JP5992205B2 - 有機elモジュールの取り付け構造 - Google Patents
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Description
そして、有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL装置は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。
すなわち、有機ELモジュールは、自発光デバイスであり、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光することができる。
ところが、特許文献1に記載の照明装置は、枠部材の軸支部分によって一体的に固定されているため、発光パネル(有機ELモジュール)が発光不能状態になると、照明装置ごと全ての発光パネルを取り替えるか、照明装置を分解して個々の発光パネルを取り替える必要があり、いずれにしても取り替え作業が繁雑となるおそれがあった。
また、模様替えなどの際には、インテリア等の配色に合わせて居住空間全体の配色を変更する場合が多い。このような場合に、特許文献1の照明装置は、発光パネルの取り替えが困難であるため、適宜変更できないという問題があった。
本発明は、面状に広がりを有する基材上に、有機EL素子と複数の電極を有した有機EL装置を備えた有機ELモジュールと、当該有機ELモジュールを固定可能な取り付け装置と、を備えた有機ELモジュールの取り付け構造であって、前記有機EL素子は、少なくとも第1電極層、有機発光層、及び第2電極層が積層されて形成されており、前記電極は、第1電極層又は第2電極層に直接的又は間接的に接続されており、前記取り付け装置は、有機ELモジュールを壁面に対して所定の間隔を空けて支持する支持部を有し、当該支持部は、外部電源と電気的に接続される軸受け部を有し、前記有機ELモジュールは、前記電極と電気的に接続された給電部材を有し、当該給電部材は、棒状の軸部を有し、当該軸部を介して前記軸受け部と電気的に接続されるものであり、前記軸部又は軸受け部の少なくとも一方は、その全部又は大部分が有機ELモジュールの外側又は支持部の外側に向けて突出した突出姿勢と、当該突出姿勢に対して有機ELモジュールの内側又は支持部の内側に向けて退避した退避姿勢とに姿勢を変更することができるものであり、有機ELモジュールは、軸部が前記軸受け部に軸支されることによって、軸部を中心に周方向に回転可能となっており、軸部又は軸受け部の姿勢を切り替えることによって有機ELモジュールを取り付け装置から着脱可能となっていることに関連する。
また、本発明の構成によれば、軸部が軸受け部に軸支されることによって、給電部材と軸受け部とが電気的に接続される。すなわち、軸受け部は有機ELモジュール内への給電手段としても機能する。そのため、給電用の配線などを新たに給電用の経路として取り付ける必要がなく、コストを低減できる。
さらに、本発明の構成によれば、軸部又は軸受け部の少なくとも一方は、少なくとも突出姿勢と退避姿勢に姿勢を変更することができ、軸部又は軸受け部の姿勢を切り替えることによって有機ELモジュールを取り付け装置から着脱可能となっている。
すなわち、取り付け装置に有機ELモジュールを取り付ける際には、突出姿勢の軸部を軸受け部内に挿入することで、軸部が軸受け部に軸支されて、有機EL装置と外部電源が電気的に接続され、有機EL装置を駆動させることが可能となる。あるいは、軸部を突出姿勢の軸受け部内に挿入することで、軸部が軸受け部に軸支されて、有機EL装置と外部電源が電気的に接続され、有機EL装置を駆動させることが可能となる。
一方、取り付け装置から有機ELモジュールを取り外す際には、軸受け部内に挿入された状態の軸部を退避姿勢にすることで、軸受け部内から軸部が引き抜かれて、取り付け装置から有機ELモジュールを取り外すことが可能となる。あるいは、軸部が挿入された状態の突出姿勢の軸受け部を退避姿勢にすることで、軸受け部内から軸部が外れて、取り付け装置から有機ELモジュールを取り外すことが可能となる。
このように、突出姿勢と退避姿勢を切り替えることによって取り付け装置から有機ELモジュールを着脱可能であるため、容易に有機ELモジュールを取り替えることが可能である。そのため、たとえ有機ELモジュールが発光不能状態に陥ったとしても、容易に新しい有機ELモジュールに取り替えることができる。また、模様替えなどの際で、インテリア等の配色に合わせて居住空間の配色を変更する場合にも、取り付け装置に取り付ける有機ELモジュールを適宜変更することができる。
