JP5155889B2 - カボスピューレの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、未成熟カボスの緑色皮肉を利用したカボスピューレの製造方法に関するものである。
ピューレは、野菜若しくは果物の食材を生のまま、或いは加熱した後、電動ミキサー等ですり潰して製造することができ、ソース類のベースや菓子,タルト・パイ,ジャム類の材料等、多様な用途のために製造されており、嗜好の多様化により、様々なピューレやジャム類が開発されている。
未成熟の柑橘類から製造された緑色のピューレやジャム類も珍重されており、この従来の技術としては、(特許文献1)に「未成熟柑橘類を水洗いし、二つ割りにして果汁と果皮に分け、果皮のみをクエン酸溶液(発色剤溶液)の鍋に入れて煮て、溶液を変えながらこの作業を3〜4回行い、果皮の色が緑色になったところで水気を切り、果皮をジューサーで砕き、果汁を加えて鍋に入れ煮詰めて、水分の量が半分になったところで砂糖を入れた、緑色のジャムの製造方法」が開示されている。
特開平6−78695号公報
しかしながら上記従来の技術を利用して、未成熟カボスの緑色の果皮でピューレを製造したり、ピューレを用いて菓子を製造したりする場合には、以下のような課題を有していた。
(1)未成熟カボスの果皮は、表層の緑色皮肉と、その下層のスポンジ状の白身皮肉と、を有している。緑色皮肉は硬く凸凹しているため、この果皮をクエン酸溶液の鍋に入れて煮てジューサーで砕くだけでは、食感がザラザラとして甚だ悪く、また白身皮肉はスポンジ状のため細粒化が極めて困難なため、細粒化されなかった白身皮肉が緑色皮肉に混ざると白濁化して、ピューレや菓子の色が極めて悪くなるという課題を有していた。
(2)未成熟カボスの果皮を原料として、クエン酸溶液の鍋に入れて煮て製造されたピューレやジャム類は、果皮の特徴のあるモスグリーン色が退色して褐色化してしまうという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、未成熟カボスの果皮の特徴のある緑色が退色することなく長期間保持されるとともに滑らかなカボスピューレの製造方法を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明のカボスピューレの製造方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載のカボスピューレの製造方法は、(a)未成熟カボスの果皮の表層の緑色皮肉を重曹水溶液中で銅製部材に接触させながら加熱し第一加熱処理物を得る第一加熱工程と、(b)前記第一加熱処理物を水中で加熱し第二加熱処理物を得る第二加熱工程と、(c)前記第二加熱処理物を微細化し微細化処理物を得る微細化処理工程と、(d)前記微細化処理物を水中で加熱し第三加熱処理物を得る第三加熱工程、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)未成熟カボスの果皮の緑色皮肉の緑色色素(クロロフィル)は、単なる加熱処理や常温での酵素反応では、配位しているマグネシウムが失われ退色し褐色化してしまう。しかし、第一加熱工程において、未成熟カボスの果皮の表層の緑色皮肉を重曹水溶液中で銅製部材に接触させながら加熱することにより、緑色皮肉の灰汁抜きをして苦味等が除去されるとともに緑色皮肉を軟化させ、さらに第一加熱処理物のpHの低下が抑えられ、銅製部材から極微量の銅イオンが溶出するので、緑色皮肉の緑色色素(クロロフィル)からマグネシウムが失われるのが防止されるとともに、一部のクロロフィルの中心元素が銅に置換され、光や酸等に対してより安定となり、退色することなく緑色が長期間保持される。
(2)第一加熱処理物を水中で加熱する第二加熱工程を備えているので、第一加熱処理物に残存する重曹成分、残存する灰汁、ぬめり及び臭みを除去することができる。
(3)微細化処理工程では、第二加熱処理物を微細化することにより、硬く凸凹のある緑色皮肉の皮繊維部分が解砕され、滑らかな微細化処理物を得ることができる。
(4)第三加熱工程において、微細化処理物を水中で銅製部材に接触させながら加熱すると発色が増し、さらに微細化処理物にスポンジ状の白色皮肉が含まれていたとしても、白色皮肉を浮上分離や網で掬う等によって除去することができ、第三加熱処理物中の緑色皮肉の純度を高め、鮮やかなエメラルドグリーン色にすることができる。
