JP6224180B2 - 照明装置 - Google Patents
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そして、有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL装置は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。
すなわち、有機ELモジュールは、自発光デバイスであり、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光することができる。
特許文献1に記載された有機EL装置は、同一平面上に実際に発光する発光領域と、当該発光領域への給電のための給電領域が混在している。給電領域においては、透明電極層のみが積層しており、給電用配線によって給電されている。
また、特許文献1に記載の有機EL装置の構造は、ガラス基板上に透明導電層、発光機能層、金属層が積層されている。消灯時には、ガラス基板と透明導電層と発光機能層はいずれも透光性を有している。すなわち、特許文献1に記載の有機EL装置を照明として使用した場合、消灯時における有機EL装置の発光領域における外観は、金属層の色が反映され、給電領域における外観は、給電用配線が反映される。そのため、有機EL装置の外観に給電用配線が現れてしまい、見栄えが悪い。それ故に、従来の有機ELモジュールは、見栄えを良くするために、給電領域を樹脂フレーム等によって隠す必要がある。
特に複数の有機EL装置を敷き詰めて大型の有機ELモジュールとして使用する場合には、有機EL装置間の境界部位を樹脂フレームで覆うと、消灯時に有機EL装置間の境界部位が目立ち、よりいっそう統一感が損なわれ、見栄えが悪い。
本発明は、基材上に、第1電極層と、有機発光層と、第2電極層を備えた積層体を有する断面構造を備え、前記基材を平面視したときに、実際に発光する発光領域と、当該発光領域へ給電する給電領域が存在する有機EL装置を備え、前記発光領域は、消灯時において鏡面を形成するものであり、前記鏡面と略同一の反射率の鏡面を備えた鏡面部材を有し、鏡面部材は、板状又は箔状であって、給電領域を覆うように配されており、消灯時において、発光領域と一体的な鏡面を形成する照明装置に関連する。
本発明は、基材上に、第1電極層と、有機発光層と、第2電極層を備えた積層体を有する断面構造を備え、前記基材を平面視したときに、実際に発光する発光領域と、当該発光領域へ給電する給電領域が存在する有機EL装置において、前記発光領域は、消灯時において鏡面を形成するものであり、前記鏡面と略同一の反射率の鏡面を備えた鏡面部材を有し、鏡面部材は給電領域を覆うように配されており、消灯時において、発光領域と一体的な鏡面を形成する有機EL装置に関連する。
また、消灯時において、給電領域と一体的な鏡面を形成するため、発光領域と給電領域との境界部位が目立たなくなり、統一性が高く、見栄えがよい。
前記鏡面部材は2以上の有機EL装置の給電領域に跨がって配されているため、共通の鏡面部材によって給電領域を覆い隠せるため、部品点数を少なくすることができる。
上記した有機ELモジュールによれば、共通の鏡面部材で給電領域を隠すことができるため、部品点数を少なくすることができる。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、有機ELモジュール1の上下の位置関係は、図1の姿勢を基準に説明する。すなわち、有機ELモジュール1を天井40と平行にし、有機ELモジュール1の発光面31が居住空間41側を向いている状態を基準とする。
そして、本実施形態の有機ELモジュール1は、第1鏡面部材7(7a〜7e)と、第2鏡面部材10(10a〜10e)によって、有機EL装置2間の境界近傍を隠す構造となっている。
有機EL装置2は、図6のようにその面内において、点灯時に実際に発光する発光面31を有した発光領域25と、点灯時に発光領域25への給電に寄与する複数の電極部15,16を有した給電領域26,27と、図示しない配線等を設置可能な額縁領域28,29を有している。
具体的には、発光領域25は、長さ方向lにおいて有機EL装置2の中央に位置しており、その周囲であって、長さ方向lに対向する2辺近傍にそれぞれ給電領域26,27が配されている。また、発光領域25は、幅方向w(長さ方向及び部材厚方向に対して直交する方向)の中央に位置しており、その周囲であって、幅方向wに対向する2辺近傍にそれぞれ額縁領域28,29が配されている。
本実施形態の有機EL装置2では、電極部15が第1電極層33と電気的に接続されており、電極部16が第2電極層36と電気的に接続されている。
