以下、本発明の実施形態を、図を参照して説明する。
図1は、本発明を適用可能な画像形成装置の一構成例を示す概略構成図である。なお、図1は、本発明を適用可能な電子写真式の画像形成装置として、4連タンデム型中間転写方式のフルカラー機の構成例を示しているが、本発明は、後述の4連タンデム型直接転写方式のフルカラー機や1ドラム型中間転写方式のフルカラー機等の他の画像形成装置にも適用可能である。また本発明は、1ドラム型直接転写方式等のモノクロ機にも適用可能である。
図1に示すように、画像形成装置100は、像担持体としての中間転写体である中間転写ベルト1と、中間転写ベルト1の展張面言い換えると張架面に沿って並設された、像担持体としての潜像担持体である感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kとを有している。
符号に付記したY、M、C、Kはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色を示している。イエローの作像ステーションを代表して説明すると、感光体ドラム2Yの周りにはその回転方向順に、帯電手段としての帯電装置である帯電チャージャ3Y、感光体ドラム2Yの回転位置言い換えると位相を検出する回転位置検出手段としての像担持体回転位置検出手段であるフォトインタラプタ18Y、感光体ドラム2Yに露光を行って静電潜像を書き込む書込手段である光書込手段たる露光手段としての光書込ユニット4Y、感光体ドラム2Yの表面電位を検出する電位検出手段としての表面電位センサ19Y、現像手段としての現像装置である現像ユニット5Y、一次転写手段としての一次転写ローラ6Y、図示しないブレード及びブラシ等を備えた潜像担持体クリーニング手段としての感光体クリーニングユニット7Y、除電手段としてのクエンチングランプであるQL8Yが配置されている。
中間転写ベルト1にトナー像を形成するトナー像形成手段は、感光体ドラム2Y、帯電チャージャ3Y、光書込ユニット4Y、現像ユニット5Y、一次転写ローラ6Y等を用いて構成されている。他の色の作像ステーションにおいても同様である。
中間転写ベルト1は、複数の支持部材としてのローラ11、12、13で回転可能に支持されており、ローラ12に対向する部位には、図示しないブレード及びブラシ等を備えたベルトクリーニングユニット15が設けられている。これら中間転写ベルト1、ローラ11、12、13、ベルトクリーニングユニット15は中間転写ユニット33を構成している。
ローラ13に対向する部位には、転写手段としての二次転写ローラ16が設けられている。
光書込ユニット4Y、4C、4M、4Kを備えた光書込ユニット4の上方には、画像読み取り手段としてのスキャナ部9、自動原稿供給手段としてのADF10等が設けられている。
装置本体99の下部には、複数の給紙部としての給紙トレイ17が設けられている。
各給紙トレイ17に収容された記録媒体としての記録紙20は、ピックアップローラ21、給紙ローラ22で給紙され、搬送ローラ対23で搬送され、レジストローラ対24により所定のタイミングで中間転写ベルト1と二次転写ローラ16とが互いに対向した二次転写部位であるニップ部N2へ送られる。
ニップ部N2の用紙搬送方向下流側には、定着手段としての定着ユニット25が設けられている。
図1において、符号26は排紙トレイを、符号27はスイッチバックローラ対を、符号37は図示しないCPU並びに不揮発性メモリおよび揮発性メモリを搭載した制御手段としての制御部を示している。
現像ユニット5Y、5C、5M、5Kはそれぞれ、感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kとある一定の距離である現像ギャップをとって対向配置された、現像剤担持体としての現像ローラ5Ya、5Ca、5Ma、5Kaを有している。現像ローラ5Ya、5Ca、5Ma、5Kaは、現像ユニット5Y、5C、5M、5K内の、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤を担持し、担持した2成分現像剤中のトナーを感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kに対向する現像ニップで感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kに付着させ、感光体ドラム2Y、2C、2M、2K上に画像を形成する。
フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kは、たとえば特許文献3の図4に開示される構成を採用可能である。本実施形態においては、感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kの回転位置を検出する手段として、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kを用いて検出しているが、かかる手段は、ロータリエンコーダなど、回転位置を検出するものであればこの構成に限らない。
表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kは、光書込ユニット4Y、4C、4M、4Kにより書き込まれた感光体ドラム2Y、2C、2M、2K上の静電潜像の電位すなわち現像ユニット5Y、5C、5M、5Kによってトナーを付着され現像される前の感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kの表面電位を検出する。
検出された表面電位は、後述するように、現像ユニット5Y、5C、5M、5Kの現像バイアスの制御に用いられるほか、帯電チャージャ3Y、3C、3M、3Kの帯電バイアス、光書込ユニット4Y、4C、4M、4Kのレーザーパワーなどのプロセス条件にフィードバックされ、画像濃度の安定性を保つのに用いられる。
光書込ユニット4Y、4C、4M、4Kは、画像情報に基づいて、図示しないレーザー制御部によって4つの図示しない半導体レーザーを駆動し、帯電チャージャ3Y、3C、3M、3Kにより暗中にて一様に帯電された感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kのそれぞれを照射する4つの書込光を出射する。光書込ユニット4は、この書込光により、感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kのそれぞれを暗中にて走査して、感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kの表面にY、C、M、K用の静電潜像を書き込む。
本実施形態では光書込ユニット4Y、4C、4M、4Kとして、図示しない半導体レーザーから出射したレーザー光を図示しないポリゴンミラーによって偏向せしめながら、図示しない反射ミラーで反射させたり光学レンズに通したりすることで光走査を行うものを用いている。光書込ユニット4は、かかる構成のものに代えて、LEDアレイによって光走査を行うものを用いてもよい。
図1に示す構成において、画像形成動作を一通り説明する。プリント開始命令が入力されると、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの周辺・中間転写ベルト1の周辺・給紙搬送経路等にある各ローラが既定のタイミングで回転し始め、給紙トレイ17から記録紙の給紙が開始される。
一方、各感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kは帯電チャージャ3Y、3M、3C、3Kによってその表面を一様な電位に帯電され、光書込ユニット4Y、4C、4M、4Kから照射される書込み光によってその表面を画像データに従って露光される。露光された後の電位パターンを静電潜像と呼ぶが、この静電潜像を担持した感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの表面に、現像ユニット5Y、5M、5C、5Kからトナーを供給されることにより、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに担持されている静電潜像が特定色に現像される。
図1の構成においては感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kが四色分あるので、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(色順はシステムによって異なる)のトナー像が各感光体ドラム2Y、2M、2C、2K上に現像されることになる。
各感光体ドラム2Y、2M、2C、2K上に現像されたトナー像は、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kと中間転写ベルト1との接点である1次転写部としてのニップ部N1において、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに対向して設置された一次転写ローラ6Y、6M、6C、6Kに印加される一次転写バイアス及び押圧力によって、中間転写ベルト1上に転写される。この一次転写動作をタイミングを合わせながら四色分繰り返すことにより、中間転写ベルト1上にフルカラートナー像が形成される。
中間転写ベルト1上に形成されたフルカラートナー像は、ニップ部N2において、レジストローラ対24によってタイミングを合わせて搬送されてくる記録紙20に転写される。このとき、二次転写ローラ16に印加される二次転写バイアス及び押圧力によって二次転写が行われる。フルカラートナー像が転写された記録紙20は、定着ユニット25を通過することにより、その記録紙20の表面に担持されているトナー像が加熱定着される。
