JP6909095B2 - 温度推定装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
環境温度Eを測定する測定手段と、
熱源が稼働している稼働状態において前記熱源から離間した部材の温度を推定する第一推定手段と、
前記熱源が稼働していない非稼働状態であって、前記部材の温度が上昇しているときに前記部材の温度を推定する第二推定手段と、
前記非稼働状態であって、前記部材の温度が下降しているときに前記部材の温度を推定する第三推定手段と、を有し、
前記第二推定手段は、前記稼働状態から前記非稼働状態に切り替わったときの前記部材の推定温度Ccprintと、前記稼働状態における前記部材の温度上昇量の収束温度Ccxprintと、前記稼働状態から前記非稼働状態に切り替わったときの前記環境温度Eとによって定義された変数xに基づき、前記部材の温度Ccを推定することを特徴とする温度推定装置が提供される。
図1はモノクロ画像を形成する画像形成装置100を示しているが、本発明はフルカラー画像を形成する画像形成装置にも適用可能である。なお、画像形成装置100は以下で説明されるような温度推定装置を有している。感光ドラム122は静電潜像やトナー画像を担持する有機感光体やアモルファスシリコン感光体である。帯電ローラ123は感光ドラム122の表面を一様に帯電させる。レーザ光学箱108は画像信号にしたがって光を出力して感光ドラム122の表面に静電潜像を形成する露光装置ないしは走査光学装置である。現像ローラ121は、トナー容器124に収容されているトナーを静電潜像に供給することで静電潜像を現像してトナー画像を形成する。カートリッジ120は、現像ローラ121、感光ドラム122、帯電ローラ123、トナー容器124、クリーニング装置125を有し、交換可能な部品である。
画像形成装置100が長時間にわたり画像形成を実行すると、カートリッジ120の温度が推奨温度範囲の上限を越えてしまう。この場合、トナー容器124の内部に存在するトナーが溶融してしまう。したがって、画像形成装置100は、通常モードから昇温抑制モードに遷移して、画像形成を途中で停止する必要がある。昇温抑制モードの画像の生産性は通常モードの画像の生産性よりも低いため、昇温抑制モードはトナーを冷却する観点で有利な動作モードである。
図2はカートリッジ120の温度と定着器カバー135の温度を示している。画像形成装置100は時刻t0に画像形成を開始し、時刻t1に画像形成を終了している。つまり、時刻t0から時刻t1までのプリンタ状態はプリント中である。また、時刻t1以降のプリンタ状態はスタンバイ状態(非プリント状態)である。なお、ここでは非プリント状態の一例としてスタンバイ状態を挙げたが、非プリント状態としては他にスリープ状態や電源OFF状態など、複数の状態が存在してもよい。
本実施例では、これらの特徴が考慮されてカートリッジ120の温度が推定される。
図4は画像形成装置100の制御システムを示している。プリントコントローラ400は画像データを変換して画像信号を生成してエンジンコントローラ450に出力する制御ユニットである。エンジンコントローラ450はカートリッジ120や定着装置130などを制御する制御ユニットである。
図5はCPU451が制御プログラムにしたがって実行する温度推定処理を示している。CPU451を中心として温度推定処理に関与する機能群は温度推定装置を形成している。この制御プログラムには、プリント中における温度推定アルゴリズム、非プリント状態前半における温度推定アルゴリズムおよび非プリント状態後半における温度推定アルゴリズムが含まれている。非プリント状態前半とは、プリント終了時刻からカートリッジ120の温度が最高点に達した時刻までの期間をいう。非プリント状態後半とは、カートリッジ120の温度が最高点に達した時刻以降の期間をいう。
・S501でCPU451は温度カウンタCcの更新タイミングが到来するのを待つ。更新タイミングが到来すると、CPU451はS502に進む。
・S502でCPU451は画像形成装置100のプリンタ状態がプリント中かどうかを判定する。プリンタ状態がプリント中であれば、CPU451はS503に進む。CPU451は、プリンタ状態を示す状態フラグをRAM453に記憶していてもよい。CPU451は状態フラグを参照してプリンタ状態がプリント中かどうかを判定してもよい。CPU451はプリントを開始すると状態フラグに1を設定し、プリントが終了すると状態フラグに0を設定する。
