JP3612695B2 - 多色画像形成装置及びその色ずれ調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の像担持体上に形成された可視像を、被転写体上又はこの被転写体上に保持された記録材上に順次重ねて転写して多色画像を得る画像形成装置に係り、特に重ね合わされる可視像の転写ずれを補正することができる多色画像形成装置及びその色ずれ調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カラー複写機、プリンタ等の多色画像形成装置においては、用紙等の記録材上に複数色のトナー像を重ねて転写し、これらを記録材上に定着してカラー画像を作成するものが知られている。
このようなカラー画像形成装置としては、例えば図9に示されるように、用紙を搬送する搬送ベルト115に沿って複数の像担持体(感光体ドラム)104a〜104dを配列し、各像担持体の周囲に単色のトナー像を形成するための帯電装置101、露光装置102、現像装置103等のプロセス装置を備えるものがある。このような画像形成装置は、用紙を搬送ベルト115により搬送しながら、像担持体104a〜104d上に形成した各色のトナー像を転写装置105a〜105dにより順次重ねて転写し、用紙上で複数色のトナー像を重ね合わせを行うものである。そして、全部のトナー像を転写した後は、用紙を搬送ベルト115から剥離して定着装置(図示せず)に搬送し、トナー像を用紙上に定着させてカラー画像として排出する。
【0003】
このような画像形成装置では、用紙上に形成されるカラー画像の色ずれが生じないように、像担持体上のトナー像を各色ごとに精度よく転写しなければならない。このため、例えば特開平7−32656号公報などに示されるようないわゆるレジストレーション・コントローラ(以下レジコン装置という。)が多数提案されている。
【0004】
これらのレジコン装置では、例えばマーク信号形成装置111からの出力信号に基づいて露光装置102a〜102dにより像担持体104a〜104d上に基準潜像を形成し、現像装置103a〜103dにより可視化したトナー像を搬送ベルト115の非画像領域(画像領域116の外側)に転写して、図10に示すようなレジコンマーク117a〜117dを作成する。次いで各色のレジコンマークの位置をマーク検出装置110で読み取って規定位置からのずれ量を検出し、これに基づき画像位置補正装置112で露光装置102a〜102dの露光タイミングを変更することにより、規定位置からのずれを補正する。このような色ずれの補正は、例えば画像形成を行う前に搬送ベルト上に転写されたレジコンマークのずれ量を検出し、これに基づき画像形成時の書き込みタイミングを制御するようになっている。
【0005】
また、上記マーク検出装置110のセンサ部分には、特開平7−32656号公報に記載されるようなCCDセンサ、特開平7−104547号公報に記載されるようなフォトインタラプタ、特開平7−229911号公報に記載されるような光ドップラー装置などの光検出器が用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような色ずれの補正方法では、以下に示すような問題点がある。
転写ベルト上の画像のずれ量を光検出器で測定する方式では、転写ベルトに直接トナー像を転写しなければならず、トナーにより光検出器が汚染されたり、転写ベルトのクリーニング装置が必要となるという欠点がある。
また図11に示すように、現像装置により形成されたトナー像は静電潜像の電位分布に比べて濃度分布が鮮明でなくなる。すなわちレジコンマークの形状がぼやけてしまい、正確な書き込み位置の制御は難しくなる。さらにセンサによる感度のばらつきも大きいため、光検出器によるトナー像の検出では精度上限界がある。また装置内に光検出器のスペースが必要なため、装置が大型化するとともにコストも高くなる。
【0007】