(5)第一加熱工程において、スポンジ状の白色皮肉を除いた緑色皮肉だけを加熱するのは、風味の悪化や白濁化を防止するためであるが、果皮を剥離する際に、緑色皮肉に白色皮肉が付着して混入してしまうのは避けられない。混入した白色皮肉は、微細化処理工程及び第三加熱工程を経ることにより、第三加熱工程中に浮上分離等によって緑色皮肉と分離させることができるため、果皮の剥離作業における白色皮肉の混入は大きな問題ではなくなり、果皮の剥離作業の作業性が向上する。
ここで、第一加熱工程では、緑色の未成熟カボスを丸ごと水洗い又は湯洗いして、表面の農薬や汚れを取り除いた後、果皮を剥き、スポンジ状の白色皮肉を除く果皮の表層の緑色皮肉を、重曹水溶液中で銅製部材に接触させながら加熱する。未成熟カボスや緑色皮肉は、冷凍保存したものを用いることもできる。
また、重曹水溶液中で加熱する前に、緑色皮肉を重曹水溶液に12〜24時間浸して、灰汁抜きをすることもできる。これにより、苦味等をより効果的に除去できる。
第一加熱工程においては、所定の濃度に調製した重曹水溶液中で緑色皮肉を加熱する。重曹は1乃至複数回に分けて加熱中に加えることもできる。重曹水溶液の最終的な濃度としては、1〜7%(W/V)が好適である。1%未満となると緑色保持効果が薄れるとともに灰汁抜き効果も低下し、7%を超えると緑色保持効果が低下する。
第一加熱工程で得られた第一加熱処理物は、水切りをした後、第二加熱工程を施すのが好ましい。第二加熱工程に持ち越される重曹成分や灰汁等の量を減少させるためである。また、第二加熱工程で得られた第二加熱処理物は、水切りをした後、微細化処理工程を施すのが好ましい。被処理物(固形分)の割合を増やして微細化処理効率を高めるためである。
第一加熱工程及び第二加熱工程における加熱処理は、必要に応じて、二回以上を繰り返し行うことができる。
第一加熱工程及び第二加熱工程においては、常圧下では、品温が90〜100℃になるように加熱するのが好ましい。品温が90℃未満となると、微細化処理物の柔らかさや発色が乏しくなるからである。
圧力鍋等を用いて加圧条件下で加熱処理を行う場合は、品温は90〜120℃とすることができる。
第一加熱工程及び第二加熱工程における各々の加熱時間としては、常圧下では、品温が90〜100℃に達した後、30〜120分間が好適である。加熱時間が30分未満となると、微細化処理物の柔らかさや発色が乏しくなり、120分を超えると微細化処理物の色鮮やかさが失われるからである。
圧力鍋等を用いて加圧条件下で加熱処理を行う場合、加熱時間は、常圧下の場合より短縮でき、例えば10〜40分とすることができる。加熱時間が10分未満となると、微細化処理物の柔らかさや発色が乏しくなり、40分を超えると微細化処理物の色鮮やかさが失われるからである。
第一加熱工程において重曹水溶液に接触させる銅製部材としては、内面の全部又は内壁面や底面の一部若しくは全部が銅又は銅合金で形成された鍋等の加熱容器を用いることができる。また、ステンレス製やホウロウ製等の加熱容器を用いる場合でも、一部若しくは全部が銅又は銅合金で形成された棒材や板材、網状等の銅製部材を加熱容器内に入れておけば、同様の効果が得られる。
なお、第二加熱工程においは、水に銅製部材を接触させながら加熱しなくても良いが、銅製部材を水に接触させながら加熱するのが好ましい。銅製部材から溶出する銅イオンの効果で、第二加熱処理物の発色をさらに鮮やかにすることができるからである。
第一加熱工程から第二加熱工程に亘る加熱時間において、銅製部材に接触させながら加熱する時間は、銅製部材に接触させずに加熱する時間より長くするのが好ましい。緑色皮肉の緑色色素(クロロフィル)の中心元素であるマグネシウムの消失を防止するとともに銅との置換を促進し、退色を防止するためである。
微細化処理工程では、コミトロール、マスコロイダー、チョッパー等の種々の粉砕機や裏ごし器を用いることができ、第二加熱処理物を2mm以下の平均長さに微細化するのが好適である。微細化処理物の平均長さが2mmを超えると、カボスピューレの滑らかさが低下するからである。
得られたカボスピューレは、冷凍,冷蔵,噴霧乾燥等を行なうことができる。