片面プリントならばそのまま直線搬送されて排紙トレイ26へ搬送され、両面プリントならば搬送方向を下向きに変えられ用紙反転部へ搬送されていく。用紙反転部へ到達した記録紙20は、ここでスイッチバックローラ対27により搬送方向を逆転されて紙の後端から用紙反転部を出て行く。これをスイッチバック動作と呼び、この動作によって記録紙20の表裏が反転される。表裏反転された記録紙20は定着ユニット25の方には戻らず、再給紙搬送経路を通過して本来の給紙経路に合流する。この後は表面プリントの時と同じ様にトナー像を転写されて、定着ユニット25を通過して排紙される。これが両面プリント動作である。
また各部の動作を最後まで説明すると、ニップ部N1を通過した感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kはその表面に一次転写残トナーを担持しており、これを感光体クリーニングユニット7Y、7M、7C、7Kにより除去される。その後、QL8Y、8M、8C、8Kによってその表面を一様に除電されて次の画像のための帯電に備える。また、ニップ部N2を通過した中間転写ベルト1に関しても、その表面に二次転写残トナーを担持しているが、こちらもベルトクリーニングユニット15によってこれを除去され、次のトナー像の転写に備える。この様な動作の繰り返しで、片面プリント若しくは両面プリントが行われる。
画像形成装置100は、中間転写ベルト1の外周面に形成されたトナー像の濃度を検知する濃度検知手段として、光学センサなどで構成された光学センサユニットであるトナー像検知センサ30を備えている。
トナー像検知センサ30は、中間転写ベルト1上のトナーの付着量を検知して画像の濃度ムラを検出するために中間転写ベルト1上の画像であるトナー像の濃度を検出する画像濃度検出手段としての濃度むら検出手段であるトナー付着量検知センサとして機能する。
トナー像検知センサ30により、画像ムラの補正制御に用いるように中間転写ベルト1の表面に形成された画像パターンのトナー像の濃度を検知する。
図1に示した構成例では、中間転写ベルト1の、ローラ11に巻き付いている部分に対向する位置である二次転写前の位置P1に、トナー像検知センサ30が配置されている。トナー像検知センサ30は、同図に示すように、N2の下流側の位置である二次転写後の位置P2に配置しても良い。トナー像検知センサ30を位置P2のようなニップ部N2の下流側に配置する場合には、同図に示すように、中間転写ベルト1の内方に中間転写ベルト1の振れ止めのためのローラ14を設け、このローラ14に対向するようにトナー像検知センサ30を設けることが好ましい。
トナー像検知センサ30の上述した二種類の配置位置のうち、二次転写前の位置P1は、二次転写工程前の中間転写ベルト1上のトナーパターンを検知する位置であり、マシンレイアウトの制約がなければ、この構成が採用されることが多い。補正制御用の画像パターンのトナー像を形成してすぐに検知するため、待ち時間も少なく、また、画像パターンのトナー像にニップ部N2をすり抜けさせる必要がないため、そのための工夫が不要だからである。
しかしながら、4色目(図1の例ではブラック)の作像ステーション直後がニップ部N2のような二次転写位置になっている機種も多く、その場合、上述の位置P1にセンサを設置するのはスペース的に困難である。そのような場合は、二次転写後の位置である位置P2にトナー像検知センサ30を設置し、中間転写ベルト1上に形成した画像パターンのトナー像を、ニップ部N2をスルーさせた後、そのトナー像の濃度をトナー像検知センサ30で検知することになる。ニップ部N2をスルーさせる方式としては、二次転写ローラ16の中間転写ベルト1からの離間、二次転写ローラ16への逆バイアスの印加等が考えられるが、ここでは特に限定しない。
図2は、本発明を適用可能な画像形成装置の他の構成例を示す概略構成図である。なお、図2において、図1に示した画像形成装置100と同様な部材や装置については同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
図2に示す画像形成装置100’は、1ドラム型中間転写方式のフルカラー機であり、ドラム状の像担持体である感光体ドラム2と、これに対向する現像手段としてのリボルバ現像ユニット51とを備えている。
リボルバ現像ユニット51は、回転軸を中心にして回転する保持体によって現像手段としての4つの現像器51Y、51M、51C、51Kを保持している。
これらの現像器51Y、51M、51C、51Kは、感光体ドラム2上の静電潜像をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーによって現像するものである。
リボルバ現像ユニット51は、保持体を回転させることで、現像器51Y、51M、51C、51Kのうち、任意の色の現像器を感光体ドラム2に対向する現像位置に移動させて、感光体ドラム2上の静電潜像を任意の色に現像する。フルカラー画像を形成する場合には、例えば無端状の中間転写ベルト1を約4周させる過程で感光体ドラム2にY,M,C,K用の静電潜像を順次形成しながら、それらをY,M,C,K用の現像器51Y、51M、51C、51Kによって順次現像していく。そして、感光体ドラム2上で得られたY,M,C,Kトナー像をニップ部N1において中間転写ベルト1に順次重ね合わせて転写していく。
中間転写ベルト1の支持部材であるローラ13と二次転写ユニット28の二次転写ローラ16とが対向しているニップ部N2は、中間転写ベルト1と二次転写ユニット28の転写搬送ベルト28aとが所定のニップ幅で接触した二次転写ニップであるニップ部となっている。このニップ部N2を上述した中間転写ベルト1上の4色重ね合わせトナー像が通過するとき、その通過にタイミングを合わせて二次転写ユニット28の転写搬送ベルト28aで搬送されてきた記録紙20に対して、中間転写ベルト1上の4色重ね合わせトナー像が一括二次転写される。
記録紙20の両面に画像を形成する場合は、定着ユニット25を通過した記録紙20が両面ユニット17’に搬送され、両面ユニット17’で表裏反転された記録紙20が再度、ニップ部N2に搬送され、その記録紙20の裏面に中間転写ベルト1上の4色重ね合わせトナー像が一括二次転写される。
図2に示した構成の画像形成装置100’では、中間転写ベルト1の、ローラ11に巻き付いている部分に対向する位置である二次転写前の位置P3に、トナー像検知センサ30が配置されている。
図3は、本発明を適用可能な画像形成装置の更に他の構成例を示す概略構成図である。なお、図3において、図1の画像形成装置100と同様な部材や装置については同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
図3に示す画像形成装置100”は、4連タンデム型直接転写方式のフルカラー機であり、4組の作像ステーションの下方に、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに形成されたトナー像を記録紙20に転写する転写ユニット29を備えている。この転写ユニット29は、複数の支持部材としてのローラ11a〜11dで回転可能に支持された無端状の転写搬送ベルト29aを有している。転写搬送ベルト29aは駆動ローラ11aと従動ローラ11b〜11dとに掛け回され、所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転駆動しながら、記録紙20を担持して各作像ステーションの転写位置Nを通過するように搬送する。
転写搬送ベルト29aの内側には、各転写位置Nにおいて転写電荷を付与して各感光体ドラム2Y、2M、2C、2K上のトナー像を記録紙20に転写するための転写ローラ6Y、6M、6C、6Kが設けられている。
図3に示す画像形成装置100”において、例えば4色重ね合わせのフルカラーモードが図示しない操作部で選択されたときは、各色の作像ステーションの感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kそれぞれに各色のトナー像を形成する画像形成工程が記録紙20の搬送に同期させて実行される。
一方、給紙トレイ17から給送された記録紙20は、レジストローラ対24により所定のタイミングで送り出されて転写搬送ベルト29aに担持され、各作像ステーションの転写位置Nを通過するように搬送される。各色のトナー像が転写され4色重ね合わせのカラー画像が形成された記録紙20は、定着ユニット25でトナー像が定着された後、排紙トレイ26上に排出される。
図3に示した構成の画像形成装置100”では、転写ユニット29の記録紙搬送方向最下流側で転写搬送29aのローラ11aに巻き付いている部分に対向する位置である定着前の位置P4に、トナー像検知センサ30が配置されている。
なお、図1〜図3のそれぞれに示した画像形成装置100、100’、100”の構成例において、補正制御用の画像パターンのトナー像は感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kまたは感光体ドラム2上で形成されて下流側のベルトである中間転写ベルト1又は転写搬送ベルト28a,29aに転写されるため、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kのそれぞれまたは感光体ドラム2の表面に対向するようにトナー像検知センサ30を設置してもよい。この場合のトナー像検知センサ30の設置位置は、現像ユニット5Y、5M、5C、5Kまたはリボルバ現像ユニット51による現像位置から中間転写ベルト1又は転写搬送ベルト28a,29aへの転写位置であるニップ部N1又は転写位置Nに至るまでの間となる。
