JP4604894B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の走査線により像担持体上に画像を形成する画像形成装置に関し、特に各走査線の走査位置を補正するタイミングの決定方法に関するものである。
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、複数色の画像を順次重ね合わせてカラー画像を形成するカラー画像形成装置が急速に普及しつつある。このようなカラー画像形成装置としては、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナー像をそれぞれ複数の画像形成ユニットを用いて別個の感光体(像担持体)上に形成し、記録媒体若しくは中間転写体上に順次転写してフルカラー画像を形成するタンデム型の画像形成装置や、1つの感光体上に各色のトナー像を順次形成し、中間転写体上に順次転写してフルカラー画像を形成するワンドラム方式の画像形成装置が挙げられる。
近年、画像形成装置における処理の高速化、高画質化の要求が高まりつつあるが、上述したようなタンデム型のカラー画像形成装置においては、複数の画像形成ユニットを用いてフルカラー画像を形成する方式であるため、各画像形成ユニットで形成された各色のトナー像を重ね合わせる際の位置合わせ具合が悪化し、色ずれが発生する可能性がある。色ずれの主な原因としては、高速回転する駆動モータや定着部からの発熱等によるカラー画像形成装置の機内温度の変化や外力により、各画像形成ユニット自身或いは画像形成ユニット内の部品の位置や大きさが微妙に変化することが挙げられる。
特に、感光体上に画像の書き込みを行う走査光学装置においては、近年の画像形成装置の高速化、高解像度化に伴い、走査システムの偏向装置であるポリゴンミラーを回転させるモータを高速回転させる必要が生じる。このようにモータの高速回転化が進むにつれ、モータの回転子及びモータの回転を制御する回路基板から発せられる熱により、走査光学装置の内部温度の上昇も顕著になる。そのため、内部に配置された半導体レーザ光源やレンズ等の光学部材が温度変化の影響を受け、画像形成装置に搭載した後に走査開始位置の変化が生じてしまうことがある。
このような色ずれの発生を防止するため、従来、転写体搬送部或いは中間転写体上に色ずれ検知マーク(以下、レジストマークという)を形成し、このレジストマークを検知手段で検知することにより色ずれ量を検知し、検知結果に基づいてレーザ点灯タイミングや点灯間隔を変更して色ずれ補正処理を実行する方法がとられている。
しかし、この色ずれ補正処理は通常の画像形成時以外に実行する必要があるため、例えば所定の印刷枚数に到達したときに補正を実行するように設定すると、連続画像形成時に実行枚数に達した場合、画像形成処理が中断することとなり、ユーザの待ち時間が長くなる。また、一定の時間間隔で補正処理を行うこととすれば、色ずれの発生頻度は装置の使用状態や使用環境により異なるため、必要のない補正処理を頻繁に行ったり、或いは補正が必要であるにも係わらず補正処理が行われなかったりするという問題点があった。
そこで、画像形成装置内部の温度変化に応じて各画像形成ユニットにおける走査開始位置を補正し、色ずれを防止する方法が提案されており、例えば特許文献1には、画像形成手段を支持するフレームの近傍に温度検出手段を配置し、画像形成手段により近い位置で機内温度を検知することにより、従来に比べて適切なタイミングで色ずれ補正処理を実行可能とした画像形成装置が開示されている。
しかし、画像形成装置内部の温度上昇は、走査光学装置内部の温度上昇と必ずしも一致しておらず、例えば走査光学装置及び定着部の両方が作動する画像形成時や、定着部のヒータのみ加熱しておく装置待機時等、画像形成装置の運転モードによって異なっている。また、複数の走査光学装置を備えたタンデム型のカラー画像形成装置では、印刷される画像により各画像形成ユニットの駆動時間が異なるため、走査光学装置内部の温度上昇もユニット毎に異なる。そのため、特許文献1の方法により機内温度に応じて色ずれ補正タイミングを設定しても、実際の走査開始位置ずれの発生タイミングと一致させることは困難であった。
また、走査光学装置内に温度検知手段を設け、走査光学装置内部の温度上昇を直接検知して補正タイミングを設定する方法も考えられるが、例えば各画像形成ユニットに走査光学装置を備えたタンデム型のカラー画像形成装置では、4つの走査光学装置それぞれに高価な温度センサを設置する必要があり、コストアップに繋がる。さらに、4つの温度センサについて常に温度変化をモニタリングする必要があり、CPU等の制御部の負担も大きくなってしまう。
一方、特許文献2には、転写材搬送体或いは中間転写体の速度を検出する速度検出手段と、検出された速度と色ずれ量との関係を示すテーブルとを設け、速度検出結果を用いて装置内部の温度測定を必要とせずに色ずれ補正を行う画像形成装置が開示されている。しかしながら、機内温度の上昇は転写材搬送体或いは中間転写体の速度からある程度推定できるものの、上述したように走査光学装置内部の温度上昇とは必ずしも一致しないため、特許文献1の場合と同様に、補正タイミングを実際の走査開始位置ずれの発生タイミングと一致させることは困難であった。
