JP2004279823A - 位置誤差算出装置、画像形成装置、画像形成装置における制御プログラム及び記録媒体 - Google Patents

位置誤差算出装置、画像形成装置、画像形成装置における制御プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】トナー像を用いることなく位置ずれ補正を行う画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】帯電部32を用いて帯電させた像担持体31上の表面に対して露光部33から光を照射することで静電潜像領域2を形成する。次に、該形成された静電潜像領域2に対してトナーを付着させずに、搬送ベルト等の移動体21上に転写させることで、帯電状態の電荷パッチが移動体21上に形成されることとなる。このとき、移動体21の背面に設けられた転写部25から移動体21上に対して帯電させることで、移動体21上に帯電状態の電荷パッチが形成される。そして、電位センサを用いて電荷パッチの電位変化を測定することで、移動体21上に形成された電荷パッチの位置を検知することが可能となり、該検知した電荷パッチの位置を基に位置ずれ補正を行うことが可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機等に適用される位置誤差算出装置、画像形成装置、画像形成装置の制御プログラム及び記録媒体に関し、特に、中間転写ベルトや搬送ベルト等の移動体上に形成されたパターンを検知して画像形成時における位置ずれ補正を行う位置誤差算出装置、画像形成装置、画像形成装置の制御プログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高画質の画像を形成するカラー画像形成装置が国内・外において広く実用化されており、特に、画像形成処理を高速で実現するために、搬送ユニットに沿って複数の画像形成ユニットを並設させたタンデム方式のカラー画像形成装置が実用化されている。
【0003】
このタンデム方式のカラー画像形成装置により、複数の光源から出射される光ビームを、装置内部に並設された複数の像担持体上に照射して静電潜像を形成し、該形成した静電潜像に異なる色の現像剤(例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色またはブラック(K)を含めた4色のトナー)を付着させ、実像となるトナー像を形成した後に、搬送ベルト等の移動体上に担持された記録用紙等の記録材を各像担持体の転写位置に順次搬送し、各像担持体上に形成されたトナー像を記録材上に重ね合わせて転写して、該転写したトナー像を記録材上に定着させることで多色画像を形成することが可能となる。
【0004】
また、このようなカラー画像形成装置では、搬送方向に移動する記録用紙等の記録材上に対して高速でトナー像の転写が行われることとなり、各色の位置合わせ精度の安定化を図るために位置ずれ補正機能が搭載されている。
【0005】
従来の位置ずれ補正機能としては、各色の位置合わせ処理の基準となる基準トナー像を中間転写ベルトや紙搬送ベルト等の移動体上に形成し、該移動体上に形成した基準トナー像の反射光量を光学センサで検知することで、基準トナー像の位置ずれ量を測定し、該測定した位置ずれ量に基づいて像担持体上における基準トナー像の形成位置を補正し、各色の位置合わせ精度の安定化を図るものが一般的に知られている。
【0006】
また、本発明の先行技術文献として、従来の位置ずれ補正機能に更なる改良を施し、移動体上に転写された基準トナー像の反射光量を検知するのではなく、該基準トナー像部分の光透過性を検知することで、基準トナー像の反射光量を検知することにより生ずる種々の不具合を解消した画像形成装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−148876号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記記載した特許文献1の位置ずれ補正機能や、一般的な位置ずれ補正機能では、トナー像を用いて位置ずれ補正を行うのが現状であり、記録紙上への印刷以外にもトナーが消費されることとなり、資源の有効利用を図るという点では不十分である。
【0009】
また、従来の位置ずれ補正機能は、トナー像が転写された転写面に対して光を照射し、その反射光を光学センサが検知することで得られるセンサ出力データを基に位置ずれ補正を行うため、転写面に対して光を照射する必要がある。即ち、トナー像自体が発生する要因を基にして位置ずれ補正を行うのではなく、トナー像に対して所定の作用を施すことで生じる要因を基にして位置ずれ補正を行うため、位置ずれ補正を行う際にトナー像に対して所定の作用を施す必要がある。
【0010】
また、カラートナー(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))とブラックトナー(B)は、互いに光学特性(光の吸収/反射特性)が異なるため、例えば、搬送ベルト上にカラートナーまたはブラックトナーで形成された位置ずれ検出用パターンの反射光を光学センサで検知することで得られるセンサ出力データは図22のような関係を示す。この図22に示すセンサ出力データからトナーパターンのエッジを検出するために、所定レベルの閾値とセンサ出力データとを比較すると、センサ出力データが閾値を超えるタイミングがブラックパターンとカラーパターンとで異なるため、このばらつきが位置ずれ検出の際の検出誤差となる。
【0011】
また、トナー像に対して照射した反射光から生成した信号にはノイズを多く含むため、書き込みの位置を検出するには、該生成した信号に対してフィルタ、エッジ検出、サンプリングなど複雑な処理を施す必要がある。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、トナー像を用いることなく位置ずれ補正を行う位置誤差算出装置、画像形成装置、画像形成装置の制御プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明は以下のような特徴を有する。
請求項1記載の発明は、像担持体上に帯電された複数の帯電領域を検知する帯電領域検知手段と、帯電領域検知手段により検知した帯電領域の領域間のずれ量を算出するずれ量算出手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の位置誤差算出装置において、帯電領域検知手段は、像担持体上に帯電された帯電領域により生ずる電位変化を測定する電位変化測定手段を有し、電位変化測定手段により測定した電位変化の値を基に帯電領域を検知することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の位置誤差算出装置において、帯電領域検知手段は、帯電領域を検知するための電位変化の値を設定する電位変化設定手段を有し、電位変化設定手段により設定した電位変化の値を、電位変化測定手段により測定した電位変化の値が超えているか否かを判定することで、帯電領域を検知することを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の位置誤差算出装置において、ずれ量算出手段は、帯電領域検知手段により検知される複数の帯電領域の時間間隔を測定する時間間隔測定手段を有し、時間間隔測定手段により測定された複数の帯電領域の時間間隔から間隔誤差を算出することで領域間のずれ量を算出することを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1から4の何れか1項に記載の位置誤差算出装置を画像形成装置に搭載したことを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、回転駆動する移動体上に複数の帯電領域を形成する帯電領域形成手段と、帯電領域形成手段により移動体上に形成された帯電領域の領域間の位置ずれを測定する位置ずれ測定手段と、位置ずれ測定手段により測定された領域間の位置ずれを修正する位置ずれ修正手段と、を有することを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、帯電領域形成手段は、帯電領域となる静電潜像領域を移動体上に転写する転写手段と、転写手段により移動体上に転写された静電潜像領域に所定の電圧を付与する電圧付与手段と、を有し、帯電領域を形成することを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の画像形成装置において、転写手段は、静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避して静電潜像領域を移動体上に転写するトナー像形成制御手段を有することを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の画像形成装置において、トナー像形成制御手段は、静電潜像領域にトナー像を形成する現像手段を、静電潜像領域が形成される像担持体から偏移させる偏移手段を有し、静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避することを特徴とする。
【0022】
請求項10記載の発明は、請求項8記載の画像形成装置において、トナー像形成制御手段は、静電潜像領域が形成される像担持体の主走査方向の幅を、静電潜像領域にトナー像を形成する現像手段の主走査方向の幅よりも広くなる構造を形成し、像担持体が現像手段と重ならない領域に静電潜像領域を形成することで静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避することを特徴とする。
【0023】
請求項11記載の発明は、請求項8記載の画像形成装置において、トナー像形成制御手段は、静電潜像領域にトナー像を形成する現像手段の制御を停止させる現像制御停止手段を有し、静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避することを特徴とする。
【0024】
