以下、本発明の一実施形態を図を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る画像形成装置の概略図を、図2はかかる画像形成装置に備えられた画像形成部等の概略構成図を示している。
図1に示すように、画像形成装置10は、記録媒体としての記録紙12に画像を形成する、4つのプロセスユニット36Y、36C、36M、36Kを有する画像形成部14と、画像形成部14に記録紙を供給する給紙装置16と、原稿画像を読み取るスキャナ18と、スキャナ18に原稿を自動給紙する原稿自動搬送装置20とを備えている。
画像形成装置10はまた、本体22内に、転写体たる無端状の中間転写ベルト24を備えた転写手段たる転写ユニット26と、画像形成部14の上方に位置する露光手段としての光書込ユニット38とを備えている。
画像形成装置10はまた、記録紙12を搬送するとともに、中間転写ベルト24に担持されているトナー像を、中間転写ベルト24とのニップ部である二次転写位置Nにおいてその記録紙12に転写する2次転写手段である転写搬送ベルトとしての搬送ベルト46と、給紙装置16から供給された記録紙12を所定のタイミングで二次転写位置Nに送り出すレジストローラ対44とを備えている。
画像形成装置10はまた、二次転写位置Nを通過してトナー像を担持した、搬送ベルト46によって搬送されてきた記録紙12にそのトナー像を定着する定着ユニット48と、定着ユニット48を通過してトナー像を定着された記録紙12を本体22の外部に排出する排紙ローラ対50とを備えている。
画像形成装置10はまた、中間転写ベルト24上のトナーの付着量を検知して画像の濃度ムラを検出するために中間転写ベルト24上の画像であるトナー像の濃度を検出する画像濃度検出手段としての濃度むら検出手段であるトナー付着量検知センサ52と、図示しないCPU並びに不揮発性メモリおよび揮発性メモリを搭載した制御手段としての制御部37とを有している。
図2に示すように、プロセスユニット36Y、36C、36M、36Kはそれぞれ、図中反時計方向に回転する像担持体たるドラム状の感光体40Y、40C、40M、40Kと、感光体40Y、40C、40M、40Kの周囲にその回転方向に沿って設けられた、帯電装置43Y、43C、43M、43Kと、感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置言い換えると位相を検出する回転位置検出手段としての像担持体回転位置検出手段であるフォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kと、感光体40Y、40C、40M、40Kの表面電位を検出する電位検出手段としての表面電位センサ56Y、56C、56M、56Kと、現像手段としての現像装置42Y、42C、42M、42Kと、転写ユニット26に備えられた1次転写手段としての1次転写ローラ34Y、34C、34M、34Kとを有しており、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の各色のトナー像を形成する。
現像装置42Y、42C、42M、42Kは、使用するトナーの色が異なるものの、その構成は互いに同様である。そこで、現像装置42Y、42C、42M、42Kを、図3に、現像装置42として図示し、同図に沿ってその構成を説明する。同図においては、感光体40Y、40C、40M、40Kを符号40で示している。
同図は現像装置42の概略図である。
現像装置42は、一本の現像剤担持体としての現像ローラ54と、現像剤撹拌手段としての撹拌スクリュ60、供給スクリュ62、回収スクリュ64である三本のスクリュと、現像ローラ54上の現像剤の高さを規制する図示しないドクタブレードと、これらを内蔵するとともに磁性キャリアと磁性又は非磁性のトナーを含む粉体状の二成分系の現像剤66を収容した現像容器58と、攪拌スクリュ60上部において現像容器58に形成された図示しない開口部より現像容器58内にトナーを補給する図示しないトナー補給部とを有している。
現像ローラ54は感光体40とある一定の距離である現像ギャップgをとって対向配置されている。撹拌スクリュ60、供給スクリュ62、回収スクリュ64は現像ローラ54に対して平行に設けられている。
撹拌スクリュ60は、現像剤66を撹拌しながら図手前方向の端部まで移動し、現像容器58に設けられた図示しない開口部を通して供給スクリュ62へ搬送する。この現像剤66は供給スクリュ62により撹拌搬送されながら現像ローラ54へ供給される。
現像ローラ54に供給された現像剤66は、ドクタブレードによってその高さ言い換えると層厚みを規制され、感光体40に対向する現像ニップで感光体40に接触し、潜像部分にトナーを付着させ、現像を行い、感光体40上に画像を形成する。この現像剤66中のトナー濃度が低下すると、トナー補給部からトナーが現像容器58内に補給され、撹拌スクリュ60によって撹拌される。
なお、本実施形態では一本の現像ローラ54が感光体40と同方向に回転する順方向一段現像方式を用いているが、現像装置42は、この方式に限らず、現像ローラ54が複数配置される多段現像装置でもよい。また、現像剤66に二成分系現像剤を用いているが、これに限らず一成分形現像剤であっても良い。
図2に示したフォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kは、たとえば特許文献3の図4に開示される構成を採用可能である。本実施形態においては、感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置を検出する手段として、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kを用いて検出しているが、かかる手段は、ロータリエンコーダなど、回転位置を検出するものであればこの構成に限らない。
表面電位センサ56Y、56C、56M、56Kは、光書込みユニット38により書き込まれた感光体40Y、40C、40M、40K上の静電潜像の電位すなわち現像装置42Y、42C、42M、42Kによってトナーを付着され現像される前の感光体40Y、40C、40M、40Kの表面電位を検出する。