特開平8−286566号公報 特開2002−221841号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、装置の運転モードに関係なく走査光学装置内部の温度変化を的確に推定し、使用状態に応じた適切な補正タイミングを設定できる画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、第1の発明の画像形成装置は、像担持体と、偏向手段により偏向された複数の走査線を用いて前記像担持体上を走査して画像の書き込みを行う1つ以上の走査光学装置と、該走査光学装置による前記像担持体上の走査位置を補正する制御手段と、を備えた画像形成装置において、前記制御手段は、画像形成装置の駆動状態から推定される前記走査光学装置内の温度情報若しくは補正実行頻度情報のうち少なくとも1つを用いて補正実行タイミングを自動設定することを特徴とする。
第2の発明の画像形成装置は、上記第1の発明の構成において、印字枚数をカウントする印字枚数カウンタと、前記制御手段により実行された補正回数をカウントする補正制御カウンタと、補正予約回数を記憶する補正制御予約カウンタと、が設けられており、前記制御手段は、前記印字枚数カウンタのカウント値に基づいて補正を実行するとともに、前記補正制御カウンタにより所定時間内にカウントされた補正回数に基づいて補正予約回数を決定して前記補正制御予約カウンタに記憶し、前記補正制御予約カウンタに記憶された回数の補正を所定のタイミングで実行することを特徴とする。
第3の発明の画像形成装置は、上記第1の発明の構成において、前記走査光学装置により前記像担持体上に書き込まれた静電潜像にトナーを付着させて形成されたトナー像を、直接又は中間転写体を介して記録媒体上に転写する転写手段と、該転写手段によりトナー像が転写された記録媒体を加熱及び加圧してトナー像を定着させる定着手段と、前記走査光学装置内の推定温度を算出する演算手段と、が設けられ、前記走査光学装置及び前記定着手段を駆動する連続印字モードと、前記走査光学装置及び前記定着手段の駆動を停止する非印字モードと、前記定着手段の温度制御のみを行う待機モードと、を実行可能であり、前記演算手段は、前記連続印字モードにおける前記走査光学装置の発熱量と、前記非印字モードにおける前記走査光学装置からの放熱量と、前記待機モードにおける前記定着手段からの発熱量とに基づいて前記走査光学装置内の推定温度を算出し、前記制御手段は、前記演算手段により算出された推定温度に基づいて補正を実行することを特徴とする。
第4の発明の画像形成装置は、上記第3の発明の構成において、前記演算手段は、以下の条件式(1)を用いて前記走査光学装置内の推定温度Tを算出することを特徴とする。
T=G+{k1×(A+C−Y0)/A×B×t1}+{k2×(C−Y0)/C×D×t2}+{k3×(E+C−Y0)/E×F×t3}・・・(1)
ただし、
Y0;直前の演算から得られた走査光学装置内の温度
A;連続印字モードにおける走査光学装置内の飽和温度と外気温度との差
B;連続印字モードにおける単位時間当たりの温度上昇量
C;演算実行時の外気温度
D;非印字モードにおける単位時間当たりの温度降下量
E;待機モードにおける走査光学装置内の飽和温度と外気温度との差
F;待機モードにおける単位時間当たりの温度上昇量
G;電源投入時の外気温度
k1;印字モードの演算係数
k2;非印字モードの演算係数
k3;待機モードの演算係数
t1;偏向手段の駆動時間
t2;偏向手段及び定着手段の停止時間
t3;定着手段の温度制御時間
である。
第5の発明の画像形成装置は、上記第4の発明の構成において、前記演算手段は、所定枚数以上の印字予約が入力された場合、予約枚数から予測される偏向手段の駆動時間t1を用いて算出される印字実行後の走査光学装置内の推定温度Tに基づいて補正実行の要否を判断し、前記制御手段は、補正が必要な場合は印字開始前に先行して実行することを特徴とする。
第6の発明の画像形成装置は、上記第4又は第5の発明の構成において、前記演算手段は、前記走査光学装置内の推定温度Tの変化量に単位温度当たりの位置ずれ量を乗じて推定走査位置ずれ量を算出し、前記制御手段は、算出された推定走査位置ずれ量に基づいて走査位置を補正することを特徴とする。
第7の発明の画像形成装置は、上記第6の発明の構成において、前記走査光学装置の走査位置ずれ量を検知する検知手段が設けられており、前記制御手段は、前記演算手段により算出された推定走査位置ずれ量を用いて走査位置を補正する第1の補正と、前記検知手段により検知された走査位置ずれ量を用いて走査位置を補正する第2の補正とを実行可能であることを特徴とする。
第8の発明の画像形成装置は、上記第7の発明の構成において、前記演算手段は、前記第1の補正において算出された推定走査位置ずれ量と、前記第2の補正において検知された走査位置ずれ量とを平均化して、演算係数k1、k2、k3を最適化することを特徴とする。
第9の発明の画像形成装置は、上記第7又は第8の発明の構成において、前記第1の補正の実行頻度は、前記第2の補正の実行頻度よりも高いことを特徴とする。
第1の発明の構成によれば、画像形成装置が連続印字中であるか印字停止中であるかに係わらず、押す差光学装置内部に温度センサを設けることなく補正の要否を判断して適切なタイミングで走査位置補正を実行可能となる。
また、第2の発明の構成によれば、上記第1の発明の画像形成装置において、所定時間内の補正実行回数により装置の運転状態を判断し、運転状態に応じた回数だけその後の補正予約を入れることにより、印字枚数がカウントされない印字停止中においても適切なタイミングで走査位置補正を実行することができ、印字再開後の色ずれを効果的に防止することができる。
また、第3の発明の構成によれば、上記第1の発明の画像形成装置において、連続印字モードにおける走査光学装置の発熱量と、非印字モードにおける走査光学装置からの放熱量と、待機モードにおける定着手段からの発熱量とに基づいて走査光学装置内の推定温度を算出し、算出される走査光学装置内の推定温度に基づいて補正を実行することにより、温度センサを用いずに走査光学装置内部の温度変化を的確に把握し、温度変化に応じた適切なタイミングで走査位置補正を実行することができる。
