JP5168644B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、複数の潜像担持体にそれぞれ形成した互いに異なる色の可視像を無端移動体の表面、あるいは同表面に保持している記録部材に重ね合わせて転写して他色像を得る画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置として、潜像担持体たる複数の感光体にそれぞれ互いに異なる色のトナー像を形成し、これらを記録紙や中間転写体などに重ね合わせて転写してカラー画像を得るものが知られている。このような画像形成装置では、各色のトナー像の転写位置が相対的にずれると、カラー画像に色ズレが発生してしまう。かかる色ズレは、各色トナー像の副走査レジストズレやスキューズレ(以下、これらをまとめて位置ズレという)などによって発生する。副走査レジストズレは、トナー像の正規の転写位置が記録紙や中間転写体の移動方向である副走査方向に全体的にずれてしまう現象である。また、スキューズレは、感光体に対する主走査方向の光走査線の方向が、感光体の軸線方向からずれてしまう現象である。
これらの位置ズレの主な原因は、反射ミラーやレンズなどといった潜像書込系部品が温度変化に伴って伸縮することにある。複数の記録紙に対して連続して画像を形成する連続プリント動作中には、潜像書込装置が昇温を続けることから、連続動作時間が長くなるに従って色ズレ量が増加していく。
かかる色ズレを低減する画像形成装置として、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置は、所定枚数のプリントを行う毎に、次のようなズレ補正処理を行う。即ち、各色の感光体にそれぞれ形成したトナー像をベルト上に並べて転写した後、それらトナー像を像検知手段としての光学センサで検知したタイミングに基づいて各色トナー像の位置ズレ量を検出する。そして、検出結果に基づいて、潜像書込開始タイミングを補正することで、副走査レジストズレ量を低減することができる。しかしながら、連続プリント動作中においては、図1に示すように、所定枚数のプリントを実施する毎に連続プリント動作を一時中断して上述したズレ補正処理を行うことになるので、全てのプリントを終えるまでに長時間を要してしまう。
一方、特許文献2においては、次のような画像形成装置が記載されている。即ち、この画像形成装置は、各色のトナー像についてそれぞれ、連続プリント実施時間に基づいて正規位置からの位置ズレ量を求めるための計算式を予めデータ記憶手段に記憶している。そして、連続プリント動作中には、連続プリント動作を中断することなく、その計算式に基づいて各色のトナー像の位置ズレ量を算出し、算出結果に基づいて各色の潜像書込開始タイミングを補正して副走査レジストズレ量を低減する。かかる構成によれば、ズレ補正処理の実施のために連続プリント動作を一時中断することによるプリント時間の長期化を回避することができる。
特開2003−149905号公報 特開2007−182018号公報
しかしながら、本発明者らは実験により、特許文献2に記載の画像形成装置では、計算式に基づいて潜像書込開始タイミングを補正するにより、色ズレを却って悪化させてしまうおそれがあることを見出した。具体的には、本発明者らは、同じ機種の複数のプリンタ試験機を用いてそれぞれ、連続プリント実施時間と、トナー像の位置ズレ量との関係を調べる実験を行った。すると、連続プリント実施時間と位置ズレ量とには、「トナー像の位置ズレの増加量=係数B(1−exp(−係数A×連続プリント実施時間))」という関係式が成立することがわかった。何れのプリンタ試験機を用いた場合であっても、この関係式における「係数A」は互いに同じ値になった。つまり、同じ機種のプリンタ同士であれば、「係数A」は個体差がなく同じ値になることがわかった。これに対し、「係数B」は、同じ機種のプリンタ同士であっても、比較的大きな個体差を示すことがわかった。このような個体差があるにもかかわらず、全ての個体で共通の「係数B」を採用すると、個体によっては、計算式に基づく位置ズレ量と実際の位置ズレ量との誤差が大きくなり過ぎて、補正によって色ズレを却って悪化させてしまう可能性がある。
本発明は以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次のような画像形成装置を提供することである。即ち、潜像書込開始タイミングなどの潜像書込条件を補正する書込条件補正処理を実施することによって色ズレを却って悪化させてしまうことを回避しつつ、その実施のために連続プリント動作を一時中断してしまうことによるプリント時間の長期化を回避することができる画像形成装置である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、無端移動する表面に潜像を担持する複数の潜像担持体、それら潜像担持体上の潜像を互いに異なる色に現像する複数の現像手段、及びそれら潜像担持体に潜像を書き込む潜像書込手段を有する作像手段と、無端移動体の表面を無端移動させつつ、それぞれの潜像担持体の表面に形成された可視像を、該無端移動体の表面、あるいは該表面に保持される記録部材に重ね合わせて転写する転写手段と、該作像手段を制御する作像制御手段とを備え、該作像制御手段が、各色の可視像についてそれぞれ、該無端移動体の表面上における理論上の位置ズレ量である理論ズレ量を所定の演算式に基づいて算出し、算出結果に基づいて各色の可視像の重ね合わせズレ量を把握し、把握結果に基づいて作像動作中における該潜像書込手段の潜像書込条件を補正して重ね合わせズレ量を低減する書込条件補正処理を実施し、且つ、複数の該潜像担持体に互いに異なる色のズレ検知用可視像を形成して該無端移動体の表面に転写した後、該無端移動体の表面上における各色のズレ検知用可視像についてそれぞれ、像検知手段によって検知したタイミングに基づいて正規位置からの位置ズレ量を実ズレ量として算出し、該実ズレ量と上記理論ズレ量との比較に基づいて演算式を補正する演算式補正処理を所定のタイミングで実施するものである画像形成装置において、上記無端移動体の表面の無端移動方向における所定位置に付した基準目印を検知する目印検知手段を設けるとともに、上記演算式として、各色の可視像について、作像動作時間の増加に伴う上記理論ズレ量の増加量を求めるための「増加量=係数B(1−exp(−係数A×作像動作時間))」という第1式と、作像停止時間の増加に伴う上記理論ズレ量の低下量を求めるための低下量=係数B(exp(−係数A×動作停止時間))」という第2式とを用い、上記書込条件補正処理にて、該第1式による増加量の算出結果と、該第2式による低下量の算出結果と、上記潜像書込条件の補正による位置ズレ補正量とに基づいて、各色の可視像の重ね合わせズレ量を把握し、且つ上記演算式補正処理にて、各色のズレ検知用可視像についてそれぞれ、上記像検知手段によるズレ検知用可視像の検知タイミングと、該目印検知手段による該基準目印の検知タイミングとに基づいて上記実ズレ量を算出し、算出結果と上記理論ズレ量との比較に基づいて上記係数Bを補正する処理を実施するように、上記作像制御手段を構成したことを特徴とするものである