検出された表面電位は、後述するように、現像装置42Y、42C、42M、42Kの現像バイアスの制御に用いられるほか、帯電装置43Y、43C、43M、43Kの帯電バイアス、光書込ユニット38のレーザーパワーなどのプロセス条件にフィードバックされ、画像濃度の安定性を保つのに用いられ得る。
転写ユニット26は、中間転写ベルト24を支持した複数の支持ローラとして、図示しない駆動手段によって回転駆動される駆動ローラ28、2次転写バックアップローラ30、従動ローラ32を有しているほか、プロセスユニット36Y、36C、36M、36Kのそれぞれに備えられた1次転写ローラ34Y、34C、34M、34Kも中間転写ベルト24を掛け回した支持ローラとして有している。
中間転写ベルト24は、伸びの少ないポリイミド樹脂に、電気抵抗を調整するためのカーボン粉末を分散せしめた材料からなっている。中間転写ベルト24は、駆動ローラ28の回転によって、図中時計方向に無端移動せしめられる。
光書込ユニット38は、画像情報に基づいて、図示しないレーザー制御部によって4つの図示しない半導体レーザーを駆動し、帯電装置43Y、43C、43M、43Kにより暗中にて一様に帯電された感光体40Y、40C、40M、40Kのそれぞれを照射する4つの書込光を出射する。光書込ユニット38は、この書込光により、感光体40Y、40C、40M、40Kのそれぞれを暗中にて走査して、感光体40Y、40C、40M、40Kの表面にY、C、M、K用の静電潜像を書き込む。このように、光書込ユニット38は、感光体40Y、40C、40M、40Kに露光を行って静電潜像を書き込む書込手段である光書込手段として機能する。
本実施形態では光書込ユニット38として、図示しない半導体レーザーから出射したレーザー光を図示しないポリゴンミラーによって偏向せしめながら、図示しない反射ミラーで反射させたり光学レンズに通したりすることで光走査を行うものを用いている。光書込ユニット38は、かかる構成のものに代えて、LEDアレイによって光走査を行うものを用いてもよい。
給紙装置16は、図1において符号16aで示されている給紙トレイ1と、符号16bで示されている給紙トレイ2とを有している。
画像形成装置10における記録紙12の搬送経路を図1に一点鎖線で示している。
トナー付着量検知センサ52は、中間転写ベルト24の回転方向における二次転写位置Nの手前側に配置されている。トナー付着量検知センサ52は、中間転写ベルト24上のトナー像を検知するトナー像検知センサとして機能する。
図4に、トナー付着量検知センサ52の概略図を示す。
図4(a)は、トナー付着量検知センサ52としての黒トナー付着量検知センサ52Aの構成を、図4(b)は、トナー付着量検知センサ52としてのカラートナー付着量検知センサ52Bの構成を示している。黒トナー付着量検知センサ52Aは、実質的に、中間転写ベルト24上のトナー像の位置を検知する位置ずれ検知センサとして機能し、カラートナー付着量検知センサ52Bが、中間転写ベルト24上のトナー付着量を検出して画像の濃度を検出するトナー付着量検知センサとして機能する。
図4(a)に示すように、黒トナー付着量検知センサ52Aは、発光ダイオード(LED)等からなる発光素子52A−1と、正反射光を受光する受光素子52A−2とを有している。発光素子52A−1は中間転写ベルト24上に光を照射し、この照射光は中間転写ベルト24またはトナー像表面によって反射される。受光素子52A−2は、この反射光のうちの正反射光を受光する。
図4(b)に示すように、カラートナー付着量検知センサ52Bは、発光ダイオード(LED)等からなる発光素子52B−1と、正反射光を受光する受光素子52B−2と、拡散反射光を受光する受光素子52B−3とを有している。発光素子52B−1は、黒トナー付着量検知センサ52Aの場合と同様、中間転写ベルト24上に光を照射し、この照射光は、中間転写ベルト24表面またはトナー像表面によって反射される。
正反射受光素子52B−2は、この反射光のうちの正反射光を受光し、拡散反射光受光素子52B−3は、反射光のうち拡散反射光を受光する。本実施形態では、発光素子52B−1として、発光される光のピーク波長が950nmであるGaAs赤外発光ダイオードを用いており、受光素子52B−2、52B−3としては、ピーク受光感度が800nmであるSiフォトトランジスタなどを用いているが、ピーク波長およびピーク受光感度がこれと異なるものでも構わない。
また、黒トナー付着量検知センサ52A及びカラートナー付着量検知センサ52Bは、検知対象物である中間転写ベルト24のベルト表面との間に、検出距離として5mm程度の距離を設けて対向するように配設されている。本実施形態では、トナー付着量検知センサ52を中間転写ベルト24近傍に設け、中間転写ベルト24上のトナー付着量に基づいて作像条件を決定するとともに中間転写ベルト24上のトナー付着位置に基づいて作像タイミングを決定するが、トナー付着量検知センサ52は感光体40Y、40C、40M、40Kに対向するように配設されていても構わないし、搬送ベルト46等に対向するように配設して中間転写ベルト24から画像を転写された記録紙12に対向するように配設されていても良い。
なお、トナー付着量検知センサ52を感光体40Y、40C、40M、40Kに対向するように配設する場合には、感光体40Y、40C、40M、40Kの回転方向において、現像位置の下流側かつ転写位置の上流側の位置で感光体40Y、40C、40M、40Kに対向するようにする。
トナー付着量検知センサ52からの出力は制御部37において付着量変換アルゴリズムによってトナー付着量に変換され、トナー付着量が認識され、制御部37に備えられた不揮発性メモリまたは揮発性メモリに画像濃度として記憶される。この点、制御部37は画像濃度記憶手段として機能する。画像濃度記憶手段として機能する制御部37は、かかる画像濃度を時系列データとして記憶する。付着量変換アルゴリズムについては従来技術と同様であるため省略する。
