以下に、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
先ず、図1〜図18を用いて、本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成について説明する。
<画像形成装置の全体構成>
図1は第1実施形態の画像形成装置10の構成図である。図1において、画像形成装置10は、回転駆動される複数存在する感光体となる感光ドラム22a,22b,22c,22dの表面を帯電手段となる帯電ローラ23a,23b,23c,23dにより一様に帯電する。
そして、帯電ローラ23a,23b,23c,23dにより一様に帯電された感光ドラム22a,22b,22c,22dの表面に光照射手段となるレーザスキャナユニット20a,20b,20c,20dにより光を照射する。これにより、所定の潜像形成位置で静電潜像(潜像)を形成する。そして、現像手段となる現像装置25a,25b,25c,25dにより潜像をトナーで現像して可視化して画像を形成する。
以下、記述の煩雑化を防ぐために、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBkの4つの感光ドラム22a,22b,22c,22dを感光ドラム22で代表させて説明する。関連する各画像形成プロセス手段についても同様とする。
レーザスキャナユニット20a〜20dは、回転駆動される感光ドラム22a〜22dの表面に順次、レーザ光21a〜21dを照射する。このとき、感光ドラム22a〜22dは、前露光装置230a〜230dにより、露光され表面電位が均一となるようにならされた後、帯電ローラ23a〜23dによって予め帯電されているので、レーザ光21a〜21dの照射によって静電潜像を形成する。
現像装置25a〜25dおよび現像スリーブ24a〜24dは、感光ドラム22a〜22dの表面に夫々形成された静電潜像に夫々異なる色のトナーを載せて可視化し、複数色のトナー像を形成する。一次転写ローラ26a〜26dは、複数の感光ドラム22a〜22dに形成された複数色のトナー像を夫々重ねて中間転写ベルト30(ベルト)に転写する。尚、感光ドラム22を含む、帯電ローラ23、現像装置25及び一次転写ローラ26のトナー像を形成するのに直接的に関わる部材群のことを画像形成部と称する。場合によってはレーザスキャナユニット20を含めて画像形成部と称しても良い。
また、感光ドラム22の周囲に近接して配置され、該感光ドラム22に作用する各部材(前露光装置230、帯電ローラ23、現像装置25及び一次転写ローラ26)は画像形成プロセス手段という。また、前露光装置230、帯電ローラ23を第一の画像形成プロセス手段、現像装置25及び一次転写ローラ26を第二の画像形成プロセス手段という。
一方、ピックアップローラ13によって繰り出された記録材12は、図示しないレジストセンサによって先端位置が検出された後、搬送ローラ対14,15に先端が少し通過した位置で搬送を一旦停止される。
中間転写ベルト30は、ローラ31,32,33によって周回駆動され、トナー像を二次転写ローラ27の位置へ搬送する。このとき、記録材12は二次転写ローラ27の位置で中間転写ベルト30により搬送されたトナー像とタイミングが合うよう搬送が再開され、二次転写ローラ27によって中間転写ベルト30からトナー像が転写される。
その後、定着ローラ対16,17によって記録材12のトナー像を加熱定着した後、記録材12を機外へ排出する。ここで、二次転写ローラ27によって、中間転写ベルト30から記録材12へ転写されなかった残留トナーは、クリーニングブレード35によって廃トナー容器36に回収される。また、色ずれ検出センサ40の動作については後述する。
<高圧電源装置の構成>
次に、図2を用いて高圧電源装置41の構成を説明する。高圧電源装置41は、帯電高圧電源回路43a〜43d、現像高圧電源回路44a〜44d、一次転写高圧電源回路46a〜46d、二次転写高圧電源回路48を備えている。
帯電高圧電源回路43a〜43dは、帯電ローラ23a〜23dに電圧を印加することで、感光ドラム22a〜22dの表面にバックグラウンド電位を形成し、レーザ光21の照射によって静電潜像を形成可能な状態にする。現像高圧電源回路44a〜44dは、現像スリーブ24a〜24dに電圧を印加することで、感光ドラム22a〜22dの静電潜像にトナーを載せ、トナー像を形成する。
一次転写高圧電源回路46a〜46dは、一次転写ローラ26a〜26dに電圧を印加することで、感光ドラム22a〜22dのトナー像を中間転写ベルト30に転写する。二次転写高圧電源回路48は、二次転写ローラ27に電圧を印加することで、中間転写ベルト30のトナー像を記録材12へ転写する。また、帯電高圧電源回路43a〜43dは帯電ローラ23a〜23dに接続された電流検出回路50a〜50dを備えている。電流検出回路50は、帯電ローラ23と感光ドラム22との間に流れる電流を検知することにより、後述する検出用の静電潜像パッチ画像80を形成したことによる感光ドラム22a〜22dの表面電位の変化を検知する。
また、一次転写高圧電源回路46a〜46dは電流検出回路47a〜47dを備えている。一次転写ローラ26a〜26dにおけるトナー像の転写性能が一次転写ローラ26a〜26dに流れる電流量に応じて変化する。電流検出回路47a〜47dの検出結果に応じて一次転写ローラ26a〜26dに印加するバイアス電圧(高電圧)を調整し、装置内の温度や湿度が変化しても転写性能を一定に保つよう構成されている。尚、一次転写中は、一次転写ローラ26a〜26dに流れる電流量が目標値になるようにして設定されたバイアス電圧を目標にして定電圧制御が行われる。
<色ずれ補正制御の概要>
画像形成を行うと、例えば、中間転写ベルト30の速度や、レーザスキャナユニット20から出射されるレーザ光21(光)の感光ドラム22上での光照射位置や、感光ドラム22間ピッチ等が変動する。これらの変動により、各感光ドラム22a〜22d上に形成したトナー像を中間転写ベルト30に重畳する際のトナー像の重なり方も変動する。場合によっては、上述した各種の変動により形成した画像に色ずれが発生することがある。
このため、画像形成装置10では、色ずれの発生を抑えるよう、上述した変動量を検知し、その変動に対応する補正を行う。
通常、画像形成装置10における色ずれ補正は、感光ドラム22a〜22dの表面にトナー像を形成する。そして、それを中間転写ベルト30の表面に色ずれ検出用のパターン400,401,402,403として転写し、それを中間転写ベルト30に対向する図1に示す検出センサ40によって検知する。この検知結果に基づいて、画像形成時に、レーザスキャナユニット20からのレーザ光21の照射開始タイミング等を補正する。
本実施形態では、上述した検出センサ40を用いた色ずれ補正に加え、特にレーザスキャナユニット20から出射されるレーザ光21の感光ドラム22上での光照射位置Eの変動に対応するため帯電ローラ23を用いた色ずれ補正を実行する。
この帯電ローラ23を用いた色ずれ補正について説明する。帯電ローラ23により帯電された感光ドラム22の表面を図3(a)に示す光照射位置Eでレーザスキャナユニット20から出射されるレーザ光21を照射(露光)する。そして、感光ドラム22の表面上に図13に示す検出用の静電潜像となる静電潜像パッチ画像80を形成する。
本実施形態では、静電潜像パッチ画像80は副走査方向である感光ドラム22の円周方向に30dot(約1.2mm)、主走査方向である感光ドラム22の軸方向に300mmの横帯状に形成される。当然、感光ドラム22表面の静電潜像パッチ画像80が形成された部分とその他の部分とでは表面電位が異なる。
そして、感光ドラム22の回転に伴なって該感光ドラム22の表面に形成された静電潜像パッチ画像80が移動する。そして、該感光ドラム22の周囲に設けられた所定の検知位置Dとなる帯電ローラ23が配置された帯電位置で電流検出回路50により電流変化を検知する。
電流検出回路50は、感光ドラム22と帯電ローラ23との間に流れる電流が、静電潜像パッチ画像80が帯電位置に到達することにより変化したことを検知する。つまり、電流検出回路50は、感光ドラム22の表面の静電潜像パッチ画像80が形成された部分とその他の部分との電位の差を、感光ドラム22と帯電ローラ23との間に流れる電流の変化として検知する。
このように、図3(a)に示すように、光照射位置Eで静電潜像パッチ画像80を形成し、帯電位置である検知位置Dで静電潜像パッチ画像80を検知する。そして、光照射位置Eから該帯電ローラ23が対向する帯電位置である検知位置Dに到達するまでの時間間隔を測定する。そして、その測定された時間間隔が基準となる基準時間間隔からどれだけ変化しているかに基づいて、画像形成時に、レーザスキャナユニット20からのレーザ光21の照射開始タイミングを補正する。
本実施形態では、帯電手段である帯電ローラ23及び電流検出回路50が感光ドラム22の表面(感光体上)に形成された静電潜像パッチ画像80(潜像及びトナー像)が検知位置Dに到達したことを検知する検知手段として機能している。そして、検知手段により検出用の静電潜像パッチ画像80の到達を検知する検知位置Dは、帯電手段となる帯電ローラ23により感光ドラム22の表面を帯電する帯電位置に設定されている。
<感光ドラムの駆動系のギア構成>
図1における画像形成装置10の感光ドラム22、レーザスキャナユニット20、帯電ローラ23等の画像形成プロセス部品の配置構成を図3(a)に示す。尚、本構成は、図1の感光ドラム22a〜22dに示される4色とも共通である。
図3(a)において、感光ドラム22の周囲には、現像スリーブ24、中間転写ベルト30、一次転写ローラ26、前露光装置230、帯電ローラ23が配置されている。
本実施形態では、図3(a)に示すように、レーザ光21が照射される感光ドラム22の表面上の光照射位置Eから帯電ローラ23が接する検知位置Dまでの感光ドラム22の回転角度αが270度で構成されている。