た、請求項の発明は、無端移動する表面に潜像を担持する複数の潜像担持体、それら潜像担持体上の潜像を互いに異なる色に現像する複数の現像手段、及びそれら潜像担持体に潜像を書き込む潜像書込手段を有する作像手段と、無端移動体の表面を無端移動させつつ、それぞれの潜像担持体の表面に形成された可視像を、該無端移動体の表面、あるいは該表面に保持される記録部材に重ね合わせて転写する転写手段と、該作像手段を制御する作像制御手段とを備え、該作像制御手段が、各色の可視像についてそれぞれ、該無端移動体の表面上における理論上の位置ズレ量である理論ズレ量を所定の演算式に基づいて算出し、算出結果に基づいて各色の可視像の重ね合わせズレ量を把握し、把握結果に基づいて作像動作中における該潜像書込手段の潜像書込条件を補正して重ね合わせズレ量を低減する書込条件補正処理を実施し、且つ、複数の該潜像担持体に互いに異なる色のズレ検知用可視像を形成して該無端移動体の表面に転写した後、該無端移動体の表面上における各色のズレ検知用可視像についてそれぞれ、像検知手段によって検知したタイミングに基づいて正規位置からの位置ズレ量を実ズレ量として算出し、該実ズレ量と上記理論ズレ量との比較に基づいて演算式を補正する演算式補正処理を所定のタイミングで実施するものである画像形成装置において、上記演算式として、各色の可視像について、作像動作時間の増加に伴う上記理論ズレ量の増加量を求めるための「増加量=係数B(1−exp(−係数A×作像動作時間))」という第1式と、作像停止時間の増加に伴う上記理論ズレ量の低下量を求めるための「低下量=係数B(exp(−係数A×動作停止時間))」という第2式とを用い、上記書込条件補正処理にて、該第1式による増加量の算出結果と、該第2式による低下量の算出結果と、上記潜像書込条件の補正による位置ズレ補正量とに基づいて、各色の可視像の重ね合わせズレ量を把握し、且つ、上記演算式補正処理にて、各色のズレ検知用可視像についてそれぞれ、上記潜像書込手段によって潜像の書込を開始してから、上記像検知手段によってズレ検知用可視像を検知するまでの時間と、所定の基準時間との比較に基づいて上記実ズレ量を算出し、且つ上記演算式補正処理にて、各色のズレ検知用可視像についてそれぞれ、上記潜像書込手段によって潜像の書込を開始してから、上記像検知手段によってズレ検知用可視像を検知するまでの時間と、所定の基準時間との比較に基づいて上記実ズレ量を算出し、算出結果と上記理論ズレ量との比較に基づいて上記係数Bを補正する処理を実施するように、上記作像制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記書込条件補正処理を書込条件第1補正処理として実施する他に、上記無端移動体の表面上のズレ検知用可視像を上記像検知手段によって検知したタイミングに基づいて該ズレ検知用可視像の正規位置からのズレ量を算出し、この算出結果に基づいて上記潜像書込条件を補正する書込条件第2補正処理も実施し、該書込条件第1補正処理と書込条件該第2補正処理とを状況に応じて使い分け、且つ、第2補正処理を実施した後には、上記第1式に用いる作像動作時間と、上記第2式に用いる動作停止時間とをそれぞれゼロにリセットする処理を実施するように、上記作像制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の画像形成装置において、複数枚の記録部材に対して画像を連続して形成する連続プリント動作の命令がなされ、且つ、該連続プリント動作における出力枚数が所定枚数以上である場合に、上記書込条件第2補正処理を実施してから該連続プリント動作を実行し、その後に上記演算式補正処理を実施するように、上記作像制御手段を構成したことを特徴とするものである。
これらの発明においては、書込条件補正処理にて、演算式を用いて各色の可視像の位置ズレ量を算出することで、各色の位置ズレ検知用の可視像を形成することなく、各色のズレ量を把握する。このように、演算式に基づくズレ量の算出を行うことで、たとえ連続プリント動作中であっても、連続プリント動作を一時中断することなく、各色のズレ量を把握する。そして、把握した各色のズレ量に基づいて、潜像書込条件を適宜補正すれば、連続プリント動作と並行して書込条件補正処理の全てを行うことが可能である。よって、書込条件補正処理のために連続プリント動作を一時中断してしまうことによるプリント時間の長期化を回避することができる。
また、これらの発明においては、例えばユーザーのもとで初期運転が行われるときなど、所定のタイミングで、演算式補正処理を実施する。そして、この演算式補正処理にて、各色のズレ検知用可視像を実際に無端移動体の表面上に形成し、それらを像検知手段で検知したタイミングに基づいて、各色の実際の位置ズレ量を検出する。この実際の位置ズレ量と、演算式に基づいて算出した位置ズレ量との比較に基づいて、演算式を個々の個体に見合った適切なものに補正する。これにより、個々の個体において、それぞれ書込条件補正処理で演算式によって位置ズレ量を適正に算出することで、書込条件補正処理の実施によって色ズレ量を確実に低減することができる。
以下、本発明を、画像形成装置たる電子写真方式のプリンタに適用した一実施形態について説明する。
図2は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、筺体1と、この筺体1から引き出し可能な給紙カセット2とを備えている。筺体1の中央部には、イエロー(Y),シアン(C),マゼンダ(S),ブラック(K)の各色のトナー像(可視像)を形成するためのプロセスユニット3Y,3C,3M,3Kを備えている。以下、各符号の添字Y,C,M,Kは、それぞれイエロー,シアン,マゼンダ,ブラック用の部材であることを示す。
図3は、Y用のプロセスユニットを示す拡大構成図である。なお、他色のプロセスユニットも同様の構成である。同図において、プロセスユニット3Yは、図中矢印A方向に回転する潜像担持体たるドラム状の感光体10Yを備えている。感光体10Yは、例えば、直径40[mm]のアルミニウム製の円筒状基体と、その表面を覆うOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。感光体10Yの周囲には、それを一様帯電せしめる帯電装置11Y、感光体10Yに形成された潜像を現像する現像手段たる現像装置12Y、感光体10Y上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置13Y等を備えている。なお、他色のプロセスユニットも同様の構成であるので、説明を省略する。
先に示した図3において、各色のプロセスユニット3Y,3C,3M,3Kの下方には、各色の感光体に潜像を書き込むための潜像書込手段としての光書込ユニット4が配設されている。また、各色のプロセスユニット3Y,3C,3M,3Kの上方には、感光体10Y,10C,10M,10K上に形成されたトナー像を無端移動体たる中間転写ベルト20上に転写せしめる転写手段たる転写ユニット5が配設されている。そして、この転写ユニット5の更に上方には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のトナーを収容するトナーボトル7Y,7C,7M,7Kや、後述する定着ユニット6が配設されている。
トナーボトル7Y,7C,7M,7Kは、筺体1の上面に形成された排紙トレイ8が開かれることで外部に露出して、筺体1内から脱着されるようになっている。
光書込ユニット4は、光源であるレーザーダイオードから発した書込光(レーザー光)Lをポリゴンミラー等によって主走査方向に偏向せしめながら、感光体10Y,10C,10M,10Kに照射することで、それら感光体に対して光走査を行う。これにより、感光体10Y,10C,10M,10K上には、Y,C,M,K用の静電潜像が形成される。そして、これらY,C,M,K用の静電潜像は、現像装置12Y,12C,12M,12Kによって現像されてY,C,M,Kトナー像となる。
転写ユニット5は、表面無端移動体たる無端状の中間転写ベルト20、これを張架する駆動ローラ21、テンションローラ22、及び従動ローラ23などを有している。また、中間転写ベルト5のループ内側に配設された1次転写ローラ24Y,24C,24M,24K、ループ外側に配設されたベルトクリーニング装置26、2次転写ローラ25なども有している。
中間転写ベルト20は、駆動ローラ21、テンションローラ22、及び従動ローラ23に掛け回されている。そして、その下部張架面を感光体10Y,10C,10M,10Kに当接させてY,C,M,K用の1次転写ニップを形成しながら、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられる駆動ローラ21の回転に伴って図中反時計回り方向に無端移動せしめられる。
Y,C,M,K用の1次転写ニップの裏側で中間転写ベルト20の裏面に当接しながら回転する1次転写ローラ24Y,24C,24M,24Kには、1次転写バイアスが印加されている。この印加により、感光体10Y,10C,10M,10Kと、1次転写ローラ24Y,24C,24M,24Kとのには、1次転写電界が形成されている。感光体10Y,10C,10M,10K上に形成されたY,C,M,Kトナー像は、各1次転写ニップで中間転写ベルト20上に順次重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト20上には、4色重ね合わせトナー像が形成される。この4色重ね合わせトナー像は、後述する2次転写ニップで記録紙Pに一括2次転写された後、定着ユニット6に送られて記録部材としての記録紙P上に定着せしめられる。
