JP6367263B2 - 鞍乗り型車両の風防装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗り型車両の風防装置に関する。
従来、鞍乗り型車両の風防装置において、車幅方向に向けて配置されたシャフトを中心としてウインドスクリーン(風防部)を可動にし、ウインドスクリーンの位置や角度を調節可能にしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、ウインドスクリーンが上下左右の計4個の誘導連接棒(リンク)で支持されており、これら誘導連接棒を上記シャフトを介してモーターで回動させることで、ウインドスクリーンを動かしている。
特開平7−329859号公報
ところで、鞍乗り型車両では部品の配置スペースが限られているため、風防装置を可動式としながら小型化することが求められる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両の風防装置において、風防装置を可動式としながら小型化できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、車幅方向に向けて配置されたシャフト(88,188,388)を軸にして高さ及び傾斜を調節可能に設けられた風防部(80)を備える鞍乗り型車両の風防装置において、前記風防部(80)は、前記シャフト(88,188,388)から延びるリンク部材(82,382)を介して取り付けられており、前記リンク部材(82,382)は、前記シャフト(88,188,388)上に設けられて当該リンク部材(82,382)を固定するギア(130,230L,230R,450)が、車幅方向に出し入れされることで、可動状態と固定状態とを切り替えられ、前記シャフト(88,188,388)を支持するベース部材(81,381)を備え、前記固定状態では、前記ギア(130,230L,230R,450)は、前記リンク部材(82,384)及び前記ベース部材(81,381)に係合していることを特徴とする。
本発明によれば、風防部は、シャフトから延びるリンク部材を介して取り付けられており、リンク部材は、シャフト上に設けられてリンク部材を固定するギアが、車幅方向に出し入れされることで、可動状態と固定状態とを切り替えられる。これにより、リンク部材を固定するギアを車幅方向に出し入れすることで、リンク部材の可動状態と固定状態とを切り替えできるため、コンパクトな構造でリンク部材を可動式にできる。このため、風防装置を可動式としながら小型化できる。また、シャフトを支持するベース部材を備え、固定状態では、ギアは、リンク部材及びベース部材に係合している。これにより、ギアを介し、リンク部材をベース部材に固定でき、簡単な構造でリンク部材の回動位置を固定できる。
また、本発明は、前記シャフト(88,188)の車幅方向の外端のいずれか一方に、当該シャフト(88,188)を軸方向に移動させる押圧部(88a,188a)が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、シャフトの車幅方向の外端のいずれか一方に、シャフトを軸方向に移動させる押圧部が設けられているため、車両の側方からシャフトの外端の押圧部を容易に操作でき、風防装置の位置を調節し易い。
また、本発明は、前記鞍乗り型車両は、当該鞍乗り型車両を左側に傾いた状態で駐車させるサイドスタンド(75)を備え、前記シャフト(88)の前記外端には、前記押圧部を押圧するレバー(134)が設けられ、当該レバー(134)及び前記押圧部(88a)は、前記シャフト(88)の左端に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、押圧部を押圧するレバー及び押圧部は、シャフトの左端に設けられる。このため、サイドスタンドで駐車した状態で、鞍乗り型車両が傾いた側である左側に配置されたレバーを操作して風防装置の可動状態を切り替えでき、操作性が良い。
さらに、本発明は、前記ギア(130,230L,230R)は、前記押圧部(88a,188a)で押圧される向きの反対方向に弾性部材(133,233)によって付勢され、前記ギア(130,230L,230R)は、前記弾性部材(133,233)の付勢方向に向けて先細るテーパー状に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ギアは、押圧部で押圧される向きの反対方向に弾性部材によって付勢され、ギアは、弾性部材の付勢方向に向けて先細るテーパー状に形成されている。このため、ギアをリンク部材側に密着させてガタを低減できるとともに、ギアをテーパー形状でガイドでき、ギアをリンク部材側にスムーズに係合させることができる。
また、本発明は、前記リンク部材(82)は、下前方と上後方とに一対で設けられ、前記押圧部(88a,188a)は、前記上後方のリンク部材(84,184)に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、リンク部材は、下前方と上後方とに一対で設けられ、押圧部は、上後方のリンク部材に設けられている。このため、押圧部が運転者の位置に近くなり、押圧部を容易に操作できる。
また、本発明は、前記ギア(130)は、前記上後方のリンク部材(84)において、前記押圧部(88a)とは反対側の右側に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ギアは、上後方のリンク部材において、押圧部とは反対側の右側に設けられているため、押圧部及びギアを左右に分散して設けることができ、スペースを有効に利用してコンパクト化を図ることができる。
また、本発明は、前記リンク部材(82)は、下前方と上後方とに一対で設けられ、前記ギア(230L,230R)は、前記上後方のリンク部材(184)の左端及び右端に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、リンク部材は、下前方と上後方とに一対で設けられ、ギアは、上後方のリンク部材の左端及び右端に設けられているため、リンク部材の回動を左右の2つのギアで規制でき、リンク部材を強固に固定できる。
また、本発明は、車幅方向に向けて配置されたシャフト(388)を軸にして高さ及び傾斜を調節可能に設けられた風防部(80)を備える鞍乗り型車両の風防装置において、前記風防部(80)は、前記シャフト(388)から延びるリンク部材(382)を介して取り付けられており、前記リンク部材(382)は、前記シャフト(388)上に設けられて当該リンク部材(382)を固定するギア(450)が、車幅方向に出し入れされることで、可動状態と固定状態とを切り替えられ、前記ギア(450)は、前記シャフト(388)上に軸方向に移動可能に支持されており、前記シャフト(388)の車幅方向の外端のいずれか一方に、前記ギア(450)を保持するハンドル部材(451)が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、車両の側方からシャフトの外端のハンドル部材を介してギアを軸方向に移動させてリンク部材の可動状態と固定状態とを切り替えでき、風防装置の位置を調節し易い。
さらに、本発明は、前記固定状態となるように前記ギア(450)を車幅方向に押圧するレバー部材(452)が、前記シャフト(388)に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、リンク部材が固定状態となるようにギアを車幅方向に押圧するレバー部材がシャフトに設けられているため、レバー部材によってギアを押圧してリンク部材を固定状態にできる。
また、本発明は、前記レバー部材(452)が前記ギア(450)を押圧するように前記シャフト(388)を付勢する付勢部材(456)が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、レバー部材がギアを押圧するようにシャフトを付勢する付勢部材が設けられているため、付勢部材の付勢力によってレバー部材をギアの側に当接させておくことができ、ガタの発生を防止できる。
また、本発明は、前記レバー部材(452)は、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間に設けられるばね部材(453)を介して前記ギア(450)を押圧していることを特徴とする。
本発明によれば、レバー部材は、ばね部材を介してギアを押圧しているため、ばね部材の押圧力によって簡単な構成でギアがリンク部材に噛み合った状態を維持できる。また、ばね部材によってレバー部材及びハンドル部材を押し付けておくことができるため、ガタの発生を抑制できる。
また、本発明は、前記レバー部材(452)が回動操作されると、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間の距離が大きくなり、前記ばね部材(453)の付勢力が小さくなることを特徴とする。
本発明によれば、レバー部材が回動操作されると、レバー部材とハンドル部材との間の距離が大きくなり、ばね部材の付勢力が小さくなる。これにより、レバー部材を回動操作するとばね部材の付勢力を小さくでき、ばね部材の付勢力に抗してハンドル部材を移動させることが可能になる。すなわち、レバー部材の回動操作に連動してギアが移動可能となる構成を実現できる。
また、本発明は、前記レバー部材(452)は、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間に設けられるカラー(454)を介して前記ハンドル部材(451)を押圧しており、前記ばね部材(453)は、カラー(454)と前記ハンドル部材(451)との間に圧縮されて設けられ、前記レバー部材(452)が回動操作されると、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間の距離が大きくなり、前記カラー(454)が前記ばね部材(453)に押されて前記ハンドル部材(451)から離間することを特徴とする。
本発明によれば、レバー部材は、カラーを介してハンドル部材を押圧しており、ばね部材は、カラーとハンドル部材との間に圧縮されて設けられ、レバー部材が回動操作されると、レバー部材とハンドル部材との間の距離が大きくなり、カラーがばね部材に押されてハンドル部材から離間する。これにより、カラーを介してハンドル部材を強固に押圧しておくことができるとともに、レバー部材の操作によって、カラーをハンドル部材から離間させることができ、この離間した分だけハンドル部材とともにギアを移動させることができる。
また、本発明は、前記鞍乗り型車両は、当該鞍乗り型車両を左側に傾いた状態で駐車させるサイドスタンド(75)を備え、前記レバー部材(452)は、前記シャフト(388)の左端に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、サイドスタンドで駐車した状態で、鞍乗り型車両が傾いた側である左側に配置されたレバー部材を操作して風防装置の可動状態を切り替えでき、操作性が良い。
さらに、本発明は、前記リンク部材(382)は、下前方と上後方とに一対で設けられ、前記ハンドル部材(451)は、前記上後方のリンク部材(384)に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ハンドル部材は、上後方のリンク部材に設けられているため、ハンドル部材が運転者の位置に近くなり、ハンドル部材を容易に操作できる。
また、本発明は、前記ギア及び前記ハンドル部材は、前記上後方のリンク部材の左右において、前記レバー部材と同じ側に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ギア及びハンドル部材は、左右においてレバー部材と同じ側に設けられているため、互いの位置が近いレバー部材及びハンドル部材を連続的に操作でき、操作性が良い。
さらに、本発明は、前記風防部(80)は、手動式で複数段階の位置の調節が可能であることを特徴とする。
本発明によれば、風防部は、手動式で複数段階の位置の調節が可能であるため、風防部を自動にするための部品が必要なく、風防装置を小型に構成できる。
また、本発明は、前記シャフト(388)を支持するベース部材(381)を備え、前記固定状態では、前記ギア(450)は、前記リンク部材(384)及び前記ベース部材(381)に係合していることを特徴とする。
本発明によれば、シャフトを支持するベース部材を備え、固定状態では、ギアは、リンク部材及びベース部材に係合している。これにより、ギアを介し、リンク部材をベース部材に固定でき、簡単な構造でリンク部材の回動位置を固定できる。
本発明に係る鞍乗り型車両の風防装置では、風防装置を可動式としながら小型化できる。
また、シャフトの外端の押圧部によって風防装置の位置を調節し易い。
また、サイドスタンドで駐車した状態で、レバーを操作して風防装置の可動状態を容易に切り替えできる。
さらに、テーパー形状によってギアをリンク部材側にスムーズに係合させることができる。
また、運転者の近くの押圧部を容易に操作できる。
また、押圧部及びギアを左右に分散してコンパクト化を図ることができる。
また、左右の2つのギアでリンク部材を強固に固定できる。
さらに、手動式であるため、風防装置を小型に構成できる。
また、ギアによって、リンク部材を簡単且つコンパクトな構造でベース部材に固定できる。
また、ハンドル部材を介してギアを軸方向に移動させてリンク部材の可動状態と固定状態とを切り替えでき、風防装置の位置を調節し易い。
また、レバー部材によってギアを押圧してリンク部材を固定状態にできる。
また、付勢部材の付勢力によってガタの発生を防止できる。
さらに、ばね部材の押圧力によってギアがリンク部材に噛み合った状態を維持できるとともに、ガタの発生を抑制できる。
