JP5996937B2 - 柑橘果実の果皮ペーストとその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特開2001−137608号公報(特許文献1)には、柑橘果実(ユズ)の搾汁滓から精油を抽出する方法が開示されており、また、特開2002−306111号公報(特許文献2)には、柑橘果実(ユズ)の搾汁滓から有用成分を抽出し、ゼリー等の原料とする先行技術が開示されている。
また、特許文献2に記載された果実の有用成分の抽出方法は、多量の砂糖と水を使用し、浸透圧によって柚子の搾汁滓から溶出した成分(エキス分)のみを抽出する方法であるため、抽出した成分は水溶性の成分に限られており、さらに砂糖水と混合され薄められた状態であるため、清涼飲料やゼリーの原料等、限られた用途にしか利用できない。
すなわち、本発明のうち特許請求の範囲の請求項1に記載する発明は、柑橘果実の外果皮を含む果皮ペーストであって、原料の果皮粉砕物よりも液体分及び軟らかい繊維分の含有割合が高く、前記果皮ペーストの色調が前記果皮粉砕物の色調よりも明るく、前記果皮ペーストの明度又は彩度のうち少なくとも一方が、前記果皮粉砕物の明度又は彩度よりも高く、かつ、前記果皮ペーストと前記果皮粉砕物との色差が3.4以上であることを特徴とする果皮ペーストである。
さらに、本発明の果皮ペーストの製造方法によれば、原料として果皮の外果皮を含む比較的多くの部分を使用するため、柑橘果実の搾汁滓の有効利用に資することができる。
しかし、前記のとおり、外果皮には色調の明るい部分と暗い部分とが混在しているため、そのままの状態では、本発明の果皮ペーストの色調と比較することは難しい。そこで、外果皮を含む果皮原料を略均質に粉砕した状態の果皮粉砕物とし、その果皮粉砕物をもって色調の比較対象とした。
尚、本発明において「色調が明るい」とは、色の明度又は彩度が比較的高い状態である。
したがって、本発明の果皮ペーストを、各種の加工食品や菓子・デザート、化粧品、入浴剤及び洗剤等の製品の原料として用いた場合には、これらの製品を、色鮮やかな市場価値の高いものに仕上げることができる。
具体的には、ユズ、温州ミカン、ネーブルオレンジ、スイーティー、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、カボス、スダチ等を原料として好適に使用することができる。
本発明に使用する柑橘果実の果皮には、外果皮が含まれていることが必要である。前記のとおり果実の色は外果皮の色であり、外果皮を含まない果皮ペーストは果実本来の色を呈し得ないからである。
また、外果皮には、柑橘果実特有のさわやかな香りを呈する成分や、抗アレルギー機能等の生体の健康増進に役立つ成分等の多くの有用成分が含まれていることが知られており、本発明に使用する果皮に外果皮が含まれていることは、果皮ペーストの機能性を高める上でも重要である。
このように、本発明の果皮ペーストの原料として搾汁滓を使用する場合においても、前記のとおり、外果皮以外の部分をなるべくきれいに取り除き、原料への混入量を減らすことが好ましいことは言うまでもない。
一般に、柑橘果実の外果皮の色調を明るくする成分は、その多くが精油分や水分等の液体分か比較的軟らかい繊維分に含まれており、色調を暗くする成分は、その多くが比較的硬い繊維分に含まれている。そのため、原料として外果皮の色調の明るい部分を選択的に使用する本発明の果皮ペーストは、相対的に液体分や軟らかい繊維分の含有量が高く、硬い繊維分の含有量が少ないものである。
したがって、本発明の果皮ペーストは、その色調が明るいと同時に、舌触りや肌触りが滑らかであり、各種の加工食品や菓子・デザート、化粧品、入浴剤及び洗剤等の製品の原料として好適に使用することができるものである。
また、「色調が明るい」とは、前記のとおり、色の明度又は彩度が比較的高い状態であるが、特に、本発明において、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差を3.4以上にすれば、果皮ペーストの色調を果皮粉砕物の色調よりも格段に明るくすることが可能であり、外果皮本来の美しい色がくすみなく鮮やかに表れた果皮ペーストとすることができるため好ましい。さらに、色差を4.5以上にすればより好ましい。
L*a*b*表色系では、明度はL*で表し、L*の数値が高くなるほど色が淡くなる。
また、色相と彩度を示す色度をa*とb*とで表す。a*とb*は夫々異なる色の方向を示しており、a*は赤色方向、−a*は緑色方向、b*は黄色方向、−b*は青色方向であり、それらの絶対値が高くなるほど色が鮮やかになる。
また、彩度をc*で表す。a*、b*及びc*の間では、式c*=[(a*)2+(b*)2]1/2の関係が成り立つため、一般的な色彩計によりa*とb*の各数値を測定すれば、彩度(c*)を算出することができる。