・S503でCPU451はROM452からプリント中用の制御データを取得する。プリント中にカートリッジ120の温度はある値に収束する。つまり、プリント時間が長くなる(連続プリント枚数が増加する)につれて温度上昇量ΔCcもゼロに収束する。本実施例において温度上昇量Ccの収束値は収束温度Ccxと呼ばれる。また、図2や図3が示すようにプリント中におけるカートリッジ120の温度はある変化率にしたがって増加する。この変化率は温度変化率kcと呼ばれる。CPU451は収束温度Ccxと温度変化率kcをROM452から取得する。収束温度Ccxと温度変化率kcは、プリンモード(シートの種類(厚み、坪量、コートの有無など))ごとに用意されている。CPU451はシートに適用されるプリントモードに対応する収束温度Ccxと温度変化率kcを取得する。シートの種類はCPU451に接続されたメディアセンサにより取得されてもよいし、CPU451に接続された操作部を通じて操作者により入力されてもよい。メディアセンサは搬送路に設けられてもよい。
・S504でCPU451は温度上昇量ΔCcを算出する。ΔCcは、たとえば次式から算出されうる。
・S505でCPU451は温度カウンタCcを更新する。たとえば、i番目の温度カウンタCciは次式にしたがって更新されうる。
・S507でCPU451は推定温度である温度カウンタCciが閾値温度Cthを超えたかどうかを判定する。閾値温度Cthはトナーの溶融温度に基づいて設定される。たとえば、閾値温度Cthは、溶融温度からマージンを減算して決定されてもよい。温度カウンタCciが閾値温度Cthを超えていなければ、トナーは溶融しない。よって、CPU451はS501に戻る。一方で、温度カウンタCciが閾値温度Cthを超えていれば、CPU451はS508に進む。S508でCPU451は昇温抑制モードに画像形成装置100を遷移させる。CPU451は、カートリッジ120に収容されているトナーの温度が十分に低下するまで、昇温抑制モードに滞在する。CPU451は、カートリッジ120に収容されているトナーの温度が十分に低下すると、通常モードに遷移し、S501に進む。
・S510でCPU451は現在のプリンタ状態が非プリント状態の前半であるかどうかを判定する。たとえば、CPU451は、プリンタ状態が非プリント状態の後半であることを示す特有の値がCcprintやCcxprintに格納されていれば、プリンタ状態が非プリント状態後半であると判定する。CPU451は、プリンタ状態が非プリント状態の後半であることを示す特有の値がCcprintやCcxprintに格納されていなければ、プリンタ状態が非プリント状態前半であると判定する。
たとえば、Ccxprintがゼロより大きければ、CPU451は、プリンタ状態を非プリント状態前半と判定してもよい。プリンタ状態が非プリント状態の前半であれば、CPU451はS511に進む。一方で、プリンタ状態が非プリント状態の後半であれば、CPU451はS521に進む。
・S511でCPU451は非プリント状態前半用の制御データを取得する。この制御データには次のようなパラメータが含まれている。収束温度Ccx'は非プリント状態前半におけるカートリッジ120の温度上昇量の収束値(収束量)である。温度変化率kc'は非プリント状態前半におけるカートリッジ120の温度変化率である。図3に示したように収束温度Ccx'は、プリント終了時刻のカートリッジ120の温度カウンタCcに依存して変化する。また、温度変化率kc'も同様にプリント終了時刻のカートリッジ120の温度カウンタCcに依存して変化する。さらにこれらは画像形成装置100が設置された環境の温度の影響を受ける。たとえば、収束温度Ccx'と温度変化率kc'は次式により算出されてもよい。
・S514でCPU451はプリンタ状態が非プリント状態前半から非プリント状態後半に切り替わったことを示すため、CcprintやCcxprintにプリンタ状態が非プリント状態の後半であることを示す特有の値を格納する。
・S515でCPU451は温度カウンタCcを更新する。たとえば、i番目の温度カウンタCciは次式にしたがって更新されうる。その後、CPU451はS501に戻る。なお、Cci'、 Cci−1' ΔCci'にも同様の関係が成り立っている。