また、レバー部材を回動操作するとばね部材の付勢力を小さくでき、ばね部材の付勢力に抗してハンドル部材を移動させることが可能になる。
また、カラーを介してハンドル部材を強固に押圧しておくことができるとともに、レバー部材の操作によって、カラーをハンドル部材から離間させることができる。
サイドスタンドで駐車した状態で、レバー部材を操作して風防装置の可動状態を容易に切り替えできる。
また、運転者の位置に近いハンドル部材を容易に操作できる。
また、互いの位置が近いレバー部材及びハンドル部材を連続的に操作できる。
本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車の右側面図である。 自動二輪車を上方から見た平面図である。 風防装置の斜視図である。 風防装置の左側面図であり、ウインドスクリーンが最も低い位置にある状態を示す図である。 風防装置の左側面図であり、ウインドスクリーンが最も高い位置にある状態を示す図である。 ベース部材の斜視図である。 下側リンクを前方側から見た斜視図である。 図4のVIII−VIII断面図である。 上側リンクを前方側から見た斜視図である。 スクリーンブラケットの斜視図である。 図4のXI−XI断面図である。 図4のXI−XI断面図である。 ギアの斜視図である。 蓋部材を外した状態における上側シャフト挿通部及びギアの分解斜視図である。 レバーを取り外した状態で、左側の上側シャフト挿通部の周辺部を左側方から見た側面図である。 ギアの係合状態を示す断面図である。 ウインドスクリーンに沿う走行風の流れを示す側面図である。 第2の実施の形態における図4のXI−XI断面図である。 第2の実施の形態における図4のXI−XI断面図である。 第3の実施の形態における風防装置の左側面図である。 ベース部材及びベース部材の周辺部品の分解斜視図である。 上側リンクを前方側から見た斜視図である。 図20のXXIII−XXIII断面図である。 図23の状態からロック機構が「ロック解除待機状態」に変化した状態を示す図である。 図20のXXV−XXV断面図である。 図23のXXVI−XXVI断面図である。 図24の状態からロック機構が「ロック解除状態」に変化した状態を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。また、図中には、車体右方を符号RHで示すことがある。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車の右側面図である。なお、以下、右側面図では、左右一対で設けられるものは、右側のものだけが図示されている。
自動二輪車1は、車体フレームFにパワーユニットとしてのエンジン10が支持され、前輪2を操舵可能に支持する操舵系11が車体フレームFの前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム12が車体フレームFの後部側に設けられた車両である。自動二輪車1は、乗員が跨るようにして着座する乗員シート13が車体フレームFの後部の上方に設けられた鞍乗り型の車両である。
車体フレームFは、前端に設けられるヘッドパイプ14と、ヘッドパイプ14の後部から後下がりに延出する左右一対のメインフレーム15,15と、メインフレーム15,15の前端部から後下方に延びる左右一対のダウンフレーム16,16と、メインフレーム15,15の後端から下方に延出する左右一対のピボットフレーム17,17と、ピボットフレーム17,17の上部から後上がりに車両後端部まで延びる左右一対の後部フレーム(不図示)とを備える。
各メインフレーム15は、ヘッドパイプ14の下部から比較的緩い傾斜で後下がりに延びるメインフレーム本体部15aと、ヘッドパイプ14の上部とメインフレーム本体部15aの前部とを連結する補強フレーム部15bとを備える。また、車体フレームFは、メインフレーム本体部15a,15aの中間部とダウンフレーム16,16とを連結する左右一対の連結フレーム20,20を備える。
スイングアーム12は、左右のピボットフレーム17,17を車幅方向に連結するピボット軸22に前端部を軸支され、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。後輪3は、スイングアーム12の後端部に挿通される後輪車軸23に軸支される。
スイングアーム12は、リアサスペンション(不図示)を介して車体フレームFの後部に連結される。
エンジン10は、ピボットフレーム17,17の前方で車体フレームFから吊り下げられるようにして搭載されている。
エンジン10は、車幅方向に延びるクランク軸(不図示)を支持するクランクケース26と、クランクケース26の前部から前上方に延びるシリンダ部27とを備える。クランクケース26は、メインフレーム15,15の後部の下方に位置する。シリンダ部27は、メインフレーム15,15に沿うように前上方に延び、その前部は、左右のダウンフレーム16,16の間、及び、左右の連結フレーム20,20の間に位置する。
エンジン10は、シリンダ部27のシリンダ軸線Cが鉛直よりも水平側に近くなるように前傾しているエンジンであり、エンジン10の上方には空間が確保される。
エンジン10の出力は、エンジン10の出力軸(不図示)と後輪3との間に巻き掛けられるチェーン28によって後輪3に伝達される。
エンジン10の排気管29は、シリンダ部27のシリンダヘッドから下方に引き出され、エンジン10の下方を通って後方へ延び、スイングアーム12の右側方のマフラー30に接続される。
エンジン10に供給される空気を浄化するエアクリーナケース31は、メインフレーム15,15の前部の上方でヘッドパイプ14の後方に配置される。吸気ダクト31aは、エアクリーナケース31の上部の前端部に設けられる。エアクリーナケース31を通過した空気は、スロットルボディ(不図示)で流量を調節されてシリンダ部27のシリンダヘッドに流れる。エンジン10のラジエータ32は、ヘッドパイプ14の下方でシリンダ部27の前方に配置される。
乗員シート13は、運転者用の前側シート41と、前側シート41よりも一段高いパッセンジャー(同乗者)用の後側シート42とを一体に備える。
前側シート41は、メインフレーム15,15の後部の上方及びピボットフレーム17,17の上方に配置される。また、前側シート41は、クランクケース26の後部の上方に位置する。
後側シート42は、上記後部フレームの後部の上方に配置される。また、後側シート42は、マフラー30の後部の上方及び後輪3の前部の上方に位置する。後側シート42の左右の側方には、後側シート42に着座したパッセンジャーが把持する把持部43,43がそれぞれ設けられる。
燃料タンク44は、前側シート41及び後側シート42の下方に配置される。
ピボットフレーム17,17の外側面には、板状のステップホルダ45,45が左右一対で設けられる。運転者用の左右一対のサブステップ46,46及びパッセンジャー用の左右一対のパッセンジャーステップ47,47は、ステップホルダ45,45にそれぞれ支持される。運転者用の左右一対のメインテップ48,48は、前側シート41の前下方に設けられる。
メインスタンド49は、ピボットフレーム17,17の下部に連結される。
折り畳み可能なサイドスタンド75は、車体フレームFの左部の下部に設けられる。サイドスタンド75を使用して自動二輪車1を駐車すると、自動二輪車1は、車幅方向においてサイドスタンド75が位置する側、すなわち左側に傾斜した状態となる。サイドスタンド75を使用して自動二輪車1を駐車すると、自動二輪車1の左部が低くなり、右部が高くなる。
図2は、自動二輪車1を上方から見た平面図である。なお、図2では、後述するバーハンドル69の右端部側の構成は不図示である。
図1及び図2に示すように、自動二輪車1は、車体を覆う車体カバー50を備える。車体カバー50は、ヘッドパイプ14及び操舵系11の上部を前方及び左右側方から覆うフロントカバー51と、フロントカバー51の後縁に連結され、ヘッドパイプ14及び操舵系11の上部を後方から覆う後面カバー52と、フロントカバー51の下部の後方で、メインフレーム15,15を上方及び左右の側方から覆うシート下カバー53と、シート下カバー53の下方で、エンジン10及び車体フレームFの後部を側方から覆う左右一対の中間側面カバー54,54とを備える。
また、車体カバー50は、エンジン10を下方から覆うアンダーカバー55と、シート下カバー53の後方で乗員シート13の下方を側方から覆う左右一対のリアカバー56,56と、エンジン10の後部の下部及びピボットフレーム17,17の下部を側方から覆う左右一対のフレームカバー57,57とを備える。
フロントカバー51の前部には、上下に延びる板状のウインドスクリーン80(風防部)を備えた風防装置78が設けられる。ヘッドライト59は、フロントカバー51の前面に設けられる。
自動二輪車1は、後輪3を上方から覆うリアフェンダー60と、前輪2を上方から覆うフロントフェンダー61とを備える。
操舵系11は、ヘッドパイプ14に回動自在に軸支されるステアリングシャフト(不図示)と、前輪2の左右の両側に配置され前輪2を支持する左右一対のフロントフォーク66,66と、上記ステアリングシャフトの上端に固定され左右のフロントフォーク66,66を連結するトップブリッジ67と、上記ステアリングシャフトの下端に固定され左右のフロントフォーク66,66を連結するボトムブリッジ68とを備える。また、操舵系11は、フロントフォーク66,66の上方に設けられるステアリングとしてのバーハンドル69と、バーハンドル69をフロントフォーク66,66に固定するハンドルホルダ70とを備える。
前輪2は、フロントフォーク66,66の下端部間に渡される前輪車軸71に軸支される。
バーハンドル69には、左右一対のバックミラー72,72、及び、左右一対のナックルガード73,73が設けられる。また、バーハンドル69の前方で風防装置78の後方には、ナビゲーション装置74が設けられる。
図3は、風防装置78の斜視図である。図4及び図5は、風防装置78の左側面図である。ここで、図3ではウインドスクリーン80は不図示である。また、風防装置78は、ウインドスクリーン80の位置を上下に調節可能に構成されており、図4では「低位置」の状態が図示されており、図5では「高位置」の状態が図示されている。
図3〜図5を参照し、風防装置78は、後上がりに傾斜したフロントカバー51の上面に設けられ、車幅方向の中央に位置する。風防装置78は、車体としてのフロントカバー51に取り付けられるベース部材81と、ベース部材81に回動可能に支持されるリンク部材82と、リンク部材82に支持されるスクリーンブラケット85と、スクリーンブラケット85に支持される上記ウインドスクリーン80と、リンク部材82の回動位置を規制するロック機構86とを備える。
リンク部材82は、ベース部材81に回動可能に支持されて前方側に延びる下側リンク83と、下側リンク83の後上方に位置し、ベース部材81に回動可能に支持されて前方側に延びる上側リンク84(上後方のリンク部材)とを備える。
また、風防装置78は、下側リンク83をベース部材81に連結する下側シャフト87と、上側リンク84をベース部材81に連結する上側シャフト88(シャフト)と、スクリーンブラケット85を下側リンク83に連結する下側ピボットシャフト89と、スクリーンブラケット85を上側リンク84に連結する上側ピボットシャフト90とを備える。下側シャフト87、上側シャフト88、下側ピボットシャフト89、及び、上側ピボットシャフト90は、それぞれ車幅方向に真っ直ぐに延びる軸であり、互いに平行である。
図6は、ベース部材81の斜視図である。
図3〜図6を参照し、ベース部材81は、フロントカバー51の上面に沿うように後上がりに傾斜して配置される。ベース部材81は、下側リンク83及び上側リンク84を支持するベース本体部91と、ベース本体部91の下端部(前端部)の両側部から下方に延びる左右一対の前側ステー部92,92と、ベース本体部91の上端部(後端部)の両側部から下方に延びる左右一対の後側ステー部93,93と、ベース本体部91の上端部から上方に延びる上方延出部94とを備える。
ベース本体部91は、フロントカバー51の上面に沿うように前後に延びる左右一対の側板部95,95と、側板部95,95の前端部を車幅方向に繋ぐ前端連結部96と、側板部95,95の後端部を車幅方向に繋ぐ後端連結部97とを備え、枠状に形成されている。
ベース本体部91の前端部、すなわち左右の側板部の前端部には、下側シャフト87が挿通される下側シャフト支持孔部98,98が左右一対で設けられている。下側シャフト支持孔部98,98は前端連結部96の後方に位置する。
ベース本体部91の後端部、すなわち左右の側板部95,95の後端部には、上側シャフト88が挿通される上側シャフト支持孔部99L,99Rが左右一対で設けられている。上側シャフト支持孔部99L,99Rは、後端連結部97の車幅方向の両端部に設けられている。上側シャフト支持孔部99L,99Rは、下側シャフト支持孔部98,98の後方且つ上方に位置する。
左右の側板部95,95は、後端側ほど互いの間隔が車幅方向に大きくなるように傾斜して形成されている。このため、左右の上側シャフト支持孔部99L,99Rの間隔は、左右の下側シャフト支持孔部98,98の間隔よりも大きい。
ベース部材81は、前側ステー部92,92及び後側ステー部93,93がフロントカバー51の上面に差し込まれ、前側ステー部92,92及び後側ステー部93,93の下端部に挿通される固定具(不図示)によって車体に固定される。
ベース部材81の上方延出部94は、ベース本体部91から上方に延びる縦壁部94aと、縦壁部94aの上端から後方に延びる上壁部94bとを備える。ウインドスクリーン80は上壁部94bの上方を通って後上方に延びる。
ベース部材81の後端には、後端連結部97を後方から覆う後部カバー100が取り付けられる。なお、後部カバー100は化粧カバーであり、後部カバー100を設けない構成としても良い。