図3(b)に感光ドラム22を駆動する駆動ユニットの構成を示す。
駆動源となるモータ700の駆動軸には、モータギア701が固定されている。該モータギア701にはアイドラ段ギア702の大径ギア702aが噛合している。該アイドラ段ギア702の小径ギア702bには、図示しないジョイントカップリングを介して感光ドラム22に係合して駆動力を伝達する感光体ギア704が噛合している。感光体ギア704は感光ドラム22と同軸に配置されている。
これより、モータ700の回転駆動力がモータギア701、アイドラ段ギア702、感光体ギア704を介して感光ドラム22へ伝達される。本実施形態では、回転することにより感光ドラム22を回転駆動する回転部材がモータギア701、アイドラ段ギア702及び感光体ギア704により構成されている。そして、モータギア701及びアイドラ段ギア702はモータ700の回転駆動力を感光体ギア704に伝達するギア列である。
感光ドラム22は、画像形成装置10本体から着脱可能で、該画像形成装置10内で感光体ギア704と同軸上に配置され、図示しないジョイントカップリングを介して感光体ギア704と係合することで、駆動入力され、感光体ギア704と一体的に回転する。
感光体ギア704には、位相検知を行うためのホームポジションフラグ706が設けられており、ホームポジションセンサ705により、該感光体ギア704の1回転周期をモニタすることが可能となっている。
上述した、静電潜像パッチ画像80を帯電ローラ23にて検知する際、回転する感光ドラム22の表面は、常に一定の速度とはなっておらず、速度変動が発生する。
感光ドラム22の表面の速度変動の大きな要因は、図3(b)に示すように、モータ700から感光ドラム22に至る回転部材となる駆動伝達ギア列を構成するモータギア701、アイドラ段ギア702、感光体ギア704の各ギアの精度誤差、外径誤差等である。これにより、各ギアの見かけ上の半径が回転角度により異なることで発生する。
ここで、本実施形態におけるモータ700から感光ドラム22に至る回転部材となる駆動伝達ギア列の駆動構成について説明する。
図18に示すように、感光ドラム22に固定された感光体ギア704が1回転する間に、アイドラ段ギア702は4回転する。また、モータギア701は16回転する。
本実施形態において、上記各ギアが、JGMA(日本歯車工業会規格)2級相当で作製されているとき、バックラッシュ(歯面間の遊び)による感光ドラム22の表面上での位置変動量が約18μmであるとする。このときの速度変動量(振幅)を1としたとき、図4(a)に示すように、感光ドラム22の1回転で発生するモータギア701での速度変動量(振幅)は16周期で0.4の速度変動が現れる。また、図4(b)に示すように、感光ドラム22の1回転で発生するアイドラ段ギア702での速度変動量(振幅)は4周期で1.3の速度変動が現れる。
また、感光体ギア704の精度誤差、外径誤差等によって、アイドラ段ギア702と噛合っている部分の感光体ギア704の見かけ上の半径は感光体ギア704の1回転を1周期として変化する。このため、仮に駆動伝達ギア列の速度変動が無かったとしても感光ドラム22は速度変動する。そして、感光ドラム22の速度変動量(振幅)は1周期で1である。
即ち、感光ドラム22上では、感光ドラム22の1回転を1周期とすると、1/16周期のモータギア701成分の速度変動、1/4周期のアイドラ段ギア702成分の速度変動、及び、1周期の感光体ギア704成分の速度変動が重なった速度変動が発生する。
ここで、感光ドラム22表面の所定位置の静電潜像パッチ画像80が光照射位置Eにある時の速度変動量と、検知位置Dにおける速度変動量とが違う場合がある。この場合は、静電潜像パッチ画像80が光照射位置Eから検知位置Dに到達するまでの時間間隔が静電潜像パッチ画像80をどこに形成するかによって異なってしまう。
そこで、本実施形態では感光ドラム22表面の所定位置の描かれた静電潜像パッチ画像80の光照射位置Eにおける速度変動と、検知位置Dにおける速度変動との差分を考慮する。そして、その差分のうち、モータギア701成分、及びアイドラ段ギア702成分の速度変動分をキャンセルする構成にしている。
先ずは、感光体ギア704成分の速度変動について説明する。図3(a)に示すように、帯電ローラ23が対向する検知位置Dで、感光ドラム22の表面上に画かれる検出用の静電潜像パッチ画像80を検知する際、光照射位置Eを0度とした場合、感光ドラム22の回転方向に270度の位置で検知される。
このため、アイドラ段ギア702と噛合っている部分の感光体ギア704の見かけ上の半径は、感光ドラム22の表面の所定の位置に画かれた静電潜像パッチ画像80が光照射位置Eにある時と検知位置Dにある時とで異なる。
従って、感光ドラム22の静電潜像パッチ画像80が画かれた部分の速度変動は、静電潜像パッチ画像80が光照射位置Eを通過する時と検知位置Dを通過する時とで異なる。尚、感光ドラム22の表面上のどの位置(極座標点)に静電潜像パッチ画像80を画くかによって、静電潜像パッチ画像80が光照射位置Eを通過する時の感光ドラム22の速度変動、及び、検知位置Dを通過する時の感光ドラム22の速度変動は異なる。
次に感光ドラム22の表面上の各点(各極座標点)と、各点が光照射位置Eを通過する時の感光ドラム22の速度変動と、検知位置Dを通過する時の感光ドラム22の速度変動との差分との関係について説明する。
図5(a)は、感光ドラム22の1周分の表面上の位置を横軸、速度変動量を縦軸にとったグラフである。感光ドラム22の表面上の各点(各極座標点)が光照射位置Eを通過する時の速度変動を鎖線で示す。一方、感光ドラム22の表面上の各点が検知位置Dを通過するときの速度変動を一点鎖線で示す。鎖線と一点鎖線の位相が270°(3/4周期)ずれているのは、感光ドラム22の表面上の各点は光照射位置Eを通過後に270°回転して検知位置Dを通過するからである。
そして、感光ドラム22の表面上の検出用の静電潜像パッチ画像80の速度変動は、光照射位置Eで発生する速度変動と、検知位置Dで発生する速度変動との二つの差分であり、図5(a)の実線で示される。
ここで、感光ドラム22の表面上の検出用の静電潜像パッチ画像80の速度変動は、光照射位置Eでの速度変動と、検知位置Dでの速度変動との差分である。そして、検知位置Dで発生する速度変動は、3/4周期、即ち、270度位相がずれた成分である。
次に、感光ドラム22の速度変動のうちのモータギア701成分の速度変動について説明する。モータギア701では、検知位置Dで発生する速度変動は光照射位置Eで発生する速度変動が3/4周期遅れ(ずれ)たものである。このため、光照射位置Eでの速度変動がモータ700の1回転目の成分であるとすると、帯電ローラ23に到達する検知位置Dでの速度変動はモータ700の13回転目の成分である。つまり、光照射位置Eと検知位置Dでの速度変動は同位相となり、図5(b)に示すように、モータギア701成分に関して、光照射位置Eで発生する速度変動と、検知位置Dで発生する速度変動(3/4周期、即ち、270度位相がずれた成分)の差分は0となる。
即ち、感光ドラム22が光照射位置Eから検知位置Dまで回転する間に、モータギア(回転部材)701が整数回回転する。これによりモータギア701の精度誤差や外径誤差等に起因する感光ドラム22の表面の回転速度の変動を考慮する必要が無い。
更に、アイドラ段ギア702でも同様に、検知位置Dで発生する速度変動は光照射位置Eで発生する速度変動が3/4周期遅れ(ずれ)たものである。このため、光照射位置Eでの速度変動がモータ700の1回転目の成分であるとすると、帯電ローラ23に到達する検知位置Dでの速度変動はモータ700の4回転目の成分である。即ち、光照射位置Eと検知位置Dでの速度変動は同位相となり、図6(a)に示すように、光照射位置Eで発生する速度変動と、検知位置Dで発生する速度変動(3/4周期、即ち、270度位相がずれた成分)との差分は0となる。
即ち、感光ドラム22が光照射位置Eから検知位置Dまで回転する間にアイドラ段ギア(回転部材)702が整数回回転する。これによりアイドラ段ギア702の精度誤差や外径誤差等に起因する感光ドラム22の表面の回転速度の変動を考慮する必要が無い。
上記構成により感光体ギア704上での検知成分は、結果的に図6(b)に示されるように、モータギア701及びアイドラ段ギア702により発生する速度変動量(振幅)の和は0となる。一方、感光体ギア704の単体で発生する速度変動量(振幅)(感光体ギア704の精度誤差や外径誤差等に起因する感光ドラム22の表面の速度変動)は検出用の静電潜像パッチ画像80の検知時に加味される。
そこで、図3(b)に示すように、感光体ギア704は、ホームポジションフラグ706を備え、ホームポジションセンサ705により該感光体ギア704の1回転周期を検出する。
そして、静電潜像パッチ画像80を検出する際には、常にこのホームポジションセンサ705により検出される波形を基にする。そして、感光ドラム22の表面上の同じ極座標の位置、即ち感光体ギア704上で同位相となる感光ドラム22の表面上の位置に静電潜像パッチ画像80を画く。そして、一定時間経過毎に画く静電潜像パッチ画像80間で発生する感光体ギア704の速度変動量(振幅)を、差し引くことにより感光体ギア704の単体で発生する速度変動量(振幅)をキャンセルすることが出来る。
上記構成により、静電潜像パッチ画像80を精度良く検出することが可能となる。
次に、帯電ローラ23が配置される検知位置Dが、光照射位置Eに対して感光ドラム22の回転方向に270度の位置よりもずれている場合の検知誤差について説明する。
その一例として、帯電ローラ23が配置される検知位置Dが、光照射位置Eに対して感光ドラム22の回転方向に270度の位置よりも7度ずれた277度の位置にある場合の各ギアの速度変動成分及びそれによる検知誤差について説明する。