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、転写ベルト等を用いるいかなる方式の多色画像形成においても、特に基準画像の現像を行ったり、基準マークを設けることなく、色ずれが生じないようにトナー像の転写位置を制御することができる多色画像形成装置及びその色ずれ調整方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、 周面に静電潜像が形成される複数の像担持体と、 前記像担持体上に形成された静電潜像に、現像剤を選択的に転移して可視像を形成する複数の現像装置と、 周面が周回可能に支持され、該周面が前記複数の像担持体のいずれとも接触する被転写体とを備え、 前記被転写体上又はこの被転写体上に保持された記録材上に、前記複数の像担持体上の可視像を順次重ねて転写する多色画像形成装置において、 前記被転写体は外周面の少なくとも一部に導電性材料からなる導電部を有するものであり、 前記複数の像担持体の、前記導電部と対向する位置のそれぞれに、色ずれ調整用の所定パターンの静電潜像を形成するパターン潜像形成手段と、 前記像担持体から前記被転写体の導電部への電荷の移動を検出する検出手段とを有する画像形成装置を提供する。
【0009】
前記像書き込み手段は、像担持体上に任意の表面電位分布を正確な位置に形成することができるものであればよく、例えば、LEDやレーザースキャナー等の露光装置を用いることができ、通常の画像形成工程で潜像を形成する手段を兼用することができる。
【0010】
前記検出手段は、像担持体から被転写体へ転移する電荷の量を検出することができるものであれば、様々な態様のものを採用することができる。例えば、複数の像担持体に形成された色ずれ調整用の静電潜像と被転写体とが接触するときに、該像担持体から被転写体の導電部に流れる電流を検出するものとすることができる。また検出精度を上げるため、請求項2に記載の発明のように、前記像担持体から前記導電部に流れる電流の波形を時系列で捉えて検出する機構を備えるものとしてもよい。
【0011】
前記導電部は、被転写体の外周面の少なくとも一部に設けられるものであれば、位置や形状は適宜に設定することができるが、前記色ずれ調整用の静電潜像と接触する位置であって、本来の画像形成を妨げない位置に設ける必要がある。また、被転写体はドラム形、ベルト形などの形状は問わず、非導電性フィルムからなるベルトや非導電性フィルムを周面に有する転写ドラムなどを用いることができる。
【0012】
また、前記色ずれ調整用の静電潜像は様々なパターン潜像を適宜に設定できるが、例えば請求項3に記載の発明のように、プロセスの進行方向と直角方向の線又は帯状の画像であり、該画像を複数の像担持体ごとに異なるパターンに設定することができる。ここでいう異なるパターンとは、形状、間隔、潜像電位などの違いであり、複数の像担持体のうちのどの像担持体上の潜像であるかを検出できるものであれば適宜に設定できる。
【0013】
さらに、請求項4に記載の発明は、 周面に静電潜像が形成される複数の像担持体と、 前記像担持体上に形成された静電潜像に、現像剤を選択的に転移して可視像を形成する複数の現像装置と、 周面が周回可能に支持され、該周面が前記複数の像担持体のいずれとも接触する被転写体とを備え、 前記被転写体上又はこの被転写体上に保持された記録材上に、前記複数の像担持体上の可視像を順次重ねて転写する多色画像形成装置の色ずれ調整方法であって、 前記複数の像担持体のうちのそれぞれに色ずれ調整用の所定パターンの静電潜像を形成する工程と、 前記静電潜像のそれぞれと、前記被転写体の外周面の少なくとも一部に形成された導電部とが接触する際の電荷の移動を時系列において検出する工程と、 前記時系列における検出値に基づいて前記複数の像担持体における転写ずれの有無又は転写ずれの程度を判別する工程とを含む色ずれ調整方法を提供する。
【0014】
[作用]
次に、上記請求項1、請求項2又は請求項3に記載の多色画像形成装置における色ずれ量を検出するための動作、及び請求項4に記載の発明に係る色ずれ調整方法の原理について説明する。
上記多色画像形成装置では、複数の像担持体のそれぞれに色ずれ調整用の所定のパターンの潜像を形成する像書き込み手段を備えており、複数の像担持体のそれぞれに色ずれ調整用の所定パターンの潜像が形成される。例えばそれは、プロセスの進行方向と直角方向の線状又は帯状のパターンがよく、各像担持体ごとに異なるパターンに設定されていることが望ましい。
【0015】
また被転写体は、外周面の少なくとも一部に導電性材料からなる導電部を備えており、この導電部と対向する位置に上記色ずれ調整用の所定パターンの潜像が形成される。像担持体上に形成されたパターン潜像の露光部は他の部分と異なる電位を持つため、被転写体と接触するとパターン潜像と対応した電荷の移動が起こる。この電荷の移動、すなわち電流値などを検出手段によって検知することにより、像担持体から被転写体への画像の転写位置を検出することができる。