また、色差を△E*abで表す。色差は一般的な色彩計によりL*、a*及びb*の各数値を測定すれば、式△E*ab=[(△L*)2+(△a*)2+(△b*)2]1/2により算出することができる。
尚、一般的な人の色差の感覚を示す指標として、米国標準局が規定するNBS単位が知られており、それによれば、色差1.5〜3.0の場合に色差が「かなり感じられる」(Noticeable)、また色差3.0〜6.0の場合に色差が「目立って感じられる」(Appreciable)とされている。
本発明の果皮ペーストの第1の製造方法は、柑橘果実の外果皮を含む果皮原料を粉砕して果皮粉砕物とし、次いで面積4.0×10−4〜4.0mm2の小孔を備えたフィルタにより濾過することを特徴とする。
但し、果皮原料を「摩砕」することは好ましくない。摩砕すると、外果皮に含まれる比較的軟らかい繊維分(明るい色調の成分を含む繊維分)のみならず、比較的硬い繊維分(暗い色調の成分を含む繊維分)までもが細かく砕かれてしまうため、後の濾過工程において、本来取り除くべき比較的硬い繊維分までもがフィルタを通過し、果皮ペーストに混入するという不都合が生じ易くなるからである。
したがって、かかる粉砕処理の程度として好ましい状態は、調製した果皮粉砕物中に、長さ2.0〜5.0mmの繊維分やその他の組織が相当量残存している状態である。
したがって、果皮原料として柑橘果実から果汁を搾り取った搾汁滓を使用することもできるが、この場合にも、外果皮以外の部分は可能な限り取り除き、果皮粉砕物への混入量を減らすことが好ましい。
以上の方法により得られる果皮粉砕物は、油性又は水性の液体分と共に多くの繊維分を含むペースト状物であり、例えば、比較的軟らかい繊維分は十分に細かくなっており、さらに、外果皮中の油胞や細胞内の液胞が相当量潰れて液体分が多く漏出することで、油溶性や水溶性の色成分や香り成分等が液体分に十分に移行しており、他方、比較的硬い繊維分はあまり細かくなっていない状態であれば望ましい。
前記のとおり、果皮粉砕物に含まれる明るい色調の成分は、その多くが液体分か比較的軟らかい繊維分に含まれており、暗い色調の成分は、その多くが比較的硬い繊維分に含まれている。したがって、果皮粉砕物中の液体分と軟らかい繊維分とを選択的に取り出すことにより、明るい色調の果皮ペーストを得ることが可能である。
その際に果皮粉砕物に適宜の押圧力を加えるには、果皮ペーストを工業的に大量生産する場合は、バレル部にフィルタを装着したスクリュープレス機やエクストルーダー等を使用することができ、また、少量生産の場合は、篩等のフィルタ上に載置した果皮粉砕物を、ヘラや匙等で軽く押圧する方法によることができる。
小孔の面積が4.0×10−4mm2より小さい場合は、得られる果皮ペーストの色調は非常に明るく高品位となるが、外果皮に含まれる硬い繊維分だけでなく、軟らかく明るい色調を呈する繊維分までもがフィルタを通過し難くなり、果皮ペーストの収率が低下する傾向がある。他方、小孔の面積が4.0mm2より大きい場合には、硬い繊維分までもがフィルタを通過し易くなり、果皮ペーストの色調が暗くなってしまう傾向があるからである。フィルタの小孔のより好ましい面積は4.0×10−4〜2.9mm2である。
また、小孔の形状はどのようなものでも良く、例えば、網目のフィルタの場合は矩形が一般的であり、パンチング孔やビーム孔からなるフィルタの場合は円形が一般的である。
また、複数種類の柑橘果実の果皮をブレンドして果皮原料とすることも差し支えない。
かかる第2の製造方法は、柑橘果実の外果皮を含む果皮原料を粉砕して果皮粉砕物とし、次いで、幅60〜250μmのスリットを備えたフィルタにより濾過することを特徴とする。
この第2の製造方法が前記の第1の製造方法と異なる点は、果皮粉砕物の濾過に使用するフィルタとして、所定面積の小孔を備えたフィルタではなく、幅60〜250μmのスリットを備えたフィルタを採用した点である。尚、かかるフィルタのスリットの長さは、一般に幅(60〜250μm)の数倍から数万倍程度である。
また、果皮ペーストの製造に使用する果皮原料や、果皮粉砕物の調製方法は、前記の第1の製造方法と同じでよい。
このように、面積が4.0×10−4〜4.0mm2の小孔を備えたフィルタを使用した場合(第1の製造方法)と、幅が60〜250μmのスリットを備えたフィルタを使用した場合(第2の製造方法)とで、略同品位の果皮ペーストを製造できる理由は必ずしも定かではないが、果皮粉砕物に含まれフィルタを通過する軟らかい繊維分と、フィルタを通過しない硬い繊維分の大きさや形状等の物理的な性質が関係しているものと推察される。
また、本発明の果皮ペーストの製造方法によれば、原料として果皮の外果皮を含む比較的多くの部分を使用することができるため、柑橘果実の搾汁滓の有効利用に資するものである。
さらに、本発明の果皮ペーストは、冷凍することにより、色調を明るく高い機能性を保持したままで長期間保存することができるので便宜である。