図7(a)は感光ドラム22の1回転で発生するモータギア701の速度変動成分を示す。本実施形態においてレーザスキャナユニット20による光照射位置Eから、検出用の静電潜像パッチ画像80の検知位置Dまでが感光ドラム22の回転方向に277度の位置にある。図3(a)に示す270度よりも7度の位相ずれを起こしている場合である。
図7(a)に示すグラフは、モータギア701の速度変動量(振幅)をΔVm、感光体ギア704の回転角度をθとする。更に、図4(a)に示すように、感光ドラム22の1回転で発生するモータギア701での速度変動量(振幅)を0.4とする。このとき、モータギア701の速度変動量(振幅)ΔVmは以下の数1式で表わされる。
[数1]
ΔVm=|0.4×{sin(θ)−sin(277°)}|
図7(b)は感光ドラム22の1回転で発生するアイドラ段ギア702の速度変動成分を示す。本実施形態においてレーザスキャナユニット20による光照射位置Eから、検出用の静電潜像パッチ画像80の検知位置Dまでが感光ドラム22の回転方向に277度の位置にある。図3(a)に示す270度よりも7度の位相ずれを起こしている場合である。
図7(b)に示すグラフは、アイドラ段ギア702の速度変動量(振幅)をΔVi、感光体ギア704の回転角度をθとする。更に、図4(b)に示すように、感光ドラム22の1回転で発生するアイドラ段ギア702での速度変動量(振幅)を1.3とする。このとき、アイドラ段ギア702の速度変動量(振幅)ΔViは以下の数2式で表わされる。
[数2]
ΔVi=|1.3×{sin(θ)−sin(277°)}|
図7(a),(b)で示されるモータギア701とアイドラ段ギア702のそれぞれの速度変動量(振幅)の最大値の和が、図7(c)に示すように感光体ギア704に発生する。図7(c)は図7(a),(b)で示されるモータギア701とアイドラ段ギア702のそれぞれの速度変動量(振幅)を合成したものである。これがモータ700から感光ドラム22に至る駆動伝達ギア列の最大速度変動量(振幅)となり、このときの最大速度変動量(振幅)Vmaxは、図7(c)のグラフから以下の数3式で表わされる。
[数3]
Vmax≒1.2
これにより、感光ドラム22の表面上の位置変動量ΔSdは以下の数4式で表わされる。
[数4]
ΔSd≒18μm×Vmax=18×1.2≒21μm
即ち、感光ドラム22がレーザスキャナユニット20によりレーザ光21が照射される光照射位置Eから帯電ローラ23が対向する検知位置Dまで回転する。その間に該感光ドラム22に固定される感光体ギア704と、アイドラ段ギア702との回転角度の位相差が7度あると、感光ドラム22の表面上での検出誤差として約21μmの最大検知誤差が発生し得ることを示している。
更に他の一例として、帯電ローラ23が配置される検知位置Dが、光照射位置Eに対して感光ドラム22の回転方向に270度の位置よりも25度ずれた295度の位置にある場合の各ギア成分の速度変動成分及びそれによる検知誤差について説明する。
図8(a)は感光ドラム22の1回転で発生するモータギア701の速度変動成分を示す。本実施形態においてレーザスキャナユニット20による光照射位置Eから、検出用の静電潜像パッチ画像80の検知位置Dまでが感光ドラム22の回転方向に295度の位置にある。図3(a)に示す270度よりも25度の位相ずれを起こしている場合である。
図8(a)に示すグラフは、モータギア701の速度変動量(振幅)をΔVm、感光体ギア704の回転角度をθとする。更に、図4(a)に示すように、感光ドラム22の1回転で発生するモータギア701での速度変動量(振幅)を0.4とする。このとき、モータギア701の速度変動量(振幅)ΔVmは以下の数5式で表わされる。
[数5]
ΔVm=|0.4×{sin(θ)−sin(295°)}|
図8(b)は感光ドラム22の1回転で発生するアイドラ段ギア702の速度変動成分を示す。本実施形態においてレーザスキャナユニット20による光照射位置Eから、検出用の静電潜像パッチ画像80の検知位置Dまでが感光ドラム22の回転方向に295度の位置にある。図3(a)に示す270度よりも25度の位相ずれを起こしている場合である。
図8(b)に示すグラフは、アイドラ段ギア702の速度変動量(振幅)をΔVi、感光体ギア704の回転角度をθとする。更に、図4(b)に示すように、感光ドラム22の1回転で発生するアイドラ段ギア702での速度変動量(振幅)を1.3とする。このとき、アイドラ段ギア702の速度変動量(振幅)ΔViは以下の数6式で表わされる。
[数6]
ΔVi=|1.3×{sin(θ)−sin(295°)}|
図8(a),(b)で示されるモータギア701とアイドラ段ギア702のそれぞれの速度変動量(振幅)の最大値の和が、図8(c)に示すように感光体ギア704に発生する。図8(c)は図8(a),(b)で示されるモータギア701とアイドラ段ギア702のそれぞれの速度変動量(振幅)を合成したものである。これがモータ700から感光ドラム22に至る駆動伝達ギア列の最大速度変動量(振幅)となり、このときの最大速度変動量(振幅)Vmaxは、図8(c)のグラフから以下の数7式で表わされる。
[数7]
Vmax≒2.3
これにより、感光ドラム22の表面上の位置変動量ΔSdは以下の数8式で表わされる。
[数8]
ΔSd≒18μm×Vmax≒41μm
即ち、感光ドラム22がレーザスキャナユニット20によりレーザ光21が照射される光照射位置Eから帯電ローラ23が対向する検知位置Dまで回転する。その間に該感光ドラム22に固定される感光体ギア704と、アイドラ段ギア702との回転角度の位相差が25度ある。そうすると、感光ドラム22の表面上での検出誤差として約41μmの最大検知誤差が発生し得ることを示している。
<制御系の構成>
次に、図9を用いて画像形成装置10の制御系の構成について説明する。図9のビデオコントローラ200において、204は、ビデオコントローラ200全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit;中央演算装置)である。205は、CPU204が実行する各種制御コードを格納する不揮発性記憶部である。
これはROM(Read Only Memory ;リードオンリメモリ)に相当する。或いは、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory;電気的に消去可能な不揮発性メモリ)に相当する。或いは、ハードディスク等に相当する。206は、CPU204の主メモリ、ワークエリア等として機能する一時記憶用のRAM(Randam AccessMemory ;ランダムアクセスメモリ)である。
207は、ホストコンピュータ等の外部機器100との印刷データ、制御データの入出力部であるホストI/F(インターフェイス)部である。ホストI/F部207により受信した印字データは圧縮データとしてRAM206に格納される。208は圧縮データを伸張するためのデータ伸張部である。データ伸張部208はRAM206に格納された任意の圧縮データを、ライン単位に画像データに伸張する。また、伸張された画像データは再度、RAM206に格納される。
209は、DMA(Direct Memory Access)制御部である。DMA制御部209は、CPU204からの指示によりRAM206内の画像データをエンジンI/F(インターフェイス)部211に転送する。210は、操作者からの諸設定、指示を画像形成装置10本体に設けられたパネル部から受け取るパネルI/F(インターフェイス)部である。
エンジンI/F部211は、プリンタエンジン300との信号の入出力部であり、図示しない出力バッファレジスタからデータ信号送出を行うと共にプリンタエンジン300との通信制御を行う。212は、アドレスバス及びデータバスを持つシステムバスである。上述の各構成要素は、システムバス212に接続され、互いにアクセス可能となっている。
次にプリンタエンジン300の説明を行う。プリンタエンジン300は大きく分けて、エンジン制御部54とエンジン機構部58とを有して構成される。エンジン機構部58はエンジン制御部54からの各種指示により動作する部分である。
<エンジン機構部>
エンジン機構部58に設けられるレーザスキャナ系331は、レーザスキャナユニット20を構成するレーザ発光素子、レーザドライバ回路、スキャナモータ、ポリゴンミラー、スキャナドライバ等を含む。ビデオコントローラ200から送られてくる画像データに従い感光ドラム22をレーザ光21にて露光走査することにより感光ドラム22上に静電潜像を形成する部位である。
作像系332は、画像形成装置10の中枢をなす部分であり、感光ドラム22上に形成された静電潜像に基づくトナー像をシート等の記録材12上に形成させる部位である。また先に説明した感光ドラム22に作用する各画像形成プロセス手段からなる。前述の説明で画像形成部と称する部分を定義したが、その部分に該当する。
感光ドラム22、帯電ローラ23、現像装置25が一体となったプロセスカートリッジ、中間転写ベルト30、定着ローラ対16,17からなる定着装置等の画像形成プロセス要素を有する。更に、作像を行う上での各種バイアス(高電圧)を生成する高圧電源回路を有して構成される。また、例えば感光ドラム22を駆動するモータ等の各部材を駆動するためのモータ等も含まれている。
一体型のプロセスカートリッジには、除電器、帯電ローラ23、現像装置25、感光ドラム22等が含まれる。また、プロセスカートリッジには、不揮発性のメモリタグが備えられている。CPU321あるいはASIC(Application Specific Integrated Circuit;カスタムIC)322は、当該メモリタグに各種情報の読み書きを行う。
給送、搬送系333は、記録材12の給送、搬送を司る部分であり、各種搬送系モータ、給送トレイ、排出トレイ、各種搬送ローラ等で構成される。