【0016】
このとき、導電部が複数の像担持体のすべてに接触する構成であれば、導電部に流れる電流を検出するだけでは、どの像担持体から電流が流れたのかを判別することができないが、請求項3に記載の発明のように、各像担持体ごとに異なる潜像パターンに設定することにより、複数の像担持体のうちのどの潜像がずれているかを判別でき、複数の潜像の位置ずれを一度に検出することが可能となる。すなわち、複数の像担持体上に形成された潜像と導電部とが接触するときの電荷の移動とタイミングとをそれぞれ検出することにより、どの像担持体上の潜像がどの位ずれているかを検知することができ、ひとつの検出手段で複数の像担持体の色ずれ有無又は色ずれの程度を判別することができる。また、潜像パターンを像担持体の軸線と平行な線状に形成することにより像担持体の回転方向のずれ量を検出することができ、さらに、上記のような線状の潜像パターンを像担持体の両側縁部に沿って形成することにより、各色の像担持体の軸線の方向が正確に設定されていないことによるスキュー方向のずれを検知することができる。
【0017】
これにより、各像担持体における回転方向及び軸方向のずれ量を判別でき、これに基づき、例えば各色のずれ量が最小になるように各色の露光装置の書き込みタイミングを制御することができる。これによって、画像領域全域に渡って色ずれのない均一な画像を得ることが可能となる。
【0018】
また、上記検出手段としては、例えば請求項2に記載されるように、像担持体上の潜像と被転写体とが接触するときに、像担持体から導電部に流れる電流の波形を時系列で検出するもの、例えば微分回路を介して電圧値を記録する装置等を用いることができる。これにより、像担持体の特性により電流値に多少の誤差が生じても、静電潜像の位置に対応した波形を確実に検知してずれ量及びずれ方向の判別を行うことができる。
【0019】
このような方法によれば、従来のような光検出器を用いずに各像担持体上に形成されたパターン潜像を直接検出できるため、装置の小型化を達成できるとともに、低コストで転写位置の制御を行うことができる。また導電部を有する被転写体を介して電荷の移動を検出するため、像担持体の特性などによる環境依存性が少なく、常に高精度な転写位置の制御が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の発明の一実施形態である多色画像形成装置を示す概略構成図である。
この多色画像形成装置は、記録用紙を静電的に吸着しながら搬送する無端状の転写ベルト15を備えており、この転写ベルト15と対向する位置に、図中に示す右側から順に4つの画像形成部30が配設されている。各々の画像形成部30は、表面に静電潜像が形成される像担持体4a〜4dを有しており、各像担持体の周囲に、該像担持体の表面を一様に帯電する帯電装置1a〜1dと、像担持体表面に像光を照射して静電潜像を形成する像書き込み装置2a〜2dと、像担持体上に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視化する現像装置3a〜3dと、転写ベルト15上を搬送される用紙上にトナー像を転写する転写装置5a〜5dと、トナー像を転写した後に像担持体の表面を清掃するクリーニング装置6a〜6dとを備えている。
【0021】
また上記転写ベルト15は、2つの支持ローラ14a,14bおよび駆動ロール13によって無端移動可能に張架されており、該転写ベルト15の転写装置5a〜5dと対向する位置の上流側と下流側には、転写ベルト15に用紙を吸着するための吸着装置7、および用紙を剥離するための除電器8を備えている。
上記支持ロール14bは、転写ベルト15の移動方向における転写装置5a〜5dとの対向位置の下流側に配置されており、図3に示すように、該支持ロール14bには転写ベルト15へ流れる電流を検出する電流検出手段21a,21bが接続されている。
【0022】
また、この多色画像形成装置は上記構成の他に、各像担持体4a〜4d上に形成する色ずれ調整用の潜像の書き込みを制御するマーク信号出力装置11と、前記電流検出手段21によって検出された電流値に基づいて各像担持体の画像位置誤差情報(画像のずれ量)を算出する信号処理手段20と、該信号処理手段20からの信号に基づき像書き込み装置2a〜2dの書き込みタイミングを制御する画像書き込み位置調整装置12とを備えている。