本発明は、前記取り付け装置は、少なくとも2つの壁面が交差する角部近傍に取り付けられるものであり、取り付け装置は、光を反射可能な反射面を備えた反射部材と、1つの壁面に対して支持部を固定する取り付け部を有し、当該反射部材は、他の壁面と取り付け部に跨がって取り付けられるものであることに関連する。
本発明は、複数の有機ELモジュールを並設する有機ELモジュールの取り付け構造であって、前記軸部は、有機ELモジュールの一辺の中央に設けられており、当該軸部は、隣接する有機ELモジュールの軸部と、並設方向に同一直線上に並んでいることに関連する。
また、本発明の構成によれば、隣接する有機ELモジュールの軸部は、並設方向に同一直線上に並んでいるため、特許文献1に比べて、隣接する有機ELモジュールの発光部位間の距離を短くすることができる。すなわち、有機EL装置の設置場所の制約が少ないという特長を活かすことができる。
請求項4に記載の発明は、有機EL装置を備えた有機ELモジュールと、当該有機ELモジュールを固定可能な取り付け装置と、を備えた有機ELモジュールの取り付け構造であって、前記有機EL装置は、前記面状に広がりを有する基材上に有機EL素子を有するものであって、発光面を備えており、前記有機EL素子は、少なくとも第1電極層、有機発光層、及び第2電極層が積層されて形成されており、前記取り付け装置は、前記有機ELモジュールを壁面に対して所定の間隔を空けて支持する複数の支持部と、壁面に対して前記複数の支持部を固定する取り付け部を有し、前記複数の支持部は、長尺状であって、前記取り付け部からそれぞれ立設されており、前記複数の支持部は、外部電源と電気的に接続される軸受け部をそれぞれ有し、前記有機ELモジュールは、前記第1電極層と電気的に接続された第1軸部と、前記第2電極層と電気的に接続された第2軸部を有し、前記有機ELモジュールは、前記第1軸部が一の支持部の軸受け部に軸支され、第2軸部が他の支持部の軸受け部に軸支されることによって、前記一の支持部及び前記他の支持部と電気的に接続されるとともに回転可能となっており、前記複数の支持部の取り付け部からの長さは、前記有機ELモジュールの回転半径よりも長く、有機ELモジュールが回転することによって前記発光面が前記壁面側に向けた姿勢にできることを特徴とする有機ELモジュールの取付構造である。
また、この発明の構成によれば、突出姿勢と退避姿勢を切り替えることによって取り付け装置から着脱可能であるため、容易に有機ELモジュールを取り替えることが可能である。それ故に、たとえ有機ELモジュールが発光不能状態になっても、容易に新しい有機ELモジュールに取り替え可能である。同様に、模様替えなどの際でインテリア等の配色に合わせて居住空間の配色を変更する場合であっても、取り付け装置に取り付ける有機ELモジュールを適宜変更することができる。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、有機ELモジュール2の上下左右の位置関係は、図2の姿勢を基準に説明する。すなわち、有機ELモジュール2を天井116と平行にし、有機ELモジュール2の発光面31が地面(図面下側)を向いている状態を基準とする。
ここでいう「壁面」とは、面状に広がりを持った平面や曲面を表し、居住空間内の板状部位、例えば天井や壁、床などを含む。
有機ELモジュール2は、取り付け装置3によって軸支されており、給電電極10a,10bを回転軸として周方向に回動可能となっている。そして、有機ELモジュール2の発光面31の位置を変更することによって、居住空間に発光面31を向けて、直接光を照射する直接照明と、壁面に発光面31を向けて、光を反射させ間接的に居住空間に照射する間接照明として機能する。
本実施形態の有機EL装置5は、図4のように透光性を有した基板20(基材)上に有機EL素子30を積層しており、その上に封止部材25が被覆したものである。さらに有機EL装置5は、封止部材25上に均熱板26が載置されたものである。