プロセスユニット3Y,3C,3M,3Kにおいて、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される感光体10Y,10C,10M,10Kは、帯電装置11Y,11C,11M,11Kによって一様に帯電せしめられる。そして、光書込ユニット4から発せられる画像情報に基づいた書込光Lの走査により、Y,C,M,K用の静電潜像を担持する。これら静電潜像は、現像装置12Y,12C,12M,12Kの現像ローラ15Y,15C,15M,15K上に担持されたY,C,M,Kトナーによって現像されて、Y,C,M,Kトナー像になる。その後、Y,C,M,K用の1次転写ニップで中間転写ベルト20上に順次重ね合わせて転写される。このときの各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト20上の同じ位置に重ね合わせて転写されるように、中間転写ベルト20の移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
1次転写ニップを通過した後の感光体10Y,10C,10M,10Kには、中間転写ベルト20上に転写されなかった若干量の転写残トナーが付着している。これは、クリーニング装置13Y,13C,13M,13Kのクリーニングブレード13aによって感光体表面上から除去される。
トナーボトル7Y,7C,7M,7Kに充填されているトナーは、必要性に応じて図示しない搬送経路によって各プロセスユニット3Y,3C,3M,3Kの現像装置12Y,12C,12M,12Kに所定量補給される。
中間転写ベルト20のループ外側には、最下流側のK用の1次転写ニップに比較的近い位置であって、且つK用の1次転写ニップよりもベルト移動方向下流側の位置でベルトに当接して2次転写ニップを形成する2次転写ローラ25が配設されている。この2次転写ローラ25には2次転写バイアスが印加されている。そして、これにより、接地された駆動ローラ21と2次転写ローラ25との間に2次転写電界が形成されている。
給紙カセット2内の記録紙Pは、給紙カセット2の近傍に配設された給紙ローラ27によって、筺体1内に搬送され、レジストローラ対28によって所定のタイミングで2次転写ニップに送り出される。そして、2次転写ニップにおいて、中間転写ベルト20上の4色トナー像に重ね合わされて、ニップ圧や2次転写電界の影響によってその表面に4色トナー像が一括2次転写せしめられる。これにより、4色トナー像が記録紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
フルカラー画像が形成された記録紙Pは、定着ユニット6を通過することで画像定着処理が施され、排出ローラ29によって機内から機外の排紙トレイ8上に排出される。感光体10と同様に、中間転写ベルト20上に残った転写残のトナーは、中間転写ベルト20に接触するベルトクリーニング装置26によってクリーニングされる。
図4は、各色の感光体10Y,10C,10M,10Kを光書込ユニット4とともに示す拡大構成図である。同図において、光書込ユニット4は、互いに同軸上で回転するように多段配設された正多角柱形状の2つのポリゴンミラー41a、41bが一体的に多段配設されたポリゴンミラーユニットを備えている。これらポリゴンミラー41a、41bは、その側面に反射ミラーを有し、ポリゴンモータPMによって正多角柱の中心軸を回転中心として高速回転せしめられる。これにより、その側面に図示しないレーザーダイオード(光源)からの書込光(レーザー光)が入射すると、このレーザー光が偏向・走査される。また、光書込ユニット4は、ポリゴンモータPMの防音効果のための防音ガラス42a、42bと、ポリゴンミラー41a、41bを有するポリゴンミラーユニットによりレーザー走査の等角度運動を等速直線運動へと変えるfθレンズ43a、43bと、感光体10Y,10C,10M,10Kへとレーザー光を導くミラー44a、44b、44c、44d、46a、46b、46c、46d、47a、47b、47c、47dと、ポリゴンミラーの面倒れを補正する被調整部材としての長尺レンズユニット50a、50b、50c、50dと、ハウジング内への塵などの落下を防止する防塵ガラス48a、48b、48c、48dとを備えている。なお、同図中の符号La、Lb、Lc、Ldは、それぞれ各感光体10Y,10C,10M,10Kに照射される書込光の光路を示すものである。
光書込ユニット4は、走査線の曲がり及び傾きを調整する調整装置を備えている。走査線の傾きについては、光学素子たる長尺レンズユニット50a、50b、50c、50dの姿勢を変化させることで調整する。なお、走査線の傾き調整を行う機構は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)の感光体10Y、10C、10Mに対応した長尺レンズユニット50a、50b、50cには備わっているが、ブラック(K)に対応した長尺レンズユニット50dには備わっていない。これは、Y、C、M色の走査線の曲がり及び傾きは、K色の走査線の曲がり及び傾きを基準に調整を行うからである。以下、イエロー(Y)の感光体10Yに対応した長尺レンズユニット50aを例に挙げて説明する。ただし、以下の説明では、色分け符号を省略する。
図5、図6はそれぞれ長尺レンズユニット50を示す斜視図である。この長尺レンズユニット50は、ポリゴンミラー41a、41bの面倒れを補正する長尺レンズ51と、長尺レンズ51を保持するブラケット52と、曲がり調整用板バネ53と、長尺レンズ51とブラケット52とを固定するための固定用板バネ54、55と、走査線傾き自動調整用の駆動モータ56と、駆動モータホルダ57と、ネジ受け部58と、ハウジング固定部材59と、ユニット支持用板バネ60、61、62と、摩擦係数低減手段としての平滑面部材63、64と、曲がり調整用ネジ65等から構成されている。
走査線の傾き調整は、後述する位置ズレ補正制御によって算出されたスキュー量に基づいて、駆動モータ56の回転角を制御する。その結果、駆動モータ56の回転軸に取り付けられた昇降ネジが昇降し、長尺レンズユニット50のモータ側端部が図中矢印方向に移動する。具体的には、昇降ネジが上昇すると、長尺レンズユニット50のモータ側端部はユニット支持用板バネ61の付勢力に抗して上昇する。これにより、長尺レンズユニット50は、支持台66を支点にして回転して、その姿勢を変化させる。一方、昇降ネジが下降すると、長尺レンズユニット50のモータ側端部はユニット支持用板バネ61の付勢力により下降する。これにより、長尺レンズユニット50は、支持台66を支点にして先とは逆方向に回転して、その姿勢を変化させる。
このようにして長尺レンズユニット50の姿勢が変化すると、長尺レンズ51の入射面に対してレーザー光Lが入射する位置が変わる。長尺レンズ51は、長尺レンズ51の入射面に対するレーザー光Lの入射位置が長尺レンズ51の長手方向と光路の方向とに直交する方向(鉛直方向)に変化すると、長尺レンズ51の出射面から出射されるレーザー光の鉛直方向に対する角度(出射角)が変化するという特性を有している。この特性により、上記昇降ネジにより長尺レンズユニット50の姿勢が変化すると、これに応じて長尺レンズ51の出射面から出射するレーザー光の出射角が変わり、その結果、このレーザー光による感光体上の走査線の傾きが変わる。
