JP2014189389A - クレーンとその制御方法 - Google Patents

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Hidekazu Harada
秀和 原田
Yasufumi Miyanishi
靖詞 宮西
Akihiro Furuse
章弘 古瀬
Yasushi Taniguchi
靖司 谷口
Masanobu Ogasawara
正信 小笠原
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Abstract

【課題】振れ角検出装置を用いずに、しかもトロリの移動状態に関わらず、吊具の振れ角を算出することができ、且つ、ワイヤによるノイズの影響を低減し、振れ角をより正確に算出することができるクレーンとその制御方法を提供する。
【解決手段】桁6の陸端側に設けられた陸端側滑車P1及びP3と、桁6の海端側に設けられた海端側滑車P2及びP4と、にロードセルを設けて構成し、鉛直方向に対するクラブバケット8の振れ角θに応じたトロリ7の目標加速度α’を算出し、トロリ7の加速度αが算出された目標加速度α’になるようにトロリ7を移動させて、鉛直方向に対するクラブバケット8の振れを制御する制御装置11が、陸端側滑車P1及びP3が検知する陸端側張力F1と、海端側滑車P2及びP4が検知する海端側張力F2との張力差ΔFから、振れ角θを算出する振れ角算出手段M1を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、桁上を移動するトロリから昇降可能に吊り下げられた吊具の鉛直方向に対する振れ角を算出し、その振れ角に応じてトロリの移動速度を調節するクレーンとその制御方法に関する。
港湾や内陸地等のコンテナターミナルでは、岸壁クレーンや門型クレーンによって、船舶、鉄道及びトレーラ間のコンテナの荷役を行っている。岸壁クレーンや門型クレーンは、荷役する際に目的の位置にトロリを移動させ、吊具を昇降させている。
トロリの移動開始時(停止状態のトロリが一定の移動速度になるまで)、あるいはトロリの停止時(一定の移動速度から停止するまで)に、トロリには加速度が発生する。これにより、吊具と吊具に吊られている運搬物がトロリの移動に追従できずに、吊具と運搬物は遅れて移動し、吊具と運搬物の鉛直方向に対する振れが発生する。この振れが生じると、振れが収まるまで荷役作業ができないため、荷役効率が減少してしまう。
この吊具の振れは、運搬物を吊具により吊り下げた状態で移動するクレーン、例えば、岸壁クレーン、門型のヤードクレーン、ゴライアスクレーン、ジブクレーン、タワークレーン、アンローダ、及び天井クレーンなどに発生する。そのため、そのようなクレーンでは吊具の振れを制御することが荷役効率の向上に繋がることから、吊具の振れを早期に止めることが課題となっている。
吊具の振れを迅速に止めるためには、吊具の鉛直方向に対する振れ角を検出する必要があり、トロリや吊具に振れ角を検出可能な振れ角検出装置を備えたものが提案されている。しかし、トロリの移動を機械室に設けたドラムから繰り出される、及び巻き上げられるワイヤを介して桁上の移動を行うトロリを搭載したロープトロリ式クレーンは、その機構上、トロリに給電する必要がないため、トロリや吊具自体に振れ角検出装置などの装置を搭載する際には電源の問題が生じる。
そこで、振れ角検出装置を使用せずに、ロープを巻き上げる巻上ドラムを駆動しているモータを制御する横行インバータの出力から、モータの出力トルクを取得して、振れ角を算出する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この装置は、ロープに鉛直方向の振れ角が生じたときに発生する運搬物の加速力を横行インバータから取得できる出力トルクを用いて算出することにより、振れ角検出装置を必要としない振れ止め制御を可能とした。