有機EL装置5は、図5のようにその面内において、駆動時に実際に発光する発光面31を有した発光領域32と、駆動時の給電に寄与する複数の電極部35,36を有した給電領域37,38を有している。具体的には、発光領域32は、長手方向lにおいて有機EL装置5の中央に位置しており、その周囲であって、長手方向lに対向する2辺近傍にそれぞれ給電領域37,38が配されている。また、発光面31は、幅方向w(長手方向及び部材厚方向に対して直交する方向)において、発光領域32の中央に位置している。
なお、本実施形態の有機EL装置5は、少なくとも基板20側から光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション」型の有機EL装置である。
封止部材25は、少なくとも発光領域32の発光面31を覆っている。封止部材25は、有機EL素子30の面上であって、電極部35,36以外の領域全体を覆っていることが好ましい。
均熱板26は、図5のように少なくとも発光面31の部材厚方向(上下方向)の投影面上に配されており、間接的に発光面31全面を覆っている。そのため、有機ELモジュール2の駆動時に発光面31で発生した熱が封止部材25を介して均熱板26に伝わることで平面状にまんべんなく均熱化することができる。それ故に、局所的に集熱されることを防止でき、熱による発光欠陥の発生を防止することができる。
本実施形態の有機EL装置5では、給電領域37には、3つの電極部35a,35b,35cが幅方向wに1列に並設されており、給電領域38には、3つの電極部36a,36b,36cが幅方向wに1列に並設されている。そして、発光領域32を挟んで長手方向lに対向する電極部35a,36a、電極部35b,36b、電極部35c,36cは、それぞれ図6のように同極の電極層と電気的に接続されている。具体的には、幅方向wの中央側に位置する電極部35b,36bは、有機EL素子30内の第2電極層23と電気的に接続されており、その両外側(幅方向wに対向する2辺側)に位置する電極部35a,36a、電極部35c,36cは、有機EL素子30内の第1電極層21と電気的に接続されている。
なお、有機EL装置5を形成する各部位の詳細な説明については、後述する。
第1導電部材6(6a,6b,6c)は、図7のように塑性変形させて使用可能な部材であり、第1導電部材6は有機EL装置5と第2導電部材8とを電気的に接続する部材である。第1導電部材6a〜6cは、図8(b)のように折り曲げて使用され、いずれも引き延ばすと、図8(a)のような長い箔状の部材となる。また、第1導電部材6a〜6cは、いずれも帯状に延びている。
すなわち、第1導電部材6は、導電箔40の両面が絶縁性フィルム41から露出した露出領域45,46と、導電箔40の少なくとも片面(有機EL装置5側の面)が絶縁性フィルム41に覆われた被覆領域47が存在する。また、被覆領域47は、長手方向の中間に位置しており、露出領域45,46は、被覆領域47の長手方向の両外側に位置している。
露出領域46は、有機ELモジュール2を組み立てた際に有機EL装置5の電極部36と接触可能な電極給電部52を有している。すなわち、電極給電部52は、電極部36との電気的な接点として機能する部位である。
そして、第1導電部材6は、導電部51に第2導電部材8が接触し、電極給電部50,52に有機EL装置5の電極部35,36が接触することによって、導電箔40を介して有機EL装置5と第2導電部材8を電気的に接続可能となっている。
この重なり部位53は、有機ELモジュール2を組み立てた際に電極給電部50と導電部51との間の電流の導電経路を短くするとともに有機EL装置5内での十分な導電面積を確保する部位である。
絶縁性フィルム41は、絶縁性を有したフィルムである。絶縁性フィルム41の素材は、絶縁性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が採用できる。
ベース部材7は、図7のように第1導電部材6の一部と第2導電部材8、並びに給電電極10a,10bの大部分をその内部に収納する部材である。
ベース部材7は、図10のように平面視すると天面部63が略「日」字状をしており、天面部63の中間部54を挟んで天面部63から下方に向けて延伸した2つの通電孔55,56を有している。すなわち、通電孔55,56は、天面部63上に所定の間隔を空けて形成されており、それぞれ天面部63での開口形状が長方形となっている。通電孔55,56は、図7のようにいずれも長辺が幅方向wを向いており、中間部54を挟んで対向する位置にある。
