JP2014175197A - X線管装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィラメントの短絡を防止するX線管装置を提供する。
【解決手段】フィラメント21と固定棒25との接続部分には、金属部品27が介在されている。X線発生時にフィラメント21は通電され加熱するが、この熱は金属部品27に伝達される。伝達された熱により加熱された金属部品27は、コイル状のフィラメント21の軸方向Lでかつ、フィラメントの外側方向Mに変形する。すなわち、フィラメント21が熱膨張する軸方向Lに沿って金属部品27も変形する。これにより、フィラメント21の熱膨張を吸収することができる。そのため、フィラメント21の熱膨張により生じていた応力が緩和され、フィラメント21が座屈して弓状に変形することが抑えられ、フィラメント21と収束電極とが短絡することを防止する。
【選択図】図4
【解決手段】フィラメント21と固定棒25との接続部分には、金属部品27が介在されている。X線発生時にフィラメント21は通電され加熱するが、この熱は金属部品27に伝達される。伝達された熱により加熱された金属部品27は、コイル状のフィラメント21の軸方向Lでかつ、フィラメントの外側方向Mに変形する。すなわち、フィラメント21が熱膨張する軸方向Lに沿って金属部品27も変形する。これにより、フィラメント21の熱膨張を吸収することができる。そのため、フィラメント21の熱膨張により生じていた応力が緩和され、フィラメント21が座屈して弓状に変形することが抑えられ、フィラメント21と収束電極とが短絡することを防止する。
【選択図】図4
Description
本発明は、医用X線装置に搭載されるX線管装置に係り、特に陰極構造に関する。
従来のX線管装置は、電子(熱電子、電子ビームともいう)を放出する陰極と、陰極から放出された電子を衝突させてX線を発生させるターゲットを有する回転陽極とを備えている。陰極103は、図7(a)に示すように、収束電極123内にコイル状のフィラメント121が設置されている(例えば、特許文献1参照)。
フィラメント121は、通電されて加熱することにより電子を放出する。この状態で、X線管装置は、ターゲットを高速回転させた後、陰極103とターゲットの間に高電圧を印加し、電子を加速および収束してターゲットに衝突させ、X線を発生させている。ターゲット上の主たる電子衝突面のことを焦点と呼び、その焦点の大きさがX線管装置の定格、および画像の鮮鋭度に深く関係する。
X線管装置のフィラメント121は、X線発生時に最高2600℃程度まで加熱されて非常に高温になる。また、フィラメント121は、収束電極123の電極溝123aに収められており、フィラメント121と収束電極123の電極溝123aとの隙間D(図7(a)参照)は、100〜300μmと非常に狭い構成となっている。そのため、フィラメント121の僅かな熱変形でフィラメント121と収束電極123が短絡することがある。特に、多くのX線を必要とする術式では、多くの管電流を使用するので、フィラメント121に流れるフィラメント電流も多くなる。そのため、フィラメント温度が大きく上昇してフィラメント121が変形し易くなり、図7(b)に示すように、短絡が発生する。
すなわち、フィラメント121が加熱すると、フィラメント121は、図8(a)に示す方向Lに沿って延びるように熱膨張する。しかしながら、従来構成のフィラメント121の足部122a,122bは、直接、固定棒125によって所定の位置に固定されているので、フィラメント121の熱膨張が妨げられる(図8(b)参照)。これにより、フィラメント121には、妨げられた変形量に対応する応力(熱応力)が生じ、応力がある閾値を超えると座屈してしまう。そのため、フィラメント121が弓状(C状)に曲がってフィラメント121と収束電極123とが短絡する。
