JP6367263B2 - 鞍乗り型車両の風防装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両の風防装置において、風防装置を可動式としながら小型化できるようにすることを目的とする。
本発明によれば、風防部は、シャフトから延びるリンク部材を介して取り付けられており、リンク部材は、シャフト上に設けられてリンク部材を固定するギアが、車幅方向に出し入れされることで、可動状態と固定状態とを切り替えられる。これにより、リンク部材を固定するギアを車幅方向に出し入れすることで、リンク部材の可動状態と固定状態とを切り替えできるため、コンパクトな構造でリンク部材を可動式にできる。このため、風防装置を可動式としながら小型化できる。また、シャフトを支持するベース部材を備え、固定状態では、ギアは、リンク部材及びベース部材に係合している。これにより、ギアを介し、リンク部材をベース部材に固定でき、簡単な構造でリンク部材の回動位置を固定できる。
本発明によれば、シャフトの車幅方向の外端のいずれか一方に、シャフトを軸方向に移動させる押圧部が設けられているため、車両の側方からシャフトの外端の押圧部を容易に操作でき、風防装置の位置を調節し易い。
また、本発明は、前記鞍乗り型車両は、当該鞍乗り型車両を左側に傾いた状態で駐車させるサイドスタンド(75)を備え、前記シャフト(88)の前記外端には、前記押圧部を押圧するレバー(134)が設けられ、当該レバー(134)及び前記押圧部(88a)は、前記シャフト(88)の左端に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、押圧部を押圧するレバー及び押圧部は、シャフトの左端に設けられる。このため、サイドスタンドで駐車した状態で、鞍乗り型車両が傾いた側である左側に配置されたレバーを操作して風防装置の可動状態を切り替えでき、操作性が良い。
本発明によれば、ギアは、押圧部で押圧される向きの反対方向に弾性部材によって付勢され、ギアは、弾性部材の付勢方向に向けて先細るテーパー状に形成されている。このため、ギアをリンク部材側に密着させてガタを低減できるとともに、ギアをテーパー形状でガイドでき、ギアをリンク部材側にスムーズに係合させることができる。
また、本発明は、前記リンク部材(82)は、下前方と上後方とに一対で設けられ、前記押圧部(88a,188a)は、前記上後方のリンク部材(84,184)に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、リンク部材は、下前方と上後方とに一対で設けられ、押圧部は、上後方のリンク部材に設けられている。このため、押圧部が運転者の位置に近くなり、押圧部を容易に操作できる。
本発明によれば、ギアは、上後方のリンク部材において、押圧部とは反対側の右側に設けられているため、押圧部及びギアを左右に分散して設けることができ、スペースを有効に利用してコンパクト化を図ることができる。
また、本発明は、前記リンク部材(82)は、下前方と上後方とに一対で設けられ、前記ギア(230L,230R)は、前記上後方のリンク部材(184)の左端及び右端に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、リンク部材は、下前方と上後方とに一対で設けられ、ギアは、上後方のリンク部材の左端及び右端に設けられているため、リンク部材の回動を左右の2つのギアで規制でき、リンク部材を強固に固定できる。
本発明によれば、車両の側方からシャフトの外端のハンドル部材を介してギアを軸方向に移動させてリンク部材の可動状態と固定状態とを切り替えでき、風防装置の位置を調節し易い。
さらに、本発明は、前記固定状態となるように前記ギア(450)を車幅方向に押圧するレバー部材(452)が、前記シャフト(388)に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、リンク部材が固定状態となるようにギアを車幅方向に押圧するレバー部材がシャフトに設けられているため、レバー部材によってギアを押圧してリンク部材を固定状態にできる。
また、本発明は、前記レバー部材(452)が前記ギア(450)を押圧するように前記シャフト(388)を付勢する付勢部材(456)が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、レバー部材がギアを押圧するようにシャフトを付勢する付勢部材が設けられているため、付勢部材の付勢力によってレバー部材をギアの側に当接させておくことができ、ガタの発生を防止できる。
本発明によれば、レバー部材は、ばね部材を介してギアを押圧しているため、ばね部材の押圧力によって簡単な構成でギアがリンク部材に噛み合った状態を維持できる。また、ばね部材によってレバー部材及びハンドル部材を押し付けておくことができるため、ガタの発生を抑制できる。
また、本発明は、前記レバー部材(452)が回動操作されると、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間の距離が大きくなり、前記ばね部材(453)の付勢力が小さくなることを特徴とする。
本発明によれば、レバー部材が回動操作されると、レバー部材とハンドル部材との間の距離が大きくなり、ばね部材の付勢力が小さくなる。これにより、レバー部材を回動操作するとばね部材の付勢力を小さくでき、ばね部材の付勢力に抗してハンドル部材を移動させることが可能になる。すなわち、レバー部材の回動操作に連動してギアが移動可能となる構成を実現できる。
また、本発明は、前記レバー部材(452)は、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間に設けられるカラー(454)を介して前記ハンドル部材(451)を押圧しており、前記ばね部材(453)は、カラー(454)と前記ハンドル部材(451)との間に圧縮されて設けられ、前記レバー部材(452)が回動操作されると、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間の距離が大きくなり、前記カラー(454)が前記ばね部材(453)に押されて前記ハンドル部材(451)から離間することを特徴とする。
本発明によれば、レバー部材は、カラーを介してハンドル部材を押圧しており、ばね部材は、カラーとハンドル部材との間に圧縮されて設けられ、レバー部材が回動操作されると、レバー部材とハンドル部材との間の距離が大きくなり、カラーがばね部材に押されてハンドル部材から離間する。これにより、カラーを介してハンドル部材を強固に押圧しておくことができるとともに、レバー部材の操作によって、カラーをハンドル部材から離間させることができ、この離間した分だけハンドル部材とともにギアを移動させることができる。
本発明によれば、サイドスタンドで駐車した状態で、鞍乗り型車両が傾いた側である左側に配置されたレバー部材を操作して風防装置の可動状態を切り替えでき、操作性が良い。
さらに、本発明は、前記リンク部材(382)は、下前方と上後方とに一対で設けられ、前記ハンドル部材(451)は、前記上後方のリンク部材(384)に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ハンドル部材は、上後方のリンク部材に設けられているため、ハンドル部材が運転者の位置に近くなり、ハンドル部材を容易に操作できる。
また、本発明は、前記ギア及び前記ハンドル部材は、前記上後方のリンク部材の左右において、前記レバー部材と同じ側に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ギア及びハンドル部材は、左右においてレバー部材と同じ側に設けられているため、互いの位置が近いレバー部材及びハンドル部材を連続的に操作でき、操作性が良い。
本発明によれば、風防部は、手動式で複数段階の位置の調節が可能であるため、風防部を自動にするための部品が必要なく、風防装置を小型に構成できる。
また、本発明は、前記シャフト(388)を支持するベース部材(381)を備え、前記固定状態では、前記ギア(450)は、前記リンク部材(384)及び前記ベース部材(381)に係合していることを特徴とする。
本発明によれば、シャフトを支持するベース部材を備え、固定状態では、ギアは、リンク部材及びベース部材に係合している。これにより、ギアを介し、リンク部材をベース部材に固定でき、簡単な構造でリンク部材の回動位置を固定できる。