S521でCPU451は非プリント状態後半用の制御データを取得する。たとえば、CPU451はROM452から非プリント状態後半用の制御データを取得する。非プリント状態後半においてカートリッジ120の温度下降量Δはある値に収束する。これは収束温度Ccx"と呼ばれる。また、図2や図3が示すようにカートリッジ120の温度はある変化率にしたがって減少する。この変化率は温度変化率kc"と呼ばれる。CPU451は収束温度Ccx"と温度変化率kc"をROM452から取得する。収束温度Ccx"と温度変化率kc"も、画像形成装置100の電力供給状態(スタンバイ、スリープ、電源オフなど)ごとに用意されている。CPU451は画像形成装置100の電力供給状態に対応する収束温度Ccx"と温度変化率kc"を取得する。
・S522でCPU451は温度下降量ΔCc"を算出する。ΔCc"は、たとえば次式から算出されうる。
・S523でCPU451は温度カウンタCcを更新する。たとえば、i番目の温度カウンタCciは次式にしたがって更新されうる。その後、CPU451はS501に戻る。
図6(A)は実施例の推定結果R2と実際の温度R1を示している。図6(A)が示すように、推定結果R2と実際の温度R1との乖離が十分に小さくなっている。つまり、実施例の推定手法は精度が高い。
図1に示したように、定着装置130は熱源の一例である。トナーやトナーを収容するカートリッジ120は熱源から離間した部材の一例である。温度センサ455は環境温度Eを測定する測定手段の一例である。
Claims (16)
- 環境温度Eを測定する測定手段と、
熱源が稼働している稼働状態において前記熱源から離間した部材の温度を推定する第一推定手段と、
前記熱源が稼働していない非稼働状態であって、前記部材の温度が上昇しているときに前記部材の温度を推定する第二推定手段と、
前記非稼働状態であって、前記部材の温度が下降しているときに前記部材の温度を推定する第三推定手段と、を有し、
前記第二推定手段は、前記稼働状態から前記非稼働状態に切り替わったときの前記部材の推定温度Ccprintと、前記稼働状態における前記部材の温度上昇量の収束温度Ccxprintと、前記環境温度Eとによって定義された変数xに基づき、前記部材の温度Ccを推定することを特徴とする温度推定装置。 - 前記第二推定手段は、
前記変数xに基づき前記非稼働状態において前記部材の温度が上昇しているときに前記部材の温度を推定するために使用される温度上昇量の収束温度Ccx'と温度変化率kc'を決定する第一決定手段と、
前記第一決定手段により決定された前記収束温度Ccx'および前記温度変化率kc'に基づく温度上昇量ΔCc'を決定する第二決定手段と、
前回の推定温度Cci−1に前記第二決定手段により決定された温度上昇量ΔCc'を加算することで前記部材の温度Cciを更新する更新手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載の温度推定装置。 - 前記第二決定手段により決定された温度上昇量ΔCc'が閾値以下になったかどうかを判定する判定手段と、
前記第二決定手段により決定された温度上昇量ΔCc'が前記閾値以下になると、前記部材の温度を推定する推定手段を前記第二推定手段から前記第三推定手段に切り替える切替手段と
をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の温度推定装置。 - 前記第一推定手段により推定される前記部材の温度は、前記稼働状態における前記熱源の稼働時間に応じて増加し、前記熱源の温度に近づくことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の温度推定装置。
- 前記非稼働状態において前記部材の温度が上昇しているときに前記部材の温度を推定するために使用される前記収束温度Ccx'は、前記稼働状態における前記熱源の稼働時間に応じて減少することを特徴とする請求項2または3に記載の温度推定装置。
- 前記非稼働状態における部材の最高温度と、前記稼働状態から前記非稼働状態に切り替わったときの前記部材の推定温度Ccprintとの差分は、前記稼働状態における前記熱源の稼働時間に応じて減少することを特徴とする請求項5に記載の温度推定装置。
- 前記非稼働状態において前記部材の温度が上昇しているときに前記部材の温度を推定するために使用される前記温度変化率kc'は、前記稼働状態における前記熱源の稼働時間に応じて増加することを特徴とする請求項2または3に記載の温度推定装置。