フィラメント121と収束電極123とが短絡すると、フィラメント121を正常に加熱することができなり、X線出力不良が生じて適切な診断を行うことができなくなる。すなわち、図7(b)において、例えば、フィラメント121の足部を支持する固定棒の一方(符号S)は絶縁体を介在させて収束電極123と絶縁し、他方(符号T)は収束電極123と導通しているものとする。この状態で、U点でフィラメント121が短絡すると、フィラメント121の固定棒の一方Sと短絡部Uとの間で電流が流れるので、フィラメント121を正常に加熱できなくなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フィラメントの短絡を防止するX線管装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係るX線管装置は、電子を放出するコイル状のフィラメントと、前記フィラメントから放出された電子を収束させる収束電極と、前記フィラメントの両端の足部を各々支持すると共に、前記収束電極内の予め設定された位置に固定される固定部と、前記フィラメントと前記固定部との接続部分に介在して設けられ、前記フィラメントの軸方向でかつ、前記フィラメントの外側方向に、前記フィラメントの熱で変形する熱変形部と、を備えていることを特徴とするものである。
すなわち、本発明に係るX線管装置は、電子を放出するコイル状のフィラメントと、前記フィラメントから放出された電子を収束させる収束電極と、前記フィラメントの両端の足部を各々支持すると共に、前記収束電極内の予め設定された位置に固定される固定部と、前記フィラメントと前記固定部との接続部分に介在して設けられ、前記フィラメントの軸方向でかつ、前記フィラメントの外側方向に、前記フィラメントの熱で変形する熱変形部と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明に係るX線管装置によれば、コイル状のフィラメントは、電子を放出し、収束電極は、フィラメントから放出させる電子を収束させる。固定部は、フィラメントの両端の足部を各々支持すると共に、収束電極内の予め設定された位置に固定されている。ここで、フィラメントと、収束電極に固定される固定部との接続部分には、熱変形部が介在して設けられている。熱変形部は、コイル状のフィラメントの軸方向でかつ、フィラメントの外側方向にフィラメントの熱で変形する。
すなわち、フィラメントと固定部との接続部分には、熱変形部が介在されている。X線発生時にフィラメントは通電され加熱するが、この熱は熱変形部に伝達される。伝達された熱により加熱された熱変形部は、コイル状のフィラメントの軸方向でかつ、フィラメントの外側方向に変形する。すなわち、フィラメントが熱膨張する方向に沿って熱変形部も変形する。これにより、フィラメントの熱膨張を吸収することができる。そのため、フィラメントの熱膨張に抵抗し生じていた応力が緩和され、フィラメントが座屈して弓状に変形することが抑えられるので、フィラメントと収束電極とが短絡することを防止することができる。
また、多くのX線量を必要とする術式では、多くの管電流を使用とするので、フィラメントに流す電流が多くなり、フィラメントの発熱量および熱膨張量も大きくなる。これに伴い、熱変形部の温度も上昇し、変形量も大きくなる。すなわち、フィラメントの熱膨張に応じて、熱変形部の変形量も大きくなる。そのため、フィラメントの座屈防止効果が高くなる。
また、本発明に係るX線管装置において、前記熱変形部は、線状のもので構成されると共に、前記熱変形部は、前記固定部との接合部分を基準に前記フィラメントの軸方向でかつ外側方向に向けて形成された部分を備えていることが好ましい。これにより、熱変形部は、固定部との接合部分を基準にフィラメントの軸方向でかつ外側方向に変形することができる。また、フィラメント周辺の電極溝は、静電レンズを形成するために厳しい寸法精度で設計されている。熱変形部は、固定部の幅に収まるように形成すれば、コンパクトな形状に形成することができ、従来の陰極構造に与える影響を抑えたものを得ることができる。
また、本発明に係るX線管装置において、前記熱変形部は、前記足部との接合部分が前記固定部との接合部分よりもフィラメントの軸方向でかつ外側方向に位置することが好ましい。これにより、熱変形部の変形により、収束電極内の予め設定された位置に固定された固定部との接合部分を基準にフィラメントの軸方向でかつ外側方向に、足部との接合部分を移動させることができる。