また、第4の発明の構成によれば、上記第3の発明の画像形成装置において、走査光学装置内の推定温度を条件式(1)を用いて算出することにより、算出される走査光学装置内の推定温度がより正確なものとなる。
また、第5の発明の構成によれば、上記第4の発明の画像形成装置において、所定枚数以上の印字予約が入った段階で画像形成装置の動作状況を予測し、印字を開始する前に補正の要否を判断するとともに、補正が必要な場合は先行して実行することにより、印字処理を中断することなく印字開始時から良好な画質で出力物を提供することができる。
また、第6の発明の構成によれば、上記第4又は第5の発明の画像形成装置において、走査光学装置内の推定温度の変化量に単位温度当たりの位置ずれ量を乗じて算出された推定走査位置ずれ量に基づいて走査位置を補正することにより、レジストマークを作成せずに走査位置ずれ量を推定できるため、補正による印字待ち時間が短くなり、連続印字中においても印字処理を中断することなく走査位置補正が可能となる。
また、第7の発明の構成によれば、上記第6の発明の画像形成装置において、推定走査位置ずれ量を算出する第1の補正と、検知手段により走査位置ずれ量を実測する第2の補正の両方を実行可能とすることにより、走査光学装置や画像形成装置の個体差を吸収したより高精度な補正が可能となる。
また、第8の発明の構成によれば、上記第7の発明の画像形成装置において、推定走査位置ずれ量と実際の走査位置ずれ量とを平均化して、条件式(1)内の演算係数k1、k2及びk3を最適化することにより、演算係数を個々の走査光学装置に応じた値に修正して、推定走査位置ずれ量を実測値に一層近づけることができる。
また、第9の発明の構成によれば、上記第7又は第8の発明の画像形成装置において、第1の補正の実行頻度を第2の補正に比べて高くすることにより、レジストマークの作成頻度を低減して全体の補正時間をより短縮することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るカラー画像形成装置及びその制御回路の構成を示す概略図である。先ず、図1を用いて画像形成装置の動作について説明する。カラー画像形成装置1本体内には、異なる4色(イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラック)の画像に対応する4つの感光体ドラム2a、2b、2c及び2dが、搬送方向上流側(図1では上側)から順に配設されている。
感光体ドラム2a〜2dの周囲には、感光体ドラム2a〜2dの表面を一様に帯電させる帯電器(図示せず)と、各感光体ドラム2a〜2dに画像情報に基づく静電潜像を書き込む露光ユニット3と、静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像ユニット(図示せず)と、感光体ドラム2a〜2d上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング部(図示せず)が設けられている。露光ユニット3内には、各感光体ドラム2a〜2dにレーザ光を照射する4つの走査光学装置4a、4b、4c、及び4dが配置されている。
ユーザにより画像形成開始が入力されると、先ず、帯電器によって感光体ドラム2a〜2dの表面を一様に帯電させ、次いで走査光学装置4a〜4dによって光照射し、各感光体ドラム2a〜2d上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像ユニットには、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各色のトナーが所定量充填されており、感光体ドラム2a〜2d上に供給され、静電的に付着することにより、静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、中間転写ベルト5を挟んで感光体ドラム2a〜2dに対峙する中間転写ローラ(図示せず)により感光体ドラム2a〜2d上のイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナー像が中間転写ベルト5上に転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな画像形成処理に備え、感光体ドラム2a〜2d表面の残留トナーがクリーニング部により除去される。
トナー像が転写される転写紙は、図示しない装置下部の用紙カセット内に収容されており、給紙ローラ(図示せず)及びレジストローラ対8を介して転写ローラ9へと搬送される。中間転写ベルト5は、上流側の搬送ローラ6と、下流側の駆動ローラ7とに掛け渡されており、駆動ローラ7の回転に伴い中間転写ベルト5が時計回りに回転を開始すると、転写紙がレジストローラ対8から所定のタイミングで中間転写ベルト5に隣接して設けられた転写ローラ9へ搬送され、フルカラー画像が転写される。トナー像が転写された転写紙は定着部10へと搬送される。定着部10に搬送された転写紙は、加熱及び加圧によりトナー像が表面に定着された後、装置外部へ排出される。
レジストマーク検出センサ11は、中間転写ベルト5上に形成されるレジストマークの位置関係を検知する。検知結果は後述する色ずれ補正演算部16に送信され、予め決められた基準位置と比較して走査光学装置4a〜4dによる走査位置を補正することにより、各色について色ずれ補正を行う。レジストマーク検出センサ11としては、一般にLED等の発光素子と、フォトダイオード等の受光素子を備えた光学センサが用いられる。また、レジストマーク検出センサ11に、トナー濃度を検出する機能を兼備させることも可能である。