図7は、中間転写ベルト20の一部を像検知手段としての光学センサユニット136とともに示す拡大斜視図である。図示のように、中間転写ベルト20におけるテンションローラ22に対する掛け回し箇所には、光学センサユニット13が所定の間隙を介して対向している。本プリンタは、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)、データ記憶手段たるRAM(Random Access Memory)、データ記憶手段たるROM(Read Only Memory)などを具備する図示しない制御部により、各機器の駆動を制御している。この制御部は、図示しない電源スイッチがONされた直後や、所定枚数のプリントを実施する毎に、書込条件第2補正処理としての実ズレ量補正処理を実施するようになっている。そして、この実ズレ量補正処理において、中間転写ベルト20の幅方向の一端部と他端部とにそれぞれ、シェブロンパッチPVと呼ばれる複数のトナー像からなる位置ズレ検知用画像を形成する。上述した光学センサユニット136は、中間転写ベルト20の幅方向の一端部に対向する第1光学センサ137と、幅方向の他端部に対向する第2光学センサ138とを具備している。そして、第1光学センサ137は、発光手段から発した光を集光レンズに通した後、中間転写ベルト20の表面で反射させ、その反射光を受光手段で受光して受光量に応じた電圧を出力する。中間転写ベルト20の一端部に形成されたシェブロンパッチPV内のトナー像が第1光学センサ137の直下を通過する際には、第1光学センサ137の受光手段による受光量が大きく変化する。これにより、制御部は、中間転写ベルト20の幅方向の一端部に形成されたシェブロンパッチPV内における各トナー像を検知することができる。また、同様にして、第2光学センサ137からの出力に基づいて、中間転写ベルト20の他端部に形成されたシェブロンパッチPV内における各トナー像を検知することもできる。このように、第1光学センサ137や第2光学センサ138は、制御部との組合せによって像検知手段として機能している。なお、発光手段としては、トナー像を検出するために必要な反射光を作り得る光量をもつLED等が用いられている。また、受光手段としては、多数の受光素子が直線状に配列されたCCDなどが用いられている。
制御部は、中間転写ベルト20の幅方向の両端部にそれぞれ形成したシェブロンパッチPV内の各トナー像を検知することで、各トナー像における主走査方向の位置、副走査方向(ベルト移動方向)の位置、主走査方向の倍率誤差、主走査方向からのスキューをそれぞれ検出する。ここで言う主走査方向とは、ポリゴンミラーでの反射に伴ってレーザー光が感光体表面上で位相する方向を示している。シェブロンパッチは、図8に示すように、Y,C,M,Kの各色のトナー像を主走査方向から約45[°]傾けた姿勢で、副走査方向であるベルト移動方向に所定ピッチで並べたラインパターン群である。このようなシェブロンパッチPV内のY,C,Mトナー像について、Kトナー像との検知時間差を読み取っていく。同図では、紙面上下方向が主走査方向に相当し、左から順に、Y,C,M,Kトナー像が並んだ後、これらとは姿勢が90[°]異なっているK,M,C,Yトナー像が更に並んでいる。基準色となるKとの検出時間差tyk、tck、tmkについての実測値と理論値との差に基づいて、各色トナー像の副走査方向のズレ量、即ちレジストズレ量を求める。そして、そのレジストズレ量に基づいて、光書込ユニット(4)のポリゴンミラー1面おき、即ち、1走査ラインピッチを1単位として、感光体に対する光書込開始タイミングを補正して、各色トナー像のレジストズレを低減する。また、ベルト両端部間での副走査方向ズレ量の差に基づいて、各色トナー像の主走査方向からの傾き(スキュー)を求める。そして、その結果に基づいて、図5及び図6を用いて説明した面倒れ補正を実施して、各色トナー像のスキューズレを低減する。以上のように、位置ズレ検知用画像であるシェブロンパッチPV内における各トナー像を検知したタイミングに基づいて光書込開始タイミングや面倒れを補正してレジストズレやスキューズレを低減する処理が、実ズレ量補正処理である。
なお、本プリンタのように、4つの感光体(1Y,C,M,K)に対する4つのレーザー光を、共通の1つのポリゴンミラーによって偏向せしめてそれぞれの感光体に対する主走査方向の光走査を行うものでは、各感光体に対する光書込開始タイミングが、1ライン分(1走査線分)の書込に相当する時間単位で補正される。例えば、2つの感光体間で、1/2ドットを超えるレジストズレが発生している場合、何れか一方の感光体に対する光書込開始タイミングが、1ライン分の書込時間の整数倍だけ前後にずらされる。より詳しくは、例えば3/4ドットの重ね合わせズレの場合には1ライン分の書込時間の1倍、7/4ドットの重ね合わせズレの場合には1ライン分の書込時間の2倍だけ、光書込開始タイミングがそれまでのタイミングよりも前後にずらされる。これにより、副走査方向における重ね合わせズレ量が1/2ドット以下に抑えられる。
また、レジストズレについては、潜像書込条件としての光書込開始タイミングを補正する処理に代えて、潜像書込条件としての各色の感光体の線速を補正する処理を実施することによっても、ズレ量を低減することが可能である。但し、各色の感光体の線速を補正する処理によってレジストズレ量を低減する場合には、各色の感光体の線速をそれぞれ個別に調整できるように、各色の感光体をそれぞれ個別の駆動モータで駆動するようにしなければならない。
制御部は、実ズレ量補正処理を実施するタイミングの1つとして、所定枚数のプリントを実施する毎というタイミングを採用している。但し、「予定プリントあり」の状態で、実ズレ量補正処理について所定枚数プリント毎の実施タイミングが到来した場合には、「予定プリントあり」の状態が「予定プリントなし」の状態に変わるまで、実ズレ量補正処理の開始タイミングを延長する。そして、「予定プリントあり」の状態が「予定プリントなし」の状態に変わって実ズレ量補正処理を実施した後、累積プリント枚数のカウント値をゼロにリセットする。具体的には、「予定プリントあり」の状態とは、受信したプリント命令に基づくプリントが1枚でも残っている状態のことを言う。これに対し、「予定プリントなし」の状態とは、過去に受信したプリント命令に基づくプリントが全て終了しており、実行すべきプリントが1枚も残っていない状態のことを言う。ここで、実ズレ量補正処理の実施タイミングである所定枚数プリント毎が、例えば200枚プリント毎だとする。この場合に、200枚毎のプリント枚数の累積カウント値が199枚であり、且つ「予定プリントなし」の状態で、10枚の連続プリント命令信号を受信したとする。すると、10枚の連続プリントのうち、1枚目のプリントを実施した時点で累積プリント枚数のカウント値が200枚に達するが、この時点ではまだ9枚のプリントが残されている「予定プリントあり」の状態である。よって、その時点では、実ズレ補正処理を実施しない。そして、10枚の連続プリントを全て終了して、「予定プリントあり」の状態が「予定プリントなし」の状態に変化した時点で、実ズレ補正処理を実施し、その後に累積プリント枚数のカウント値をゼロにリセットする。
このように、「予定プリントあり」の状態で累積プリント枚数が所定数を超えても、「予定プリントあり」の状態が「予定プリントなし」の状態に変化するまで、実ズレ量補正処理の開始を延長することで、実ズレ量補正処理の実施のために連続プリントを中断してしまうことがなくなる。しかしながら、実ズレ量補正処理の開始を延長している期間には、色ズレ量を増加させて画質低下を低下させてしまうおそれがある。そこで、「予定プリントあり」の状態で累積プリント枚数が所定数を超えたことで、実ズレ量補正処理の開始を延長しているときには、書込条件第1補正処理としての理論ズレ量補正処理を実施して色ズレを抑えるようになっている。この理論ズレ量補正処理では、各色のトナー像についてそれぞれ、所定の演算式に基づいて正規位置からの位置ズレ量を算出する。そして、各色のトナー像の位置ズレ量に基づいて、Y−C間の色ズレ量、Y−M間の色ズレ量、Y−K間の色ズレ量、C−M間の色ズレ量、C−K間の色ズレ量、及びM−K間の色ズレ量という6通りの2色間色ズレ量をそれぞれ算出する。そして、これら6通りのうち、最大の2色間色ズレ量が1/2ドットを超えた場合には、その2色間ズレ量に関連している2色のうち、何れか1色の潜像書込開始タイミングを1ライン分だけ前又は後にずらして2色間ズレ量を1/2未満にするタイミング補正予定をたてる。そして、そのタミング補正予定を実行したと仮定した場合における6通りの2色間ズレ量を計算し直し、それらのうち、最大の2色間ズレ量が1/2ドット未満である場合には、タイミング補正予定に従って潜像書込開始タイミングを補正する。また、タイミング補正予定を実行したと仮定した場合における6通りの2色間ズレ量のうち、最大の2色間ズレ量も1/2ドット以上になる場合には、更にその2色間ズレ量に関連している2色についても、何れか1色の潜像書込開始タイミングを1ライン分だけ前又は後にずらして2色間ズレ量を1/2未満にするようにタイミング補正予定を修正する。この修正を、6通りの2色間ズレ量における最大の2色間ズレ量が1/2ドット未満になるまで繰り返した後、タイミング補正予定に従って潜像書込開始タイミングを補正する。