しかし、吊具の振れを止めるためには、吊具の鉛直方向に対する振れ角を正確に検出することが重要な要因となる。特許文献1に記載の装置は、横行インバータから取得できるモータの出力トルクを用いているが、吊具と巻上ドラムとの間に介在するロープがノイズの原因となるため、正確な振れ角を算出できない。
また、特許文献1に記載の装置では、モータを駆動していないときは、横行インバータから出力トルクを検出することができないため、例えば、トロリの停止中に発生した吊具の鉛直方向に対する振れ角を算出することができなかった。
特開2007−145519号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、振れ角検出装置を用いずに、トロリの移動状態に関わらず吊具の振れ角を算出することができ、且つ、ワイヤによるノイズの影響を低減し、より正確な振れ角を算出することができるクレーンとその制御方法を提供することである。
上記の目的を解決するための本発明のクレーンは、個別に駆動する複数のドラムのそれぞれから繰り出される、及び巻き上げられるワイヤと、該ワイヤを支える滑車と、前記ワイヤにより桁上を走行するトロリから昇降可能に吊り下げられた吊具と、を備えると共に、鉛直方向に対する前記吊具の振れ角に応じた前記トロリの目標加速度を算出し、前記トロリの加速度が算出された該目標加速度になるように前記トロリを移動させて、鉛直方向に対する前記吊具の振れを制御する制御装置を備えるクレーンにおいて、前記滑車のうち、前記桁の一端側に設けられた一端側滑車と、前記桁の他端側に設けられた他端側滑車と、が荷重変換機能を有して構成され、前記制御装置が、前記一端側滑車が検知する前記ワイヤの一端側張力と、前記他端側滑車が検知する前記ワイヤの他端側張力との張力差から、前記振れ角を算出する振れ角算出手段を備えることを特徴とする。
この構成によれば、一端側滑車と他端側滑車とに荷重変換機能を持たせて構成することで、より吊具の近くで、吊具が鉛直方向に振れたときに発生するワイヤの張力を検知し、一端側で発生した張力と他端側で発生した張力の張力差から振れ角を算出する。よって、ノイズの原因となるワイヤの距離が短くなり、ワイヤによるノイズの影響を低減し、より正確な振れ角を算出することができる。
また、一端側滑車と他端側滑車とに荷重変換機能を持たせる構成としては、例えば、一端側滑車と他端側滑車の軸を支持する支持部材などにロードセルなどの荷重変換器を設ける構成がある。ロードセルなどの荷重変換器により張力を検知することで、トロリの移動が停止している状態、又は吊具の昇降が停止している状態(ドラムを駆動するモータが停止している場合)でも、吊具の鉛直方向に対する振れを検知することができる。
これにより、トロリの移動時だけではなく、トロリの停止中にも、吊具の振れ角を正確に算出することにより、吊具の振れが発生した場合に、吊具の振れを精度よく制御することが可能となるので、吊具の振れが収まるまで待機することが無くなり、荷役効率を向上することができる。
特に、この構成は、機械室に設けたドラムから繰り出される、及び巻き上げられるワイヤを介して桁上の移動を行うロープトロリを搭載したロープトロリ式クレーンに好適である。ロープトロリは、その機構上、給電する必要がないため、ロープトロリ自体に振れ角検出装置などの装置を搭載するためには電源の問題があり、搭載が困難である。そこで、そのロープトロリ式クレーンに上記の構成を適用すれば、振れ角検出装置などを搭載が困難なクレーンであっても、吊具の鉛直方向に対する振れを正確に算出し、その振れを精度よく制御することができる。
なお、ここでいうクレーンとは、運搬物を吊具により吊り下げた状態で移動するクレーンのことをいい、ロープトロリ式クレーンに限らず、例えば、ゴライアスクレーン、ジブクレーン、タワークレーン、アンローダ、及び天井クレーンなどである。