ここで、微細化処理物は、そのまま若しくは乾燥させた後、第三加熱工程を施すことができる。微細化処理物が変色しない条件下で乾燥を行えば、乾燥方法は特に制限されず、例えば、凍結乾燥,ドラム乾燥,減圧乾燥等を行なうことができる。
第三加熱工程においては、常圧下では、品温が90〜100℃になるように加熱するのが好ましい。品温が90℃未満となると、第三加熱処理物の柔らかさや発色が乏しくなるからである。
圧力鍋等を用いて加圧条件下で加熱処理を行う場合は、品温は90〜120℃とすることができる。
第三加熱工程における加熱時間としては、常圧下では、品温が90〜100℃に達した後、30〜120分間が好適である。加熱時間が30分未満となると、第三加熱処理物の柔らかさや発色が乏しくなり、120分を超えると第三加熱処理物の色鮮やかさが失われるからである。
圧力鍋等を用いて加圧条件下で加熱処理を行う場合、加熱時間は、常圧下の場合より短縮でき、例えば10〜40分とすることができる。加熱時間が10分未満となると、第三加熱処理物の柔らかさや発色が乏しくなり、40分を超えると第三加熱処理物の色鮮やかさが失われるからである。
第三加熱工程においは、水に銅製部材を接触させながら微細化処理物を加熱しなくても良いが、銅製部材を水に接触させながら加熱するのが好ましい。銅製部材から溶出する銅イオンの効果で、微細化処理物の発色をさらに鮮やかにすることができるからである。
第三加熱工程において用いる銅製部材としては、内面の全部又は内壁面や底面の一部若しくは全部が銅又は銅合金で形成された鍋等の加熱容器を用いることができる。また、ステンレス製やホウロウ製等の加熱容器を用いる場合でも、一部若しくは全部が銅又は銅合金で形成された棒材や板材、網状等の銅製部材を加熱容器内に入れておけば、同様の効果が得られる。
第三加熱工程における加熱処理は、必要に応じて、一回以上を行うことができる。
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1に記載のカボスピューレの製造方法であって、前記微細化処理物又は前記第三加熱処理物の固形分に、甘味料と増粘剤を含む添加物を混合して加熱する第四加熱工程を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)微細化処理物又は第三加熱処理物の固形分に、甘味料と増粘剤を含む添加物を混合して加熱することにより、風味の優れた緑色の保存性の良いピューレを得ることができる。微細化処理物又は第三加熱処理物は、請求項1で説明した処理が行なわれているため、色素は光や酸等に対して安定で、退色することなく緑色が長期間保持されるからである。
ここで、微細化処理物又は第三加熱処理物の固形分を得る方法としては、濾過、遠心分離、加熱濃縮等の種々の分離方法を採用することができる。必要に応じて、得られた固形分に再び水を加え、複数回の分離処理を行なうことができる。
甘味料としては、ショ糖,グルコース,フルクトース,水あめ,蜂蜜等の糖類を、特に制限なく用いることができる。増粘剤としては、ペクチン、寒天、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム,アーモンドガム等のゲル化剤等を用いることができる。
その他の添加物としては、乳化剤、トレハロース、各種リキュール等を挙げることができる。
カボスの果汁や果肉を加えると、果汁や果肉に含まれているペクチンに糖類と酸が作用してゼリー状に柔らかく固まり、より風味が増すとともに、果皮を除去したカボスを廃棄することなく残さず利用できるため好ましい。
添加物の種類や添加量は、需要者等の嗜好に合わせて、適宜決定することができる。
以上のように、本発明のカボスピューレの製造方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)第一加熱工程において、未成熟カボスの果皮の表層の緑色皮肉を重曹水溶液中で銅製部材に接触させながら加熱することにより、緑色皮肉の灰汁抜きをして苦味等が除去されるとともに緑色皮肉を軟化させ、さらに第一加熱処理物のpHの低下が抑えられ、銅製部材から極微量の銅イオンが溶出するので、緑色皮肉の緑色色素(クロロフィル)からマグネシウムが失われるのが防止されるとともに、一部のクロロフィルの中心元素が銅に置換され、光や酸等に対してより安定となり、退色することなく緑色が長期間保持されるカボスピューレの製造方法を提供できる。