ユズ果実の外果皮を含む果皮を、おろし金を用いて粉砕して果皮粉砕物を調製した。得られた果皮粉砕物には、外果皮だけでなく外果皮と略同量の内果皮が含まれており、また、長さ2.0〜5.0mm程度の繊維分やその他の組織が相当量含まれていることを目視により確認した。
次に、得られた果皮粉砕物を、目開きが850μmの網目フィルタを備える篩に入れ、薬匙を用いて果皮粉砕物をフィルタ表面に押し付けるように押圧することにより濾過し、フィルタ通過物を果皮ペーストとして得た。
尚、篩の網目フィルタの小孔(網目)は略正方形であるため、その面積は目開きの2乗として算出した。すなわち、上記の目開き850μmの小孔(網目)の場合、その面積は7.2×10−1mm2である。
であり、色差(△E*ab)の算出式は△E*ab=[(△L*)2+(△a*)2+(△b*)2]1/2である。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は61.2、彩度(c*)は54.3であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=54.8)、彩度(c*=49.3)よりも高く、また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は9.2と非常に高い数値であった。
また、得られた果皮ペーストの水分を測定したところ82.4%であり、原料の果皮粉砕物の水分80.4%よりも高かった。水分の測定は、公定法である減圧加熱乾燥法の直接法により、試料を70℃の減圧下で5時間乾燥させ、乾燥前後の質量差を測定することにより行った。
また、かかる果皮ペーストを−18℃の冷凍庫で3か月間保管した後に解凍したところ、その色調、香り及び舌触りにおいて、製造直後の果皮ペーストと比較してほとんど遜色なく優れたものであった。
前記の実施例1で調製したユズ果実の果皮粉砕物を、実施例1とは小孔(網目)の面積が異なる4種類の網目フィルタを使用する他は実施例1と同様の方法によって、4種類の果皮ペーストのサンプルを製造した。
また、得られた4種類のサンプルについて、実施例1と同様の方法によって明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を測定及び算出した。
結果を表1に示す。尚、表1中のフィルタの目開き850μm(面積7.2×10−1mm2)の欄に示す各数値は、実施例1の果皮ペーストのものである。
次に、得られた果皮粉砕物を、表2に示すそれぞれ小孔(網目)の面積が異なる3種類の網目フィルタを使用して濾過する他は実施例1と同様の方法によって、3種類の果皮ペーストのサンプルを製造した。
また、得られた3種類のサンプルとその原料の果皮粉砕物について、実施例1と同様の方法によって明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を測定及び算出した。結果を表2に示す。
特に、小孔面積4.0×10−4〜4.0mm2のフィルタを使用して製造した果皮ペーストの色調は十分に明るく、さらに、小孔面積4.0×10−4〜2.9mm2のフィルタを使用して製造した果皮ペーストの色調は格段に明るいものであった。
温州ミカン果実の外果皮を含む果皮を、おろし金を用いて粉砕して果皮粉砕物を調製した。得られた果皮粉砕物には、外果皮だけでなく外果皮よりやや少なめの内果皮が含まれており、また、長さ2.0〜5.0mm程度の繊維分やその他の組織が相当量含まれていることを目視により確認した。
次に、得られた果皮粉砕物を、小孔の面積が7.2×10−1mm2の網目フィルタを備える篩に入れ、薬匙を用いて果皮粉砕物をフィルタ表面に押し付けるように押圧することにより濾過し、フィルタ通過物を果皮ペーストとして得た。
かかる果皮ペーストとその原料である果皮粉砕物の明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を、実施例1と同様の方法によって測定及び算出した。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は66.8、彩度(c*)は58.8であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=59.4)、彩度(c*=51.9)よりも高く、また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は12.3と非常に高い数値であった。
また、得られた果皮ペーストの水分を測定したところ81.9%であり、原料の果皮粉砕物の水分77.5%よりも高かった。尚、水分の測定は、実施例1と同様に、公定法である減圧加熱乾燥法の直接法により行った。
さらに、かかる果皮ペーストを−18℃の冷凍庫で3か月間保管した後に解凍したところ、その色調、香り及び舌触りにおいて、製造直後の果皮ペーストと比較してほとんど遜色なく優れたものであった。