また、上記のクレーンにおいて、前記制御装置が、前記振れ角算出手段で算出された前記振れ角と、前記トロリの加速度がゼロとなる目標位置とから、前記振れ角が前記目標位置で目標振れ角となる前記目標加速度を算出する目標加速度算出手段と、前記トロリの加速度が前記目標加速度算出手段で算出された前記目標加速度になるように前記トロリを前記目標位置に移動させ、前記目標位置で前記振れ角を前記目標振れ角に調節する振れ角調節手段と、を備えることを特徴とすると、トロリの移動状態、あるいは移動先(目標位置)に合わせて、吊具の振れを精度よく制御することができるので、荷役効率を向上することができる。
上記の構成で、目標位置がトロリの停止する位置、又はトロリの速度が予め定めた一定速度に到達する位置の場合に、目標振れ角をゼロに設定すると、トロリが停止したときに発生する、又は運搬物を吊具に吊り下げてからトロリが移動する際に発生する吊具の振れを止めることができる。これにより、荷役作業中に吊具の振れが止まるまで待機する時間を低減して、荷役効率を向上することができる。
加えて、上記のクレーンにおいて、前記目標加速度算出手段が、前記目標位置が前記トロリの停止する位置の場合に、前記目標振れ角がゼロより大きい角度なる前記目標加速度を算出する手段であると共に、前記振れ角調節手段が、前記トロリの停止する位置よりも前記トロリの移動方向前方に前記吊具を位置させる手段であることを特徴とすると、運搬物を吊具に吊り下げたトロリが停止した際に発生する吊具の振れを利用して、吊具を予め設定した位置に動かして、荷役作業を行うことができる。
例えば、吊具としてクラブバケットを設けたクレーンにおいて、トロリが停止した際に、クラブバケットをホッパー上に位置するようにクラブバケットの振れを制御すると、ホッパーよりも手前にトロリを停止させて、振れによってクラブバケットをホッパー上に位置させるので、荷役効率を向上することができる。
また、上記の目的を解決するための本発明のクレーンの制御方法は、鉛直方向に対する吊具の振れ角に応じたトロリの目標加速度を算出し、前記トロリの加速度が算出された前記目標加速度になるように前記トロリを移動させて、鉛直方向に対する吊具の振れを制御するクレーンの制御方法において、前記トロリが走行する桁の一端側で検知される吊具を支持するワイヤの一端側張力と、前記桁の他端側で検知される吊具を支持するワイヤの他端側張力との張力差から、前記振れ角を算出することを特徴とする方法である。
この方法によれば、振れ角検出装置を用いずに、トロリの移動状態に関わらず吊具の振れ角を算出することができ、且つ、ワイヤによるノイズの影響を低減し、振れ角をより正確に算出することができる。
加えて、上記のクレーンの制御方法において、算出された前記振れ角と前記トロリの加速度がゼロとなる目標位置から、前記振れ角が前記目標位置で目標振れ角となるように、前記目標加速度を算出し、前記トロリの加速度が算出された前記目標加速度になるように前記トロリを前記目標位置に移動させ、前記目標位置で前記吊具の振れ角を前記目標振れ角に調節することを特徴とすると、吊具の振れが発生した場合に、吊具の振れを精度よく制御することが可能となるので、吊具の振れが収まるまで荷役作業を待機する時間が短くなり、荷役効率を向上することができる。
さらに、前記目標位置が前記トロリの停止する位置の場合に、前記目標振れ角がゼロより大きい角度なる前記目標加速度を算出し、前記トロリの停止する位置よりも前記トロリの移動方向前方に前記吊具を位置させることを特徴とすると、トロリを停止する際に発生
する吊具の振れを利用して、荷役作業を行うことが可能となるため、さらに荷役効率を向上することができる。
本発明によれば、トロリが移動する桁の一端側の張力と他端側の張力を検知し、吊具が鉛直方向に振れたときに発生する張力差を算出し、その張力差から振れ角を算出するので、振れ角検出装置を用いずに、トロリの移動状態に関わらず吊具の振れ角を算出することができ、且つ、ワイヤによるノイズの影響を低減し、振れ角をより正確に算出することができる。これにより、吊具の振れが発生した場合に、吊具の振れを精度よく制御することが可能となるので、吊具の振れが収まるまで荷役作業を待機する時間が短くなり、荷役効率を向上することができる。