次に、画像形成装置1の制御回路12について説明する。制御回路12は、大きく分けて画像制御基板13と、全体制御基板14とから構成される。画像制御基板13は、図示しない画像入力部から入力された画像信号を、必要に応じて変倍処理或いは階調処理して画像データに変換する。露光ユニット3内の走査光学装置4a〜4dは、処理後の画像データに基づいてレーザ光を照射し、感光体ドラム2a〜2d上に潜像を形成する。
全体制御基板14は、設定されたプログラムに従って感光体ドラム2a〜2d、中間転写ベルト5、定着部10やレジストマーク検出センサ11等の画像形成装置1各部の動作を全般的に制御する。全体制御基板14は、全体制御部15、色ずれ補正演算部16、印字枚数カウンタ17、及びNVRAM(不揮発メモリ)18から構成されている。
印字枚数カウンタ17は、画像形成装置1における印字枚数を積算カウントして記憶する。印字枚数カウンタ17のカウント値が所定の補正実行値に到達すると、全体制御部15から画像形成装置1各部に制御信号が送信される。この制御信号に基づいて、走査光学装置4a〜4dが感光体ドラム2a〜2d上に所定のパターンを書き込み、さらにトナー像に現像された後、中間転写ベルト5上に転写されて各色のレジストマークが作成される。このレジストマークはレジストマーク検出センサ11で検出される。検出結果は色ずれ補正演算部16に送信されて演算処理が行われ、演算結果はNVRAM18内に色ずれ補正値データ21として記憶される。
全体制御部15は、色ずれ補正値データ21に基づいて機械的、或いは電気的補正手段により走査位置補正を行う。機械的補正手段としては、例えば走査光学装置4a〜4dと感光体ドラム2a〜2dの相対的な位置関係を調整する方法等が挙げられ、電気的補正手段としては、例えばレーザ点灯タイミングや点灯間隔を調整する方法、ドット書き込みクロックの周波数を変化させて主走査倍率を補正する方法等が挙げられる。また、走査位置補正を行った日時は補正制御カウンタ19に記憶される。
本実施形態においては、印字枚数による補正実行タイミングの制御に加えて、所定時間内の補正実行回数に基づいて以後実行される補正の予約回数を決定することとしている。所定時間内の補正実行回数が多いということは、印字枚数が多く、画像形成装置(走査光学装置)の動作状態が連続運転(以下、連続印字モードという)に近いことを示している。従って、所定時間内の補正実行回数をモニタリングすることで、装置が過酷な運転状態であるかどうか、即ち走査光学装置内の温度上昇が大きいかどうかを判断することができる。
印字枚数が多い場合、即ち走査光学装置内の温度上昇が大きい連続印字モードにおいては、所定時間内の補正実行回数も多くなり、その時々の温度に応じた走査位置の補正が行われる。一方、連続印字状態から装置を停止(以下、非印字モードという)すると、走査光学装置内の温度が急激に低下する。しかし、非印字モードでは印字動作が行われないため印字枚数はカウントされず、走査位置補正は実行されないため、温度低下に伴う走査光学装置内部の光学部材の寸法や屈折率の変化により、印字再開時に走査位置のずれが発生する。
そこで、電源投入後、最初の補正が実行されるまでは印字枚数により補正実行タイミングを制御するとともに、補正が実行された後は、印字枚数による制御に加えて、所定時間内の補正実行回数に基づいて以後実行される補正の回数を予約するという制御を行うことにより、走査光学装置内の温度が低下する非印字モードにおいても、温度センサを用いることなく走査光学装置内部の状態に応じた走査位置補正を実行可能となる。
図2は、第1実施形態の画像形成装置における走査位置の補正制御手順を示すフローチャートである。図1を参照しながら、図2のステップに従い第1実施形態の具体的な補正制御例について説明する。なお、ここでは印字枚数カウンタ17のカウント値が補正実行値(例えば200枚)に到達すると走査位置の補正が実行されるものとする。
先ず、全体制御部15により10分経過毎に補正制御カウンタ19内の補正日時を照会し、所定時間内(ここでは過去1時間以内)の補正実行回数をカウントする(ステップS1)。次に、補正回数が0であるか否かが判断され(ステップS2)、補正回数が0でない場合はCに進む。そして、補正回数が4回以上であるか否かが判断され(ステップS7)、4回よりも少ない場合は、2回以上であるか否かが判断される(ステップS8)。補正回数が2回以上の場合は補正制御予約カウンタ20に1回の補正予約を入れ(ステップS9)、2回よりも少ない場合はそのままAに戻り、10分経過毎に補正制御カウンタ19内の補正日時を照会し、過去1時間以内の補正実行回数をカウントして補正回数が0であるか否かを判断する(ステップS1、S2)。
画像形成装置が印字を行わない非印字モードにあると、印字枚数カウンタのカウント値が積算されず新たな補正が実行されないため、補正制御カウンタ19には新たな補正日時が記録されない。そのため、補正制御カウンタ19内の補正日時を照会した時に1時間を超える補正日時がある場合は、該当するデータを消去する。即ち、過去1時間以内の補正実行回数は時間の経過と共に減少していくこととなる。
そして、ステップS2において過去1時間以内の補正回数が0であると判断されると、全体制御部15は、次に補正制御予約カウンタ20内の補正予約回数を照会する(ステップS3)。補正予約回数が0である場合は再びステップS1に戻り、同様の手順を繰り返す。ステップS3において補正予約回数が1以上である場合は、走査位置補正を実行するとともに(ステップS4)、補正制御カウンタ19に補正日時を記録する(ステップS5)。その後、補正制御予約カウンタ20内の補正予約回数を減算(−1)してステップS1に戻る。