制御部37に備えられた不揮発性メモリまたは揮発性メモリには、その他、表面電位センサ56Y、56C、56M、56K、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35K等の各センサの出力や補正用データ、制御結果などに関する様々な情報が記憶されている。制御部37は、表面電位センサ56Y、56C、56M、56Kによって検知された表面電位を記憶する点において、表面電位記憶手段として機能し、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kによって検知された感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置を記憶する点において、回転位置記憶手段として機能する。表面電位記憶手段として機能する制御部37は、表面電位を時系列データとして記憶する。
以上のような構成の画像形成装置10において、帯電装置43Y、43C、43M、43Kによる帯電後に感光体40Y、40M、40C、40K上に書き込まれた静電潜像は、現像装置42Y、42C、42M、42K内に存在する現像剤中のトナーが静電的付着力によって感光体40Y、40M、40C、40K上に付着することで現像される。
その後、1次転写ローラ34Y、34C、34M、34Kにより、感光体40Y、40M、40C、40K上から中間転写ベルト24上に順次トナー像が重ね合わせられ、これによって形成された画像は、中間転写ベルト24の移動に伴って搬送され、トナー付着量検知センサ52による検知位置を通過して、二次転写位置Nに至る。
記録紙12は、レジストローラ対44によって所定のタイミングで二次転写位置Nへ送られ、中間転写ベルト24上で重ね合された各色成分画像すなわち4色成分のトナー像が一括して転写されながら、搬送ベルト46によって搬送される。その後、記録紙12は、定着ユニット48を通過し、トナー画像が定着されてカラー印刷画像となり、排紙ローラ対50により機外へと排出される。
このような画像形成装置10において、高画質化を図るため、いわゆるパターン画像を形成し、形成されたパターン画像の画像濃度を用いて、ユーザーの指定によって形成する画像の濃度を調整するようになっている。
パターン画像は、図5に示すように、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の各色について、画像濃度が高濃度となるシャドウ部、本形態ではベタ画像となるように形成する。パターン画像は、高濃度であるほど、画像濃度の変動を検出しやすいためであり、また、高濃度のパターン画像としてベタ画像が典型的であるためである。パターン画像は、本形態ではベタ画像であるが、画像濃度の変動が検出されるのであれば、これよりも濃度の低い画像であっても良い。
パターン画像は、同図の左右方向に対応した副走査方向、すなわち感光体40Y、40C、40M、40Kの回転方向に沿った方向に長い帯パターンとなるように形成される。副走査方向におけるパターン画像の長さは、感光体40Y、40C、40M、40Kの少なくとも1周長分とされ、本形態では3周長分としている。
これは、画像形成装置10における画像の濃度の調整が、感光体40Y、40C、40M、40Kと現像ローラ54との間隔である現像ギャップの変動に基づく画像濃度のムラを抑制するように行われるようにするためである。
この点についてより詳しく説明する。かかる現像ギャップの変動の要因の1つとして、感光体40Y、40C、40M、40Kの回転振れが挙げられ、この回転振れの要因として、たとえば感光体40Y、40C、40M、40Kの回転中心位置の偏心が挙げられる。よって、現像ギャップの変動に基づく画像濃度のムラには、感光体40Y、40C、40M、40Kの回転周期に応じて発生する成分である回転変動成分が含まれている。そして、この成分を検出するには、副走査方向におけるパターン画像の長さとして、感光体40Y、40C、40M、40Kの少なくとも1周長分の長さを要する。
なお、現像ギャップの変動に基づく画像濃度のムラを検出するために、後述するように、パターン画像形成時の感光体40Y、40C、40M、40Kの表面電位を検出することで感光体40Y、40C、40M、40Kの感度ムラを検出する必要がある。この理由によっても、副走査方向におけるパターン画像の長さとして、感光体40Y、40C、40M、40Kの少なくとも1周長分の長さを要する。
同図(a)においては、各色のベタ帯パターンを、同図の上下方向に対応した主走査方向、すなわち副走査方向に直交する方向において、互いに同位置に形成している。この位置は、主走査方向におけるトナー付着量検知センサ52の検知領域に一致する。なお、この位置は、同図(a)においては、主走査方向における中央部となっているが、これに限らず、主走査方向における端部であっても良い。
同図(b)においては、各色のベタ帯パターンを、主走査方向において、互いに異なる位置に形成している。この位置はそれぞれ、主走査方向における各トナー付着量検知センサ52の検知領域に一致する。
同図(a)に示したように画像パターンを形成すると、画像パターンの画像濃度を検知するトナー付着量検知センサ52の数が1つで済むという利点がある。
同図(b)に示したように画像パターンを形成すると、各色の画像パターンを副走査方向において重複するように形成することで、画像濃度の検知を完了するまでの時間が短くて済むという利点がある。
なお、トナー付着量検知センサ52は、すでに述べたように、感光体40Y、40C、40M、40Kのそれぞれに対して設け、感光体40Y、40C、40M、40K上に形成された画像の濃度を検知するようにしても良く、このようにすれば、中間転写ベルト24の走行変動による影響が回避される。また、トナー付着量検知センサ52は、すでに述べたように、中間転写ベルト24から画像を転写された記録紙12に対向するように設け、記録紙12上に形成された画像の濃度を検知するようにしても良く、このようにすれば、記録紙12の走行変動による影響が回避される。
