JP5978525B2 - グラブバケットの昇降制御装置、これを備えるアンローダ、及びグラブバケットの昇降制御方法 - Google Patents
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Description
グラブバケットを着床させた際、吊ロープを繰り出していく動作を停止させるが、動作を停止させるのに時間差が生じて吊ロープが弛む過繰り出しが生じうる。特に、黒色の石炭などの暗色系のばら荷では、ばら荷の高低差を視認しづらく、それ故に着床から吊ロープの繰り出し動作を停止させるまでに大きな時間差が生じて過度の過繰り出しが生じやすい。過度の過繰り出しが生じると吊ロープが過繰り出しによって弛んだ状態から緊張した状態となる際に、吊ロープに過度の衝撃力が作用し損傷してしまうおそれがあり、過度な過繰り出しは吊ロープの寿命の低下の原因にもなりうる。
本発明の一態様に係るグラブバケットの昇降制御装置は、吊ロープによって昇降可能に吊り下げられるとともに、開閉ロープによって開閉可能なグラブバケットの昇降制御装置において、前記吊ロープ及び前記開閉ロープの繰り出し長さと、前記吊ロープの張力とを取得する情報取得部と、前記情報取得部から取得した前記開閉ロープの繰り出し長さに基づいて、前記開閉ロープの繰り出し速度または繰り出し長さを制御して、前記開閉ロープの巻取りまたは繰り出しを行わせる開閉ロープ制御部と、前記情報取得部から取得した前記吊ロープの繰り出し長さに基づいて、前記吊ロープの繰り出し速度または繰り出し長さを制御して、前記吊ロープの巻取り、または、繰り出しを行わせる第一巻き制御部と、前記情報取得部から取得した前記吊ロープの張力に基づいて、前記吊ロープの張力を制御して前記吊ロープの巻取り、または、繰り出しを行わせる第二巻き制御部と、前記第一巻き制御部で前記開閉ロープの巻取り及び繰り出しを制御した状態で、前記情報取得部で取得された前記吊ロープの張力を監視して、該張力が減少した場合に、前記吊ロープの制御を前記第一巻き制御部から前記第二巻き制御部に切り替える切替制御部と、を備え、前記第二巻き制御工程は、前記吊ロープに所定の張力を与えるように前記吊ロープを制御し、前記開閉ロープ制御工程が、前記開閉ロープの巻取り及び繰り出しを制御してグラブバケットを閉塞させることを特徴とする。
図1に示すように、本実施形態のアンローダ1は、船Sから石炭や鉱石などのばら荷Cを陸揚げ対象物として搬送するクレーンである。このようなアンローダ1は、船Sに向かって岸壁から突出して設けられるクレーンブーム・ガータ3と、搬送する対象物であるばら荷Cを掴みとるためのグラブバケット2と、クレーンブーム・ガータ3上に設けられグラブバケット2を昇降させるとともに開閉させる作動装置10と、グラブバケット2によって掴まれたばら荷Cを一時貯蔵するホッパ4と、作動装置10を制御する昇降制御装置20と、を有する。即ち、本実施形態におけるアンローダ1は、いわゆるシングルロープ式のアンローダ1であり、作動装置10によって主トロリ13の水平移動も制御されている。
開閉ロープ12は、本実施形態ではワイヤーロープであり、対をなして備えられている。これらの開閉ロープ12は、一対の開閉ドラム15からそれぞれ左右方向に繰り出され、左右それぞれに分かれて配置されるガイドローラ17を経由し主トロリ13を通ってグラブバケット2と接続されている。そして、開閉ロープ12は、その繰り出しによりグラブバケット2を開放させる一方、巻取りによりグラブバケット2を閉塞させるように、グラブバケット2に接続されている。
繰り出しセンサー16は、吊ドラム14及び開閉ドラム15に内蔵されており、吊ドラム14や開閉ドラム15の回転数及び回転速度を測定することで、巻取り及び繰り出したロープの繰り出し長さ及び繰り出し速度を検出している。
記憶部22は、例えばRAMなどの書き換え可能なものであり、後述するように、グラブバケット2が着床した位置で繰り出しセンサー16から検出された吊ロープ11や開閉ロープ12の繰り出し長さの値を記憶する。記憶部22では、新たな各ロープの繰り出し長さが入力されると、記憶される繰り出し長さの値が更新される。
操作部23は、外部から手動で制御部24にグラブバケット2を閉塞させる信号を入力する操作を行うための例えば、操作レバーであり、グラブバケット2の閉塞を操作する。