また、ベース部材81は、下側リンク83の回動位置を規制する下側ストッパ部95a,95a及び上側ストッパ部95b,95bを備える。下側ストッパ部95a,95aは、側板部95,95の前端部において下側シャフト支持孔部98,98の前下方に設けられている。上側ストッパ部95b,95bは、側板部95,95の前部において下側シャフト支持孔部98,98の後上方に設けられている。
図7は、下側リンク83を前方側から見た斜視図である。
図3〜図7を参照し、下側リンク83は、ベース部材81側から前方に延びる左右一対の下側アーム部101,101と、下側アーム部101,101の前端部を車幅方向に繋ぐ下側連結部102とを備える。
下側アーム部101,101は、下側シャフト87が挿通される筒状の下側シャフト挿通部103,103を後端部にそれぞれ備える。下側アーム部101,101は、下側シャフト挿通部103,103から前端の下側連結部102側に行くほど互いの間隔が車幅方向に小さくなるように形成されている。また、下側アーム部101,101は、図4の「低位置」の状態の側面視では、下側シャフト挿通部103,103から前方に略水平に延びる水平部101aと、水平部101aの前端から前下がりに傾斜して延びる傾斜部101bとを備える。
下側連結部102には、車幅方向に貫通する下側ピボットシャフト支持孔部104が形成されており、下側ピボットシャフト支持孔部104には下側ピボットシャフト89が挿通される。
下側アーム部101,101は、車幅方向の内側に突出する当接部101c,101cを内側面に備える。各当接部101cは、ラバー部材101dを備える。
下側リンク83は、下側アーム部101,101のラバー部材101d,101dがベース部材81の下側ストッパ部95a,95aに当接することで、下方側への回動を規制される。また、下側リンク83は、下側アーム部101,101のラバー部材101d,101dがベース部材81の上側ストッパ部95b,95bに当接することで、上方側への回動を規制される。
図8は、図4のVIII−VIII断面図である。
図4〜図8を参照し、下側リンク83は、左右の下側シャフト挿通部103,103がベース部材81の下側シャフト支持孔部98,98に車幅方向の外側から重なるように配置され、下側シャフト挿通部103,103及び下側シャフト支持孔部98,98に下側シャフト87が挿通されることで下側シャフト87に軸支される。
下側シャフト87は、軸部よりも大径なフランジ部87aを一端に備える。下側シャフト87の他端の内周部には、ボルト87bが締結される。下側リンク83の左右の下側シャフト挿通部103,103は、フランジ部87aとボルト87bの頭部87cとによって下側シャフト87の軸方向に抜け止めされる。
下側シャフト挿通部103,103とベース部材81の下側シャフト支持孔部98,98の外側面との間には、ワッシャ105,105が下側シャフト87に挿通されて設けられている。ワッシャ105,105は、例えば、摩擦係数が小さい樹脂材料で構成されており、下側リンク83の回動の摩擦を低減する。
さらに、下側シャフト挿通部103,103と下側シャフト支持孔部98,98の外側面との間には、コイルばね106,106が介装されている。下側シャフト挿通部103,103は、下側シャフト87と同軸に設けられる環状のばね収納溝107,107を備え、コイルばね106,106は、ばね収納溝107,107に収納される。
下側リンク83の下側シャフト挿通部103,103は、コイルばね106,106によって、それぞれフランジ部87a及び頭部87cに当接するように車幅方向外側に付勢されている。このため、下側シャフト挿通部103,103の車幅方向のガタを低減できる。
図9は、上側リンク84を前方側から見た斜視図である。
図3〜図6及び図9を参照し、上側リンク84は、ベース部材81側から前方に延びる左右一対の一側(右側)アーム部110R及び他側(左側)アーム部110Lと、一側アーム部110Rの前端部と他側アーム部110Lの前端部とを車幅方向に繋ぐ上側連結部111とを備える。
一側アーム部110R及び他側アーム部110Lは、上側シャフト88が挿通される筒状の上側シャフト挿通部112R,112Lを後端部に備える。一側アーム部110R及び他側アーム部110Lは、上側シャフト挿通部112R,112Lから前端の上側連結部111側に行くほど互いの間隔が車幅方向に小さくなるように形成されている。また、一側アーム部110R及び他側アーム部110Lは、図4の「低位置」の状態の側面視では、上側シャフト挿通部112R,112Lから前方に略水平に延びる水平部110aと、水平部110aの前端から前下がりに傾斜して延びる傾斜部110bとを備える。側面視において、一側アーム部110R及び他側アーム部110Lは、下側アーム部101,101よりも長く形成されている。
上側連結部111には、車幅方向に貫通する上側ピボットシャフト支持孔部113が形成されており、上側ピボットシャフト支持孔部113には上側ピボットシャフト90が挿通される。
上側リンク84は、左右の上側シャフト挿通部112R,112Lがベース部材81の上側シャフト支持孔部99L,99Rに車幅方向の外側から重なるように配置され、上側シャフト挿通部112R,112L及び上側シャフト支持孔部99L,99Rに上側シャフト88が挿通されることで上側シャフト88に軸支される。
また、上側リンク84には、上記ロック機構86(図11)が設けられる。ロック機構86については後述する。
図10は、スクリーンブラケット85の斜視図である。
図3〜図5、図7、図9及び図10を参照し、スクリーンブラケット85は、側面視で後上がりに延びる板状のブラケット本体部115と、ブラケット本体部115の下端部の車幅方向の両端部に設けられる左右一対の下側スクリーン固定部116,116と、ブラケット本体部115の上端部の車幅方向の両端部に設けられる左右一対の上側スクリーン固定部117,117とを備える。
ブラケット本体部115は中央に肉抜き孔118を備え、枠状に形成されている。スクリーンブラケット85は、ブラケット本体部115の下部の下面から下方に突出する下側ピボットシャフト挿通部119,119を備える。下側ピボットシャフト挿通部119,119は、ブラケット本体部115の車幅方向の両端部に左右一対で設けられ、下側スクリーン固定部116,116の後上方に位置する。
さらに、スクリーンブラケット85は、ブラケット本体部115の上部の下面から下方に突出する上側ピボットシャフト挿通部120,120を備える。上側ピボットシャフト挿通部120,120は、ブラケット本体部115の車幅方向の両端部に左右一対で設けられ、上側スクリーン固定部117,117の前下方に位置する。
スクリーンブラケット85は、左右の下側ピボットシャフト挿通部119,119が下側リンク83の下側ピボットシャフト支持孔部104に車幅方向の外側から重なるように配置され、下側ピボットシャフト挿通部119,119及び下側ピボットシャフト支持孔部104に下側ピボットシャフト89が挿通されることで下側ピボットシャフト89に軸支される。
下側ピボットシャフト89は、軸部よりも大径のフランジ部89aを一端に備える。下側ピボットシャフト89の他端の内周部には、ボルト89bが締結される。スクリーンブラケット85の左右の下側ピボットシャフト挿通部119,119は、フランジ部89aとボルト89bの頭部89cとによって下側ピボットシャフト89の軸方向に抜け止めされる。
また、下側ピボットシャフト挿通部119,119と下側リンク83の下側ピボットシャフト支持孔部104との間には、ワッシャ121,121が下側ピボットシャフト89に挿通されて設けられている。ワッシャ121,121は、例えば、摩擦係数が小さい樹脂材料で構成される。
また、スクリーンブラケット85は、左右の上側ピボットシャフト挿通部120,120が上側リンク84の上側ピボットシャフト支持孔部113に車幅方向の外側から重なるように配置され、上側ピボットシャフト挿通部120,120及び上側ピボットシャフト支持孔部113に上側ピボットシャフト90が挿通されることで上側ピボットシャフト90に軸支される。
上側ピボットシャフト90は、軸部よりも大径のフランジ部90aを一端に備える。上側ピボットシャフト90の他端の内周部には、ボルト90bが締結される。スクリーンブラケット85の左右の上側ピボットシャフト挿通部120,120は、フランジ部90aとボルト90bの頭部90cとによって上側ピボットシャフト90の軸方向に抜け止めされる。
また、上側ピボットシャフト挿通部120,120と上側リンク84の上側ピボットシャフト支持孔部113との間には、ワッシャ122,122が上側ピボットシャフト90に挿通されて設けられている。ワッシャ122,122は、例えば、摩擦係数が小さい樹脂材料で構成される。
図1及び図2に示すように、ウインドスクリーン80は、側面視では鉛直方向よりも後傾して配置されるとともに、上面視では、車幅方向の中央部が前方に凸となるように曲面状に形成されている。
図4、図5及び図10を参照し、ウインドスクリーン80は、裏面に設けられた固定部(不図示)がスクリーンブラケット85の下側スクリーン固定部116,116及び上側スクリーン固定部117,117に固定されることでスクリーンブラケット85に固定される。
図4及び図5に示すように、風防装置78では、ウインドスクリーン80が最も低い位置となる「低位置」と、ウインドスクリーン80が最も高い位置となる「高位置」と、「低位置」と「高位置」との間の「中間位置」との3つのポジションにセットされることが可能である。ここで「中間位置」は不図示である。「高位置」では、ウインドスクリーン80は、「低位置」の状態よりも上方に位置するとともに、ウインドスクリーン80の傾斜が「低位置」の状態よりも起きて鉛直に近くなっている。
風防装置78では、一側アーム部110R及び他側アーム部110Lが下側アーム部101,101よりも長く形成されているため、上側リンク84及び下側リンク83が後方に回動すると、スクリーンブラケット85が前方側に起き、ウインドスクリーン80も前方側に起きる。
ウインドスクリーン80の「低位置」、「中間位置」、及び、「高位置」の位置状態は、ロック機構86が上側リンク84の回動位置を所定の位置に規制することで実現される。
図11及び図12は、図4のXI−XI断面図である。ここで、図11ではロック機構86の「固定状態」が示されており、図12ではロック機構86の「可動状態」が示されている。ここで、「固定状態」ではリンク部材82が回動不能な状態となり、「可動状態」ではリンク部材82が回動可能な状態となる。
図4、図9、図11及び図12を参照し、ロック機構86は、上側シャフト88と、上側シャフト88に固定されたギア130と、上側リンク84に設けられ、ギア130が係合するリンク部材側係合部131と、ベース部材81に設けられ、ギア130が係合するベース部材側係合部132と、ギア130を上側シャフト88の軸方向に付勢する弾性部材133とを備える。
また、ロック機構86は、上側シャフト88を軸方向に押圧するレバー134と、レバー134の一端部を受ける受け部材135とを備える。
ギア130は、上側シャフト88の一側の端部に嵌合して配置され、ギア130及び上側シャフト88に挿通されるピン136によって上側シャフト88上に固定されている。ピン136は、上側シャフト88の軸線に対し直交する方向に挿通される。ギア130は、上側シャフト88に対し、相対回転不能であるとともに軸方向に移動不能である。
ギア130は、弾性部材133の付勢力によって、車幅方向の他側(左側、付勢方向Aの矢印で示す方向)に移動するように付勢されている。
上側リンク84の一側アーム部110Rの上側シャフト挿通部112Rは、車幅方向に延びる筒状に形成されており、ギア130の一部は上側シャフト挿通部112Rの内側に収容される。
筒状の上側シャフト挿通部112Rの車幅方向の外端部には、この外端部の開口を塞ぐ板状の蓋部材140が固定される。蓋部材140は、上側シャフト88の一側の端部が挿通される貫通孔140aを中央に備える。
筒状の上側シャフト挿通部112Rの車幅方向の内端部141は、ベース部材81の上側シャフト支持孔部99Rの外側面に嵌合する。
ベース部材81の上側シャフト支持孔部99Rは、上側シャフト88を支持するシャフト孔142を中央に有するとともに、上側シャフト挿通部112Rの内端部141が嵌合するガイド部143を車幅方向の外側面に備える。ガイド部143は、側面視で円形に形成された段部であり、シャフト孔142と同軸に配置されている。
一側アーム部110Rは、内端部141がガイド部143にガイドされた状態で、上側シャフト88を中心に回動可能である。内端部141とガイド部143との間には、回動の摩擦を低減させるワッシャ144が介装される。
図13は、ギア130の斜視図である。図14は、蓋部材140を外した状態における上側シャフト挿通部112R及びギア130の分解斜視図である。
図11〜図14を参照し、ギア130は、ベース部材81の上側シャフト支持孔部99Rと一側アーム部110Rの上側シャフト挿通部112Rとの間に設けられる。
ギア130は、ピン136が挿通される固定部145と、固定部145よりも大径の歯部146と、上側シャフト88が挿通される中心孔147とを備える。
固定部145は、ピン136が挿通されるピン孔145aを備える。
図11及び図13に示すように、ギア130の歯部146は、その外周部146aの径が弾性部材133の付勢方向Aに向けて徐々に先細るテーパー状に形成されている。
歯部146は、周方向に等間隔で配置される複数の歯148を備える。各歯148は、その板厚が、弾性部材133の付勢方向Aの方向に向けて徐々に小さくなるテーパー状に形成されている。詳細には、各歯148の板厚方向の両方の面は、傾斜したテーパー面148a,148aとなっている。また、各歯148の高さは、外周部146aのテーパー形状によって、付勢方向Aに向けて徐々に低くなる。