請求項12記載の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、帯電領域形成手段により所定の帯電領域を形成する移動体は、画像形成用に転写される像を搬送する無端状のベルトであることを特徴とする。
【0025】
請求項13記載の発明は、請求項6または12記載の画像形成装置において、帯電領域形成手段により所定の帯電領域を形成する移動体は、記録紙を搬送する搬送ベルトであることを特徴とする。
【0026】
請求項14記載の発明は、請求項6または12記載の画像形成装置において、帯電領域形成手段により所定の帯電領域を形成する移動体は、記録紙上に転写する像が形成される中間転写ベルトであることを特徴とする。
【0027】
請求項15記載の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、位置ずれ測定手段は、帯電領域から生ずる電位変化の値を測定し、帯電領域を検知する帯電領域検知手段を有し、帯電領域検知手段により検知した帯電領域の領域間の位置ずれを測定することを特徴とする。
【0028】
請求項16記載の発明は、請求項15記載の画像形成装置において、位置ずれ測定手段は、帯電領域検知手段により検知した帯電領域の時間間隔を測定する時間間隔測定手段を有し、時間間隔測定手段により測定された時間間隔から帯電領域の時間間隔の間隔誤差を算出することで領域間の位置ずれが測定されることを特徴とする。
【0029】
請求項17記載の発明は、請求項15記載の画像形成装置において、位置ずれ測定手段は、帯電領域検知手段により検知した帯電領域の通過時間を測定する通過時間測定手段と、通過時間測定手段により測定された帯電領域の通過時間から帯電領域の移動速度を測定する移動速度測定手段と、を有し、移動速度測定手段により測定した帯電領域の移動速度の速度変化を求めることで領域間の位置ずれが測定されることを特徴とする。
【0030】
請求項18記載の発明は、請求項15から17の何れか1項に記載の画像形成装置において、帯電領域検知手段は、帯電領域を検知するための電位変化の値を設定する電位変化設定手段を有し、移動体上に形成された帯電領域から生ずる電位変化の値が、電位変化設定手段により設定した電位変化の値を超えているか否かを判定することで、帯電領域を検知することを特徴とする。
【0031】
請求項19記載の発明は、請求項16記載の画像形成装置において、時間間隔測定手段により測定された時間間隔から算出される帯電領域の時間間隔の間隔誤差を修正するように帯電領域形成手段により移動体上に帯電領域を形成するタイミングを調節することで領域間の位置ずれを修正することを特徴とする。
【0032】
請求項20記載の発明は、請求項17記載の画像形成装置において、移動速度測定手段により測定された帯電領域の移動速度から求められる帯電領域の速度変化を修正するように移動体の速度を調節することで領域間の位置ずれを修正することを特徴とする。
【0033】
請求項21記載の発明は、画像形成装置において実行される制御プログラムであって、像担持体上に帯電された複数の帯電領域を検知する帯電領域検知処理と、帯電領域検知処理により検知した帯電領域の領域間のずれ量を算出するずれ量算出処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0034】
請求項22記載の発明は、請求項21記載の制御プログラムにおいて、帯電領域検知処理は、像担持体上に帯電された帯電領域により生ずる電位変化を測定する電位変化測定処理をコンピュータに実行させ、電位変化測定処理により測定した電位変化の値を基に帯電領域を検知することを特徴とする。
【0035】
請求項23記載の発明は、請求項22記載の制御プログラムにおいて、帯電領域検知処理は、帯電領域を検知するための電位変化の値を設定する電位変化設定処理をコンピュータに実行させ、電位変化設定処理により設定した電位変化の値を、電位変化測定処理により測定した電位変化の値が超えているか否かを判定することで、帯電領域を検知することを特徴とする。
【0036】
請求項24記載の発明は、請求項21記載の制御プログラムにおいて、ずれ量算出処理は、帯電領域検知処理により検知される複数の帯電領域の時間間隔を測定する時間間隔測定処理をコンピュータに実行させ、時間間隔測定処理により測定された複数の帯電領域の時間間隔から間隔誤差を算出することで領域間のずれ量を算出することを特徴とする。
【0037】
請求項25記載の発明は、画像形成装置において実行される制御プログラムであって、回転駆動する移動体上に複数の帯電領域を形成する帯電領域形成処理と、帯電領域形成処理により移動体上に形成された帯電領域の領域間の位置ずれを測定する位置ずれ測定処理と、位置ずれ測定処理により測定された領域間の位置ずれを修正する位置ずれ修正処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0038】
請求項26記載の発明は、請求項25記載の制御プログラムにおいて、帯電領域形成処理は、帯電領域となる静電潜像領域を移動体上に転写する転写処理と、転写処理により移動体上に転写された静電潜像領域に所定の電圧を付与する電圧付与処理と、をコンピュータに実行させ、帯電領域を形成することを特徴とする。
【0039】
請求項27記載の発明は、請求項26記載の制御プログラムにおいて、転写処理は、静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避して静電潜像領域を移動体上に転写するトナー像形成制御処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0040】
請求項28記載の発明は、請求項27記載の制御プログラムにおいて、トナー像形成制御処理は、静電潜像領域にトナー像を形成する現像手段を、静電潜像領域が形成される像担持体から偏移させる偏移処理をコンピュータに実行させ、静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避することを特徴とする。
【0041】
請求項29記載の発明は、請求項27記載の制御プログラムにおいて、トナー像形成制御処理は、静電潜像領域が形成される像担持体の主走査方向の幅を、静電潜像領域にトナー像を形成する現像手段の主走査方向の幅よりも広くなる構造を形成した画像形成装置において、像担持体が現像手段と重ならない領域に静電潜像領域を形成する処理をコンピュータに実行させ、静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避することを特徴とする。
【0042】
請求項30記載の発明は、請求項27記載の制御プログラムにおいて、トナー像形成制御処理は、静電潜像領域にトナー像を形成する現像手段の制御を停止させる現像制御停止処理をコンピュータに実行させ、静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避することを特徴とする。
【0043】
請求項31記載の発明は、請求項25記載の制御プログラムにおいて、位置ずれ測定処理は、帯電領域から生ずる電位変化の値を測定し、帯電領域を検知する帯電領域検知処理をコンピュータに実行させ、帯電領域検知処理により検知した帯電領域の領域間の位置ずれを測定することを特徴とする。
【0044】
請求項32記載の発明は、請求項31記載の制御プログラムにおいて、位置ずれ測定処理は、帯電領域検知処理により検知した帯電領域の時間間隔を測定する時間間隔測定処理をコンピュータに実行させ、時間間隔測定処理により測定された時間間隔から帯電領域の時間間隔の間隔誤差を算出することで領域間の位置ずれが測定されることを特徴とする。
【0045】
請求項33記載の発明は、請求項31記載の制御プログラムにおいて、位置ずれ測定処理は、帯電領域検知処理により検知した帯電領域の通過時間を測定する通過時間測定処理と、通過時間測定処理により測定された帯電領域の通過時間から帯電領域の移動速度を測定する移動速度測定処理と、をコンピュータに実行させ、移動速度測定処理により測定した帯電領域の移動速度の速度変化を求めることで領域間の位置ずれが測定されることを特徴とする。
【0046】
請求項34記載の発明は、請求項31から33の何れか1項に記載の制御プログラムにおいて、帯電領域検知処理は、帯電領域を検知するための電位変化の値を設定する電位変化設定処理をコンピュータに実行させ、移動体上に形成された帯電領域から生ずる電位変化の値が、電位変化設定処理により設定した電位変化の値を超えているか否かを判定することで、帯電領域を検知することを特徴とする。
【0047】
請求項35記載の発明は、請求項31記載の制御プログラムにおいて、時間間隔測定処理により測定された時間間隔から算出される帯電領域の時間間隔の間隔誤差を修正するように帯電領域形成処理により移動体上に帯電領域を形成するタイミングを調節することで領域間の位置ずれを修正することを特徴とする。
【0048】
請求項36記載の発明は、請求項32記載の制御プログラムにおいて、移動速度測定処理により測定された帯電領域の移動速度から求められる帯電領域の速度変化を修正するように移動体の速度を調節することで領域間の位置ずれを修正することを特徴とする。
【0049】
請求項37記載の発明は、請求項21から請求項36の何れか1項に記載の制御プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録したことを特徴とする。
【0050】
【発明の実施の形態】
(発明の特徴)
まず、図1を参照しながら本発明にかかる画像形成装置の特徴について説明する。
本発明にかかる画像形成装置は、交流電圧が印加された帯電部32により、像担持体31上の表面を帯電させ、該帯電させた像担持体31上の表面に対して露光部33から光を照射することで静電潜像領域2が形成される。そして、該形成された静電潜像領域2に対して現像部34によりトナーを付着させずに、像担持体31上の表面に形成された静電潜像領域2を搬送ベルト等の移動体21上に転写させることで、帯電状態の電荷パッチが移動体21上に形成されることとなる。このとき、像担持体31上に帯電させた逆の電荷を移動体21の背面に設けられた転写部25から帯電させることで、移動体21上に転写された静電潜像領域2は、転写部25から帯電させた逆の電荷が付与された状態となるため、移動体21上に帯電状態の電荷パッチが形成されることとなる。そして、再度、像担持体31の表面を帯電させて、同様な工程を施すことで移動体21上に電荷パッチを形成する。この電荷パッチを所定の数だけ移動体21上に形成し、電位センサを用いて該形成した電荷パッチの電位変化を測定することで、移動体21上に形成された電荷パッチの位置を検知することが可能となる。これにより、該検知した電荷パッチの位置を基に位置ずれ補正を行うことが可能となる。
