JP5987110B2 - ウィンドシールドの位置調整用の調整機構 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用、特にオートバイ用のウィンドシールドの調整用の調整機構に関する。
そのような調整機構は、例えば特許文献1から知られている。オートバイのウィンドシールドを調整するために、この配列は、車両の前後方向に傾斜して配向された複数のガイドレールを有している。それぞれのガイドレール内をスライダが移動するが、これらのスライダにもまた、ウィンドシールドが揺動自在に保持されている。ガイドレールの傾斜を違えることにより、ウィンドシールドをその高さにおいてもまたその傾きにおいても調整することができる。
この配列では、その構成方式から、特にダストその他の粒子により汚れている場合には、滑り子がガイドレールに引っ掛かって動かなくなる傾向がある。
これに対して特許文献2からは、ピボット式に相互に連接された四本のガイドアームを有し、これらのガイドアームが、4リンク構造を形成しながら、一方ではウィンドシールドに、他方では車両構造に接続されている、ウィンドシールドの調整用の機構が知られている。この機構は、ウィンドシールドを移動させるための、電動式のセルフロック機能付き駆動装置を有しているとよい。
ドイツ特許発明第3941875号明細書 ドイツ特許出願公開第4418954号明細書
したがって本発明の課題は、可能な限り簡単で軽量であるにもかわらず信頼性に優れた構造を有するとともに、低コストで製造可能な調整機構を提供することにある。それと同時に、特に運転者のために、接続機構/調整機構を一方では楽に操作できるようにし、他方では様々な位置において簡単にロックできるようにする。
この課題は、請求項1の各特徴を具備した調整機構、請求項にしたがったウィンドシールド配列、ならびに請求項の各特徴を具備した車両によって解決される。
本発明の有利な構成形態は、それぞれの従属クレームから明らかにされる。
そこに記載されるように、提案されるのは、車両、特にオートバイのウィンドシールドの調整用の調整機構であって、
‐ ウィンドシールドに接続可能なウィンドシールドホルダ、
‐ 車両側に取付け可能なブラケット構造、
‐ スラストクランク、ならびに、
‐ リニアガイド
を有しており、前記スラストクランクは、第1のピボット軸まわりに揺動自在に前記ブラケット構造に接続されるとともに、第2のピボット軸まわりに揺動自在に前記ウィンドシールドホルダにも接続されており、前記ウィンドシールドホルダは、ピボット軸受配列を利用して、前記リニアガイドにより前後方向に直線運動を行うように案内されるとともに、第3のピボット軸まわりに揺動自在であり、さらに前記第1、第2および第3のピボット軸が、互いに対して平行に配向されている、調整機構である。
すなわち、ウィンドシールドホルダは、ピボット軸受配列を利用してリニアガイドに接続されており、それにより、ウィンドシールドホルダを第1の前後方向に直線的に移動させる、ないしはリニアガイドに沿ってスライドさせることが可能となっている。それと同時にピボット軸受配列は、それにさらに追加して、ウィンドシールドホルダをリニアガイドに揺動自在に接続するようにも構成されている。これは、ウィンドシールドホルダが、スライド可能であると同時に揺動自在にリニアガイドに支承されていることを意味している。
ピボット軸受配列は、ウィンドシールドホルダの部分区画として構成されたものであっても、または別体の要素としてこれに固定式に接続されたものであってもかまわない。さらにそれに追加して、ピボット軸受配列には、直線運動のための複数のスライド要素が含まれているとよい。
したがって、上述の調整機構を利用することにより、風防または雨除けとして使用されるウィンドシールドを、車両のその時々の運転者の体格もしくはシートの調節高さに対して適合化することが可能となる。換言すれば上述の調整機構により、リニアガイドがマルチリンク式ピボット配列と非常に有利な形で統合されて、調整機構の可動性が、三つのピボット軸と最小限数の可動部品だけにより達成されることになる。さらにそれに追加して、上述のリニアガイドにより長手方向の補償も達成されるために、少数の構成部品だけで済んでしまう、またそれに伴い軽量性と易組付け性を特色としている、確実でしかも簡単なウィンドシールドの高さならびに傾きの調整が実現されることになる。
この調整機構はほかにも、さらにもう一つの実施形態にしたがって、スラストクランクを少なくとも第1および/または第2のピボット軸まわりに揺動させるための回転駆動装置を有している。すなわち調整機構の作動は、例えば、スラストクランクを揺動させるこの回転駆動装置の回転運動により行われるようになっており、ウィンドシールドホルダに接続されたウィンドシールドは、それにより所望の位置へと移動できるようになっている。