上側リンク84の上側シャフト挿通部112Rは、内端部141の内周部に、ギア130の歯部146が係合する上記リンク部材側係合部131を備える。リンク部材側係合部131は、各歯148が係合する溝部131aを複数備え、溝部131aは、ギア130の外周部146a及びテーパー面148a,148aの形状に対応してテーパー状に形成されている。
ベース部材81の上記ベース部材側係合部132は、上側シャフト支持孔部99Rの外側面において、ガイド部143の内側でシャフト孔142の周囲に形成された穴部であり、ギア130の各歯148が係合する溝部132aをその内周部に複数備える。
ベース部材側係合部132は、車幅方向の外側からベース部材側係合部132に嵌まるギア130の軸方向の先端面130aを受ける底部132bを備える。また、溝部132aは、ギア130の外周部146a及びテーパー面148a,148aの形状に対応してテーパー状に形成されている。
ベース部材側係合部132の溝部132aとリンク部材側係合部131の溝部131aとは軸方向に連続している。
弾性部材133は、コイルばねである。弾性部材133は、そのコイル部の内周部が上側シャフト88の一側の軸端部に挿通されて設けられ、ギア130の固定部145と蓋部材140との間に圧縮された状態で上側シャフト挿通部112Rの内側に配置されている。
上側シャフト88は、ベース部材81及び上側リンク84に対し、軸方向にスライド可能に支持されており、ギア130を介し、弾性部材133の付勢力によって付勢方向Aに付勢されている。
図15は、レバー134を取り外した状態で、左側の上側シャフト挿通部112Lの周辺部を左側方から見た側面図である。
図11、図12及び図15を参照し、上側リンク84の他側アーム部110Lの上側シャフト挿通部112Lは、車幅方向に延びる筒状部150と、筒状部150の車幅方向の内端部を塞ぐ底板部151と、底板部151の中央に位置し、上側シャフト88が挿通される挿通孔152とを備える。
底板部151には、環状のガイド溝151aが形成されている。
ベース部材81における他側の上側シャフト支持孔部99Lは、上側シャフト88が挿通されるシャフト孔153と、上側シャフト挿通部112Lのガイド溝151aに嵌まる環状のガイド凸部154とを備える。ガイド凸部154とガイド溝151aとの間には、回動の摩擦を低減させるワッシャ155が介装されている。
他側アーム部110Lは、ガイド溝151aがガイド溝151aにガイドされた状態で、上側シャフト88を中心に回動可能である。
他側アーム部110Lの筒状部150の内側には、底板部151を底部とする凹状の収納部156が形成されており、レバー134、受け部材135及び軸端部88aは、少なくとも一部が収納部156に収納されている。
上側シャフト88は、筒状部150の底板部151よりも車幅方向外側へ延びる軸端部88a(押圧部)を他端(左端)に備え、レバー134は、軸端部88aに取り付けられている。
レバー134は、軸端部88aの軸方向に直交する方向で軸端部88aに挿通されるレバー支持軸157に軸支され、レバー支持軸157を中心に回動可能である。
レバー134は、レバー支持軸157よりも車幅方向内側に位置して受け部材135に当接するカム部134aと、図11の「固定状態」において軸端部88aの軸方向に略直交する方向に延びるレバー本体部134bとを一体に備える。カム部134aは、受け部材135側に突出する円弧状に形成されている。
受け部材135は、レバー134のカム部134aと筒状部150の底板部151との間に狭持される。詳細には、受け部材135と底板部151との間には、底板部151に当接する板部材158と、板部材158と受け部材135との間に介装される低摩擦部材159とが設けられる。
受け部材135は、上側シャフト88の軸方向視では、略U字状に形成されており、U字の内側部分に上側シャフト88を嵌合させて配置される。詳細には、受け部材135は、上側シャフト88の両側方を延びる一対の腕部135a,135aと、腕部135a,135aの基端部を互いに繋ぐ連結部135bとを備える。腕部135a,135aには、レバー134のカム部134aが嵌まる曲面状に形成された凹部135cが設けられている。
受け部材135は、腕部135a,135aの間に上側シャフト88を挟むようにして配置される。また、収納部156は、腕部135a,135aの長手方向の外側縁に沿って延びる壁部156a,156aを一対備える。
受け部材135は、軸端部88aの軸方向に直交する方向Bに、低摩擦部材159上をスライド可能であり、このスライド動作は、腕部135a,135aが壁部156a,156aに沿って移動するように規制される。
図11に示すように、ロック機構86の「固定状態」では、弾性部材133に設定された初期荷重によって、ギア130及び上側シャフト88は、その軸方向においてレバー134が位置する側の方向(付勢方向A)へ付勢されている。また、ギア130及び上側シャフト88は、レバー134及び受け部材135によって構成されるトグル機構によっても、「固定状態」を維持するように設けられている。
これにより、ギア130は、上側シャフト88と一体に付勢方向Aへ押し付けられ、ベース部材側係合部132及びリンク部材側係合部131に係合させられている。この状態では、ギア130は、ベース部材側係合部132に係合して回動が規制されており、他側アーム部110Lは、リンク部材側係合部131がギア130に係合することで回動が規制されている。
すなわち、ロック機構86の「固定状態」では、軸方向に付勢されたギア130がベース部材81及び上側リンク84に係合することで、上側リンク84の回動が規制される。これにより、上側リンク84に連動する下側リンク83の回動の回動も規制され、リンク部材82の回動位置が固定され、ウインドスクリーン80の位置が所定の位置に固定される。このように、上側リンク84にギア130を設けることで、リンク部材82の回動を規制でき、簡単な構造でウインドスクリーン80の位置を固定できる。
図16(a)は、図11のXVI−XVI断面図である。
図16に示すように、ギア130の歯148は、板厚方向の面が、傾斜したテーパー面148a,148aとなっているため、弾性部材133によって付勢された状態では、テーパー面148a,148aをベース部材側係合部132の溝部132a及びリンク部材側係合部131の溝部131aに密着させることができる。このため、ギア130の噛み合いのガタを低減でき、ウインドスクリーン80をガタが少ない状態で固定できる。
また、図11に示すように、ギア130の歯部146は、外周部146aの径が弾性部材133の付勢方向Aに向けて徐々に先細るテーパー状に形成されているため、外周部146aをベース部材側係合部132の溝部132a及びリンク部材側係合部131の溝部131aに密着させることができる。このため、ギア130の噛み合いのガタを低減でき、ウインドスクリーン80をガタが少ない状態で固定できる。
「固定状態」で寝ていたレバー134が回動操作されて図12のように起こされると、ロック機構86は、「可動状態」となる。
「可動状態」では、レバー134の操作によって、カム部134aが「固定状態」の位置に対して軸端部88aの径方向外側に移動し、これに伴い、受け部材135は、軸端部88aの軸方向に直交する方向Bにスライド移動する。
「固定状態」から「可動状態」になると、レバー支持軸157と受け部材135との間における上側シャフト88の軸方向の距離Gは小さくなり、上側シャフト88は、距離Gが変化した分だけ付勢方向Aの反対方向に移動する。
すなわち、「可動状態」では、上側シャフト88は、軸端部88aがレバー134によって押圧されることで弾性部材133の付勢力に抗して移動し、これに伴い、ギア130が付勢方向Aの反対方向に移動する。軸端部88aはレバー134で押圧される押圧部である。
図16(b)は、図12のXVI−XVI断面図である。
図12及び図16に示すように、「可動状態」では、ギア130が付勢方向Aの反対方向に移動することで、ギア130とベース部材側係合部132との係合が解除される。これにより、上側リンク84はベース部材81に対して回動可能になる。
すなわち、風防装置78では、ギア130がベース部材側係合部132に対して車幅方向に出し入れされることで、上側リンク84の可動状態と固定状態とが切り替えられる。
また、「可動状態」では、ギア130はリンク部材側係合部131に係合した状態にある。このため、「可動状態」において上側リンク84が回動する場合、上側リンク84とギア130とは一体に回動する。
詳細には、ギア130と上側シャフト88とは一体であるため、「可動状態」で上側リンク84が回動する場合、上側リンク84、ギア130、上側シャフト88、レバー134、及び、受け部材135は、一体に回動する。
「可動状態」からレバー134を寝かした状態に操作すると、ギア130がベース部材側係合部132及びリンク部材側係合部131に係合し、図11の「固定状態」となる。
本第1の実施の形態では、ギア130のテーパー面148a,148a及び外周部146aが、「可動状態」から「固定状態」に変更される際の移動方向、すなわち、レバー134による押圧方向の反対方向(付勢方向A)、に向けて先細りとなるテーパー形状で形成されている。このため、ギア130をリンク部材側係合部131及びベース部材側係合部132にスムーズに係合させることができる。
また、ギア130がテーパー形状であるため、レバー134の操作によってギア130がリンク部材側係合部131及びベース部材側係合部132から抜け易くなる。このため、「固定状態」から「可動状態」にスムーズに移行できる。
ここで、ウインドスクリーン80の位置を変更する操作手順の一例を説明する。
図4では、ウインドスクリーン80は「低位置」にあり、この状態では、ロック機構86が図11に示す「固定状態」となることで、ウインドスクリーン80は「低位置」に固定されている。「低位置」では、下側アーム部101,101のラバー部材101d,101d(図4)がベース部材81の下側ストッパ部95a,95aに当接している。
図4の状態で運転者(ユーザー)によってレバー134が起きた状態に回動操作されると、ロック機構86は図12に示す「可動状態」となり、上側リンク84が回動可能となる。
次いで、運転者がウインドスクリーン80、上側リンク84、或は、レバー134等を把持して手動によって上側リンク84及び下側リンク83を上方に回動させると、ウインドスクリーン80は図5に示される「高位置」となる。「高位置」では、下側アーム部101,101のラバー部材101d,101dがベース部材81の上側ストッパ部95b,95bに当接している。この状態でレバー134を寝かした状態に操作すると、ロック機構86が図11に示す「固定状態」となり、ウインドスクリーン80の位置が「高位置」に固定される。「高位置」では、ウインドスクリーン80は、「低位置」の状態よりも高さh(図17)だけ上方に位置するとともに、傾斜が「低位置」の状態よりも角度r(図17)だけ前方に回動している。
また、「低位置」と「高位置」との間の「中間位置」でレバー134を操作してロック機構86を「固定状態」とすることもできる。
本第1の実施の形態では、ロック機構86が、下側リンク83の後上方に位置する上側リンク84に設けられているため、操作部としてのレバー134が乗員シート13の運転者側に近くなる。このため、運転者がレバー134を操作し易くなり、容易にウインドスクリーン80の位置を変更できる。
また、レバー134は、サイドスタンド75(図1)が設けられる側である車体の左側の他側アーム部110Lに設けられている。これにより、サイドスタンド75で自動二輪車1を駐車して自動二輪車1の左側に降りた運転者が容易に受け部材にアクセスできるため、容易にウインドスクリーン80の位置を変更できる。
図17は、ウインドスクリーン80に沿う走行風の流れを示す側面図である。
図17では、ヘルメットHを着用した標準的な体格の運転者が運転する際の頭部(ヘルメット)の位置が共に図示されている。
ウインドスクリーン80が「低位置」に固定されている場合、ウインドスクリーン80の上端80aは、ヘルメットHの口元H1よりも下方に位置する。「低位置」の状態でウインドスクリーン80の上端80aから後方に流れる走行風W1は、緩やかに上後方に流れ、口元H1に当たる。「低位置」では、走行風W1が運転者の口元H1よりも下方の部分に当たることを防止できるとともに、上端80aがヘルメットHの目元H2の下方に位置するため、ウインドスクリーン80が視界の邪魔にならず、良好な視界を確保できる。
ウインドスクリーン80が仮想線で示されるように「高位置」に固定されている場合、ウインドスクリーン80の上端80aは、ヘルメットHの目元H2よりも下方に位置する。「高位置」の状態でウインドスクリーン80の上端80aから後方に流れる走行風W2は、緩やかに上後方に流れ、ヘルメットHのおでこ部H3に当たる。「高位置」では、走行風W2が上部のおでこ部H3に当たるため、顔周りの防風性を高くできる。また、「高位置」では、上端80aがヘルメットHの目元H2の下方に位置するため、ウインドスクリーン80が視界の邪魔にならず、視界を確保できる。