一方、ステップS7で補正回数が4回以上の場合はDに進み、補正制御予約カウンタ20に2回の補正予約を入れる(ステップS10)。そして、10分経過毎に補正制御カウンタ19内の補正日時を照会し(ステップS11)、過去1時間以内の補正実行回数をカウントして補正回数が0であるか否かを判断する(ステップS12)。時間の経過と共に過去1時間以内の補正回数が減少して0になると、Bに進んで走査位置補正を実行するとともに補正制御カウンタ19に補正日時を記録し、補正制御予約カウンタ20内の補正予約回数を減算(−1)して(ステップS4〜S6)再びステップS1に戻る。
例えば補正予約回数が2である場合は、前回の補正実行から1時間経過して補正制御カウンタ19内の補正実行回数が0となった時に1回目の補正が実行され、補正予約回数が1に減算される。この時点で補正実行回数が再び1となるので、さらに1時間経過後に補正実行回数が0となった時に残り1回の補正が実行され、補正予約回数が0に減算されて予約補正制御が終了する。なお、所定時間内の補正回数と補正予約回数との関係は、画像形成装置の仕様や特性に応じて設定すれば良く、ユーザの使用状況や装置の使用環境等に応じて補正予約回数を適宜設定可能としても良い。
また、本実施形態では、露光ユニット3は4つの独立した走査光学装置4a〜4dで構成されているが、例えば1つのポリゴンミラー(偏向手段)22aにより偏向走査されたビームを、複数のミラー23を用いて各感光体ドラム2a〜2dに導光する図3の構成や、2つのポリゴンミラー22a、22bを用いて各感光体ドラム2a〜2dに導光する図4の構成のように、露光ユニット3は1つ又は複数のポリゴンミラーを備えた1つの走査光学装置であっても良い。
図5は、本発明の第2実施形態に係るカラー画像形成装置及びその制御回路の構成を示す概略図である。第1実施形態の図1と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。図5に示すように、画像形成装置1内には外気温度を測定する温度センサ24を備えており、全体制御基板13には、演算結果格納アドレス25及び演算係数格納アドレス26を備えている。
本実施形態においては、印字枚数カウンタ17によりカウントされる印字枚数と、走査光学装置4a〜4d内の推定温度情報の両方に基づいて補正を実行することとしている。前述したように、連続印字モードから非印字モードに移行すると、走査光学装置内の温度が急激に低下するが、非印字モードでは走査位置補正は実行されないために走査位置のずれが発生する。
また、発熱源である定着部10に近い走査光学装置(図5では走査光学装置4d)ほど温度変化の影響を受けやすいため、各走査光学装置4a〜4dで走査位置ずれの発生頻度が異なる。また、図3に示したような1つの走査光学装置を用いる場合であっても、発熱源であるポリゴンミラー22aに近い光学部材ほど寸法や屈折率変化が大きくなる。従って、各色において走査位置補正が必要となる頻度も異なってくる。
走査光学装置4a〜4d内の温度は、ポリゴンミラーの回転による走査光学装置内の発熱量、ポリゴンミラー停止時の走査光学装置からの放熱量、及び定着部10のヒータからの発熱量によって変化する。そこで、これら3つの要因により走査光学装置内の温度を推定して、各走査光学装置4a〜4dについて走査位置の補正実行タイミングを決定すれば良い。
連続印字モードにおける走査光学装置内の温度変化をY1とすると、
Y1=k1×(A+C−Y0)/A×B×t1 ・・・(a)
で表すことができる。式(a)中、Y0は直前の演算から得られた走査光学装置内の温度である。Aは連続印字モードにおける走査光学装置内の飽和温度と外気温度との差である。飽和温度とは、画像形成装置を連続運転(連続印字)させた時、走査光学装置内の発熱量と放熱量とが均衡して、それ以上運転を継続してもその温度以上にはならないという温度である。なお、走査光学装置内の温度変化はポリゴンミラーからの発熱が主な原因であるが、Aは実際の印字状態で求められた実験値であり、他の要因、例えば走査光学装置から離れた定着部や感光体ドラムを駆動するモータ、各種電気基板等からの発熱も加味された装置固有の値である。
Bは連続印字モードにおける単位時間当たりの温度変化量、即ちポリゴンミラーからの発熱を主原因とする走査光学装置内の単位時間当たりの温度上昇量である。このBの値もAと同様に実際の印字状態で求められた実験値であり、装置固有の値である。Cは式(a)に基づく演算実行時の外気温度であり、温度センサ24により測定される値である。t1はポリゴンミラーの駆動時間(連続印字モード継続時間)を表し、k1は連続印字モードにおける演算係数を表している。
また、非印字モードにおける走査光学装置内の温度変化をY2とすると、
Y2=k2×(C−Y0)/C×D×t2 ・・・(b)
で表すことができる。Y0及びCは式(a)と同様である。Dは非印字モード(放熱時)における走査光学装置の単位時間当たりの温度変化量であり、連続運転により外気温度に対して十分に暖められた状態から運転停止状態に移行した時の、画像形成装置から外気への放熱による走査光学装置内の単位時間当たりの温度降下量である。このDの値もA、Bと同様に実際の装置運転状態で求められた実験値であり、装置固有の値である。t2はポリゴンミラー及び定着部の停止時間(非印字モード継続時間)を表し、k2は非印字モードにおける演算係数を表している。
また、ユーザにより印字処理が開始された時に定着部の加熱ローラを短時間で定着温度まで上昇させて印字可能な状態にするため、ヒータ温度を所定温度に制御しておく(以下、待機モードという)場合における、定着部からの発熱による走査光学装置内の温度変化をY3とすると、