また、本発明に係るX線管装置において、前記熱変形部は、金属部品で構成されていることが好ましい。これにより、金属部品を通じて予め設定された電流を供給することができる。また、前記金属部品は、タングステン、モリブデンおよびこれらのいずれかを主成分とする合金のいずれかで構成されていることが好ましい。金属部品を高融点金属で構成することにより、フィラメントの加熱で溶融することを抑えることができる。
本発明に係るX線管装置によれば、フィラメントと固定部との接続部分には、熱変形部が介在されている。X線発生時にフィラメントは通電され加熱するが、この熱は熱変形部に伝達される。伝達された熱により加熱された熱変形部は、コイル状のフィラメントの軸方向でかつ、フィラメントの外側方向に変形する。すなわち、フィラメントが熱膨張する方向に沿って熱変形部も変形する。これにより、フィラメントの熱膨張を吸収することができる。そのため、フィラメントの熱膨張に抵抗し生じていた応力が緩和され、フィラメントが座屈して弓状に変形することが抑えられるので、フィラメントと収束電極とが短絡することを防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は、実施例に係る回転陽極X線管装置の概略構成図である。本実施例では、X線管装置として回転陽極X線管装置を説明する。
図1を参照する。回転陽極X線管装置1は、内部が真空状態である外囲器2と、電子(熱電子または電子ビームともいう)を放出する陰極3と、陰極3から放出された電子を衝突させてX線を発生させるターゲット4aを有する回転陽極4とを備えている。
外囲器2は、例えば硬質ガラスで構成される。外囲器2の一端には、陽極3が配置され、外囲器2の他端には、ターゲット4aの外周部が後述するフィラメント21および収束電極23と対向するように、回転陽極4が配置される。ターゲット4aは、傘状に形成され、例えばタングステンで構成される。ターゲット4aは、外囲器2の外部に配置されたモータコイル等のステータ5の回転磁界によって高速回転するようになっている。
外囲器2等は、管容器7によって保持および収容されている。外囲器2等と管容器7との間には、絶縁油が充填されている。管容器7には、発生したX線を透過させるX線照射窓(図示しない)が設けられている。
また、回転陽極X線管装置1は、X線発生に必要な管電圧・管電流を供給する高電圧発生部9と、ステータ5および高電圧発生部9等の各構成を統括的に制御する制御部11と、制御部11と連絡して回転陽極X線管装置1を操作する操作部13とを備えている。制御部11は、中央演算処理装置(CPU)などで構成される。制御部11は、ステータ5を制御してターゲット4aの回転させたり、高電圧発生部9を制御して予め設定された管電圧および管電流を供給したりする。操作部13は、スイッチやタッチパネル入力部等で構成される。
次に、本発明の特徴部分である陰極3の具体的な構成を説明する。図2は、図1のA方向から見た陰極3の平面図である。図3は、図2に示す陰極3のフィラメントの固定部分を示す縦断面図である。
陰極3は、通電されて加熱して電子を放出するコイル状のフィラメント21と、フィラメント21から放出された電子を収束させる電極溝23aを有する収束電極23とを備えている。陰極3は、図2および図3に示すように、2つのフィラメント21を備えている。一方のフィラメント21aは、小さい焦点を形成させるためのものであり、他方のフィラメント21bは、多くの電流を流すためのものであり、フィラメント21aよりも大きい焦点が形成される。なお、フィラメント21a,21bを区別しない場合は、フィラメント21として説明する。また、フィラメント21は、2つに限定されず、1つで構成されていてもよいし、3つ以上で構成されていてもよい。
フィラメント21は、収束電極23内の電極溝23aに設けられており、フィラメント21は、例えばタングステンで構成されている。なお、図2および図3等において、フィラメント21は矩形で示されている。この点、フィラメント21は、長手方向に沿ってコイル状に導線が巻かれて形成され、フィラメント21の両端には、コイル状に巻かれた導線を延長した足部22a,22bが形成されている。