画像濃度のムラに含まれる上述した成分を検出するため、パターン画像を形成するときの画像形成条件、具体的には画像を形成するための要素、すなわちたとえば帯電装置43Y、43C、43M、43Kにおける帯電条件、光書込ユニット38における露光条件言い換えると書き込み条件、現像装置42Y、42C、42M、42Kにおける現像条件、1次転写ローラ34Y、34C、34M、34Kにおける転写条件等の要素は、画像濃度が高濃度、すなわちここではベタとなるように、一定に維持される。
ここでの帯電条件としては帯電バイアスが挙げられ、書き込み条件としては書込光の強度が挙げられ、現像条件としては現像バイアスが挙げられ、転写条件としては転写バイアスが挙げられる。
なお、帯電装置43Y、43C、43M、43K、光書込ユニット38、現像装置42Y、42C、42M、42K、1次転写ローラ34Y、34C、34M、34K等は、画像パターンを作成するにあたって、現像、帯電、露光等の一連の電子写真式画像形成装置の作像プロセスを担う画像パターン作成手段としてのパターン形成手段(図10参照)として機能する。
現像ギャップの変動などがなければ、画像形成条件を一定に維持してベタ画像を形成すると、その画像濃度は均一となる。しかし、画像形成条件を一定に維持してベタ画像を形成しても、上述のように、実際には、現像ギャップの変動などによって、画像濃度は変動する。
この画像濃度の変動は、トナー付着量検知センサ52によって、副走査方向に長い帯状パターンであるベタ画像の画像濃度を検出することによって検知される。具体的には、トナー付着量検知センサ52の検知信号は、制御部37に時系列データとして入力され、制御部37において、トナー付着量が時系列で認識され、画像濃度記憶手段としての機能により、時系列の画像濃度として記憶される。
画像濃度記憶手段として機能する制御部37は、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kからの信号に基づき、かかる画像濃度を、感光体40Y、40C、40M、40Kの位相と関連付け、感光体40Y、40C、40M、40Kの回転周期で平均処理を行うことで、感光体40Y、40C、40M、40Kの位相と関連付けられた画像濃度を取得し、これを記憶する(後述のf(t)に相当)。
すでに述べたように、画像の濃度は、現像ギャップの変動のみならず、感光体40Y、40C、40M、40Kの感度ムラによっても変動する。すなわち、露光に対する感光体40Y、40C、40M、40Kの感度に、環境変動、経時劣化等の要因によってばらつきが発生する場合、一定の露光量で露光しても、感光体40Y、40C、40M、40Kの露光後の電位である明電位に差が出るため、かかる電界が変動し、濃度変動が生じて、濃度ムラが生じる。なお、感光体40Y、40C、40M、40Kの感度ムラに関して、感度変化を小さくするために、高精度な製法を用いて感光体40Y、40C、40M、40Kを製造するとコストアップとなるため、これは極力避けることが望ましい。
そこで、画像形成装置10においては、かかる感度ムラを、表面電位センサ56Y、56C、56M、56Kによって、光書込みユニット38により書き込まれた感光体40Y、40C、40M、40K上の静電潜像の電位すなわち現像装置42Y、42C、42M、42Kによってトナーを付着され現像される前の感光体40Y、40C、40M、40Kの表面電位を検出することによって検知するようになっている。
具体的には、表面電位センサ56Y、56C、56M、56Kの検知信号は、制御部37に時系列データとして入力され、制御部37において、表面電位が時系列で認識され、表面電位記憶手段としての機能により、時系列の表面電位として記憶される。
表面電位記憶手段として機能する制御部37は、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kからの信号に基づき、かかる表面電位を、感光体40Y、40C、40M、40Kの位相と関連付け、感光体40Y、40C、40M、40Kの回転周期で平均処理を行うことで、感光体40Y、40C、40M、40Kの位相と関連付けられた表面電位を取得し、これを記憶する(後述のVout(t)に相当)。
以上述べたように、画像の濃度は、現像ギャップの変動と、感光体40Y、40C、40M、40Kの感度ムラとに左右される。よって、画像の濃度のムラは、これらの重畳によって形成されると把握することが可能と考えられる。
このことを、以上述べた平均処理を用いた次の実験によって確かめた。
図6ないし図8に、かかる実験によって取得したデータを示す。
本実験で用いた感光体径はφ100mmであり、プロセス線速を440mm/s、帯電・現像・LDパワーをそれぞれ−700V、−500V、ドットあたり最高発光時間の70%とし、シアン100%の帯状パターンを作像した。この条件で、互いに異なる感光体A、B、Cを対象として濃度ムラを測定した。
図6より、感光体によって濃度ムラの形状が異なることがわかる。
図6に示した濃度ムラ測定のための画像パターンの作像時の電位センサ出力を用いて、同測定によって得られた濃度ムラの形状を、感度ムラ成分と回転振れ成分とに分解したところ、それぞれ図7、図8に示すようになった。
図7は、感光体感度ムラによる濃度ムラを示しており、画像濃度100%の帯状パターン作像時の電位センサ出力から、適当なゲイン(後述の調整ゲイン1:Aに相当)を重畳して感光体周期の濃度ムラトナー付着量センサ出力変動に変換したものである。
図8は、感光体の回転振れによる濃度むらを示しており、図6に示した測定データと図7に示したデータとから算出している(後述のfg(t)に相当)。この成分は、感光体と現像ローラの物理的な位置関係によって決まるため、位相は環境や経時で変動しないことが発明者らの実験により確かめられている。
図8と図6とを比較すると、感光体A、B、Cの全てにおいて、波形がほぼ一致していることがわかる。即ち、感光体回転振れが、濃度ムラの主要因であることがわかる。さらにいえば、図7に示した感光体感度ムラ成分については、濃度ムラの一要因となっているものの、感光体回転振れと比較するとその影響は小さいといえる。
