JP5982935B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、オイルポンプから吐出される油圧を検出する油圧検出手段の出力信号から油圧脈動成分を除去するようにした内燃機関の制御装置に関する。
従来、オイルパンに貯留されたオイルを吐出して被供給部位に供給する機械式のオイルポンプを備えた内燃機関のオイル供給装置が知られている。
通常、内燃機関の被供給部位は、油圧式可変動弁機構や動弁系の油圧式ラッシュアジャスタ等、内燃機関に搭載される油圧駆動部品や、クランクシャフトやカムシャフト等の摺動部位を含んで構成されている。
オイルポンプから吐出されるオイルは、これらの複数の被供給部位に対して、例えば、油圧式可変動弁機構、油圧式ラッシュアジャスタ、内燃機関の摺動部位といった順にオイル供給経路を通じて供給される。
ところで、オイルパンに貯留されるオイルは、オイルポンプによって被供給部位に供給された後、オイルパンに回収される。
このとき、オイルパンに貯留されるオイル量が少ないと、オイルパンに回収されるオイルの回収効率が悪化し、オイルパン内に貯留されるオイルレベル(油面高さ)が適正量に対して低下、すなわち、不足する。
このようにオイルレベルが低下すると、オイルパンからオイルポンプに向けてオイルを吸い上げるためのストレーナは、空気を吸い込む状態(以下、この状態をエア吸いと呼ぶ)となる可能性がある。
オイルポンプがエア吸い状態になると、オイルポンプから吐出されるオイル吐出油圧が低下してしまうため、オイルポンプから被供給部位に充分なオイル吐出量およびオイル吐出油圧のオイルを供給することができず、例えば、摺動部位の潤滑性が悪化したり、油圧駆動部品の異常挙動が発生してしまうおそれがある。
このため、オイルポンプから吐出される油圧の異常を検出し、オイルパンに貯留されるオイルレベルが低下したことを検出する必要がある。
従来、オイルポンプから吐出される油圧の異常を検出するものとしては、オイルポンプの吐出油圧を油圧センサで検出し、油圧センサの検出値が圧力低下判定値を下回っている場合に、オイルポンプにエアが吸い込まれたことに起因して油圧が低下したものと判断するようにした内燃機関の油圧制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、オイルポンプとして多用される、例えば、トロコイドポンプにあっては、インナーロータとアウターロータとの回転中心が互いに偏心しており、インナーロータの歯数がアウターロータの歯数より1枚少ない。
このトロコイドポンプは、インナーロータおよびアウターロータの回転運動によってロータ間の空間が拡大および縮小されてポンプ作用が行われることにより、オイルの圧力が高圧および低圧に交互に繰り返され、オイルの圧力変動、すなわち、油圧脈動が生じる。
この油圧脈動は、圧力の変動幅を有するため、この圧力の変動幅に対して従来のように一定の圧力低下判定値を設定して油圧の低下を検出することは、困難であるため、油圧センサの出力信号から油圧脈動成分を取り除く必要がある。
従来、油圧センサの出力信号から油圧脈動成分を取り除くものとしては、オイルポンプの前後の油圧の差圧信号に重なったオイルポンプの脈動周波数を、エンジンの回転数に比例する遮断周波数によって除去して本来の差圧信号を取り出すようにした油圧駆動装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−242527号公報 実開昭64−25561号公報
しかしながら、このような従来の油圧駆動装置にあっては、油圧センサの油圧脈動成分をエンジンの回転数に比例する遮断周波数によって除去しているが、オイルポンプの歯数とエンジン回転数とを考慮して油圧脈動成分を除去するようになっていない。
すなわち、トロコイドポンプ等のオイルポンプは、例えば、駆動歯車の歯数に応じて脈動周波数が変化し、さらに、この脈動周波数はエンジン回転数によって変化する。したがって、脈動周波数は、歯数が増大するにつれて大きくなり、さらに、エンジン回転数が高くなるにつれて大きくなる。
従来の油圧駆動装置は、油圧センサの検出値からオイルポンプの歯数とエンジン回転数とを考慮して油圧脈動成分を除去するようになっていないため、油圧脈動成分を確実に除去することができないおそれがある。
例えば、エンジン回転数に基づいて遮断周波数を設定した場合には、特定の歯数のオイルポンプに対しては、遮断周波数を設定することができるが、歯数の異なるオイルポンプを車両に搭載した場合には適用できない。このため、特定の歯数と異なる歯数のオイルポンプが搭載された場合には、遮断周波数が正確なものとはならないため、油圧脈動成分を確実に除去することができない。
この結果、オイルパンに貯留されたオイルレベルが低下したことを正確に検出することができず、摺動部位の焼き付けが発生したり、油圧駆動部品の挙動が悪化してしまうおそれがある。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、機種の異なるオイルポンプから吐出される油圧から油圧脈動成分を正確に除去して油圧の検出精度を向上させることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、上記目的を達成するため、(1)互いに噛み合う駆動歯車および従動歯車の回転運動によりオイルを吐出するオイルポンプを有し、オイル貯留手段に貯留されるオイルを前記オイルポンプから被供給部位に供給するようにした内燃機関の制御装置であって、前記オイルポンプから吐出される油圧を検出する油圧検出手段と、前記内燃機関の回転数と前記駆動歯車の歯数とに基づいて前記オイルポンプから吐出されるオイルの脈動周波数を取得し、前記油圧検出手段の検出値を前記脈動周波数に基づいてフィルタ処理する制御手段を有し、前記制御手段は前記フィルタ処理において前記油圧検出手段が検出する電気信号を周波数スペクトラム分解した周波数成分のうち最も大きい周波数成分を前記脈動周波数から除去するものから構成されている。