上記構成の画像形成装置100、100’、100”における画像パターンの濃度の検知結果に基づく画像濃度ムラの補正制御について説明する。この補正制御は、形成する画像の高画質化を図るため、いわゆるパターン画像を形成し、形成されたパターン画像の画像濃度を用いて、ユーザーの指定によって形成する画像の濃度を調整するものである。なお、以下の説明では、画像形成装置100に適用した場合について説明するが、画像形成装置100’、100”についても同様に適用される。
図4は、トナー像検知センサ30の設置状況の一例を示す部分斜視図である。図4は、画像形成装置100における二次転写前の位置P1にトナー像検知センサ30を設置した例を示している。このトナー像検知センサ30は、センサ基板32に4つの濃度検知手段としての光学センサであるセンサヘッド31を搭載した4ヘッドタイプすなわちヘッド4個品のトナー像検知センサ30である。そのため、図4の例は、記録紙20の搬送方向と直交する主走査対応方向言い換えると感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの軸方向にそれぞれのセンサヘッド31を設置している。
この構成であれば主走査対応方向における4箇所のトナー付着量を同時に測定可能であって、各センサヘッド31を各色専用に用いることが可能である。なお、トナー像検知センサ30におけるセンサヘッドの数は4個に限定されるものではなく、たとえば、1〜3個のセンサヘッドを備えたヘッド1〜3個品のトナー像検知センサ30の構成であってもよいし、5個品以上のトナー像検知センサ30の構成であってもよい。
各センサヘッド31は、検知対象物である中間転写ベルト1のベルト表面との間に、検出距離として5mm程度の距離を設けて対向するように配設されている。本実施形態では、トナー像検知センサ30を中間転写ベルト1近傍に設け、中間転写ベルト1上のトナー付着量に基づいて作像条件を決定するとともに中間転写ベルト上のトナー付着位置に基づいて作像タイミングを決定するが、トナー像検知センサ30は感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに対向するように配設されていても構わないし、中間転写ベルト1から画像を転写された記録紙20に対向するように、たとえば図2に示した転写搬送ベルト28aに対向する位置に配設されていても良い。
なお、トナー像検知センサ30を感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに対向するように配設する場合には、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転方向において、現像位置の下流側かつ転写位置の上流側の位置で感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに対向するようにする。
トナー像検知センサ30からの出力は制御部37において付着量変換アルゴリズムによってトナー付着量に変換され、トナー付着量が認識され、制御部37に備えられた不揮発性メモリまたは揮発性メモリに画像濃度として記憶される。この点、制御部37は画像濃度記憶手段として機能する。画像濃度記憶手段として機能する制御部37は、かかる画像濃度を時系列データとして記憶する。付着量変換アルゴリズムについては従来技術と同様であるため省略する。
制御部37に備えられた不揮発性メモリまたは揮発性メモリには、その他、表面電位センサ19Y、19C、19M、19K、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18K等の各センサの出力や補正用データ、制御結果などに関する様々な情報が記憶されている。制御部37は、表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kによって検知された表面電位を記憶する点において、表面電位記憶手段として機能し、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kによって検知された感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転位置を記憶する点において、回転位置記憶手段として機能する。表面電位記憶手段として機能する制御部37は、表面電位を時系列データとして記憶する。
パターン画像は、図5に示すように、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の各色について、画像濃度が高濃度となるシャドウ部、本形態ではベタ画像となるように形成する。パターン画像は、同図に示すように、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の各色について、画像濃度が高濃度となるシャドウ部、本形態ではベタ画像となるように形成する。パターン画像は、高濃度であるほど、画像濃度の変動を検出しやすいためであり、また、高濃度のパターン画像としてベタ画像が典型的であるためである。パターン画像は、本形態ではベタ画像であるが、画像濃度の変動が検出されるのであれば、これよりも濃度の低い画像であっても良い。各色の画像パターンは同一形状である。
パターン画像は、同図の左右方向に対応した副走査方向、すなわち感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転方向に沿った方向に長い帯パターンとなるように形成される。副走査方向におけるパターン画像の長さは、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの少なくとも1周長分とされ、本形態では3周長分としている。
これは、画像形成装置100における画像の濃度の調整が、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kと現像ローラ5Ya、5Ca、5Ma、5Kaとの間隔である現像ギャップの変動及び感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度ムラに基づく画像濃度のムラを抑制するように行われるようにするためである。
この点についてより詳しく説明する。かかる現像ギャップの変動の要因の1つとして、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転振れが挙げられ、この回転振れの要因として、たとえば感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転中心位置の偏心が挙げられる。よって、現像ギャップの変動に基づく画像濃度のムラには、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転周期に応じて発生する成分である回転変動成分が含まれている。そして、この成分を検出するには、副走査方向におけるパターン画像の長さとして、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの少なくとも1周長分の長さを要する。
また、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度ムラを検出するために、後述するように、パターン画像形成時の感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの表面電位を検出する必要がある。この理由によっても、副走査方向におけるパターン画像の長さとして、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの少なくとも1周長分の長さを要する。
同図(a)においては、各色のベタ帯パターンを、同図の上下方向に対応した主走査方向、すなわち副走査方向に直交する方向において、互いに同位置に形成している。この位置は、主走査方向におけるトナー像検知センサ30の検知領域、具体的にはセンサヘッド31の配設位置に一致する。なお、この位置は、同図(a)においては、主走査方向における中央部となっているが、これに限らず、主走査方向における端部であっても良い。
同図(b)においては、各色のベタ帯パターンを、主走査方向において、互いに異なる位置に形成している。この位置はそれぞれ、主走査方向におけるトナー像検知センサ30の検知領域、具体的にはセンサヘッド31の配設位置に一致する。
同図(a)に示したように画像パターンを形成すると、画像パターンの画像濃度を検知するセンサヘッド31の数が1つで済むという利点がある。
同図(b)に示したように画像パターンを形成すると、各色の画像パターンを副走査方向において重複するように形成することで、画像濃度の検知を完了するまでの時間が短くて済むという利点がある。
なお、トナー像検知センサ30は、すでに述べたように、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kのそれぞれに対して設け、感光体ドラム2Y、2M、2C、2K上に形成された画像の濃度を検知するようにしても良く、このようにすれば、中間転写ベルト1の走行変動による影響が回避される。また、トナー像検知センサ30は、すでに述べたように、中間転写ベルト1から画像を転写された記録紙20に対向するように設け、記録紙20上に形成された画像の濃度を検知するようにしても良く、このようにすれば、記録紙20の走行変動による影響が回避される。
画像濃度のムラに含まれる上述した成分を検出するため、パターン画像を形成するときの画像形成条件、具体的には画像を形成するための要素、すなわちたとえば帯電チャージャ3Y、3C、3M、3Kにおける帯電条件、光書込ユニット4Y、4M、4C、4Kにおける露光条件言い換えると書き込み条件、現像ユニット5Y、5M、5C、5Kにおける現像条件、一次転写ローラ6Y、6C、6M、6Kにおける転写条件等の要素は、一定に維持される。
ここでの帯電条件としては帯電バイアスが挙げられ、書き込み条件としては書込光の強度が挙げられ、現像条件としては現像バイアスが挙げられ、転写条件としては転写バイアスが挙げられる。