(2)第一加熱処理物を水中で銅製部材に接触させながら加熱する第二加熱工程を備えているので、第一加熱処理物に残存する重曹成分、残存する灰汁、ぬめり及び臭みを除去できるカボスピューレの製造方法を提供できる。
(3)微細化処理工程において第二加熱処理物を微細化することにより、硬く凸凹のある緑色皮肉の皮繊維部分が解砕され、滑らかなカボスピューレの製造方法を提供できる。
(4)第三加熱工程において、微細化処理物を水中で銅製部材に接触させながら加熱すると発色が増し、さらに微細化処理物にスポンジ状の白色皮肉が含まれていたとしても、白色皮肉を浮上分離等によって除去することができ、第三加熱処理物中の緑色皮肉の純度を高め、エメラルドグリーン色の鮮やかなカボスピューレの製造方法を提供できる。
(5)果皮の剥離作業の際に混入した白色皮肉は、微細化処理工程及び第三加熱工程を経ることにより、第三加熱工程中に浮上分離等によって緑色皮肉と分離させることができるため、果皮の剥離作業における白色皮肉の混入は大きな問題ではなくなり、果皮の剥離作業の作業性に優れたカボスピューレの製造方法を提供できる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)微細化処理物又は第三加熱処理物の固形分に、甘味料と増粘剤を含む添加物を混合して加熱することにより、風味の優れた緑色の保存性の良いカボスピューレの製造方法を提供できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
未成熟カボスの果皮を剥き、果皮の表層の緑色皮肉3kgを銅鍋に入れた。この銅鍋に水8Lを入れ重曹80gを加えた後、銅鍋を火にかけて沸騰させた。沸騰後は弱火にして重曹80gをさらに加えた後1.5時間加熱し、第一加熱処理物を得た(以上、第一加熱工程)。最終的な重曹水溶液の濃度は2%(W/V)であった。
8Lの水を入れた銅鍋に、水切りした第一加熱処理物3.2kgを入れ、火にかけて沸騰させた。沸騰後は弱火にして0.5時間加熱し、第二加熱処理物を得た(以上、第二加熱工程)。
水切りした第二加熱処理物を、約2mmの長さになるようにチョッパーで粉砕して微細化し、微細化処理物を得た(以上、微細化処理工程)。
8Lの水を入れた銅鍋に、水切りした微細化処理物を入れ、火にかけて沸騰させた。沸騰後は弱火にして1.5時間加熱し、第三加熱処理物を得た(以上、第三加熱工程)。
第三加熱処理物を、目開き1.5mmの濾し網で濾過することにより、固形分を含んだ実施例1のカボスピューレを得た。
(実施例2)
微細化処理物を42℃の温度で3日間乾燥させた後、乾燥させた微細化処理物を水に5時間浸して戻した後、水切りを行い、8Lの水を入れた銅鍋に入れ、火にかけて沸騰させて1.5時間加熱することによって第三加熱処理物を得た以外は、実施例1と同様にして、実施例2のカボスピューレを得た。
(実施例3)
実施例1のカボスピューレ250g、水200g、グラニュー糖100g、ペクチン16gをステンレス製の鍋に入れ、沸騰させた後、グラニュー糖及び水あめを加えて煮詰め、加熱停止後に未成熟カボスの果汁及びクエン酸水溶液を加えることにより、実施例3のジャム状のカボスピューレを得た。
(実施例4)
未成熟カボスの果皮を剥き、冷凍した果皮の表層の緑色皮肉1kgをステンレス製の圧力鍋に入れた。この圧力鍋に、銅製の金網と水2.7Lを入れ重曹53gを加えた後、蓋を閉め火にかけた。圧力鍋から蒸気が吹き出した後は弱火にして0.5時間加熱し、第一加熱処理物を得た(以上、第一加熱工程)。重曹水溶液の濃度は2%(W/V)であった。
2.7Lの水を入れた銅鍋に、水切りした第一加熱処理物1.1kgを入れ、火にかけて沸騰させた。沸騰後は弱火にして0.5時間加熱し、第二加熱処理物を得た(以上、第二加熱工程)。
水切りした第二加熱処理物を、約2mmの長さになるようにチョッパーで粉砕して微細化し、微細化処理物を得た(以上、微細化処理工程)。
2.7Lの水を入れた銅鍋に、水切りした微細化処理物を入れ、火にかけて沸騰させた。沸騰後は弱火にして1.5時間加熱し、第三加熱処理物を得た(以上、第三加熱工程)。
第三加熱処理物を、目開き1.5mmの濾し網で濾過することにより、固形分を含んだ実施例4のカボスピューレを得た。
(実施例5)