この内燃機関の制御装置は、制御手段が、内燃機関の回転数とオイルポンプの歯数とに基づいてオイルポンプから吐出されるオイルの脈動周波数を取得し、油圧検出手段の検出値を脈動周波数に基づいてフィルタ処理するので、機種(歯数)の異なるオイルポンプを用いた場合であっても、油圧検出手段の検出値から油圧脈動成分を除去することができる。
このため、例えば、制御手段は、油圧脈動成分が除去されて平滑化された油圧検出手段の検出値とオイル貯留手段のオイルレベルが低下したときの最低吐出油圧とを比較することにより、オイル貯留手段のオイルレベルが低下したことを高精度に検出することができる。
上記(1)の内燃機関の制御装置において、(2)前記制御手段から出力される異常信号に基づいて警告を行う警告手段を有し、前記制御手段は、前記フィルタ処理された前記油圧検出手段の検出値が、少なくとも前記内燃機関の回転数に応じて設定される最低吐出油圧未満であることを条件として、前記警告手段に前記異常信号を出力するものから構成されている。
この内燃機関の制御装置は、制御手段が、フィルタ処理された油圧検出手段の検出値が最低吐出油圧未満であることを条件として、警告手段による警告を行うので、オイル貯留手段に貯留されるオイルが不足したことを運転者に警告することができる。このため、運転者に対して、オイル貯留手段のオイルの点検またはオイル貯留手段にオイルを補充する作業を促すことができる。
また、制御手段は、平滑化された油圧検出手段の検出値と最低吐出油圧とを比較することができるので、油圧検出手段の検出値と最低吐出油圧とを正確に比較して油圧異常の誤検出が発生するのを防止することができる。
上記(1)または(2)の内燃機関の制御装置において、(3)前記被供給部位が、前記内燃機関の出力軸から動力が伝達される第1の回転体の内部にカムシャフトに連結される第2の回転体を回動可能に収容し、前記第1の回転体および前記第2の回転体によって区画される進角側油圧室および遅角側油圧室の油圧が選択的に供給されることにより、前記カムシャフトと前記出力軸との相対回転位相を可変するバルブタイミング可変機構を含み、前記制御手段は、前記フィルタ処理された前記油圧検出手段の検出値が、少なくとも前記内燃機関の回転数に応じて設定される前記オイルポンプの最低吐出油圧未満であることを条件として、前記第2の回転体が前記第1の回転体に対して回動するのを規制する保持制御を実施するものから構成されている。
この内燃機関の制御装置は、制御手段が、オイル貯留手段に貯留されるオイルレベルが低下してバルブタイミング可変機構に供給されるオイル量が少ない場合に、第2の回転体が第1の回転体に対して回動するのを規制する保持制御を実施するので、第2の回転体が第1の回転体に対して衝突すること等を防止することができ、バルブタイミング可変機構の挙動が悪化するのを防止することができる。
上記(1)〜(3)に記載の内燃機関の制御装置において、(4)前記オイルポンプの脈動周波数は、前記駆動歯車の歯数が増大するにつれて高く設定されるものから構成されている。
この内燃機関の制御装置は、オイルポンプの脈動周波数が、駆動歯車の歯数が増大するにつれて高く設定されるので、制御手段は、歯数の異なるオイルポンプを用いた場合であっても、オイルポンプの歯数に応じた脈動周波数に基づいてフィルタ処理を行うことで、油圧検出手段の検出値から油圧脈動成分を確実に除去することができる。
上記(1)〜(4)に記載の内燃機関の制御装置において、(5)前記制御手段は、前記内燃機関の回転数および前記駆動歯車の歯数に脈動周波数が関連付けられた脈動周波数マップを有し、前記脈動周波数マップから前記内燃機関の回転数および前記オイルポンプの歯数に応じた脈動周波数を選択して前記フィルタ処理を実行するものから構成されている。
この内燃機関の制御装置は、制御手段が、内燃機関の回転数および駆動歯車の歯数に脈動周波数が関連付けられた脈動周波数マップを有するので、内燃機関に搭載されるオイルポンプの機種が変更された場合に、脈動周波数マップからオイルポンプの歯数に応じた脈動周波数を取得し、油圧検出手段の検出値をこの脈動周波数に基づいてフィルタ処理することができる。このため、機種の異なるオイルポンプを用いた場合であっても、油圧検出手段の検出値から油圧脈動成分を確実に除去することができる。
上記(1)〜(5)に記載の内燃機関の制御装置において、(6)前記制御手段は、前記内燃機関の回転数と前記オイルポンプから吐出されるオイルの温度とに基づいて前記最低吐出油圧を取得するものから構成されている。
この内燃機関の制御装置は、制御手段が、内燃機関の回転数と油温とに基づいて最低吐出油圧を取得するので、内燃機関の回転数と油温に応じた最適な最低吐出油圧と油圧検出手段の検出値とを比較することができ、油圧異常を高精度に検出することができる。
本発明によれば、オイルポンプから吐出される油圧から油圧脈動成分を正確に除去して油圧の検出精度を向上させることができる内燃機関の制御装置を提供することができる。
