石によって変更させることによって、回転対陰極1の筒状部11に照射するように構成している。したがって、図1及び2に示すように、回転対陰極1が収納される対陰極室2と、陰極3が収納される陰極室4とを分割配置するように構成したX線発生装置10と比較して、装置構成を簡略化することができる。
電子銃40からは電子線30が水平方向に出射され、偏向電子レンズ41によって約180度の方向転換を受け、回転対陰極1の筒状部分11の内壁に照射されることにより、加熱された電子線照射部1aから所定のX線20を生成するようになる。
本態様でも、回転対陰極1の筒状部11の表面に対して電子線30を照射して加熱することにより、電子線照射部1aを少なくとも部分的に気化する。したがって、特開2004−172135号公報に開示されたような、回転対陰極の電子線照射部を融点近傍に加熱して溶解させる場合に比較して、生成されるX線20の輝度を十分に向上させることができる。
この場合、回転対陰極1を加熱するエネルギー線として電子線30を用いているので、回転対陰極1の単位面積当たりに強度の高いエネルギー線(電子線)を簡易に照射することができ、高輝度X線を簡易に生成することができる。
なお、電子線照射部1aは、上述のように部分的に気化した場合においても、回転軸部13の回転による筒状部11の外方に作用する遠心力によって、筒状部11すなわち回転対陰極1に支持されるようになる。
また、回転対陰極1の、電子線照射部1aの温度を、回転対陰極1の融点から200℃以上、好ましくは700℃以上高い温度であって、前記回転対陰極の1気圧下における沸点以下の温度に加熱する。前者の場合、測定条件によって変動するため必ずしも確定したものではないが、本態様の回転対陰極1を構成する銅(Cu)の蒸気圧が融点時の約10倍程度以上となり、後者の場合、本態様の回転対陰極1を構成する銅(Cu)の蒸気圧が融点時の約1000倍程度以上となる。
結果として、電子線30の照射によって電子線照射部1aの温度を上述のように設定すれば、電子線照射部1aの部分的な気化を十分に行うことができ、高輝度のX線20を簡易に生成することができる。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
例えば、電子線照射部1aの部分だけを、発生させるX線の種類で決まるターゲット物質で構成し、その周囲をより高融点の物質及び/又は熱伝導度のより高い物質で構成すれば、ターゲット物質の冷却効率の向上、あるいは、変形防止が図られて、より高出力化することが可能になる。
また、電子線照射部1aから気化した回転対陰極1の構成部材によって、X線透過膜22が汚染されないように、対陰極室2内のX線透過膜22の前面に交換可能なX線透過性の保護膜を設けることが望ましい。この保護膜としては、例えば、反跳電子に耐えられるNi膜等の長尺状の保護膜をロールに巻いた供給ロールと、この供給ロールの保護膜を巻き取る巻取ロールとをX線窓21の内側に設け、供給ロールと巻取ロールとの間に張られた保護膜がX線透過膜22の前面に配置されるようにすればよい。
1 回転対陰極
1a 電子線照射部
2 対陰極室
3 陰極
4 陰極室
5 駆動モータ
6 回転駆動部
11 筒状部
20 X線
30 電子線
40 電子銃
41 偏向電子レンズ
1a 電子線照射部
2 対陰極室
3 陰極
4 陰極室
5 駆動モータ
6 回転駆動部
11 筒状部
20 X線
30 電子線
40 電子銃
41 偏向電子レンズ
Claims (10)
- 回転対陰極の表面にエネルギー線を照射して、前記回転対陰極の前記エネルギー線が照射された部分を加熱し、少なくとも部分的に気化させた状態で、前記回転対陰極よりX線を発生させるステップと、
前記回転対陰極の、前記エネルギー線が照射された前記部分に対して、その表面から外方に向かうように遠心力を作用させ、前記回転対陰極自体で、前記エネルギー線が照射された前記部分を支持するステップと、
を具えることを特徴とする、X線発生方法。 - 前記回転対陰極は、前記回転対陰極の回転中心を中心軸とする筒状部分を有し、前記電子線は前記筒状部分の内壁表面に照射することを特徴とする、請求項1に記載のX線発生方法。
- 前記回転対陰極の、前記エネルギー線の照射部分の温度を、前記回転対陰極の融点から200℃以上高い温度であって、前記回転対陰極の1気圧下における沸点以下の温度に加熱することを特徴とする、請求項1又は2に記載のX線発生方法。
- 前記回転対陰極の、前記エネルギー線の照射部分の温度を、前記回転対陰極の融点から700℃以上高い温度であって、前記回転対陰極の1気圧下における沸点以下の温度に加熱することを特徴とする、請求項3に記載のX線発生方法。
- 前記エネルギー線は電子線であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載のX線発生方法。
- エネルギー線を発生させるためのエネルギー線源と、
前記エネルギー線源からの前記エネルギー線の照射によってX線を発生させるための回転対陰極と、
前記回転対陰極と連結し、前記回転対陰極の外方に向けて遠心力を作用させる回転機構とを具え、
前記エネルギー線は、前記回転対陰極の照射部分を加熱し、少なくとも部分的に気化させた状態で前記X線を発生させ、前記照射部分は、前記遠心力によって前記回転対陰極自体で支持するように構成したことを特徴とする、X線発生装置。 - 前記回転対陰極は、前記回転対陰極の回転中心を中心軸とする筒状部分を有し、前記電子線は前記筒状部分の内壁表面に照射するように構成したことを特徴とする、請求項6に記載のX線発生装置。
- 前記回転対陰極の、前記エネルギー線の照射部分の温度を、前記回転対陰極の融点から200℃以上高い温度であって、前記回転対陰極の1気圧下における沸点以下の温度に加熱することを特徴とする、請求項6又は7に記載のX線発生装置。
- 前記回転対陰極の、前記エネルギー線の照射部分の温度を、前記回転対陰極の融点から700℃以上高い温度であって、前記回転対陰極の1気圧下における沸点以下の温度に加熱することを特徴とする、請求項8に記載のX線発生装置。
- 前記エネルギー線は電子線であることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一に記載のX線発生装置。
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JP2008233989A JP2010067525A (ja) | 2008-09-11 | 2008-09-11 | X線発生方法及びx線発生装置 |
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