また、シャフトの外端の押圧部によって風防装置の位置を調節し易い。
また、サイドスタンドで駐車した状態で、レバーを操作して風防装置の可動状態を容易に切り替えできる。
さらに、テーパー形状によってギアをリンク部材側にスムーズに係合させることができる。
また、運転者の近くの押圧部を容易に操作できる。
また、押圧部及びギアを左右に分散してコンパクト化を図ることができる。
また、左右の2つのギアでリンク部材を強固に固定できる。
さらに、手動式であるため、風防装置を小型に構成できる。
また、ギアによって、リンク部材を簡単且つコンパクトな構造でベース部材に固定できる。
また、ハンドル部材を介してギアを軸方向に移動させてリンク部材の可動状態と固定状態とを切り替えでき、風防装置の位置を調節し易い。
また、レバー部材によってギアを押圧してリンク部材を固定状態にできる。
また、付勢部材の付勢力によってガタの発生を防止できる。
さらに、ばね部材の押圧力によってギアがリンク部材に噛み合った状態を維持できるとともに、ガタの発生を抑制できる。
また、レバー部材を回動操作するとばね部材の付勢力を小さくでき、ばね部材の付勢力に抗してハンドル部材を移動させることが可能になる。
また、カラーを介してハンドル部材を強固に押圧しておくことができるとともに、レバー部材の操作によって、カラーをハンドル部材から離間させることができる。
サイドスタンドで駐車した状態で、レバー部材を操作して風防装置の可動状態を容易に切り替えできる。
また、運転者の位置に近いハンドル部材を容易に操作できる。
また、互いの位置が近いレバー部材及びハンドル部材を連続的に操作できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車の右側面図である。なお、以下、右側面図では、左右一対で設けられるものは、右側のものだけが図示されている。
自動二輪車1は、車体フレームFにパワーユニットとしてのエンジン10が支持され、前輪2を操舵可能に支持する操舵系11が車体フレームFの前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム12が車体フレームFの後部側に設けられた車両である。自動二輪車1は、乗員が跨るようにして着座する乗員シート13が車体フレームFの後部の上方に設けられた鞍乗り型の車両である。
各メインフレーム15は、ヘッドパイプ14の下部から比較的緩い傾斜で後下がりに延びるメインフレーム本体部15aと、ヘッドパイプ14の上部とメインフレーム本体部15aの前部とを連結する補強フレーム部15bとを備える。また、車体フレームFは、メインフレーム本体部15a,15aの中間部とダウンフレーム16,16とを連結する左右一対の連結フレーム20,20を備える。
スイングアーム12は、リアサスペンション(不図示)を介して車体フレームFの後部に連結される。
エンジン10は、車幅方向に延びるクランク軸(不図示)を支持するクランクケース26と、クランクケース26の前部から前上方に延びるシリンダ部27とを備える。クランクケース26は、メインフレーム15,15の後部の下方に位置する。シリンダ部27は、メインフレーム15,15に沿うように前上方に延び、その前部は、左右のダウンフレーム16,16の間、及び、左右の連結フレーム20,20の間に位置する。
エンジン10は、シリンダ部27のシリンダ軸線Cが鉛直よりも水平側に近くなるように前傾しているエンジンであり、エンジン10の上方には空間が確保される。
エンジン10の出力は、エンジン10の出力軸(不図示)と後輪3との間に巻き掛けられるチェーン28によって後輪3に伝達される。
エンジン10に供給される空気を浄化するエアクリーナケース31は、メインフレーム15,15の前部の上方でヘッドパイプ14の後方に配置される。吸気ダクト31aは、エアクリーナケース31の上部の前端部に設けられる。エアクリーナケース31を通過した空気は、スロットルボディ(不図示)で流量を調節されてシリンダ部27のシリンダヘッドに流れる。エンジン10のラジエータ32は、ヘッドパイプ14の下方でシリンダ部27の前方に配置される。
前側シート41は、メインフレーム15,15の後部の上方及びピボットフレーム17,17の上方に配置される。また、前側シート41は、クランクケース26の後部の上方に位置する。
後側シート42は、上記後部フレームの後部の上方に配置される。また、後側シート42は、マフラー30の後部の上方及び後輪3の前部の上方に位置する。後側シート42の左右の側方には、後側シート42に着座したパッセンジャーが把持する把持部43,43がそれぞれ設けられる。
ピボットフレーム17,17の外側面には、板状のステップホルダ45,45が左右一対で設けられる。運転者用の左右一対のサブステップ46,46及びパッセンジャー用の左右一対のパッセンジャーステップ47,47は、ステップホルダ45,45にそれぞれ支持される。運転者用の左右一対のメインテップ48,48は、前側シート41の前下方に設けられる。
メインスタンド49は、ピボットフレーム17,17の下部に連結される。
折り畳み可能なサイドスタンド75は、車体フレームFの左部の下部に設けられる。サイドスタンド75を使用して自動二輪車1を駐車すると、自動二輪車1は、車幅方向においてサイドスタンド75が位置する側、すなわち左側に傾斜した状態となる。サイドスタンド75を使用して自動二輪車1を駐車すると、自動二輪車1の左部が低くなり、右部が高くなる。
図1及び図2に示すように、自動二輪車1は、車体を覆う車体カバー50を備える。車体カバー50は、ヘッドパイプ14及び操舵系11の上部を前方及び左右側方から覆うフロントカバー51と、フロントカバー51の後縁に連結され、ヘッドパイプ14及び操舵系11の上部を後方から覆う後面カバー52と、フロントカバー51の下部の後方で、メインフレーム15,15を上方及び左右の側方から覆うシート下カバー53と、シート下カバー53の下方で、エンジン10及び車体フレームFの後部を側方から覆う左右一対の中間側面カバー54,54とを備える。
フロントカバー51の前部には、上下に延びる板状のウインドスクリーン80(風防部)を備えた風防装置78が設けられる。ヘッドライト59は、フロントカバー51の前面に設けられる。
自動二輪車1は、後輪3を上方から覆うリアフェンダー60と、前輪2を上方から覆うフロントフェンダー61とを備える。
前輪2は、フロントフォーク66,66の下端部間に渡される前輪車軸71に軸支される。
バーハンドル69には、左右一対のバックミラー72,72、及び、左右一対のナックルガード73,73が設けられる。また、バーハンドル69の前方で風防装置78の後方には、ナビゲーション装置74が設けられる。
図3〜図5を参照し、風防装置78は、後上がりに傾斜したフロントカバー51の上面に設けられ、車幅方向の中央に位置する。風防装置78は、車体としてのフロントカバー51に取り付けられるベース部材81と、ベース部材81に回動可能に支持されるリンク部材82と、リンク部材82に支持されるスクリーンブラケット85と、スクリーンブラケット85に支持される上記ウインドスクリーン80と、リンク部材82の回動位置を規制するロック機構86とを備える。
リンク部材82は、ベース部材81に回動可能に支持されて前方側に延びる下側リンク83と、下側リンク83の後上方に位置し、ベース部材81に回動可能に支持されて前方側に延びる上側リンク84(上後方のリンク部材)とを備える。
図3〜図6を参照し、ベース部材81は、フロントカバー51の上面に沿うように後上がりに傾斜して配置される。ベース部材81は、下側リンク83及び上側リンク84を支持するベース本体部91と、ベース本体部91の下端部(前端部)の両側部から下方に延びる左右一対の前側ステー部92,92と、ベース本体部91の上端部(後端部)の両側部から下方に延びる左右一対の後側ステー部93,93と、ベース本体部91の上端部から上方に延びる上方延出部94とを備える。
ベース本体部91の前端部、すなわち左右の側板部の前端部には、下側シャフト87が挿通される下側シャフト支持孔部98,98が左右一対で設けられている。下側シャフト支持孔部98,98は前端連結部96の後方に位置する。