繰り出し長さ情報取得部2411は、繰り出しセンサー16が検出した吊ロープ11及び開閉ロープ12の繰り出し長さの値であるグラブバケット2の高さの情報を取得し、繰り出し長さ判定部243へ出力している。
張力情報取得部2412は、荷重センサー21が測定した吊ロープ11が受けている荷重の値である吊ロープ11にかかる張力の情報を取得し、張力判定部244及び第二巻き制御部248に出力している。
減速終了高さ算出部2421は、記憶部22に記憶されたグラブバケット2が着床した位置での吊ロープ11及び開閉ロープ12の繰り出し長さの値が記憶部22から入力され、入力された繰り出し長さの値から予め定めた長さを引くことにより、減速終了高さαを算出する。減速終了高さ算出部2421は、算出した減速終了高さαを減速開始高さ算出部2422と繰り出し長さ判定部243へと出力する。
減速終了高さαは、グラブバケット2が減速を終了して予め定めた速度である所定の低速で下降を開始する位置であり、グラブバケット2が着床する位置から予め定めた高さ分だけ高い位置となる。
減速開始高さβは、グラブバケット2が減速を開始する位置であり、図6に示すように、入力された繰り出し速度によって予め定めた加速度の傾きに沿って減速終了高さαからの位置が変わり、入力される繰り出し速度が大きくなれば高くなり、小さくなれば低くなる。
張力判定部244は、張力情報取得部2412から入力された吊ロープ11にかかる張力が減少した場合を検出し、信号を切替制御部245へ出力する。
第一巻き制御部247は、切替制御部245からの信号を受けて、繰り出し長さ情報取得部2411から取得したグラブバケット2の高さの情報に基づいて、所定の繰り出し速度となるよう吊ドラム14の回転を制御し、吊ロープ11の繰り出し長さ及び繰り出し速度を調整している。
第二巻き制御部248は、切替制御部245からの信号を受けて、張力情報取得部2412から取得した吊ロープ11にかかる張力の情報に基づいて、吊ロープ11に予め定めた所定の張力が与えられるよう吊ドラム14の回転を制御し、吊ロープ11の繰り出し長さ及び繰り出し速度を調整している。
第一の吊ドラム14から繰り出された吊ロープ11は、第一の吊ドラム14から水平方向外側(図2紙面右側)に繰り出され、第一ガイドローラ171を介して繰り出される方向が変換され荷重センサー21を有する第二ガイドローラ172に導かれる。そして、吊ロープ11は、第二ガイドローラ172を介して、水平方向内側(図2紙面中央側)に繰り出される方向が変換され主トロリ13側に導かれ、主トロリ13内のローラを介して垂直方向下側に吊るされるグラブバケット2と接続されている。
第二の吊ドラム14から繰り出された吊ロープ11は、第一の吊ドラム14とは逆側に水平方向外側(図2紙面左側)に繰り出され、第一ガイドローラ171を介して繰り出される方向が変換され第二ガイドローラ172に導かれる。そして、吊ロープ11は、第二ガイドローラ172を介して、水平方向内側(図2紙面中央側)に繰り出される方向が変換され主トロリ13側に導かれ、主トロリ13内のローラを介して垂直方向下側に吊るされるグラブバケット2と接続されている。
第二の開閉ドラム15は第二の吊ドラム14と平行に配置されているため、第二の開閉ドラム15から繰り出された開閉ロープ12は、第二の吊ドラム14から繰り出された吊ロープ11に沿って、第一ガイドローラ171を介して繰り出される方向を変換され第二ガイドローラ172に導かれる。そして、第二の開閉ドラム15から繰り出された開閉ロープ12は、第二ガイドローラ172を介して、水平方向内側(図2紙面中央側)に繰り出される方向を変換され主トロリ13側に導かれ、主トロリ13内のローラを介して垂直方向下側に吊るされるグラブバケット2と接続されている。
上述のように吊ロープ11と及び開閉ロープ12が吊ドラム14及び開閉ドラム15からグラブバケット2までかけられることによって、本実施形態では、シングルロープ式のアンローダ1を構成している。