現像ギャップの変動、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度ムラなどがなければ、画像形成条件を一定に維持してベタ画像を形成すると、その画像濃度は均一となる。しかし、画像形成条件を一定に維持してベタ画像を形成しても、上述のように、実際には、現像ギャップの変動、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度ムラなどによって、画像濃度は変動する。
なお、帯電チャージャ3Y、3C、3M、3K、光書込ユニット4Y、4M、4C、4K、現像ユニット5Y、5M、5C、5K、一次転写ローラ6Y、6C、6M、6K等は、画像パターンを作成するにあたって、現像、帯電、露光等の一連の電子写真式画像形成装置の作像プロセスを担う画像パターン作成手段としてのパターン形成手段(図10参照)として機能する。
この画像濃度の変動は、トナー像検知センサ30によって、副走査方向に長い帯状パターンであるベタ画像の画像濃度を検出することによって検知される。具体的には、トナー像検知センサ30の検知信号は、制御部37に時系列データとして入力され、制御部37において、トナー付着量が時系列で認識され、画像濃度記憶手段としての機能により、時系列の画像濃度として記憶される。
画像濃度記憶手段として機能する制御部37は、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kからの信号に基づき、かかる画像濃度を、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの位相と関連付け、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転周期で平均処理を行うことで、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの位相と関連付けられた画像濃度を取得し、これを記憶する(後述のf(t)に相当)。
すでに述べたように、画像の濃度は、現像ギャップの変動のみならず、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度ムラによっても変動する。露光に対する感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度に、環境変動、経時劣化等の要因によってばらつきが発生する場合、一定の露光量で露光しても、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの露光後の電位である明電位に差が出るため、かかる電界が変動し、濃度変動が生じて、濃度ムラが生じる。なお、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度ムラに関して、感度変化を小さくするために、高精度な製法を用いて感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kを製造するとコストアップとなるため、これは極力避けることが望ましい。
そこで、画像形成装置100においては、かかる感度ムラを、表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kによって、光書込ユニット4Y、4M、4C、4Kにより書き込まれた感光体ドラム2Y、2M、2C、2K上の静電潜像の電位すなわち現像ユニット5Y、5M、5C、5Kによってトナーを付着され現像される前の感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの表面電位を検出することによって検知するようになっている。
具体的には、表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kの検知信号は、制御部37に時系列データとして入力され、制御部37において、表面電位が時系列で認識され、表面電位記憶手段としての機能により、時系列の表面電位として記憶される。
表面電位記憶手段として機能する制御部37は、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kからの信号に基づき、かかる表面電位を、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの位相と関連付け、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転周期で平均処理を行うことで、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの位相と関連付けられた表面電位を取得し、これを記憶する(後述のVout(t)に相当)。
以上述べたように、画像の濃度は、現像ギャップの変動と、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度ムラとに左右される。よって、画像の濃度のムラは、これらの重畳によって形成されると把握することが可能と考えられる。
このことを、以上述べた平均処理を用いた次の実験に沿って説明する。
図6ないし図8に、かかる実験によって取得したデータを示す。
本実験で用いた感光体径はφ100mmであり、プロセス線速を440mm/s、帯電・現像・LDパワーをそれぞれ−700V、−500V、ドットあたり最高発光時間の70%とし、シアン100%の帯状パターンを作像した。この条件で、互いに異なる感光体A、B、Cを対象として濃度ムラを測定した。
図6より、感光体によって濃度ムラの形状が異なることがわかる。
図6に示した濃度ムラ測定のための画像パターンの作像時の電位センサ出力を用いて、同測定によって得られた濃度ムラの形状を、感度ムラ成分と回転振れ成分とに分解したところ、それぞれ図7、図8に示すようになった。
図7は、感光体感度ムラによる濃度ムラを示しており、画像濃度100%の帯状パターン作像時の電位センサ出力から、適当なゲイン(後述の調整ゲイン1:Aに相当)を重畳して感光体周期の濃度ムラトナー付着量センサ出力変動に変換したものである。
図8は、感光体の回転振れによる濃度むらを示しており、図6に示した測定データと図7に示したデータとから算出している(後述のfg(t)に相当)。この成分は、感光体と現像ローラの物理的な位置関係によって決まるため、位相は環境や経時で変動しないことが発明者らの実験により確かめられている。
図8と図6とを比較すると、感光体A、B、Cの全てにおいて、波形がほぼ一致していることがわかる。即ち、感光体回転振れが、濃度ムラの主要因であることがわかる。さらにいえば、図7に示した感光体感度ムラ成分については、濃度ムラの一要因となっているものの、感光体回転振れと比較するとその影響は小さいといえる。
この結果を受け、発明者らは、
1.回転振れによる濃度ムラが支配的、
2.回転振れ成分は環境・経時に不変
という特性を利用して、像担持体の回転周期で発生する濃度ムラを低減する補正技術、すなわち「感光体周期の補正データを、感光体の回転振れ成分から生成する制御方式」の開発に至った。
本制御方式は、着荷時に回転振れ成分を算出しておけば、感光体の状態がその着脱・交換時などにおいて変化しない限り、制御効果を保ち続けるものである。すなわち、かかる着脱時等に感度ムラによる画像濃度への影響を除去する制御テーブルを生成すれば、かかる着脱時等以外は制御テーブルを作成する必要がない。
上述のように、画像を形成するための要素として、帯電条件、露光条件、現像条件、転写条件が挙げられる。本形態においては、現像条件を、かかる制御方式による制御対象である第1の要素とし、これを用いて画像の濃度を調整可能な第1の画像形成手段を現像ユニット5Y、5M、5C、5Kとする。
現像条件は、他の要素に比べて、画像の濃度の調整に対する感度が高いため、第1の要素として選択したものであるが、露光条件も比較的かかる感度が高いため、これを現像条件に代えて、あるいは現像条件とともに、第1の要素としてのパラメータとして選択しても良い。この点、第1の画像形成手段は、現像ユニット5Y、5M、5C、5Kおよび/または光書込ユニット4Y、4M、4C、4Kである。
かかる制御を行うにあたり、制御部37は、表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kによって検出された、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの少なくとも1周長分の表面電位の電位分布と、トナー像検知センサ30によって検出された、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの少なくとも1周長分のパターン画像の濃度ムラとに基づいて、画像の濃度を調整するために、現像条件についての具体的な第1の条件を決定する第1の画像形成条件決定手段として機能する。
第1の画像形成条件決定手段として機能する制御部37は、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転位置が変化し得たときに、トナー像検知センサ30によってパターン画像の濃度ムラを検出し、そのパターン画像を形成するときに表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kによって検出した表面電位の電位分布と、かかる濃度ムラとに基づいて、この濃度ムラに含まれる、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの現像ギャップ変動成分を構成する回転変動成分に起因する画像濃度のムラを抽出し、この抽出したムラを抑制するように、第1の条件を決定する。