本発明に係る実施の形態のクレーンを示す側面図である。 図1に示すトロリと吊具を駆動させる機構を示す斜視図である。 図2に示すトロリの移動動作を示す斜視図である。 図2に示す吊具の昇降動作を示す斜視図である。 図2に示す吊具の開閉動作を示す斜視図である。 図2に示す陸端側滑車を示す拡大図であり、(a)は陸端側滑車を示した側面図であり、(b)は(a)の矢印b方向を示した正面図である。 本発明に係る実施の形態のクレーンの動作を示し、トロリが一定速度に達するまでの動作を示した概略図である。 本発明に係る実施の形態のクレーンの動作を示し、一定速度で移動していたトロリが停止するまでの動作を示した概略図である。 本発明に係る実施の形態のクレーンの動作を示し、一定速度で移動していたトロリが停止するまでの他の動作を示した概略図である。 本発明に係る実施の形態のクレーンの動作を示し、一定速度で移動していたトロリが停止し、荷役した後の動作を示した概略図である。 本発明に係る実施の形態のクレーンの制御方法を示し、トロリが一定速度に達するまでのフローチャートである。 本発明に係る実施の形態のクレーンの制御方法を示し、一定速度で移動していたトロリが停止するまでを示したフローチャートである。 本発明に係る実施の形態のクレーンの制御方法を示し、一定速度で移動していたトロリが停止、再度一定速度に達するまでを示したフローチャートである。
以下、本発明に係る実施の形態のクレーンとその制御方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図面に関しては、構成が分かり易いように寸法を変化させており、各部材、各部品の板厚や幅や長さなどの比率も必ずしも実際に製造するものの比率とは一致させていない。
まず、図1〜図6を参照しながら、本発明に係る実施の形態のクレーンの一例であるロープトロリ式アンローダ(以下、クレーン1という)について説明する。図1に示すように、クレーン1は、岸壁に沿ってクレーン1を走行可能にする走行装置2を有する脚構造物3と、脚構造物3に支持されたガーダ4と、起伏可能に設けられたブーム5とを備える。以下、ガーダ4とブーム5を合わせて桁6と呼ぶ。また、このクレーン1は、桁6上を移動するトロリ7と、トロリ7から昇降可能に吊り下げられたクラブバケット(吊具)8を備える。
加えて、図2に示すように、クレーン1は、機械室10に、モータ(図示しない)によ
り個別に駆動される支持用ドラムD1及び支持用ドラムD2と、開閉用ドラムD3及び開閉用ドラムD4を備える。
支持用ドラムD1に巻かれた支持用ワイヤW1と、開閉用ドラムD3に巻かれた開閉用ワイヤW3は、それぞれ陸端側滑車P1及び陸端側滑車P3を経由し、トロリ7に設けられたトロリ上滑車P5及びトロリ上滑車P7を介してクラブバケット8を吊り下げる。また、支持用ドラムD2に巻かれた支持用ワイヤW2と、開閉用ドラムD4に巻かれた開閉用ワイヤW4は、それぞれ海端側滑車P2及び海端側滑車P4を経由し、トロリ7に設けられたトロリ上滑車P6及びトロリ上滑車P8を介してクラブバケット8を吊り下げる。
このクレーン1は、機械室10に設けられた制御装置11で、各ドラムD1〜D4の回転を制御することにより、トロリ7の移動動作(図3を参照)、クラブバケット8の昇降動作(図4を参照)、及びクラブバケット8の開閉動作(図5を参照)を行う。
次に、このクレーン1の動作について説明する。ばら積み船20から運搬物21を荷役する場合は、トロリ7をばら積み船20上に位置させて、クラブバケット8で運搬物を掴む。そして、トロリ7をホッパー9上に位置させて、クラブバケット8を開いて運搬物をホッパー(運搬物受取装置)9に荷役する。
