JP2018091233A - 車両の制御装置 - Google Patents

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治仁 藤村
Haruhito Fujimura
治仁 藤村
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Abstract

【課題】油圧センサの故障検出精度を向上する。【解決手段】車両の制御装置は、オイル吐出量を変更可能な可変容量オイルポンプと、前記可変容量オイルポンプの発生する油圧により動作して内燃機関の機関バルブのバルブタイミングを可変とする油圧式可変動弁機構と、前記油圧を検出する油圧センサと、クランクシャフトの回転角とカムシャフトの回転角とに基づいて、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対位相を算出する算出部と、前記相対位相を目標位相に保持する制御中に、前記相対位相の変動量が閾値以上である場合、前記可変容量オイルポンプの吐出量を増加させる吐出量増加部と、前記可変容量オイルポンプの吐出量を増加させた後に、前記相対位相の変動量が前記閾値未満となった場合に、前記油圧センサの故障と判定する判定部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の制御装置に関する。
車両等に搭載されるエンジンの各部の潤滑・冷却や可変バルブタイミング機構等を作動させるためのエンジンオイルを供給するオイルポンプとして、オイル吐出量を変更可能な可変容量オイルポンプが使用されている。可変容量オイルポンプのオイル吐出量は、例えば、メインギャラリの油圧を検出する油圧センサの出力値に基づいて算出され、目標吐出量となるようにフィードバック制御される。
特許文献1には、油圧センサの出力値が異常な値を示す、規定時間以上変化しない場合などに、油圧センサが故障していると判断する技術が開示されている。
特開2011−33149号公報
しかしながら、油圧センサの出力値が正常とされる範囲内にある場合でも、例えば経年劣化等に起因してその出力値が実際の値(実際の油圧)からずれてしまう場合がある。特許文献1の技術では、このような油圧センサの故障を検出することができない。
そこで、本明細書開示の車両の制御装置は、油圧センサの故障検出精度を向上することを課題とする。
かかる課題を解決するために、本明細書に開示された車両の制御装置は、オイル吐出量を変更可能な可変容量オイルポンプと、前記可変容量オイルポンプの発生する油圧により動作して内燃機関の機関バルブのバルブタイミングを可変とする油圧式可変動弁機構と、前記油圧を検出する油圧センサと、クランクシャフトの回転角とカムシャフトの回転角とに基づいて、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対位相を算出する算出部と、前記相対位相を目標位相に保持する制御中に、前記相対位相の変動量が閾値以上である場合、前記可変容量オイルポンプの吐出量を増加させる吐出量増加部と、前記可変容量オイルポンプの吐出量を増加させた後に、前記相対位相の変動量が前記閾値未満となった場合に、前記油圧センサの故障と判定する判定部と、を備える。
本明細書開示の車両の制御装置は、油圧センサの故障検出精度を向上することができる。
図1は、一実施形態に係る車両の制御装置が適用されたエンジンシステムの構成を示す概略図である。 図2は、ECUが実行する油圧センサの故障判定処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。
まず、図1を参照し、一実施形態に係る車両の制御装置が適用されたエンジンシステムについて説明する。図1は、一実施形態に係る車両の制御装置が適用されたエンジンシステム100の構成を示す概略図である。
図1に示すように、エンジンシステム100では、オイルパン10に溜まった潤滑油(以下、エンジンオイルという)が、可変容量オイルポンプ50の動作による吸引力により、オイルストレーナ12を介してオイルパン10から吸引される。吸引されたエンジンオイルは、オイルフィルタ15とオイルクーラ16とを通過したのち、メインギャラリ11を通過して内燃機関(以下、エンジンという)の各部40(例えば、クランクジャーナルやカムジャーナル等)に供給される。メインギャラリ11の油圧は油圧センサ20によって検知される。
本実施形態の可変容量オイルポンプ50は、オイル吐出量を変更可能な公知の可変容量型のオイルポンプである。可変容量オイルポンプ50には、可変容量オイルポンプ50とメインギャラリ11とを接続する油路61から分岐した油路61aが接続されている。油路61aには、リニアソレノイドバルブからなるオイルコントロールバルブ51(以下、OCV51と記載する)が設けられている。OCV51は、後述するECU(Electronic Control Unit)70の制御により開閉する。OCV51の開閉によって可変容量オイルポンプ50の圧力室に導入されるオイル流量(油圧)が変更される。これにより、可変容量オイルポンプ50の容量が変更され、オイル吐出量が変更される。
また、エンジンシステム100は、可変容量オイルポンプ50の発生する油圧により、図示しないエンジンの機関バルブ(吸気弁及び排気弁)のバルブタイミングを可変とする油圧式の可変バルブタイミング機構30(以下、油圧VVT30と記載する)を備える。油圧VVT30は、メインギャラリ11の油圧調節によって作動油圧が制御されるようになっている。油圧VVT30は、油圧式可動弁機構の一例である。
また、エンジンシステム100は、ECU70を備える。ECU70は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び記憶装置等を備える。ECU70は、ROMや記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより各種制御を行う。ECU70は、算出部、吐出量増加部、及び判定部の一例である。
上述したOCV51、油圧センサ20の他、クランクシャフトの回転角を検出するクランク角センサ21、カムシャフトの回転角を検出するカム角センサ22等が、ECU70に接続されている。
ECU70は、油圧センサ20、クランク角センサ21、カム角センサ22等の検出信号に基づいてOCV51の開度を変更し、油圧センサ20の故障を判定する故障判定処理を実行する。