本第1の実施の形態では、ウインドスクリーン80の回動位置を手動で変更できるとともに、ギア130の歯部146の形状の設定により、ウインドスクリーン80の回動位置が「低位置」、「中間位置」及び「高位置」の3つの位置でのみ固定可能に構成されている。このため、手動による操作によって、ウインドスクリーン80の回動位置を用途に応じたメリハリのある位置に簡単に調節できる。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、自動二輪車1の風防装置78は、車幅方向に向けて配置された上側シャフト88を軸にして高さ及び傾斜を調節可能に設けられたウインドスクリーン80を備え、ウインドスクリーン80は、上側シャフト88から延びるリンク部材82を介して取り付けられており、リンク部材82は、上側シャフト88上に設けられてリンク部材82を固定するギア130が、車幅方向に出し入れされることで、「可動状態」と「固定状態」とを切り替えられる。これにより、リンク部材82を固定するギア130を車幅方向に出し入れすることで、リンク部材82の「可動状態」と「固定状態」とを切り替えできるため、コンパクトな構造でリンク部材82を可動式にできる。このため、風防装置78を可動式としながら小型化できる。また、風防装置78が小型になるため、風防装置78の外観をシンプルにでき、外観性が良い。
また、上側シャフト88の車幅方向の外端の内の一方である他端(左端)に、上側シャフト88を軸方向に移動させる押圧部としての軸端部88aが設けられているため、自動二輪車1の側方から上側シャフト88の他端の軸端部88aを容易に操作でき、風防装置78の位置を調節し易い。
また、上側シャフト88の他端(左端)には、軸端部88aを押圧するレバー134が設けられ、レバー134及び軸端部88aは、上側シャフト88の左端に設けられる。このため、サイドスタンド75で駐車した状態で、自動二輪車1が傾いた側である左側に配置されたレバー134を操作して風防装置78の可動状態を切り替えでき、操作性が良い。
さらに、ギア130は、軸端部88aで押圧される向きの反対方向である付勢方向Aに弾性部材133によって付勢され、ギア130は、弾性部材133の付勢方向Aに向けて先細るテーパー状に形成されている。このため、ギア130をリンク部材82側に密着させてガタを低減できるとともに、ギア130をテーパー形状でガイドでき、ギア130をリンク部材82側にスムーズに係合させることができる。
また、リンク部材82は、下前方と上後方とに一対で設けられ、押圧部としての軸端部88aは、上後方の上側リンク84に設けられている。このため、軸端部88aが運転者の位置に近くなり、軸端部88aを容易に操作できる。
また、ギア130は、上側リンク84において、押圧部としての軸端部88aとは反対側の一側(右側)に設けられているため、軸端部88a及びギア130を左右に分散して設けることができ、スペースを有効に利用してコンパクト化を図ることができる。
さらに、ウインドスクリーン80は、手動式で複数段階の位置の調節が可能であるため、ウインドスクリーン80を自動にするための部品が必要なく、風防装置78を小型に構成できる。
また、上側シャフト88を支持するベース部材81を備え、「固定状態」では、ギア130は、リンク部材82及びベース部材81に係合している。これにより、ギア130を介し、リンク部材82をベース部材81に固定でき、簡単な構造でリンク部材82の回動位置を固定できる。
[第2の実施の形態]
以下、図18及び図19を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、ギア130が上側リンク84の他側アーム部110Lに設けられる構成を例に挙げて説明したが、本第2の実施の形態は、一側ギア230R(ギア)が一側アーム部210Rに設けられ、他側ギア230L(ギア)が他側アーム部210Lに設けられる点が上記第1の実施の形態と異なる。
図18及び図19は、第2の実施の形態における図4のXI−XI断面図である。
風防装置178は、第1の実施の形態の上側リンク84に替えて上側リンク184を備え、第1の実施の形態のロック機構86に替えてロック機構186を備える。風防装置178の他の構造は、上記第1の実施の形態の風防装置78と同様である。
上側リンク184は、ベース部材81側から前方に延びる左右一対の一側(右側)アーム部210R及び他側(左側)アーム部210Lと、一側アーム部210Rの前端部と他側アーム部210Lの前端部とを車幅方向に繋ぐ上側連結部(不図示)とを備える。上側ピボットシャフト90は上記上側連結部に挿通される。上側リンク184と下側リンク83とによってリンク部材82(図4)が構成される。
一側アーム部210R及び他側アーム部210Lは、上側シャフト188(シャフト)が挿通される筒状の上側シャフト挿通部212R,212Lを後端部に備える。
ベース部材81は、上側シャフト188が挿通される上側シャフト支持孔部199L,199Rを左右の後端部に備える。
ロック機構186は、上側シャフト188と、上側シャフト188に固定された一対の一側ギア230R及び他側ギア230Lと、上側リンク184に設けられ、一側ギア230R及び他側ギア230Lが係合するリンク部材一側係合部231R及びリンク部材他側係合部231Lと、ベース部材81に設けられ、一側ギア230R及び他側ギア230Lが係合するベース部材一側係合部232R及びベース部材他側係合部232Lとを備える。
また、ロック機構186は、一側ギア230R及び他側ギア230Lを上側シャフト188の軸方向に付勢する弾性部材233と、上側シャフト188に固定されて弾性部材233の付勢力を受ける押圧部材234とを備える。
一側ギア230Rは、一側アーム部210Rのリンク部材一側係合部231Rに係合し、他側ギア230Lは、他側アーム部210Lのリンク部材他側係合部231Lに係合する。このため、一側ギア230Rと他側ギア230Lは、上側シャフト188上において、一側アーム部210Rと他側アーム部210Lとの間隔に対応した分だけ互いに離間して配置されている。
一側ギア230R及び他側ギア230Lは、上側シャフト188に固定されており、上側シャフト188と一体に回転する。また、一側ギア230R及び他側ギア230Lは上側シャフト188に対して軸方向に相対移動不能である。
一側ギア230Rは、周方向に等間隔で配置された複数の歯で構成される歯部246Rを外周部に備え、歯部246Rはリンク部材一側係合部231R及びベース部材一側係合部232Rに係合可能である。
他側ギア230Lは、周方向に等間隔で配置された複数の歯で構成される歯部246L備え、歯部246Lは、リンク部材他側係合部231L及びベース部材他側係合部232Lに係合可能である。
一側ギア230R及び他側ギア230Lは、上側シャフト188を介し、弾性部材233の付勢力によって、車幅方向の他側(左側、付勢方向Aの矢印で示す方向)に移動するように付勢されている。
一側ギア230R及び他側ギア230Lの歯部246R,246Lは、上記第1の実施の形態のギア130と同様に、外周部及び板厚方向の両方の面がテーパー状に形成されている。
上側リンク184の一側アーム部210Rの上側シャフト挿通部212Rは、車幅方向に延びる筒状に形成されており、車幅方向の内端部241がベース部材81の外側面に嵌合する。
ベース部材81における一側の上側シャフト支持孔部199Rは、上側シャフト188を支持するシャフト孔242を中央に有するとともに、上側シャフト挿通部212Rの内端部241が嵌合するガイド部243を車幅方向の外側面に備える。ガイド部243は、側面視で円形に形成された段部であり、シャフト孔242と同軸に配置されている。
一側アーム部210Rは、内端部241がガイド部243にガイドされた状態で、上側シャフト188を中心に回動可能である。内端部241とガイド部243との間には、回動の摩擦を低減させるワッシャ244が介装される。
一側ギア230Rは、ベース部材81の上側シャフト支持孔部199Rと一側アーム部210Rの上側シャフト挿通部212Rとの間に設けられる。
上側シャフト挿通部212Rは、内端部241の内周部に、一側ギア230Rの歯部246Rが係合する上記リンク部材一側係合部231Rを備える。リンク部材一側係合部231Rは、歯部246Rが係合する溝部231R1を備え、歯部246Rの形状に対応してテーパー状に形成されている。
上側シャフト挿通部212Rの車幅方向の外端部には、外端部の開口を塞ぐ円板状の蓋部材240が設けられる。蓋部材240は、上側シャフト188を挿通可能な貫通孔240aを中央に備える。
ベース部材一側係合部232Rは、上側シャフト支持孔部199Rの外側面において、ガイド部243の内側でシャフト孔242の周囲に形成された穴部であり、一側ギア230Rの歯部246Rが係合する溝部232R1をその内周部に複数備える。溝部232R1は、一側ギア230Rの形状に対応してテーパー状に形成されている。溝部232R1と溝部231R1とは軸方向に連続している。
ベース部材一側係合部232Rは、車幅方向の外側からベース部材一側係合部232Rに嵌まる一側ギア230Rの軸方向の先端面230R1を受ける底部232R2を備える。
上側リンク184の他側アーム部210Lの上側シャフト挿通部212Lは、車幅方向に延びる筒状部250と、筒状部250の内部を車幅方向に仕切る内壁部251と、内壁部251の中央に位置し、上側シャフト188が挿通される孔252とを備える。
筒状部250は、内壁部251よりも車幅方向の内側に位置する内側筒状部261と、内壁部251よりも車幅方向の外側に位置する外側筒状部262とを備える。
内側筒状部261の車幅方向の内端部261aは、ベース部材81の外側面に嵌合する。
内側筒状部261の内周部には、他側ギア230Lの歯部246Lが係合する上記リンク部材他側係合部231Lが設けられている。リンク部材他側係合部231Lは、歯部246Lが係合する溝部231L1を備え、他側ギア230Lの形状に対応してテーパー状に形成されている。
ベース部材81における他側の上側シャフト支持孔部199Lは、上側シャフト挿通部212Lの内側筒状部261の内端部261aが嵌合するガイド部254を車幅方向の外側面に備える。ガイド部254は、側面視で円形に形成された段部であり、上側シャフト188と同軸に配置されている。他側アーム部210Lは、内端部261aがガイド部254にガイドされた状態で、上側シャフト188を中心に回動可能である。内端部261aとガイド部254との間には、回動の摩擦を低減させるワッシャ255が介装される。
上側シャフト188は、筒状部250の内壁部251の孔252に支持される。
他側ギア230Lは、他側アーム部210Lの上側シャフト挿通部212Lとベース部材81の上側シャフト支持孔部199Lとの間に設けられる。
上側シャフト支持孔部199Lは、内周部に、他側ギア230Lの歯部246Lが係合する上記ベース部材他側係合部232Lを備える。ベース部材他側係合部232Lは、歯部246Lが係合する溝部232L1を備え、他側ギア230Lの形状に対応してテーパー状に形成されている。溝部232L1と溝部231L1とは軸方向に連続している。
上側シャフト188は、筒状部250の内壁部251よりも車幅方向外側へ延びる軸端部188a(押圧部)を備え、軸端部188aの端面には、上記押圧部材234が固定されている。押圧部材234は、他側アーム部210Lの外側筒状部262の内径よりも小径の円板状に形成されている。押圧部材234は、中央部に挿通されて上側シャフト188の軸端に締結されるボルト188bによって上側シャフト188に固定されている。
弾性部材233は、コイルばねである。弾性部材233は、そのコイル部の内周部が軸端部188aに挿通されて設けられ、押圧部材234と筒状部250の内壁部251との間に圧縮された状態で外側筒状部262の内側に配置されている。
上側シャフト188は、ベース部材81及び上側リンク184に対し、軸方向にスライド可能に支持されており、弾性部材233の付勢力によって付勢方向Aに向けて車幅方向外側へ付勢されている。また、上側シャフト188は、ベース部材81によって回転不能に支持されている。
図18に示すように、ロック機構186の「固定状態」では、弾性部材233に設定された初期荷重によって、上側シャフト188は、その軸方向において押圧部材234が位置する側の方向へ付勢されている。
これにより、他側ギア230Lは、上側シャフト188と一体に付勢方向Aへ弾性部材233の付勢力によって押し付けられ、ベース部材他側係合部232L及びリンク部材他側係合部231Lに係合させられている。この状態では、他側ギア230Lは、ベース部材他側係合部232Lに係合して回動が規制されており、他側アーム部210Lは、リンク部材他側係合部231Lが他側ギア230Lに係合することで回動が規制されている。
また、一側ギア230Rは、同様に、上側シャフト188と一体に付勢方向Aへ弾性部材233の付勢力によって押し付けられ、ベース部材一側係合部232R及びリンク部材一側係合部231Rに係合させられている。この状態では、一側ギア230Rは、ベース部材一側係合部232Rに係合して回動が規制されており、一側アーム部210Rは、リンク部材一側係合部231Rが一側ギア230Rに係合することで回動が規制されている。
すなわち、ロック機構186の「固定状態」では、軸方向に付勢された一側ギア230R及び他側ギア230Lがベース部材81及び上側リンク184に係合することで、上側リンク184の回動が規制され、ウインドスクリーン80の位置が所定の位置に固定される。
また、「固定状態」では、一側ギア230Rの軸方向の先端面230R1がベース部材一側係合部232Rの底部232R2に当接することで、上側シャフト188の軸方向の位置が規制されている。
押圧部材234が車幅方向内側へ押圧されて上側シャフト188が弾性部材233の付勢力に抗して付勢方向Aの反対方向へスライドすると、ロック機構186は、図19に示す「可動状態」となる。
「可動状態」では、他側ギア230Lは、上側シャフト188と一体に付勢方向Aの反対方向へ移動し、ベース部材他側係合部232L及びリンク部材他側係合部231Lに対する係合が解除される。
また、「可動状態」では、一側ギア230Rは、上側シャフト188と一体に付勢方向Aの反対方向へ移動し、ベース部材一側係合部232R及びリンク部材一側係合部231Rに対する係合が解除される。
ここで、本第2の実施の形態では、「可動状態」において、一側ギア230Rとリンク部材一側係合部231Rとの間、及び、他側ギア230Lとリンク部材他側係合部231Lとの間には径方向に隙間ができて係合が解除されるため、上側リンク184は一側ギア230R及び他側ギア230Lに対して相対回転可能となる。