Y3=k3×(E+C−Y0)/E×F×t3 ・・・(c)
で表すことができる。Y0及びCは式(a)、(b)と同様である。
Eは待機モードにおける、走査光学装置内の飽和温度と外気温度との差である。画像形成装置は印字状態でなくとも定着部は温度制御状態にあるため、定着部からの発熱により画像形成装置内の温度が上昇し、ひいては走査光学装置内の温度が上昇することとなる。Eの値はこのような状態での走査光学装置内の飽和温度と外気温度との差を表している。このEの値も実際の装置運転状態で求められた実験値であり、装置固有の値である。なお、この温度制御は必ずしも印字中の温度とは限らず、短時間で印字が開始できる範囲で印字中の温度より低い温度に制御される場合もある。
Fは待機モードにおける、定着部からの発熱による走査光学装置内の単位時間当たりの温度上昇量である。このFの値もEと同様に実際の装置運転状態で求められた装置固有の実験値である。t3は定着部の温度制御時間(待機モード継続時間)を表し、k3は待機モードにおける演算係数を表している。
従って、走査光学装置内の温度変化量は、上記Y1、Y2及びY3を加えた量となり、走査光学装置内の推定温度TをY1、Y2及びY3を用いて表すと、
T=G+{k1×(A+C−Y0)/A×B×t1}+{k2×(C−Y0)/C×D×t2}+{k3×(E+C−Y0)/E×F×t3}・・・(1)
となる。ここで、Gは電源投入時の外気温度であり、電源投入時においてはt1=t2=t3=0であるから、T=Gである。
図6は、第2実施形態の画像形成装置を連続運転した時の走査光学装置内の温度の実測値と条件式(1)により求めた計算値とを比較したグラフであり、図7は、第2実施形態の画像形成装置を間欠運転(1枚印字して20秒停止の繰り返し運転)した時の走査光学装置内の温度の実測値と条件式(1)により求めた計算値とを比較したグラフである。
なお、ここではA=21℃、B=0.03℃/min、k1=0.5、C=33℃、D=−0.01℃/min、k2=0.2、E=12℃、F=0.03℃/min、k3=0.5とした。また、図6においてはt1=5min、t2=t3=0minとし、図7においてはt1=1.7min、t2=t3=3.3minとした。
図6及び図7から明らかなように、連続運転時及び間欠運転時のいずれにおいても走査光学装置内の温度の実測値(図の破線)は、条件式(1)により求めた計算値(図の実線)とよく一致している。この結果より、走査光学装置内の温度は、走査光学装置内部に高価な温度センサを搭載することなく計算により推定可能であることが確認された。
また、本実施形態のようなタンデム型のカラー画像形成装置において、例えばカラー印刷時には4つの走査光学装置4a〜4dを全て動作させるが、モノクロ印刷時にはブラック画像に対応する走査光学装置4dのみ動作させ、他の走査光学装置4a〜4cは動作させない場合は、走査光学装置4a〜4cと4dとで内部温度差が発生し、走査光学装置4a〜4cの走査線と走査光学装置4dの走査線とで著しいずれが発生するが、本実施形態によれば、各走査光学装置4a〜4dの温度を別個に把握することが可能であり、それぞれの温度変化量に応じた的確な走査位置補正を実行可能となる。
さらに、温度センサによる実測値を用いた補正では、直接温度を測定しないと補正動作に移行できないが、本実施形態では画像形成装置の動作時間から走査光学装置内の推定温度が得られるので、将来の動作を見越した走査位置の補正制御も可能となる。即ち、走査光学装置内の温度が上昇し、補正実行温度に到達する直前で大量の印字予約が入力された場合、印字動作中に補正実行温度に到達して補正が実行されることとなり、印字処理を中断しなければならないが、本実施形態の制御では、印字予約が入った段階で画像形成装置の動作状況が予測されるため、印字を開始する前に予測される動作状況を加味して補正の要否を判断するとともに、補正が必要な場合は印字中における色ずれ量が最小になるような補正を印字開始前に先行して実行することにより、印字処理を中断することなく印字開始時から良好な画質でユーザに出力物を提供することができる。
図8は、第2実施形態の画像形成装置における走査位置の補正制御手順を示すフローチャートである。図5を参照しながら、図8のステップに従い第2実施形態の具体的な補正制御例について説明する。なお、第2実施形態では走査光学装置内の温度変化が所定範囲を超えた場合に加えて、印字枚数カウンタ17のカウント値が補正実行値(例えば200枚)に到達した場合にも走査位置の補正が実行されるが、説明を簡単にするため、図8では走査光学装置内の温度変化に基づく補正制御についてのみ示している。先ず、全体制御部15により所定枚数以上の印字予約が入力されたか否かが判断される(ステップS1)。所定枚数以上の印字予約がない場合は、次に所定時間(ここでは10分)が経過したか否かを判断する(ステップS2)。
色ずれ補正演算部16には条件式(1)が記憶されており、10分経過している場合は、演算結果格納アドレス25内に記憶されている直前の演算から得られた走査光学装置内の温度Y0と、演算係数格納アドレス26内に記憶されている演算係数k1、k2及びk3とを読み出し、温度センサ24により測定された電源投入時の外気温度G、現在の外気温度C、画像形成装置に電源が投入されてからのポリゴンミラーの駆動時間t1、停止時間t2、待機モード継続時間t3に基づいて走査光学装置4a〜4d内の推定温度Tを算出する(ステップS3)。算出された推定温度Tは演算結果格納アドレス25内のY0に上書きされ、新たなY0として記憶される(ステップS4)。