センサ系334は、レーザスキャナ系331、作像系332、給送、搬送系333を、後述するCPU321、ASIC322が制御する上で、必要な情報を収集するためのセンサ群である。このセンサ群には、定着ローラ対16,17からなる定着装置の温度センサ、画像の濃度を検知する濃度センサ等、少なくとも既に周知の各種センサが含まれる。尚、図9ではセンサ系334を、レーザスキャナ系331、作像系332、給送、搬送系333と分けて記載したが、何れかの機構系に含めることでも良い。
<エンジン制御部>
次にエンジン制御部54の説明を行う。321はCPUであり、RAM323を主メモリ、ワークエリアとして利用する。EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory;フラッシュメモリ)324に格納される各種制御プログラムに従う。エンジン制御部54は前述したエンジン機構部58を制御する。
より具体的には、CPU321は、ビデオコントローラ200からエンジンI/F部211、エンジンI/F部325を介して入力されたプリント制御コマンド及び画像データに基づき、レーザスキャナ系331を駆動する。尚、バックアップ電池付きの揮発性メモリにより不揮発性メモリの代替をしても良い。また、CPU321は、作像系332、給送、搬送系333を制御することで、各種プリントシーケンスを制御する。また、CPU321はセンサ系334を駆動することで、作像系332、給送、搬送系333を制御する上で、必要な情報を取得する。
一方、ASIC322は、CPU321の指示のもと、上に述べた、各種プリントシーケンスを実行する上での各種モータの制御、現像バイアス等の高圧電源制御を行う。326は、アドレスバス及びデータバスを持つシステムバスである。エンジン制御部54の各構成要素は、システムバス326に接続され、互いにアクセス可能となっている。尚、CPU321の機能の一部、或いは全てをASIC322に行なわせても良く、また、逆にASIC322の機能の一部、或いは全てをCPU321に代わりに行なわせても良い。
<高圧電源装置>
次に、図10を用いて、図2の高圧電源装置41における一次転写高圧電源回路46aの構成について説明する。尚、他の色の一次転写高圧電源回路46b〜46dについても、図10に示す一次転写高圧電源回路46aと同じ回路構成であるので説明を省略する。
図10において、変圧器62は、駆動回路61によって生成される交流信号の電圧を数十倍の振幅に昇圧する。ダイオード64,65及びコンデンサ63,66によって構成される整流回路51は、昇圧された交流信号を整流・平滑化する。そして整流・平滑化された電圧信号は、出力端子53に直流電圧として出力される。比較器60は、検出抵抗67,68によって分圧された出力端子53の電圧と、エンジン制御部54によって設定された設定電圧55とが等しくなるよう、駆動回路61の出力電圧を制御する。出力端子53の電圧に従い、一次転写ローラ26a及び感光ドラム22a及び接地点57を経由して電流が流れる。
ここで、電流検出回路47aは、変圧器62の二次側回路52と接地点57との間に挿入されている。更にオペアンプ70の入力端子はインピーダンスが高く、電流が殆ど流れないので、接地点57から変圧器62の二次側回路52を経て出力端子53へ流れる直流電流は、略全て抵抗71に流れるように構成されている。
また、オペアンプ70の反転入力端子70aは、抵抗71を介して出力端子70bと接続されているので、非反転入力端子70cに接続されている基準電圧73に仮想接地される。従って、オペアンプ70の出力端子70bには、出力端子53に流れる電流量に比例した検出電圧56が現れる。尚、コンデンサ72は、オペアンプ70の反転入力端子70aを安定させるためのものである。
各種部材の劣化具合や機内温度等の環境等の要因により電流特性が変わってくる。エンジン制御部54は、印刷開始直後のトナー像が一次転写ローラ26aに到達する前のタイミングで電流検出回路47aの検出電圧56をA/D(アナログ/デジタル)入力ポートで測定する。そして、検出電圧56が予め定めた値となるように設定電圧55を設定する。これにより、周囲の温度や湿度等が変化してもトナー像の転写性能を一定に保つことが出来る。
<色ずれ補正制御動作>
次に感光ドラム22の表面上に対する潜像の書き出し位置検知(以下、「潜像レジ検知」という)について説明する。レーザスキャナユニット20により出射されるレーザ光21により露光されて感光ドラム22に検出用の静電潜像パッチ画像80が形成される。その検出用の静電潜像パッチ画像80が光照射位置Eから帯電ローラ23が対向する検知位置Dに到達するまでの時間間隔を、エンジン制御部54に含まれる測定手段(counting device)により測定する。この時間間隔を色ずれ補正制御の基準時間間隔(基準時間値)として予め設定しておく。
尚、測定手段による時間(時間間隔)の測定とは、静電潜像パッチ画像80を形成してから静電潜像パッチ画像80の検知位置Dへの到達を検知されるまでの期間に、所定の周波数で出力されるクロックが出力される数をカウントする。これにより、時間間隔に対応する値を取得することである。
画像形成装置10により、先ず中間転写ベルト30に図12に示す色ずれ検出用のパターン(マーク)400,401,402,403を形成し、色ずれ状態を無くす。その上で、連続印刷等の後に画像形成装置10内の温度が変化した際に実行する色ずれ補正制御を以下で説明する帯電高圧電源回路43の電流検出回路50で電流の変化を測定することにより行う。ここでエンジン制御部54により測定された感光ドラム22に形成された検出用の静電潜像パッチ画像80が光照射位置Eから帯電ローラ23が対向する検知位置Dに到達するまでの時間間隔の変化は、そのまま色ずれ量を反映したものである。
従って、印刷時には、これを打ち消すように制御する。感光ドラム22に形成された検出用の静電潜像パッチ画像80が光照射位置Eから帯電ローラ23が対向する検知位置Dに到達する到達までにかかる時間間隔を測定する前述した測定手段により測定する。エンジン制御部54は、測定手段によって測定された検知時間間隔と、予め設定された基準時間間隔との時間差を算出する。
この時間差に対応して光照射手段となるレーザスキャナユニット20の露光タイミングを補正する補正手段を兼ねるエンジン制御部54により補正する。エンジン制御部54により制御されるレーザスキャナユニット20がレーザ光21を照射するタイミングを調整し、色ずれを補正する。即ち、補正手段となるエンジン制御部54はレーザスキャナユニット20の光照射位置が基準の光照射位置から変動することに対応する補正を行う。
<基準時間値取得処理>
図11に示すフローチャートは、色ずれ補正制御における基準時間値取得処理を示す。先ず、図11のステップS501において、図1に示す色ずれ検出センサ40により図12に示す中間転写ベルト30の表面(ベルト上)に形成された色ずれ検出用のパターン400,401,402,403を検出し、通常の色ずれ補正制御が行われる。尚、感光ドラム22や現像スリーブ24等の部品が交換され、ステップS501の通常の色ずれ補正制御が実行されるとき、特定のタイミングの通常の色ずれ補正制御のみに対応させて図11に示すフローチャートを実行しても良い。また、図11に示すフローチャートは各色について独立して行われる。
先ず、通常の色ずれ補正制御について説明する。図11のステップS501において、エンジン制御部54は、前述した画像形成部により中間転写ベルト30上に色ずれ検出用のパターン400,401,402,403を形成する。色ずれ検出用のパターン400,401,402,403を形成する様子を図12に示す。
図12において、400と401はベルト搬送方向(副走査方向)の色ずれ量を検出するためのパターンを示す。また、402と403はベルト搬送方向と直交する方向(主走査方向)の色ずれ量を検出するためのパターンを示す。パターン402,403はベルト搬送方向(図12の上下方向)に対して45度傾いて形成された一例である。また、図12に示すtsf1〜tsf4、tmf1〜tmf4、tsr1〜tsr4、tmr1〜tmr4は各パターン400,401,402,403の検出タイミングを示す。図12中の矢印は中間転写ベルト30の移動方向を示す。
ここで、中間転写ベルト30の移動速度をv(mm/sec)、イエローYを基準色とする。ベルト搬送方向の色ずれ量を検出するためのパターン400,401のうちで各色(マゼンタM、シアンC、ブラックBk)とイエローYとのそれぞれのパターン間の理論距離をdsY(mm)、dsM(mm)、dsC(mm)とする。
イエローYを基準色とする。ベルト搬送方向(副走査方向)に関して、各色の色ずれ量δesは、イエローYとマゼンタMとの色ずれ量をδesM、イエローYとシアンCとの色ずれ量をδesC、イエローYとブラックBkとの色ずれ量をδesBkとする。各色の色ずれ量は、以下の数9式の(1)〜(3)で表わされる。
[数9]
δesM=v×{(tsf2−tsf1)+(tsr2−tsr1)}/2−dsY …(1)
δesC=v×{(tsf3−tsf1)+(tsr3−tsr1)}/2−dsM …(2)
δesBk=v×{(tsf4−tsf1)+(tsr4−tsr1)}/2−dsC …(3)
また、ベルト搬送方向と直交する方向(主走査方向)に関して、図12に示す中間転写ベルト30上の左右各々の各色の位置ずれ量δemf,δemrは以下の通りである。以下の数10式の(4)〜(6)及び数11式の(7)〜(9)で表わされる。
[数10]
δemfM=v×(tmf2−tsf2)−v×(tmf1−tsf1) …(4)
δemfC=v×(tmf3−tsf3)−v×(tmf1−tsf1) …(5)
δemfBk=v×(tmf4−tsf4)−v×(tmf1−tsf1) …(6)
[数11]
δemrM=v×(tmr2−tsr2)−v×(tmr1−tsr1) …(7)
δemrC=v×(tmr3−tsr3)−v×(tmr1−tsr1) …(8)