【0051】
このように、帯電状態の電荷パッチを所定の数だけ移動体上に形成し、所定の電荷パッチを用いて位置ずれ補正を行うことで、トナーを用いることなく位置ずれ補正を行うことが可能となる。
【0052】
なお、この電荷パッチの位置検出は、電位センサを用いて測定した電位変化が所定の閾値を超えた領域を電荷パッチが形成されている位置と判定することで位置検出が行われる。そして、該検出した電荷パッチの位置を基に、各像担持体により形成される画像が移動体上で重なるように、各像担持体への書き込みタイミングを設定する。即ち、第1の像担持体により移動体上に転写された画像が、第2の像担持体の転写位置までに到達する時間と、第2の像担持体上に形成された画像が移動体上に転写する時間とが一致し、第2の像担持体の転写位置で2つの画像が重なるように、像担持体への書き込みタイミングを設定することとなる。
【0053】
以下、添付図面を参照しながら本発明にかかる実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
まず、図2を参照しながら第1の実施の形態におけるタンデム方式の画像形成装置の構成について説明する。
第1の実施の形態における画像形成装置は、装置筐体内部に、給紙部10と、搬送ユニット20と、該搬送ユニット20に沿って並設された(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の画像形成ユニット30と、定着部40と、位置検知部50と、を有して構成されている。以下、各構成について説明する。
【0054】
(給紙部10の構成)
給紙部10は、給紙トレイ11と、給紙ローラ12と、分離ローラ13と、レジストローラ対14等を有して構成されており、給紙トレイ11内の記録紙(転写紙)を給紙ローラ12と分離ローラ13とにより1枚ずつ分離してレジストローラ対14に送り出される。そして、給紙トレイ11から送り出された記録紙のタイミング調整がレジストローラ対14により行われ、記録紙を所定のタイミングで搬送ユニット20に送り出すこととなる。
【0055】
(搬送ユニット20の構成)
搬送ユニット20は、搬送ベルト21と、駆動ローラ22と、従動ローラ23と、クリーニング部24と、転写部25等を有して構成されており、駆動ローラ22と従動ローラ23とをモータ等の駆動制御により反時計方向に回転駆動することで、駆動ローラ22と従動ローラ23とにより張り渡された搬送ベルト21を搬送方向となる定着部40に向かって回転移動させることとなる。これにより、給紙部10から送り出された記録紙を各色のトナー像を転写する画像形成ユニット30に順次搬送することとなり、画像形成ユニット30に搬送された記録紙上にイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像が順次転写されることとなる。
【0056】
(画像形成ユニット30の構成)
各色の画像形成ユニット30は、図2に示すように、各色毎の感光体ドラム31が搬送ベルト21の搬送方向に沿って所定の間隔で並設されており、それぞれの感光体ドラム31の周辺部分に帯電部32と、露光部33と、現像部34と、クリーニング部35と、除電部36等を有して構成されている。
【0057】
上記構成からなる各色の画像形成ユニット30は、駆動制御により感光体ドラム31が時計方向に回転駆動され、帯電部32により感光体ドラム31の表面上に静電気が一様に帯電することとなる。そして、画像データにより変調されたレーザ光が露光部33から感光体ドラム31上に照射されることで、静電潜像が感光体ドラム31上に形成される。次に、該静電潜像が形成された感光体ドラム31に対して、現像部34を用いてトナーを付着させ感光体ドラム31上にトナー像が形成される。そして、画像形成ユニット30に記録紙が搬送された際に、搬送ベルト21の背面に配設された転写部25により搬送ベルト21上に転写電位が付与されることとなり、感光体ドラム31上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像が順次記録紙上に重ね合わせて転写されることとなる。
【0058】
このように各画像形成ユニット30においてトナー像の転写が完了すると、感光体ドラム31上に付着した残留トナーがクリーニング部35でクリーニングされる。そして、除電部36により感光体ドラム31上に照射された光により感光体ドラム31の表面を除電し、次の静電潜像の形成に備える。そして、再度、帯電部32により感光体ドラム31上を帯電させ、画像形成の処理動作が実行される。また、各色のトナー像が転写された記録紙は、搬送ベルト21上に吸着された状態で搬送方向に沿って移動し、搬送ベルト21から分離され、定着部40に搬送されることとなる。
【0059】
(定着部40の構成)
定着部40は、定着ローラ、加圧ローラ等を具備して構成されており、定着ローラと加圧ローラとは、所定の力で押圧されて、一方のローラが回転駆動されることで、他方のローラも回転することとなる。また、定着ローラは、内蔵する加熱ヒーターにより、所定の定着温度に加熱制御される。この加熱制御により、搬送ベルト21に沿って搬送されてきた記録紙を定着ローラと加圧ローラとで加熱、加圧することにより、各色のトナー像を記録紙上に定着させ、排紙ローラ対により、排紙トレイに排出することとなる。なお、この定着部40には、定着温度を検知する温度センサを具備している。
【0060】
(位置検出部50の構成)
位置検出部50は、ブラック(K)の画像形成ユニット30の転写紙上の搬送方向下流側に配設されており、図14に示すように、搬送ベルト21の主走査方向にそれぞれ配設された電位センサ51を具備することとなる。この電位センサ51により搬送ベルト21上に形成される電荷パッチのパターンを検知し、該検知した電荷パッチのパターンデータを基に、画像補正や位置ずれ補正が行われることとなる。
【0061】
(電荷パッチの形成方法)
次に、上記構成からなる画像形成装置において、位置ずれ補正を行う際に用いられる電荷パッチの形成方法について説明する。
【0062】
(第1の電荷パッチの形成方法)
まず、第1の電荷パッチの形成方法について説明する。
搬送ベルト21上に帯電状態の電荷パッチを形成するには、まず、所定の距離だけ現像部34を感光体ドラム31から偏移させ、感光体ドラム31に接して配置される現像部34を感光体ドラム31から離すこととなる。現像部34を感光体ドラム31から偏移させる方法としては、図3に示すように、モータの装置を起動し滑車1を駆動させることで現像部34を感光体ドラム31から偏移させる方法がある。また、所定の角度だけ現像部34を上下方向に感光体ドラム31から移動させ、現像部34を感光体ドラム31から偏移させる方法がある。また、所定の距離だけ水平方向に現像部34を感光体ドラム31からスライドさせることで、現像部34を感光体ドラム31から偏移させる方法がある。
【0063】
現像部34の偏移が完了すると、感光体ドラム31の表面を交流電圧が印加された帯電部32により帯電させ、該帯電させた感光体ドラム31の表面に対して露光部33からレーザ光が照射される。これにより、感光体ドラム31の表面に照射された領域に電荷パッチとなる静電潜像領域2が形成されることとなる。そして、該形成された静電潜像領域2に対して現像部34によるトナーの付着が行われることなく、搬送ベルト21上に静電潜像領域2が転写される。なお、静電潜像領域2が転写される際には、搬送ベルト21の背面に配設された転写部25により搬送ベルト21上に転写電位が付与されることとなり、感光体ドラム31上に形成された静電潜像領域2が搬送ベルト21上に転写されることとなる。これにより、搬送ベルト21上に転写された静電潜像領域2には転写電位が付与された状態となるため、帯電状態の電荷パッチが搬送ベルト21上に形成されることとなる。
【0064】
このように、感光体ドラム31上に形成された静電潜像領域2を搬送ベルト21上に転写することで、図4に示すように、感光体ドラム31上に静電潜像が形成されていない領域とは反対の帯電状態で、転写部25に進入した静電潜像領域2が搬送ベルト21上に転写され、搬送ベルト21上に電荷パッチ3が形成されることとなる。
【0065】
(第2の電荷パッチの形成方法)
次に、第2の電荷パッチの形成方法について説明する。
第1の電荷パッチの形成方法は、現像部34を感光体ドラム31から偏移させることで、搬送ベルト21上に電荷パッチを形成したが、第2の形成方法は、図5に示すように感光体ドラム31と現像部34との構造の大きさに違いを持たせ、現像部34の主走査方向の幅を感光体ドラム31の主走査方向の幅よりも狭くすることで、感光体ドラム31と現像部34とが重ならない領域となる感光体ドラム31の両端部付近の領域4に電荷パッチとなる静電潜像領域2を形成させる形成方法である。なお、主走査方向は、感光体ドラム31の回転方向(図14に示す搬送ベルト21の搬送方向)と直交する方向を示し、副走査方向は、感光体ドラム31の回転方向(図14に示す搬送ベルト21の搬送方向)を示す。
【0066】
このように、感光体ドラム31の主走査方向の幅が現像部34の主走査方向の幅よりも大きくなる構造とし、感光体ドラム31の主走査方向の両端部付近に電荷パッチとなる静電潜像領域2を形成させる第2の形成方法により、第1の形成方法のように現像部34を偏移させる制御を行う必要がないため、電荷パッチを形成する際の制御動作を簡略化することが可能となる。
【0067】