さらにこの回転駆動装置は、好適には少なくとも、駆動ユニットと、この駆動ユニットに回転運動を行うように連結されたウォーム駆動部と、このウォーム駆動部に噛み合っている、スラストクランクに回転を防いで連結された歯車とを有しているとよい。
その場合はこの回転駆動装置が、駆動ユニットによりもたらされる回転運動によって、ウォーム駆動部の回転が、ウォーム駆動部の回転軸まわりに引き起こされるように構成されていると好適である。それに誘発されて、スラストクランクに回転を防いで連結されている歯車も同様に、これがウォーム駆動部に噛み合っていることから、回転運動を行うようになっている。この歯車の対称軸が、第1または第2のピボット軸に対して共軸で配置されていると同様に好適であり、それによりこの歯車の回転運動によって、スラストクランクの第1もしくは第2のピボット軸まわりの、それに対応した揺動がもたらされることになる。
回転駆動装置もしくは調整機構全体のこのような構成方式は非常に有利に作用するが、これは、ウォーム駆動部によって調整機構全体のセルフロック機能がもたらされ、それにより一方では、例えば車両走行中の風力により、ウィンドシールドの位置が調整されている定義済みの位置から不意に出てしまうことが防止されるからであり、他方では、ウィンドシールドを、その可動域内で、それぞれの最終位置においてだけでなく、任意数の中間位置に無段階で調整してそこに固定することが非常に簡単に可能となるからである。したがって、位置を固定するための別体のロック配列を放棄することができる。
非常に好ましい構成形態の一例にしたがって、駆動ユニットは、駆動ユニットの回転運動を手動によりもたらすための、手動操作式のダイヤルを有している。したがってこの駆動ユニットは、例えばウォーム駆動部と共軸に、共通軸の周囲に嵌め合わされた仕様のダイヤルを有するとよい。当然ながら、それとは異なる配置方式も同様に可能である。特にダイヤルとウォーム駆動部との間に、変速比に影響を与えるための一つまたは複数の変速段が備えられるようにしてもよい。この手動操作式のダイヤルにより、運転者の個人的な好みと人間工学上の前提条件とに応じて、ウィンドシールドを極めて迅速かつ快適に調整することができる。さらにそれに追加して、そのためのそれ以外の補助的な駆動コンポーネントならびにエネルギ供給装置の追加を放棄することができるために、重量および取付け空間面での長所ももたらされる。
ほかにもこのダイヤルの代わりに、電動式および/または油圧式に作動される駆動ユニットにより同様に回転運動がもたらされるようにしてもよい。もっとも、ダイヤルバージョンの非常にシンプルな軽量構造をそれにより達成することは不可能である。
この回転駆動装置が配置されるのは、例えばスラストクランクとブラケット構造とのピボット式接続部の支承領域内、および/または、スラストクランクのウィンドシールドホルダとのピボット式接続部の支承領域内である。それにより、特に手動操作式のケースでは、回転駆動装置が非常に簡単かつ安定的に軸受けないしは支持されているという長所がもたらされる。この場合は、回転駆動装置に、利用者を原因として、例えば利用者がこの回転駆動装置にももたれかかることにより、または少なくとも身体の一部を回転駆動装置で支えることにより、回転駆動装置の損傷や故障にもつながりかねない大きな押付け力が加わる怖れを、基本的に生じることになる。
上述のリニアガイドは、例えば、実質的に車両の前後方向に配向された少なくとも二つのレールを有するとよく、またウィンドシールドホルダはいずれも、二つ以上あるガイドレールの内のそれぞれ一つを利用して直線運動を行うように、ピボット軸受配列のスライドシューに、直線運動を実行可能であるとともに揺動自在であるように連結されているとよい。
すなわちこれは、車両に組み付けられた状態にあるときには、それぞれのガイドレールが実質的に車両の走行方向を向くと同時に、互いに対して平行に配置されていることを意味している。ガイドレールは、目的にかなうように、それぞれの配向にかかわらず、水平面に対して傾斜しているとよい。この傾斜の度合いは、例えば導入対象の車両の種類により決まることになるが、適宜選定されるとよい。
上述のピボット配列のスライドシューを利用して、ウィンドシールドホルダは、ガイドレールに接して案内されてその長手方向に沿って滑動することが可能であるが、ウィンドシールドホルダはこのガイドレールによっても同時に案内されることになる。それ以外にも既述のように、ウィンドシールドホルダが、ガイドレールに対して相対的に第3のピボット軸まわりに傾動もしくは揺動可能であるように、スライドシューを有するピボット軸受配列が構成されるようにすべきである。したがって、スライドシューもしくはピボット軸受配列がこのようにスライド可能であることによって、第3のピボット軸も相応にスライドできることになる。