連続プリント動作中においては、このような理論ズレ量補正処理を実施することで、色ズレ量の増加を抑えるようになっている。なお、タイミング補正予定に従って潜像書込タイミングを補正した場合には、各色の位置ズレ補正量を記憶しておき、以降の理論ズレ量補正処理において、演算式に基づく位置ズレ量からそれまでの位置ズレ補正量の累積を減じた値を位置ズレ量として採用する。
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
図9は、実施形態に係るプリンタの中間転写ベルト20を示す拡大斜視図である。中間転写ベルト20の周方向における所定の位置には、基準目印20aが設けられている。この基準目印20aは、ベルトにおける上述した第1光学センサ(137)による被検箇所よりもベルト幅方向の外側の箇所に設けられている。よって、基準目印20aの上にシェブロンパッチPVや後述するテストパターンが形成されることはない。
中間転写ベルト20の幅方向の一端部に対しては、反射型フォトセンサからなる目印検知センサ139が所定の間隙を介して対向している。この目印検知センサ139は、中間転写ベルト20の周囲における所定の位置で、中間転写ベルト20の基準目印20aを検知して、検知信号を制御部に出力する。制御部は、目印検知センサ139によって基準目印20aを検知したタイミング(以下、目印検知タイミングという)と、上述した光学センサユニット(136)によってトナー像を検知したタイミングとの差を、予め定められた標準差と比較することで、そのトナー像の正規位置からの位置ズレ量を把握することができる。
本発明者らは、実施形態に係るプリンタと同様の構成のプリンタ試験機を複数用意した。そして、それぞれのプリンタ試験機を用いて、連続プリント時における連続プリント時間(作像動作時間)と、各色の位置ズレ量との関係を調べた。具体的には、図10に示すように、所定の大きさのY,C,M,Kトナー像をその順序でベルト移動方向に繰り返し並べた位置ズレ検知用画像であるテストパターンTPを、複数の記録紙に対して連続で出力しながら、テストパターンTP内の各色トナー像の位置ズレを測定していく連続出力時ズレ量測定処理を実施する。この連続出力時ズレ量測定処理では、中間転写ベルト20を1周させる毎に、1枚の記録紙に対するプリントを実施する。そして、それぞれの記録紙に対応するテストパターンTP内の各色トナー像について、上述した目印検知タイミングと、光学センサユニット(136)によってテストパターンTP内のトナー像を検知したタイミング(以下、パターン像検知タイミングという)との差分を求める。この差分は、中間転写ベルト20上における基準目印20aとトナー像との距離を反映しており、所定の標準差分からずれていれば、そのずれに相当する分の位置ズレ量がトナー像に生じていることになる。そこで、その差分と、それぞれの差分に対応させてROM内に予め記憶している所定の標準差分との差に基づいて、各色のトナー像についてそれぞれ正規位置からの位置ズレ量を求めるように、制御部を構成している。求めた結果については、RAM内に順次記憶させていく。
このような連続出力時ズレ量測定処理を実施して、各色のトナー像についてそれぞれ、連続プリント時間と、位置ズレ量との関係を調べた。なお、連続プリント時間については、ポリゴンミラーを回転駆動させる図示しないポリゴンモータの駆動時間を採用した。この結果を図11にグラフとして示す。図示のように、Y,C,M,Kの何れのトナー像においても、ある程度の時間経過までは連続プリント時間の増加とともに位置ズレ量が増加していき、やがて時間経過に伴う位置ズレ量の増加が飽和に達する。但し、そのグラフの傾きや、向きが色ごとで異なっている。具体的には、Y,Cの2色は何れも、連続プリント時間の増加に伴って位置ズレ量がマイナス側に増加する。マイナス側の位置ズレとは、トナー像が正規位置よりも基準目印20aに対して近づく方向にずれて転写される現象である。Yのグラフの傾きは、Cのグラフの傾きよりも大きくなる。一方、M,Kの2色は何れも、連続プリント時間の増加に伴って位置ズレ量がプラス側に増加する。プラス側の位置ズレとは、トナー像が正規位置よりも基準目印20aから遠ざかる方向にずれて転写される現象である。Kのグラフの傾きは、Mのグラフの傾きよりも大きくなる。このように、連続プリント時間と位置ズレ量との関係を示すグラフは、Y,C,M,Kの各色でそれぞれ異なっている。
なお、テストパターンTPのベルト移動方向の長さについては、感光体の周長や、中間転写ベルト20を駆動する駆動ローラ21の周長の整数倍にすることが望ましい。このようにすることで、感光体や駆動ローラ21の偏心によるベルト速度変動に起因する周期的な位置ズレ量の検出を回避して、レジストズレ量やスキューズレ量を精度良く検出することが可能になるからである。
本発明者らは、次に、複数のプリンタ試験機においてそれぞれ、停止時間と位置ズレ量との関係を調べる実験を行った。具体的には、全ての色で連続プリント時間の経過に伴う位置ズレ量の増加が飽和に達するまで連続プリントを行ってからプリント動作を停止させる。その後、所定時間経過毎にそれぞれテストパターンを1枚だけプリントして各色の位置ズレ量を測定した。すると、図12に示すように、連続プリント中では時間経過とともに位置ズレ量が増加していくのに対し、停止中では時間経過とともに位置ズレ量が減少していくことがわかった。連続プリント中に位置ズレ量が増加していくのは、光書込ユニット4内の昇温によって光学系の部材が徐々に膨張していくからである。連続プリントを停止させて放置すると位置ズレ量が減少していくのは、停止時間の増加に伴って光学系の部材の温度が徐々に低下していくからである。なお、以下、連続プリント中における時間経過と位置ズレ量との関係を、動作中ズレ増加特性という。また、停止中における時間経過と位置ズレ量との関係を、停止中ズレ低下特性という。
複数のプリンタ試験機についてそれぞれ、各色における動作中ズレ増加特性と停止中ズレ低下特性とを測定した。すると、それぞれのプリンタ試験機において、動作中ズレ増加特性は、次の式で表されることがわかった。
位置ズレの増加量=係数B(1−exp(−係数A×プリント動作時間))
以下、この式を動作中ズレ増加量計算式という。
また、停止中ズレ低下特性は、次の式で表されることがわかった。
位置ズレ量の低下量=係数B(exp(―係数A×停止時間))
以下、この式を停止中ズレ低下量計算式という。
実施形態に係るプリンタの制御部は、各色についてそれぞれ先に示した動作中ズレ増加量計算式、及び停止中ズレ低下量計算式を用いて、上述した理論ズレ量補正処理を実施するようになっている。なお、Y,C,M,Kの各色では、それぞれ動作中ズレ増加量計算式や停止中ズレ低下量計算式における係数Aや係数Bが異なっている。
動作中ズレ増加量計算式、停止中ズレ低下量計算式にそれぞれ含まれている係数Aは、それぞれの式で互いに同じ値になった。また、係数Bもそれぞれの式で互いに同じ値になった。また、係数Aは、複数のプリンタ試験機で同じ値になった。つまり、係数Aは、機種が同じであれば個体差がない数値であることがわかった。これに対し、係数Bは、それぞれのプリンタ試験機で互いに異なる値になった。つまり係数Bは、同じ基準であっても個体毎に異なる周知であることがわかった。係数Bが個体毎に異なるということは、先に図12に示した各色毎の動作中ズレ増加特性や止中ズレ低下特性のグラフの傾きが、個体毎に異なることになる。にもかかわらず、全ての個体で係数Bが互いに同じ値である動作中ズレ量計算式や停止中ズレ量計算式を用いて、上述した理論ズレ量補正処理を行ったとする。すると、個体によっては、それら計算式に基づいて求めた位置ズレ量と、実際の位置ズレ量との誤差が大きくなり過ぎて、理論ズレ量補正処理によって却って色ズレを悪化させてしまうおそれがでてくる。
そこで、実施形態に係るプリンタの制御部においては、図13に示すような演算式補正処理を実施して、各色についてそれぞれ係数Bを個別に補正するようになっている。同図において、制御部は、まずズレ量測定処理を実施する(ステップa:以下、ステップをSと記す)。このズレ量測定処理では、上述した連続出力時ズレ量測定処理とほぼ同じ処理を行う。但し、図13のSaにおけるズレ量測定処理は、次の点が上述した連続出力時ズレ量測定処理と異なっている。即ち、上述した連続出力時ズレ量測定処理では、複数の記録紙に対してテストパターンTPを連続プリントしていきながら、それぞれのテストパターンTPにおける各色トナー像のズレ量を測定していた。これに対し、図13のズレ量測定処理では、記録紙1枚分のテストパターンTPだけを形成する。また、このテストパターンTPについては、記録紙Pに2次転写せずに、ベルトクリーニング装置26によってクリーニングする。