搬送ベルト21上に帯電状態の電荷パッチを形成するには、まず、感光体ドラム31の表面を交流電圧が印加された帯電部32で帯電させる。次に、主走査方向において感光体ドラム31と現像部34とが重ならない領域である感光体ドラム31の両端部付近の領域4に対して、露光部33からレーザ光を照射させることで、電荷パッチとなる静電潜像領域2が感光体ドラム31の両端部付近の領域4に形成される。
【0068】
この電荷パッチとなる静電潜像領域2は、現像部34の主走査方向の幅よりも広い感光体ドラム31の主走査方向の両端部付近に形成されるため、現像部34によるトナーの付着が行われることはなく、感光体ドラム31上に形成された静電潜像領域2が搬送ベルト21上に転写されることとなり、帯電状態の電荷パッチが搬送ベルト21上に形成されることとなる。
【0069】
このように、感光体ドラム31と現像部34との主走査方向の幅に違いを持たせ、感光体ドラム31と現像部34とが重ならない領域となる感光体ドラム31の両端部付近の領域に電荷パッチとなる静電潜像を形成させる。そして、感光体ドラム31の両端部付近に形成させた静電潜像領域2を搬送ベルト21上に転写することで、感光体ドラム31上に静電潜像が形成されていない領域とは反対の帯電状態で、転写部25に進入した静電潜像領域2が搬送ベルト21上に転写され、搬送ベルト21上の両端部付近に電荷パッチが形成されることとなる。
【0070】
なお、上記において、電荷パッチを搬送ベルト21上の両端部付近に形成させることとしたが、位置ずれ補正に応じて搬送ベルト21上の一端部付近に電荷パッチを形成させるようにすることも可能である。即ち、一端部付近に形成される電荷パッチを用いた位置ずれ補正のみに限定するのであれば、搬送ベルト21上の一端部付近に形成させるようにすることも可能となる。
【0071】
(第3の電荷パッチの形成方法)
次に、第3の電荷パッチの形成方法について説明する。
第1の形成方法では、現像部34を感光体ドラム31から偏移させることで、搬送ベルト21上に電荷パッチを形成したが、第3の形成方法は、現像部34によるトナーの付着を実行させないように現像部34の制御を停止させることで、感光体ドラム31上に形成した静電潜像領域2に対するトナーの付着を回避して搬送ベルト21上に静電潜像領域2を転写させ、搬送ベルト21上に電荷パッチを形成する形成方法である。
この形成方法により、第1の形成方法のように現像部34を偏移させる制御を行う必要がないため、電荷パッチを形成する際の制御動作を簡略化することが可能となる。
【0072】
まず、図6を参照しながら現像部34の内部構成について説明する。
現像部34は、現像ケース341の開口から一部露光させるように配設された現像ローラ342、第1搬送スクリュー343、第2搬送スクリュー344、現像ドクタ345、カートリッジ346、トナー濃度センサ347等を具備して構成されている。
【0073】
現像ケース341には磁性キャリアとマイナス帯電性のトナーとを具備する現像剤が内包されており、該現像剤は第1搬送スクリュー343と第2搬送スクリュー344とにより撹絆搬送されながら摩擦帯電せしめられた後、現像剤担持体としての現像ローラ342の表面に担持される。そして、現像ドクタ345によりその層圧が規制させてから感光体ドラム31と対向する現像領域に搬送され、ここで感光体ドラム31上に形成された静電潜像領域にトナーを付着させ、トナー像を形成する。
【0074】
なお、トナー像を形成した際に現像ローラ342の表面上に残った現像剤は、現像ローラ342の回転に伴って現像ケース341内に戻される。また、感光体ドラム31上で形成されたトナー像は、搬送ベルト21によって搬送される記録紙等の記録材上に転写されることとなる。なお、第1搬送スクリュー343は、回転駆動制御を実行することで、トナーを現像ローラ342に供給することとなる。また、トナー濃度センサ347を用いて、剤中トナー濃度を検知してトナー濃度制御を行っている。
【0075】
このように、現像部34により感光体ドラム31上にトナーが付着されることとなるため、現像部34によるトナーの付着を実行させないように現像部34の制御を停止させることで、感光体ドラム31上に形成した静電潜像領域に対して現像部34によるトナーの付着を回避して搬送ベルト21上に電荷パッチを形成することが可能となる。
【0076】
なお、上述した電荷パッチの形成方法により形成される電荷パッチの形状であるが、電位センサ51は、搬送ベルト21上に形成された電荷パッチにより生じる電位変化を測定することで、該測定した電位変化を基に搬送ベルト21上に形成された電荷パッチの位置を検知するため、電位センサ51により測定される電位変化が急勾配となるような形状で電荷パッチを形成することが好ましい。
【0077】
例えば、図7に示すように、線分布を持つ電荷パッチ60の中心領域を電位センサ51が通過する場合、線分布の電荷パッチ60はその中心領域に特に変化の急な電位変化を作り出すこととなるので、電位センサ51で検出される電荷パッチの信号は図7に示す信号61のようになり、その立ち下がり(立ち上がりでも良い)で電荷パッチの位置を検出できることとなる。
【0078】
これは、電荷q の位置をr とし、基準点Oを無限遠とすると、電荷qから距離rにおける電位(静電ポテンシャル)Φ(r)は、次の(式1)により求まることとなる。
【0079】
【数1】
Figure 2004279823
【0080】
また、点電荷qが多数ある場合には、距離rにおける電位(静電ポテンシャル)Φ(r)は、各電荷q による電位の和になるため、n個の点電荷q ,q ,・・・,q がそれぞれr ,r ,・・・,r にあると仮定し、電荷qが連続的に分布している場合にも、空間を微小領域に分割することで、距離rにおける電位(静電ポテンシャル)Φ(r)は、次の(式2)により求まることとなる。
【0081】
【数2】
Figure 2004279823
【0082】
なお、上記(式2)におけるρ(r)は距離rにおける電荷密度を示す。
このように、電位(静電ポテンシャル)Φ(r)は、距離rの関数となるため、点電荷qとの距離rが近くなるにつれて電位(静電ポテンシャル)が大きくなる。
このため、電荷パッチと電位センサ51との距離が最も近くなる時、即ち電位センサ51を電荷パッチの中心領域が通過する時が最も電位(静電ポテンシャル)Φ(r)が強くなり、最も急な電位変化を作り出すこととなり、図7に示す信号61を形成することとなる。なお、電位センサ51により測定された信号61は図8に示すようにアンプ52に通すことで、電荷パッチの位置信号として利用する信号が形成されることとなる。
【0083】
(第1の位置ずれ補正処理)
次に、電位センサ51により形成された電荷パッチの位置信号を用いて4色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の副走査方向の位置ずれ補正処理について説明する。
【0084】
まず、搬送ベルト21上に形成される各色の電荷パッチは、図9に示すように搬送ベルト21の移動方向に並んで5つの電荷パッチが形成されることとなる。
なお、搬送ベルト21上に形成される2つの電荷パッチ62、63は、色ずれを検出する際の基準となる基準色(例えば、ブラック(K))で形成することとなり、残りの3つの電荷パッチ64、65および66は、基準色とは異なる非基準色を用いて形成することとなる。ここで、各色の電荷パッチを搬送ベルト21上に形成する際には、図10(a)に示すように次の画像形成ユニット30に近設する転写部25が帯電中に、前色の画像形成ユニット30で形成された電荷パッチ67を通過させてしまうと、図10(b)に示すように前色の画像形成ユニット30で形成された電荷パッチが消失してしまうこととなる。
【0085】
したがって、各色の画像形成ユニット30に近設する転写部25で電荷パッチを転写する際に、前色の電荷パッチがある場合には、前色の電荷パッチが通過する時間帯は転写ローラの帯電をオフにし、自色の電荷パッチを画像担持体上に転写する時に転写ロールの帯電をオンにさせる。
【0086】
以上の処理を行うことで、図9に示すように、搬送ベルト21上に電荷パッチが配列されたパッチパターンが形成されることとなり、電位センサ51を用いて電荷パッチの位置を検知することが可能となる。
【0087】
このように、図9に示す基準色の電荷パッチ62と63との2つの位置が電位センサ51により検知される。そして、電位センサ51により検知された信号をアンプ52に通すことで形成された電荷パッチの位置信号68から2つの電荷パッチの立ち下がり(及び立ち上がり)の時間間隔T0を図11に示すカウンタで読み取ることとなる。そして、次の各非基準色の電荷パッチとの時間間隔T1、T2、T3も同様に図11に示すカウンタで読み取ることとなる。なお、図9に示すように基準色と非基準色との全ての時間間隔がそろっていると仮定すると、T1=2×T0、T2=3×T0、T3=4×T0となり、位置ずれ量ΔT1、ΔT2、ΔT3は0となる。
【0088】
また、図12に示すように基準色と非基準色とに位置ずれがある信号が生成された場合に、位置ずれ量ΔT1、ΔT2、ΔT3を算出するためには、予めカウンタで測定した図12に示すT0〜T3を基に、ΔT1=T1−2×T0、ΔT2=T2−3×T0、ΔT3=T3−4×T0を算出する。そして、該算出した値を位置ずれ補正ブロックに転送し、位置ずれ補正を行う。即ち、該算出した位置ずれ量ΔT1、ΔT2、ΔT3の値の量だけ、各非基準色の露光タイミングを調節して位置ずれ補正を行うこととなる。
【0089】
なお、電荷パッチ間の時間間隔の測定から露光タイミングの調節までの位置ずれ補正処理は、予め画像形成装置にプログラムとして組み込んであり、自動的に実行することとする。
【0090】
このように、電位センサ51を用いて搬送ベルト21上に形成した帯電状態の電荷パッチを検知することで電荷パッチの位置信号が形成され、該形成された電荷パッチの位置信号から電荷パッチ間の時間間隔を読み取り、該読み取った時間間隔を基に位置ずれ量を算出することで、位置ずれ補正を行うことが可能となり、トナーを用いて位置ずれ補正を行う必要がないため、トナーの消費を抑えることが可能となる。
【0091】
また、搬送ベルト21上に形成した電荷パッチにより生じる電位変化分布を用いて、電位センサ51の出力信号の立ち上がりおよび立ち下がりにより書き込み位置の検出を可能としたため、位置検出回路を容易にすることが可能となる。
【0092】