ベース本体部91の後端部、すなわち左右の側板部95,95の後端部には、上側シャフト88が挿通される上側シャフト支持孔部99L,99Rが左右一対で設けられている。上側シャフト支持孔部99L,99Rは、後端連結部97の車幅方向の両端部に設けられている。上側シャフト支持孔部99L,99Rは、下側シャフト支持孔部98,98の後方且つ上方に位置する。
左右の側板部95,95は、後端側ほど互いの間隔が車幅方向に大きくなるように傾斜して形成されている。このため、左右の上側シャフト支持孔部99L,99Rの間隔は、左右の下側シャフト支持孔部98,98の間隔よりも大きい。
ベース部材81の上方延出部94は、ベース本体部91から上方に延びる縦壁部94aと、縦壁部94aの上端から後方に延びる上壁部94bとを備える。ウインドスクリーン80は上壁部94bの上方を通って後上方に延びる。
ベース部材81の後端には、後端連結部97を後方から覆う後部カバー100が取り付けられる。なお、後部カバー100は化粧カバーであり、後部カバー100を設けない構成としても良い。
また、ベース部材81は、下側リンク83の回動位置を規制する下側ストッパ部95a,95a及び上側ストッパ部95b,95bを備える。下側ストッパ部95a,95aは、側板部95,95の前端部において下側シャフト支持孔部98,98の前下方に設けられている。上側ストッパ部95b,95bは、側板部95,95の前部において下側シャフト支持孔部98,98の後上方に設けられている。
図3〜図7を参照し、下側リンク83は、ベース部材81側から前方に延びる左右一対の下側アーム部101,101と、下側アーム部101,101の前端部を車幅方向に繋ぐ下側連結部102とを備える。
下側アーム部101,101は、下側シャフト87が挿通される筒状の下側シャフト挿通部103,103を後端部にそれぞれ備える。下側アーム部101,101は、下側シャフト挿通部103,103から前端の下側連結部102側に行くほど互いの間隔が車幅方向に小さくなるように形成されている。また、下側アーム部101,101は、図4の「低位置」の状態の側面視では、下側シャフト挿通部103,103から前方に略水平に延びる水平部101aと、水平部101aの前端から前下がりに傾斜して延びる傾斜部101bとを備える。
下側連結部102には、車幅方向に貫通する下側ピボットシャフト支持孔部104が形成されており、下側ピボットシャフト支持孔部104には下側ピボットシャフト89が挿通される。
下側リンク83は、下側アーム部101,101のラバー部材101d,101dがベース部材81の下側ストッパ部95a,95aに当接することで、下方側への回動を規制される。また、下側リンク83は、下側アーム部101,101のラバー部材101d,101dがベース部材81の上側ストッパ部95b,95bに当接することで、上方側への回動を規制される。
図4〜図8を参照し、下側リンク83は、左右の下側シャフト挿通部103,103がベース部材81の下側シャフト支持孔部98,98に車幅方向の外側から重なるように配置され、下側シャフト挿通部103,103及び下側シャフト支持孔部98,98に下側シャフト87が挿通されることで下側シャフト87に軸支される。
下側シャフト87は、軸部よりも大径なフランジ部87aを一端に備える。下側シャフト87の他端の内周部には、ボルト87bが締結される。下側リンク83の左右の下側シャフト挿通部103,103は、フランジ部87aとボルト87bの頭部87cとによって下側シャフト87の軸方向に抜け止めされる。
さらに、下側シャフト挿通部103,103と下側シャフト支持孔部98,98の外側面との間には、コイルばね106,106が介装されている。下側シャフト挿通部103,103は、下側シャフト87と同軸に設けられる環状のばね収納溝107,107を備え、コイルばね106,106は、ばね収納溝107,107に収納される。
下側リンク83の下側シャフト挿通部103,103は、コイルばね106,106によって、それぞれフランジ部87a及び頭部87cに当接するように車幅方向外側に付勢されている。このため、下側シャフト挿通部103,103の車幅方向のガタを低減できる。
図3〜図6及び図9を参照し、上側リンク84は、ベース部材81側から前方に延びる左右一対の一側(右側)アーム部110R及び他側(左側)アーム部110Lと、一側アーム部110Rの前端部と他側アーム部110Lの前端部とを車幅方向に繋ぐ上側連結部111とを備える。
一側アーム部110R及び他側アーム部110Lは、上側シャフト88が挿通される筒状の上側シャフト挿通部112R,112Lを後端部に備える。一側アーム部110R及び他側アーム部110Lは、上側シャフト挿通部112R,112Lから前端の上側連結部111側に行くほど互いの間隔が車幅方向に小さくなるように形成されている。また、一側アーム部110R及び他側アーム部110Lは、図4の「低位置」の状態の側面視では、上側シャフト挿通部112R,112Lから前方に略水平に延びる水平部110aと、水平部110aの前端から前下がりに傾斜して延びる傾斜部110bとを備える。側面視において、一側アーム部110R及び他側アーム部110Lは、下側アーム部101,101よりも長く形成されている。
上側リンク84は、左右の上側シャフト挿通部112R,112Lがベース部材81の上側シャフト支持孔部99L,99Rに車幅方向の外側から重なるように配置され、上側シャフト挿通部112R,112L及び上側シャフト支持孔部99L,99Rに上側シャフト88が挿通されることで上側シャフト88に軸支される。
また、上側リンク84には、上記ロック機構86(図11)が設けられる。ロック機構86については後述する。
図3〜図5、図7、図9及び図10を参照し、スクリーンブラケット85は、側面視で後上がりに延びる板状のブラケット本体部115と、ブラケット本体部115の下端部の車幅方向の両端部に設けられる左右一対の下側スクリーン固定部116,116と、ブラケット本体部115の上端部の車幅方向の両端部に設けられる左右一対の上側スクリーン固定部117,117とを備える。
さらに、スクリーンブラケット85は、ブラケット本体部115の上部の下面から下方に突出する上側ピボットシャフト挿通部120,120を備える。上側ピボットシャフト挿通部120,120は、ブラケット本体部115の車幅方向の両端部に左右一対で設けられ、上側スクリーン固定部117,117の前下方に位置する。
下側ピボットシャフト89は、軸部よりも大径のフランジ部89aを一端に備える。下側ピボットシャフト89の他端の内周部には、ボルト89bが締結される。スクリーンブラケット85の左右の下側ピボットシャフト挿通部119,119は、フランジ部89aとボルト89bの頭部89cとによって下側ピボットシャフト89の軸方向に抜け止めされる。
また、下側ピボットシャフト挿通部119,119と下側リンク83の下側ピボットシャフト支持孔部104との間には、ワッシャ121,121が下側ピボットシャフト89に挿通されて設けられている。ワッシャ121,121は、例えば、摩擦係数が小さい樹脂材料で構成される。
上側ピボットシャフト90は、軸部よりも大径のフランジ部90aを一端に備える。上側ピボットシャフト90の他端の内周部には、ボルト90bが締結される。スクリーンブラケット85の左右の上側ピボットシャフト挿通部120,120は、フランジ部90aとボルト90bの頭部90cとによって上側ピボットシャフト90の軸方向に抜け止めされる。
また、上側ピボットシャフト挿通部120,120と上側リンク84の上側ピボットシャフト支持孔部113との間には、ワッシャ122,122が上側ピボットシャフト90に挿通されて設けられている。ワッシャ122,122は、例えば、摩擦係数が小さい樹脂材料で構成される。
図4、図5及び図10を参照し、ウインドスクリーン80は、裏面に設けられた固定部(不図示)がスクリーンブラケット85の下側スクリーン固定部116,116及び上側スクリーン固定部117,117に固定されることでスクリーンブラケット85に固定される。
風防装置78では、一側アーム部110R及び他側アーム部110Lが下側アーム部101,101よりも長く形成されているため、上側リンク84及び下側リンク83が後方に回動すると、スクリーンブラケット85が前方側に起き、ウインドスクリーン80も前方側に起きる。
ウインドスクリーン80の「低位置」、「中間位置」、及び、「高位置」の位置状態は、ロック機構86が上側リンク84の回動位置を所定の位置に規制することで実現される。