これにより、「可動状態」では、上側リンク184は、上側シャフト188を中心として回動可能となる。
すなわち、風防装置178では、一側ギア230Rがベース部材一側係合部232R及びリンク部材一側係合部231Rに対して車幅方向に出し入れされるとともに、他側ギア230Lがベース部材他側係合部232L及びリンク部材他側係合部231Lに対して車幅方向に出し入れされることで、上側リンク184の可動状態と固定状態とが切り替えられる。このように、上側リンク184の左端及び右端の上側シャフト挿通部212L,212Rに一側ギア230R及び他側ギア230Lを設けることで、左右の2つの一側ギア230R及び他側ギア230Lによって上側リンク184を固定でき、ウインドスクリーン80の回動位置を強固に固定できる。
「可動状態」では、押圧部材234は外側筒状部262の内側に入る。「固定状態」で蓋部材240の貫通孔240aに挿通されて蓋部材240の外側面と略面一になっていた上側シャフト188の一側の軸端188cは、「可動状態」になると蓋部材240の外側方に突出する。このように、「可動状態」になると上側シャフト188の軸端188cが突出するため、軸端188cの突出状態を目視することで、風防装置178が「可動状態」及び「固定状態」のいずれかにあるかを容易に確認できる。
「可動状態」において押圧部材234の押圧が解除されると、上側シャフト188が弾性部材233の付勢力によって付勢方向Aへ移動し、ロック機構186は「固定状態」となる。
図4の状態で運転者(ユーザー)によって押圧部材234が押圧操作されると、ロック機構186は図19に示す「可動状態」となり、上側リンク184が回動可能となる。すなわち、押圧部材234は、ロック機構186による固定を解除するための操作ボタン(操作部)として機能する。
次いで、運転者がウインドスクリーン80や上側リンク184等を把持して手動によって上側リンク184及び下側リンク83を上方に回動させると、ウインドスクリーン80は図5に示される「高位置」となる。この状態で押圧部材234の押圧操作を解除するとロック機構186が図18に示す「固定状態」となり、ウインドスクリーン80の位置が「高位置」に固定される。
[第3の実施の形態]
以下、図20〜図27を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、上側シャフト88に固定されたギア130が上側リンク84の他側アーム部110Lに設けられる構成を例に挙げて説明したが、本第3の実施の形態は、ギア450がハンドル部材451に支持されて上側シャフト388上で軸方向に移動可能である点等が、上記第1の実施の形態と異なる。
図20は、第3の実施の形態における風防装置378の左側面図である。風防装置378は、ウインドスクリーン80の位置を上下に調節可能に構成されており、図20で示される「低位置」の状態と、第1の実施の形態の図5に対応する「高位置」の状態との間で段階的に位置を調整可能である。
風防装置378は、フロントカバー51の上方に設けられるベース部材381と、ベース部材381に回動可能に支持されるリンク部材382と、リンク部材382に支持されるとともにウインドスクリーン80を支持するスクリーンブラケット385と、スクリーンブラケット385に支持されるウインドスクリーン80と、リンク部材382の回動位置を規制するロック機構386とを備える。
リンク部材382は、ベース部材381に回動可能に支持されて前方側に延びる下側リンク383と、下側リンク383の後上方に位置し、ベース部材381に回動可能に支持されて前方側に延びる上側リンク384(上後方のリンク部材)とを備える。
また、風防装置378は、下側リンク383をベース部材381に連結する下側シャフト387と、上側リンク384をベース部材381に連結する上側シャフト388(シャフト)と、スクリーンブラケット385を下側リンク383に連結する下側ピボットシャフト89と、スクリーンブラケット385を上側リンク384に連結する上側ピボットシャフト90とを備える。下側シャフト387、上側シャフト388、下側ピボットシャフト89、及び、上側ピボットシャフト90は、それぞれ車幅方向に真っ直ぐに延びる軸であり、互いに平行である。
図21は、ベース部材381及びベース部材381の周辺部品の分解斜視図である。
図20及び図21を参照し、ベース部材381は、フロントカバー51の上面に沿うように後上がりに傾斜して配置される。ベース部材381は、下側リンク383及び上側リンク384を支持するベース本体部391と、ベース本体部391の下端部(前端部)の両側部から下方に延びる左右一対の前側ステー部392,392と、ベース本体部391の上端部(後端部)の両側部から下方に延びる左右一対の後側ステー部393,393と、ベース本体部391の上端部から上方に延びる上方延出部394とを備える。
ベース本体部391は、フロントカバー51の上面に沿うように前後に延びる左右一対の側板部395,395と、側板部395,395の前端部を車幅方向に繋ぐ前端連結部396と、側板部395,395の後端部を車幅方向に繋ぐ後端連結部397とを備え、枠状に形成されている。
ベース本体部391の前端部、すなわち左右の側板部395,395の前端部には、下側シャフト387が挿通される下側シャフト支持孔部398,398が左右一対で設けられている。下側シャフト支持孔部398,398は前端連結部396の後方に位置する。
ベース本体部391は、左右の下側シャフト支持孔部398,398を車幅方向に繋ぐとともに下側シャフト387を上方から覆うシャフトカバー部391aを備える。
ベース本体部391の後端部、すなわち左右の側板部395,395の後端部には、上側シャフト388が挿通される上側シャフト支持孔部399L,399Rが左右一対で設けられている。上側シャフト支持孔部399L,399Rは、後端連結部397の車幅方向の両端部に設けられている。上側シャフト支持孔部399L,399Rは、下側シャフト支持孔部398,398の後方且つ上方に位置する。
左側の上側シャフト支持孔部399Lの外側面部には、リング状の内側ギア440が、一対のギア固定ボルト441,441によって固定される。
左右の側板部395,395は、後端側ほど互いの間隔が車幅方向に大きくなるように傾斜して形成されている。このため、左右の上側シャフト支持孔部399L,399Rの間隔は、左右の下側シャフト支持孔部398,398の間隔よりも大きい。
ベース部材381は、前側ステー部392,392及び後側ステー部393,393がフロントカバー51の上面に差し込まれ、前側ステー部392,392及び後側ステー部393,393の下端部に挿通される固定具(不図示)によって車体に固定される。詳細には、前側ステー部392,392及び後側ステー部393,393は、ヘッドパイプ14の前方でフロントカバー51内に位置するフレーム部材(不図示)に締結される。
ベース部材381の上方延出部394は、ベース本体部391から上方に延びる縦壁部394aと、縦壁部394aの上端から後方に延びる上壁部394bとを備える。ウインドスクリーン80は上壁部394bの上方を通って後上方に延びる。
図22は、上側リンク384を前方側から見た斜視図である。
図20及び図22を参照し、上側リンク384は、ベース部材381側から前方に延びる左右一対の一側アーム部110R及び他側アーム部110Lと、上側連結部111とを備える。
一側アーム部110R及び他側アーム部110Lは、上側シャフト388が挿通される筒状の上側シャフト挿通部312R,312Lを後端部に備える。
他側アーム部110Lの上側シャフト挿通部312Lにおける車幅方向の内側面部には、リング状の外側ギア442が、一対のギア固定ボルト443,443によって固定される。
上側リンク384は、左右の上側シャフト挿通部312R,312Lがベース部材381の上側シャフト支持孔部399L,399R(図21)に車幅方向の外側から重なるように配置され、上側シャフト挿通部312R,312L及び上側シャフト支持孔部399L,399Rに上側シャフト388が挿通されることで上側シャフト388に軸支される。
また、上側リンク384には、上記ロック機構386が設けられる。
図23は、図20のXXIII−XXIII断面図であり、ロック機構386の「固定状態」を示す図である。図24は、図23の状態からロック機構386が「ロック解除待機状態」に変化した状態を示す図である。図25は、図20のXXV−XXV断面図である。ここで、「固定状態」ではリンク部材382が回動不能な状態となり、「ロック解除待機状態」では後述するギア450が軸方向に移動可能な状態となる。
ロック機構386は、前記上側シャフト388と、上側シャフト388上で上側シャフト388の軸方向に移動可能に支持されているギア450と、ギア450を保持するハンドル部材451と、ギア450に噛み合う前記外側ギア442及び前記内側ギア440とを備える。
また、ロック機構386は、ギア450がベース部材381の内側ギア440に噛み合うようにギア450を車幅方向に押圧するレバー部材452と、レバー部材452とハンドル部材451との間に介装されるばね部材453と、レバー部材452とばね部材453との間に介装され、ばね部材453の一端を受けるカラー454と、カラー454とハンドル部材451との間に介装され、ばね部材453の他端を受けるワッシャ455とを備える。
さらに、ロック機構386は、レバー部材452を介してばね部材453を圧縮する方向に上側シャフト388を軸方向へ付勢する付勢部材456を、右側の上側シャフト挿通部312R側に備える。
上側シャフト388は、ベース部材381の上側シャフト支持孔部399L,399Rを車幅方向に貫通して設けられており、右側の上側シャフト支持孔部399Rの車幅方向外側に延びる一側軸端部388Rと、左側の上側シャフト支持孔部399Lの車幅方向外側に延びる他側軸端部388Lとを備える。
上側シャフト支持孔部399Lは、上側シャフト388が挿通されるシャフト孔353と、シャフト孔353の周囲から上側シャフト388の軸方向に外側へ突出する円筒状の周壁部354とを備える。
図21を参照し、内側ギア440は、リング状の本体部440aと、本体部440aの内周面に複数形成された歯部440bと、本体部440aから径方向外側に延びる一対のフランジ部440c,440cとを備える。
内側ギア440は、周壁部354の外端部に配置されており、フランジ部440c,440cに車幅方向外側から挿通されるギア固定ボルト441,441によってベース部材381に固定されている。
上側リンク384の上側シャフト挿通部312Lは、上側シャフト388の軸方向に延びる筒状部350を備える。筒状部350の内側には、ハンドル部材451を収納する収納部が形成されている。筒状部350の車幅方向の外端部には、ハンドル部材451を上側シャフト388の軸方向に受ける環状の受け面350aが形成されている。
上側リンク384は、筒状部350の車幅方向の内端部がベース部材381の周壁部354の外端部に合わさるように設けられる。
図22を参照し、外側ギア442は、リング状の本体部442aと、本体部442aの内周面に複数形成された歯部442bと、本体部442aから径方向外側に延びる一対のフランジ部442c,442cとを備える。
外側ギア442は、筒状部350の車幅方向の内端部に配置されており、フランジ部442c,442cに車幅方向内側から挿通されるギア固定ボルト443,443によって上側リンク384に固定されている。
外側ギア442と内側ギア440とは、互いの軸方向の面が当接するように上側シャフト388の軸方向に重ねて配置されている。また、外側ギア442と内側ギア440とは、上側シャフト388と中心軸として同軸の位置関係で配置されている。
上側シャフト388、ハンドル部材451及びギア450は、歯部440b及び歯部442bの内周面の内側に通されている。
外側ギア442と内側ギア440とは、本実施の形態では同一部品であり、歯部440b及び歯部442bの形状は等しい。また、外側ギア442及び内側ギア440は、例えばステンレス鋼等の金属材料によって構成されている。
上側リンク384が上側シャフト388を中心に回動すると、外側ギア442は、上側リンク384と一体に回転し、ベース部材381の内側ギア440に対して相対回転する。
ハンドル部材451は、円筒状に形成された筒部材460と、筒部材460の車幅方向の外端部に取り付けられる円板状のハンドル部461とを備える。
筒部材460は、上側リンク384の筒状部350の内側に収納される。筒部材460は、外側ギア442及び内側ギア440の内周部の内側に配置される有底円筒状のギア保持部462と、ギア保持部462よりも車幅方向外側に設けられるばね保持部463とを一体に備える。ギア保持部462の車幅方向内側の底面部462aには、上側シャフト388が貫通する孔462bが設けられおり、孔462bに挿通された他側軸端部388Lは、筒部材460の内部を通って筒部材460よりも車幅方向の外側まで延びている。
ばね保持部463の車幅方向の内端部の内周部には、ワッシャ455を受ける環状の段部463aが設けられている。ばね保持部463の車幅方向の外端部は、外側に開放している。
ばね保持部463の車幅方向の外端部には、ギア保持部462よりも外径が大径に形成されたフランジ部463bが設けられている。
ハンドル部461は、車幅方向外側から挿通されるねじ464によって、フランジ部463bの外端面に固定されている。ハンドル部461は、上側シャフト388及びレバー部材452が収納されるレバー収納部461aを備える。レバー収納部461aは、ハンドル部461の中央部から外周面まで延びる開放部である。
ハンドル部461は、フランジ部463bよりも外径が大径に形成されている。このため、運転者がハンドル部461を把持し易い。