これは、移動体上に形成する各色(イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K))の基準トナー像の光反射特性がそれぞれ異なってくるため、従来の位置検出の際に用いられてきた光学センサでは、光学センサの検知感度が基準トナー像を形成する各色毎に異なることとなり、また、光学センサの汚れによる検知感度の低下に対しても配慮が必要となるため、光学センサを用いて高精度な基準トナー像の位置ずれを測定することが困難となる虞があるが、電荷パッチにより生じる電位変化分布を電位センサで測定することで、電荷パッチが形成された領域を電位センサが通過する際に特に強い電位と、急な電位勾配を検知することとなり、従来の光学センサよりも検知感度を向上させることが可能となる。
【0093】
また、従来の位置検出の際に用いられてきた光学センサでは、細かい粒子で存在するトナーマークに対して照射した反射光を基にトナーマークの位置を検知するための検知信号を生成していたため、該生成される検知信号は振動した波形として生成されることとなり、書き込み位置の検出を行う際には、フィルタ、エッジ検出、サンプリングなどの複雑な処理を行う必要があったが、電荷は小さな点の集合体として存在しても、該電荷により形成される電位は連続的に存在することとなるため、電荷パッチにより生じる電位変化分布は連続的に変化することとなり、電位センサは連続的に変化する信号を得られることとなり、位置ずれ検出時の処理を容易にすることが可能となる。
【0094】
(第2の位置ずれ補正処理)
次に、電荷パッチを用いた第2の位置ずれ補正処理について説明する。
第2の位置ずれ補正処理は、電位センサ51を用いて搬送ベルト21上から検知した電荷パッチの位置を基に電荷パッチ間の通過時間を測定する。そして、測定した電荷パッチ間の通過時間から搬送ベルト21の移動速度を求め、その求めた移動速度の変化に応じて位置ずれ補正を行うこととする。
【0095】
まず、駆動ローラの制御を実行させることで搬送ベルト21を反時計回りに回転駆動させる。そして、所定のタイミングで露光部33から感光体ドラム31に向けて光を照射することで感光体ドラム31上に静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム31上に形成された静電潜像を搬送ベルト21上に転写させ、搬送ベルト21上に電荷パッチを形成させる。このように、所定のタイミング毎に複数の電荷パッチを搬送ベルト21上に形成し、電位センサ51を用いて電荷パッチを検知することで、電荷パッチ間の平均通過時間が算出され、該算出された平均通過時間から搬送ベルト21の搬送速度を算出することが可能となる。
【0096】
即ち、第1の電荷パッチが検知されてから、第2の電荷パッチが検知されるまでの通過時間を所定の数だけ測定し、該測定した所定数の通過時間から電荷パッチ間の平均通過時間が算出され、該算出された平均通過時間から搬送ベルト21の搬送速度が求まることとなる。
したがって、電荷パッチ間の平均通過時間から求めた搬送ベルト21の搬送速度変化に応じて画像形成時のタイミング、即ち、各感光体ドラム31への画像露光のタイミングを補正して、位置ずれ補正を行うことが可能となる。
【0097】
なお、電荷パッチ間の通過時間の測定から露光タイミング補正までの補正処理は、予め画像形成装置にプログラムとして組み込んであり、自動的に実行することとする。
【0098】
まず、測定モードが選択され、位置ずれ補正処理の開始により、駆動ローラ22の制御を実行させ、搬送ベルト21を回転駆動させる。次に、帯電器32を用いて感光体ドラム31の表面に静電気を帯電させる。そして、露光部33から感光体ドラム31上に光を照射させ静電潜像を形成させる。そして、該形成させた静電潜像を搬送ベルト21上に転写させ、搬送ベルト21上に電荷パッチを形成させる。
【0099】
次に、搬送ベルト21上に形成された電荷パッチの通過時間を、電位センサ51を用いて計測する。そして、所定数の電荷パッチの通過時間を計測し、該計測した通過時間の平均時間を算出する。そして、予め画像形成装置内部に格納された初期値となる通過時間を読み出して、上記処理により算出した通過時間の平均時間T1と、予め画像形成装置内部に格納された通過時間(初期値)T0と、の通過時間の差ΔT=T1−T0を算出する。
【0100】
この、上記算出処理により算出した通過時間の差ΔT=T1−T0を基に、各画像形成ユニット30の露光開始タイミングを補正する。即ち、搬送ベルト21の搬送速度が低下した場合、先頭の画像形成ユニット30に対して、下流側の画像形成ユニット30の画像形成タイミングを順次ΔTだけ遅らせることにより、位置ずれ補正を行うことが可能となる。
【0101】
なお、各画像形成ユニット30における画像形成タイミングの補正処理は、基準となる第1の画像形成ユニット(Y)から第2の画像形成ユニット(M)までの露光間隔をTymとし、基準となる第1の画像形成ユニット(Y)から第3の画像形成ユニット(C)までの露光間隔をTycとし、基準となる画像形成ユニット(Y)から第4の画像形成ユニット(K)までの露光間隔をTykとする。
【0102】
なお、初期の露光間隔Yym〜Tykのデータは、画像形成装置内部に格納してあるので、該格納した露光間隔を読み出して新たな露光間隔Tym、Tyc、Tykを算出し、該算出した露光間隔Tym、Tyc、Tykを補正後の露光間隔として、画像形成装置に記憶するとともに、該算出した露光間隔Tym、Tyc、Tykをもとに画像形成を行う。なお、新たな露光間隔は、Tym=Tym+ΔT、Tyc=Tyc+ΔT、Tyk=Tyk+ΔTとなる。
【0103】
このように、第2の位置ずれ補正処理は、一定の露光タイミングで感光体ドラム31に静電潜像が形成されることとなり、該形成された静電潜像が搬送ベルト21上に転写されることで電荷パッチが形成される。そして、電位センサ51を用いて、搬送ベルト21上に形成された電荷パッチの通過時間を測定し、該測定した通過時間から位置ズレを生じさせる通過時間誤差を算出し、該算出した通過時間誤差に基づき、各画像形成ユニット30における露光開始タイミングを補正する。これにより、搬送ベルト21の速度変化による位置ずれ要因を低減することが可能となる。
【0104】
(第3の位置ずれ補正処理)
次に、第3の位置ずれ補正処理について説明する。
第2の位置ずれ補正処理は、電位センサ51を用いて搬送ベルト21上に形成された電荷パッチの通過時間を測定し、該測定した通過時間から、各画像形成ユニット30における露光開始タイミングを補正することで位置ずれ補正をすることとした。
第3の位置ずれ補正処理は、搬送ベルト21上に形成した電荷パッチの通過時間から搬送ベルト21の搬送速度を算出し、該算出した搬送速度に基づき、駆動ローラ22の回転角速度を変更することにより、搬送ベルト21の搬送速度を初期値に修正することを可能とする位置ずれ補正方法である。
【0105】
第3の位置ずれ補正処理は、まず、搬送ベルト21上に形成された電荷パッチの位置を電位センサ51を用いて検出することで、所定数の電荷パッチ間の通過時間を測定する。次に、その測定した所定数の電荷パッチ間の通過時間から平均通過時間を求め、その求めた平均通過時間から搬送ベルト21の平均搬送速度を算出する。
【0106】
次に、画像形成装置の組み立て時の搬送速度である基準搬送速度を画像形成装置から読み出し、該読み出した基準搬送速度と上記算出した平均搬送速度との差分を算出する。この差分が画像を形成する際の色の位置ずれ要因となるため、該算出した基準搬送速度と平均搬送速度との差分を基に平均搬送速度が基準搬送速度と同一となるように駆動ローラ22の回転速度を設定する。
【0107】
このように、電位センサ51を用いて電荷パッチ間の平均搬送速度を算出し、該算出した平均搬送速度から位置ずれの要因となる基準搬送速度との差分を算出する。そして、該算出した位置ずれ要因となる基準搬送速度との差分を基に駆動ローラ22の回転速度を変更し、搬送ベルト21の平均搬送速度を初期状態の基準搬送速度に補正することで、駆動ローラ22の軸の偏芯や搬送ベルト21の摩擦による搬送速度の変化による位置ずれ要因を解消することが可能となる。
【0108】
(第4の位置ずれ補正処理)
次に、第4の位置ずれ補正処理について説明する。
第4の位置ずれ補正処理は、図13に示すように、露光部33において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の光源から発せられたレーザ光を反射させて感光体ドラム31Y、31M、31C、31Kに導くための反射ミラーをそれぞれ個別に備え、なおかつ、感光体ドラム31Y、31M、31C、31Kと平行になるように並設される反射ミラーをそれぞれ個別に傾けるための反射ミラー調節手段を具備する場合に適用される。
【0109】
上記構成のもとで、第4の位置ずれ補正処理は、図14に示すように、搬送ベルト21上に形成される位置ずれ検知用の電荷パッチ像P1、P2をもとに位置ずれ補正が行われる。電荷パッチ像P1は、搬送ベルト21の端部付近に形成されて電位センサ51P1により検知される。また、他端部付近にも同様な電荷パッチ像P2が形成されて、電位センサ51P2により検知されることとなる。
【0110】
なお、搬送ベルト21上に形成される電荷パッチ像P1、P2は、図15に示すように、電荷パッチ像P1は、距離xのピッチで搬送方向に4つの電荷パッチP1Y、P1M、P1C、P1Kを形成し、電荷パッチ像P2も同様に4つの電荷パッチP2Y、P2M、P2C、P2Kを形成する。
なお、電荷パッチ像P1と、P2とは、それぞれベルト幅方向で相対向するように形成される。即ち、電荷パッチP1YとP2Yとが相対向し、P1MとP2Mとが相対向し、P1CとP2Cとが相対向し、P1KとP2Kとが相対向することとなる。
【0111】
ここで、感光体ドラム31Y、31M、31C、31Kの組み付け誤差による傾き、露光部33内におけるY、M、C、K用の反射ミラーの長手方向の傾き、Y、M、C、K用のポリゴンミラーや光源の駆動タイミングのずれが生じていないと仮定する。すると、図15に示すように、電荷パッチ像P1とP2とは、それぞれ互いに等間隔で平行な状態を維持するように形成されることとなる。