本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施の形態を示す図であり、内燃機関の制御装置を備えた車両の概略構成図である。 本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施の形態を示す図であり、エンジンの各被供給部位とオイルの流れを示すブロック図である。 本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施の形態を示す図であり、エンジンの各被供給部位とオイルの流れを示すブロック図である。 本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施の形態を示す図であり、オイルポンプの概略構成図である。 本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施の形態を示す図であり、VVTの概略構成図、VVTにオイルを供給するオイルの供給経路および制御装置を示す図である。 本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施の形態を示す図であり、脈動周波数マップを示す図である。 本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施の形態を示す図であり、最低吐出油圧判定マップを示す図である。 本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施の形態を示す図であり、異常判定プログラムのフローチャートである。 本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施の形態を示す図であり、フィルタ処理される前の油圧センサの出力信号を示す図である。 本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施の形態を示す図であり、油圧センサの検出値を周波数スペクトラムに分解した図である。 本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施の形態を示す図であり、平滑化された油圧センサの検出値を示す図である。
以下、本発明に係る内燃機関の制御装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図11は、本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施の形態を示す図である。
まず構成を説明する。
図1において、車両1は、内燃機関としてのエンジン2と、オイル供給装置3と、内燃機関の制御装置4とを含んで構成されている。
図2に示すように、エンジン2は、図示しない気筒内に往復移動可能に収容されたピストン5が2往復する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程からなる一連の4行程を行う、所謂4サイクルのガソリンエンジンである。
このエンジン2は、気筒およびピストン5をそれぞれ4つずつ備える直列4気筒のエンジンである。なお、気筒数は一例を示すもので4気筒に限られるものではない。また、エンジン2は、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジンであってもよい。
エンジン2は、ピストン5と、バルブタイミング可変機構(Variable Valve Timing:以下、VVTという)22と、出力軸を構成するクランクシャフト6と、シリンダヘッドヘッド7、シリンダブロック8およびクランクケースからなるエンジンブロック9と、気筒内に燃料を噴射する図示しない燃料噴射装置とを含んで構成されている。
クランクシャフト6は、クランクジャーナル6aを介してエンジンブロック9に回転可能に支持されている。また、クランクシャフト6は、コネクティングロッド10を介してピストン5に連結されており、ピストン5の往復運動が伝達されて回転運動するようになっている。
なお、コネクティングロッド10は、クランクシャフト6のクランクピン6bに連結されている。
また、カムシャフトを構成する吸気カムシャフト20と、排気カムシャフト21とは、カムジャーナル19(図3参照)を介してシリンダヘッド7に回転自在に支持されている。
吸気カムシャフト20および排気カムシャフト21は、チェーン25を介してクランクシャフト6に連結されており、クランクシャフト6の動力がチェーン25を介して伝達されることにより、吸気カム20aおよび排気カム21aを介して吸気バルブ23および排気バルブ24の開閉を行うようになっている。
図1、図2に示すように、オイル供給装置3は、オイルパン11と、オイルストレーナ12と、オイルポンプ13と、オイルポンプ13から吐出されたオイルを濾過するオイルフィルタ14と、オイル通路15aおよびオイル還流通路15bを含んだオイル供給経路15(図3参照)とを含んで構成されている。
オイルパン11にはオイルストレーナ12が浸漬されており、オイルストレーナ12は、オイルパン11に貯留されたオイルを濾過するようになっている。
オイルパン11に貯留されたオイルは、オイルストレーナ12を通してオイルポンプ13によって吸い上げられてオイルポンプ13からオイル通路15aに吐出されるようになっている。オイル通路15aにはオイルフィルタ14が介装されており、オイルフィルタ14は、オイルに混入される異物を除去するようになっている。
オイルポンプ13は、例えば、トロコイドポンプやギヤポンプ等で構成され、チェーン25を介してクランクシャフト6に連結されており、クランクシャフト6とは別軸でクランクシャフト6により等速駆動されるようになっている。なお、オイルポンプ13は、チェーン25によらず、クランクシャフト6に直結されてクランクシャフト6により等速駆動される構造のものでもよい。
図4に示すように、オイルポンプ13は、駆動歯車としてのインナーロータ41、従動歯車としてのアウターロータ42およびハウジング43等を含んで構成されている。