図2は、ECU70が実行する故障判定処理の一例を示すフローチャートである。
ECU70は、まず、クランク角センサ21の出力値とカム角センサ22の出力値とから、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対位相であるVVT位相を算出する(ステップS11)。
続いて、ECU70は、VVT位相をエンジンの運転状態に応じた目標位相に保持するVVT位相保持制御が行われているか否かを判断する(ステップS12)。VVT位相保持制御が行われているか否かは、例えば、VVT位相保持要求がONであるか否かにより判断すればよい。VVT位相保持制御が行われていない場合(ステップS12/NO)、ステップS11に戻る。
VVT位相保持制御が行われている場合(ステップS12/YES)、ECU70は、VVT位相の変動量が閾値以上であるか否かを判断する(ステップS13)。本ステップでは、VVT位相に許容範囲を超えた変動が生じているか否かを判断している。VVT位相の変動量は、例えば、VVT位相保持制御中の目標位相とVVT位相との差としてもよいし、VVT位相の最大値とVVT位相の最小値との差としてもよい。ここで、VVT位相保持制御中、油圧センサ20に故障がなく、油圧のフィードバック制御が正常に行われている場合、VVT位相と目標位相との差は所定範囲内に保たれる。しかし、油室からのオイルリークやオイル吐出量の不足によって位相保持に必要な油圧が不足すると、VVT位相が許容範囲を超えて変動し、VVT位相と目標位相との差が所定範囲を超える。例えば、油圧センサ20が故障し、油圧センサ20の検出値が実際の油圧よりも大きな値を示している場合、可変容量オイルポンプ50のオイル吐出量が実際に必要なオイル吐出量よりも小さくなり、油圧の不足によってVVT位相が許容範囲を超えて変動する場合がある。
そこで、VVT位相保持制御が行われている場合にVVT位相の変動量が閾値以上である場合(ステップS13/YES)、ECU70は、OCV51を制御して、可変容量オイルポンプ50のオイル吐出量を増加させる(ステップS15)。VVT位相の許容範囲を超えた変動は、可変容量オイルポンプ50のオイル吐出量を十分に確保し、油圧VVT30が備える油室へのオイル供給量を十分に確保すれば解消することができるからである。
次に、ECU70は、VVT位相の変動量が閾値未満となったか否かを判断する(ステップS17)。本ステップでは、VVT位相と目標位相との差が所定の範囲内になったか否かを判断している。可変容量オイルポンプ50のエンジンオイル吐出量を増加させることによってVVT位相の変動量が閾値未満となった場合(ステップS17/YES)、油圧センサ20が実際の値よりも大きな値を示しており、油圧VVT30に供給する油圧が十分でなかったと考えられる。したがって、可変容量オイルポンプ50のオイル吐出量を増加させることによりVVT位相の変動量が閾値未満となった場合(ステップS17/YES)、ECU70は、油圧センサ20に故障が発生していると判定する(ステップS19)。
一方、VVT位相の変動量が閾値未満とならない場合(ステップS17/NO)、ECU70は、オイル吐出量が閾値よりも大きいか否かを判断する(ステップS21)。オイル吐出量が閾値未満である場合(ステップS21/NO)、ECU70は、ステップS15に戻り、オイル吐出量を増加させる。
一方、オイル吐出量が閾値よりも大きい場合(ステップS21/YES)、すなわち、可変容量オイルポンプ50のオイル吐出量を閾値よりも大きくしてもVVT位相の変動量が閾値未満とならなかった場合には、油圧センサ20ではなく、他の箇所(例えば、油圧VVT30)で故障が発生していると考えられる。したがって、この場合、ECU70は、油圧センサ20には故障は発生していないと判定する(ステップS23)。
なお、ステップS13において、VVT位相の変動量が閾値未満である場合(ステップS13/NO)は、ECU70は、ステップS12に戻る。
図2の処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。
以上、詳細に説明したように、エンジンシステム100は、オイル吐出量を変更可能な可変容量オイルポンプ50と、可変容量オイルポンプ50の発生する油圧により動作してエンジンの吸気弁及び排気弁のバルブタイミングを可変とする油圧VVT30と、油圧VVT30に供給される油圧を検出する油圧センサ20と、クランクシャフトの回転角とカムシャフトの回転角とに基づいてVVT位相(クランクシャフトに対するカムシャフトの相対位相)を算出し、VVT位相を目標位相に保持する制御中に、VVT位相の変動量が所定の閾値以上である場合、可変容量オイルポンプ50のオイル吐出量を増加させ、可変容量オイルポンプ50のオイル吐出量を増加させた後に、VVT位相の変動量が所定の閾値未満となった場合に、油圧センサ20の故障と判定するECU70と、を備える。これにより、油圧センサ20の出力値が正常とされる範囲内にあるが、実際の値(実際の油圧)からずれた値(実際の値を上回る値)を示すような油圧センサ20の故障を検出することができ、油圧センサ20の故障検出精度を向上することができる。
上記実施形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
20 油圧センサ
30 油圧VVT(油圧式可変動弁機構)
50 可変容量オイルポンプ
70 ECU(算出部、吐出量増加部、判定部)
100 エンジンシステム(車両の制御装置)

Claims (1)

  1. オイル吐出量を変更可能な可変容量オイルポンプと、
    前記可変容量オイルポンプの発生する油圧により動作して内燃機関の機関バルブのバルブタイミングを可変とする油圧式可変動弁機構と、
    前記油圧を検出する油圧センサと、
    クランクシャフトの回転角とカムシャフトの回転角とに基づいて、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対位相を算出する算出部と、
    前記相対位相を目標位相に保持する制御中に、前記相対位相の変動量が閾値以上である場合、前記可変容量オイルポンプの吐出量を増加させる吐出量増加部と、
    前記可変容量オイルポンプの吐出量を増加させた後に、前記相対位相の変動量が前記閾値未満となった場合に、前記油圧センサの故障と判定する判定部と、
    を備える車両の制御装置。
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