表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kによって検出する、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの少なくとも1周長分の表面電位の電位分布は、副走査方向において、トナー像検知センサ30によって検知するパターン画像を形成する領域と一致するようにする。
第1の画像形成条件決定手段として機能する制御部37は、かかるパターン画像を形成するために露光された領域について、かかる電位分布を取得し、これを用いた計算により、第1の条件を決定する。
第1の条件である現像条件は現像バイアスである。なお、現像バイアスでなくても、画像の濃度を調整可能であれば、これを現像条件としても良い。露光条件を第1の要素とする場合の第1の条件は露光強度言い換えると露光パワーとすることが可能である。
現像ユニット5Y、5M、5C、5Kは、画像形成にあたり、このようにして決定された第1の条件に応じて動作する。この動作は、制御部37によって制御される。この点、制御部37は、第1の制御手段として機能する。
ここで、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転位置が変化し得たときとは、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの初期取付時、交換時、着脱時の少なくとも1つである。感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転位置が変化すると、図8に示した波形のような、現像ギャップの変化に起因する濃度ムラの発生パターンが変化することから、これを制御するための制御テーブルであるプロファイル、ここでは現像条件を変化させる必要が生じるためである。
すなわち画像形成条件の決定、言い換えると制御テーブルの作成・更新を、像担持体がセットされた直後である初期セット時、交換時、脱着時等に行うのは、像担持体をメカ的に取り外した場合に、感光体周期での画像濃度ムラの発生状況が変化する可能性が高いからである。また、設置されている感光体ホームポジションセンサ、ここではフォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kとの位置関係がずれてしまうという理由もある。
元々、制御テーブルが作成されていない像担持体初期セット時には、まず一連の補正制御を行う制御テーブルを作成する必要がある。感光体交換時には、今まで使っていた感光体に対して、新しい感光体ではフレ特性や光感度特性ムラの違いがあるため、新しい感光体に応じた制御テーブルを再作成する必要がある。また、メンテナンスの為に、単に感光体を脱着した場合においても、感光体脱着に伴う感光体の取り付け状況変化、たとえば感光体軸と回転軸とのずれ方の変化が生じる可能性があるとともに、感光体のフレ特性及び光感度特性ムラの位置と感光体ホームポジションセンサとの位置関係がずれてしまうため、制御テーブルを再作成する必要がある。このような理由により、像担持体がセットされた直後には画像形成条件の決定、言い換えると制御テーブルの作成・更新を行う必要がある。
ただし、すでに述べたように、画像の濃度は、現像ギャップの変動のみならず、画像形成が一定回数行われたとき、画像形成装置100の使用環境が変化するなどして本体99内の環境条件に変動が生じたとき、などによって生ずる感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度ムラによっても変動する。すなわち、たとえば、露光に対する感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度に、経時劣化、環境変動等の要因によってばらつきが発生する場合、一定の露光量で露光しても、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの露光後の電位である明電位に差が出るため、かかる電界が変動し、濃度変動が生じて、濃度ムラが生じる。
この点、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転位置が変化し得たときよりも後の、画像形成が一定回数行われたとき、画像形成装置100の使用環境が変化するなどして本体99内の環境条件に変動が生じたとき、などのタイミングで表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kによって感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの表面電位を検知するなどして第1の条件を更新すれば、かかる感度ムラの変動による濃度ムラをも抑制可能となる。この表面電位の検知等は、ユーザー指定の画像形成が行われていないときなどの、かかる適宜のタイミングで、すでに述べたのと同様にしてパターン画像を形成し、このときに行うようにすることが可能である。また、ユーザー指定で形成される画像が感光体周期以上の均一の高濃度画像を含むときにこれを利用して第1の条件を更新するようにしても良い。これらのことは、後述する第2の条件についても同様である。
ところで、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度ムラは、画像形成が一定回数行われたとき、画像形成装置100の使用環境が変化するなどして本体99内の環境条件に変動が生じたとき、といった、経時劣化、環境変動等の要因のみならず、すべに述べたように、画像濃度に応じた感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度変化によっても生じる。
つまり、画像濃度の変動によって、トナー付着量についての感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度を決定する電位差の種類が変化することで、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度変化が生ずる。具体的に、トナー付着量が多いベタ画像部などの高濃度部であるシャドウ部においては、明電位と現像バイアスの電位差、すなわち現像ポテンシャルが支配的となり、逆に、シャドウ部よりもトナー付着量の少ない中間調やハイライト部の画像では、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの非露光部の電位である暗電位と現像バイアスの電位差、すなわち地肌ポテンシャルが支配的となる。
現像ポテンシャルが支配的である高濃度の画像のムラについて現像バイアス等の第1の条件を用いてこれを抑制することはすでに述べたとおりである。
地肌ポテンシャルが支配的である中間調やハイライト部の画像のムラについては、第1の条件と異なる条件を用いてこれを制御する必要がある。この条件を第2の条件とすると、画像を形成するための要素のうち、地肌ポテンシャルを制御するには、帯電条件が有効である。
そこで、本形態では、第2の条件として、帯電条件、具体的には帯電バイアスを用いる。なお、帯電バイアスでなくても、画像の濃度を調整可能であれば、これを帯電条件としても良い。
また、帯電条件によって制御される地肌ポテンシャルが支配的な画像濃度領域が中間調やハイライト部であること、および、これに加えて、現像条件等によって制御される画像濃度領域は高濃度領域であって画像パターンが高濃度で形成されるが、これよりも低濃度の領域についても濃度ムラを制御する必要があること、という理由により、第2の条件は、画像パターンよりも低濃度の画像の濃度ムラを補正するように決定される。
なお、画像濃度に応じた感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度変化による感度ムラについての補正を考慮しなければ、第1の条件によって濃度ムラを補正する補正対象の画像濃度と、第2の条件によって濃度ムラを補正する補正対象の画像濃度との関係は、前者の方が低濃度であっても良い。
上述のように、本形態では、第2の条件として、帯電条件、具体的には帯電バイアスを用いる。このように本形態においては、帯電条件を、すでに述べた制御方式による制御対象である第2の要素とし、これを用いて画像の濃度を調整可能な第2の画像形成手段を帯電チャージャ3Y、3C、3M、3Kとする。
かかる制御を行うにあたり、制御部37は、表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kによって検出された、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの少なくとも1周長分の表面電位の電位分布と、トナー像検知センサ30によって検出された、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの少なくとも1周長分のパターン画像の濃度ムラとに基づいて、画像の濃度を調整するために、帯電条件についての具体的な第2の条件を決定する第2の画像形成条件決定手段として機能する。
第2の画像形成条件決定手段として機能する制御部37は、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転位置が変化し得たときに、トナー像検知センサ30によってパターン画像の濃度ムラを検出し、そのパターン画像を形成するときに表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kによって検出した表面電位の電位分布と、かかる濃度ムラとに基づいて、かかる濃度ムラのうち、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転変動成分に起因する画像濃度のムラを抽出し、この抽出したムラを抑制するように、第2の条件を決定する。かかる電位分布と、かかる濃度ムラとに関するデータは、第1の画像形成条件決定手段として機能する制御部37が第1の条件を決定するのに用いるデータと共用されている。