前記の実施例2で調製した温州ミカン果実の果皮粉砕物を、実施例2とは小孔(網目)の面積が異なる5種類の網目フィルタを使用する他は実施例2と同様の方法によって、5種類の果皮ペーストのサンプルを製造した。
また、得られた5種類のサンプルについて、実施例2と同様の方法によって明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を測定及び算出した。
結果を表3に示す。尚、表3中のフィルタの小孔面積7.2×10−1mm2の欄に示す各数値は、実施例2の果皮ペーストのものである。
ネーブルオレンジ果実の外果皮を含む果皮を、おろし金を用いて粉砕して果皮粉砕物を調製した。得られた果皮粉砕物には、外果皮だけでなく外果皮よりやや少なめの内果皮が含まれており、また、長さ2.0〜5.0mm程度の繊維分やその他の組織が相当量含まれていることを目視により確認した。
次に、得られた果皮粉砕物を、小孔の面積が7.2×10−1mm2の網目フィルタを備える篩に入れ、薬匙を用いて果皮粉砕物をフィルタ表面に押し付けるように押圧することにより濾過し、フィルタ通過物を果皮ペーストとして得た。
かかる果皮ペーストとその原料である果皮粉砕物の明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を、実施例1と同様の方法によって測定及び算出した。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は58.0、彩度(c*)は65.2であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=55.3)、彩度(c*=62.1)よりも高く、また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は6.6と非常に高い数値であった。
さらに、かかる果皮ペーストを−18℃の冷凍庫で3か月間保管した後に解凍したところ、その色調、香り及び舌触りにおいて、製造直後の果皮ペーストと比較してほとんど遜色なく優れたものであった。
前記の実施例3で調製したネーブルオレンジ果実の果皮粉砕物を、実施例3とは小孔(網目)の面積が異なる3種類の網目フィルタを使用する他は実施例3と同様の方法によって、3種類の果皮ペーストのサンプルを製造した。
また、得られた3種類のサンプルについて、実施例3と同様の方法によって明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を測定及び算出した。
結果を表4に示す。尚、表4中のフィルタの小孔面積7.2×10−1mm2の欄に示す各数値は、実施例3の果皮ペーストのものである。
スダチ果実の外果皮を含む果皮を、おろし金を用いて粉砕して果皮粉砕物を調製した。得られた果皮粉砕物には、外果皮だけでなく外果皮よりやや少なめの内果皮が含まれており、また、長さ2.0〜5.0mm程度の繊維分やその他の組織が相当量含まれていることを目視により確認した。
次に、得られた果皮粉砕物を、小孔の面積が2.5×10−1mm2の網目フィルタを備える篩に入れ、薬匙を用いて果皮粉砕物をフィルタ表面に押し付けるように押圧することにより濾過し、フィルタ通過物を果皮ペーストとして得た。
かかる果皮ペーストとその原料である果皮粉砕物の明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を、実施例1と同様の方法によって測定及び算出した。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は43.9、彩度(c*)は34.2であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=42.5)及び彩度(c*=29.4)よりも高かった。また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は5.4と高数値であった。
さらに、かかる果皮ペーストを−18℃の冷凍庫で3か月間保管した後に解凍したところ、その色調、香り及び舌触りにおいて、製造直後の果皮ペーストと比較してほとんど遜色なく優れたものであった。
前記の実施例4で調製したスダチ果実の果皮粉砕物を、実施例4とは小孔(網目)の面積が異なる4種類の網目フィルタを使用する他は実施例4と同様の方法によって、4種類の果皮ペーストのサンプルを製造した。
また、得られた4種類のサンプルについて、実施例4と同様の方法によって明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を測定及び算出した。
結果を表5に示す。尚、表3中のフィルタの小孔面積2.5×10−1mm2の欄に示す各数値は、実施例4の果皮ペーストのものである。