図26は、図23のXXVI−XXVI断面図である。
図23、図25及び図26を参照し、ギア450は、ハンドル部材451のギア保持部462に固定され、ハンドル部材451と一体的に設けられている。
ギア450は、扇型のギアであり、他側軸端部388Lが挿通される貫通孔450aをその回転中心に備える。ギア450は、その扇形状の円弧状の外周部に、外側ギア442及び内側ギア440の歯部440b,442bに噛み合う歯部450bを備える。
ギア450は、上側シャフト388の他側軸端部388Lを中心軸として、外側ギア442及び内側ギア440と同軸の位置関係で配置されている。
ギア450は、ハンドル部材451と一体に、他側軸端部388L上を軸方向に移動可能であるとともに他側軸端部388Lを中心に回動可能である。
ギア450の歯部450bは、ギア保持部462の周壁部の一部に形成された周壁開口部462cから径方向外側に突出し、外側ギア442及び内側ギア440に噛み合う。
ギア450は、ギア保持部462の底面部462a及びギア450に対して軸方向に挿通される複数の固定ピン450c,450cによってギア保持部462に固定されている。
上側シャフト支持孔部399L及び上側シャフト挿通部312Lは、周壁部354の外端部と筒状部350の内端部とが径方向に重なるラビリンス部420によって、ギア450側への水等の侵入が抑制される。ラビリンス部420の下部には、下方に開放する水抜き孔420a(図26)が形成されており、ギア450近傍に侵入した水等は、水抜き孔420aから排出される。
レバー部材452は、他側軸端部388Lの軸端に挿通されるレバー支持軸465に軸支され、レバー支持軸465を中心に回動可能である。レバー支持軸465は、上側シャフト388の軸方向に対し直交する方向に設けられるピンである。
レバー部材452は、カラー454を押圧する偏心カム部466と、図23の「固定状態」において他側軸端部388Lの軸方向に略直交する方向に延びるレバー本体部467とを一体に備える。
偏心カム部466は、図23の「固定状態」の場合にカラー454に当接する第1カム面466aと、図24の「ロック解除待機状態」の場合にカラー454に当接する第2カム面466bと、第1カム面466aと第2カム面466bとの間でこれらカム面が交わる頂点部に形成される第3カム面466cとを備える。
レバー支持軸465は偏心カム部466に設けられており、レバー支持軸465を中心にカム部466が回動することで、カラー454に当接する上記カム面が変更される。
詳細には、「ロック解除待機状態」におけるレバー支持軸465と第2カム面466bとの間隔L2は、「固定状態」におけるレバー支持軸465と第1カム面466aとの間隔L1よりも小さい。また、第3カム面466cをカラー454に当接する状態にした場合のレバー支持軸465と第3カム面466cとの間隔L3は、間隔L1よりも大きい。
カラー454は、他側軸端部388Lに嵌合する筒部454aと、筒部454aにおけるレバー部材452側の軸端に形成される鍔部454bとを備える。鍔部454bは、第1カム面466a、第2カム面466b及び第3カム面466cに押圧される被押圧部である。
また、カラー454は、ワッシャ455を介してハンドル部材451を押圧する押圧部454cを、鍔部454bとは反対側の軸端に備える。
カラー454は、他側軸端部388L上で軸方向に移動可能である。レバー部材452は、鍔部454bを介してカラー454を軸方向に押圧する。
ワッシャ455は、カラー454の筒部454aよりも大径に形成されており、カラー454の押圧部454cに当接するように配置される。ワッシャ455は、その内周部が他側軸端部388Lに嵌合している。
ばね部材453は、コイルばねであり、その内周部がカラー454の筒部454aの外周部に嵌合されて設けられる。ばね部材453は、カラー454の鍔部454bとワッシャ455との間に圧縮された状態で配置されている。
カラー454、ワッシャ455及びばね部材453は、ハンドル部材451のばね保持部463の内部に収納されている。
図23に示すように、ベース部材381の右側の上側シャフト支持孔部399Rは、上側シャフト388の一側軸端部388Rが挿通されるシャフト孔342と、シャフト孔342の周囲から一側軸端部388Rの軸方向に外側へ突出する円筒状の周壁部332とを備える。
上側リンク384の右側の上側シャフト挿通部312Rは、一側軸端部388Rが挿通される孔331aを備えた底部331bと、底部331bから一側軸端部388Rの軸方向に外側へ延びる筒状部331cとを備える。上側シャフト挿通部312Rには、筒状部331cの外端部の開口を塞ぐシャフトカバー340が取り付けられている。
上側シャフト挿通部312Rは、底部331bがベース部材381の周壁部332の外端部に外側から合わさるように配置される。
上側リンク384の筒状部331cの内側に収納された一側軸端部388Rには、一側軸端部388Rの軸端のねじ部に締結されるナット470と、付勢部材456と、ナット470に当接する外側ワッシャ471と、底部331bに当接する内側ワッシャ472とが取り付けられている。付勢部材456は、ばね部材453よりもばね定数が著しく大きなコイルスプリングである。付勢部材456、外側ワッシャ471及び内側ワッシャ472は、その内周部が一側軸端部388Rの外周部に嵌合されて設けられている。
付勢部材456は、外側ワッシャ471と内側ワッシャ472との間で圧縮され、上側シャフト388を軸方向に付勢する力を発生させる。
次に、ロック機構386の操作手順、及び、操作に伴うロック機構386の状態について説明する。
図23の「固定状態」では、閉じた状態に操作されたレバー部材452は、カラー454及びワッシャ455を介し、ハンドル部材451を、付勢部材456の付勢力によって上側シャフト支持孔部399L側へ車幅方向内側に押圧している。これにより、ハンドル部材451と一体のギア450は、内側ギア440側へ軸方向に移動させられており、外側ギア442及び内側ギア440の両方に噛み合っている。このように、「固定状態」では、ギア450が外側ギア442及び内側ギア440の両方に噛み合うことで、外側ギア442と内側ギア440との相対回転がギア450によってロック(規制)され、ベース部材381に対する上側リンク384の回動位置が固定される。
以下の説明では、ギア450が内側ギア440に噛み合うようにギア450及び上側シャフト388等が移動する方向を「ロック方向R」の矢印で示す。また、「ロック方向R」と反対方向を「ロック解除方向U」の矢印で示す。
詳細には、「固定状態」では、レバー部材452の第1カム面466aが、ばね部材453の付勢力に抗してカラー454を押圧し、カラー454の押圧部454cはワッシャ455に当接している。ばね部材453は、カラー454とワッシャ455との間で圧縮されている。「固定状態」では、第1カム面466aが当接している鍔部454bとレバー支持軸465とは、間隔L1だけ離間している。
また、「固定状態」では、ハンドル部材451は、フランジ部463bが上側リンク384の受け面350aに当接することで、「ロック方向R」への移動の限界位置を規制されている。
さらに、「固定状態」では、第1カム面466aがカラー454に当接することで、上側シャフト388は、レバー部材452側に引っ張られている。このため、「固定状態」では、付勢部材456は、その自由長に対して撓み量Dだけ圧縮されており、この反力として、上側シャフト388を「ロック方向R」に付勢する力を発生させている。すなわち、「固定状態」では、付勢部材456の付勢力によって、レバー部材452、カラー454、ワッシャ455及びハンドル部材451等を軸方向に互いに密着させておくことができる。このため、レバー部材452、カラー454、ワッシャ455及びハンドル部材451等の寸法誤差を吸収でき、ロック機構386を適切に作動させることができる。
図24に示すように、運転者によってレバー部材452が回動されて外側に開かれると、ロック機構386は「ロック解除待機状態」となり、第2カム面466bがカラー454の鍔部454bに当接する。
「ロック解除待機状態」では、第2カム面466bが当接している鍔部454bとレバー支持軸465とは、間隔L2だけ離間している。
「ロック解除待機状態」の間隔L2は、「固定状態」の間隔L1よりも小さい。本実施の形態では、間隔L2は間隔L1の約半分である。このように、「ロック解除待機状態」では、間隔L1が間隔L2に減少するため、カラー454は、間隔L1と間隔L2との差である移動可能量L4の分だけ、上側シャフト388の軸方向に移動可能となる。そして、カラー454は、ばね部材453の付勢力によって「ロック解除方向U」に移動させられ、カラー454の押圧部454cとワッシャ455との間には軸方向に隙間Sが形成される。これにより、レバー部材452及び上側シャフト388も隙間Sの分だけ「ロック解除方向U」に移動させられる。
より詳細には、図24の「ロック解除待機状態」では、間隔L1が間隔L2に減少することで、付勢部材456(図23)は伸びることが可能となり、その圧縮力が開放される。「ロック解除待機状態」になると、レバー部材452とハンドル部材451との間の距離が大きくなり、ばね部材453の付勢力は小さくなる。
付勢部材456のばね定数は、ばね部材453のばね定数よりも著しく大きいため、「ロック解除待機状態」では付勢部材456はほぼ自由長となる。これにより、上側シャフト388、レバー部材452及びカラー454は、付勢部材456によって、撓み量Dに対応する分だけ、ばね部材453に抗して「ロック方向R」に移動させられている。このため、「ロック解除待機状態」における隙間Sは、移動可能量L4から撓み量Dを差し引いた大きさとなる。
ここで、撓み量Dは移動可能量L4に比して小さい大きさであるため、図24では、撓み量Dによる変位の影響は、隙間Sの大きさに反映されていない。
また、図24の「ロック解除待機状態」では、ハンドル部材451は、ばね部材453によって「ロック方向R」に押圧されており、「固定状態」から軸方向に移動していない。このため、「ロック解除待機状態」では、ギア450が外側ギア442及び内側ギア440の両方に噛み合っており、上側リンク384は回動不能である。従って、レバー部材452を操作して「ロック解除待機状態」にした場合であっても、不意に上側リンク384が回動することが防止される。
「固定状態」から「ロック解除待機状態」までレバー部材452が回動する際、偏心カム部466は、第1カム面466aがカラー454に当接した状態から、第3カム面466cがカラー454に当接する状態を経て、第2カム面466bがカラー454に当接する状態となる。図23に示すように、間隔L3は間隔L1よりも大きい。すなわち、レバー部材452を「固定状態」と「ロック解除待機状態」との間で切り換え操作する際には、レバー支持軸465からカム面までの間隔が最も大きい第3カム面466cを乗り越えることになる。
第3カム面466cの乗り越えが発生する際、上側シャフト388は、「ロック解除方向U」に移動し、これに伴い、付勢部材456の圧縮量は、「固定状態」における撓み量Dよりも一時的に大きくなる。これにより、レバー部材452を回動操作する際の操作荷重は、第3カム面466cの乗り越え時に最も高くなる。このため、「固定状態」と「ロック解除待機状態」との切り換え操作に適度な操作感を付すことができるとともに、外力等によってレバー部材452が不意に切り換えられてしまうことを防止できる。
図27は、図24の状態からロック機構386が「ロック解除状態」に変化した状態を示す図である。
ロック機構386が図24の「ロック解除待機状態」になると、運転者は、隙間Sの分だけハンドル部材451を「ロック解除方向U」に移動させることができるようになる。
ハンドル部材451が隙間Sの分だけ移動させられると、ロック機構386は図27の「ロック解除状態」になる。
詳細には、運転者は、手でハンドル部材451のハンドル部461を把持し、ハンドル部材451をばね部材453に抗して「ロック解除方向U」に隙間Sの分だけスライドさせ、ワッシャ455をカラー454の押圧部454cに当接させる。
これにより、ギア450がハンドル部材451と一体に「ロック解除方向U」に移動し、ギア450は、外側ギア442に噛み合い、且つ、内側ギア440との噛み合いが解除された状態となる。この状態では、外側ギア442を内側ギア440に対して相対回転させることが可能となる。そして、運転者は、この「ロック解除状態」においてハンドル部材451を回動させると、ギア450及び外側ギア442を介して上側リンク384を回動させることができる。
次いで、運転者は、上側リンク384を回動させてウインドスクリーン80を任意の位置(例えば図5の「高位置」)に位置させ、ハンドル部材451を「ロック方向R」に移動させる。これにより、ギア450が外側ギア442及び内側ギア440に噛み合い、ロック機構386は「ロック解除待機状態」になり、上側リンク384の回動が規制され、ウインドスクリーン80は「高位置」に固定される。
この際、ばね部材453の付勢力によってハンドル部材451を「ロック方向R」に移動させることができるため、「ロック解除状態」から「ロック解除待機状態」への操作が容易である。
最後に、図23のように運転者がレバー部材452を閉じると、ロック機構386は「固定状態」になり、ハンドル部材451の軸方向への移動が規制される。
以上説明したように、本発明を適用した第3の実施の形態によれば、ウインドスクリーン80は、上側シャフト388から延びるリンク部材382を介して取り付けられており、リンク部材382は、上側シャフト388上に設けられてリンク部材382を固定するギア450が、車幅方向に出し入れされることで、可動状態である「ロック解除状態」と「固定状態」とを切り替えられる。これにより、リンク部材382を固定するギア450を車幅方向に出し入れすることで、リンク部材382の可動状態と固定状態とを切り替えできるため、コンパクトな構造でリンク部材382を可動式にできる。このため、風防装置378を可動式としながら小型化できる。