図4、図9、図11及び図12を参照し、ロック機構86は、上側シャフト88と、上側シャフト88に固定されたギア130と、上側リンク84に設けられ、ギア130が係合するリンク部材側係合部131と、ベース部材81に設けられ、ギア130が係合するベース部材側係合部132と、ギア130を上側シャフト88の軸方向に付勢する弾性部材133とを備える。
また、ロック機構86は、上側シャフト88を軸方向に押圧するレバー134と、レバー134の一端部を受ける受け部材135とを備える。
ギア130は、弾性部材133の付勢力によって、車幅方向の他側(左側、付勢方向Aの矢印で示す方向)に移動するように付勢されている。
筒状の上側シャフト挿通部112Rの車幅方向の外端部には、この外端部の開口を塞ぐ板状の蓋部材140が固定される。蓋部材140は、上側シャフト88の一側の端部が挿通される貫通孔140aを中央に備える。
筒状の上側シャフト挿通部112Rの車幅方向の内端部141は、ベース部材81の上側シャフト支持孔部99Rの外側面に嵌合する。
一側アーム部110Rは、内端部141がガイド部143にガイドされた状態で、上側シャフト88を中心に回動可能である。内端部141とガイド部143との間には、回動の摩擦を低減させるワッシャ144が介装される。
図11〜図14を参照し、ギア130は、ベース部材81の上側シャフト支持孔部99Rと一側アーム部110Rの上側シャフト挿通部112Rとの間に設けられる。
ギア130は、ピン136が挿通される固定部145と、固定部145よりも大径の歯部146と、上側シャフト88が挿通される中心孔147とを備える。
固定部145は、ピン136が挿通されるピン孔145aを備える。
歯部146は、周方向に等間隔で配置される複数の歯148を備える。各歯148は、その板厚が、弾性部材133の付勢方向Aの方向に向けて徐々に小さくなるテーパー状に形成されている。詳細には、各歯148の板厚方向の両方の面は、傾斜したテーパー面148a,148aとなっている。また、各歯148の高さは、外周部146aのテーパー形状によって、付勢方向Aに向けて徐々に低くなる。
ベース部材側係合部132は、車幅方向の外側からベース部材側係合部132に嵌まるギア130の軸方向の先端面130aを受ける底部132bを備える。また、溝部132aは、ギア130の外周部146a及びテーパー面148a,148aの形状に対応してテーパー状に形成されている。
ベース部材側係合部132の溝部132aとリンク部材側係合部131の溝部131aとは軸方向に連続している。
上側シャフト88は、ベース部材81及び上側リンク84に対し、軸方向にスライド可能に支持されており、ギア130を介し、弾性部材133の付勢力によって付勢方向Aに付勢されている。
図11、図12及び図15を参照し、上側リンク84の他側アーム部110Lの上側シャフト挿通部112Lは、車幅方向に延びる筒状部150と、筒状部150の車幅方向の内端部を塞ぐ底板部151と、底板部151の中央に位置し、上側シャフト88が挿通される挿通孔152とを備える。
底板部151には、環状のガイド溝151aが形成されている。
他側アーム部110Lは、ガイド溝151aがガイド溝151aにガイドされた状態で、上側シャフト88を中心に回動可能である。
上側シャフト88は、筒状部150の底板部151よりも車幅方向外側へ延びる軸端部88a(押圧部)を他端(左端)に備え、レバー134は、軸端部88aに取り付けられている。
レバー134は、軸端部88aの軸方向に直交する方向で軸端部88aに挿通されるレバー支持軸157に軸支され、レバー支持軸157を中心に回動可能である。
レバー134は、レバー支持軸157よりも車幅方向内側に位置して受け部材135に当接するカム部134aと、図11の「固定状態」において軸端部88aの軸方向に略直交する方向に延びるレバー本体部134bとを一体に備える。カム部134aは、受け部材135側に突出する円弧状に形成されている。
受け部材135は、上側シャフト88の軸方向視では、略U字状に形成されており、U字の内側部分に上側シャフト88を嵌合させて配置される。詳細には、受け部材135は、上側シャフト88の両側方を延びる一対の腕部135a,135aと、腕部135a,135aの基端部を互いに繋ぐ連結部135bとを備える。腕部135a,135aには、レバー134のカム部134aが嵌まる曲面状に形成された凹部135cが設けられている。
受け部材135は、軸端部88aの軸方向に直交する方向Bに、低摩擦部材159上をスライド可能であり、このスライド動作は、腕部135a,135aが壁部156a,156aに沿って移動するように規制される。
これにより、ギア130は、上側シャフト88と一体に付勢方向Aへ押し付けられ、ベース部材側係合部132及びリンク部材側係合部131に係合させられている。この状態では、ギア130は、ベース部材側係合部132に係合して回動が規制されており、他側アーム部110Lは、リンク部材側係合部131がギア130に係合することで回動が規制されている。
図16に示すように、ギア130の歯148は、板厚方向の面が、傾斜したテーパー面148a,148aとなっているため、弾性部材133によって付勢された状態では、テーパー面148a,148aをベース部材側係合部132の溝部132a及びリンク部材側係合部131の溝部131aに密着させることができる。このため、ギア130の噛み合いのガタを低減でき、ウインドスクリーン80をガタが少ない状態で固定できる。
「可動状態」では、レバー134の操作によって、カム部134aが「固定状態」の位置に対して軸端部88aの径方向外側に移動し、これに伴い、受け部材135は、軸端部88aの軸方向に直交する方向Bにスライド移動する。
「固定状態」から「可動状態」になると、レバー支持軸157と受け部材135との間における上側シャフト88の軸方向の距離Gは小さくなり、上側シャフト88は、距離Gが変化した分だけ付勢方向Aの反対方向に移動する。
すなわち、「可動状態」では、上側シャフト88は、軸端部88aがレバー134によって押圧されることで弾性部材133の付勢力に抗して移動し、これに伴い、ギア130が付勢方向Aの反対方向に移動する。軸端部88aはレバー134で押圧される押圧部である。
図12及び図16に示すように、「可動状態」では、ギア130が付勢方向Aの反対方向に移動することで、ギア130とベース部材側係合部132との係合が解除される。これにより、上側リンク84はベース部材81に対して回動可能になる。
すなわち、風防装置78では、ギア130がベース部材側係合部132に対して車幅方向に出し入れされることで、上側リンク84の可動状態と固定状態とが切り替えられる。
詳細には、ギア130と上側シャフト88とは一体であるため、「可動状態」で上側リンク84が回動する場合、上側リンク84、ギア130、上側シャフト88、レバー134、及び、受け部材135は、一体に回動する。
本第1の実施の形態では、ギア130のテーパー面148a,148a及び外周部146aが、「可動状態」から「固定状態」に変更される際の移動方向、すなわち、レバー134による押圧方向の反対方向(付勢方向A)、に向けて先細りとなるテーパー形状で形成されている。このため、ギア130をリンク部材側係合部131及びベース部材側係合部132にスムーズに係合させることができる。
また、ギア130がテーパー形状であるため、レバー134の操作によってギア130がリンク部材側係合部131及びベース部材側係合部132から抜け易くなる。このため、「固定状態」から「可動状態」にスムーズに移行できる。
図4では、ウインドスクリーン80は「低位置」にあり、この状態では、ロック機構86が図11に示す「固定状態」となることで、ウインドスクリーン80は「低位置」に固定されている。「低位置」では、下側アーム部101,101のラバー部材101d,101d(図4)がベース部材81の下側ストッパ部95a,95aに当接している。
次いで、運転者がウインドスクリーン80、上側リンク84、或は、レバー134等を把持して手動によって上側リンク84及び下側リンク83を上方に回動させると、ウインドスクリーン80は図5に示される「高位置」となる。「高位置」では、下側アーム部101,101のラバー部材101d,101dがベース部材81の上側ストッパ部95b,95bに当接している。この状態でレバー134を寝かした状態に操作すると、ロック機構86が図11に示す「固定状態」となり、ウインドスクリーン80の位置が「高位置」に固定される。「高位置」では、ウインドスクリーン80は、「低位置」の状態よりも高さh(図17)だけ上方に位置するとともに、傾斜が「低位置」の状態よりも角度r(図17)だけ前方に回動している。