図4、図5に示すように、本実施形態の昇降制御方法は、グラブバケット2が着床した位置での繰り出し長さを記憶する記憶工程S1を実施し、記憶工程S1で記憶した繰り出し長さの値から減速終了高さαや減速開始高さβを算出する減速高さ算出工程S2を実施する。そして、グラブバケット2を高速で下降させる高速繰り出し工程S41を実施し、吊ロープ11及び開閉ロープ12の繰り出し長さと張力との値を取得し監視する情報取得工程S3を実施する。情報取得工程S3にて、繰り出し長さの値からグラブバケット2の高さの情報を監視し、グラブバケット2の高さが減速開始高さβに達しているかを判定する減速開始高さ判定工程S6を実施する。減速開始高さ判定工程S6にて減速開始高さβに達していると判定したら、高速で下降するグラブバケット2の速度を所定の加速度で減速させる減速繰り出し工程S42を実施し、再び情報取得工程S3を実施し繰り出し長さの値からグラブバケット2の高さの情報を監視し、グラブバケット2の高さが減速終了高さαに達しているかを判定する減速終了高さ判定工程S7を実施する。減速終了高さ判定工程S7にて減速終了高さαに達していると判定したら、グラブバケット2を低速で下降させる低速繰り出し工程S43を実施し、再び情報取得工程S3を実施し吊ロープ11にかかる張力の値を監視し、張力が減少しグラブバケット2がばら荷C上に着床したことを検出する着床確認工程S8を実施する。そして、着床後にばら荷C上で吊ロープ11を張力によって制御する着床工程S40を実施し、閉塞工程S9にて外部から操作部23によって信号を入力しグラブバケット2にばら荷Cを掴かませて閉塞させる。操作部23から信号入力されると、巻取り工程S44においてグラブバケット2を巻き取り、グラブバケット2が着床した位置での繰り出し長さを記憶する記憶工程S1を再び実施する。
記憶工程S1は、グラブバケット2がばら荷Cを掴んで上昇する前のグラブバケット2が着床した位置における吊ロープ11の繰り出し長さを、繰り出しセンサー16によって検出し記憶部22に記憶させる。
減速高さ算出工程S2は、記憶工程S1を実施してから、記憶部22が記憶した繰り出し長さに基づいて、演算部242である減速終了高さ算出部2421で減速終了高さαを算出する。そして、算出した減速終了高さαと繰り出しセンサー16から入力される繰り出し速度とに基づいて、演算部242である減速開始高さ算出部2422で減速開始高さβを算出する。
第一巻き制御工程S20は、第一巻き制御部247によって、切替制御部245からの信号を受けて、繰り出し長さ情報取得部2411から取得したグラブバケット2の高さの情報に基づいて、所定の繰り出し速度となるよう吊ドラム14の回転を制御し、繰り出し長さ及び繰り出し速度を調整している。切替高速制御工程S51における第一巻き制御工程S20での第一巻き制御部247は、切替制御部245から吊ドラム14を高速回転させるよう信号が入力されると、吊ドラム14を高速回転させ、吊ロープ11の繰り出し速度を高速とする。
切替減速制御工程S52における第一巻き制御工程S20での第一巻き制御部247は、切替制御部245から吊ドラム14の回転速度を減速させるよう信号が入力されると、吊ドラム14の回転速度を予め定めた加速後に従って減速させ、吊ロープ11の繰り出し速度を減速する。
切替減速制御工程S52における開閉ロープ制御工程S10での開閉ロープ制御部246は、切替制御部245から開閉ドラム15の回転速度を減速させるよう信号が入力されると、開閉ドラム15の回転速度を予め定めた加速後に従って減速させ、開閉ロープ12の繰り出し速度を減速する。
切替低速制御工程S53における第一巻き制御工程S20での第一巻き制御部247は、切替制御部245から吊ドラム14を低速回転させるよう信号が入力されると、吊ドラム14を低速回転させ、吊ロープ11の繰り出し速度を予め定めた低速とする。
切替低速制御工程S53における開閉ロープ制御工程S10での開閉ロープ制御部246は、切替制御部245から開閉ドラム15を低速回転させるよう信号が入力されると、開閉ドラム15を低速回転させ、開閉ロープ12の繰り出し速度を予め定めた低速とする。
第二巻き制御工程S30は、第二巻き制御部248によって、切替制御部245からの信号を受けて、張力情報取得部2412から取得した吊ロープ11にかかる張力の情報に基づいて、吊ロープ11に一定の張力がかかるよう吊ドラム14の回転を制御し、繰り出し長さ及び繰り出し速度を調整している。