- 前記変数xを決定する変数決定手段をさらに有し、前記変数決定手段は、前記稼働状態から前記非稼働状態に切り替わったときの前記部材の推定温度Ccprintを、前記稼働状態における前記部材の温度上昇量の収束温度Ccxprintで除算することで前記変数xを求めることを特徴とする請求項2または3に記載の温度推定装置。
- 前記変数xを決定する変数決定手段をさらに有し、前記変数決定手段は、前記稼働状態から前記非稼働状態に切り替わったときの前記部材の推定温度Ccprintと前記稼働状態から前記非稼働状態に切り替わったときの前記環境温度Eとの差分である第一差分を求め、前記稼働状態における前記部材の温度上昇量の収束温度Ccxprintと当該環境温度Eとの差分である第二差分を求め、前記第一差分を前記第二差分で除算することで前記変数xを求めることを特徴とする請求項2または3に記載の温度推定装置。
- 前記第一決定手段は、前記収束温度Ccx'が前記変数xの二乗に比例するように前記収束温度Ccx'を求めることを特徴とする請求項2に記載の温度推定装置。
- 前記第一決定手段は、前記温度変化率kc'が前記変数xの二乗に比例するように前記温度変化率kc'を求めることを特徴とする請求項2に記載の温度推定装置。
- 前記熱源はトナー画像をシートに定着させる定着装置であり、
前記部材は、トナーまたは当該トナーを収容するカートリッジであることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一項に記載の温度推定装置。 - 環境温度Eを測定する測定手段と、
熱源から離間した部材の温度を推定する推定手段と、を有し、
前記推定手段は、前記熱源が稼働状態から非稼働状態に切り替わったときの前記部材の推定温度Ccprintと、前記稼働状態における前記部材の温度上昇量の収束温度Ccxprintと、前記環境温度Eとによって定義された変数xに基づき、前記非稼働状態における前記部材の温度Ccを推定することを特徴とする温度推定装置。 - 熱源から離間した部材の温度を推定する推定手段を有し、
前記推定手段は、
前記熱源が稼働している稼働状態における前記部材の温度を、前記熱源の稼働時間に応じて増加するように推定し、
前記熱源が非稼働状態に遷移した後の第一期間における前記部材の温度を、前記稼働状態から前記非稼働状態に切り替わったときの前記部材の推定温度を基準として、前記部材の温度が徐々に上昇するように推定し、前記第一期間の後に続く第二期間において前記部材の温度が徐々に低下するように推定し、
前記第一期間の長さは前記稼働状態の継続時間の長さに反比例することを特徴とする温度推定装置。 - シートにトナー画像を形成する画像形成手段と、
前記シートに前記トナー画像を定着させる定着手段と、
環境温度Eを測定する測定手段と、
前記定着手段が稼働している稼働状態において前記画像形成手段の温度を推定する第一推定手段と、
前記定着手段が稼働していない非稼働状態であって、前記画像形成手段の温度が上昇しているときに前記画像形成手段の温度を推定する第二推定手段と、
前記非稼働状態であって、前記画像形成手段の温度が下降しているときに前記画像形成手段の温度を推定する第三推定手段と、を有し、
前記第二推定手段は、前記稼働状態から前記非稼働状態に切り替わったときの前記画像形成手段の推定温度Ccprintと、前記稼働状態における前記画像形成手段の温度上昇量の収束温度Ccxprintと、前記稼働状態から前記非稼働状態に切り替わったときの前記環境温度Eとによって定義された変数xに基づき、前記画像形成手段の温度Ccを推定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像形成手段の温度Ccが閾値温度を超えているかどうかを判定する判定手段と、
前記画像形成手段の温度Ccが閾値温度を超えると、前記画像形成装置の動作モードを第一モードから第二モードに切り替える切替手段と、をさらに有し、
前記第二モードの画像の生産性は前記第一モードの画像の生産性よりも低いことを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
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