δemrBk=v×(tmr4−tsr4)−v×(tmr1−tsr1) …(9)
前記数10式及び数11式の計算結果の正負から、色ずれ方向が判断でき、数10式で示されるδemfから書き出し位置を補正する。また、前記数10式及び数11式で示されるδemr−δemfから主走査幅(主走査倍率)を補正する。尚、主走査幅(主走査倍率)に誤差がある場合は、書き出し位置はδemfのみでなく、主走査幅の補正に伴って変化した画像周波数の変化量を加味して算出する。
そして、演算された色ずれ量を解消するように、エンジン制御部54は、画像形成条件としてのレーザスキャナユニット20によるレーザ光21の出射(露光)タイミングを変更する。例えば、ベルト搬送方向(副走査方向)の色ずれ量が−4ライン分の量であれば、エンジン制御部54は、ビデオコントローラ200に、レーザ光21の出射タイミングを+4ライン分早めるよう指示する。
次に図11のステップS502で、エンジン制御部54は、感光ドラム22a〜22dの回転速度に変動がある場合の影響を抑制すべく、該感光ドラム22a〜22d間の回転位相関係を所定の状態に合わせる。具体的には、エンジン制御部54の制御のもと、基準色の位相に対して、他の色の感光ドラム22の位相を調整する。本実施形態では、感光ドラム22の回転軸に感光体ギア704が設けられ、該感光体ギア704に設けられるホームポジションフラグ706をホームポジションセンサ705により検知することで感光ドラム22の感光体ギア704の位相関係を調整する。
これにより、各感光ドラム22に現像されたトナー像が中間転写ベルト30に転写されるときの該感光ドラム22の表面の回転速度が略同じ、或いは同様の速度変動傾向になる。
具体的には、エンジン制御部54は、図3(b)に示す感光ドラム22を駆動するモータ700に対して、各感光ドラム22a〜22d間の回転位相関係を所定の状態に合わせるように速度制御を行う。尚、感光体ギア704や感光ドラム22の精度誤差や外径誤差等に起因する感光ドラム22の回転速度変動が無視できる程度に小さい場合は、ステップS502の処理を省略しても良い。
次に、図11のステップS503で、エンジン制御部54は、各感光ドラム22において所定の回転位相にて、レーザスキャナユニット20a〜20dによりレーザ光21を発光させ、該感光ドラム22の表面上に検出用の静電潜像パッチ画像80を形成する。
図13は、イエローYの感光ドラム22aを用いて、静電潜像パッチ画像80が感光ドラム22aの表面上に形成された様子を示す図である。静電潜像パッチ画像80は、主走査方向の画像領域幅において最大幅が約300mmで描かれ、中間転写ベルト30の搬送方向に30ラインパターンを持つ1パッチで構成されるものである。
尚、静電潜像パッチ画像80の主走査方向の幅については、良好な検出結果を得る意味では、最大幅(約300mm)の半分以上の幅で形成することが望ましい。このとき、例えば、現像スリーブ24aを感光ドラム22aから離した状態とすることで、静電潜像パッチ画像80は、トナーが付着されることがない。更に、一次転写ローラ26aを離間位置とした状態で感光ドラム22aの表面に形成された静電潜像パッチ画像80は帯電ローラ23aが対向する検知位置Dまで搬送される。また、現像高圧電源回路44a〜44dから出力される電圧を「0」にしたり、通常とは逆極性のバイアスを印加することで、静電潜像パッチ画像80にトナーを付着させないようにしても良い。
尚、一次転写ローラ26の離間は、図15(a)〜(c)に示すように、フルカラーモード、モノカラーモード、全離間モードから、図15(c)に示す全離間モードを選択することにより行われる。
一次転写ローラ26a〜26dは、離間レバー270に設けられた凹凸部に当接摺動して移動する位置決め部材260a〜260dにより回転可能に軸支されている。そして、離間カム271の回転により図15の左右方向に離間レバー270が移動する。これにより、図15(a)に示すように、全ての一次転写ローラ26a〜26dが中間転写ベルト30を介して感光ドラム22a〜22dに当接するフルカラーモードを有する。
更に、図15(b)に示すように、一次転写ローラ26dのみが中間転写ベルト30を介して感光ドラム22dに当接し、他の一次転写ローラ26a〜26cが中間転写ベルト30から離間するモノカラーモードを有する。更に、図15(c)に示すように、全ての一次転写ローラ26a〜26dが中間転写ベルト30から離間する全離間モードを有する。
離間レバー270は、画像形成装置10本体により駆動される離間カム271の1/4周回転毎に図15(a)に示すフルカラーモード、図15(b)に示すモノカラーモード、図15(c)に示す全離間モードの3つのポジションへ移動可能である。
離間レバー270には、フォトセンサ272により遮光、透光を検知して各モードを判別するモード検知部が設けられている。フォトセンサ272により、図16に示すような、遮光、透光を検知することで、図15(a)〜(c)に示すフルカラーモード、モノカラーモード、全離間モードの3つのポジションを検知する。
一次転写ローラ26a〜26dは、スタンバイ時は全ての一次転写ローラ26a〜26dが図15(c)に示す全離間モードの状態となっている。
エンジン制御部54は、図11のステップS504において、前記ステップS503の処理と同時或いは略同時にイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBkの夫々に対応して用意されたタイマーをスタートさせる。つまり、エンジン制御部54の測定手段によるカウントを開始する。また、帯電ローラ23に接続された電流検出回路50により電流の検出値のサンプリングを開始する。このとき、サンプリング周波数は、例えば10kHzである。
そして、エンジン制御部54は、図11のステップS504で、前記ステップS503のサンプリングにより取得された電流検出回路50の検出値データを基に検出値が極大になる時刻でエンジン制御部54の測定手段によるカウントを停止する。そして、到達時刻を求める(ステップS505)。つまり、測定手段によってカウントを開始してから停止するまでのカウント値が、静電潜像パッチ画像80を形成した時刻から電流検出回路50の検出値が極大になる時刻までの時間間隔に相当する。
感光体ギア704のホームポジションフラグ706を検知したホームポジションセンサ705の出力値91に基づいて同期された感光体ギア704は、静電潜像パッチ画像80による測定を行う。その際、常に感光体ギア704の回転周期が同一となるようなタイミングで静電潜像パッチ画像80が画かれる。従って、本実施形態の構成においては、感光ドラム22及び感光体ギア704の精度に起因する測定誤差は無視できるものとなる。
次に図11のステップS506において、エンジン制御部54は、前記ステップS504、S505で求められた静電潜像パッチ画像80を形成した時刻から電流検出回路50の検出値が極大になる時刻までの時間間隔(カウント値)をカウントする。そして、基準時間値(基準時間間隔に相当する)としてEEPROM324に記憶する。尚、EEPROM324は、例えばバックアップ電池付きのRAM等でも良い。
<出力電流値検出>
ここで、図11のステップS505について詳しく説明する。図14(a)に示すように、静電潜像パッチ画像80が帯電ローラ23aに到達した時の電流検出回路50aの出力電流値90を矩形波92とし、該矩形波92がHigh(ハイ)値となる時間を測定することが好適な理由を説明する。これは、電流検出回路50aの出力電流値90の絶対値が環境変動、耐久変動に伴って変化する場合においても、静電潜像パッチ画像80が帯電ローラ23aに到達するタイミングを正確に測定することが出来るためである。
同時に、極大値、極小値により、閾値が変更可能な構成となっていれば、より正確な、極大、極小の中点を検知可能となる。また、検出用の静電潜像パッチ画像80を図13に示すような形状にした理由は、主走査方向に広いパターンとすることで帯電ローラ23aにより検出する電流値の変化を大きくするためである。また、感光ドラム22の回転方向(副走査方向)に数ライン分の幅とすることで電流値の大きな変化を保ちつつ極大となる点が鋭く現れコントラストが大となる。
尚、静電潜像パッチ画像80の最適な形は画像形成装置10の構成によって異なる。本実施形態で用いた感光ドラム22の回転方向(副走査方向)に30ライン分の幅とする。更に、感光ドラム22の軸方向(主走査方向)に約300mm幅の単一パターンを持つ。しかし、この形状に限定するものでは無い。
図17に示して後述するフローチャートを実行する。そのときに、静電潜像パッチ画像80が帯電ローラ23aに到達した時の電流検出回路50aの出力電流値90の検出結果を求める。その検出結果から前記図11のフローチャートで出力電流値90を検出した感光ドラム22の表面上の位置と合致する位置を検出できれば良い。
そのような態様であれば、様々な検出結果による感光ドラム22の表面上の位置を図11及び図17のステップS505における出力電流値90を検出したか否かの判断対象に適用することができる。また、後述する第2実施形態の図27及び図28のフローチャートについても同様である。
上述したS503〜S506を実行し、基準時間値を取得した状態を基準状態として定義する。本実施形態では、この基準状態において、感光ドラム22が光照射位置Eから検知位置Dまで回転する間に、モータギア701、アイドラ段ギア702が整数回回転するようになっている。
そして、次に説明する帯電ローラ23を用いた色ずれ補正制御動作を実行することで、この基準状態を基準として、レーザスキャナユニット20によるレーザ光21の光照射位置Eが変動することに対応するための補正を行う。
<帯電ローラを用いた色ずれ補正制御動作>
次に、図17のフローチャートを用いて、本実施形態における帯電ローラ23を用いた色ずれ補正制御について説明を行う。帯電ローラ23を用いた色ずれ補正制御動作は、上述の基準時間値取得処理を実行した後、1つのジョブの実行、または、複数のジョブを連続して実行等により、連続して複数枚のプリントを実行した場合に実行される。尚、図17のフローチャートは各色について独立して行われるものとする。