また、ギア450は、上側シャフト388上に軸方向に移動可能に支持されており、上側シャフト388の車幅方向の外端の一方に、ギア450を保持するハンドル部材451が設けられている。これにより、車両の側方から上側シャフト388の外端のハンドル部材451を介してギア450を軸方向に移動させてリンク部材382の可動状態と固定状態とを切り替えでき、風防装置378の位置を調節し易い。
さらに、リンク部材382が固定状態となるようにギア450を車幅方向に押圧するレバー部材452が、上側シャフト388に設けられているため、レバー部材452によってギア450を押圧してリンク部材382を固定状態にできる。
また、レバー部材452がギア450を押圧するように上側シャフト388を付勢する付勢部材456が設けられているため、付勢部材456の付勢力によってレバー部材452をギア450の側の部材であるカラー454に当接させておくことができ、ガタの発生を防止できる。
また、レバー部材452は、レバー部材452とハンドル部材451との間に設けられるばね部材453を介してギア450を押圧しているため、ばね部材453の押圧力によって簡単な構成でギア450がリンク部材382に噛み合った状態を維持できる。また、ばね部材453によってレバー部材452及びハンドル部材451を押し付けておくことができるため、ガタの発生を抑制できる。
また、レバー部材452が回動操作されると、レバー部材452とハンドル部材451との間の距離が大きくなり、ばね部材453の付勢力が小さくなる。これにより、レバー部材452を回動操作するとばね部材453の付勢力を小さくでき、ばね部材453の付勢力に抗してハンドル部材451を移動させることが可能になる。すなわち、レバー部材452の回動操作に連動してギア450が移動可能となる構成を実現できる。
また、レバー部材452は、レバー部材452とハンドル部材451との間に設けられるカラー454を介してハンドル部材451を押圧しており、ばね部材453は、カラー454とハンドル部材451との間に圧縮されて設けられ、レバー部材452が回動操作されると、レバー部材452とハンドル部材451との間の距離が大きくなり、カラー454がばね部材453に押されてハンドル部材451から離間する。これにより、カラー454を介してハンドル部材451を強固に押圧しておくことができるとともに、レバー部材452の操作によって、カラー454をハンドル部材451から離間させることができ、この離間した分だけハンドル部材451とともにギア450を移動させることができる。
また、レバー部材452は、上側シャフト388の左端に設けられる。このため、サイドスタンド75で駐車した状態で、自動二輪車1が傾いた側である左側に配置されたレバー部材452を操作して風防装置378の可動状態を切り替えでき、操作性が良い。
さらに、リンク部材382は、下前方と上後方とに一対で設けられ、ハンドル部材451は、上後方の上側リンク384に設けられている。このため、ハンドル部材451が運転者の位置に近くなり、ハンドル部材451を容易に操作できる。
また、ギア450及びハンドル部材451は、上側リンク384の左右において、レバー部材452と同じ側に設けられているため、互いの位置が近いレバー部材452及びハンドル部材451を連続的に操作でき、操作性が良い。
なお、上記第1〜第3の実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記第1〜第3の実施の形態に限定されるものではない。
上記第1〜第3の実施の形態では、ギアが上側リンク84,184,384に設けられる構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、下側リンク83,383にギア(ロック機構)が設けられる構成としても良い。
また、上記第3の実施形態では、レバー部材452がギア450を押圧するように上側シャフト388を付勢する付勢部材456が設けられるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、付勢部材456を設けない構成としても良い。例えば、図23の構成において付勢部材456及び内側ワッシャ472を設けないとともに、これに対応して上側シャフト388を短く形成し、外側ワッシャ471が底部331bに当接する構成としても良い。この構成であっても、各部品における上側シャフト388の軸方向の寸法を適切に管理することで、レバー部材452は、カラー454、ばね部材453、ワッシャ455、及びハンドル部材451を介してギア450を押圧できる。この場合、レバー部材452が第3カム面466cを乗り越える際の軸方向の変位は、例えば、風防装置378が全体的に弾性的に撓むことで吸収できる。或は、第3カム面466cの突出量を図23の構成よりも小さく形成することもできる。 また、上記実施の形態では、鞍乗り型車両として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両や、4輪以上を備えた鞍乗り型車両に本発明を適用しても良い。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
75 サイドスタンド
78,178,378 風防装置
80 ウインドスクリーン(風防部)
81,381 ベース部材
82,382 リンク部材
84,184,384 上側リンク(上後方のリンク部材)
88,188、388 上側シャフト(シャフト)
88a,188a 軸端部(押圧部)
130 ギア
133,233 弾性部材
134 レバー
230L 他側ギア(ギア)
230R 一側ギア(ギア)
450 ギア
451 ハンドル部材
452 レバー部材
453 ばね部材
456 付勢部材
A 付勢方向

Claims (18)

  1. 車幅方向に向けて配置されたシャフト(88,188,388)を軸にして高さ及び傾斜を調節可能に設けられた風防部(80)を備える鞍乗り型車両の風防装置において、
    前記風防部(80)は、前記シャフト(88,188,388)から延びるリンク部材(82,382)を介して取り付けられており、
    前記リンク部材(82,382)は、前記シャフト(88,188,388)上に設けられて当該リンク部材(82,382)を固定するギア(130,230L,230R,450)が、車幅方向に出し入れされることで、可動状態と固定状態とを切り替えられ
    前記シャフト(88,188,388)を支持するベース部材(81,381)を備え、前記固定状態では、前記ギア(130,230L,230R,450)は、前記リンク部材(82,384)及び前記ベース部材(81,381)に係合していることを特徴とする鞍乗り型車両の風防装置。
  2. 前記シャフト(88,188)の車幅方向の外端のいずれか一方に、当該シャフト(88,188)を軸方向に移動させる押圧部(88a,188a)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  3. 前記鞍乗り型車両は、当該鞍乗り型車両を左側に傾いた状態で駐車させるサイドスタンド(75)を備え、
    前記シャフト(88)の前記外端には、前記押圧部を押圧するレバー(134)が設けられ、当該レバー(134)及び前記押圧部(88a)は、前記シャフト(88)の左端に設けられることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  4. 前記ギア(130,230L,230R)は、前記押圧部(88a,188a)で押圧される向きの反対方向に弾性部材(133,233)によって付勢され、
    前記ギア(130,230L,230R)は、前記弾性部材(133,233)の付勢方向に向けて先細るテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項2または3記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  5. 前記リンク部材(82)は、下前方と上後方とに一対で設けられ、前記押圧部(88a,188a)は、前記上後方のリンク部材(84,184)に設けられていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  6. 前記ギア(130)は、前記上後方のリンク部材(84)において、前記押圧部(88a)とは反対側の右側に設けられていることを特徴とする請求項5記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  7. 前記リンク部材(82)は、下前方と上後方とに一対で設けられ、
    前記ギア(230L,230R)は、前記上後方のリンク部材(184)の左端及び右端に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  8. 車幅方向に向けて配置されたシャフト(388)を軸にして高さ及び傾斜を調節可能に設けられた風防部(80)を備える鞍乗り型車両の風防装置において、
    前記風防部(80)は、前記シャフト(388)から延びるリンク部材(382)を介して取り付けられており、
    前記リンク部材(382)は、前記シャフト(388)上に設けられて当該リンク部材(382)を固定するギア(450)が、車幅方向に出し入れされることで、可動状態と固定状態とを切り替えられ、
    前記ギア(450)は、前記シャフト(388)上に軸方向に移動可能に支持されており、
    前記シャフト(388)の車幅方向の外端のいずれか一方に、前記ギア(450)を保持するハンドル部材(451)が設けられていることを特徴とする鞍乗り型車両の風防装置。
  9. 前記固定状態となるように前記ギア(450)を車幅方向に押圧するレバー部材(452)が、前記シャフト(388)に設けられていることを特徴とする請求項8記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  10. 前記レバー部材(452)が前記ギア(450)を押圧するように前記シャフト(388)を付勢する付勢部材(456)が設けられていることを特徴とする請求項9記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  11. 前記レバー部材(452)は、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間に設けられるばね部材(453)を介して前記ギア(450)を押圧していることを特徴とする請求項9または10に記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  12. 前記レバー部材(452)が回動操作されると、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間の距離が大きくなり、前記ばね部材(453)の付勢力が小さくなることを特徴とする請求項11記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  13. 前記レバー部材(452)は、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間に設けられるカラー(454)を介して前記ハンドル部材(451)を押圧しており、前記ばね部材(453)は、カラー(454)と前記ハンドル部材(451)との間に圧縮されて設けられ、
    前記レバー部材(452)が回動操作されると、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間の距離が大きくなり、前記カラー(454)が前記ばね部材(453)に押されて前記ハンドル部材(451)から離間することを特徴とする請求項11または12に記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  14. 前記鞍乗り型車両は、当該鞍乗り型車両を左側に傾いた状態で駐車させるサイドスタンド(75)を備え、前記レバー部材(452)は、前記シャフト(388)の左端に設けられることを特徴とする請求項9から13のいずれかに記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  15. 前記リンク部材(382)は、下前方と上後方とに一対で設けられ、前記ハンドル部材(451)は、前記上後方のリンク部材(384)に設けられていることを特徴とする請求項9から14のいずれかに記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  16. 前記ギア(450)及び前記ハンドル部材(451)は、前記上後方のリンク部材(384)の左右において、前記レバー部材(452)と同じ側に設けられていることを特徴とする請求項15記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  17. 前記シャフト(388)を支持するベース部材(381)を備え、前記固定状態では、前記ギア(450)は、前記リンク部材(384)及び前記ベース部材(381)に係合していることを特徴とする請求項から1のいずれかに記載の鞍乗り型車両の風防装置。
  18. 前記風防部(80)は、手動式で複数段階の位置の調節が可能であることを特徴とする請求項1から1のいずれかに記載の鞍乗り型車両の風防装置。
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