したがって、搬送ベルト21上に形成された電荷パッチ像P1、P2は、それぞれの電位センサ51P1、51P2がほぼ同時に検知することとなる。
【0112】
また、図15に示すように、電位センサ51P1による電荷パッチ像P1YとP1M間の検知間隔T1myと、P1MとP1C間の検知間隔T1cmと、P1CとP1K間の検知間隔T1kcと、が等しくなる。なお、それぞれの電位センサ51P1、51P2は、同じタイミングで電荷パッチ像P1、P2を検知することとなり、電位センサ51P2による各検知間隔T2my、T2cm、T2kcも同様に等しくなる。
【0113】
ここで、感光体ドラム31の組み付け時の誤差による傾きが生じていたり、露光部33内における反射ミラーにその長手方向の傾きが生じていたりすると、図16に示すように、互いに対向する2つの電荷パッチ像P1、P2はスキューによる位置ずれを生じることとなる。このように、スキューによる位置ずれが生じた場合には、電位センサ51P1が電荷パッチ像P1を検知するタイミングと、電位センサ51P2が電荷パッチ像P2を検知するタイミングとに時間誤差を生じることとなる。なお、スキュー角θについては、この時間誤差、転写搬送ベルト(転写ベルト)の移動速度とに基づいて求めることが可能となる。
【0114】
次に、2つの電荷パッチ像P1、P2について、それぞれ電荷パッチP1Y、P1M、P1C、P1K、P2Y、P2M、P2C、P2Kの検知タイミングをRAMに順次格納していき、検知間隔T1my、T1cm、T1kc、T2my、T2cm、T2kcをそれぞれ求める。そして、時間誤差を生じた電荷パッチについては、そのスキュー角θを演算し、該演算した結果に基づいて、反射ミラー調整手段により対応する反射ミラーを傾けてスキューを抑えることとなる。
【0115】
また、露光部33内における光源のタイミングが正規のタイミングからずれたとすると、図17に示すように、該ずれたタイミングにより形成される電荷パッチには、副走査方向のレジストによる位置ずれが生じることとなる。このように位置ずれが生ずると、検知間隔T1my、T1cm、T1kcがそれぞれ異なった値になるとともに、検知間隔T2my、T2cm、T2kcもそれぞれ異なった値になる。但し、先に図16に示したように、スキューによる位置ずれが生じた場合にも、検知間隔T1my、T1cm、T1kcがそれぞれ異なった値になるとともに、検知間隔T2my、T2cm、T2kcもそれぞれ異なった値となる。
【0116】
ここで、それぞれスキューにより発生した時間誤差に基づいて検知間隔を補正してスキューによる影響を取り除いた後、副走査方向へのレジストによる位置ずれ量を求める。そして、この位置ずれ量に基づいて、Y、M、C、K用の駆動タイミング等を補正して、副走査方向へのレジストを抑えることとなる。
【0117】
このようにして、スキュー及び副走査方向へのレジストによる位置ずれが補正されると、次に、2つの電荷パッチ像P1、P2における電荷パッチP1Y、P1M、P1C、P1K、P2Y、P2M、P2C、P2Kに基づいて、主走査方向へのレジストによる位置ずれが補正される。具体的には、主走査方向へのレジストずれが生じていなければ、先に説明したように、検知間隔T1my、T1cm、T1kc、T2my、T2cm、T2kcが全て等しくなる。しかしながら、例えば、図18に示すように、電荷パッチ像P2内の電荷パッチに主走査方向へのレジストずれが生ずると、検知間隔T2my、T2cm、T2kcがそれぞれ異なった値になる。このとき、主走査方向における電荷パッチの大きさが正規の大きさであれば(主走査方向における倍率が1倍)、図19に示すように、電荷パッチ像P1内の電荷パッチも同様にレジストして検知間隔T1my、T1cm、T1kcもそれぞれ異なった値になり、かつ、それぞれ検知間隔T2my、T2cm、T2kcに同期する。
【0118】
一方、主走査方向における電荷パッチの大きさが正規の大きさよりも大きくなる(主走査方向における倍率が1倍を超える)と、電荷パッチ像P2内の電荷パッチがレジスト(主走査方向)するにもかかわらず、図19に示すように、電荷パッチ像P1内の電荷パッチはレジストしなかったり、レジスト量が少なかったりする。
【0119】
そこで、検知間隔T1ym、T1mc、T1ck、T2ym、T2mc、T2ckや、転写搬送ベルトの移動速度に基づいて、2つの電荷パッチ像P1、P2内における電荷パッチP1Y、P1M、P1C、P1K、P2Y、P2M、P2C、P2Kのレジストずれ(主走査方向)量や倍率(主走査方向)を演算する。
そして、該演算した演算結果に基づいて、対応する反射ミラーを反射ミラー調整手段によって傾けたりして、かかるレジストずれや倍率ずれを抑えることが可能となる。
【0120】
このように、各色についてスキュー、副走査方向へのレジスト及び主走査方向へのレジストを抑えることで、画像形成時に形成するトナー像の乱れを抑えることが可能となる。
【0121】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態における画像形成装置は、図20に示すように、駆動ローラ22、従動ローラ23及び転写ローラ26に掛け回して、所定方向に移動する中間転写体としての中間転写ベルト27を具備する構成とした中間転写方式の画像形成装置である。
【0122】
この中間転写方式の画像形成装置は、中間転写ベルト27上に、その移動方向に沿って感光体ドラム31をそれぞれ備える4色の画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kを並設して、各色の画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kで形成された各色のトナー像を一度中間転写ベルト27上に重ねて転写し、該転写した中間転写ベルト27上の各色のトナー像を、搬送ベルト28により搬送される記録材上に一括転写することとなる。
【0123】
次に、中間転写方式の画像形成装置における画像形成時の処理動作について説明する。
まず、画像を形成するための画像情報信号により、感光体ドラム31上に各色に対応した静電潜像が形成される。次に、該形成された静電潜像に対して現像部34を用いて可視像となるトナー像を形成し、該形成したトナー像が転写部25により順次重ね合わせて転写され、中間転写ベルト27上に各色のトナー像が形成される。
【0124】
また、記録紙等の記録材がレジストローラにより斜行等を補正し、画像形成時に同期して所定のタイミングで、転写ローラが位置した中間転写ベルト27の転写部に送り出され、中間転写ベルト27上に形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト27の内側に具備する転写ローラ26及び外側に具備する帯電器により記録材上に一括して転写されることとなる。次に、各色のトナー像が転写された記録材は、搬送ベルト28により定着部40に搬送され、各色のトナー像が記録材上に定着され、多色画像が記録材上に形成されることとなる。
【0125】
このように、中間転写方式の画像形成装置においても、複数の画像形成ユニット30で形成したトナー像を中間転写ベルト27上に順次重ねて多色画像を形成するため、中間転写ベルト27の速度に変動が生じて、中間転写ベルト27上に形成される多色画像に色ずれが生じることとなる。
したがって、第2の実施の形態においても同様に、中間転写ベルト27上に形成された電荷パッチを、電位センサ51を用いて検知し、該検知した電荷パッチの通過時間を計測し、第1の実施の形態と同様な位置ずれ補正処理を施すことで、位置ずれ要因を解消することが可能となる。
なお、中間転写ベルト27上に形成される電荷パッチは、第1の実施の形態と同様な形成方法を用いて作成することとなる。
【0126】
なお、移動体として中間転写ベルトなどの無端ベルトを用いた場合には、無端ベルトが上下振動すると、無端ベルトと電位センサ51との相対的な距離が変化してしまうこととなり、電位センサ51が測定する電位変化に誤差を生じてしまう虞がある。このため、電位センサ51の検知精度を向上させるために、無端ベルト上に形成される電荷パッチは、できるだけ振動の少ないベルト位置で検知することがより好ましい。このため、画像形成装置において、電位センサを無端ベルト移動方向の下流側端部分付近との対向位置に具備することとする。これにより無端ベルトの上下振動に起因する電位センサの測定誤差をより確実に抑えることが可能となる。
【0127】
これは、ベルト移動方向上流側では、主に、ベルト部分に対して無端ベルトを送り込もうとする力が作用する。このような力が作用している位置で、無端ベルトの上下振動が発生すると、その振動がベルトの撓みとなってしまうこととなる。これに対し、このベルト部分よりもベルト移動方向下流側では、主に、このベルト部分よりもベルト移動方向下流側では、主に、このベルト部分から無端ベルトを引っ張り出そうとする力が作用している。このような力が作用している位置で、無端ベルトの上下振動が発生すると、その振動が主にベルトの弛みとなってベルト送り側に伝わろうとするため、ベルトを引っ張りだそうとする側にあるベルト部分には伝わり難い。
【0128】
したがって、ベルト移動方向上流側の端部分付近よりも下流側端付近の方がベルトの上下振動が抑えられることとなる。
【0129】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態における画像形成装置は、図21に示すように、像担持体として、駆動ローラ22、従動ローラ23及び転写ローラ26に掛け回された感光ベルト体29を具備して構成され、感光ベルト体29の移動方向に沿って、感光ベルト体29を組み込んで構成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の画像形成ユニット30が並設されている。なお、各画像形成ユニット30は、帯電部32、露光部33、現像部34を具備して構成されることとなる。
【0130】
上記構成からなる画像形成装置は、画像を形成するための画像情報信号により、感光ベルト体29上に各画像形成ユニット30の具備する露光部33でそれぞれ各色に対応した静電潜像が形成される。次に、該形成された各静電潜像に対して各現像部34を用いて可視像となるトナー像を順次現像することで、感光ベルト体29上に各色のトナー像を重ね合わせたカラー画像が形成される。