トロリ7を海側から陸側に移動させる場合は、図3に示すように、各ドラムD1〜D4を同じ方向(図中の右回り)に回転させて、陸端側の支持用ワイヤW1と開閉用ワイヤW3を巻き上げ、海端側の支持用ワイヤW2と開閉用ワイヤW4を繰り出す。反対に、トロリ7を陸端側から海端側に移動させる場合は、各ドラムD1〜D4を同じ方向(図中の左回り)に回転させて、陸端側の支持用ワイヤW1と開閉用ワイヤW3を繰り出し、海端側の支持用ワイヤW2と開閉用ワイヤW4を巻き上げる。
クラブバケット8を上昇させる場合は、図4に示すように、陸端側の支持用ドラムD1と開閉用ドラムD3を同じ方向(図中の右回り)に回転させ、海端側の支持用ドラムD2と開閉用ドラムD4を反対方向(図中の左回り)に回転させて、各ワイヤW1〜W4を巻き上げる。反対に、クラブバケット8を下降させる場合は、陸端側の支持用ドラムD1と開閉用ドラムD3を同じ方向(図中の左回り)に回転させ、海端側の支持用ドラムD2と開閉用ドラムD4を反対方向(図中の右回り)に回転させて、各ワイヤW1〜W4を繰り出す。
クラブバケット8を開く場合は、図5に示すように、開閉用ドラムD3を回転させ、開閉用ドラムD4を開閉用ドラムD3の回転方向の反対方向に回転させて、開閉用ワイヤW3及びW4を巻き上げる。反対に、クラブバケット8を閉じる場合は、開閉用ドラムD3を回転させ、開閉用ドラムD4を反対方向に回転させて、開閉用ワイヤW3及びW4を繰り出す。
以下の実施の形態では、クレーン1として、上記で説明したロープトロリ式アンローダを例に説明するが、本発明は、これに限定されずに、運搬物21をクラブバケット8など吊具(例えば、スプレッダなど)により吊り下げた状態で移動するクレーンに適用することができる。例えば、ゴライアスクレーン、ジブクレーン、タワークレーン、アンローダ、及び天井クレーンにも適用することができる。
また、上記で説明したロープトロリ式アンローダは、個々に独立した四つのドラムD1〜D4を機械室10に設けた構成であるが、本発明はこれに限定されず、個々に独立した二つのドラムを用いたものにも適用することができる。
上記のクレーン1は、トロリ7の移動の開始時には、クラブバケット8が各ワイヤW1〜W4で懸架されているため、トロリ7の移動の際に加速度αが発生すると、クラブバケット8は遅れて移動することになり、クラブバケット8の振れが発生する。
そこで、本発明に係る第一の実施の形態のクレーン1は、桁6の陸端側(一端側)に設けられた陸端側滑車(一端側滑車)P1及び陸端側滑車P3と、桁6の海端側(他端側)に設けられた海端側滑車(他端側滑車)P2及び海端側滑車P4とのそれぞれに、ロードセル(荷重変換器)を設けて構成することを特徴とする。
また、このクレーン1は、制御装置11に、陸端側滑車P1及び陸端側滑車P3が検知する支持用ワイヤW1及び開閉用ワイヤW3の陸端側張力(一端側張力)F1と、海端側滑車P2及び海端側滑車P4が検知する支持用ワイヤW2及び開閉用ワイヤW4の海端側張力(他端側張力)F2との張力差ΔFから、クラブバケット8の鉛直方向に対する振れ角θを算出する振れ角算出手段M1と、振れ角算出手段M1で算出された振れ角θと、トロリ7の加速度αがゼロとなる目標位置L’とから、振れ角θが目標位置L’で目標振れ角θ’となる目標加速度α’を算出する目標加速度算出手段M2と、トロリ7の加速度αが目標加速度算出手段M2で算出された目標加速度α’になるようにトロリ7を目標位置L’に移動させ、目標位置L’でクラブバケット8の振れ角θを目標振れ角θ’に調節する振れ角調節手段M3と、を備えることを特徴とする。
陸端側滑車P1は、図6の(a)及び(b)に示すように、滑車本体12、軸芯13、軸受14、及び軸芯支持部15から構成された滑車(シーブともいう)であると共に、荷重や力を電気信号に変換するセンサである周知の技術のロードセル16が軸芯13に掛かる荷重を検知するように設けられた滑車である。このロードセル16は、陸端側滑車P1に掛かる張力を検知できればよく、上記の構成に限定されない。例えば、ロードセル16を軸芯支持部15に設けてもよい。なお、陸端側滑車P3と海端側滑車P2及び海端側滑車P4については、同様の構成のため、その説明は省略する。