ズレ量測定処理を終えると、制御部は、Y,C,M,Kの各色についてそれぞれ、ズレ量測定処理で測定した実ズレ量と、上記動作中ズレ増加量計算式に基づいて算出した理論ズレ量との差分を求める。そして、その差分に基づいて、Y,M,C,K用の動作中ズレ増加量計算式におけるそれぞれの係数Bを補正する。なお、既に述べたとおり、各色で係数Bの値はそれぞれ異なる。また、同じ色では、動作中ズレ増加量計算式の係数Bと、停止中ズレ低下量計算式の係数Bとが互いに同じ値になるので、各色についてそれぞれ、停止中ズレ低下量計算式の係数Bを、動作中ズレ増加量計算式の係数Bと同じ値に補正する。
このような演算式補正処理を実施する本プリンタにおいては、演算式補正処理にて、各色のズレ検知用のトナー像を具備するテストパターンを、無端移動体としての中間転写ベルト20の表面上に実際に形成する。そして、それら位置ズレ検知用のトナー像を像検知手段たる光学センサユニット136で検知したタイミングと、中間転写ベルト20の基準目印20aを目印検知センサ139で検知したタイミングとに基づいて、各色の実際の位置ズレ量である実ズレ量を検出する。これら実ズレ量は、図14に示すように、基準目印20aと、Y,M,C,Kトナー像との位置ズレ量である。次いで、かかる実ズレ量と、演算式としての動作中ズレ増加量計算式に基づいて算出した位置ズレ量である理論ズレ量との比較に基づいて、動作中ズレ増加量計算式や停止中ズレ低下量計算式における係数Bの補正倍率を算出する。具体的には、図15に示すように、理論ズレ量と実ズレ量との比から、補正前の計算式を実際の特性とほぼ一致させ得る補正倍率を求める。この補正倍率を係数Bに乗ずることで、補正後の計算式をほぼ実際の特性のグラフに一致させることができる。このような係数Bの補正により、個々の個体において、それぞれ理論ズレ量補正処理によって動作中ズレ量計算式や停止中ズレ量計算式に基づいて各色トナー像の位置ズレ量を適正に算出することで、理論ズレ量補正処理の実施によって色ズレ量を確実に低減することができる。
上述したように、演算式補正処理では、記録紙1枚分に対するテストパターンTPしか形成しない。つまり、ほぼ記録紙1枚分のプリント動作しか行われない。これに対し、上述した係数Bを適切に補正するためには、比較的長時間に渡って連続プリントを行った後の位置ズレ量を測定することが望ましい。よって、ユーザーのもとの初期運転時に演算式補正処理を実施するという単純なプロセスでは、演算式補正処理に先立つプリント動作時間が短すぎて、係数Bを精度良く補正することができない。
そこで、本プリンタの制御部は、図16のフローチャートに示すように、所定枚数以上の連続プリントが行われた直後に、演算式補正処理を行うようになっている。このフローチャートに示される制御フローにおいて、フラグAは、演算式補正処理の実行履歴を示すパラメータであり、演算式補正処理が1度でも実行されるとフラグAがOFFからONにされる。即ち、フラグAがONになっている場合には、過去に演算式補正処理が実行されたことを示している。また、フラグBは、演算式補正処理の実行決定を示すパラメータであり、演算式補正処理の実行が決定されると、フラグBがOFFの状態からONにされる。
1枚の記録紙に対してだけプリントを行う単発プリントの命令がなされると(S2でN)、図14の制御フローがS2からS7と進められて、途中のS3からS6までの工程が省略される。フラグBをONに設定するS5の工程も省略されるので、以降の一連の制御フローにおいて、演算式補正処理が実行されることはない。これに対し、連続プリントの命令がなされ(S2でY)、その連続プリントにおけるプリント枚数が所定の閾値以上であり(S3でY)、且つフラグAがONである場合(S4でY)には、フラグBがONに設定される(S5)。これにより、後に演算式補正処理が実行される。但し、連続プリント命令がなされても、プリント枚数が閾値以上でない場合や(S3でN)、フラグAがONでない場合(S4でN)には、S5の工程が省略されるので、演算式補正処理は実行されない。
単発プリントであるか、連続プリントであるかにかかわらず、プリントジョブが開始されると、理論ズレ量補正処理が行われながらプリントのジョブが実行される(S8〜S9)。このとき、制御部は、プリントジョブの開始に先立って、前回のプリントジョブが終了してから現時点までの経過時間、即ち、前回のプリントジョブ終了から現時点に至るまでの停止時間のカウント値を停止時間カウント値として取得する。ここで言う前回のプリントジョブには、連続プリントジョブ中における1枚前のジョブは含まれない。単発プリントであるか、連続プリントであるかにかかわらず、今回のプリントジョブ開始前の停止状態の直前におけるプリントジョブが、前回のプリントジョブである。停止時間カウント値を取得したら、前回のプリントジョブ終了時におけるプリント動作時間カウント値をRAMから読み込んだ後、Y,C,M,Kについてそれぞれ、そのプリント動作時間カウント値を動作中ズレ増加量計算式に代入して計算を行う。これにより、前回のプリントジョブ時に理論ズレ量補正処理を実施しなかったと仮定した場合におけるズレ総和量を求める。次いで、Y,C,M,Kについてそれぞれ、停止時間カウント値を上述した停止中ズレ低下量計算式に代入してズレ低下量を求める。そして、ズレ総和量からズレ低下量を減じてズレ残留量を求める。なお、ズレ低下量がズレ総和量よりも大きい場合には、ズレ残留量をゼロとして計算する。このようにして各色のズレ残留量を計算したら、それぞれズレ残留量をズレ初期値として記憶する。これら各色のズレ初期値は、先に図14に示したように、基準目印20aと、Y,M,C,Kトナー像との距離が、正規距離に比べてどれだけずれているかを示すものであり、各色間のズレ量である色ズレ量を示すものではない。そこで、制御部は、各色のズレ初期値に基づいて、図17に示すような、Y−C間の色ズレ量、Y−M間の色ズレ量、Y−K間の色ズレ量、C−M間の色ズレ量、C−K間の色ズレ量、及びM−K間の色ズレ量という6通りの2色間色ズレ量をそれぞれ算出する。そして、それらの2色間色ズレ量に基づいて、既に説明した手順によってタイミング補正予定を構築した後、書込開始タイミングを補正する。以降、各色の位置ズレ量については、ズレ初期値と、動作中ズレ増加量計算式に基づく位置ズレ量の算出値と、位置ズレ補正量との和を、各色の理論ズレ量として求める。その後、プリントジョブを開始する(S7)。このとき、ポリゴンモータの駆動を開始するとともに、プリント動作時間のカウントを開始する。
単発プリントであっても、前回のプリントジョブからあまり時間が経過していないときには、各色のズレ初期値が1/2ドットを超えて、書込開始タイミングの補正がなされる。なお、基準となる書込開始タイミングとしては、上述した実ズレ量補正処理の実行時に決定されたタイミングが採用される。
制御部は、演算式補正処理の実行を決定して上述したS5の工程でフラグBをONにすると、連続プリントジョブを開始するのに先立って、上述した実ズレ量補正処理を実施する(S6)。これにより、各色の色ズレ量を予め1/2ドット未満に低減してから、連続プリントジョブを開始する(S7)。予定のプリントジョブを全て終了すると(S10でY)、フラグBについてONであるか否かを判断する(S11)。そして、フラグBがONである場合には(S11)、図13に示した演算式補正処理を実施して(S12)、各色の動作中ズレ増加量計算式や停止中ズレ低下量計算式の係数Bを補正した後、フラグA、BをそれぞれOFFにする。
また、制御部は、演算式補正処理を実行するしないにかかわらず、予定のプリントジョブを全て終了した後には、累積プリント枚数について200枚以上になったか否かを判定し、200枚以上である場合には(S14でY)、上述した実ズレ量補正処理を実施した後(S15)、累積プリント枚数のカウント値をゼロにリセットしてから一連の制御フローを終了する。また、200枚未満である場合には(S14でN)、直ちに一連の制御フローを終了する。