着床工程S40における開閉ロープ制御工程S10での開閉ロープ制御部246は、第一巻き制御部247から第二巻き制御部248に切り替えた時点よりも開閉ロープ12がわずかに緩んだ状態で繰り出しを停止する。これは、開閉ロープ制御部246が、開閉ロープ12にも第二巻き制御部248と同様に開閉ロープ12に一定に張力をかけるようにすると、グラブバケット2は閉塞することができなくなるためである。
巻取り工程S44は、吊ドラム14によって吊ロープ11と開閉ドラム15によって開閉ロープ12とを巻取り、閉塞されたグラブバケット2を上昇させる工程である。巻取り工程S44は、吊ドラム14及び開閉ドラム15を繰り出し方向と逆回転の巻取り方向に回転させるよう切替巻取り制御工程S54によって切り替え、吊ドラム14の回転を制御する第一巻き制御工程S20と、開閉ドラム15の回転を制御する開閉ロープ制御工程S10とを同期させ、吊ドラム14及び開閉ドラム15を同じ回転速度で巻取り方向に回転させることで実施する。
切替巻取り制御工程S54における第一巻き制御工程S20での第一巻き制御部247は、切替制御部245から吊ドラム14を巻取り方向に回転させるよう信号が入力されると、吊ドラム14を巻取り方向に回転させ、吊ロープ11を巻取る。
切替巻取り制御工程S54における開閉ロープ制御工程S10での開閉ロープ制御部246は、切替制御部245から開閉ドラム15を巻取り方向に回転させるよう信号が入力されると、開閉ドラム15を巻取り方向に回転させ、開閉ロープ12を巻取る。
吊ドラム14及び開閉ドラム15を繰り出し方向に回転させ吊ロープ11及び開閉ロープ12を繰り出すことで、グラブバケット2の下降を開始させつつ、主トロリ13のローラを回転させ主トロリ13を移動させる。これにより、グラブバケット2の位置をばら荷C上に移動させることができる。
図6に示すように、グラブバケット2は所定の高さで下降速度を減速しながら下降する。
具体的には、ばら荷C上に移動させたグラブバケット2は、吊ドラム14及び開閉ドラム15を高速で繰り出し方向に回転させ吊ロープ11及び開閉ロープ12を高速で繰り出すことで、高速で下降する。高速で下降するグラブバケット2は、減速開始高さβまで到達すると、制御部24の第一巻き制御部247と開閉ロープ制御部246とから所定の加速度で減速するよう信号が入力され吊ドラム14及び開閉ドラム15の回転速度が減速されることで、所定の加速度で減速しながら下降する。減速しながら下降するグラブバケット2は、減速終了高さαに到達すると、制御部24の第一巻き制御部247と開閉ロープ制御部246とから減速を終了し予め定めておいた低速となるよう信号が入力され吊ドラム14及び開閉ドラム15の回転速度が低速とされることで、グラブバケット2が着床する際に大きな衝撃を与えないような低速で下降する。低速で下降するグラブバケット2がばら荷C上に着床すると、グラブバケット2を吊るしている吊ロープ11にかかる張力が低下することを張力判定部244で検出し第二巻き制御部248から吊ロープ11に所定の張力が与えられるよう信号が入力され吊ドラム14が回転を調整する。吊ロープ11に所定の張力が掛かっている状態で、操作部23から信号を入力され、切替制御部245を介して開閉ロープ制御部246によって開閉ロープ12を制御してグラブバケット2を閉塞しばら荷Cを掴む。ばら荷Cを掴んだグラブバケット2は、ばら荷Cを掴んだ着床した位置の情報を繰り出しセンサー16から記憶部22に出力しつつ、吊ドラム14及び開閉ドラム15を巻取り方向に回転させることで上昇する。その後、グラブバケット2からホッパ4にばら荷Cを投下し、目的地に搬送する。
そして、グラブバケット2が着床した後に、張力情報取得部2412から取得した吊ロープ11にかかる張力の情報に基づいて、吊ロープ11に張力が与えられるよう吊ドラム14の回転を制御する第二巻き制御部248に切替制御部245で切り替えることで、着床後の吊ロープ11は一定の張力が作用して緊張した状態となるため、グラブバケット2を上昇させる際に吊ロープ11に過度の衝撃力が作用することを防止することができる。これにより、グラブバケット2を吊下げる吊ロープ11を損傷させてしまうことなく、繰り返しグラブバケット2による対象物であるばら荷Cの運搬作業を行うことが可能となる。