有機EL素子30は、図6のように少なくとも第1電極層33と第2電極層36との間に実際に発光する機能層35(有機発光層)を備えたものである。本実施形態の有機ELモジュール1では、少なくとも基板32側から光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション型」の有機EL装置2を採用しており、有機EL素子30は、基板32側から第1電極層33、機能層35、第2電極層36がこの順に積層されて形成されている。
機能層35は、消灯時において、透明あるいはほぼ透明となっている。
第2電極層36は、真空蒸着装置等によって形成されており、表面が鏡面となっている。
第1導電部材5,6は、電気伝導性を有した箔状又は板状の部材であり、図4のように塑性変形させて使用可能な部材である。第1導電部材5,6は、各有機EL装置2の電極部15,16と、これらに対応する第1鏡面部材7a〜7eとを電気的に接続する部材である。本実施形態の第1導電部材5,6は、図4のように折り曲げて使用され、いずれも引き延ばすと、長い箔状の部材となる。また、第1導電部材5,6は、引き延した状態において、いずれも帯状に延びている。
また、第1導電部材5,6の材質は、電気伝導性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、銅や銀、金、白金などが採用できる。本実施形態では、銅箔を採用している。
第1鏡面部材7は、有機EL装置2の第2電極層36と同程度の反射率及び鏡面光沢度を有した部材である。本実施形態の第1鏡面部材7は、外観上の露出面(絶縁部材8側の面)に鏡面を有している。当該鏡面の反射率は、80パーセント以上100パーセント以下であることが好ましく、85パーセント以上100パーセント以下であることがより好ましく、90パーセント以上100パーセント以下であることが特に好ましい。
ここでいう「鏡面光沢度」とは、光沢の度合いを比較する尺度であり、物体の表面に光が当たる際の正反射光の強さで光沢度を表したものである。
第1鏡面部材7は、鏡面及び電気伝導性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも1つの面が鏡面処理の施された銀箔、アルミニウム箔、銀板、アルミニウム板などが採用できる。
本実施形態では第1鏡面部材7は、有機EL素子30の第2電極層36と同一の素材によって形成されており、具体的には、アルミニウム箔が採用されている。
第1鏡面部材7の幅(長さ方向lの長さ)は、図3のように第1導電部材5,6の底面部22を外観上隠すことができる大きさとなっている。具体的には、長さ方向l両端に位置する第1鏡面部材7a,7eの幅(長さ方向lの長さ)L1は、第1導電部材5,6の底面部22の幅と等しい大きさとなっており、これらの内側に位置する第1鏡面部材7b,7c,7dの幅L2は、第1導電部材5,6の底面部22の幅の2倍の大きさとなっている。
第2鏡面部材10は、長尺状の板状体又は箔状体であり、第1鏡面部材7と同程度の反射率及び鏡面光沢度を有している。
本実施形態の第2鏡面部材10は、第1鏡面部材7と同一の材質で形成されており、第1鏡面部材7と同様、少なくとも1つの面が鏡面となっている。
当該鏡面の反射率は、80パーセント以上100パーセント以下であることが好ましく、85パーセント以上100パーセント以下であることがより好ましく、90パーセント以上100パーセント以下であることが特に好ましい。
本実施形態では第2鏡面部材10は、有機EL素子30の第2電極層36と同一の素材によって形成されており、具体的には、アルミニウム箔が採用されている。
絶縁部材8は、絶縁性を有した板状体又はフィルムである。複数の有機EL装置2を敷き詰めた際に、全面を覆うことが可能となっている。
絶縁部材8の材質は、絶縁性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が採用できる。
絶縁部材8の幅方向wの長さは、第1鏡面部材7a〜7eの長手方向の長さとほぼ等しく、絶縁部材8の長さ方向lの長さは、第2鏡面部材10a〜10eの長手方向の長さとほぼ等しい。
フレーム部材11は、少なくとも底部12が透明性を有した筺体であり、敷き詰められた有機EL装置2a〜2pの一体的に保持する部材である。
フレーム部材11は、図3のように底部12と、底部12から上方に向けて立設した周壁部13によって形成されている。すなわち、フレーム部材11は、底部12と周壁部13によって囲まれた固定空間14を形成している。