また、「低位置」と「高位置」との間の「中間位置」でレバー134を操作してロック機構86を「固定状態」とすることもできる。
また、レバー134は、サイドスタンド75(図1)が設けられる側である車体の左側の他側アーム部110Lに設けられている。これにより、サイドスタンド75で自動二輪車1を駐車して自動二輪車1の左側に降りた運転者が容易に受け部材にアクセスできるため、容易にウインドスクリーン80の位置を変更できる。
図17では、ヘルメットHを着用した標準的な体格の運転者が運転する際の頭部(ヘルメット)の位置が共に図示されている。
ウインドスクリーン80が「低位置」に固定されている場合、ウインドスクリーン80の上端80aは、ヘルメットHの口元H1よりも下方に位置する。「低位置」の状態でウインドスクリーン80の上端80aから後方に流れる走行風W1は、緩やかに上後方に流れ、口元H1に当たる。「低位置」では、走行風W1が運転者の口元H1よりも下方の部分に当たることを防止できるとともに、上端80aがヘルメットHの目元H2の下方に位置するため、ウインドスクリーン80が視界の邪魔にならず、良好な視界を確保できる。
本第1の実施の形態では、ウインドスクリーン80の回動位置を手動で変更できるとともに、ギア130の歯部146の形状の設定により、ウインドスクリーン80の回動位置が「低位置」、「中間位置」及び「高位置」の3つの位置でのみ固定可能に構成されている。このため、手動による操作によって、ウインドスクリーン80の回動位置を用途に応じたメリハリのある位置に簡単に調節できる。
また、上側シャフト88の他端(左端)には、軸端部88aを押圧するレバー134が設けられ、レバー134及び軸端部88aは、上側シャフト88の左端に設けられる。このため、サイドスタンド75で駐車した状態で、自動二輪車1が傾いた側である左側に配置されたレバー134を操作して風防装置78の可動状態を切り替えでき、操作性が良い。
また、リンク部材82は、下前方と上後方とに一対で設けられ、押圧部としての軸端部88aは、上後方の上側リンク84に設けられている。このため、軸端部88aが運転者の位置に近くなり、軸端部88aを容易に操作できる。
さらに、ウインドスクリーン80は、手動式で複数段階の位置の調節が可能であるため、ウインドスクリーン80を自動にするための部品が必要なく、風防装置78を小型に構成できる。
また、上側シャフト88を支持するベース部材81を備え、「固定状態」では、ギア130は、リンク部材82及びベース部材81に係合している。これにより、ギア130を介し、リンク部材82をベース部材81に固定でき、簡単な構造でリンク部材82の回動位置を固定できる。
以下、図18及び図19を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、ギア130が上側リンク84の他側アーム部110Lに設けられる構成を例に挙げて説明したが、本第2の実施の形態は、一側ギア230R(ギア)が一側アーム部210Rに設けられ、他側ギア230L(ギア)が他側アーム部210Lに設けられる点が上記第1の実施の形態と異なる。
風防装置178は、第1の実施の形態の上側リンク84に替えて上側リンク184を備え、第1の実施の形態のロック機構86に替えてロック機構186を備える。風防装置178の他の構造は、上記第1の実施の形態の風防装置78と同様である。
上側リンク184は、ベース部材81側から前方に延びる左右一対の一側(右側)アーム部210R及び他側(左側)アーム部210Lと、一側アーム部210Rの前端部と他側アーム部210Lの前端部とを車幅方向に繋ぐ上側連結部(不図示)とを備える。上側ピボットシャフト90は上記上側連結部に挿通される。上側リンク184と下側リンク83とによってリンク部材82(図4)が構成される。
一側アーム部210R及び他側アーム部210Lは、上側シャフト188(シャフト)が挿通される筒状の上側シャフト挿通部212R,212Lを後端部に備える。
ベース部材81は、上側シャフト188が挿通される上側シャフト支持孔部199L,199Rを左右の後端部に備える。
また、ロック機構186は、一側ギア230R及び他側ギア230Lを上側シャフト188の軸方向に付勢する弾性部材233と、上側シャフト188に固定されて弾性部材233の付勢力を受ける押圧部材234とを備える。
一側ギア230R及び他側ギア230Lは、上側シャフト188に固定されており、上側シャフト188と一体に回転する。また、一側ギア230R及び他側ギア230Lは上側シャフト188に対して軸方向に相対移動不能である。
他側ギア230Lは、周方向に等間隔で配置された複数の歯で構成される歯部246L備え、歯部246Lは、リンク部材他側係合部231L及びベース部材他側係合部232Lに係合可能である。
一側ギア230R及び他側ギア230Lは、上側シャフト188を介し、弾性部材233の付勢力によって、車幅方向の他側(左側、付勢方向Aの矢印で示す方向)に移動するように付勢されている。
一側ギア230R及び他側ギア230Lの歯部246R,246Lは、上記第1の実施の形態のギア130と同様に、外周部及び板厚方向の両方の面がテーパー状に形成されている。
ベース部材81における一側の上側シャフト支持孔部199Rは、上側シャフト188を支持するシャフト孔242を中央に有するとともに、上側シャフト挿通部212Rの内端部241が嵌合するガイド部243を車幅方向の外側面に備える。ガイド部243は、側面視で円形に形成された段部であり、シャフト孔242と同軸に配置されている。
一側アーム部210Rは、内端部241がガイド部243にガイドされた状態で、上側シャフト188を中心に回動可能である。内端部241とガイド部243との間には、回動の摩擦を低減させるワッシャ244が介装される。
上側シャフト挿通部212Rは、内端部241の内周部に、一側ギア230Rの歯部246Rが係合する上記リンク部材一側係合部231Rを備える。リンク部材一側係合部231Rは、歯部246Rが係合する溝部231R1を備え、歯部246Rの形状に対応してテーパー状に形成されている。
上側シャフト挿通部212Rの車幅方向の外端部には、外端部の開口を塞ぐ円板状の蓋部材240が設けられる。蓋部材240は、上側シャフト188を挿通可能な貫通孔240aを中央に備える。
ベース部材一側係合部232Rは、車幅方向の外側からベース部材一側係合部232Rに嵌まる一側ギア230Rの軸方向の先端面230R1を受ける底部232R2を備える。
筒状部250は、内壁部251よりも車幅方向の内側に位置する内側筒状部261と、内壁部251よりも車幅方向の外側に位置する外側筒状部262とを備える。
内側筒状部261の車幅方向の内端部261aは、ベース部材81の外側面に嵌合する。
内側筒状部261の内周部には、他側ギア230Lの歯部246Lが係合する上記リンク部材他側係合部231Lが設けられている。リンク部材他側係合部231Lは、歯部246Lが係合する溝部231L1を備え、他側ギア230Lの形状に対応してテーパー状に形成されている。
上側シャフト188は、筒状部250の内壁部251の孔252に支持される。
上側シャフト支持孔部199Lは、内周部に、他側ギア230Lの歯部246Lが係合する上記ベース部材他側係合部232Lを備える。ベース部材他側係合部232Lは、歯部246Lが係合する溝部232L1を備え、他側ギア230Lの形状に対応してテーパー状に形成されている。溝部232L1と溝部231L1とは軸方向に連続している。
弾性部材233は、コイルばねである。弾性部材233は、そのコイル部の内周部が軸端部188aに挿通されて設けられ、押圧部材234と筒状部250の内壁部251との間に圧縮された状態で外側筒状部262の内側に配置されている。
上側シャフト188は、ベース部材81及び上側リンク184に対し、軸方向にスライド可能に支持されており、弾性部材233の付勢力によって付勢方向Aに向けて車幅方向外側へ付勢されている。また、上側シャフト188は、ベース部材81によって回転不能に支持されている。