インナーロータ41は、複数(例えば10個)の外歯41aを備えており、インナーロータ41の内周部にはクランクシャフト6とは別軸であるシャフトが連結されている。
このシャフトは、クランクシャフト6により等速駆動されるようになっており、インナーロータ41は、回転中心軸O1を中心に反時計回転方向に回転するようになっている。すなわち、インナーロータ41にはクランクシャフト6から駆動力が伝達される。
アウターロータ42は、インナーロータ41の外歯41aより多数(例えば11個)の内歯42aを備えており、その内周部にインナーロータ41を偏芯させた状態で噛合させている。また、アウターロータ42は、外径側が環状面となっており、環状面に対応したハウジング43内の内部空間に回転自在に収容されている。
インナーロータ41がクランクシャフト6によって回転されると、インナーロータ41と噛合したアウターロータ42が回転中心軸O1に対して偏芯する回転中心軸O2を中心にインナーロータ41と同方向に回転する。
ハウジング43にはオイル通路15aからオイルが導入される吸入チャンバ44およびオイル供給経路15にオイルを吐出する吐出チャンバ45が形成されている。
このような構成を有するオイルポンプ13にあっては、クランクシャフト6が回転すると、インナーロータ41およびアウターロータ42が反時計回転方向に回転し、インナーロータ41の外歯41aとアウターロータ42の内歯42aとの間の容積が拡大および縮小することにより、吸入チャンバ44内にオイルが吸入される。
インナーロータ41の外歯41aとアウターロータ42の内歯42aとの間の1つの空間は、オイルを圧縮した状態でオイルの吐出チャンバ45に臨むため、吐出時に高圧オイルが吐出され、次のインナーロータ41の外歯41aとアウターロータ42の内歯42aとの間の空間が吐出チャンバ45に臨むとき再び高圧オイルが吐出される。
そして、高圧オイルの吐出と次の高圧オイルの吐出との間は低圧となるため、インナーロータ41およびアウターロータ42の回転運動により、オイルの圧力が高圧および低圧に交互に繰り返される。このため、オイルポンプ13は、オイルの圧力変動、すなわち、油圧脈動が発生することになる。また、同一の歯数の外歯が噛み合うギヤポンプにあっても、外歯のピッチによりオイルが吐出されるタイミングにタイムラグが生じるため、吐出されるオイルの油圧脈動が発生する。
なお、オイルポンプ13としては、機械式ではなく、電動式のオイルポンプであってもよい。要は、本発明のオイルポンプは、互いに噛み合う駆動歯車および従動歯車を回転させてオイルを吐出するオイルポンプであればよい。
図2、図3に示すように、オイル通路15aの下流にはメインギャラリ17が設けられており、メインギャラリ17は、クランクシャフト6に沿ってシリンダブロック8の壁面内に延設されている。
このメインギャラリ17にはオイルポンプ13により加圧されたオイルが供給されるようになっており、メインギャラリ17に供給されたオイルは、シリンダヘッド7やシリンダブロック8に分岐して供給されるようになっている。
シリンダヘッド7およびシリンダブロック8に分岐して供給されたオイルは、エンジン2の各被供給部位に供給される。
例えば、シリンダブロック8においては、クランクシャフト6のクランクジャーナル6a、クランクピン6bと、コネクティングロッド10等の摺動部位の潤滑用のオイルや油圧駆動部品を構成するオイルジェット18の作動油として用いられる。また、シリンダヘッド7においては、吸気カムシャフト20および排気カムシャフト21のカムジャーナル19の潤滑用のオイルや油圧駆動部品を構成するVVT22やラッシュアジャスタ27の作動油として用いられる。
なお、本実施の形態では、被供給部位は、クランクジャーナル6a、クランクピン6b、コネクティングロッド10、ピストン5、カムジャーナル19等の潤滑部位と、ピストン5にオイルを供給するオイルジェット18、ラッシュアジャスタ27、VVT22等の油圧駆動部品から構成されている。
ここで、オイルジェット18は、エンジン2のピストン5の底面に向けてオイルを噴射することで、燃焼ガスに晒され熱負荷が高くなるピストン5を冷却し、例えば、高負荷運転時での異常燃焼を防止しノッキングの抑制を図るものである。
各被供給部位に供給されたオイルは、その後、エンジンブロック9内を滴下し再度オイルパン11に戻るようになっている。オイル供給装置3のオイル供給経路15は、オイル通路15a、オイル還流通路15bおよびメインギャラリ17を含んで構成されており、オイルパン11に貯留されたオイルをエンジン2の各被供給部位に供給した後に、オイルパン11に回収する循環経路として構成されている。
すなわち、オイル供給経路15は、オイルパン11に貯留されたオイルをオイルポンプ13によってエンジン2の各被供給部位に供給した後、オイルパン11に回収するまでのオイルの循環経路である。
一方、VVT22は、吸気カムシャフト20の端部に設けられており、図5に示すように、クランクシャフト6にチェーン25を介して連結された第1の回転体としてのハウジング31と、ハウジング31内に配置され、吸気カムシャフト20と一体に回転する第2の回転体としてのベーン体32とを備えている。
ハウジング31の内部にはハウジング31およびベーン体32によって区画される進角側油圧室33および遅角側油圧室34が形成されており、VVT22は、進角側油圧室33および遅角側油圧室34の容積比を変化させることで、ハウジング31に対してベーン体32を回動させ、クランクシャフト6に対する吸気カムシャフト20の回転位相を変化させることができ、吸気バルブ23のバルブタイミングを変化させることができる。