【0131】
そして、第2の実施の形態と同様に、記録紙等の記録材がレジストローラにより斜行等を補正し、画像形成時に同期して所定のタイミングで、転写ローラが位置した感光ベルト体29の転写部に送り出され、感光ベルト体29上に形成された各色のトナー像が、感光ベルト体29の内側に具備する転写ローラ26及び外側に具備する帯電器により記録材上に一括して転写されることとなる。次に、各色のトナー像が転写された記録材は、搬送ベルト28により定着部40に搬送され、各色のトナー像が記録材上に定着され、多色画像が記録材上に形成されることとなる。
【0132】
このように、第3の実施の形態における画像形成装置においても、複数の画像形成ユニット30により各色のトナー像を感光ベルト体29上に順次重ねて形成することにより、感光ベルト体29上に多色画像が形成されるため、感光ベルト体29の速度に変動が生じて、感光ベルト体29上に形成される多色画像に位置ずれが生じることとなる。
したがって、第3の実施の形態においても同様に、感光ベルト体29上に形成された電荷パッチを、電位センサ51を用いて検知し、該検知した電荷パッチの通過時間を計測し、第1の実施の形態と同様な位置ずれ補正処理を施すことで、位置ずれ要因を解消することが可能となる。
なお、感光ベルト体29上に形成される電荷パッチは、第1の実施の形態と同様な形成方法を用いて作成することとなる。
【0133】
なお、上記の位置ずれ補正処理は、電源投入時や、所定枚数通紙後などに実行される。また、画像形成装置内にサーミスタなどの温度センサがある場合は前回調整時との温度差が所定の閾値を超えた際に実行するなどしてもよい。更に、感光体または現像ユニットの交換時において実行することも可能である。また、オペレーションパネル等を用いて手動により実行させることも可能である。また、画像形成ユニットのレジスト側、定着部側のそれぞれに温度センサを設け、機内温度を常時監視させ、所定の温度差を感知することで位置ずれ補正処理を実行させることも可能である。
【0134】
また、画像形成時の初期状態は、ベルトはKドラムのみに接しており、カラープリント時には、接離モータにより、偏芯カムを中継してベルトを上昇させ、カラードラムに接触させている。モノクロプリント後にカラープリントを実施する場合には、モノクロの用紙が転写部を抜けてから、接離モータがONして、ベルトを持ち上げて、カラードラムへと接触させている(給紙タイミングを調節して紙間を長くしている)。このときに、位置ずれ補正処理を実行するように制御することで、カラープリントを行う際にも位置ずれ補正処理を実行することも可能である。
【0135】
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。
例えば、本実施の形態においては、タンデム方式の画像形成装置について説明したが、1つの像担持体の周に各色用の複数の現像装置を備え、その像担持体上で個別に現像した各色のトナー像を順次重ね合わせて転写することで、フルカラーの画像を形成する構成の画像形成装置についても電荷パッチを形成し、位置ずれ補正処理を行うことも可能である。
【0136】
また、従来において、トナー像を用いて位置ずれ補正処理を行っていた画像形成装置において、本実施の形態と同様に電荷パッチを形成するように制御させ、該形成した電荷パッチの電位を読み取る電位センサを画像形成装置に具備させることで、本実施の形態と同様に位置ずれ補正処理を施すことが可能となる。
【0137】
また、重ね合わせの転写を行わない単色の画像形成装置であっても、画像形成時において電荷パッチを形成可能なベルトを用いた構成であれば、本実施の形態を適用することは可能であり、ベルト上に形成された電荷パッチの位置を電位センサで検知することで、ベルトの搬送速度を測定し、該測定した搬送速度を基に一定の搬送速度に修正することで高画質の画像を形成することが可能となる。
【0138】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように本発明は以下のような効果を奏する。
本発明は、像担持体上に形成された所定の帯電領域を検知し、該検知した帯電領域のずれ量を算出することで、トナーを用いることなく位置ずれ量を算出し、該算出した位置ずれ量を基に位置ずれ補正を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の要部となる帯電領域を移動体上に形成する帯電領域形成部の構成を示す図である。
【図2】本発明にかかる第1の実施の形態における画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図3】帯電領域を形成する第1の形成方法を説明するための概略構成を示す図である。
【図4】帯電領域の形成方法を説明するための概略構成を示す図である。
【図5】帯電領域を形成する第2の形成方法を説明するための図である。
【図6】帯電領域を形成する第3の形成方法を説明するための図である。
【図7】線分布を持つ電荷パッチの中心領域が形成する信号を説明するための図である。
【図8】電荷パッチの位置信号を生成する回路構成を示す図である。
【図9】搬送ベルトの移動方向に対して位置ずれが生じることなく電荷パッチが形成された場合を示す図である。
【図10】電荷パッチが帯電中の転写部を通過する場合を説明する図であり、(a)が帯電中の転写部を電荷パッチが通過する前を示す図であり、(b)が帯電中の転写部を電荷パッチが通過した後を示す図である。
【図11】位置ずれ補正を行う際の回路構成を示す図である。
【図12】搬送ベルトの移動方向に対して位置ずれが生じて電荷パッチが形成された場合を示す図である。
【図13】本発明にかかる画像形成装置において、第4の位置ずれ補正が行われる場合の露光部の構成を示す図である。
【図14】本発明にかかる画像形成装置において、位置ずれ検出用の電位センサが配置される構成を示す図である。
【図15】位置ずれが生じていない状態の電荷パッチのパターン像を示す図である。
【図16】スキューによる位置ずれが生じた状態の電荷パッチのパターン像を示す図である。
【図17】副走査方向へのレジストによる位置ずれが生じた状態の電荷パッチのパターン像を示す図である。
【図18】主走査方向へのレジストによる位置ずれが生じた状態の電荷パッチのパターン像を示す図である。
【図19】主走査方向へのレジストによる位置ずれと、主走査方向の倍率変動とが生じた状態の電荷パッチのパターン像を示す図である。
【図20】本発明にかかる第2の実施の形態における画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図21】本発明にかかる第3の実施の形態における画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図22】光学センサで検知するカラートナーとブラックトナーとのセンサ出力データの関係を示す図である。
【符号の説明】
2 静電潜像領域
21 移動体(搬送ベルト)
31 像担持体(感光体ドラム)
32 帯電部
33 露光部
34 現像部
35 クリーニング部
36 除電部

Claims (37)

  1. 像担持体上に帯電された複数の帯電領域を検知する帯電領域検知手段と、
    前記帯電領域検知手段により検知した帯電領域の領域間のずれ量を算出するずれ量算出手段と、を有することを特徴とする位置誤差算出装置。
  2. 前記帯電領域検知手段は、
    像担持体上に帯電された帯電領域により生ずる電位変化を測定する電位変化測定手段を有し、
    前記電位変化測定手段により測定した電位変化の値を基に帯電領域を検知することを特徴とする請求項1記載の位置誤差算出装置。
  3. 前記帯電領域検知手段は、
    帯電領域を検知するための電位変化の値を設定する電位変化設定手段を有し、前記電位変化設定手段により設定した電位変化の値を、前記電位変化測定手段により測定した電位変化の値が超えているか否かを判定することで、前記帯電領域を検知することを特徴とする請求項2記載の位置誤差算出装置。
  4. 前記ずれ量算出手段は、
    前記帯電領域検知手段により検知される複数の帯電領域の時間間隔を測定する時間間隔測定手段を有し、
    前記時間間隔測定手段により測定された複数の帯電領域の時間間隔から間隔誤差を算出することで前記領域間のずれ量を算出することを特徴とする請求項1記載の位置誤差算出装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の位置誤差算出装置を具備する画像形成装置。
  6. 回転駆動する移動体上に複数の帯電領域を形成する帯電領域形成手段と、
    前記帯電領域形成手段により移動体上に形成された帯電領域の領域間の位置ずれを測定する位置ずれ測定手段と、
    前記位置ずれ測定手段により測定された領域間の位置ずれを修正する位置ずれ修正手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記帯電領域形成手段は、
    前記帯電領域となる静電潜像領域を前記移動体上に転写する転写手段と、
    前記転写手段により前記移動体上に転写された静電潜像領域に所定の電圧を付与する電圧付与手段と、を有し、前記帯電領域を形成することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  8. 前記転写手段は、
    前記静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避して前記静電潜像領域を前記移動体上に転写するトナー像形成制御手段を有することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 前記トナー像形成制御手段は、
    前記静電潜像領域にトナー像を形成する現像手段を、前記静電潜像領域が形成される像担持体から偏移させる偏移手段を有し、前記静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
  10. 前記トナー像形成制御手段は、