このとき、第2の条件は、第2の画像形成条件決定手段として機能する制御部37により、すでに述べたように、第1の条件によって補正される濃度よりも、低濃度の画像のムラを抑制するように決定される。
そのため、高濃度の画像の濃度ムラについては第1の条件を用いた第1の制御によってこれを制御し、これよりも低濃度の中間調やハイライト部の画像の濃度ムラについては第2の条件を用いた第2の制御を用いてこれを制御することとなる。このように、第2の条件は、現像ポテンシャルを変化させる第1の条件とともに用いられるものである。
そうすると、第1の条件によって地肌ポテンシャルが変化することとなり、第2の条件も変化させることを要することとなる。第1の条件は、高濃度の画像に対して支配的であるが、第2の条件にも影響を与える。第1の条件と第2の条件とは、互いに影響を与え得る。
濃度ムラは、より高濃度の画像において認識され易いため、第1の条件と第2の条件とでは、第1の条件を先に決定し、第2の条件を、第1の条件による影響に配慮した上で、この影響をキャンセルするように決定することが望ましい。
第1の制御による中間調やハイライト部の画像への影響は、第1の制御による中間調やハイライト部の画像の濃度ムラへの影響を示すパラメータがわかっていれば、理論上簡単に推測することが可能であり、かかるパラメータは、すでに述べた事項から明らかなように、第1の条件、ここでは現像バイアスである。このパラメータによる、中間調やハイライト部の画像への影響量、およびこれに対応して調整すべき第2の条件の調整量も、実測に基づいたチューニング(後述の各調整ゲインに相当)を用いた計算(後述の式3に相当)によって求めることが可能である。
このように、第2の画像形成条件決定手段として機能する制御部37は、上述した濃度ムラ、電位分布に加え、第1の条件による画像濃度への影響にも基づいて、画像の濃度、より具体的は第1の条件によって補正される濃度よりも低濃度の画像濃度を調整するために、第2の条件を決定する。
すなわち、第2の画像形成条件決定手段として機能する制御部37は、上述した濃度ムラと、電位分布と、第1の条件による画像濃度への影響とに基づいて、パターン画像よりも低濃度の画像の濃度を調整するために、第1の条件による、パターン画像よりも低濃度の画像への影響をキャンセルするように、第2の条件を決定する。
帯電チャージャ3Y、3C、3M、3Kは、画像形成にあたり、このようにして決定された第2の条件に応じて動作する。この動作は、制御部37によって制御される。この点、制御部37は、第2の制御手段として機能する。
したがって、第1の条件および第2の条件の決定後の画像形成は、第1、第2の制御手段として機能する制御部37が、上述のように決定された第1の条件に応じて現像ユニット5Y、5M、5C、5Kを動作させるとともに、第2の条件に応じて帯電チャージャ3Y、3C、3M、3Kを動作させることによって行われる。
図9に、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kによって検出される回転位置検出信号、トナー像検知センサ30によるトナー付着量検知信号、これらの信号を元に作成される画像形成条件である制御テーブルの関係の例を示す。同図は、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの2周分の信号を示している。
なお、第1の条件と第2の条件とを重畳したものは、同図において、決定した画像形成条件として示されている。
また、パターン画像の濃度ムラは、同図において、トナー付着量検知信号として示されている。
同図に示されているように、トナー付着量検知信号は回転位置検出信号の周期と同じ周期で変動している。これに合わせて、第1の画像形成条件決定手段として機能する制御部37による第1の条件の算出、決定と、第2の画像形成条件決定手段として機能する制御部37による第2の条件の算出、決定と、第1の条件に応じた現像ユニット5Y、5M、5C、5Kの動作と、第2の条件に応じた帯電チャージャ3Y、3C、3M、3Kの動作とは、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kによって検出された感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転位置に同期させて行われる。
同図からわかるように、第1の条件と第2の条件とを重畳した画像形成条件は、濃度ムラをキャンセル、言い換えると相殺する波形となる時系列データとして作成される。そのため、画像形成条件である制御テーブルはトナー付着量検知信号と逆位相になるように決定されている。
ここで、第1の条件として用いられ得る画像濃度制御パラメータである現像バイアスや露光パワー、第2の条件として用いられる画像濃度制御パラメータである帯電バイアスは、符号がマイナスである場合や、その絶対値が大きくなると付着量が減る場合があるため、“逆位相”と表現するのが適切でない場合があるが、トナー付着量検知信号が示す付着量変動を打ち消す方向の制御テーブルを作る、つまり逆位相の付着量変動を作り出す制御テーブルを作るという意味で、ここでは“逆位相”と表現している。
この制御テーブルを決定する際のゲイン、すなわちトナー付着量検知信号の変動量[V]に対して制御テーブルの変動量を何[V]にするか、について(後述の各調整ゲインに相当)は、原理的には理論値から求められるが、実機搭載に際しては、理論値を元に実機検証して、最終的には実験データから決定することになる可能性が高いと想定される。
このようにして決められたゲインで決定された制御テーブル(たとえば後述のVB(t)、Vg(t)に相当)が、回転位置検出信号との間に、たとえば図9に示すタイミング関係を持っている。同図に示されている例では、制御テーブルの先頭は回転位置検出信号発生時点とされている。
ここで、この制御テーブルが現像バイアス制御テーブルであるとすると、現像ニップ−トナー像検知センサ30間の距離すなわちトナー像の移動距離を考慮して制御テーブル適用のタイミングを決める必要がある。かかる距離が、感光体周長のちょうど整数倍である場合、回転位置検出信号のタイミングに合わせて、制御テーブルを先頭から適用すれば良い。かかる距離が感光体周長の整数倍からずれている場合は、ずれの距離分だけタイミングをずらして制御テーブルを適用すれば良い。同様に、露光パワーの制御テーブルであれば露光位置−トナー像検知センサ30間距離を考慮して制御テーブルを適用することになる。同様に、帯電バイアスの制御テーブルであれば帯電位置−トナー像検知センサ30間距離を考慮して制御テーブルを適用することになる。
第1の条件、第2の条件の決定を行うための画像パターンの形成は、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kによって検出された感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転位置に基づいて行われる。同図に示されている例では、副走査方向における画像パターンの先頭位置が回転位置検出信号の立ち上がりタイミングと同期するように、画像パターンの形成が行われるようになっている。
このタイミングでの画像パターンの形成を可能とするため、図10に示すように、制御部37に、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kによって検出された感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転位置に関する検出信号が入力され、この検出信号は、制御部37を介して、パターン形成手段に送信され、パターン形成手段は、入力された検出信号に基づいて画像パターンを形成する。
また、同図に示されているように、制御部37に、トナー像検知センサ30によって検出されたパターン画像の濃度に関する検出信号が入力される。これらの検出信号の入力により、トナー像検知センサ30で検出した濃度ムラ情報と、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kで検出した感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転位置との関係は、たとえば図11に示すようにして得られる。
なお、制御部37のCPUにおいては、トナー像検知センサ30によって取得した画像パターンの演算、具体的には、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kの信号に基づいた、上述の平均処理等が実施される。
同図に示されているように、本形態では、図9に示した各タイミングの関係が得られるように、画像パターンの先頭部分にフォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kの信号が来るように、パターン形成手段のパターン書込み位置を決めている。
具体的には、トナー像検知センサ30とフォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kとの位相関係をあらかじめ求めておき、トナー像検知センサ30で検知した場合に画像パターンの先頭部分が来るように、パターン作成部の露光開始位置を変更している。本実施例では、パターン先頭に合わせて、光書込ユニット4Y、4M、4C、4Kによる露光開始位置を決める構成としているが、パターン先頭部分は付着量が不安定であるため、先頭から、トナー付着量が安定する程度に短い所定距離にフォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kの検出信号が来るように、光書込ユニット4Y、4M、4C、4Kによる露光開始位置を決めても構わない。