一方、ステップS1において所定枚数以上の印字予約が入力された場合は、予約枚数から画像形成装置の動作状況を予測してポリゴンミラーの駆動時間t1を算出する(ステップS6)。次に、算出されたt1の値を用いて走査光学装置4a〜4d内の推定温度Tを算出する(ステップS3)。算出された推定温度Tは新たなY0として演算結果格納アドレス25内に記憶される(ステップS4)。
次に、各走査光学装置4a〜4dについて算出された推定温度Tが予め設定された許容範囲内であるか否かが判断され(ステップS5)、許容範囲内である場合はAに戻り、ステップS1〜S4の処理を繰り返す。ステップS5において許容範囲内を超えている走査光学装置があると判断された場合は、全体制御部15から画像形成装置1各部に制御信号が送信される。
この制御信号に基づいて、推定温度Tが許容範囲を超えている走査光学装置に対応する色のレジストマークが中間転写ベルト5上に作成され(ステップS7)、レジストマーク検出センサ11で検出される。検出結果は色ずれ補正演算部16に送信されて演算処理が行われ、走査位置ずれ量が測定される(ステップS8)。演算結果はNVRAM18内に色ずれ補正値データ21として記憶される(ステップS9)。全体制御部15は色ずれ補正値データ21に基づいて、該当する走査光学装置について走査位置補正を行う(ステップS10)。
なお、本実施形態においては、印字枚数カウンタ17のカウント値に基づく補正制御と、走査光学装置内の推定温度Tに基づく補正制御とを並行して行うこととしたが、走査光学装置内の推定温度Tに基づく補正制御のみにより走査位置補正の可否を判断することも可能である。また、推定温度Tの許容範囲や推定温度Tの演算を実行する時間間隔は、画像形成装置の仕様や特性に応じて任意に設定することができる。
図9は、本発明の第3実施形態に係るカラー画像形成装置及びその制御回路の構成を示す概略図である。本実施形態においては、走査光学装置4a〜4d内の推定温度情報に基づいて補正を実行する点は第2実施形態と同様であるが、中間転写ベルト5上にレジストマークを作成して実際に色ずれ量を検出することなく、走査光学装置内の温度変化量から走査線の位置ずれ量の推定値を算出して走査位置補正を実行可能としたことを特徴としている。
そのため、図9の全体制御基板14内のNVRAM18には、レジストマークを作成せずに温度変化からずれ量を算出する場合の補正データが記憶される色ずれ補正値データS21aと、レジストマークを作成して実際のずれ量を算出する場合の補正データが記憶される色ずれ補正値データM21bとを備えている。他の部分の構成は第2実施形態の図5と同様であるため説明を省略する。
図10は、走査光学装置内の温度変化と走査位置ずれ量との関係を示すグラフである。図10から明らかなように、走査位置ずれ量は、走査光学装置内の温度変化と比例関係にあることがわかる。即ち、推定走査位置ずれ量をH、単位温度当たりの位置ずれ量をΔHとすると、H=ΔT×ΔHで表される。ここで、ΔTは色ずれ補正演算部16に記憶された条件式(1)により求めた推定温度Tの変化量である。なお、ΔHはNVRAM18内に予め記憶されている。
通常、レジストマークを作成して行う補正では、30秒〜1分程度の補正時間が必要であるが、本実施形態の構成によれば、中間転写ベルト5上へのレジストマーク作成を省略できるので、印字処理を中断することなく走査位置補正を実行可能となる。従って、補正実行時の待ち時間を無くして画像形成装置の実質的な稼働時間を増やすことができる。
なお、単位温度当たりの位置ずれ量ΔHには、それぞれの走査光学装置間の個体差があり、温度が上昇するほど個体差による推定走査位置ずれ量Hの誤差も大きくなる。そこで、走査位置の補正動作を行う場合、何回かに1回は実際にレジストマークを作成して位置ずれ量を実測することにより、走査光学装置の個体差を吸収することが好ましい。レジストマークの検出による走査位置ずれ量の測定では、走査光学装置のみでなく、画像形成装置全体の誤差要因も含めた位置ずれ量を検出可能であるため、画像形成装置の個体差も同時に吸収することができる。
また、レジストマークの検出による走査位置ずれ量の実測値と、温度変化から算出された推定走査位置ずれ量とを比較して平均化し、演算係数格納アドレス26に格納された演算係数k1、k2及びk3を順次修正するようにすれば、条件式(1)内の係数を個々の走査光学装置に応じた値に最適化して推定走査位置ずれ量を実測値に近づけることができ、走査光学装置の個体差を加味した最適な補正制御を行うことができる。
図11は、第3実施形態の画像形成装置における走査位置の補正制御手順を示すフローチャートである。図9を参照しながら、図11のステップに従い第3実施形態の具体的な補正制御例について説明する。なお、全体制御部15により所定枚数以上の印字予約が入力されたか否か、及び所定時間が経過したか否かを判断し、走査光学装置4a〜4d内の推定温度Tを算出して許容範囲内であるか否かを判断するまでの手順(図8のステップS1〜S6)は図8と同様であるため記載を省略する。また、ここでは補正3回のうち2回は温度変化から推定走査ずれ量を算出する補正(以下、第1の補正という)を行い、残りの1回はレジストマークを作成して走査ずれ量を直接検出する補正(以下、第2の補正という)を行うものとする。
推定温度Tが許容範囲を超える場合、次に全体制御部15により補正回数が3の倍数であるか否かが判断される(ステップS7)。補正回数が3の倍数である場合は第2の補正が実行される。全体制御部15から画像形成装置1各部に制御信号が送信され、制御信号に基づいて、推定温度Tが許容範囲を超えている走査光学装置に対応する色のレジストマークが中間転写ベルト5上に作成される(ステップS8)。このレジストマークはレジストマーク検出センサ11により検出され、検出結果は色ずれ補正演算部16に送信されて演算処理が行われ、走査位置ずれ量が測定される(ステップS9)。演算結果はNVRAM18内に色ずれ補正値データM21bとして記憶される(ステップS10)。