なお、ユーザーのもとで初期運転を開始した後、演算式補正処理を実行するまでの間は、係数Bがその個体に見合っていない可能性がある。この状態がいつまでも続くことは、画質の観点から好ましくない。そこで、上記S3における閾値の値を徐々に大きくしていくことで、係数Bの補正の精度を徐々に高めていくようにしてもよい。具体的には、演算式補正処理については、100枚くらい連続プリントをした後に行うのが理想であるとする。しかし、ユーザーによっては、少数枚のプリントが主流で、100枚の連続プリントを実行する機会が殆どない場合がある。上記閾値を100に設定してしまうと、このようなユーザーのもとでは、いつまでたっても演算式補正処理が実行されなくなってしまう。そこで、上記閾値の初期値を5枚程度に設定しておくのである。このような数値であれば、初期運転開始から比較的短時間のうちに演算式補正処理を実行することが可能になる。そして、演算式補正処理を実行したら、閾値をもう少し大きな値、例えば、20枚程度に補正する。このように、閾値を少しずつ大きくする補正と、演算式補正処理の実行とを繰り返していき、最終的には、100枚程度の連続プリント後の演算式補正処理を実行して、係数Bの補正精度を最大限にまで高めるのである。
次に、実施形態に係るプリンタの各変形例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各変形例に係るプリンタの構成は実施形態と同様である。
[第1変形例]
第1変形例に係るプリンタにおいては、演算式補正処理によって各色の動作中ズレ増加量計算式や停止中ズレ低下量の計算式の係数Bを補正したら、その後は、200プリント毎の実ズレ量補正処理の実施をとり止める。実ズレ量補正処理については、電源ON時の立ち上がり動作時にだけ行う。これにより、予定のジョブを全て終えると、累積プリント枚数にかかわらず直ちに次のプリント命令を待機することが可能になるので、ジョブ間で実ズレ量補正処理を実施してユーザーを待たせてしまうようなことがなくなる。
[第2変形例]
第2変形例に係るプリンタにおいては、目印検知センサ139を具備していない。このため、基準目印20aと、テストパターンTPの各色トナー像との距離に基づく各色の位置ズレ量の測定を行うことができない。その代わりに、テストパターンTPにおける各色トナー像の位置ズレ量として、理論絶対位置からの位置ズレ量を測定する。この理論絶対位置は、テストパターンTPにおける各色トナー像について、感光体に対する光書込を開始したタイミングに基づいて決定されるものである。それぞれの光書込開始タイミングに対して、各色でそれぞれ固有の時間を加算した値(以下、理論絶対位置時間という)が理論絶対位置に対応する。光書込開始タイミングから、それに対応するトナー像を光学センサユニット136によって実際に検知するまでの時間が、前述の理論絶対位置時間からずれていれば、そのズレ量は位置ズレ量を反映していることになる。そこで、制御部は、テストパターンTPにおける各色トナー像にそれぞれ対応する光書込開始タイミングに基づいて、それぞれに対応する理論絶対位置時間を順次算出する。そして、光書込開始タイミングと理論絶対位置時間とを組み合わせてRAMに記憶していく。その後、光学センサユニット136によって各色のトナー像をそれぞれ検知すると、そのタイミングと光書込開始タイミングとに基づいて、書込開始から検知までに要した実際の時間である実位置タイミングを求める。そして、各色についてそれぞれ、理論絶対位置時間と実位置タイミングとの差に基づいて、実ズレ量を求める。
かかる構成においては、中間転写ベルト20に基準目印20aを付したり、目印検知センサ139を設けたりすることなく、各色トナー像の実ズレ量を測定することができる。
これまで、各色の感光体10Y,C,M,Kに形成したトナー像を無端移動体としての中間転写ベルト20の表面に重ね合わせて転写する方式のプリンタについて説明してきたが、次のような画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。即ち、各色の像担持体上に形成した可視像を無端移動体の表面に保持した記録部材上に重ね合わせて転写する方式の画像形成装置である。
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、作像制御手段たる制御部が、演算式として、各色のトナー像について、作像動作時間であるプリント動作時間の増加に伴う理論ズレ量の増加量を求めるための第1式としての動作中ズレ増加量計算式と、作像停止時間である停止時間の増加に伴う理論ズレ量の低下量を求めるための第2式としての停止中ズレ低下量計算式とを用いる。そして、書込条件補正処理としての理論ズレ量補正処理において、動作中ズレ増加量計算式によるズレ増加量の算出結果と、停止中ズレ低下量計算式によるズレ低下量の算出結果と、潜像書込条件たる光書込開始タイミングの補正による位置ズレ補正量とに基づいて、各色のトナー像の重ね合わせズレ量である色ズレ量を把握する。かかる構成においては、各色トナー像についてそれぞれ、連続プリント動作中における位置ズレの増加量だけではなく、停止中における位置ズレの低下量をも理論ズレ量に反映させることで、理論ズレ量を実際のズレ量により近づけることができる。更には、プリント動作を停止した後、比較的短時間のうちプリント命令がなされて新たなプリント動作を開始したときでも、前回のプリント動作における位置ズレの増加量や、停止時の位置ズレの低下量を反映させながら、今回のプリント動作における理論ズレ量として、実際の位置ズレ量に近い値の演算結果を得ることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、第1式である動作中ズレ増加量計算式として、「増加量=係数B(1−exp(−係数A×作像動作時間))」という式を用いるとともに、第2式である停止中ズレ低下量計算式として、「低下量=係数B(exp(−係数A×動作停止時間))」という式を用いるように、制御部を構成している。それらの式は、実際のズレ増加量やズレ低下量と良好な相関を示すことが実験によって確かめられているので、これらの式を用いることで、理論ズレ量として実際の位置ズレ量に近い値の演算結果を得ることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、無端移動体たる中間転写ベルト20の表面の無端移動方向における所定位置に付した基準目印20aを検知する目印検知センサ139を設けるとともに、演算式補正処理にて、テストパターンTP内における各色のズレ検知用のトナー像についてそれぞれ、像検知手段たる光学センサユニット136によるトナー像の検知タイミングと、目印検知センサ139による基準目印20aの検知タイミングとに基づいて実ズレ量を算出し、算出結果と理論ズレ量との比較に基づいて係数Bを補正するように、制御部を構成している。かかる構成では、各色についてそれぞれ、基準目印20aとトナー像との距離を実際に検知した結果と、両者の理論上の距離との差に基づいて、位置ズレ量を把握することができる。
また、第2変形例に係るプリンタにおいては、演算式補正処理にて、テストパターンTP内における各色のズレ検知用のトナー像についてそれぞれ、潜像書込手段たる光書込ユニット4によって潜像の書込を開始してから、光学センサユニット136によってトナー像を実際に検知するまでの時間と、所定の基準時間である理論絶対位置時間との比較に基づいて実ズレ量を算出し、算出結果と理論ズレ量との比較に基づいて係数Bを補正するように、制御部を構成している。かかる構成では、中間転写ベルト20に基準目印20aを付したり、目印検知センサ139を設けたりすることなく、各色トナー像の実ズレ量を測定することができる。
なお、実施形態に係るプリンタにおいては、制御部が、書込条件第1補正処理たる理論ズレ量補正処理を実施する他に、中間転写ベルト20の表面上にズレ検知用のシェブロンパッチPVを形成し、それを光学センサユニット136によって検知したタイミングに基づいてシェブロンパッチPV内の各色トナー像について正規位置からのズレ量を算出し、この算出結果に基づいて潜像書込条件である書込開始タイミングを補正する書込条件第2補正処理としての実ズレ量補正処理も実施する。そして、理論ズレ量補正処理と実ズレ量補正処理とを状況に応じて使い分け、且つ、実ズレ量補正処理を実施した後には、動作中ズレ増加量計算式にプリント動作時間と、停止中ズレ低下量計算式に用いる停止時間とをそれぞれゼロにリセットする処理を実施する。かかる構成では、実ズレ量補正処理により、実ズレ量に見合った書込開始タイミングの補正を実行することで、理論ズレ量補正処理だけを実行する場合に比べて、色ズレを低減することができる。また、色ズレ量を確実に1/2ドット未満に低減し得る実ズレ量補正処理の実行後には、動作中ズレ増加量計算式にプリント動作時間と、停止中ズレ低下量計算式に用いる停止時間とをそれぞれ1/2ドット未満の位置ズレ量に即したゼロにリセットすることで、リセットしないことによる理論ズレ量の精度悪化を回避することができる。