なお、進角側油圧室33の容積が増大するとともに遅角側油圧室34の容積が縮小するようにベーン体32がハウジング31に対して相対回転したときには、バルブタイミングが進角となる。
また、遅角側油圧室34の容積が増大するとともに進角側油圧室33の容積が縮小するようにベーン体32がハウジング31に対して相対回転したときには、バルブタイミングの遅角となる。
VVT22は、進角側油圧室33と遅角側油圧室34の何れか一方に選択的にオイル(作動油)が供給されることで、進角側油圧室33と遅角側油圧室34の容積比を変化させることができる。
進角側油圧室33にオイルを供給する場合には、供給されたオイルの分だけ進角側油圧室33が拡大するとともに、遅角側油圧室34からは進角側油圧室33の拡大に伴ってオイルが押し出される。逆に、遅角側油圧室34にオイルを供給する場合には、供給されたオイルの分だけ遅角側油圧室34が拡大し、進角側油圧室33は、オイルが押し出されることによって縮小する。
また、VVT22には、VVT22の動作をロックするための保持機構が設けられている。この保持機構は、VVT22のベーン体32に設けられたロックピン35と、ハウジング31に形成されたロック穴36とを含んで構成される。
ロックピン35がロック穴36に係合することでベーン体32はハウジング31に対して所定の回転角、すなわち、所定位置で固定されることになる。
本実施の形態ではバルブタイミングを最遅角させる位置にロック穴36が設けられており、バルブタイミングを最遅角されると、ロックピン35がロック穴36に嵌合されてベーン体32がハウジング31に対して回動することが規制される。
すなわち、ベーン体32がハウジング31に固定され、ベーン体32がハウジング31に保持される。なお、ロックピン35は、図示しないコイルスプリング等によってロック穴36の方向に付勢されており、遅角側油圧室34に供給される油圧が所定油圧以上となると、コイルスプリングの付勢力に抗してロック穴36から抜け出るようになっている。 このとき、ベーン体32は、ハウジング31に対して相対回動自在となる。
また、保持機構においてロックピン35を駆動する駆動力は、ベーン体32に内蔵されたスプリング(図示略)の付勢力と、VVT22に供給される油圧である。スプリングの付勢力はロックピン35をロック穴36に押し込む方向に作用し、油圧はロックピン35をロック穴36から押し出す方向に作用するようになっている。
VVT22に供給されるオイルは、VVT通路37によってメインギャラリ17から取り出されるようになっている。
VVT通路37の先端部にはオイルコントロールバルブ(Oil control valve、以下、単にOCVという)38が取り付けられている。OCV38とVVT22の進角側油圧室33とは油圧通路39によって接続され、OCV38とVVT22の遅角側油圧室34とは油圧通路40によって接続されている。
OCV38は、オイルの供給先を油圧通路39と油圧通路40とで切換える通路切換弁であると同時に、その開度の制御によってオイルの供給量を調整できる流量調整弁でもある。
詳しくは、OCV38は、電磁駆動式のスプール弁であって、スリーブ内のスプールの位置によって油圧通路39および油圧通路40に対するオイルの給排を制御することができる。スプールは移動方向の一方の端部をスプリングによって支持され、他方の端部をソレノイドによって支持されている。
スプールの位置は、ソレノイドに供給する駆動電流のデューティ比によって制御することができる。ソレノイドへの非通電時には、スプールはスプリングの付勢力によって所定の初期位置に置かれる。この初期位置では、VVT通路37は、油圧通路40に接続されるようになっている。
また、図1に示すように、オイル還流通路15bは、オイルポンプ13の吐出側のオイル通路15aに接続されており、このオイル還流通路15b上にはリリーフバルブ26が設けられている。このリリーフバルブ26は、オイルポンプ13の吐出側の油圧(吐出油圧)が所定値を越えたときに作動(開弁)してオイルをオイルパン11またはオイルポンプ13内にリリーフするものである。
図1、図5に示すように、制御装置4は、油圧センサ51、油温センサ52、クランク角センサ53、エンジンコントロールユニット(以下、ECUという)54およびウォーニングランプ55を含んで構成されている。
油圧センサ51は、油圧検出手段を構成しており、オイルポンプ13の吐出側のオイル通路15aに設けられている。油圧センサ51は、オイルポンプ13からVVT22等の油圧駆動部品やエンジン2の摺動部位に供給される油圧を検出して、油圧に応じた信号をECU54に出力するようになっている。なお、油圧センサ51は、メインギャラリ17に設けられていてもよい。
油温センサ52は、オイルポンプ13の吐出側のオイル通路15aに設けられており、オイルポンプ13から吐出されるオイルの温度(以下、油温という)を検出するようになっている。油温センサ52は、メインギャラリ17に設けられてもよい。
油温センサ52は、油温検出手段を構成しており、油温センサ52は、例えば、油温に応じて抵抗値が変化するサーミスタによって構成され、抵抗値の変化に応じて変化する電圧を油温を表す信号としてECU54に出力するようになっている。
クランク角センサ53は、クランクシャフト6の近傍に設けられており、クランク角センサ53は、例えば、電磁ピックアップであって、クランクシャフト6が回転する際にクランクシャフト6に設けられた図示しないシグナルロータの歯に対応するパルス状の信号(出力パルス)を発生してECU54に出力する。ECU54は、クランク角センサ53の出力情報に基づいて単位時間当たりのパルス数を計測することにより、エンジン回転数を演算する。