フィラメント21の両端の足部22a,22bは、各々、後述する金属部品27を介在させて固定棒25により支持されている。固定棒25は、導電性であり、例えばモリブデンで構成されている。固定棒25は、図3に示すように、紙面横方向および紙面奥行き方向に収束電極23内の予め設定された位置に固定されている。また、フィラメント21の足部22a,22bを各々支持する固定棒25(図4(a)参照)のうち、例えば、足部22aを支持する固定棒25は、セラミック等の絶縁体を介在させて収束電極23と絶縁されている。一方、足部22bを支持する固定棒25は、収束電極23と導通している。なお、固定棒25は、本発明の固定部に相当する。
次に、金属部品27について説明する。図4(a)は、図3のB方向から見たフィラメントの固定部分を示す側面図であり、図4(b)は、図4(a)を上から見た平面図である。図4(c)は、図4(a)中の枠Eを拡大した図である。
金属部品27は、フィラメント21の足部22a,22bと固定棒25との接続部分に介在して設けられるものである。金属部品27は、例えばタングステン、モリブデンおよびこれらのいずれかを主成分とする合金のいずれかで構成されている。すなわち、金属部品27は、高融点金属で構成されている。そのため、フィラメント21の加熱で溶融することを抑えることができる。また、金属部品27は、足部22a,22bと固定棒25との間で電流を流すため導通するようになっており、金属部品27を通じて予め設定された電流を供給することができる。なお、金属部品27は本発明の熱変形部に相当する。
金属部品27とフィラメント21の足部22a,22bは、溶接やろう付け等で接合されている。また、金属部品27と固定棒25は、固定棒25の分岐した先端部分で金属部品27を挟み込んで固定するかしめ(図5中の矢印H)や、溶接により接合されている。なお、図5は、フィラメント21を図3の方向から見た図である。
金属部品27は、図4(a)および図4(b)に示すように、コイル状のフィラメント21の軸方向(長手方向)Lでかつ、そのフィラメント21の外側方向Mに、フィラメントの熱で変形するようになっている。すなわち、金属部品27は、線状のもので構成され、金属部品27は、固定棒25との接合部分Qを基準にフィラメント21の軸方向Lでかつ外側方向Mに向くように形成された部分Fを備えている(図4(c)の太枠参照)。これにより、金属部品27は、フィラメント21の熱で、固定棒25との接合部分Qを基準に熱膨張して、フィラメント21の軸方向Lでかつ外側方向Mに変形する。また、金属部品25を固定棒25の幅(径)Gに収まるように形成できる等、金属部品27をコンパクトに形成することができる。
また、金属部品27の接合部分P,Qについて説明する。金属部品27は、フィラメント21の足部22a,22bとの接合部分Pが、固定棒25との接合部分Qに対して、フィラメント21の軸方向Lでかつ外側方向Mに移動するように、フィラメント21の熱で変形する。それを実現させるため、金属部品27は、フィラメント21の足部22a,22bとの接合部分Pが、固定棒25の接合部分Qよりもフィラメント21の軸方向Lでかつ外側方向Mに位置するようになっている。これにより、固定棒25との接合部分Qを基準にフィラメント21の軸方向Lでかつ外側方向Mに変形する。
金属部品27の変形量は、所望のX線量を得るために流す電流量による加熱で、フィラメント21が座屈してフィラメント21と収束電極23とが短絡を起こさない程度に設定する。また、変形量は、フィラメント21を引っ張るように設定してもよい。
次に、回転陽極X線管装置1の動作について説明する。所望のX線量を得るためにフィラメント21に通電して加熱させて、フィラメント21から電子を放出する。フィラメント21から放出された電子は、収束電極23の電極溝23aにより収束される。これにより、陰極3から収束された電子が放出される。この状態で、ステータ5の回転磁界により回転陽極4のターゲット4を高速回転させる。ターゲット4aを高速回転させた後、高電圧発生部9により陰極3と、回転陽極4のターゲット4aとの間に管電圧を印加させる。電子は、電極溝23aの形状で設定される電界により加速および収束されてターゲット4aに焦点を形成しつつ衝突し、電子が衝突した焦点からX線が発生される。