これにより、他側ギア230Lは、上側シャフト188と一体に付勢方向Aへ弾性部材233の付勢力によって押し付けられ、ベース部材他側係合部232L及びリンク部材他側係合部231Lに係合させられている。この状態では、他側ギア230Lは、ベース部材他側係合部232Lに係合して回動が規制されており、他側アーム部210Lは、リンク部材他側係合部231Lが他側ギア230Lに係合することで回動が規制されている。
また、一側ギア230Rは、同様に、上側シャフト188と一体に付勢方向Aへ弾性部材233の付勢力によって押し付けられ、ベース部材一側係合部232R及びリンク部材一側係合部231Rに係合させられている。この状態では、一側ギア230Rは、ベース部材一側係合部232Rに係合して回動が規制されており、一側アーム部210Rは、リンク部材一側係合部231Rが一側ギア230Rに係合することで回動が規制されている。
また、「固定状態」では、一側ギア230Rの軸方向の先端面230R1がベース部材一側係合部232Rの底部232R2に当接することで、上側シャフト188の軸方向の位置が規制されている。
「可動状態」では、他側ギア230Lは、上側シャフト188と一体に付勢方向Aの反対方向へ移動し、ベース部材他側係合部232L及びリンク部材他側係合部231Lに対する係合が解除される。
また、「可動状態」では、一側ギア230Rは、上側シャフト188と一体に付勢方向Aの反対方向へ移動し、ベース部材一側係合部232R及びリンク部材一側係合部231Rに対する係合が解除される。
これにより、「可動状態」では、上側リンク184は、上側シャフト188を中心として回動可能となる。
「可動状態」において押圧部材234の押圧が解除されると、上側シャフト188が弾性部材233の付勢力によって付勢方向Aへ移動し、ロック機構186は「固定状態」となる。
次いで、運転者がウインドスクリーン80や上側リンク184等を把持して手動によって上側リンク184及び下側リンク83を上方に回動させると、ウインドスクリーン80は図5に示される「高位置」となる。この状態で押圧部材234の押圧操作を解除するとロック機構186が図18に示す「固定状態」となり、ウインドスクリーン80の位置が「高位置」に固定される。
以下、図20〜図27を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、上側シャフト88に固定されたギア130が上側リンク84の他側アーム部110Lに設けられる構成を例に挙げて説明したが、本第3の実施の形態は、ギア450がハンドル部材451に支持されて上側シャフト388上で軸方向に移動可能である点等が、上記第1の実施の形態と異なる。
風防装置378は、フロントカバー51の上方に設けられるベース部材381と、ベース部材381に回動可能に支持されるリンク部材382と、リンク部材382に支持されるとともにウインドスクリーン80を支持するスクリーンブラケット385と、スクリーンブラケット385に支持されるウインドスクリーン80と、リンク部材382の回動位置を規制するロック機構386とを備える。
リンク部材382は、ベース部材381に回動可能に支持されて前方側に延びる下側リンク383と、下側リンク383の後上方に位置し、ベース部材381に回動可能に支持されて前方側に延びる上側リンク384(上後方のリンク部材)とを備える。
図20及び図21を参照し、ベース部材381は、フロントカバー51の上面に沿うように後上がりに傾斜して配置される。ベース部材381は、下側リンク383及び上側リンク384を支持するベース本体部391と、ベース本体部391の下端部(前端部)の両側部から下方に延びる左右一対の前側ステー部392,392と、ベース本体部391の上端部(後端部)の両側部から下方に延びる左右一対の後側ステー部393,393と、ベース本体部391の上端部から上方に延びる上方延出部394とを備える。
ベース本体部391の前端部、すなわち左右の側板部395,395の前端部には、下側シャフト387が挿通される下側シャフト支持孔部398,398が左右一対で設けられている。下側シャフト支持孔部398,398は前端連結部396の後方に位置する。
ベース本体部391は、左右の下側シャフト支持孔部398,398を車幅方向に繋ぐとともに下側シャフト387を上方から覆うシャフトカバー部391aを備える。
左側の上側シャフト支持孔部399Lの外側面部には、リング状の内側ギア440が、一対のギア固定ボルト441,441によって固定される。
左右の側板部395,395は、後端側ほど互いの間隔が車幅方向に大きくなるように傾斜して形成されている。このため、左右の上側シャフト支持孔部399L,399Rの間隔は、左右の下側シャフト支持孔部398,398の間隔よりも大きい。
ベース部材381の上方延出部394は、ベース本体部391から上方に延びる縦壁部394aと、縦壁部394aの上端から後方に延びる上壁部394bとを備える。ウインドスクリーン80は上壁部394bの上方を通って後上方に延びる。
図20及び図22を参照し、上側リンク384は、ベース部材381側から前方に延びる左右一対の一側アーム部110R及び他側アーム部110Lと、上側連結部111とを備える。
一側アーム部110R及び他側アーム部110Lは、上側シャフト388が挿通される筒状の上側シャフト挿通部312R,312Lを後端部に備える。
他側アーム部110Lの上側シャフト挿通部312Lにおける車幅方向の内側面部には、リング状の外側ギア442が、一対のギア固定ボルト443,443によって固定される。
また、上側リンク384には、上記ロック機構386が設けられる。
また、ロック機構386は、ギア450がベース部材381の内側ギア440に噛み合うようにギア450を車幅方向に押圧するレバー部材452と、レバー部材452とハンドル部材451との間に介装されるばね部材453と、レバー部材452とばね部材453との間に介装され、ばね部材453の一端を受けるカラー454と、カラー454とハンドル部材451との間に介装され、ばね部材453の他端を受けるワッシャ455とを備える。
さらに、ロック機構386は、レバー部材452を介してばね部材453を圧縮する方向に上側シャフト388を軸方向へ付勢する付勢部材456を、右側の上側シャフト挿通部312R側に備える。
図21を参照し、内側ギア440は、リング状の本体部440aと、本体部440aの内周面に複数形成された歯部440bと、本体部440aから径方向外側に延びる一対のフランジ部440c,440cとを備える。
内側ギア440は、周壁部354の外端部に配置されており、フランジ部440c,440cに車幅方向外側から挿通されるギア固定ボルト441,441によってベース部材381に固定されている。
上側リンク384は、筒状部350の車幅方向の内端部がベース部材381の周壁部354の外端部に合わさるように設けられる。
外側ギア442は、筒状部350の車幅方向の内端部に配置されており、フランジ部442c,442cに車幅方向内側から挿通されるギア固定ボルト443,443によって上側リンク384に固定されている。
上側シャフト388、ハンドル部材451及びギア450は、歯部440b及び歯部442bの内周面の内側に通されている。
外側ギア442と内側ギア440とは、本実施の形態では同一部品であり、歯部440b及び歯部442bの形状は等しい。また、外側ギア442及び内側ギア440は、例えばステンレス鋼等の金属材料によって構成されている。
上側リンク384が上側シャフト388を中心に回動すると、外側ギア442は、上側リンク384と一体に回転し、ベース部材381の内側ギア440に対して相対回転する。
筒部材460は、上側リンク384の筒状部350の内側に収納される。筒部材460は、外側ギア442及び内側ギア440の内周部の内側に配置される有底円筒状のギア保持部462と、ギア保持部462よりも車幅方向外側に設けられるばね保持部463とを一体に備える。ギア保持部462の車幅方向内側の底面部462aには、上側シャフト388が貫通する孔462bが設けられおり、孔462bに挿通された他側軸端部388Lは、筒部材460の内部を通って筒部材460よりも車幅方向の外側まで延びている。
ばね保持部463の車幅方向の外端部には、ギア保持部462よりも外径が大径に形成されたフランジ部463bが設けられている。
ハンドル部461は、車幅方向外側から挿通されるねじ464によって、フランジ部463bの外端面に固定されている。ハンドル部461は、上側シャフト388及びレバー部材452が収納されるレバー収納部461aを備える。レバー収納部461aは、ハンドル部461の中央部から外周面まで延びる開放部である。