このような、画像パターンの、副走査方向に沿った方向における先端位置の決定にあたっては、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kによって検出された感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転位置と、光書込ユニット4Y、4M、4C、4Kによって書き込まれた感光体ドラム2Y、2M、2C、2K上の静電潜像形成位置すなわち露光位置である書込位置からトナー像検知センサ30の検知位置までのレイアウト距離と、このレイアウト距離におけるプロセス線速とに関するデータが必要である。
これらのデータは、制御部37に備えられた不揮発性メモリまたは揮発性メモリに記憶されており、これらのデータに応じて、画像パターンの、副走査方向に沿った方向における先端位置が決定される。
ここで、かかるレイアウト距離は、光書込ユニット4Y、4M、4C、4Kによって書き込まれた感光体ドラム2Y、2M、2C、2K上の書込位置と、トナー像検知センサ30による画像パターンの検知位置との間の区間の、副走査方向に沿った方向における距離を意味する。
また、かかるレイアウト距離におけるプロセス線速は、かかる区間に含まれる回転体である感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの、副走査方向に沿った方向における移動速度である。
画像パターンの、副走査方向に沿った方向における後端位置も、上述のように決定される先端位置と同様にして決定しても良い。また、かかる先端位置が任意に決定される場合であっても、かかる後端位置を上述のデータに応じて決定しても良い。
このような、かかる先端位置および/または後端位置の、上述のデータに応じた決定は、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kによる感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転位置の検出からの経過時間に基づいて行っても良い。この場合にも、かかる先端位置および/または後端位置の決定は、実質的に上述のデータに応じて行われることとなる。またこの場合、パターン画像の書き出しは任意に行い、露光終了位置を感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの周長の整数倍となるように決定しても良い。
かかる経過時間は、たとえば制御部37のCPUによって計測することが可能である。この計測を行うとき、制御部37は、かかる経過時間を計測する経過時間計測手段として機能する。
このようにして、図9に示した各タイミングの関係が得られ、パターン画像の形成が、フォトインタラプタ18Y、18C、18M、18Kによって検出された感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの回転位置に同期させて行われることとなる。
そのため、レイアウト距離が各色で互いに異なることから、パターン画像の形成位置が各色の作像ステーションごとに副走査方向で異なるように調整されることとなり得る。よって、図5(b)に示したように、副走査方向における各色のパターン画像の形成位置は、互いに異なり得る。
このようなタイミング制御によって、画像パターンの副走査方向における長さを、感光体周長の整数倍か、これに加えて、たとえばトナー濃度が安定する程度の若干の余裕を見込んだ長さに精度よく設定することが可能となり、感光体回転周期に対応した第1の条件、第2の条件を決定するのに必要且つ十分な長さとすることが可能となる。これにより、画像パターンの副走査方向における長さに、たとえば感光体周長に一致するほどの大きな余裕を持たせることが不要となって、トナーイールドや制御時間が低減される。
第1の画像形成条件決定手段として機能する制御部37による第1の条件の決定は、具体的には、次のように行われる。
まず、次式1に示すように画像パターンの感光体周期濃度むらデータと、感光体周期明部電位データから、感光体表面の回転振れによる濃度むら成分fg(t)を抽出する。
fg(t)=f(t)−A*Vout(t)・・・(式1)
ここで、
fg(t):感光体表面の回転振れによる濃度むら成分
f(t):画像パターンの感光体周期濃度むらデータ(トナー像検知センサ30の出力に基づいて作成)
A:調整ゲイン1
Vout(t):画像パターン部明部電位(表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kの出力に基づいて作成)
である。
次に、次式2によって、第1の条件VB(t)を算出する。
VB(t)=B*fg(t)・・・(式2)
ここで、
VB(t):第1の条件
fg(t):感光体表面の回転振れによる濃度むら成分
B:調整ゲイン2
である。
第2の画像形成条件決定手段として機能する制御部37による第2の条件の決定は、具体的には、次のように行われる。
すなわち、次式3に示すように、式1によって画像パターンの感光体周期濃度むらデータと、感光体周期明部電位データとから抽出された、感光体表面の回転振れによる濃度むら成分fg(t)を用いて、第2の条件Vg(t)を算出する。
Vg(t)=C*fg(t)・・・(式3)
ここで、
Vg(t):第2の条件
fg(t):感光体表面の回転振れによる濃度むら成分
C:調整ゲイン3
である。
このようにして、第1の条件と第2の条件とが算出され、感光体の回転振れ成分のみの制御テーブルが形成される。ただし、第1の条件と第2の条件とでは、画像濃度に応じた感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの感度変化に応じた濃度ムラに対応した補正量が異なっている。
各種調整ゲインは、実際の波形に合わせてチューニングする。
各種調整ゲインは、画像形成装置100の使用環境、例えば温度や湿度等の影響を受ける場合には、かかる使用環境に対応したテーブルを構成するように予め準備され、制御部37に備えられた不揮発性メモリおよび揮発性メモリに記憶され、画像形成装置100の使用環境に応じて読み出されて使用されるようにしても良い。
なお、各式から分かるように、トナー像検知センサ30の出力と、表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kの出力とは、第1の条件の決定、第2の条件の決定の何れにも用いられる。第2の条件の決定に第1の条件が影響することから、第2の条件の決定に用いられる調整ゲインは、第1の条件の決定に用いられる調整ゲインの影響を受ける。
このように、第2の条件の制御対象である画像濃度についての画像パターンを形成することなく、第1の条件を決定するのに用いられるデータを利用した計算によって第2の条件が得られるため、トナーイールドや制御時間が低減される。
以上述べた制御の概略をフローチャートにまとめると、図12ないし図14に示すようになる。
図12について説明すると、まず、画像パターンを色毎に形成し、検知する(S11)。このとき、画像パターンの明部電位も同時に検知する。つぎに、濃度ムラの感光体周期成分検出と、明部電位の感光体周期成分とに基づき、感光体の回転振れによる濃度ムラを算出し、算出された濃度ムラに基づいて、第1の条件である第1の画像形成条件算出(画像形成条件のうちの現像条件および/または露光条件の制御テーブル作成)を行う(S12)。そして、第1の制御手段として機能する制御部37により、作成した制御テーブルが使われるようにセットして第1の条件の制御に反映する(S13)。
次いで、濃度ムラの感光体周期成分と、明部電位の感光体周期成分と、第2の条件の制御対象の濃度への第1の条件による影響とに基づき、第2の条件である第2の画像形成条件算出(画像形成条件のうちの帯電条件の制御テーブル作成)を行う(S14)。そして、第2の制御手段として機能する制御部37により、作成した制御テーブルが使われるようにセットして第2の条件の制御に反映する(S15)。
すでに述べたように、画像パターンはベタ画像であり、第1の条件は現像ユニット5Y、5M、5C、5Kにおける現像条件である現像バイアスおよび/または光書込ユニット4Y、4M、4C、4Kにおける露光条件である露光パワーであり、第2の条件は帯電チャージャ3Y、3C、3M、3Kにおける帯電条件である帯電バイアスであるから、これらを図12に示したフローチャートに適用すると、図13に示すようになる。
すなわち、まず、高濃度の単一濃度画像パターンであるベタ画像パターンを色毎に形成し、検知する(S21)。このとき、ベタ画像パターンの明部電位も同時に検知する。つぎに、ベタ画像濃度ムラの感光体周期成分検出と、明部電位の感光体周期成分とに基づき、感光体の回転振れによる濃度ムラを算出し、算出された濃度ムラに基づいて、現像バイアス条件算出(現像ユニット5Y、5M、5C、5Kの制御テーブル作成)および/または露光パワー条件算出(光書込ユニット4Y、4M、4C、4Kの制御テーブル作成)を行う(S22)。そして、第1の制御手段として機能する制御部37による現像ユニット5Y、5M、5C、5Kおよび/または光書込ユニット4Y、4M、4C、4Kの制御に反映する(S23)。
次いで、ベタ画像濃度ムラの感光体周期成分と、明部電位の感光体周期成分と、第2の条件の制御対象の濃度への第1の条件による影響とに基づき、帯電バイアス条件算出(帯電チャージャ3Y、3C、3M、3Kの制御テーブル作成)を行う(S24)。そして、第2の制御手段として機能する制御部37による帯電チャージャ3Y、3C、3M、3Kの制御に反映する(S25)。
なお、同様の適用を、図14にフローチャートを示して後述するに制御ついて行っても良い。