そして、グラブバケット2が着床後に、情報取得工程S3で取得した吊ロープ11にかかる張力の情報に基づいて、吊ロープ11に所定の張力が与えられるよう吊ドラム14の回転を制御する第二巻き制御工程S30に切替制御工程S50で切り替えることで、着床後の吊ロープ11には張力が作用して緊張した状態となる。そのため、グラブバケット2を上昇させる際に吊ロープ11に過度の衝撃力が作用することを防止することができる。これにより、グラブバケット2を吊下げる吊ロープ11を損傷させてしまうことなく、繰り返しグラブバケット2によるばら荷Cの運搬作業を行うことが可能となる。
変形例においては実施形態と同様の構成要素には同一の符号を伏して詳細な説明を省略する。この変形例の作動装置10を備えたアンローダ1は、グラブバケット2を昇降させる装置と水平移動させる装置とに分かれている点で相違する。
図7に示すように、作動装置10aは、グラブバケット2を昇降させる一対の吊ロープ11aと、グラブバケット2を開閉させる一対の開閉ロープ12aと、グラブバケット2を水平方向に移動させる主トロリ13aと、主トロリ13aの移動を補助する補トロリ18と、吊ロープ11aの繰り出し及び巻取りを行う吊ドラム14aと、開閉ロープ12aの繰り出し及び巻取りを行う開閉ドラム15aと、補トロリ18と吊ドラム14a及び開閉ドラム15aの間に配置される複数の並列ガイドローラ17aと、吊ドラム14a及び開閉ドラム15aを制御する昇降制御装置20とを有している。
開閉ロープ12aは、本変形例ではワイヤーロープであり、対をなして備えられている。これら開閉ロープ12aは、開閉ドラム15aから同じ方向に繰り出され、並列ガイドローラ17aを経由し補トロリ18と主トロリ13aとを通ってグラブバケット2に接続されている。開閉ロープ12aは、その繰り出しによりグラブバケット2を開放させる一方、巻取りによりグラブバケット2を閉塞させるように、グラブバケット2に接続されている。
補トロリ18は、主トロリ13aがグラブバケット2と共にクレーンブーム・ガータ3上を水平方向に移動する際に補助しながら共に水平方向に移動する台車であり、内部に吊ロープ11aと開閉ロープ12aがそれぞれかかるローラを有している。
吊ドラム14aから繰り出された吊ロープ11aは、荷重センサー21を有する第一並列ガイドローラ171aの並列する四つのローラのうち外側のローラを介して繰り出される方向が変換され第二並列ガイドローラ172aの外側のローラに導かれる。そして、吊ロープ11aは、第二並列ガイドローラ172aを介して補トロリ18内のローラに導かれる。補トロリ18内のローラによって繰り出される方向が変換され主トロリ13a側に導かれた吊ロープ11aは、主トロリ13a内のローラを介して垂直方向下側に吊るされるグラブバケット2と接続されている。
同様に、開閉ドラム15aから繰り出された開閉ロープ12aは、第一並列ガイドローラ171aの並列する四つのローラのうち内側のローラを介して繰り出される方向が変換され第二並列ガイドローラ172aの内側のローラに導かれる。そして、開閉ロープ12aは、第二並列ガイドローラ172aを介して補トロリ18内のローラに導かれる。補トロリ18内のローラによって繰り出される方向が変換された開閉ロープ12aは、主トロリ13a側に導かれ、主トロリ13a内のローラを介して垂直方向下側に吊るされるグラブバケット2と接続されている。
横行ドラム32は、横行ドラム32自身を回転することによって横行ロープ31の巻取り及び繰り出しを行う円筒状のドラムである。横行ドラム32には、横行ロープ31が巻き付き両端を左右にそれぞれ繰り出しており、横行ロープ31が回転すると横行ロープ31の一方側を繰り出すと共に他方側を巻き取っている。
補助ロープ34は、主トロリ13aと補トロリ18とをつなぐワイヤーロープで、主トロリ13aと補トロリ18が一体となって移動するよう移動量を制限すると共に、図示しないクレーンブーム・ガータ3上の一点に固定されることで、主トロリ13a及び補トロリ18の脱落を防止している。
横行ガイドローラ33は、横行ドラム32から繰り出されている横行ロープ31の繰り出し方向を変更している。
図9に示すように、作動装置10aと横行装置30とは一体となってグラブバケット2を制御している。即ち、吊ドラム14a及び開閉ドラム15aを繰り出し方向に回転させ吊ロープ11a及び開閉ロープ12aを繰り出すことで、グラブバケット2の下降を開始させることができる。そして、実施形態と同様の昇降制御装置20を使用してグラブバケット2の下降速度等を変更することができる。