連続出力枚数と色ズレ量との関係を示すグラフ。 実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタのY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。 同プリンタにおける各色の感光体を光書込ユニットとともに示す拡大構成図。 同光書込ユニットの長尺レンズユニットを示す斜視図。 同長尺レンズユニットを図5とは逆方向から示す斜視図。 同プリンタの中間転写ベルトの一部を光学センサユニットとともに示す拡大斜視図。 同中間転写ベルトに形成されるシェブロンパッチを示す拡大模式図。 同中間転写ベルトを示す拡大斜視図。 同中間転写ベルトに形成されるテストパターンを示す拡大模式図。 各色の位置ズレ量と連続プリント時間との関係を示すグラフ。 何れか1色における動作中ズレ増加量及び停止中ズレ低下量の特性を示すグラフ。 同プリンタの制御部によって実施される演算式補正処理の処理フローを示すフローチャート。 基準目印と各色トナー像との位置ズレ量を説明する拡大模式図。 係数補正前、係数補正後、及び実際、の動作中ズレ増加量及び停止中ズレ低下量の特性を示すグラフ。 同制御部によって実施される制御フローを示すフローチャート。 2色間ズレ量を説明する拡大模式図。
符号の説明
4:光書込ユニット(潜像書込手段)
5:転写ユニット(転写手段)
10Y,C,M,K:感光体(潜像担持体)
12Y,C,M,K:現像装置(現像手段)
20:中間転写ベルト(無端移動体)
20a:基準目印
136:光学センサユニット(像検知手段)
139:目印検知センサ(目印検知手段)
PV:シェブロンパッチ(ズレ検知用可視像)
TP:テストパターン(ズレ検知用可視像)

Claims (4)

  1. 無端移動する表面に潜像を担持する複数の潜像担持体、それら潜像担持体上の潜像を互いに異なる色に現像する複数の現像手段、及びそれら潜像担持体に潜像を書き込む潜像書込手段を有する作像手段と、無端移動体の表面を無端移動させつつ、それぞれの潜像担持体の表面に形成された可視像を、該無端移動体の表面、あるいは該表面に保持される記録部材に重ね合わせて転写する転写手段と、該作像手段を制御する作像制御手段とを備え、該作像制御手段が、各色の可視像についてそれぞれ、該無端移動体の表面上における理論上の位置ズレ量である理論ズレ量を所定の演算式に基づいて算出し、算出結果に基づいて各色の可視像の重ね合わせズレ量を把握し、把握結果に基づいて作像動作中における該潜像書込手段の潜像書込条件を補正して重ね合わせズレ量を低減する書込条件補正処理を実施し、且つ、複数の該潜像担持体に互いに異なる色のズレ検知用可視像を形成して該無端移動体の表面に転写した後、該無端移動体の表面上における各色のズレ検知用可視像についてそれぞれ、像検知手段によって検知したタイミングに基づいて正規位置からの位置ズレ量を実ズレ量として算出し、該実ズレ量と上記理論ズレ量との比較に基づいて演算式を補正する演算式補正処理を所定のタイミングで実施するものである画像形成装置において、
    上記無端移動体の表面の無端移動方向における所定位置に付した基準目印を検知する目印検知手段を設けるとともに、
    上記演算式として、各色の可視像について、作像動作時間の増加に伴う上記理論ズレ量の増加量を求めるための「増加量=係数B(1−exp(−係数A×作像動作時間))」という第1式と、作像停止時間の増加に伴う上記理論ズレ量の低下量を求めるための低下量=係数B(exp(−係数A×動作停止時間))」という第2式とを用い、上記書込条件補正処理にて、該第1式による増加量の算出結果と、該第2式による低下量の算出結果と、上記潜像書込条件の補正による位置ズレ補正量とに基づいて、各色の可視像の重ね合わせズレ量を把握し、且つ上記演算式補正処理にて、各色のズレ検知用可視像についてそれぞれ、上記像検知手段によるズレ検知用可視像の検知タイミングと、該目印検知手段による該基準目印の検知タイミングとに基づいて上記実ズレ量を算出し、算出結果と上記理論ズレ量との比較に基づいて上記係数Bを補正する処理を実施するように、上記作像制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 無端移動する表面に潜像を担持する複数の潜像担持体、それら潜像担持体上の潜像を互いに異なる色に現像する複数の現像手段、及びそれら潜像担持体に潜像を書き込む潜像書込手段を有する作像手段と、無端移動体の表面を無端移動させつつ、それぞれの潜像担持体の表面に形成された可視像を、該無端移動体の表面、あるいは該表面に保持される記録部材に重ね合わせて転写する転写手段と、該作像手段を制御する作像制御手段とを備え、該作像制御手段が、各色の可視像についてそれぞれ、該無端移動体の表面上における理論上の位置ズレ量である理論ズレ量を所定の演算式に基づいて算出し、算出結果に基づいて各色の可視像の重ね合わせズレ量を把握し、把握結果に基づいて作像動作中における該潜像書込手段の潜像書込条件を補正して重ね合わせズレ量を低減する書込条件補正処理を実施し、且つ、複数の該潜像担持体に互いに異なる色のズレ検知用可視像を形成して該無端移動体の表面に転写した後、該無端移動体の表面上における各色のズレ検知用可視像についてそれぞれ、像検知手段によって検知したタイミングに基づいて正規位置からの位置ズレ量を実ズレ量として算出し、該実ズレ量と上記理論ズレ量との比較に基づいて演算式を補正する演算式補正処理を所定のタイミングで実施するものである画像形成装置において、
    上記演算式として、各色の可視像について、作像動作時間の増加に伴う上記理論ズレ量の増加量を求めるための「増加量=係数B(1−exp(−係数A×作像動作時間))」という第1式と、作像停止時間の増加に伴う上記理論ズレ量の低下量を求めるための「低下量=係数B(exp(−係数A×動作停止時間))」という第2式とを用い、上記書込条件補正処理にて、該第1式による増加量の算出結果と、該第2式による低下量の算出結果と、上記潜像書込条件の補正による位置ズレ補正量とに基づいて、各色の可視像の重ね合わせズレ量を把握し、且つ、上記演算式補正処理にて、各色のズレ検知用可視像についてそれぞれ、上記潜像書込手段によって潜像の書込を開始してから、上記像検知手段によってズレ検知用可視像を検知するまでの時間と、所定の基準時間との比較に基づいて上記実ズレ量を算出し、且つ上記演算式補正処理にて、各色のズレ検知用可視像についてそれぞれ、上記潜像書込手段によって潜像の書込を開始してから、上記像検知手段によってズレ検知用可視像を検知するまでの時間と、所定の基準時間との比較に基づいて上記実ズレ量を算出し、算出結果と上記理論ズレ量との比較に基づいて上記係数Bを補正する処理を実施するように、上記作像制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    上記書込条件補正処理を書込条件第1補正処理として実施する他に、上記無端移動体の表面上のズレ検知用可視像を上記像検知手段によって検知したタイミングに基づいて該ズレ検知用可視像の正規位置からのズレ量を算出し、この算出結果に基づいて上記潜像書込条件を補正する書込条件第2補正処理も実施し、該書込条件第1補正処理と書込条件該第2補正処理とを状況に応じて使い分け、且つ、第2補正処理を実施した後には、上記第1式に用いる作像動作時間と、上記第2式に用いる動作停止時間とをそれぞれゼロにリセットする処理を実施するように、上記作像制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項の画像形成装置において、
    複数枚の記録部材に対して画像を連続して形成する連続プリント動作の命令がなされ、且つ、該連続プリント動作における出力枚数が所定枚数以上である場合に、上記書込条件第2補正処理を実施してから該連続プリント動作を実行し、その後に上記演算式補正処理を実施するように、上記作像制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
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