ECU54は、CPU(Central Processing Unit)54a、ROM(Read Only Memory)54b、RAM(Random Access Memory)54c、油圧センサ51、油温センサ52、クランク角センサ53、OCV38およびウォーニングランプ55に接続された入出力インターフェース54dを含んで構成されている。
ROM54bには異常判定プログラムを含んだ各種制御プログラムや、これら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。
図6に示すように、ROM54bには脈動周波数マップが記憶されており、この脈動周波数マップは、オイルポンプ13のインナーロータ41の歯数(枚)およびエンジン回転数(rpm)と、f1〜fnに示す脈動周波数(Hz)の大きさとが関連付けられている。
脈動周波数は、インナーロータ41の歯数が多い程、高くなって設定されており、さらに、エンジン回転数が高い程、高く設定されている。すなわち、図6に示すように、遮断周波数f1〜fnは、インナーロータ41の歯数およびエンジン回転数に応じて異なる周波数に設定されている。
図7に示すように、ROM54bには最低吐出油圧判定マップが格納されている。この最低吐出油圧判定マップは、油温(℃)毎にエンジン回転数とそのエンジン回転数での最低吐出油圧とが割り当てられてROM54bに記憶されている。
すなわち、最低吐出油圧判定マップは、油温毎に複数のマップを有しており、図7では、T℃の油温にエンジン回転数とそのエンジン回転数での最低吐出油圧とが割り当てられたマップの一例を示している。この最低吐出油圧は、オイルの粘性が低い高油温になる程、低く設定される。
なお、最低吐出油圧判定マップは、油温毎にエンジン回転数とそのエンジン回転数での最低吐出油圧とが割り当てられてもよいし、一定の油温範囲毎(例えば、10℃毎)にエンジン回転数とそのエンジン回転数での最低吐出油圧とが割り当てられてもよい。
RAM54cは、CPU54aでの演算結果や上述した各種センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、ワークエリアの一部も構成する不揮発性のメモリである。
ECU54は、油圧センサ51の検出値を高速フーリエ変換して周波数スペクトラムに分解する。そして、ECU54は、RAM54cに記憶された脈動周波数マップを参照し、クランク角センサ53の検出情報およびオイルポンプ13のインナーロータ41の歯数に基づいて脈動周波数を取得する。そして、ECU54は、分解された周波数スペクトラムの中から脈動周波数マップから取得した脈動周波数成分を除去する。本実施の形態では、ECU54が制御手段を構成している。
また、ECU54は、油圧センサ51、油温センサ52およびクランク角センサ53の検出情報に基づいて最低吐出油圧マップを参照し、最低吐出油圧マップから最低吐出油圧を取得する。
ECU54は、この最低吐出油圧と脈動周波数成分が除去された油圧センサ51の検出値とを比較し、この油圧が最低吐出油圧よりも小さいことを条件として、油圧異常と判断するようになっている。本実施の形態では、ECU54が制御手段を構成している。
ECU54は、油圧異常と判断すると、ウォーニングランプ55に異常信号を出力するようになっている。ウォーニングランプ55は、油圧異常が発生してオイルパン11内のオイルレベルが低下したことを警告する警告灯である。
ウォーニングランプ55は、ECU54から異常信号が入力したときに点灯あるいは点滅して油圧異常を警告することにより、オイルパン11内のオイルレベルが低下したことを運転者に警告する。本実施の形態では、ウォーニングランプ55が警告手段を構成している。
また、ECU54は、油圧異常と判定すると、OCV38を制御して進角側油圧室33にオイルを供給するとともに遅角側油圧室34からオイルを排出することにより、ロックピン35がロック穴36にロックされるようにベーン体32をハウジング31に対して回動させる保持制御を実施する。
次に、図8〜図11に基づいてエンジン2の異常判定処理を説明する。
図8は、制御装置4のECU54で実行される異常判定処理について説明する。なお、図8のフローチャートは、ROM54bに記憶された異常判定プログラムであり、この異常判定プログラムは、CPU54aによって一定時間毎に実施される。また、RAM54cには、車両に搭載されたオイルポンプ13のインナーロータ41の歯数が記憶されている。この処理は、工場からの出荷時等に作業者によって実行されるものである。
図8において、CPU54aは、クランク角センサ53の検出情報に基づいてエンジン回転数を算出した後(ステップS1)、油圧センサ51の検出情報に基づいてオイルポンプ13から吐出される油圧を検出する(ステップS2)。ここで、図9に示すように、オイルポンプ13から吐出される油圧は、変動幅の大きい油圧脈動により油圧が変動して推移する。
次いで、CPU54aは、脈動周波数算出マップを算出し、エンジン回転数とオイルポンプ13のインナーロータ41の歯数とに応じた脈動周波数を取得する(ステップS3)。次いで、CPU54aは、フィルタ処理を実施して油圧信号Pを取得する(ステップS4)。
このフィルタ処理において、CPU54aは、油圧センサ51の検出値である電気信号を高速フーリエ変換して周波数スペクトラムに分解する(図10参照)。次いで、CPU54aは、RAM54cに記憶された脈動周波数マップを参照し、エンジン回転数と歯数とに応じた脈動周波数を取得し、周波数スペクトラムの中から脈動周波数マップから取得した脈動周波数成分faを除去する。この脈動周波数成分faは、スペクトラム分解された脈動周波数の中で最も大きいので、最も大きい周波数成分を除去することができる。