さらに、横行装置30の横行ドラム32を繰り出し方向又は巻取り方向に回転させ横行ロープ31を制御することで主トロリ13aを移動させることができる。これにより、グラブバケット2の位置を制御してばら荷C上に移動させ、ばら荷Cを掴むことができる。
また減速終了高さα及び減速開始高さβの決定方法は本実施形態の方法に限定されるものではなく、たとえば、減速開始高さβを決定することで減速終了高さαが自動的に定まるように決定されても良い。
さらに、本発明に係る昇降制御装置20を備えるアンローダ1は、本実施形態及び変形例に限定されるものではなく、クラブトロリ式やホイスト式などのアンローダ1や門型クレーン等公知のクレーンに使用することができる。
Claims (4)
- 吊ロープによって昇降可能に吊り下げられるとともに、開閉ロープによって開閉可能なグラブバケットの昇降制御装置において、
前記吊ロープ及び前記開閉ロープの繰り出し長さと、前記吊ロープの張力とを取得する情報取得部と、
前記情報取得部から取得した前記開閉ロープの繰り出し長さに基づいて、前記開閉ロープの繰り出し速度または繰り出し長さを制御して、前記開閉ロープの巻取りまたは繰り出しを行わせる開閉ロープ制御部と、
前記情報取得部から取得した前記吊ロープの繰り出し長さに基づいて、前記吊ロープの繰り出し速度または繰り出し長さを制御して、前記吊ロープの巻取り、または、繰り出しを行わせる第一巻き制御部と、
前記情報取得部から取得した前記吊ロープの張力に基づいて、前記吊ロープの張力を制御して前記吊ロープの巻取り、または、繰り出しを行わせる第二巻き制御部と、
前記第一巻き制御部で前記開閉ロープの巻取り及び繰り出しを制御した状態で、前記情報取得部で取得された前記吊ロープの張力を監視して、該張力が減少した場合に、前記吊ロープの制御を前記第一巻き制御部から前記第二巻き制御部に切り替える切替制御部と、
を備え、
前記第二巻き制御部が、前記吊ロープに所定の張力を与えるように前記吊ロープを制御しつつ、
前記開閉ロープ制御部が、前記開閉ロープの巻取り及び繰り出しを制御してグラブバケットを閉塞させることを特徴とするグラブバケットの昇降制御装置。 - 前記切替制御部で切り替えたときの前記吊ロープの繰り出し長さを記憶する記憶部を備え、
前記第一巻き制御部が、前記吊ロープを繰り出す際に、前記記憶部に記憶された前記吊ロープの繰り出し長さとなるときに少なくとも所定の速度となるように、減速させることを特徴とする請求項1に記載のグラブバケットの昇降制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のグラブバケットの昇降制御装置と、
開閉可能なグラブバケットと、
該グラブバケットを吊下げる吊ロープと、
前記グラブバケットを開閉させる開閉ロープと、
を備えることを特徴とするアンローダ。 - 吊ロープによって昇降可能に吊り下げられるとともに、開閉ロープによって開閉可能なグラブバケットの昇降制御方法において、
前記吊ロープの繰り出し長さを取得し、当該繰り出し長さに基づいて、前記吊ロープの繰り出し速度または繰り出し長さを制御して、前記吊ロープの繰り出しを行わせてグラブバケットを降下させる第一巻き制御工程と、
前記吊ロープの張力に基づいて、前記吊ロープの張力を制御して前記吊ロープの巻取り、または、繰り出しを行わせる第二巻き制御工程と、
前記第一巻き制御工程で前記開閉ロープの巻取り及び繰り出しを制御した状態で、前記吊ロープの張力を監視して、該張力が減少した場合に、前記吊ロープの制御を前記第二巻き制御工程に切り替える切替制御工程と、
第二巻き制御工程を実施した状態で、前記開閉ロープの繰り出し長さを取得し、当該繰り出し長さに基づいて、前記開閉ロープの繰り出し速度または繰り出し長さを制御して、前記開閉ロープの巻取りまたは繰り出しを行わせる開閉ロープ制御工程と、
を備え、
前記第二巻き制御工程は、前記吊ロープに所定の張力を与えるように前記吊ロープを制御し、
前記開閉ロープ制御工程が、前記開閉ロープの巻取り及び繰り出しを制御してグラブバケットを閉塞させることを特徴とするグラブバケットの昇降制御方法。
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