ピボット軸受配列は、例えばボールジョイントとして構成されたスライドシューを有しているとよい。例えばこのスライドシューは、ガイドレールの周囲に長手方向にスライド可能であるようにはめ合される、実質的に球形の本体部を有するとともに、このボールの周囲を把持するようになっているウィンドシールドホルダの把持部に受け入れられているとよいが、その場合はこのスライドシューと把持部とが一緒に、ウィンドシールドホルダのピボット軸受配列を形成することになる。
ウィンドシールドホルダは、さらに別の実施形態によれば、二つのアーム状の保持要素を有するが、その際にそれぞれの保持要素は第1の端部とそれとは反対側に位置する第2の端部とを有しており、さらに、それぞれの第1の端部には、ピボット軸受配列のスライドシューの内の一つが配置されており、またそれぞれの保持要素の第2の端部の領域は、スラストクランクに揺動自在に接続されるように構成されている。
同様にウィンドシールドホルダは、例えば両方のアーム状の保持要素を接続することによって、一体式に構成されたものであってもかまわない。
ほかにもさらに、車両用のウィンドシールド配列であって、ウィンドシールドと調整機構とを有しており、調整機構が上述の説明にしたがって構成されており、さらにウィンドシールドホルダが、ウィンドシールドの高さと傾きが調整されるようにウィンドシールドに接続されている、ウィンドシールド配列が提案される。
ほかにも、ウィンドシールド配列が上述の説明にしたがって構成されており、ブラケット構造が車両側に取り付けられている、ウィンドシールド配列を具備した車両が説明される。
以下では、図を参照しながら実施例に基づき本発明を詳しく説明する。
発明の詳細な説明にしたがった調整機構の第1の透視図である。 図1に示される調整機構の第2の透視図である。 図1に示される調整機構の第3の透視図である。 図1に示される調整機構の回転駆動装置の詳細図である。
図1、2および3には、車両(不図示)、特にオートバイのウィンドシールドの調整用の調整機構10であって、
‐ 二つのアーム状の保持要素11a、11bにより定義される、ウィンドシールド(不図示)に接続可能なウィンドシールドホルダ、
‐ 車両側に取付け可能なブラケット構造12、
‐ スラストクランク13、ならびに、
‐ リニアガイド14
を有しており、前記スラストクランク13は、第1のピボット軸Aまわりに揺動自在に前記ブラケット構造12に接続されるとともに、第2のピボット軸Bまわりに揺動自在に前記ウィンドシールドホルダの前記両保持要素11a、11bにも接続されており、前記ウィンドシールドホルダの前記両保持要素11a、11bが、ピボット軸受配列15を利用して、前記リニアガイド14により長手方向に直線運動を行うように案内されるとともに、第3のピボット軸Cまわりに揺動自在である、調整機構10の様々な透視図が示される。各ピボット軸A、B、Cは、互いに対して平行に配向されるとともに、図示の実施形態においては、実質的に水平に、かつ(組付け状態においては)車両前後軸に対して横向きに配向されている。
調整機構10はほかにも、スラストクランク13を少なくとも第1のピボット軸Aまわりに揺動させるための回転駆動装置16を有している。
特に図4に示されるように、回転駆動装置16はそのために、駆動ユニット17と、この駆動ユニット17に回転運動を行うように連結されたウォーム駆動部18と、このウォーム駆動部18に噛み合っている、スラストクランク13に回転を防いで連結された歯車19とを有している。駆動ユニット17は、駆動ユニット17の回転運動を手動によりもたらすための、手動操作式のダイヤルとして実施されることが好ましい。回転駆動装置16をこのように構成することにより、セルフロッキング機能が持つ長所がもたらされるために、ウィンドシールドを調整されている位置から別の位置へと押しやるのは不可能である上に、ウィンドシールドをそれによりありとあらゆる任意の中間位置に無段階で調整してそこに固定することが可能となる。
それ以外にも図1、2および3に示されるように、リニアガイドは、実質的に車両の前後方向に配向されている、さらにそれに加えて水平面に対してもチルトされている、二本のガイドレール21を有している。その時々のチルト角は、車両の種類に応じて決まる。ウィンドシールドホルダのそれぞれの保持要素11a、11bは、両ガイドレール21の内の一方を利用して直線運動が行われるように、ピボット軸受配列15のスライドシュー20に、直線運動を実行可能であるとともに揺動自在に連結されている。