図12、図13に示した制御によれば、第2の画像形成条件が、第1の制御手段として機能する制御部37によって現像ユニット5Y、5M、5C、5Kおよび/または光書込ユニット4Y、4M、4C、4Kが第1の画像形成条件に応じて制御された場合の影響をキャンセルするように決定されるため、第1の条件を算出して適用する第1の系統と、第2の条件を算出して適用する第2の系統とは、この順番で、シリアルの関係となる。
このような処理方式とすることにより、第1の制御手段として機能する制御部37による制御が、第2の条件に及ぼす影響を検知して、第2の制御手段として機能する制御部37による制御に反映される。
理論的には、画像形成条件(制御テーブル)を算出する際のゲインが適切に決定されていれば、図14に沿って後述する制御フローのように第1の系統と第2の系統とをパラレルで行う補正制御を行っても、第1の条件と第2の条件とが適正に設定される。
しかし、実機には個体差があるため、予め決めたゲインが各機で最適になるとは限らず、第1の制御手段として機能する制御部37による制御が第2の条件による制御対象の濃度の画像の濃度ムラを増加させてしまう可能性も考えられる。すなわち、第1の系統と第2の系統とをパラレルで行って決定したパラメータである第1の条件、第2の条件を用い、制御テーブルに従って感光体周期で変動させると、現像ポテンシャルが周期的に変動して地肌ポテンシャルとの比率が変動してしまうため、中間調濃度部には逆に濃度ムラが生じてしまうことになる。
これに対し、図12、図13に示した制御フローであれば、第1の条件を決定してから、第1の条件による影響によって生じる中間調濃度ムラを想定して、これをキャンセルするようにして、中間調濃度制御に有効な、地肌ポテンシャルを変動させる帯電バイアスの制御テーブルを作成する。そのため、第2の画像形成条件(制御テーブル)が、第1の条件に起因して中間調の画像に発生する濃度ムラを軽減するように決められ、中間調濃度部に発生する濃度ムラが軽減される利点がある。
図14に、第1の条件を算出して適用する第1の系統と、第2の条件を算出して適用する第2の系統とを、図12、図13に示したようなシリアルで行うのではなく、パラレルに行う制御の例を示す。
図14に示す例では、すでに述べた制御と同様に、画像パターンを色毎に形成して検知するとともに画像パターンの明部電位を検知する(S31)。しかし、濃度ムラの感光体周期成分検出、画像形成条件算出(画像形成条件の制御テーブル作成)、制御手段への反映(作成した制御テーブルが使われる様にセット)を、画像パターン及び明部電位の検知後に、第1の系統、第2の系統で独立に並行して行う並列処理を行う。
具体的には、画像パターンについての、濃度ムラの感光体周期成分検出と、明部電位の感光体周期成分とに基づき、感光体の回転振れによる濃度ムラを算出し、算出された濃度ムラに基づいて、第1の条件である第1の画像形成条件算出(画像形成条件のうちの現像条件および/または露光条件の制御テーブル作成)を行い(S32)、第1の制御手段として機能する制御部37により、作成した制御テーブルが使われるようにセットして第1の条件の制御に反映する(S33)処理と、濃度ムラの感光体周期成分検出と、明部電位の感光体周期成分と、第2の条件の制御対象の濃度への第1の条件による影響とに基づき、第2の条件である第2の画像形成条件算出(画像形成条件のうちの帯電条件の制御テーブル作成)を行い(S34)、第2の制御手段として機能する制御部37により、作成した制御テーブルが使われるようにセットして第2の条件の制御に反映する(S35)処理とを、並列して行う。なお、濃度ムラの感光体周期成分検出はステップS31で行うようにしても良い。
図14に示した制御においても、第2の条件の制御対象である画像濃度についての画像パターンを形成することなく、第1の条件を決定するのに用いられるデータを利用した計算によって第2の条件が得られるため、トナーイールドや制御時間が低減される。
また、図14に示した制御においても、上述したように、ゲインが適切であれば、図12、図13に示した制御フローと同程度の制御効果を得ることが可能である。
以上説明した処理は、複数回繰り返しても良い。すなわち、決定された第1の条件、第2の条件に応じて現像ユニット5Y、5M、5C、5K、帯電チャージャ3Y、3C、3M、3Kを動作させるなどして画像形成を行い、トナー像検知センサ30によって濃度が検出される画像として画像パターンを形成し、この濃度をトナー像検知センサ30によって検出し、改めて第1の条件、第2の条件を決定し、この第1の条件、第2の条件に応じてユーザー指定の画像形成を行うようにしても良い。
本制御を実機に搭載する場合、過補正を防ぐために制御テーブル作成時のゲインを弱めに設定しておく可能性があるため、一度の補正制御で画像濃度ムラを除去し切れない場合が生じ得る。よって、一連の補正制御を繰り返すことによって濃度ムラを更に軽減することが可能である。繰り返しは1回でも複数回でも良いが、画像パターンを繰り返して描くと、制御時間、トナーイールドの面で不利となってしまう。よって、一度の補正で制御効果が現れるゲイン設定とし、補正制御を複数回繰り返すことなく終了する方が好ましい。
制御部37は、不揮発性メモリおよび/または揮発性メモリに、以上述べた、トナーを感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに付着させることによって形成される画像の濃度を検出するトナー像検知センサ30と、トナーを付着される状態の感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの表面電位を検出する表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kと、画像を形成するための現像条件を用いて画像の濃度を調整可能な現像ユニット5Y、5M、5C、5Kと、画像を形成するための帯電条件を用いて画像の濃度を調整可能な帯電チャージャ3Y、3C、3M、3Kと、を用い、トナー像検知センサ30によって検出された、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの少なくとも1周長分の画像の濃度ムラと、表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kによって検出された、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの少なくとも1周長分の表面電位の電位分布とに基づいて、画像の濃度を調整するために第1の画像形成条件決定手段として機能する制御部37によって決定された、現像条件についての第1の条件に応じて現像ユニット5Y、5M、5C、5Kを動作させるとともに、トナー像検知センサ30によって検出された、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの少なくとも1周長分の画像の濃度ムラと、表面電位センサ19Y、19C、19M、19Kによって検出された、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの少なくとも1周長分の表面電位の電位分布と、第1の条件による画像濃度への影響とに基づいて、画像の濃度を調整するために第2の画像形成条件決定手段として機能する制御部37によって決定された、帯電条件についての第2の条件に応じて帯電チャージャ3Y、3C、3M、3Kを動作させて画像形成を行う画像形成方法である画像濃度制御方法を実行するための画像濃度制御プログラムとしての画像形成プログラムを記憶している。この点、制御部37ないし不揮発性メモリおよび/または揮発性メモリは、画像形成プログラム記憶手段として機能している。かかる画像形成プログラムは、制御部37に備えられた不揮発性メモリおよび/または揮発性メモリのみならず、半導体媒体(たとえば、RAM、不揮発性メモリ等)、光媒体(たとえば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(たとえば、ハードディスク、磁気テープ、フレキシブルディスク等)その他の記憶媒体に記憶可能であり、かかるメモリ、他の記憶媒体は、かかる画像形成プログラムを記憶した場合に、かかる画像形成プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体を構成する。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、本発明を適用する画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことが可能なカラーデジタル複合機、その他、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタの単体、あるいは複写機とプリンタとの複合機等他の組み合わせの複合機であっても良い。近年では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなど、カラー画像を形成可能な画像形成装置が多くなってきているが、本発明を適用する画像形成装置は、モノカラー画像のみを形成可能なものであっても良い。
かかる画像形成装置は、一般にコピー等に用いられる普通紙のみならず、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをも記録シートであるシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能であることが望ましい。かかる画像形成装置は、記録媒体としての記録体である記録紙たる転写紙の片面に画像形成可能な画像形成装置であっても良い。このような画像形成装置に用いる現像剤は、2成分現像剤に限らず、一成分現像剤であっても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。