この構成により、陸端側滑車P1及び陸端側滑車P3と海端側滑車P2及び海端側滑車P4において、それぞれが支持している各ワイヤW1〜W4の張力を検知し、その張力を電気信号に変換して制御装置11に送信している。
これらの陸端側滑車P1及び陸端側滑車P3と海端側滑車P2及び海端側滑車P4で各ワイヤW1〜W4の張力を検知することにより、クラブバケット8が振れたときに発生する陸端側の支持用ワイヤW1及び開閉用ワイヤW3の張力の合計値、あるは平均値(以下、陸端側張力F1という)と、海端側の支持用ワイヤW2及び開閉用ワイヤW4の張力の合計値、あるいは平均値(以下、海端側張力F2という)を正確に検知することができる。その検知した陸端側張力F1と海端側張力F2の張力差ΔFを用いて、制御装置11に設けた振れ角算出手段M1でクラブバケット8の振れ角θを正確に算出することができる。
ロードセルを設けて構成された陸端側滑車P1及び陸端側滑車P3と海端側滑車P2及び海端側滑車P4であれば、機械室10から給電され、ロープトロリ式アンローダであるこの実施の形態のクレーン1でも、陸端側張力F1と海端側張力F2を検知することができる。
また、陸端側滑車P1及び陸端側滑車P3と海端側滑車P2及び海端側滑車P4で張力を検知するので、機械室10に設けられたモータ(図示しない)よりもクラブバケット8に近い位置で陸端側張力F1と海端側張力F2を検知することができる。これにより、陸端側張力F1と海端側張力F2を検知する箇所をクラブバケット8に近づけることで、張
力の検知にノイズとなる各ワイヤW1〜W4の長さが短くなるため、各ワイヤW1〜W4によるノイズを低減して、陸端側張力F1と海端側張力F2を正確に検知することができる。
加えて、各ドラムD1〜D4が駆動していないとき、例えば、トロリ7が停止しているとき、あるいはクラブバケット8が昇降していないときでも、陸端側張力F1と海端側張力F2を直接検知することができる。
なお、前述した通りこの実施の形態のクレーン1では、トロリ7に給電が必要ないため、トロリ7が移動する桁6の陸端側と海端側に設けた陸端側滑車P1及び陸端側滑車P3と海端側滑車P2及び海端側滑車P4で陸端側張力F1と海端側張力F2を検知したが、よりクラブバケット8の近くで検知したい場合は、トロリ7上に設けたトロリ上滑車P5〜P8で検知可能に構成してもよい。しかし、その場合は、トロリ7に給電が必要となるため、この実施の形態のようなロープトロリ式のクレーンでは、桁6の陸端側と海端側に設けた各滑車P1〜P4で検知することが好ましい。
また、二つのドラムで吊具を昇降させるクレーンでも同様に、トロリが移動する桁の海端側に設けた滑車と陸端側に設けた滑車にロードセルを設けて構成することで、前述と同様の効果を得ることができる。
振れ角算出手段M1は、陸端側滑車P1及び陸端側滑車P3で検知された陸端側張力F1と海端側滑車P2及び海端側滑車P4で検知された海端側張力F2との張力差ΔFを算出し、その張力差ΔFを用いてクラブバケット8の鉛直方向に対する振れ角θを算出する手段である。振れ角θは、様々な外乱を考慮する必要があるが張力差ΔFを用いた運動方程式により算出される。
なお、この実施の形態では、各滑車P1〜P4が検知した張力から、振れ角算出手段M1がクラブバケット8の振れ角θを算出するように構成したが、この振れ角算出手段M1と別の方法で振れ角θを算出する手段とを併用してもよい。例えば、トロリ7が横行している、あるいはクラブバケット8が昇降している場合であれば、前述の特許文献1(特開2007−145519号公報)に記載された公知の手段である、各ドラムD1〜D4を駆動しているモータの制御を行うインバータから出力されるインバータトルクからクラブバケット8の振れ角θを算出する手段を、振れ角算出手段M1と併用することで振れ角θをより高精度に算出することができる。