また、天面部63であって、切り欠き穴100,101に第2収納空間66,78を挟んで対向する位置には、切り欠き溝102,103が形成されている。すなわち、切り欠き溝102,103は、図7のようにベース部材7の長手方向lのそれぞれの端部に設けられている。
そして、切り欠き穴100と切り欠き溝102は、図10のように第2収納空間66を介して同一直線上に並んでおり、切り欠き穴101と切り欠き溝103は、第2収納空間78を介して同一直線上に並んでいる。
第2導電部材8a,8bは、図7のように長方形状の箔状であり、第1導電部材6と給電電極10a,10bとを電気的に接続する部材である。第2導電部材8a,8bは、共に電気伝導性を有していれば特に限定されないが、銅箔、銀箔、金箔、白金箔であることが好ましい。第2導電部材8a,8bの面積は、ベース部材7の第2収納空間66,78(図10参照)の底面積とほぼ等しい。
なお、給電電極10a,10bの各部の符号において、特に断りのない限り、末尾に「a」を付した場合は、給電電極10aにおける部位を表し、末尾に「b」を付した場合は、給電電極10bにおける部位を表す。
給電電極10a,10bは、電気伝導性を有した部材であり、有機ELモジュール2を組み立てた際に、弾性部材110の弾性によってフレーム部材15の内外に突出・退出が可能となっている。また、給電電極10a,10bは、取り付け装置3の支持部86,87によって軸支されることで、回転軸として機能する部材である。
一方の給電電極10aは、外部電源の正極と電気的に接続され、もう一方の給電電極10bは、外部電源の負極と電気的に接続されるものである。
本体部材108a,108bは、一方の端部(弾性部材110と反対側)から順に回転軸部105a,105bと、導電部106a,106bと、位置決め部107a,107bとを有している。
回転軸部105a,105bは、円柱状の部位であり、取り付け装置3の軸受け部92,93内で回転軸として機能する部位である。
導電部106a,106bは、板状の部位であり、第2導電部材8と面接触することで第2導電部材8と電気的に接続する部位である。導電部106a,106bの長さL1は、第2導電部材8の幅L2(図7参照)よりも小さい。
位置決め部107a,107bは、長方形状の棒状部位であり、弾性部材110によって押圧される部位である。位置決め部107a,107bは、ベース部材7の切り欠き穴100又は切り欠き穴101と嵌合可能となっている。
押さえ板11は、図7のように長方形状の板状体である。押さえ板11は、ベース部材7から給電電極10a,10bが離反することを防止する部材である。押さえ板11は、絶縁性を有していれば、特に限定されないが、絶縁性樹脂であることが好ましく、ポリカーボネート樹脂であることがより好ましい。
押さえ板11は、ベース部材7の天面部63全面を被覆可能な大きさとなっている。
フレーム部材15は、図3のように額縁状の部材であり、基板20の剛性を補強する部材である。フレーム部材15は、有機ELモジュール2を組み立てた際に有機EL装置5の4辺を囲み、有機EL装置5とベース部材7と押さえ板11とを一体化し、互いの離反を防止する機能を有する。フレーム部材15は、図4のように押さえ板11を介して給電電極10a,10bをベース部材7上の導電箔40に押しつける部材である。
フレーム部材15は、図3のように断面形状が「コ」字状の枠体であり、天面部80と、底面部81と、天面部80と底面部81を接続する立壁部82を有している。立壁部82は、給電部材の一部が挿通可能な挿通孔83,84を有している。
取り付け装置3は、外部電源と有機ELモジュール2を電気的に接続し、且つ、有機ELモジュール2の給電電極10a,10bを軸支する部材である。
取り付け装置3は、図12のように壁面への取り付け部85と、取り付け部85から立設された支持部86,87とによって形成されている。
支持部86,87は、図12のように長尺状の部位であり、その内部に導電部材90,91が内蔵されている。また、支持部86,87は、突出方向先端部(取り付け部85と反対側端部)近傍に軸受け部92,93を有している。軸受け部92,93は、支持部86,87の側面から導電部材90,91に向かって延伸した給電穴であり、その内壁は導電部材90,91と連続し、電気的に接続されている。そして、軸受け部92,93は、有機ELモジュール2の給電電極10a及び/又は給電電極10bをその内部に挿脱可能となっている。