ここで、フィラメント21に電流が流されるとフィラメント21が発熱する。この熱でフィラメント21は、コイル状のフィラメント21の軸方向Lに熱膨張する。また、フィラメント21の熱は、足部22a,22bを経由して金属部品27に伝わり、金属部品27の温度を上昇させる。温度が上昇した金属部品27は、コイル状のフィラメント21の軸方向Lでかつ、フィラメント21の外側方向Mに変形する。すなわち、フィラメント21が熱膨張する軸方向Lに沿って金属部品27も変形する。つまり、金属部品27の変形により、フィラメント21の足部22a,22bと金属部品27の接合部分Pが軸方向Lでかつ外側方向Mに移動する。これにより、フィラメント21の熱膨張を吸収することができる。
図8(a)に示す従来構成では、フィラメント121が熱膨張した際に、フィラメント121の足部122a,122bが直接、固定棒125によって所定の位置に固定されるので、フィラメント121の熱膨張が妨げられる(図8(b)参照)。これにより、フィラメント121には、妨げられた変形量に対応して応力が生じて座屈する。そのため、フィラメント121が弓状に曲がり、フィラメント121と収束電極123とが短絡していた(図7(b)参照)。
しかしながら、図4(a)および図4(b)に示す、金属部品27がフィラメント21の熱膨張を吸収するので、フィラメント21の熱膨張により生じていた応力が緩和され、フィラメント21が座屈して弓状に曲がることが抑えられるので、フィラメント21と収束電極23の電極溝23aとが短絡することを防止することができる。
本実施例によれば、フィラメント21と固定棒25との接続部分には、金属部品27が介在されている。X線発生時にフィラメント21は通電され加熱するが、この熱は金属部品27に伝達される。伝達された熱により加熱された金属部品27は、コイル状のフィラメント21の軸方向Lでかつ、フィラメント21の外側方向Mに変形する。すなわち、フィラメント21が熱膨張する軸方向Lに沿って金属部品27も変形する。これにより、フィラメント21の熱膨張を吸収することができる。そのため、フィラメント21の熱膨張により生じていた応力が緩和され、フィラメント21が座屈して弓状に変形することが抑えられるので、フィラメント21と収束電極23とが短絡することを防止することができる。
また、多くのX線量を必要とする術式では、多くの管電流を使用とするので、フィラメント21に流す電流が多くなり、フィラメント21の発熱量および熱膨張量も大きくなる。これに伴い、金属部品27の温度も上昇し、変形量も大きくなる。すなわち、フィラメント21の熱膨張に応じて、金属部品27の変形量も大きくなる。そのため、フィラメント21の座屈防止効果が高くなる。
また、金属部品27は、線状のもので構成されると共に、金属部品27は、固定棒25との接合部分Qを基準にフィラメント21の軸方向Lでかつ外側方向Mに向けて形成された部分Fを備えている。これにより、金属部品27は、固定棒25との接合部分Qを基準にフィラメント21の軸方向Lでかつ外側方向Mに変形することができる。また、フィラメント21周辺の電極溝23aは、静電レンズを形成するために厳しい寸法精度で設計されている。金属部品27は、固定棒25の幅に収まるように形成すれば、コンパクトな形状に形成することができ、従来の陰極3の構造に与える影響を抑えたものを得ることができる。
また、金属部品27は、足部22a,22bとの接合部分Pが固定棒25との接合部分Qよりもフィラメント21の軸方向Lでかつ外側方向Mに位置するように構成されている。これにより、金属部品27の変形により、収束電極23内の予め設定された位置に固定された固定棒25との接合部分Qを基準にフィラメント21の軸方向Lでかつ外側方向Mに、足部22a,22bとの接合部分Pを移動させることができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、金属部品27は、フィラメント21の両端の足部22a,22bに各々設けられていたが、必要に応じて、例えば、図6に示すように、フィラメント21の両端の足部22a,22bのいずれか一方に金属部品27が設けられてもよい。