目標加速度算出手段M2は、振れ角算出手段M1で算出された振れ角θと、トロリ7の移動先の目標値である目標位置L’とから、振れ角θが目標位置L’で目標振れ角θ’となるトロリ7の目標加速度α’を算出する手段である。
なお、ここでいう目標位置L’とは、トロリ7の加速度αがゼロとなる位置である。この実施の形態では、例えば図7に示すように、トロリ7の移動の速度が予め定めた一定速度vnとなる定速開始位置Lnや、図8及び図9に示すように、トロリ7が停止する停止位置Lz又はLyに設定される。
また、目標振れ角θ’とは、目標位置L’でのクラブバケット8の鉛直方向に対する振れ角θの目標値である。この目標振れ角θ’は、予め定めた角度に設定することができ、例えば、図7に示すように、目標位置L’が定速開始位置Lnの場合に、その定速開始位置Lnでの目標振れ角θ’はクラブバケット8の振れが無い状態、つまりゼロ度に設定すると、クラブバケット8で運搬物21を掴んでから一定速度vnに到達したときにクラブバケット8の振れを止めることができるので、振れが止まるまで待機する時間が短くなり
、荷役効率を向上することができる。
また、図8に示すように、目標位置L’が停止位置Lzの場合も同様に目標振れ角θ’をゼロ度に設定すると、クラブバケット8からホッパー9に運搬物21を荷役する際に、クラブバケット8の振れが止まるまで待機する時間が短くなり、荷役効率を向上することができる。
加えて、図9に示すように、目標位置L’がホッパー9上の停止位置Lzよりも手前の停止位置Lyの場合に、目標振れ角θ’をゼロ度よりも大きく設定すると、トロリ7が停止したときのクラブバケット8の振れを利用して、クラブバケット8をホッパー9上に位置できる。このときクラブバケット8を開くとトロリ7をホッパー9上に停止しなくても、クラブバケット8からホッパー9に荷役することができるので、荷役効率を向上することができる。
さらに、図9に示す状態から、図10に示すように、クラブバケット8からホッパー9に荷役した直後に、トロリ7の移動方向を反転させることもでき、更なる荷役効率の向上を図ることができる。
この目標加速度算出手段M2の振れ角θと目標位置L’から目標加速度α’を算出する方法は、移動中のトロリ7の現在位置L1〜L3と目標位置L’から移動距離ΔLを算出し、算出された移動距離ΔLとトロリ7の現在の速度v1〜v3と振れ角算出手段M1で算出された現在のクラブバケット8の振れ角θの相関により、振り子の式を用いて目標加速度α’を算出する。この他、例えば、前述の特許文献1に記載された公知の手段などを用いてもよい。
振れ角調節手段M3は、トロリ7の加速度αが目標加速度算出手段M2で算出された目標加速度α’になるようにトロリ7を目標位置L’に移動させ、目標位置L’でクラブバケット8の振れ角θを目標振れ角θ’に調節する手段である。この振れ角調節手段M3は、各ドラムD1〜D4の回転を制御して、移動するトロリ7の加速度αが目標加速度α’となるようにトロリ7の速度v1〜v3を調節する手段である。
次に、本発明に係る実施の形態のクレーン1の制御方法について説明する。なお、トロリ7の速度v1や一定速度vnは、各ドラムD1〜D4の巻き上げ速度から算出される。また、トロリ7の現在位置L1は、脚構造物3、又は桁6上に設けられた位置センサSe1で検知される。加えて、クラブバケット8の巻上高さH1は、現在位置L1と、そのときの各ドラムD1〜D4の各ワイヤW1〜W4の巻き上げ状態から検知される。これらのトロリ7の状態やクラブバケット8の状態については、上記以外にも各ドラムD1〜D4の各ワイヤW1〜W4の巻き上げ状態から算出する方法やそれぞれの状態を検知するセンサを別途設けてもよい。