この結果を受け、発明者らは、
1.回転振れによる濃度ムラが支配的、
2.回転振れ成分は環境・経時に不変
という特性を利用して、像担持体の回転周期で発生する濃度ムラを低減する補正技術、すなわち「感光体周期の補正データを、感光体の回転振れ成分から生成する制御方式」の開発に至った。
本制御方式は、着荷時に回転振れ成分を算出しておけば、感光体の状態がその着脱・交換時などにおいて変化しない限り、制御効果を保ち続けるものである。すなわち、かかる着脱時等に感度ムラによる画像濃度への影響を除去する制御テーブルを生成すれば、かかる着脱時等以外は制御テーブルを作成する必要がない。
上述のように、画像を形成するための要素として、帯電条件、露光条件、現像条件、転写条件が挙げられる。本形態においては、現像条件を、かかる制御方式による制御対象である第1の要素とし、これを用いて画像の濃度を調整可能な第1の画像形成手段を現像装置42Y、42C、42M、42Kとする。
現像条件は、他の要素に比べて、画像の濃度の調整に対する感度が高いため、第1の要素として選択したものであるが、露光条件も比較的かかる感度が高いため、これを現像条件に代えて、あるいは現像条件とともに、第1の要素としてのパラメータとして選択しても良い。この点、第1の画像形成手段は、現像装置42Y、42C、42M、42Kおよび/または光書込ユニット38である。
かかる制御を行うにあたり、制御部37は、トナー付着量検知センサ52によって検出された、感光体40Y、40C、40M、40Kの少なくとも1周長分のパターン画像の濃度ムラに基づいて、画像の濃度を調整するために、現像条件についての具体的な第1の条件を決定する第1の画像形成条件決定手段として機能する。
第1の画像形成条件決定手段として機能する制御部37は、感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置が変化し得たときに、トナー付着量検知センサ52によってパターン画像の濃度ムラを検出し、そのパターン画像を形成するときに表面電位センサ56Y、56C、56M、56Kによって検出した表面電位の電位分布と、かかる濃度ムラとに基づいて、この濃度ムラに含まれる、感光体40Y、40C、40M、40Kの現像ギャップ変動成分を構成する回転変動成分に起因する画像濃度のムラを抽出し、この抽出したムラを抑制するように、第1の条件を決定する。
表面電位センサ56Y、56C、56M、56Kによって検出する、感光体40Y、40C、40M、40Kの少なくとも1周長分の表面電位の電位分布は、副走査方向において、トナー付着量検知センサ52によって検知するパターン画像を形成する領域と一致するようにする。
第1の画像形成条件決定手段として機能する制御部37は、かかるパターン画像を形成するために露光された領域について、かかる電位分布を取得し、これを用いた計算により、第1の条件を決定する。
第1の条件である現像条件は現像バイアスである。なお、現像バイアスでなくても、画像の濃度を調整可能であれば、これを現像条件としても良い。露光条件を第1の要素とする場合の第1の条件は露光強度言い換えると露光パワーとすることが可能である。
現像装置42Y、42C、42M、42Kは、画像形成にあたり、このようにして決定された第1の条件に応じて動作する。この動作は、制御部37によって制御される。この点、制御部37は、第1の制御手段として機能する。
ここで、感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置が変化し得たときとは、感光体40Y、40C、40M、40Kの初期取付時、交換時、着脱時の少なくとも1つである。感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置が変化すると、図8に示した波形のような、現像ギャップの変化に起因する濃度ムラの発生パターンが変化することから、これを制御するための制御テーブルであるプロファイル、ここでは現像条件を変化させる必要が生じるためである。
すなわち画像形成条件の決定、言い換えると制御テーブルの作成・更新を、像担持体がセットされた直後である初期セット時、交換時、脱着時等に行うのは、像担持体をメカ的に取り外した場合に、感光体周期での画像濃度ムラの発生状況が変化する可能性が高いからである。また、設置されている感光体ホームポジションセンサ、ここではフォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kとの位置関係がずれてしまうという理由もある。
元々、制御テーブルが作成されていない像担持体初期セット時には、まず一連の補正制御を行う制御テーブルを作成する必要がある。感光体交換時には、今まで使っていた感光体に対して、新しい感光体ではフレ特性や光感度特性ムラの違いがあるため、新しい感光体に応じた制御テーブルを再作成する必要がある。また、メンテナンスの為に、単に感光体を脱着した場合においても、感光体脱着に伴う感光体の取り付け状況変化、たとえば感光体軸と回転軸とのずれ方の変化が生じる可能性があるとともに、感光体のフレ特性及び光感度特性ムラの位置と感光体ホームポジションセンサとの位置関係がずれてしまうため、制御テーブルを再作成する必要がある。このような理由により、像担持体がセットされた直後には画像形成条件の決定、言い換えると制御テーブルの作成・更新を行う必要がある。
ただし、すでに述べたように、画像の濃度は、現像ギャップの変動のみならず、画像形成が一定回数行われたとき、画像形成装置10の使用環境が変化するなどして本体22内の環境条件に変動が生じたとき、などによって生ずる感光体40Y、40C、40M、40Kの感度ムラによっても変動する。すなわち、たとえば、露光に対する感光体40Y、40C、40M、40Kの感度に、経時劣化、環境変動等の要因によってばらつきが発生する場合、一定の露光量で露光しても、感光体40Y、40C、40M、40Kの露光後の電位である明電位に差が出るため、かかる電界が変動し、濃度変動が生じて、濃度ムラが生じる。