ハンドル部461は、フランジ部463bよりも外径が大径に形成されている。このため、運転者がハンドル部461を把持し易い。
図23、図25及び図26を参照し、ギア450は、ハンドル部材451のギア保持部462に固定され、ハンドル部材451と一体的に設けられている。
ギア450は、扇型のギアであり、他側軸端部388Lが挿通される貫通孔450aをその回転中心に備える。ギア450は、その扇形状の円弧状の外周部に、外側ギア442及び内側ギア440の歯部440b,442bに噛み合う歯部450bを備える。
ギア450は、上側シャフト388の他側軸端部388Lを中心軸として、外側ギア442及び内側ギア440と同軸の位置関係で配置されている。
ギア450は、ハンドル部材451と一体に、他側軸端部388L上を軸方向に移動可能であるとともに他側軸端部388Lを中心に回動可能である。
ギア450は、ギア保持部462の底面部462a及びギア450に対して軸方向に挿通される複数の固定ピン450c,450cによってギア保持部462に固定されている。
上側シャフト支持孔部399L及び上側シャフト挿通部312Lは、周壁部354の外端部と筒状部350の内端部とが径方向に重なるラビリンス部420によって、ギア450側への水等の侵入が抑制される。ラビリンス部420の下部には、下方に開放する水抜き孔420a(図26)が形成されており、ギア450近傍に侵入した水等は、水抜き孔420aから排出される。
レバー部材452は、カラー454を押圧する偏心カム部466と、図23の「固定状態」において他側軸端部388Lの軸方向に略直交する方向に延びるレバー本体部467とを一体に備える。
レバー支持軸465は偏心カム部466に設けられており、レバー支持軸465を中心にカム部466が回動することで、カラー454に当接する上記カム面が変更される。
詳細には、「ロック解除待機状態」におけるレバー支持軸465と第2カム面466bとの間隔L2は、「固定状態」におけるレバー支持軸465と第1カム面466aとの間隔L1よりも小さい。また、第3カム面466cをカラー454に当接する状態にした場合のレバー支持軸465と第3カム面466cとの間隔L3は、間隔L1よりも大きい。
また、カラー454は、ワッシャ455を介してハンドル部材451を押圧する押圧部454cを、鍔部454bとは反対側の軸端に備える。
カラー454は、他側軸端部388L上で軸方向に移動可能である。レバー部材452は、鍔部454bを介してカラー454を軸方向に押圧する。
ばね部材453は、コイルばねであり、その内周部がカラー454の筒部454aの外周部に嵌合されて設けられる。ばね部材453は、カラー454の鍔部454bとワッシャ455との間に圧縮された状態で配置されている。
カラー454、ワッシャ455及びばね部材453は、ハンドル部材451のばね保持部463の内部に収納されている。
上側シャフト挿通部312Rは、底部331bがベース部材381の周壁部332の外端部に外側から合わさるように配置される。
付勢部材456は、外側ワッシャ471と内側ワッシャ472との間で圧縮され、上側シャフト388を軸方向に付勢する力を発生させる。
図23の「固定状態」では、閉じた状態に操作されたレバー部材452は、カラー454及びワッシャ455を介し、ハンドル部材451を、付勢部材456の付勢力によって上側シャフト支持孔部399L側へ車幅方向内側に押圧している。これにより、ハンドル部材451と一体のギア450は、内側ギア440側へ軸方向に移動させられており、外側ギア442及び内側ギア440の両方に噛み合っている。このように、「固定状態」では、ギア450が外側ギア442及び内側ギア440の両方に噛み合うことで、外側ギア442と内側ギア440との相対回転がギア450によってロック(規制)され、ベース部材381に対する上側リンク384の回動位置が固定される。
以下の説明では、ギア450が内側ギア440に噛み合うようにギア450及び上側シャフト388等が移動する方向を「ロック方向R」の矢印で示す。また、「ロック方向R」と反対方向を「ロック解除方向U」の矢印で示す。
また、「固定状態」では、ハンドル部材451は、フランジ部463bが上側リンク384の受け面350aに当接することで、「ロック方向R」への移動の限界位置を規制されている。
「ロック解除待機状態」では、第2カム面466bが当接している鍔部454bとレバー支持軸465とは、間隔L2だけ離間している。
付勢部材456のばね定数は、ばね部材453のばね定数よりも著しく大きいため、「ロック解除待機状態」では付勢部材456はほぼ自由長となる。これにより、上側シャフト388、レバー部材452及びカラー454は、付勢部材456によって、撓み量Dに対応する分だけ、ばね部材453に抗して「ロック方向R」に移動させられている。このため、「ロック解除待機状態」における隙間Sは、移動可能量L4から撓み量Dを差し引いた大きさとなる。
ここで、撓み量Dは移動可能量L4に比して小さい大きさであるため、図24では、撓み量Dによる変位の影響は、隙間Sの大きさに反映されていない。
ロック機構386が図24の「ロック解除待機状態」になると、運転者は、隙間Sの分だけハンドル部材451を「ロック解除方向U」に移動させることができるようになる。
ハンドル部材451が隙間Sの分だけ移動させられると、ロック機構386は図27の「ロック解除状態」になる。
これにより、ギア450がハンドル部材451と一体に「ロック解除方向U」に移動し、ギア450は、外側ギア442に噛み合い、且つ、内側ギア440との噛み合いが解除された状態となる。この状態では、外側ギア442を内側ギア440に対して相対回転させることが可能となる。そして、運転者は、この「ロック解除状態」においてハンドル部材451を回動させると、ギア450及び外側ギア442を介して上側リンク384を回動させることができる。
この際、ばね部材453の付勢力によってハンドル部材451を「ロック方向R」に移動させることができるため、「ロック解除状態」から「ロック解除待機状態」への操作が容易である。
最後に、図23のように運転者がレバー部材452を閉じると、ロック機構386は「固定状態」になり、ハンドル部材451の軸方向への移動が規制される。
さらに、リンク部材382が固定状態となるようにギア450を車幅方向に押圧するレバー部材452が、上側シャフト388に設けられているため、レバー部材452によってギア450を押圧してリンク部材382を固定状態にできる。
また、レバー部材452がギア450を押圧するように上側シャフト388を付勢する付勢部材456が設けられているため、付勢部材456の付勢力によってレバー部材452をギア450の側の部材であるカラー454に当接させておくことができ、ガタの発生を防止できる。
また、レバー部材452が回動操作されると、レバー部材452とハンドル部材451との間の距離が大きくなり、ばね部材453の付勢力が小さくなる。これにより、レバー部材452を回動操作するとばね部材453の付勢力を小さくでき、ばね部材453の付勢力に抗してハンドル部材451を移動させることが可能になる。すなわち、レバー部材452の回動操作に連動してギア450が移動可能となる構成を実現できる。
さらに、リンク部材382は、下前方と上後方とに一対で設けられ、ハンドル部材451は、上後方の上側リンク384に設けられている。このため、ハンドル部材451が運転者の位置に近くなり、ハンドル部材451を容易に操作できる。
また、ギア450及びハンドル部材451は、上側リンク384の左右において、レバー部材452と同じ側に設けられているため、互いの位置が近いレバー部材452及びハンドル部材451を連続的に操作でき、操作性が良い。
上記第1〜第3の実施の形態では、ギアが上側リンク84,184,384に設けられる構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、下側リンク83,383にギア(ロック機構)が設けられる構成としても良い。