    前記静電潜像領域が形成される像担持体の主走査方向の幅を、前記静電潜像領域にトナー像を形成する現像手段の主走査方向の幅よりも広くなる構造を形成し、前記像担持体が前記現像手段と重ならない領域に前記静電潜像領域を形成することで前記静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
  11. 前記トナー像形成制御手段は、
    前記静電潜像領域にトナー像を形成する現像手段の制御を停止させる現像制御停止手段を有し、前記静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
  12. 前記帯電領域形成手段により所定の帯電領域を形成する前記移動体は、
    画像形成用に転写される像を搬送する無端状のベルトであることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  13. 前記帯電領域形成手段により所定の帯電領域を形成する前記移動体は、
    記録紙を搬送する搬送ベルトであることを特徴とする請求項6または12記載の画像形成装置。
  14. 前記帯電領域形成手段により所定の帯電領域を形成する前記移動体は、
    記録紙上に転写する像が形成される中間転写ベルトであることを特徴とする請求項6または12記載の画像形成装置。
  15. 前記位置ずれ測定手段は、
    前記帯電領域から生ずる電位変化の値を測定し、前記帯電領域を検知する帯電領域検知手段を有し、
    前記帯電領域検知手段により検知した帯電領域の領域間の位置ずれを測定することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  16. 前記位置ずれ測定手段は、
    前記帯電領域検知手段により検知した帯電領域の時間間隔を測定する時間間隔測定手段を有し、
    前記時間間隔測定手段により測定された時間間隔から前記帯電領域の時間間隔の間隔誤差を算出することで前記領域間の位置ずれが測定されることを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
  17. 前記位置ずれ測定手段は、
    前記帯電領域検知手段により検知した帯電領域の通過時間を測定する通過時間測定手段と、
    前記通過時間測定手段により測定された帯電領域の通過時間から前記帯電領域の移動速度を測定する移動速度測定手段と、を有し、前記移動速度測定手段により測定した帯電領域の移動速度の速度変化を求めることで前記領域間の位置ずれが測定されることを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
  18. 前記帯電領域検知手段は、
    前記帯電領域を検知するための電位変化の値を設定する電位変化設定手段を有し、
    前記移動体上に形成された帯電領域から生ずる電位変化の値が、前記電位変化設定手段により設定した電位変化の値を超えているか否かを判定することで、前記帯電領域を検知することを特徴とする請求項15から17の何れか1項に記載の画像形成装置。
  19. 前記時間間隔測定手段により測定された時間間隔から算出される前記帯電領域の時間間隔の間隔誤差を修正するように前記帯電領域形成手段により前記移動体上に帯電領域を形成するタイミングを調節することで前記領域間の位置ずれを修正することを特徴とする請求項16記載の画像形成装置。
  20. 前記移動速度測定手段により測定された帯電領域の移動速度から求められる前記帯電領域の速度変化を修正するように前記移動体の速度を調節することで前記領域間の位置ずれを修正することを特徴とする請求項17記載の画像形成装置。
  21. 画像形成装置において実行される制御プログラムであって、
    像担持体上に帯電された複数の帯電領域を検知する帯電領域検知処理と、
    前記帯電領域検知処理により検知した帯電領域の領域間のずれ量を算出するずれ量算出処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
  22. 前記帯電領域検知処理は、
    像担持体上に帯電された帯電領域により生ずる電位変化を測定する電位変化測定処理をコンピュータに実行させ、
    前記電位変化測定処理により測定した電位変化の値を基に帯電領域を検知することを特徴とする請求項21記載の制御プログラム。
  23. 前記帯電領域検知処理は、
    帯電領域を検知するための電位変化の値を設定する電位変化設定処理をコンピュータに実行させ、
    前記電位変化設定処理により設定した電位変化の値を、前記電位変化測定処理により測定した電位変化の値が超えているか否かを判定することで、前記帯電領域を検知することを特徴とする請求項22記載の制御プログラム。
  24. 前記ずれ量算出処理は、
    前記帯電領域検知処理により検知される複数の帯電領域の時間間隔を測定する時間間隔測定処理をコンピュータに実行させ、
    前記時間間隔測定処理により測定された複数の帯電領域の時間間隔から間隔誤差を算出することで前記領域間のずれ量を算出することを特徴とする請求項21記載の制御プログラム。
  25. 画像形成装置において実行される制御プログラムであって、
    回転駆動する移動体上に複数の帯電領域を形成する帯電領域形成処理と、
    前記帯電領域形成処理により移動体上に形成された帯電領域の領域間の位置ずれを測定する位置ずれ測定処理と、
    前記位置ずれ測定処理により測定された領域間の位置ずれを修正する位置ずれ修正処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
  26. 前記帯電領域形成処理は、
    前記帯電領域となる静電潜像領域を前記移動体上に転写する転写処理と、
    前記転写処理により前記移動体上に転写された静電潜像領域に所定の電圧を付与する電圧付与処理と、をコンピュータに実行させ、前記帯電領域を形成することを特徴とする請求項25記載の制御プログラム。
  27. 前記転写処理は、
    前記静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避して前記静電潜像領域を前記移動体上に転写するトナー像形成制御処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項26記載の制御プログラム。
  28. 前記トナー像形成制御処理は、
    前記静電潜像領域にトナー像を形成する現像手段を、前記静電潜像領域が形成される像担持体から偏移させる偏移処理をコンピュータに実行させ、前記静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避することを特徴とする請求項27記載の制御プログラム。
  29. 前記トナー像形成制御処理は、
    前記静電潜像領域が形成される像担持体の主走査方向の幅を、前記静電潜像領域にトナー像を形成する現像手段の主走査方向の幅よりも広くなる構造を形成した画像形成装置において、前記像担持体が前記現像手段と重ならない領域に前記静電潜像領域を形成する処理をコンピュータに実行させ、前記静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避することを特徴とする請求項27記載の制御プログラム。
  30. 前記トナー像形成制御処理は、
    前記静電潜像領域にトナー像を形成する現像手段の制御を停止させる現像制御停止処理をコンピュータに実行させ、前記静電潜像領域に対するトナー像の形成を回避することを特徴とする請求項27記載の制御プログラム。
  31. 前記位置ずれ測定処理は、
    前記帯電領域から生ずる電位変化の値を測定し、前記帯電領域を検知する帯電領域検知処理をコンピュータに実行させ、
    前記帯電領域検知処理により検知した帯電領域の領域間の位置ずれを測定することを特徴とする請求項25記載の制御プログラム。
  32. 前記位置ずれ測定処理は、
    前記帯電領域検知処理により検知した帯電領域の時間間隔を測定する時間間隔測定処理をコンピュータに実行させ、
    前記時間間隔測定処理により測定された時間間隔から前記帯電領域の時間間隔の間隔誤差を算出することで前記領域間の位置ずれが測定されることを特徴とする請求項31記載の制御プログラム。
  33. 前記位置ずれ測定処理は、
    前記帯電領域検知処理により検知した帯電領域の通過時間を測定する通過時間測定処理と、
    前記通過時間測定処理により測定された帯電領域の通過時間から前記帯電領域の移動速度を測定する移動速度測定処理と、
    をコンピュータに実行させ、前記移動速度測定処理により測定した帯電領域の移動速度の速度変化を求めることで前記領域間の位置ずれが測定されることを特徴とする請求項31記載の制御プログラム。
  34. 前記帯電領域検知処理は、
    前記帯電領域を検知するための電位変化の値を設定する電位変化設定処理をコンピュータに実行させ、
    前記移動体上に形成された帯電領域から生ずる電位変化の値が、前記電位変化設定処理により設定した電位変化の値を超えているか否かを判定することで、前記帯電領域を検知することを特徴とする請求項31から33の何れか1項に記載の制御プログラム。
  35. 前記時間間隔測定処理により測定された時間間隔から算出される前記帯電領域の時間間隔の間隔誤差を修正するように前記帯電領域形成処理により前記移動体上に帯電領域を形成するタイミングを調節することで前記領域間の位置ずれを修正することを特徴とする請求項31記載の制御プログラム。
  36. 前記移動速度測定処理により測定された帯電領域の移動速度から求められる前記帯電領域の速度変化を修正するように前記移動体の速度を調節することで前記領域間の位置ずれを修正することを特徴とする請求項32記載の制御プログラム。
  37. 請求項21から請求項36の何れか1項に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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