上述の基準時間値取得処理を実行した後、連続して複数枚のプリントを実行することにより、レーザスキャナユニット20によりレーザ光21が照射される光照射位置Eが変動してしまう。これにより、静電潜像パッチ画像80が光照射位置Eから帯電ローラ23に対向する検知位置Dに到達するまでの時間間隔も変化してしまう。
この変化を検出するために、図17のフローチャートを実行し、前記図11のフローチャートと同様に、静電潜像パッチ画像80を形成し、これが検知位置Dに到達するまでの時間間隔を測定する。図17のステップS502〜S505の詳細については、前記図11に示して前述したステップS502〜S505と同様の処理を行うため説明を省略する。尚、静電潜像パッチ画像80を形成した時刻から電流検出回路50の検出値が極大になる時刻までの時間間隔に相当する、測定手段によってカウントを開始してから停止するまでのカウント値を検知時間間隔とする。
そして、図17のステップS1001において、エンジン制御部54は、検知時間間隔と基準時間値とを比較する。検知時間間隔は、図17のステップS505で静電潜像パッチ画像80の検出によって帯電ローラ23に流れる電流の検出値が極大になる時間(カウント値)である。基準時間値は、前記図11のステップS506で保存した基準時間間隔に相当する基準時間値である。
図17の前記ステップS1001において、検知時間間隔(カウント値)が基準時間値よりも大きい場合がある。その場合は、ステップS1002において、補正手段となるエンジン制御部54は、印刷時にレーザスキャナユニット20によるレーザ光21の出射タイミングを早めるように補正する。
また、図17の前記ステップS1001において、検知時間間隔(カウント値)が基準時間値よりも小さい場合がある。その場合は、ステップS1003において、補正手段となるエンジン制御部54は、印刷時にレーザスキャナユニット20によるレーザ光21の出射タイミングを遅らせるように補正する。尚、検知時間間隔と基準時間間隔とが等しい場合は、レーザスキャナユニット20によるレーザ光21の出射タイミングは変更しない。
即ち、図17のステップS1002及びステップS1003における画像形成条件補正処理により、感光ドラム22の回転軸に偏りが有る場合や感光体ギア704のギア精度上の外径誤差による色ずれの補正を行うことが出来る。
尚、本実施形態で示したように、感光ドラム22の表面上に形成された静電潜像パッチ画像80の検出誤差を21μm以内とする。その場合には、アイドラ段ギア702が整数回回転する間に感光体ギア704が、光照射位置Eから検知位置Dまで移動する過程において、該検知位置Dの感光ドラム22の回転方向の角度誤差が約7度以内であれば良い。
図14に電流検出回路50a検出結果の一例を示す。図14(a)は、上述した図11に示すフローチャートの基準時間値取得における静電潜像パッチ画像80が帯電ローラ23aに到達した時の電流検出回路50aの出力電流値90を示す。また、図14(a)には、感光体ギア704のホームポジションフラグ706を検知したホームポジションセンサ705の出力値91を重ね合わせて示している。また、電流検出回路50aの出力電流値90を矩形波として検出したものが矩形波92である。図14(a)の横軸は感光ドラム22aの回転方向の表面位置を角度表示したものである。
感光体ギア704のホームポジションフラグ706を検知したホームポジションセンサ705の出力値91に基づいて同期された感光体ギア704は、静電潜像パッチ画像80による測定を行う。その際、常に感光体ギア704の回転周期が同一となるようなタイミングで静電潜像パッチ画像80が画かれる。従って、本実施形態の構成においては、感光ドラム22及び感光体ギア704精度に起因する測定誤差は無視できるものとなる。
図14(b)は、上述した図17のフローチャートに示す帯電ローラ23を用いた色ずれ補正制御動作における静電潜像パッチ画像80が帯電ローラ23aに到達した時の電流検出回路50aの出力電流値90aを示す。このとき、検知した静電潜像パッチ画像80は、レーザスキャナユニット20によって、基準時間値取得処理の時と感光体ギア704の回転周期が同一となるようなタイミングで描かれている。図14(b)に示すように、静電潜像パッチ画像80が帯電ローラ23aに到達した時の電流検出回路50aの出力電流値90よりも時間t後に出力電流値90aが検出されている。
この場合、レーザスキャナユニット20による露光時刻を起点として静電潜像パッチ画像80の帯電ローラ23aへの到達による電流検出回路50aの出力電流値90が変化するまでの時刻の間の間隔がそれぞれ基準時間間隔と検知時間間隔である。そしてその2つの時間間隔の差分(時間t)が、感光ドラム22の表面上の光照射位置Eの変動量となる。
上記構成により、感光ドラム22の回転に伴なってレーザスキャナユニット20により感光ドラム22の表面を露光して検出用の静電潜像パッチ画像80を形成する。光照射位置Eで静電潜像パッチ画像80を形成してから、検知手段となる帯電ローラ23により検知された検出用の静電潜像パッチ画像80が検知位置Dに到達するまでの検知時間間隔の測定手段を兼ねるエンジン制御部54により測定する。
そして、測定した検知時間間隔と、予め設定された基準時間間隔との時間差に対応して、補正手段を兼ねるエンジン制御部54により、レーザスキャナユニット20の露光タイミングを補正する。これにより、レーザスキャナユニット20によるレーザ光21の感光ドラム22上の光照射位置Eの変動に対応してレーザスキャナユニット20の露光タイミングを補正することが出来る。
そして、本実施形態では、基準状態において、感光ドラム22が光照射位置Eから検知位置Dまで回転する間に、感光ドラム22を回転させる回転部材が整数回回転する。換言すれば、基準状態において、レーザスキャナユニット20が光照射位置Eで感光ドラム22に形成した画像(潜像)は、回転部材が整数回回転すると、検知位置に到達する。これにより回転部材の精度誤差や外径誤差等に起因する感光ドラム22の表面の回転速度の変動を考慮する必要が無く、光照射位置Eで静電潜像パッチ画像80が形成されてから検知位置Dで検知されるまでの時間を精度良く検知することができる。
尚、本実施形態では、感光ドラム22上の静電潜像パッチ画像80の到達を帯電ローラ23で検知する構成であったが、検知方法はこれに限定されない。
つまり、帯電ローラ23の位置に感光ドラム22の表面の電位を検知する電位センサを設け、この位置を検知位置Dとしても良い。このような電位センサを用いた構成に前述した本実施形態を適用して、基準状態において、レーザスキャナユニット20が光照射位置Eで感光ドラム22に形成した潜像が、回転部材が整数回回転すると、検知位置Dに到達する構成としても良い。
また、帯電ローラ23の位置に感光ドラム22上のトナーを検知するトナー検知センサを設け、この位置を検知位置Dとし、静電潜像パッチ画像80を現像装置25で現像してトナーパッチ画像を形成し、これを検知位置Dで検知するようにしても良い。この場合、帯電ローラ23は検知位置Dの下流側で且つ光照射位置Eの上流側に配置すれば良い。
このようなトナー検知センサを用いた構成に前述した本実施形態を適用して、基準状態において、レーザスキャナユニット20が光照射位置Eで感光ドラム22に形成した潜像が、回転部材が整数回回転する。すると、トナー像となって検知位置Dに到達する構成としても良い。この場合も、帯電ローラ23は検知位置Dの下流側で且つ光照射位置Eの上流側に配置すれば良い。
次に図19〜図29を用いて本発明に係る画像形成装置の第2実施形態について説明する。前記第1実施形態では、図3(b)に示すように、各感光ドラム22がそれぞれのモータ700により回転駆動される。本実施形態では、図20(b)に示すように、各感光ドラム22が単一のモータ720により回転駆動される。尚、前記第1実施形態と同様に構成されるものは同一の符号を付して説明を省略する。
図19は本実施形態の画像形成装置10を示す断面説明図である。図20(a)は本実施形態における光照射手段となるレーザスキャナユニット20による光照射位置Eと、検出用の静電潜像パッチ画像80の検知位置Dを示す図である。
図20(a)において、感光体となる感光ドラム22の周囲には、現像スリーブ24、中間転写ベルト30、一次転写ローラ26、前露光装置230、検知手段であって帯電手段となる帯電ローラ23が配置されている。
帯電ローラ23には、図2に示して前述した帯電高圧電源回路43内に電流検出回路50が備えられ、感光ドラム22の表面に画かれる検出用の静電潜像パッチ画像80により生成される電位差を電流として検知する。
このとき、光照射位置Eから検知手段となる帯電ローラ23が対向する検知位置Dまでの感光ドラム22の回転方向の回転角度αが340.4度となるように構成されている。光照射位置Eは光照射手段となるレーザスキャナユニット20から出射されるレーザ光21により露光される感光ドラム22の表面上の位置である。
図20(b)に本実施形態の各感光ドラム22を回転駆動する駆動系のギア構成を示す。
図20(b)において、駆動源となるモータ720の駆動軸にはモータギア721が固定されている。モータギア721にはアイドラギア722が噛合している。アイドラギア722には2つのアイドラ段ギア723のそれぞれの大径ギア723aが噛合している。2つのアイドラ段ギア723のそれぞれの小径ギア723bにはそれぞれ2つずつで全部で4つの感光体ギア724a,724b,724c,724dがそれぞれ噛合している。