また、上記第3の実施形態では、レバー部材452がギア450を押圧するように上側シャフト388を付勢する付勢部材456が設けられるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、付勢部材456を設けない構成としても良い。例えば、図23の構成において付勢部材456及び内側ワッシャ472を設けないとともに、これに対応して上側シャフト388を短く形成し、外側ワッシャ471が底部331bに当接する構成としても良い。この構成であっても、各部品における上側シャフト388の軸方向の寸法を適切に管理することで、レバー部材452は、カラー454、ばね部材453、ワッシャ455、及びハンドル部材451を介してギア450を押圧できる。この場合、レバー部材452が第3カム面466cを乗り越える際の軸方向の変位は、例えば、風防装置378が全体的に弾性的に撓むことで吸収できる。或は、第3カム面466cの突出量を図23の構成よりも小さく形成することもできる。 また、上記実施の形態では、鞍乗り型車両として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両や、4輪以上を備えた鞍乗り型車両に本発明を適用しても良い。
75 サイドスタンド
78,178,378 風防装置
80 ウインドスクリーン(風防部)
81,381 ベース部材
82,382 リンク部材
84,184,384 上側リンク(上後方のリンク部材)
88,188、388 上側シャフト(シャフト)
88a,188a 軸端部(押圧部)
130 ギア
133,233 弾性部材
134 レバー
230L 他側ギア(ギア)
230R 一側ギア(ギア)
450 ギア
451 ハンドル部材
452 レバー部材
453 ばね部材
456 付勢部材
A 付勢方向
Claims (18)
- 車幅方向に向けて配置されたシャフト(88,188,388)を軸にして高さ及び傾斜を調節可能に設けられた風防部(80)を備える鞍乗り型車両の風防装置において、
前記風防部(80)は、前記シャフト(88,188,388)から延びるリンク部材(82,382)を介して取り付けられており、
前記リンク部材(82,382)は、前記シャフト(88,188,388)上に設けられて当該リンク部材(82,382)を固定するギア(130,230L,230R,450)が、車幅方向に出し入れされることで、可動状態と固定状態とを切り替えられ、
前記シャフト(88,188,388)を支持するベース部材(81,381)を備え、前記固定状態では、前記ギア(130,230L,230R,450)は、前記リンク部材(82,384)及び前記ベース部材(81,381)に係合していることを特徴とする鞍乗り型車両の風防装置。 - 前記シャフト(88,188)の車幅方向の外端のいずれか一方に、当該シャフト(88,188)を軸方向に移動させる押圧部(88a,188a)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の風防装置。
- 前記鞍乗り型車両は、当該鞍乗り型車両を左側に傾いた状態で駐車させるサイドスタンド(75)を備え、
前記シャフト(88)の前記外端には、前記押圧部を押圧するレバー(134)が設けられ、当該レバー(134)及び前記押圧部(88a)は、前記シャフト(88)の左端に設けられることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両の風防装置。 - 前記ギア(130,230L,230R)は、前記押圧部(88a,188a)で押圧される向きの反対方向に弾性部材(133,233)によって付勢され、
前記ギア(130,230L,230R)は、前記弾性部材(133,233)の付勢方向に向けて先細るテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項2または3記載の鞍乗り型車両の風防装置。 - 前記リンク部材(82)は、下前方と上後方とに一対で設けられ、前記押圧部(88a,188a)は、前記上後方のリンク部材(84,184)に設けられていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の鞍乗り型車両の風防装置。
- 前記ギア(130)は、前記上後方のリンク部材(84)において、前記押圧部(88a)とは反対側の右側に設けられていることを特徴とする請求項5記載の鞍乗り型車両の風防装置。
- 前記リンク部材(82)は、下前方と上後方とに一対で設けられ、
前記ギア(230L,230R)は、前記上後方のリンク部材(184)の左端及び右端に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両の風防装置。 - 車幅方向に向けて配置されたシャフト(388)を軸にして高さ及び傾斜を調節可能に設けられた風防部(80)を備える鞍乗り型車両の風防装置において、
前記風防部(80)は、前記シャフト(388)から延びるリンク部材(382)を介して取り付けられており、
前記リンク部材(382)は、前記シャフト(388)上に設けられて当該リンク部材(382)を固定するギア(450)が、車幅方向に出し入れされることで、可動状態と固定状態とを切り替えられ、
前記ギア(450)は、前記シャフト(388)上に軸方向に移動可能に支持されており、
前記シャフト(388)の車幅方向の外端のいずれか一方に、前記ギア(450)を保持するハンドル部材(451)が設けられていることを特徴とする鞍乗り型車両の風防装置。 - 前記固定状態となるように前記ギア(450)を車幅方向に押圧するレバー部材(452)が、前記シャフト(388)に設けられていることを特徴とする請求項8記載の鞍乗り型車両の風防装置。
- 前記レバー部材(452)が前記ギア(450)を押圧するように前記シャフト(388)を付勢する付勢部材(456)が設けられていることを特徴とする請求項9記載の鞍乗り型車両の風防装置。
- 前記レバー部材(452)は、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間に設けられるばね部材(453)を介して前記ギア(450)を押圧していることを特徴とする請求項9または10に記載の鞍乗り型車両の風防装置。
- 前記レバー部材(452)が回動操作されると、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間の距離が大きくなり、前記ばね部材(453)の付勢力が小さくなることを特徴とする請求項11記載の鞍乗り型車両の風防装置。
- 前記レバー部材(452)は、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間に設けられるカラー(454)を介して前記ハンドル部材(451)を押圧しており、前記ばね部材(453)は、カラー(454)と前記ハンドル部材(451)との間に圧縮されて設けられ、
前記レバー部材(452)が回動操作されると、当該レバー部材(452)と前記ハンドル部材(451)との間の距離が大きくなり、前記カラー(454)が前記ばね部材(453)に押されて前記ハンドル部材(451)から離間することを特徴とする請求項11または12に記載の鞍乗り型車両の風防装置。 - 前記鞍乗り型車両は、当該鞍乗り型車両を左側に傾いた状態で駐車させるサイドスタンド(75)を備え、前記レバー部材(452)は、前記シャフト(388)の左端に設けられることを特徴とする請求項9から13のいずれかに記載の鞍乗り型車両の風防装置。
- 前記リンク部材(382)は、下前方と上後方とに一対で設けられ、前記ハンドル部材(451)は、前記上後方のリンク部材(384)に設けられていることを特徴とする請求項9から14のいずれかに記載の鞍乗り型車両の風防装置。
- 前記ギア(450)及び前記ハンドル部材(451)は、前記上後方のリンク部材(384)の左右において、前記レバー部材(452)と同じ側に設けられていることを特徴とする請求項15記載の鞍乗り型車両の風防装置。
- 前記シャフト(388)を支持するベース部材(381)を備え、前記固定状態では、前記ギア(450)は、前記リンク部材(384)及び前記ベース部材(381)に係合していることを特徴とする請求項8から16のいずれかに記載の鞍乗り型車両の風防装置。
- 前記風防部(80)は、手動式で複数段階の位置の調節が可能であることを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の鞍乗り型車両の風防装置。
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