スイーティー果実の外果皮を含む果皮を、おろし金を用いて粉砕して果皮粉砕物を調製した。得られた果皮粉砕物には、外果皮だけでなく外果皮よりやや少なめの内果皮が含まれており、また、長さ2.0〜5.0mm程度の繊維分やその他の組織が相当量含まれていることを目視により確認した。
次に、得られた果皮粉砕物を、小孔の面積が7.2×10−1mm2の網目フィルタを備える篩に入れ、薬匙を用いて果皮粉砕物をフィルタ表面に押し付けるように押圧することにより濾過し、フィルタ通過物を果皮ペーストとして得た。
かかる果皮ペーストとその原料である果皮粉砕物の明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を、実施例1と同様の方法によって測定及び算出した。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は55.9、彩度(c*)は39.9であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=53.3)、彩度(c*=36.8)よりも高く、また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は4.1と高数値であった。
さらに、かかる果皮ペーストを−18℃の冷凍庫で3か月間保管した後に解凍したところ、その色調、香り及び舌触りにおいて、製造直後の果皮ペーストと比較してほとんど遜色なく優れたものであった。
ユズ果実の果汁の搾汁滓から、手作業により、外果皮以外の部分をなるべくきれいに取り除くように分離作業を行った。得られた果皮原料には、外果皮だけでなく、内果皮やじょうのう膜等の外果皮以外の部分が、外果皮と略同量含まれていることを目視により確認した。
次に、この果皮原料を、コミトロールプロセッサ(アーシェル社製)を用いて粉砕し、果皮粉砕物を調製した。得られた果皮粉砕物には、長さ2.0〜5.0mm程度の繊維分やその他の組織が相当量含まれていることを目視により確認した。
また、得られた果皮ペーストと原料の果皮粉砕物の水分、油分、粘度を測定したところ、次のとおりであった。尚、粘度の測定は、粘度計(ビスコテスター、リオン(株)製、型式VT-04E)を用いて行った。
果皮ペースト 水分:84.8% 油分:0.7% 粘度:60dPa・s
果皮粉砕物 水分:81.5% 油分:0.4% 粘度:80dPa・s
得られた果皮ペーストは、原料の果皮粉砕物よりも格段に明るい色調を呈し、ユズ果実特有の美しい黄色がくすみなく鮮やかに表れていた。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は65.8、彩度(c*)は53.8であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=60.7)、彩度(c*=47.8)よりも高く、また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は8.1と非常に高い数値であった。
さらに、かかる果皮ペーストを−18℃の冷凍庫で3か月間保管した後に解凍したところ、その色調、香り及び舌触りにおいて、製造直後の果皮ペーストと比較してほとんど遜色なく優れたものであった。
前記の実施例6で調製したユズ果実の果皮粉砕物を用いて、フィルタのスリット幅を250μmに調整したこと以外は、実施例6と同様の方法によって果皮ペーストを製造した。
また、得られた果皮ペーストとその原料である果皮粉砕物の明度(L*)、彩度(c*)及び色差(△E*ab)を、実施例1と同様の方法によって測定及び算出した。
かかる果皮ペーストの明度(L*)は62.6、彩度(c*)は49.3であり、それぞれ果皮粉砕物の明度(L*=60.7)、彩度(c*=47.8)よりも高く、また、果皮ペーストと果皮粉砕物との色差(△E*ab)は3.8と高数値であった。
Claims (3)
- 柑橘果実の外果皮を含む果皮ペーストであって、原料の果皮粉砕物よりも液体分及び軟らかい繊維分の含有割合が高く、前記果皮ペーストの色調が前記果皮粉砕物の色調よりも明るく、前記果皮ペーストの明度又は彩度のうち少なくとも一方が、前記果皮粉砕物の明度又は彩度よりも高く、かつ、前記果皮ペーストと前記果皮粉砕物との色差が3.4以上であることを特徴とする果皮ペースト。
- 請求項1に記載の果皮ペーストを製造する方法であって、柑橘果実の外果皮を含む果皮原料を粉砕して果皮粉砕物とし、次いで面積4.0×10−4〜4.0mm2の小孔を備えたフィルタにより濾過して硬い繊維分を分離除去することを特徴とする果皮ペーストの製造方法。
- 請求項1に記載の果皮ペーストを製造する方法であって、柑橘果実の外果皮を含む果皮原料を粉砕して果皮粉砕物とし、次いで幅60〜250μmのスリットを備えたフィルタにより濾過して硬い繊維分を分離除去することを特徴とする果皮ペーストの製造方法。
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