これよりモータ720の回転駆動力がモータギア721、アイドラギア722、2つのアイドラ段ギア723を介して感光体ギア724a,724b,724c,724dへそれぞれ伝達される。これらのギア列は、回転することにより感光ドラム22を回転駆動する回転部材を構成する。感光ドラム22a,22b,22c,22dは、それぞれの感光体ギア724a,724b,724c,724dと同軸上に配置され、図示しないジョイントカップリングを介して回転駆動力が伝達される。
尚、本実施形態においても記述の煩雑化を防ぐために、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBkの4つの感光ドラム22a,22b,22c,22dを感光ドラム22で代表させて説明する。そして、感光体ギア724a,724b,724c,724dを感光体ギア724で代表させて説明する。関連する各画像形成プロセス手段についても同様とする。
本実施形態の感光体ギア724a〜724dは、アイドラ段ギア723に対して所定の位相を持ってギア配列されている。
この所定の位相とは、第一の色ステーションが感光体ギア724aにより駆動されている。そして、該感光体ギア724aがアイドラ段ギア723の小径ギア723bと噛み合う噛合位置725aにおいて、該感光体ギア724aがアイドラ段ギア723の小径ギア723bと噛み合った状態で露光が開始される。
そうすると、続いて転写される色ステーションが感光体ギア724bにより駆動される。このとき、該感光体ギア724bが該アイドラ段ギア723の小径ギア723bと噛み合う噛合位置725bにおいて、同一の位相で露光が開始されるように、角度θbだけ位相が遅れる方向に配置される。同様に、感光体ギア724c,724dについても同様にそれぞれ位相をずらした状態で配置される。
このような感光体ギア724a〜724dの位相配置構成により異なるステーション間で同一位相で画像を画くことができる。図3(b)に示して前述した第1実施形態のように感光体ギア724上に位相検知フラグとしてのホームポジションフラグ706を設ける必要がない。
また、感光ドラム22aの回転軸に無視できない偏りが有る場合、レーザスキャナユニット20によりレーザ光21が露光される光照射位置Eから静電潜像パッチ画像80が帯電ローラ23と対向する検知位置Dに到達するまでの時間の測定結果も変化してしまう。
そこで、本実施形態では、感光ドラム22の表面上の1周内において、2回の静電潜像パッチ画像80を形成する。感光ドラム22の表面上の1回目の静電潜像パッチ画像80に対して、該感光ドラム22の表面上の位相が該感光ドラム22の回転方向に180度異なる位置に2回目の静電潜像パッチ画像80を形成する。
そして、この2つの静電潜像パッチ画像80の到達を検知手段となる帯電ローラ23により検知位置Dで検知する。そして、レーザスキャナユニット20によりレーザ光21が露光される光照射位置Eから、それぞれの静電潜像パッチ画像80が帯電ローラ23と対向する検知位置Dに到達するまでの検知時間間隔を測定する測定手段となるエンジン制御部54により測定する。そして、その検知時間間隔の平均値を検知時間間隔として用いて、前記第1実施形態と同様に色ずれ補正を実施する。
前記第1実施形態と同様に、上記駆動構成において、図13に示す静電潜像パッチ画像80を第1のパターンとして感光ドラム22の表面上にレーザスキャナユニット20により露光して形成する。
更に、図示しないが、前記第1のパターンに対して該感光ドラム22の回転方向に180度異なる位置に位相をずらした静電潜像パッチ画像80を第2のパターンとして感光ドラム22の表面上にレーザスキャナユニット20により露光して形成する。
本実施形態では30dot(約1.2mm)×300mmの横帯状の静電潜像パッチ画像80を感光ドラム22の表面上にレーザスキャナユニット20により露光して形成する。
そして、第1、第2のパターンの静電潜像パッチ画像80を帯電ローラ23により該静電潜像パッチ画像80により生成される電位差を電流として検知する。
このとき、感光ドラム22の回転により図20(a)に示す光照射位置Eで形成された静電潜像パッチ画像80が該光照射位置Eから帯電ローラ23と対向する検知位置Dに到達する検知時間間隔を測定手段としてのエンジン制御部54により測定する。
前記第1実施形態と同様に、静電潜像パッチ画像80を帯電ローラ23にて検知する際、回転する感光ドラム22の表面は、常に一定の速度とはなっておらず、速度変動が発生する。
この速度変動の大きな要因は、回転部材となるモータギア721、アイドラギア722、アイドラ段ギア723、感光体ギア724のギア精度誤差や外径誤差により、見かけ上のギア半径が回転角度により異なることで発生する。
ここで、本実施形態におけるモータ720から感光ドラム22に至る回転部材となる駆動伝達ギア列の駆動構成について説明する。
図29に示すように、感光ドラム22に固定された感光体ギア724が1回転する間に、アイドラ段ギア723及びアイドラギア722は4.2回転する。また、モータギア721は38.1回転する。
また、感光ドラム22に固定された感光体ギア724が図20(a)に示す光照射位置Eから感光ドラム22の回転方向に帯電ローラ23が対向する検知位置Dに到達するまでに各ギアが回転する。その各ギアの回転数は感光体ギア724が0.95回転、アイドラ段ギア723及びアイドラギア722がそれぞれ4回転、モータギア721が36回転する。
本実施形態において、上記各ギアがJGMA(日本歯車工業会規格)2級相当で作製されているとき、バックラッシュ(歯面間の遊び)による感光ドラム22の表面上での位置変動量が約16μmであるとする。このときの速度変動量(振幅)を1としたとき、図21(a)に示すように、感光ドラム22の1回転で発生するモータギア721での速度変動量(振幅)は36周期で0.14の速度変動が現れる。
また、図21(b)に示すように、感光ドラム22の1回転で発生するアイドラギア722での速度変動量(振幅)は4周期で0.19の速度変動が現れる。また、図22(a)に示すように、感光ドラム22の1回転で発生するアイドラ段ギア723での速度変動量(振幅)は4周期で1.1の速度変動が現れる。
また、図22(b)の破線で示すように、感光ドラム22の1回転で発生する感光体ギア724での速度変動量(振幅)は1周期で1.0の速度変動が現れる。
図20(a)に示すように、帯電ローラ23が対向する検知位置Dで、感光ドラム22の表面上に画かれる検出用の静電潜像パッチ画像80を検知する際、光照射位置Eを0度とした場合、感光ドラム22の回転方向に340.4度の位置で検知される。
図22(b)は、感光ドラム22の表面上の位置を横軸、速度変動量を縦軸にとったグラフである。感光ドラム22の表面上の各点(各極座標点)が光照射位置Eを通過する時の速度変動を鎖線で示す。感光ドラム22の表面上の各点が検知位置Dを通過するときの速度変動を一点鎖線で示す。このように鎖線と一点鎖線の位相が340.4°ずれているのは、感光ドラム22の表面上の各点は光照射位置Eを通過後に340.4°回転して検知位置Dを通過するからである。
このとき、バックラッシュ(歯面間の遊び)による感光ドラム22の表面上の検出用の静電潜像パッチ画像80の速度変動は、光照射位置Eで発生する速度変動と、検知位置Dで発生する速度変動との差分である実線(図22(b))で示される。
そして、感光ドラム22の表面上の各点における光照射位置Eでの速度変動と、検知位置Dでの速度変動との差分は、鎖線と一点鎖線の差分であり、図22(b)の実線で表される。
モータギア721成分の速度変動については、静電潜像パッチ画像80が光照射位置Eの時に発生すると、静電潜像パッチ画像80が検知位置Dで発生する周期とで3/4周期のずれが発生する。
ここで、光照射位置Eでは、モータ720の1回転目の成分で、帯電ローラ23に到達する検知位置Dでは36/38.1回転目の成分で同位相となる。そして、図23(a)に示すように、光照射位置Eで発生する速度変動と、検知位置Dで発生する速度変動との差分は0となる。
即ち、感光ドラム22が光照射位置Eから検知位置Dまで回転する間に感光ドラム22を回転駆動する回転部材となる駆動伝達ギアを構成するモータギア721が整数回回転する。これによりモータギア721の精度誤差や外径誤差等に起因する感光ドラム22の表面の回転速度の変動を考慮する必要が無い。
更に、アイドラギア722でも同様に、光照射位置Eで発生する周期と、検知位置Dで発生する周期とで4/38.1周期での差分は、光照射位置Eでのモータ720の1回転目の成分である。帯電ローラ23に到達する検知位置Dではモータ720の4回転目の成分である。その差分は同位相となる。図23(b)に示すように、光照射位置Eで発生する周期と、検知位置Dで発生する周期との二つの差分は0となる。
即ち、感光ドラム22が光照射位置Eから検知位置Dまで回転する間に感光ドラム22を回転駆動する回転部材となる駆動伝達ギアを構成するアイドラギア722が整数回回転する。これによりアイドラギア722の精度誤差や外径誤差等に起因する感光ドラム22の表面の回転速度の変動を考慮する必要が無い。
更に、アイドラ段ギア723でも同様に、光照射位置Eで発生する周期と、検知位置Dで発生する周期とで4/38.1周期での差分は、光照射位置Eでのモータ720の1回転目の成分である。帯電ローラ23に到達する検知位置Dではモータ720の4回転目の差分である。その差分は同位相となる。図24(a)に示すように、光照射位置Eで発生する周期と、検知位置Dで発生する周期の二つの差分は0となる。
即ち、測定手段を兼ねるエンジン制御部54に設けられた図示しないタイマーにより検知時間間隔を測定する。そして、感光ドラム22が光照射位置Eから検知位置Dまで回転する間に該感光ドラム22を回転駆動する回転部材となる駆動伝達ギアを構成するアイドラ段ギア723が整数回回転する。これによりアイドラ段ギア723の精度誤差や外径誤差等に起因する感光ドラム22の表面の回転速度の変動を考慮する必要が無い。