軸受け部92,93は、給電電極10a,10bの回転軸部105a,105bを挿通する軸受けとして機能する。すなわち、軸受け部92,93内部で給電電極10a,10bの回転軸部105a,105bがそれぞれ回転可能となっている。
また、図2に示されるように、支持部86,87の取り付け部85からの突出長さW1は、有機ELモジュール2の回転半径R1よりも長い。
第1導電部材6bを折り曲げ、ベース部材7に取り付ける。具体的には、第1導電部材6bの電極給電部50が端部になるように折り曲げ(図13(a)から図13(b))、重なり部位53の縁で折り返す(図13(b)から図13(c))。
このとき、図14のように第1導電部材6bの一部(導電部51の反対側の面)がベース部材7上に載置されており、導電部51が第1収納空間61(図10参照)内に位置している。また、導電部51は、部材厚方向上方を向いている。
また、このとき、図4のように露出領域45の導電箔40と被覆領域47の導電箔40がベース部材7を挟んでいる。導電部51と反対側の面は、ベース部材7と接着されている。
このとき、有機EL装置5の電極部35a,36aは、第1導電部材6aの電極給電部50a,52aと接触している。同様に有機EL装置5の電極部35b,36bは第1導電部材6bの電極給電部50b,52bと接触しており、有機EL装置5の電極部35c,36cは第1導電部材6cの電極給電部50c,52cと接触している。
このとき、有機EL装置5の側面と、各第1導電部材6a,6b,6cの一部を覆うようにコーキング部材12が形成されている。コーキング部材12の外側側面は、図5のようにベース部材7の端面と面一となっている。
なお、ここで使用するコーキング部材12の原料としては、接着性を有し、固化する原料であれば特に限定されないが、絶縁性を有する熱硬化性樹脂であることが好ましい。特に防水性を有した樹脂であることがより好ましい。
このとき、第1導電部材6a,6b,6cの導電部51a,51b,51cと第2導電部材8a,8bの下面とが接触している。また、図15に示されるように第2収納空間66,78内に第2導電部材8a,8bを底面とする導電空間111,112が形成されている。導電空間111,112と切り欠き穴100,101と切り欠き溝102,103はそれぞれ直線状に連続している。
このとき、切り欠き穴100,101内に、位置決め部107a,107bの一部と弾性部材110,110が位置しており、導電空間111,112内に導電部106a,106bが位置しており、切り欠き溝102,103内に回転軸部105a,105bが位置している。
また、弾性部材110,110は、本体部材108a,108bの位置決め部107a,107bの端面を付勢した状態で設けられている。導電部106a,106bの長手方向l外側端面は、ベース部材7の側壁部65に当接している。回転軸部105a,105bは、切り欠き溝102,103を経由して、その大部分がベース部材7の外部に露出している。すなわち、回転軸部105a,105bは、大部分がベース部材7から張り出している。導電部106a,106bと中間部54側の側壁部65,77との間には所定の間隔が空いており、空間が形成されている。給電電極10a,10bは同一直線上に並んでおり、一本の回転軸を形成している。
このとき、フレーム部材15は、図4のように底面部81上に有機EL装置5の基板20が載置されており、天面部80の下面に押さえ板11が位置している。すなわち、フレーム部材15は、有機EL装置5とベース部材7と押さえ板11を部材厚方向に挟持しており、立壁部82の剛性によって、有機EL装置5とベース部材7と押さえ板11が互いに離反することを防止している。給電電極10a,10bからみると、給電電極10a,10bは、第2導電部材8と押さえ板11によって厚み方向に挟持されている。
フレーム部材15の挿通孔83,84から回転軸部105a,105bが両外側に張り出している。すなわち、回転軸部105a,105bは互いに離反する方向に突出している。
回転軸部105a,105bは、弾性部材110の弾性復元力によって、常に突出するように付勢されている。このように、有機ELモジュール2は、図17(a)のように外力を受けない限り、フレーム部材15から回転軸部105a,105bが突出した突出姿勢を取っている。
以上が、有機ELモジュール2の一般的な組み立て手順である。