この点、感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置が変化し得たときよりも後の、画像形成が一定回数行われたとき、画像形成装置10の使用環境が変化するなどして本体22内の環境条件に変動が生じたとき、などのタイミングで表面電位センサ56Y、56C、56M、56Kによって感光体40Y、40C、40M、40Kの表面電位を検知するなどして第1の条件を更新すれば、かかる感度ムラの変動による濃度ムラをも抑制可能となる。この表面電位の検知等は、ユーザー指定の画像形成が行われていないときなどの、かかる適宜のタイミングで、すでに述べたのと同様にしてパターン画像を形成し、このときに行うようにすることが可能である。また、ユーザー指定で形成される画像が感光体周期以上の均一の高濃度画像を含むときにこれを利用して第1の条件を更新するようにしても良い。
図9に、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kによって検出される回転位置検出信号、トナー付着量検知センサ52によるトナー付着量検知信号、これらの信号を元に作成される画像形成条件である制御テーブルの関係の例を示す。同図は、感光体40Y、40C、40M、40Kの2周分の信号を示している。
なお、第1の条件は、同図において、決定した画像形成条件として示されている。
また、パターン画像の濃度ムラは、同図において、トナー付着量検知信号として示されている。
同図に示されているように、トナー付着量検知信号は回転位置検出信号の周期と同じ周期で変動している。これに合わせて、第1の画像形成条件決定手段として機能する制御部37による第1の条件の算出、決定と、第1の条件に応じた現像装置42Y、42C、42M、42Kの動作とは、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kによって検出された感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置に同期させて行われる。
同図からわかるように、第1の条件は、濃度ムラをキャンセル、言い換えると相殺する波形となる時系列データとして作成される。そのため、画像形成条件である制御テーブルはトナー付着量検知信号と逆位相になるように決定されている。
ここで、第1の条件として用いられ得る画像濃度制御パラメータである現像バイアスや露光パワーは、符号がマイナスである場合や、その絶対値が大きくなると付着量が減る場合があるため、“逆位相”と表現するのが適切でない場合があるが、トナー付着量検知信号が示す付着量変動を打ち消す方向の制御テーブルを作る、つまり逆位相の付着量変動を作り出す制御テーブルを作るという意味で、ここでは“逆位相”と表現している。
この制御テーブルを決定する際のゲイン、すなわちトナー付着量検知信号の変動量[V]に対して制御テーブルの変動量を何[V]にするか、について(たとえば後述の調整ゲイン2:Bに相当)は、原理的には理論値から求められるが、実機搭載に際しては、理論値を元に実機検証して、最終的には実験データから決定することになる可能性が高いと想定される。
このようにして決められたゲインで決定された制御テーブル(たとえば後述のVB(t)に相当)が、回転位置検出信号との間に、たとえば図9に示すタイミング関係を持っている。同図に示されている例では、制御テーブルの先頭は回転位置検出信号発生時点とされている。
ここでは、この制御テーブルは現像バイアス制御テーブルであるため、現像ニップ−トナー付着量検知センサ52間の距離すなわちトナー像の移動距離を考慮して制御テーブル適用のタイミングを決める必要がある。かかる距離が、感光体周長のちょうど整数倍である場合、回転位置検出信号のタイミングに合わせて、制御テーブルを先頭から適用すれば良い。かかる距離が感光体周長の整数倍からずれている場合は、ずれの距離分だけタイミングをずらして制御テーブルを適用すれば良い。同様に、露光パワーの制御テーブルであれば露光位置−トナー付着量検知センサ52間距離を考慮して制御テーブルを適用することになる。
第1の条件の決定を行うための画像パターンの形成は、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kによって検出された感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置に基づいて行われる。同図に示されている例では、副走査方向における画像パターンの先頭位置が回転位置検出信号の立ち上がりタイミングと同期するように、画像パターンの形成が行われるようになっている。
このタイミングでの画像パターンの形成を可能とするため、図10に示すように、制御部37に、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kによって検出された感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置に関する検出信号が入力され、この検出信号は、制御部37を介して、パターン形成手段に送信され、パターン形成手段は、入力された検出信号に基づいて画像パターンを形成する。
また、同図に示されているように、制御部37に、トナー付着量検知センサ52によって検出されたパターン画像の濃度に関する検出信号が入力される。これらの検出信号の入力により、トナー付着量検知センサ52で検出した濃度ムラ情報と、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kで検出した感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置との関係は、たとえば図11に示すようにして得られる。
なお、制御部37のCPUにおいては、トナー付着量検知センサ52によって取得した画像パターンの演算、具体的には、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kの信号に基づいた、上述の平均処理等が実施される。