上記構成により感光体ギア724上での検知成分は、結果的に図24(b)に示されるように、モータギア721、アイドラギア722、アイドラ段ギア723により発生する速度変動量(振幅)の和は0となる。感光体ギア724の単体で発生する速度変動量(振幅)が検出用の静電潜像パッチ画像80の検知時に加味される。
尚、本実施形態では、前述したように、第1、第2の検出用の静電潜像パッチ画像80を感光ドラム22の表面上で、該感光ドラム22の回転方向に180度位相を変えた位置に形成する。これにより、感光体ギア724の単体で発生する速度変動量(振幅)成分、及び感光ドラム22による1回転周期を平均化可能である。
次に、帯電ローラ23が配置される検知位置Dが、光照射位置Eに対して感光ドラム22の回転方向に340.4度の位置よりもずれている場合の検知誤差について説明する。
その一例として、帯電ローラ23が配置される検知位置Dが、光照射位置Eに対して感光ドラム22の回転方向に340.4度の位置よりも12度ずれた352.4度の位置にある場合の各ギアの速度変動成分及びそれによる検知誤差について説明する。
図25(a)は感光ドラム22の1回転で発生するモータギア721の速度変動成分を示す。本実施形態においてレーザスキャナユニット20による光照射位置Eから、検出用の静電潜像パッチ画像80の検知位置Dまでが感光ドラム22の回転方向に352.4度の位置にある。図20(a)に示す340.4度よりも12度の位相ずれを起こしている場合である。
図25(a)に示すグラフは、モータギア721の速度変動量(振幅)をΔVm、感光体ギア724の回転角度をθとする。更に、図21(a)に示すように、感光ドラム22の1回転で発生するモータギア721での速度変動量(振幅)を0.14とする。このとき、モータギア721の速度変動量(振幅)ΔVmは以下の数12式で表わされる。
[数12]
ΔVm=|0.14×{sin(θ)−sin(352.4°)}|
図25(b)は感光ドラム22の1回転で発生するアイドラギア722の速度変動成分を示す。本実施形態においてレーザスキャナユニット20による光照射位置Eから、検出用の静電潜像パッチ画像80の検知位置Dまでが感光ドラム22の回転方向に352.4度の位置にある。図20(a)に示す340.4度よりも12度の位相ずれを起こしている場合である。
図25(b)に示すグラフは、アイドラギア722の速度変動量(振幅)をΔVi1、感光体ギア724の回転角度をθとする。更に、図21(b)に示すように、感光ドラム22の1回転で発生するアイドラギア722での速度変動量(振幅)を0.19とする。このとき、アイドラギア722の速度変動量(振幅)ΔVi1は以下の数13式で表わされる。
[数13]
ΔVi1=|0.19×{sin(θ)−sin(352.4°)}|
図26(a)は感光ドラム22の1回転で発生するアイドラ段ギア723の速度変動成分を示す。本実施形態においてレーザスキャナユニット20による光照射位置Eから、検出用の静電潜像パッチ画像80の検知位置Dまでが感光ドラム22の回転方向に352.4度の位置にある。図20(a)に示す340.4度よりも12度の位相ずれを起こしている場合である。
図26(a)に示すグラフは、アイドラ段ギア723の速度変動量(振幅)をΔVi2、感光体ギア724の回転角度をθとする。更に、図22(a)に示すように、感光ドラム22の1回転で発生するアイドラ段ギア723での速度変動量(振幅)を1.1とする。このとき、アイドラ段ギア723の速度変動量(振幅)ΔVi2は以下の数14式で表わされる。
[数14]
ΔVi2=|1.1×{sin(θ)−sin(352.4°)}|
図25(a),(b)及び図26(a)で示されるモータギア721、アイドラギア722及びアイドラ段ギア723のそれぞれの速度変動量(振幅)の最大値の和が、図26(b)に示すように感光体ギア724に発生する。図26(b)は図25(a),(b)及び図26(a)で示されるモータギア721、アイドラギア722及びアイドラ段ギア723のそれぞれの速度変動量(振幅)を合成したものである。これがモータ720から感光ドラム22に至る回転部材となる駆動伝達ギア列の最大速度変動量(振幅)となり、このときの最大速度変動量(振幅)Vmaxは、図26(b)のグラフから以下の数15式で表わされる。
[数15]
Vmax≒1.3
これにより、感光ドラム22の表面上の位置変動量ΔSdは以下の数16式で表わされる。
[数16]
ΔSd≒16μm×Vmax=16×1.3≒21μm
即ち、感光ドラム22がレーザスキャナユニット20によりレーザ光21が照射される光照射位置Eから帯電ローラ23が対向する検知位置Dまで回転する。その間に該感光ドラム22に固定される感光体ギア724と、アイドラ段ギア723との回転角度の位相差が7度あると、感光ドラム22の表面上での検出誤差として約21μmの最大検知誤差が発生し得ることを示している。
<基準時間値取得処理>
図27に示すフローチャートは、本実施形態における色ずれ補正制御における基準時間値取得処理を示す。尚、図27のステップS1201〜S1205は、前記第1実施形態の図11に示して前述したステップS501〜S505と同様であるため説明を省略する。
図27のステップS1205において、エンジン制御部54は、図27のステップS1204で、サンプリングにより取得された色ずれ検出センサ40の検出値データを基にする。そして、静電潜像パッチ画像80の検出によって帯電ローラ23に流れる電流の検出値が極大になる時間(カウント値)を基準時間間隔として求める。
ステップS1206では、感光ドラム22の表面上に位相をずらして形成した2つの静電潜像パッチ画像80の測定が完了するまでステップS1203〜S1206を繰り返す。
ステップS1207では、感光ドラム22の表面上に位相をずらして形成した2つの静電潜像パッチ画像80の検出によってそれぞれ帯電ローラ23に流れる電流の検出値が極大になる時間(カウント値)の平均値を算出する。
次にステップS1208において、エンジン制御部54は、前記ステップS1207で算出した平均値の時間(カウント値)を、基準時間値としてEEPROM324に記憶する。
<色ずれ補正制御動作>
次に、図28のフローチャートを用いて、本実施形態における色ずれ補正制御について説明を行う。尚、図28のフローチャートは各色について独立して行われるものとする。
先ず、図28のステップS1202〜S1207については、前記図27に示して前述したステップS1202〜S1207と同様の処理を行うため説明を省略する。感光ドラム22の回転軸に偏りが有る場合や感光体ギア704のギア精度上の外径誤差がある。これによりレーザスキャナユニット20によりレーザ光21が露光される光照射位置Eから静電潜像パッチ画像80が帯電ローラ23が対向する検知位置Dに到達するまでの時間も変化してしまう。この変化を検出するために、図28のステップS1203でも、前記図27のステップS1203と同じ光照射位置Eで静電潜像パッチ画像80を形成する。
そして、図28のステップS1301において、エンジン制御部54は検知時間間隔の平均値と基準時間間隔とを比較する。図28のステップS1205で、感光ドラム22の表面上で位相が異なる2つの静電潜像パッチ画像80のそれぞれを検出して2つの検知時間間隔(カウント値)を測定する。そして、ステップS1207において算出した2つの検知時間間隔の平均値と、前記図27のステップS1208で保存した基準時間値とを比較する。
図28の前記ステップS1301において、感光ドラム22の表面上の位相が異なる2つの静電潜像パッチ画像80の検出によって得られた2つの検知時間間隔(カウント値)の平均値が基準時間値よりも大きい場合がある。その場合は、ステップS1302において、補正手段となるエンジン制御部54は、印刷時にモータ720を加速して感光ドラム22の回転速度を速くするように補正する。
また、図28の前記ステップS1301において、感光ドラム22の表面上の位相が異なる2つの静電潜像パッチ画像80の検出によって得られた2つの検知時間間隔(カウント値)の平均値が基準時間値よりも小さい場合がある。その場合は、ステップS1303において、補正手段となるエンジン制御部54は、印刷時にモータ720を減速して感光ドラム22の回転速度を速くするように補正する。尚、検知時間間隔の平均値と基準時間間隔とが等しい場合はモータ720の回転速度を変更しない。
即ち、図28のステップS1302及びステップS1303における画像形成条件補正処理により、感光ドラム22の回転軸に偏りが有る場合や感光体ギア724のギア精度上の外径誤差による色ずれの補正を行うことが出来る。
即ち、本実施形態では、感光ドラム22の回転に伴なってレーザスキャナユニット20により感光ドラム22の表面を露光して検出用の静電潜像パッチ画像80を形成する。そして、検知手段となる帯電ローラ23により検知された検出用の静電潜像パッチ画像80が検知位置Dに到達するまでの検知時間間隔を測定手段を兼ねるエンジン制御部54により測定する。
その測定された検知時間間隔と、予め設定された基準時間間隔との時間差を算出する。その時間差に対応して、補正手段を兼ねるエンジン制御部54により、感光ドラム22を回転駆動する駆動源となるモータ720の回転速度を補正する。これにより、駆動伝達ギア等の回転ムラにより発生する感光ドラム22の回転ムラに対応して結果的にレーザスキャナユニット20の露光タイミングを補正することが出来る。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることができる。
尚、本実施形態で示したように、感光ドラム22の表面上での検出誤差を21μm以内とする。その場合、感光体ギア724とアイドラギア722及びアイドラ段ギア723とが整数回回転する。その間に感光ドラム22の表面上の光照射位置Eから検知位置Dまでの移動距離において、図20(a)に示す検知位置Dの角度誤差が12度以内であれば良い。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。