(2)上述した実施例および変形例(1)では、図3において、金属部品27は、フィラメント21bのみに設けられているが、金属部品27をフィラメント21aに設けてもよい。
(3)上述した実施例および各変形例では、金属部品27の形状は、線状に限定されない。例えば、図4(a)の紙面奥行き方向に厚みを持たせて、板状に構成してもよい。
(4)上述した実施例および各変形例において、例えばフィラメント21がタングステンで構成され、金属部品27もタングステンで構成される等、フィラメント21と金属部品27が同じ材料で構成される場合は、溶接やろう付け等の接合をせずに形成したものであってもよい。すなわち、フィラメント21の足部22a,22bを折り曲げて、図4のような金属部品27の形状に形成したものであってもよい。その折り曲げて形成した部分が本発明における熱変形部に相当する。
(5)上述した実施例および各変形例では、回転陽極4を用いていたが、必要に応じて、回転しない固定陽極であってもよい。
1 … 回転陽極X線管装置
2 … 外囲器
3 … 陰極
4 … 回転陽極
4a … ターゲット
21(21a,21b) … フィラメント
22a,22b … 足部
23 … 収束電極
25 … 固定棒
27 … 金属部品
L … コイル状のフィラメントの軸方向(長手方向)
M … 外側方向
P … フィラメントの足部と金属部品との接合部分
Q … 金属部品と固定棒の接合部分
2 … 外囲器
3 … 陰極
4 … 回転陽極
4a … ターゲット
21(21a,21b) … フィラメント
22a,22b … 足部
23 … 収束電極
25 … 固定棒
27 … 金属部品
L … コイル状のフィラメントの軸方向(長手方向)
M … 外側方向
P … フィラメントの足部と金属部品との接合部分
Q … 金属部品と固定棒の接合部分
Claims (5)
- 電子を放出するコイル状のフィラメントと、
前記フィラメントから放出された電子を収束させる収束電極と、
前記フィラメントの両端の足部を各々支持すると共に、前記収束電極内の予め設定された位置に固定される固定部と、
前記足部と前記固定部との接続部分に介在して設けられ、前記フィラメントの軸方向でかつ、前記フィラメントの外側方向に、前記フィラメントの熱で変形する熱変形部と、
を備えていることを特徴とするX線管装置。 - 請求項1に記載のX線管装置において、
前記熱変形部は、線状のもので構成されると共に、
前記熱変形部は、前記固定部との接合部分を基準に前記フィラメントの軸方向でかつ外側方向に向けて形成された部分を備えていることを特徴とするX線管装置。 - 請求項1または2に記載のX線管装置において、
前記熱変形部は、前記足部との接合部分が前記固定部との接合部分よりもフィラメントの軸方向でかつ外側方向に位置することを特徴とするX線管装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載のX線管装置において、
前記熱変形部は、金属部品で構成されていることを特徴とするX線管装置。 - 請求項4に記載のX線管装置において、
前記金属部品は、タングステン、モリブデンおよびこれらのいずれかを主成分とする合金のいずれかで構成されていることを特徴とするX線管装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017033733A (ja) * | 2015-07-31 | 2017-02-09 | 株式会社島津製作所 | 陰極の製造方法、陰極およびx線管装置 |
US10475615B2 (en) | 2018-02-08 | 2019-11-12 | Shimadzu Corporation | Production method of negative electrode, negative electrode, and X-ray tube device |
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- 2013-03-11 JP JP2013047644A patent/JP2014175197A/ja active Pending
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