このとき、支持部86,87は、壁117に対して立設した状態となっている。また、取り付け装置3の隣接する支持部86,87の間隔は、有機ELモジュール2の長さとほぼ等しいか、やや大きい。そのため、有機ELモジュール2の回転軸部105a,105bが通常の突出姿勢(図17(a))では、取り付けることができない。
具体的には、使用者は、突出姿勢の有機ELモジュール2(図17(a))に対して、回転軸部105a,105bを押圧しながら、支持部86,87の軸受け部92,93内に回転軸部105a,105bを差し込む(図17(b))。
このとき、有機ELモジュール2は、図17(b)のような一時的にフレーム部材15内に回転軸部105a,105bの大部分又は全部が退避した退避姿勢を取るため、回転軸部105a,105bがほとんど突出せず、支持部86,87間に有機ELモジュール2を介在させることができる。そして、弾性部材110の復元力によって退避姿勢から突出姿勢に戻ると、軸受け部92,93内に回転軸部105a,105bが挿入され、回転軸部105a,105bが軸支された状態となる。
また、上記したように隣接する支持部86,87間の間隔が有機ELモジュール2のフレーム部材15の長さとほぼ等しいため、回転軸部105a,105bは、支持部86,87の軸受け部92,93内にほぼ収納されており、ほとんど外部に露出しない。そのため、有機ELモジュール2の駆動中に、使用者が誤って回転軸部105a,105bに触れることがない。
有機ELモジュール2を一方の支持部86,87側に押し込み、有機ELモジュール2を支持部86,87の突出方向にスライドさせる。
このとき、有機ELモジュール2は、一時的に退避姿勢を取るため、有機ELモジュール2を取り外すことができる。
図1に示される有機ELモジュールの取り付け構造1は、居住空間の天井116と壁117との境界部位に設置されている。具体的には、天井116と壁117とによって形成される角部近傍であって、壁117に取り付け部85を固定し、図1のように、天井116と取り付け部85に跨がるように反射部材115が敷設されている。反射部材115は、円弧状の反射面を有しており、当該反射面は、有機ELモジュール2の回転軸部105a,105bを中心とした円弧状となっている。すなわち、当該反射面は、全部又は一部が回転軸部105a,105bとの距離が一定となっている。
ここでいう「角部近傍」とは、天井116と壁117が交差する角部から取り付け装置3の支持部86又は支持部87までの最短距離が、有機ELモジュール2の長辺の長さよりも近い位置にあることを表す。天井116と壁117が交差する角部から取り付け装置3の支持部86又は支持部87までの最短距離が有機ELモジュール2の短辺の長さ以下であることが好ましく、有機ELモジュール2の長辺の長さの2/3以下であることが特に好ましい。
また、図1に示される有機ELモジュールの取り付け構造1は、1つの取り付け装置3について複数の有機ELモジュール2が並設されている。そして、隣接する有機ELモジュール2間に1つの取り付け装置3の支持部86又は支持部87が位置しており、隣接する有機ELモジュール2の双方を軸支している。隣接する有機ELモジュール2のそれぞれの回転軸部105a,105bは並設方向に同一直線上に並んでいる。そのため、並設方向に隣接する有機ELモジュール2間の間隔を狭めることができる。
図20(c)のように壁117側に有機ELモジュール2の発光面31を向けることによって、反射部材115の反射面が照射光を反射して、居住空間側に伝える。すなわち、有機ELモジュール2は、発光面31の位置を変化させることによって疑似的なコーニス照明としても機能する。また、この状態において反射部材115の反射面は、光の光軸に対して交差している。
このように、図19に示される有機ELモジュールの取り付け構造1は、少なくとも3つの照明として機能するため、居住空間のレイアウトの変更等に柔軟に対応できる。
本実施形態では、基板20としてガラス基板が採用されている。
基板20の厚みは、0.3mmから5mmであり、0.5mmから3mmであることが好ましい。
また、基板20の面積は、25cm2から4m2であり、50cm2から2m2であることが好ましく、100cm2から2500cm2であることが特に好ましい。
2 有機ELモジュール
3 取り付け装置
10a,10b 給電電極(給電部材)
35,36 電極部(電極)
92,93 軸受け部
105a 回転軸部(軸部,第1軸部)
105b 回転軸部(軸部,第2軸部)