それぞれの保持要素11a、11bは、さらにそれに加えて、ウィンドシールドを接続するための接続部を有している。あくまでも一例として、それぞれの接続部には、ウィンドシールドを載置して支持するための平坦な支持面とならび、ウィンドシールド用の取付け手段を受け入れるための複数のリセスが備えられるとよい。
ほかにもそれぞれの保持要素11a、11bは、第1の端部とその反対側に位置する第2の端部とを有しており、それぞれの第1の端部のところに、ピボット軸受配列15のスライドシュー20が一つずつ配置されている。保持要素11a、11bは、第2の端部の領域内では、スラストクランク13を揺動自在に接続するように構成されている。
10 調整機構
11a 保持要素
11b 保持要素
12 ブラケット構造
13 スラストクランク
14 リニアガイド
15 ピボット軸受配列
16 回転駆動装置
17 駆動ユニット
18 ウォーム駆動部
19 歯車
20 スライドシユー
21 ガイドレール
A 第1ピボット軸
B 第2ピボット軸
C 第3ピボット軸

Claims (6)

  1. 車両、特にオートバイのウィンドシールドの調整のための調整機構(10)であって、
    ‐ 前記ウィンドシールドに接続可能なウィンドシールドホルダ(11a,11b)と、
    ‐ 車両側に取付け可能なブラケット構造(12)と、
    ‐ スラストクランク(13)と、
    ‐ リニアガイド(14)と
    を有しており、前記スラストクランク(13)は、第1のピボット軸(A)まわりに揺動自在に前記ブラケット構造(12)に接続されるとともに、第2のピボット軸(B)まわりに揺動自在に前記ウィンドシールドホルダ(11a,11b)にも接続されており、前記ウィンドシールドホルダ(11a,11b)が、ピボット軸受配列(15)を用いて、前記リニアガイドにより前後方向に直進運動を行うように案内されるとともに、第3のピボット軸(C)まわりに揺動自在であり、さらに前記第1のピボット軸(A)、第2のピボット軸(B)および第3のピボット軸(C)が互いに平行に配向されており、
    前記調整機構(10)がほかにも、少なくとも前記第1のピボット軸(A)および/または前記第2のピボット軸(B)まわりに前記スラストクランク(13)を揺動させるための回転駆動装置(16)を有しており、また、
    前記回転駆動装置(16)が、少なくとも駆動ユニット(17)と、該駆動ユニット(17)に回転運動を行うように連結されたウォーム駆動部(18)と、該ウォーム駆動部(18)に噛み合っていて、前記スラストクランク(13)に回転を防いで連結された歯車(19)とを有している、調整機構。
  2. 前記駆動ユニット(17)が、前記駆動ユニット(17)の回転運動を手動によりもたらすための手動操作式ダイヤルを有している、請求項に記載の調整機構。
  3. 前記リニアガイド(14)が、実質的に車両の長手方向に配向された少なくとも二つのガイドレール(21)を有し、前記ウィンドシールドホルダ(11a,11b)がいずれも、前記少なくとも二つのガイドレール(21)の内の一つを利用した直線運動が行われるように、前記ピボット軸受配列(15)のスライドシュー(20)に、直線運動を実行可能であるとともに揺動自在に連結されている、請求項1又は2に記載の調整機構。
  4. 前記ウィンドシールドホルダ(11a,11b)が、二つのアーム状の保持要素(11a,11b)を有し、それぞれの保持要素(11a,11b)が第1の端部と第2の端部とを有しており、それぞれの第1の端部に、前記ピボット軸受配列(15)のスライドシュー(20)が一つずつ配置されており、それぞれの保持要素(11a,11b)が、第2の端部の領域内で、前記スラストクランク(13)と揺動自在に接続するように構成されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の調整機構。
  5. ウィンドシールドと調整機構とを有している、車両用のウィンドシールド配列であって、前記調整機構(10)が請求項1〜のいずれか一項のしたがって構成されており、前記ウィンドシールドホルダ(11a,11b)が、前記ウィンドシールドの高さと傾きが調整されるように、前記ウィンドシールドに接続されている、ウィンドシールド配列。
  6. ウィンドシールド配列を具備した車両であって、前記ウィンドシールド配列が請求項にしたがって構成されており、前記ブラケット構造(12)が車両側に取り付けられている、車両。
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