第三加熱工程を行わない以外は、実施例1と同様にして、微細化処理物を、目開き1.5mmの濾し網で濾過することにより、固形分を含んだ実施例5のカボスピューレを得た。
(実施例6)
第二加熱工程、第三加熱工程において、銅鍋に代えてステンレス製の鍋を用いて加熱処理を行なった以外は、実施例1と同様にして、実施例6のカボスピューレを得た。
(比較例1)
第一加熱工程、第二加熱工程、第三加熱工程において、銅鍋に代えてステンレス製の鍋を用いて加熱処理を行なった以外は、実施例1と同様にして、比較例1のカボスピューレを得た。
(比較例2)
第一加熱工程において、重曹を加えずに水煮した以外は、実施例1と同様にして、比較例2のカボスピューレを得た。
(比較例3)
第三加熱処理工程において、濃度2%(W/V)の重曹水溶液中で加熱した以外は、実施例1と同様にして、比較例3のカボスピューレを得た。
(評価)
実施例1〜6、比較例1〜3のカボスピューレを、それぞれ透明なガラス製コップ(内容積約200cc)に小分けし、5〜10℃に保たれた冷蔵庫内で1ヶ月間保管した。1ヶ月間保管後のカボスピューレの色を、目視観察により、保管前のカボスピューレと比較して評価した。
実施例1〜実施例6のカボスピューレは、冷蔵庫内で1ヶ月保管した後も、鮮やかな緑色が保たれていた。
但し、実施例5のカボスピューレは、実施例1のカボスピューレと比較すると、緑色が若干薄いと評価された。実施例5のカボスピューレは第三加熱工程を行っていないため、白色皮肉が若干混入し、緑色皮肉の純度が実施例1のカボスピューレより低いためであると推察された。
また、実施例6のカボスピューレも、実施例1のカボスピューレと比較すると、緑色が若干薄く鮮やかさが少し欠けると評価された。実施例6のカボスピューレは、第二加熱工程及び第三加熱工程において、銅製部材(銅鍋)を用いずにステンレス製の鍋を用いて加熱したため、水中に銅イオンが溶出せず、このため緑色皮肉の発色性が低下したものと推察された。
一方、比較例1と比較例2のカボスピューレは、退色し褐色化した。また、比較例3のカボスピューレは褐色化していないが、実施例1〜6のカボスピューレと比較して、明らかに緑色がくすんでいた。比較例3のカボスピューレは、第三加熱処理工程において、濃度2%(W/V)の重曹水溶液中で加熱したため、発色が悪くなったものと推察される。
以上のように、本実施例のカボスピューレは、退色することなく緑色が長期間保持されることが明らかとなった。
また、ロールケーキのスポンジ、プリン及びゼリーを製造する材料の配合に、実施例1及び2、実施例4、5及び6のカボスピューレを適量ずつ加えることにより、緑色が鮮やかで風味も良いロールケーキ、プリン及びゼリーを製造することができた。この結果から、卵等の他の材料と混ぜる、オーブンで焼く、煮詰める等の処理を施しても、カボスピューレは退色せず、鮮やかな色を保持できることが明らかとなった。
また、プリンは、ざらざらした感触がなく非常に滑らかであった。本実施例のカボスピューレは、第一加熱処理工程及び微細化処理工程を経ることにより、皮繊維部分が解砕されており分散性に優れ、卵と良く混ざり合ったためであると推察された。
本発明は、未成熟カボスの緑色皮肉を利用したカボスピューレの製造方法に関し、未成熟カボスの果皮の特徴のある緑色が退色することなく長期間保持されるとともに、滑らかなカボスピューレの製造方法を提供でき、未成熟カボスの緑色を長期間保持できる滑らかなカボスピューレは、食品産業に多大な貢献をもたらす新しい食材である。

Claims (2)

  1. (a)未成熟カボスの果皮の表層の緑色皮肉を重曹水溶液中で銅製部材に接触させながら加熱し第一加熱処理物を得る第一加熱工程と、(b)前記第一加熱処理物を水中で加熱し第二加熱処理物を得る第二加熱工程と、(c)前記第二加熱処理物を微細化し微細化処理物を得る微細化処理工程と、(d)前記微細化処理物を水中で加熱し第三加熱処理物を得る第三加熱工程と、を備えていることを特徴とするカボスピューレの製造方法。
  2. 前記微細化処理物又は前記第三加熱処理物の固形分に、甘味料と増粘剤を含む添加物を混合して加熱する第四加熱工程を備えていることを特徴とする請求項1に記載のカボスピューレの製造方法。
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