フレーム部材11は、樹脂製のフレームであり、伸縮自在となっている。また、フレーム部材11は、底部12が透明性を有しているため、その固定空間14内を底部12の下方(居住空間側)から視認可能となっている。
1つの有機EL装置2に注目すると、図4,図5のように有機EL装置2の長さ方向lの対辺の縁には第1導電部材5,6が取り付けられている。すなわち、第1導電部材5,6の空間内に有機EL装置2の端部が挿入されている。具体的には、有機EL装置2の給電領域26,27に対応する下面を底面部22が覆っており、有機EL装置2の端面を立壁部21が覆っており、有機EL装置2の上面を天面部20が覆っている。
有機EL装置2側から視ると、有機EL装置2の給電領域26,27には、第1導電部材5,6が巻き付けられている。そして、有機EL装置2の電極部15には、図4のように第1導電部材5の天面部20が接触しており、電極部16には、第1導電部材6の天面部20が接触している。
第1鏡面部材7は、図3のように長さ方向lに所定の間隔を空けて互いに平行になるように配されている。具体的には、1つの有機EL装置2の給電領域26,27間の距離にほぼ等しい。言い換えると、発光領域25の長さとほぼ等しい。
また、第1鏡面部材7の長手方向は、幅方向wを向いている。
第1導電部材5,6は、それぞれの長手方向が幅方向wに向くように1列に並んでいる。すなわち、第1導電部材5,6は、第1鏡面部材7の長手方向に並設されている。
このように、第1鏡面部材7は、複数の有機EL装置2に跨がって配されており、長さ方向l及び幅方向wにおいて複数の第1導電部材5,6が同一面に載置されている。
また、各有機EL装置の額縁領域28,29(図6参照)は、第2鏡面部材10で隠されており、視認不能となっている。すなわち、有機EL装置2の額縁領域28,29(図6参照)と第2鏡面部材10は部材厚方向に重なっている。
消灯時には、上記したように有機EL装置2は、基板32、第1電極層33、機能層35がいずれも透明となっており、さらに絶縁部材8及びフレーム部材11も透明となっているため、発光領域25においては、第2電極層36の色が外観に反映されており、鏡面となっている。
給電領域26,27においては、給電領域26,27にそれぞれ第1導電部材5,6が位置し、さらにその上が第1鏡面部材7によって覆われているため、絶縁部材8及びフレーム部材11を透過して第1鏡面部材7の色が外観に反映されており、鏡面となっている。
額縁領域28,29においては、第2鏡面部材10によって覆われているため、絶縁部材8及びフレーム部材11を透過して第2鏡面部材10の色が外観に反映されており、鏡面となっている。
このように、有機ELモジュール1は、各有機EL装置2の発光領域25、給電領域26,27、額縁領域28,29の全ての領域の外観が鏡面になっているため、消灯時であっても、外観が均一となり、一体感がある。それ故に、デザイン性が高い。
そして、第1導電部材6bに伝わった電流は、幅方向wに並列した有機EL装置2e〜2hのそれぞれの電極部15に至る。
このようにして幅方向wに並設した有機EL装置2を介して電流が流れていき、第1導電部材6dから第1鏡面部材7eに至り、外部電源に伝わる。
このように、有機ELモジュール1に内蔵する有機EL装置2a〜2pが全て発光する。
2 有機EL装置
5,6 第1導電部材(導電部材)
7 第1鏡面部材(鏡面部材)
10 第2鏡面部材
25 発光領域
26,27 給電領域
28,29 額縁領域
30 有機EL素子(積層体)
32 基板(基材)
33 第1電極層
35 機能層(有機発光層)
36 第2電極層
Claims (1)
- 基材上に、第1電極層と、有機発光層と、第2電極層を備えた積層体を有する断面構造を備え、前記基材を平面視したときに、実際に発光する発光領域と、当該発光領域へ給電する給電領域が存在する有機EL装置を複数備え、
前記発光領域は、消灯時において鏡面を形成するものであり、
前記複数の有機EL装置を保持する部材を有し、
前記保持する部材には、前記有機EL装置側に前記発光領域の鏡面と略同一の反射率の鏡面が設けられ、
前記保持する部材は、前記基材を平面視したときに、前記保持する部材に設けられた鏡面によって複数の透明部分に分かれており、
各有機EL装置の発光領域は、前記透明部分にそれぞれ位置しており、
前記保持する部材に設けられた鏡面は、複数の有機EL装置に跨がってそれぞれの給電領域を覆うように設けられており、消灯時において、前記複数の有機EL装置の発光領域の鏡面と一体的な鏡面を形成することを特徴とする照明装置。
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