次いで、CPU54aは、脈動周波数成分が除去された周波数スペクトラムを逆変換することにより、図11に示すように、油圧センサ51の検出値から動周波数成分が除去されて平滑化された油圧信号Pを得ることができる。
このフィルタ処理が終了すると、CPU54aは、油温センサ52の検出情報に基づいて油温を検出するとともに(ステップS5)、クランク角センサ53の検出情報に基づいてエンジン回転数を算出する(ステップS6)。
次いで、CPU54aは、油圧センサ51、油温センサ52およびクランク角センサ53の検出情報に基づいて最低吐出油圧マップを参照し、最低吐出油圧マップから最低吐出油圧Paを取得する(ステップS7)。
ECU54は、この最低吐出油圧Paと脈動周波数成分が除去された油圧信号Pとを比較し、油圧信号Pが最低吐出油圧Paよりも大きいか否かを判別する(ステップS8)。CPU54aは、油圧信号Pが最低吐出油圧Pa以上であるものと判断した場合には、オイルパン11のオイルレベルが正常であるものと判断してステップS1に処理を戻す。
また、CPU54aは、油圧信号Pが最低吐出油圧Pa未満であるものと判断した場合には、オイルパン11内のオイルレベルが適正な液面よりも低下し、エア吸いによって被供給部位に供給されるオイルの圧力が低下したものと判断するようになっている。
なお、適正なレベルとは、油圧が油温およびエンジン回転数に応じた油圧よりも大きく低下し、被供給部位を構成する潤滑部位の潤滑性や油圧駆動部品の挙動が悪化するレベルである。
CPU54aは、油圧信号Pが最低吐出油圧Pa未満であるものと判断すると、ウォーニングランプ55に異常信号を出力して(ステップS9)、ウォーニングランプ55を点灯させる。
CPU54aは、ウォーニングランプ55に異常信号を出力した後、VVT22の保持制御を実施して(ステップS10)、今回の処理を終了する。
具体的には、OCV38は、ソレノイドの非通電時にスプールがスプリングの付勢力によってVVT通路37が油圧通路40に接続されるようになっている。このため、CPU54aは、異常信号の出力後にソレノイドを通電する。ソレノイドが通電されると、スプールがスプリングの付勢力に抗してVVT通路37を油圧通路39に接続するように移動する。
油圧通路39は、進角側油圧室33に連通しているため、VVT通路37が油圧通路39に接続されると、オイルポンプ13から吐出されてメインギャラリ17を介してVVT通路37に供給されるオイルが、油圧通路39を介して進角側油圧室33に供給され、遅角側油圧室34内のオイルが遅角側油圧室34からOCV38に排出される。
このため、進角側油圧室33の容積が増大されるとともに遅角側油圧室34の容積が縮小され、ロックピン35がロック穴36に嵌合されるようにベーン体32がハウジング31に対して回動し、ロックピン35がロック穴36に嵌合される。
したがって、ベーン体32がハウジング31に対して回動しないようにロックピン35がハウジング31に保持された状態となる。
このように本実施の形態では、制御装置4のCPU54aが、エンジン回転数とインナーロータ41の歯数とに基づいてオイルポンプ13から吐出されるオイルの脈動周波数を取得し、油圧センサ51の検出値を脈動周波数に基づいてフィルタ処理するので、機種(歯数)の異なるオイルポンプ13を用いた場合であっても、油圧センサ51の検出値から油圧脈動成分を除去することができ、油圧センサ51の検出値を平滑化することができる。
また、CPU54aが、油圧センサ51の検出値がエンジン回転数に応じて設定される最低吐出油圧未満であることを条件として、ウォーニングランプ55に異常信号を出力してウォーニングランプ55を点灯または点滅させる。
このため、オイルパン11内のオイルが不足したことを運転者に警告することができ、運転者に対して、オイルパン11のオイルの点検またはオイルパン11にオイルを補充する作業を促すことができる。
また、CPU54aが、平滑化された油圧センサ51の検出値と最低吐出油圧とを比較することができるので、油圧センサ51の検出値と最低吐出油圧とを正確に比較して油圧異常の誤検出が発生するのを防止することができる。
また、本実施の形態の制御装置4は、CPU54aが、フィルタ処理された油圧センサ51の検出値がエンジン回転数に応じて設定される最低吐出油圧未満であることを条件として、ベーン体32がハウジング31に対して回動するのを規制する保持制御を実施するので、進角側油圧室33または遅角側油圧室34に供給される油圧が急激に低下することによって、ベーン体32がハウジング31に衝突すること等を防止することができ、VVT22の挙動が悪化するのを防止することができる。
また、本実施の形態の制御装置4は、ROM54bに、エンジン回転数およびインナーロータ41の歯数に脈動周波数が関連付けられた脈動周波数マップを有するので、エンジン2に搭載されるオイルポンプ13の機種が変更された場合に、CPU54aが、脈動周波数マップからインナーロータ41の歯数に応じたを取得し、油圧センサ51の検出値をこの脈動周波数に基づいてフィルタ処理することができる。このため、機種の異なるオイルポンプ13を用いた場合であっても、油圧センサ51の検出値から油圧脈動成分を確実に除去することができる。
特に、オイルポンプ13の脈動周波数は、インナーロータ41の歯数が増大するにつれて高く設定されるので、歯数の異なるオイルポンプ13を用いた場合であっても、インナーロータ41の歯数に応じた脈動周波数に基づいてフィルタ処理を行うことで、油圧センサ51の検出値から油圧脈動成分を確実に除去することができる。