同図に示されているように、本形態では、図9に示した各タイミングの関係が得られるように、画像パターンの先頭部分にフォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kの信号が来るように、パターン形成手段のパターン書込み位置を決めている。
具体的には、トナー付着量検知センサ52とフォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kとの位相関係をあらかじめ求めておき、トナー付着量検知センサ52で検知した場合に画像パターンの先頭部分が来るように、パターン作成部の露光開始位置を変更している。本実施例では、パターン先頭に合わせて、光書込ユニット38による露光開始位置を決める構成としているが、パターン先頭部分は付着量が不安定であるため、先頭から、トナー付着量が安定する程度に短い所定距離にフォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kの検出信号が来るように、光書込ユニット38による露光開始位置を決めても構わない。
このような、画像パターンの、副走査方向に沿った方向における先端位置の決定にあたっては、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kによって検出された感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置と、光書込ユニット38によって書き込まれた感光体40Y、40C、40M、40K上の静電潜像形成位置すなわち露光位置である書込位置からトナー付着量検知センサ52の検知位置までのレイアウト距離と、このレイアウト距離におけるプロセス線速とに関するデータが必要である。
これらのデータは、制御部37に備えられた不揮発性メモリまたは揮発性メモリに記憶されており、これらのデータに応じて、画像パターンの、副走査方向に沿った方向における先端位置が決定される。
ここで、かかるレイアウト距離は、光書込ユニット38によって書き込まれた感光体40Y、40C、40M、40K上の書込位置と、トナー付着量検知センサ52による画像パターンの検知位置との間の区間の、副走査方向に沿った方向における距離を意味する。
また、かかるレイアウト距離におけるプロセス線速は、かかる区間に含まれる回転体である感光体40Y、40C、40M、40Kの、副走査方向に沿った方向における移動速度である。
画像パターンの、副走査方向に沿った方向における後端位置も、上述のように決定される先端位置と同様にして決定しても良い。また、かかる先端位置が任意に決定される場合であっても、かかる後端位置を上述のデータに応じて決定しても良い。
このような、かかる先端位置および/または後端位置の、上述のデータに応じた決定は、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kによる感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置の検出からの経過時間に基づいて行っても良い。この場合にも、かかる先端位置および/または後端位置の決定は、実質的に上述のデータに応じて行われることとなる。またこの場合、パターン画像の書き出しは任意に行い、露光終了位置を感光体40Y、40C、40M、40Kの周長の整数倍となるように決定しても良い。
かかる経過時間は、たとえば制御部37のCPUによって計測することが可能である。この計測を行うとき、制御部37は、かかる経過時間を計測する経過時間計測手段として機能する。
このようにして、図9に示した各タイミングの関係が得られ、パターン画像の形成が、フォトインタラプタ35Y、35C、35M、35Kによって検出された感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置に同期させて行われることとなる。
そのため、レイアウト距離が各色で互いに異なることから、パターン画像の形成位置が各色の作像ステーションごとに副走査方向で異なるように調整されることとなり得る。よって、図5(b)に示したように、副走査方向における各色のパターン画像の形成位置は、互いに異なり得る。
このようなタイミング制御によって、画像パターンの副走査方向における長さを、感光体周長の整数倍か、これに加えて、たとえばトナー濃度が安定する程度の若干の余裕を見込んだ長さに精度よく設定することが可能となり、感光体回転周期に対応した第1の条件を決定するのに必要且つ十分な長さとすることが可能となる。これにより、画像パターンの副走査方向における長さに、たとえば感光体周長に一致するほどの大きな余裕を持たせることが不要となって、トナーイールドや制御時間が低減される。
第1の画像形成条件決定手段として機能する制御部37による第1の条件の決定は、具体的には、次のように行われる。
まず、次式1に示すように画像パターンの感光体周期濃度むらデータと、感光体周期明部電位データから、感光体表面の回転振れによる濃度むら成分fg(t)を抽出する。
fg(t)=f(t)−A*Vout(t)・・・(式1)
ここで、
fg(t):感光体表面の回転振れによる濃度むら成分
f(t):画像パターンの感光体周期濃度むらデータ(トナー付着量検知センサ52の出力に基づいて作成)
A:調整ゲイン1
Vout(t):画像パターン部明部電位(表面電位センサ56Y、56C、56M、56Kの出力に基づいて作成)
である。
次に、次式2によって、第1の条件VB(t)を算出する。
VB(t)=B*fg(t)・・・(式2)
ここで、
VB(t):第1の条件
B:調整ゲイン2
である。
各種調整ゲインは、実際の波形に合わせてチューニングする。
各種調整ゲインは、画像形成装置10の使用環境、例えば温度や湿度等の影響を受ける場合には、かかる使用環境に対応したテーブルを構成するように予め準備され、制御部37に備えられた不揮発性メモリおよび揮発性メモリに記憶され、画像形成装置10の使用環境に応じて読み出されて使用されるようにしても良い。
以上述べた制御の概略をフローチャートにまとめると、図12に示すようになる。