【0023】
上記像担持体4a〜4dは、電気的に接地された導電性基体上に感光体層を備えるものであり、転写ベルト15と接触するように4つの像担持体がほぼ等間隔で配置されている。この像担持体の感光体層の幅は約45cmに設定されている。
上記像書き込み装置2a〜2dは、像光を照射することによって像担持体4a〜4dの表面に静電潜像を形成することができるものであり、例えばLEDアレイ又はレーザースキャナー等が用いられる。像担持体4a〜4dの表面は帯電装置1a〜1dによって約−800Vにほぼ一様に帯電されており、各像書き込み装置2a〜2dから照射される像光によって露光部の電位が減衰するようになっている。
【0024】
上記現像装置3a〜3dは、像担持体4a〜4dと対向する位置に配置される回転可能な現像ローラを備えており、該現像ローラに現像バイアス電圧を印加することによって像担持体4a〜4dとの対向位置に現像電界を形成することができるものである。これにより、マイナスの電荷を有するトナーが現像ローラから像担持体4a〜4dの露光部に転移されるようになっている。
【0025】
上記転写ベルト15は、図2に示すように、幅35mm、厚さ75μmのPETからなるフィルム状部材18の両側の縁部に、幅5cm、厚さ80μmの銅ベルトからなる導電部19a,19bを接着したものである。この導電部19a,19bは、フィルム状部材18の縁部にその一部を重ねて接着する構成であっても差し支えない。この転写ベルト15は支持ロール14a,14bにより約5kgfの張力で張架され、駆動ロール13の回転によって周回駆動されるようになっている。また支持ロール14bは、図4に示すように、軸線方向における中央部付近に絶縁部分24bを持つ真鍮パイプからなるものである。この絶縁部分24bの両側の導電部分24aには、図3に示すような直流電源22a,22bが接続されており、帯電ベルト15の導電部に約−800Vの電圧が印加されるようになっている。また転写ベルト15の支持ロール14bよりも下流側には、該転写ベルト15の表面を除電するための除電器9が設けられている。
【0026】
上記電流検出手段21a,21bは、図3に示すように、支持ロール14bの両端部付近の導電部分24aと接続されており、像担持体4a〜4dから導電部19a,19bに流れる電流が支持ロール14bを介して電流検出手段21a,21bで検出されるようになっている。この電流検出手段21a,21bは、図5に示すような微分回路を有するものであり、電流の波形の変化を時系列で捉えて検知する機能を備えている。検出電流は一般に鈍った波形となりがちであり、また像担持体の特性により電流値に誤差が生じる場合があるが、上記微分回路によって電荷が移動するタイミングを正確に検出することが可能となる。
【0027】
また、上記像担持体4a〜4d上に形成される色ずれ調整用の潜像、すなわちマーク信号出力装置11から出力される信号に基づいて形成されるレジストマークは、図6に示されるようなプロセスの進行方向と直角方向の線状の像であり、各像担持体ごとに間隔又は潜像電位が異なるパターンに設定されている。ここで図6(a)〜(d)は像担持体の展開図を示すものであり、図6(e)に示すように像担持体4に像光が照射され、形成されたパターン画像を展開して示したものである。この図において、レジストマーク17a〜17c’の潜像電位は−200Vであり、レジストマーク17d,17d’の潜像電位は−500Vに設定されている。
【0028】
上記信号処理手段20は、電流検出手段21a,21bによって検出された電流の大小やタイミングから、導電部19a,19bと接触する各レジストマーク17a〜17d’の位置ずれ量を算出することができるものである。本例では、像担持体4から流れる電流とレジストマークの位置ずれ量との関係が予め記憶されており、検出された電流に基づいて各レジストマークの位置ずれの有無及び位置ずれの程度が演算されるようになっている。
【0029】
上記画像書き込み位置調整装置12は、信号処理手段20によって求められた各レジストマークの位置ずれ量に基づいて、各像書き込み装置2a〜2dの書き込みタイミングを制御するものである。例えば、いずれかの画像形成部30における書き込みタイミング又は基準信号を基準として、各像書き込み装置の書き込みタイミングを調整するようになっている。
【0030】
次に上記多色画像形成装置の動作であって、請求項4に記載の発明の一実施形態である色ずれ調整方法について説明する。