次に、この色ずれ補正値データM21bと、過去2回の第1の補正によるトータルの補正量(色ずれ補正値データS21a)との平均をとって、演算係数格納アドレス26内に格納されている演算係数k1、k2、k3を最適化する(ステップS11)。そして、全体制御部15は色ずれ補正値データM21bに基づいて、該当する走査光学装置について走査位置補正を行う(ステップS12)。
一方、ステップS7において補正回数が3の倍数でない場合は第1の補正が実行される。算出された推定温度Tに単位温度あたりの位置ずれ量ΔHを乗じて走査位置ずれ量の推定値を算出する(ステップS13)。演算結果はNVRAM18内に色ずれ補正値データS21aとして記憶される(ステップS14)。そして、全体制御部15は色ずれ補正値データS21aに基づいて、該当する走査光学装置について走査位置補正を行う(ステップS12)。
なお、この例においては3回の補正のうち1回を、レジストマークを作成して位置ずれ量を実測する第2の補正としたが、この第2の補正の回数と、演算により推定位置ずれ量を求める第1の補正の回数との比率は任意に設定することができる。ただし、レジストマークの作成頻度を低減して補正時間をより短縮するためには、第1の補正の実行頻度を第2の補正に比べて高く設定することが好ましい。
その他、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記各実施形態においては、いずれも各色のトナー像を中間転写ベルト上に順次積層してカラー画像を形成した後、転写紙上に一度に転写する方式の画像形成装置について説明したが、中間転写ベルトに代えて中間転写ドラム等の他の中間転写体を用いた画像形成装置にも適用できる。
また本発明は、転写紙を搬送手段により各画像形成部に搬送し、各色のトナー像を転写紙上に順次形成する直接転写式や、1つの感光体を備えたワンドラム式のカラー画像形成装置においても同様の効果を得ることができ、さらにカラー画像形成装置のみでなく、モノクロタイプの複写機、プリンタ、ファクシミリ等の走査位置補正についても適用できるのはもちろんである。
以上説明したように本発明によれば、走査光学装置の駆動時間及び定着温度の制御時間から推定される走査光学装置内の温度情報若しくは補正実行頻度情報のうち少なくとも1つを用いて補正実行タイミングを自動設定することにより、装置の運転モードに関係なく走査光学装置内部の温度変化を的確に推定し、使用状態に応じた適切な補正タイミングを設定できる色ずれの少ないカラー画像形成装置を提供する。
は、本発明の第1実施形態におけるカラー画像形成装置及びその制御回路の構成を示す概略図である。 は、第1実施形態の画像形成装置における走査位置の補正制御手順を示すフローチャートである。 は、走査光学装置の他の構成を示す概略図である。 は、走査光学装置の他の構成を示す概略図である。 は、本発明の第2実施形態におけるカラー画像形成装置及びその制御回路の構成を示す概略図である。 は、第2実施形態の画像形成装置を連続運転した時の、走査光学装置内の温度の実測値と条件式(1)により求めた計算値とを比較したグラフである。 は、第2実施形態の画像形成装置を間欠運転した時の、走査光学装置内の温度の実測値と条件式(1)により求めた計算値とを比較したグラフである。 は、第2実施形態の画像形成装置における走査位置の補正制御手順を示すフローチャートである。 は、本発明の第3実施形態におけるカラー画像形成装置及びその制御回路の構成を示す概略図である。 は、走査光学装置内の温度変化と走査位置ずれ量との関係を示すグラフである。 は、第3実施形態の画像形成装置における走査位置の補正制御手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 画像形成装置
2a〜2d 感光体ドラム(像担持体)
4a〜4d 走査光学装置
5 中間転写ベルト(中間転写体)
9 転写ローラ(転写手段)
10 定着部(定着手段)
11 レジストマーク検知センサ(検知手段)
12 制御回路
13 画像制御基板
14 全体制御基板
15 全体制御部(制御手段)
16 色ずれ補正演算部(演算手段)
17 印字枚数カウンタ
18 NVRAM
19 補正制御カウンタ
20 補正制御予約カウンタ
21 色ずれ補正値データ
21a 色ずれ補正値データS
21b 色ずれ補正値データM
22a、22b ポリゴンミラー(偏向手段)
24 温度センサ
25 演算結果格納アドレス
26 演算係数格納アドレス

Claims (1)

  1. 像担持体と、偏向手段により偏向された複数の走査線を用いて前記像担持体上を走査して画像の書き込みを行う1つ以上の走査光学装置と、
    該走査光学装置による前記像担持体上の走査位置を補正する制御手段と、を備えた画像形成装置において、
    印字枚数をカウントする印字枚数カウンタと、前記制御手段により実行された補正回数をカウントする補正制御カウンタと、補正予約回数を記憶する補正制御予約カウンタと、が設けられており、
    前記制御手段は、前記印字枚数カウンタのカウント値に基づいて補正を実行するとともに、前記補正制御カウンタにより所定時間内にカウントされた補正回数に基づいて補正予約回数を決定して前記補正制御予約カウンタに記憶し、前記補正制御予約カウンタに記憶された回数の補正を所定のタイミングで実行することを特徴とする画像形成装置。
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