図12(a)について説明すると、まず、画像パターンを色毎に形成し、検知する(S11)。このとき、画像パターンの明部電位も同時に検知する。つぎに、濃度ムラの感光体周期成分検出と、第1の条件である第1の画像形成条件算出(画像形成条件の制御テーブル作成)とを行い(S12)、第1の制御手段として機能する制御部37により、作成した制御テーブルが使われるようにセットして第1の条件の制御に反映する(S13)。
図12(b)について説明すると、これは、同図(a)のステップS12をより具体化したものであり、まず、濃度ムラの感光体周期成分と、明部電位の感光体周期成分とに基づき、感光体の回転振れによる濃度ムラを算出し(S21)、算出された濃度ムラに基づいて、画像形成条件の算出を行う(S22)。
すでに述べたように、画像パターンはベタ画像であり、第1の条件は現像装置42Y、42C、42M、42Kにおける現像条件である現像バイアスであるから、これらを図12に適用すると、図13に示すようになる。
すなわち、まず、高濃度の単一濃度画像パターンであるベタ画像パターンを色毎に形成し、検知する(S31)。このとき、ベタ画像パターンの明部電位も同時に検知する。つぎに、ベタ画像濃度ムラの感光体周期成分検出と、現像バイアス条件算出(現像装置42Y、42C、42M、42Kの制御テーブル作成)とを行い(S32)、第1の制御手段として機能する制御部37による現像装置42Y、42C、42M、42Kの制御に反映する(S33)。
図12、図13に示した処理は、複数回繰り返しても良い。すなわち、決定された第1の条件に応じて現像装置42Y、42C、42M、42Kを動作させるなどして画像形成を行い、トナー付着量検知センサ52によって濃度が検出される画像として画像パターンを形成し、この濃度をトナー付着量検知センサ52によって検出し、改めて第1の条件を決定し、この第1の条件に応じてユーザー指定の画像形成を行うようにしても良い。
本制御を実機に搭載する場合、過補正を防ぐために制御テーブル作成時のゲインを弱めに設定しておく可能性があるため、一度の補正制御で画像濃度ムラを除去し切れない場合が生じ得る。よって、一連の補正制御を繰り返すことによって濃度ムラを更に軽減することが可能である。繰り返しは1回でも複数回でも良いが、画像パターンを繰り返して描くと、制御時間、トナーイールドの面で不利となってしまう。よって、一度の補正で制御効果が現れるゲイン設定とし、補正制御を複数回繰り返すことなく終了する方が好ましい。
制御部37は、不揮発性メモリおよび/または揮発性メモリに、以上述べた、トナーを感光体40Y、40C、40M、40Kに付着させることによって形成される画像の濃度を検出するトナー付着量検知センサ52と、トナーを付着される状態の感光体40Y、40C、40M、40Kの表面電位を検出する表面電位センサ56Y、56C、56M、56Kと、画像を形成するための現像条件を用いて画像の濃度を調整可能な現像装置42Y、42C、42M、42Kと、を用い、感光体40Y、40C、40M、40Kの回転位置が変化し得たときに、トナー付着量検知センサ52によって、感光体40Y、40C、40M、40Kの少なくとも1周長分の画像の濃度ムラを検出し、当該画像を形成するときに表面電位センサ56Y、56C、56M、56Kによって検出された表面電位の電位分布と当該濃度ムラとに基づいて、感光体40Y、40C、40M、40Kの現像ギャップ変動成分に起因する画像濃度のムラを抽出し、この抽出されたムラを抑制するように、第1の画像形成条件決定手段として機能する制御部37によって決定された、現像条件についての第1の条件に応じて現像装置42Y、42C、42M、42Kを動作させて画像形成を行う画像形成方法である画像濃度制御方法を実行するための画像濃度制御プログラムとしての画像形成プログラムを記憶している。この点、制御部37ないし不揮発性メモリおよび/または揮発性メモリは、画像形成プログラム記憶手段として機能している。かかる画像形成プログラムは、制御部37に備えられた不揮発性メモリおよび/または揮発性メモリのみならず、半導体媒体(たとえば、RAM、不揮発性メモリ等)、光媒体(たとえば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(たとえば、ハードディスク、磁気テープ、フレキシブルディスク等)その他の記憶媒体に記憶可能であり、かかるメモリ、他の記憶媒体は、かかる画像形成プログラムを記憶した場合に、かかる画像形成プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体を構成する。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、本発明を適用する画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことが可能なカラーデジタル複合機、その他、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタの単体、あるいは複写機とプリンタとの複合機等他の組み合わせの複合機であっても良い。近年では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなど、カラー画像を形成可能な画像形成装置が多くなってきているが、本発明を適用する画像形成装置は、モノカラー画像のみを形成可能なものであっても良い。
かかる画像形成装置は、一般にコピー等に用いられる普通紙のみならず、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをも記録シートであるシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能であることが望ましい。かかる画像形成装置は、記録媒体としての記録体である記録紙たる転写紙の両面に画像形成可能な両面画像形成装置であっても良い。このような画像形成装置に用いる現像剤は、2成分現像剤に限らず、一成分現像剤であっても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。