まず像担持体4aが帯電装置1aでほぼ一様に約−800Vに帯電され、次いで像書き込み装置2aから像光が照射され、像担持体4a上に図6(a)に示すようなレジストマーク17a,17a’が形成される。このレジストマークは露光部電位が−200V、非露光部電位が−800Vとなっている。また、支持ロール14bの導電部分のそれぞれに像担持体と等しい約−800Vの電圧が印加され、これにより転写ベルト15の導電部19a,19bに電圧が印加される。このとき、導電部19a,19bと像担持体4aの非露光部分とは電位がほぼ等しいため、電流は流れない。ところが、導電部19a,19bとレジストマーク17a,17a’とが接すると、両者に電位差があるため電流が流れる。このときの電流が電流検出手段21a,21bによって検出される。
【0031】
同様にして像担持体4b上に図6(b)に示すようなレジストマーク17b,17b’、像担持体4c上に図6(c)に示すようなレジストマーク17c,17c’、像担持体4d上に図6(d)に示すようなレジストマーク17d,17d’が形成され、導電部19a,19bと接したときに流れる電流が電流検出手段21a,21bで検出される。このとき、各像担持体ごとにレジストマークのパターンが異なるため、信号処理手段20でどの像担持体からの検出電流かを特定することができる。
【0032】
図7は、各像担持体4a〜4dから導電部19aに流れた電流の検出結果を示したものである。ここで、図7(a)はレジずれがない場合、図8(b)は4つのレジストマークのうち像担持体4aのイエロー用レジストマークが、図8(c)は4つのレジストマークのうち像担持体4bのマゼンタ用レジストマークが、図8(d)は4つのレジストマークのうち像担持体4dのブラック用レジストマークが、それぞれ画素サイズの半分だけずれたときの検出結果である。この図において、電流値は像担持体の部位によってばらつきがあるが、−200Vと−500Vの2水準の帯電電位の違いを検出するには問題はない。また、波形のなまりも図5に示すような微分回路によるエッジ検出回路を用いることにより、電流の波形の変化を捉えて検出することが可能である。このような検出結果から、どの像担持体上のレジストマークがどれだけずれているかが信号処理手段20で算出される。また、レジストマークは像担持体の両サイドにあるため、サイド間のずれ(スキュー)も検出可能である。これらの結果からイエロー、マゼンタ、シアン像のブラック像からの相対ずれ量が算出され、これに基づき画像書き込み位置調整装置12で像書き込み装置2a〜2dの書き込みタイミングが制御され、色ずれの補正が行われる。
【0033】
図8は、上記多色画像形成装置を用いてカラー画像を形成した場合の色ずれの程度を示したものであり、従来の光学センサのひとつであるCCDセンサを用いてトナー像の色ずれの補正を行った場合と比較した図である。
この実験は、電流検出手段又はCCDセンサの検出値に基づき像書き込みタイミングを制御して色ずれの補正を行ったものであり、1時間ごとに10枚の画像を形成したときの色ずれ量の分布と平均値とを示している。この図において、転写ベルト上に転写されたトナー像を測定するCCDセンサに比べて、潜像を直接測定する本例の電流検出手段のほうが、全体的に高精度でばらつきが小さいことが確認された。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る多色画像形成装置及びその色ずれ調整方法によれば、像担持体上に形成された色ずれ調整用の静電潜像を、導電部を有する被転写体を用いて直接検知することができ、実際に基準パターンの潜像をトナーの転移によって現像することなく画像の転写位置を調整することができる。このため、温度や湿度などの環境に左右されずに、高精度でばらつきの少ない色ずれの補正が可能となる。また、トナー像を検知する光学センサが不要であるとともに、複数の像担持体ごとに異なる潜像パターンを設定することにより検出手段も少なくてよいため、装置全体の小型化、低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態である多色画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】上記多色画像形成装置で用いられる転写ベルトを示す部分拡大図である。
【図3】上記多色画像形成装置で用いられる電流の検知及び画像位置誤差情報を算出するための手段を示す概略構成図である。