また、本実施の形態の制御装置4は、CPU54aが、エンジン回転数とオイルポンプ13から吐出される油温とに基づいて最低吐出油圧を取得するので、エンジン回転数と油温に応じた最適な最低吐出油圧と油圧センサ51の検出値とを比較することができ、油圧異常を高精度に検出することができる。
なお、本実施の形態の制御装置4は、フィルタ処理として高速フーリエ変換を行っているが、ECU54がローパスフィルターを備える構成としてもよい。この場合には、オイルポンプ13のインナーロータ41の歯数(枚)およびエンジン回転数(rpm)と遮断周波数の大きさとが関連付けられた脈動周波数マップを設け、遮断周波数を脈動周波数よりも低い周波数に設定すればよい。
このようにしても油圧センサ51の検出値から油圧脈動成分を除去することができる。この脈動周波数マップは、図6に相当するものであり、図6の周波数成分f1〜fnが遮断周波数となる。
また、本実施の形態では、ROM54bに脈動周波数マップを設け、脈動周波数マップからエンジン回転数とインナーロータ41の歯数に応じて脈動周波数を取得しているが、CPU54aによってエンジン回転数とインナーロータ41の歯数とに応じた脈動周波数を計算して取得するようにしてもよい。
以上のように、本発明に係る内燃機関の制御装置は、オイルポンプの吐出油圧の油圧脈動の大きさから気泡率が増大したことを推定することで、オイルレベルが低下したことを正確に検出することができるという効果を有し、オイルポンプから吐出される油圧を検出する油圧検出手段の出力信号から油圧脈動成分を除去するようにした内燃機関の制御装置等として有用である。
2 エンジン(内燃機関)
4 制御装置
5 ピストン(被供給部位)
6 クランクシャフト(出力軸)
6a クランクジャーナル(被供給部位)
6b クランクピン(被供給部位)
10 コネクティングロッド(被供給部位)
11 オイルパン(オイル貯留手段)
13 オイルポンプ
18 オイルジェット(被供給部位)
19 カムジャーナル(被供給部位)
20 吸気カムシャフト(カムシャフト)
22 VVT(バルブタイミング可変機構、被供給部位)
27 ラッシュアジャスタ(被供給部位)
31 ハウジング(第1の回転体)
32 ベーン体(第2の回転体)
33 進角側油圧室
34 遅角側油圧室
41 インナーロータ(駆動歯車)
42 アウターロータ(従動歯車)
51 油圧センサ(油圧検出手段)
52 油温センサ(油温検出手段)
54 ECU(制御手段)
55 ウォーニングランプ(警告手段)

Claims (6)

  1. 互いに噛み合う駆動歯車および従動歯車の回転運動によりオイルを吐出するオイルポンプを有し、オイル貯留手段に貯留されるオイルを前記オイルポンプから被供給部位に供給するようにした内燃機関の制御装置であって、
    前記オイルポンプから吐出される油圧を検出する油圧検出手段と、
    前記内燃機関の回転数と前記駆動歯車の歯数とに基づいて前記オイルポンプから吐出されるオイルの脈動周波数を取得し、前記油圧検出手段の検出値を前記脈動周波数に基づいてフィルタ処理する制御手段を有し、
    前記制御手段は前記フィルタ処理において前記油圧検出手段が検出する電気信号を周波数スペクトラム分解した周波数成分のうち最も大きい周波数成分を前記脈動周波数から除去することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記制御手段から出力される異常信号に基づいて警告を行う警告手段を有し、
    前記制御手段は、前記フィルタ処理された前記油圧検出手段の検出値が、少なくとも前記内燃機関の回転数に応じて設定される最低吐出油圧未満であることを条件として、前記警告手段に前記異常信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記被供給部位が、前記内燃機関の出力軸から動力が伝達される第1の回転体と、前記第1の回転体の内部に回動可能に収容され、カムシャフトに連結される第2の回転体とを備え、前記第1の回転体および前記第2の回転体によって区画される進角側油圧室および遅角側油圧室に油圧が選択的に供給されることにより、前記カムシャフトと前記出力軸との相対回転位相を可変するバルブタイミング可変機構を含み、
    前記制御手段は、前記フィルタ処理された前記油圧検出手段の検出値が、少なくとも前記内燃機関の回転数に応じて設定される前記オイルポンプの最低吐出油圧未満であることを条件として、前記第2の回転体が前記第1の回転体に対して回動するのを規制する保持制御を実施することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記オイルポンプの脈動周波数は、前記駆動歯車の歯数が増大するにつれて高く設定されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記内燃機関の回転数および前記駆動歯車の歯数に脈動周波数が関連付けられた脈動周波数マップを有し、前記脈動周波数マップから前記内燃機関の回転数および前記オイルポンプの歯数に応じた脈動周波数を選択して前記フィルタ処理を実行することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1の請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記内燃機関の回転数と前記オイルポンプから吐出されるオイルの温度とに基づいて前記最低吐出油圧を取得することを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1の請求項に記載の内燃機関の制御装置。
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