115 反射部材
Claims (4)
- 面状に広がりを有する基材上に、有機EL素子と複数の電極を有した有機EL装置を備えた有機ELモジュールと、
当該有機ELモジュールを固定可能な取り付け装置と、を備えた有機ELモジュールの取り付け構造であって、
複数の有機ELモジュールを並設する有機ELモジュールの取り付け構造であって、
前記有機EL素子は、少なくとも第1電極層、有機発光層、及び第2電極層が積層されて形成されており、
前記電極は、第1電極層又は第2電極層に直接的又は間接的に接続されており、
前記取り付け装置は、有機ELモジュールを壁面に対して所定の間隔を空けて支持する支持部を複数有し、
当該支持部は、外部電源と電気的に接続される軸受け部を有し、
前記有機ELモジュールは、前記電極と電気的に接続された給電部材を有し、
当該給電部材は、棒状の軸部を有し、当該軸部を介して前記軸受け部と電気的に接続されるものであり、
前記軸部又は軸受け部の少なくとも一方は、その全部又は大部分が有機ELモジュールの外側又は支持部の外側に向けて突出した突出姿勢と、当該突出姿勢に対して有機ELモジュールの内側又は支持部の内側に向けて退避した退避姿勢とに姿勢を変更することができるものであり、
有機ELモジュールは、軸部が前記軸受け部に軸支されることによって、軸部を中心に周方向に回転可能となっており、
軸部又は軸受け部の姿勢を切り替えることによって有機ELモジュールを取り付け装置から着脱可能となっており、
隣接する2つの有機ELモジュールは、それぞれ支持部の間に介在し、各支持部によってそれぞれ支持されており、
隣接する2つの有機ELモジュールは、電気的に並列接続されていることを特徴とする有機ELモジュールの取付構造。 - 前記取り付け装置は、少なくとも2つの壁面が交差する角部近傍に取り付けられるものであり、
取り付け装置は、光を反射可能な反射面を備えた反射部材と、1つの壁面に対して支持部を固定する取り付け部を有し、
当該反射部材は、他の壁面と取り付け部に跨がって取り付けられるものであり、
前記支持部は、長尺状であって、前記取り付け部から立設されており、
前記支持部は、長手方向において、前記取り付け部とは反対側端部近傍に前記軸受け部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の有機ELモジュールの取り付け構造。 - 前記有機ELモジュールは、その一辺の中央に軸部が設けられており、
一の有機ELモジュールの軸部は、前記一の有機ELモジュールに隣接する有機ELモジュールの軸部と、並設方向に同一直線上に並んでおり、
前記一の有機ELモジュールの軸部は、前記一の有機ELモジュールに隣接する有機ELモジュールの軸部と同一の支持部によって支持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機ELモジュールの取り付け構造。 - 有機EL装置を備えた有機ELモジュールと、当該有機ELモジュールを固定可能な取り付け装置と、を備えた有機ELモジュールの取り付け構造であって、
前記有機EL装置は、前記面状に広がりを有する基材上に有機EL素子を有するものであって、発光面を備えており、
前記有機EL素子は、少なくとも第1電極層、有機発光層、及び第2電極層が積層されて形成されており、
前記取り付け装置は、前記有機ELモジュールを壁面に対して所定の間隔を空けて支持する複数の支持部と、壁面に対して前記複数の支持部を固定する取り付け部を有し、
前記複数の支持部は、長尺状であって、前記取り付け部からそれぞれ立設されており、
前記複数の支持部は、外部電源と電気的に接続される軸受け部をそれぞれ有し、
前記有機ELモジュールは、前記第1電極層と電気的に接続された第1軸部と、前記第2電極層と電気的に接続された第2軸部を有し、
前記有機ELモジュールは、前記第1軸部が一の支持部の軸受け部に軸支され、第2軸部が他の支持部の軸受け部に軸支されることによって、前記一の支持部及び前記他の支持部と電気的に接続されるとともに回転可能となっており、
前記複数の支持部の取り付け部からの長さは、前記有機ELモジュールの回転半径よりも長く、有機ELモジュールが回転することによって前記発光面が前記壁面側に向けた姿勢にできることを特徴とする有機ELモジュールの取付構造。
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