【図4】上記多色画像形成装置で用いられる支持ロールを示す概略斜視図である。
【図5】上記多色画像形成装置の電流検出手段で用いられる微分回路を示す図である。
【図6】上記多色画像形成装置の各像担持体上に形成される色ずれ調整用のパターン潜像を示す図である。
【図7】上記多色画像形成装置において、4つの像担持体上に形成されたパターン潜像が転写ベルトの導電部と接触したときの、電流検出手段で検知される電流を時系列で示す図である。
【図8】上記多色画像形成装置で形成されたカラー画像の色ずれ量を、従来の多色画像形成装置における色ずれ量と比較した図である。
【図9】従来の多色画像形成装置を示す概略構成図である。
【図10】従来の多色画像形成装置で適用される色ずれ調整方法を説明する図である。
【図11】従来の色ずれ調整用のトナー像の濃度分布を潜像の電位分布と比較した図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d 帯電装置
2a,2b,2c,2d 露光装置
3a,3b,3c,3d 現像装置
4a,4b,4c,4d 像担持体
5a,5b,5c,5d 転写装置
6a,6b,6c,6d クリーニング装置
7 吸着装置
8 除電器
9 除電器
11 マーク信号出力装置
12 画像書き込み位置調整装置
13 駆動ロール
14a,14b 支持ロール
15 転写ベルト
17a,17b,17c,17d レジストマーク(色ずれ調整用潜像)
19a,19b 導電部
20 信号処理手段
21 電流検出手段
22 直流電源
Claims (4)
- 周面に静電潜像が形成される複数の像担持体と、
前記像担持体上に形成された静電潜像に、現像剤を選択的に転移して可視像を形成する複数の現像装置と、
周面が周回可能に支持され、該周面が前記複数の像担持体のいずれとも接触する被転写体とを備え、
前記被転写体上又はこの被転写体上に保持された記録材上に、前記複数の像担持体上の可視像を順次重ねて転写する多色画像形成装置において、
前記被転写体は外周面の少なくとも一部に導電性材料からなる導電部を有するものであり、
前記複数の像担持体の、前記導電部と対向する位置に、色ずれ調整用の所定パターンの静電潜像を形成する像書き込み手段と、
前記像担持体から前記被転写体の導電部への電荷の移動を検出する検出手段とを有することを特徴とする多色画像形成装置。 - 請求項1に記載の多色画像形成装置において、
前記検出手段は、前記複数の像担持体上に形成された前記色ずれ調整用の静電潜像と前記被転写体とが接触するときに、該像担持体から前記導電部に流れる電流の波形を時系列で検出するものであることを特徴とする多色画像形成装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の多色画像形成装置において、
前記色ずれ調整用の静電潜像は、プロセスの進行方向と直角方向の線又は帯状の画像であり、該画像は前記複数の像担持体ごとに異なるパターンに設定されていることを特徴とする多色画像形成装置。 - 周面に静電潜像が形成される複数の像担持体と、
前記像担持体上に形成された静電潜像に、現像剤を選択的に転移して可視像を形成する複数の現像装置と、
周面が周回可能に支持され、該周面が前記複数の像担持体のいずれとも接触する被転写体とを備え、
前記被転写体上又はこの被転写体上に保持された記録材上に、前記複数の像担持体上の可視像を順次重ねて転写する多色画像形成装置の色ずれ調整方法であって、
前記複数の像担持体のそれぞれに色ずれ調整用の所定パターンの静電潜像を形成する工程と、
前記静電潜像のそれぞれと、前記被転写体の外周面の少なくとも一部に形成された導電部とが接触する際の電荷の移動を時系列において検出する工程と、
前記時系列における検出値に基づいて前記複数の像担持体における転写ずれの有無又は転写ずれの程度を判別する工程とを含むことを特徴とする色ずれ調整方法。
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JP29787896A JP3612695B2 (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | 多色画像形成装置及びその色ずれ調整方法 |
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