ここで、図7〜図10では、図面の右方向(陸側から海側の方向)をプラスの方向、図面の左方向(海側から陸側の方向)をマイナスの方向とする。例えば、図7では、現在の速度v1及び一定速度vnはプラスの値であるが、振れ角θはマイナスの値となるが、以下の説明では、値のプラスとマイナスについては省略する。
まず、始動位置L0から定速開始位置Lnまでの制御について、図7及び図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。ばら積み船20からクラブバケット8が運搬物21を掴むと、クラブバケット8の巻き上げが開始される。クラブバケット8の巻上高さH1が目標巻上高さH’になると、図11に示すように、トロリ7の移動を開始するステップS10を行う。
クラブバケット8は、図7に示すように、ばら積み船20の高さやホッパー9の備え付け高さなどの固定値により設定される予め定めた目標巻上高さH’となるように巻き上げられ、この目標巻上高さH’の位置で吊り下げられた状態で移動する。この実施の形態では、クラブバケット8を目標巻上高さH’まで巻き上げてからトロリ7の移動を開始したが、クラブバケット8が目標巻上高さH’まで巻き上がる前にトロリ7の移動を開始してもよい。
ステップS10で、トロリ7の移動が開始されると、トロリ7の速度は徐々に速くなるので、加速度が発生し、クラブバケット8は遅れて移動することになり、クラブバケット8の振れが発生する。このとき、図11に示すように、陸端側滑車P1及び陸端側滑車P3は陸端側張力F1を検知し、海端側滑車P2及び海端側滑車P4は海端側張力F2を検知するステップS20を行う。このときのトロリ7の現在位置をL1、速度をv1とする。
次に、振れ角算出手段M1が陸端側張力F1と海端側張力F2の張力差ΔFを算出するステップS30を行う。次に、振れ角算出手段M1が振れ角θを算出するステップS40を行う。
振れ角θが算出されると、次に、目標位置L’を設定するステップS50を行う。このステップS50では、図7に示すように、トロリ7の現在位置L1とトロリ7の現在の速度v1などのトロリ7の状態からトロリ7の速度v1が予め定めた一定速度vnとなる定速開始位置Lnを目標位置L’として設定する。
目標位置L’が設定されると、次に、図11に示すように、目標振れ角θ’を設定するステップS60を行う。このステップS60では、目標位置L’でクラブバケット8の振れを止める、あるいはクラブバケット8を意図的に振れさせるなどのクラブバケット8の状態により目標振れ角θ’を設定する。なお、ここでは、図7に示すように、トロリ7が一定速度vnになった場合に、クラブバケット8の振れを止めるため、目標振れ角θ’をゼロ度に設定する。
次に、図11に示すように、目標加速度算出手段M2が、振れ角θと目標振れ角θ’と目標位置L’とから目標加速度α’を算出するステップS70を行う。
次に、振れ角調節手段M3が、トロリ7の速度v1を制御するステップS80を行う。このステップS80は、図7に示すように、目標位置L’でクラブバケット8の振れ角θを目標振れ角θ’になるように、目標加速度算出手段M2で算出された目標加速度α’でトロリ7を加速させる制御である。現在位置L1から目標位置L’までの間にトロリ7を目標加速度α’で加速させて、現在の速度v1から一定速度vnまで上昇させる。トロリ7が目標位置L’に到達すると、この制御方法は完了する。
上記の制御方法を単位時間毎や、単位移動距離毎に行うように設定し、実際の振れ角θを演算しながら、トロリ7の現在位置L1と目標位置L’、トロリ7の現在の速度v1と一定速度vnとの差分を常時フィードバックし、目標位置L’でのクラブバケット8の振れ角θが目標振れ角θ’に合うようにその差分を加えて、トロリ7の速度v1と目標加速度α’を制御すると、トロリ7が一定速度vnに達したときに、クラブバケット8の振れを精度よく止めることができる。
また、トロリ7を加速させる際に、トロリ7が急激な動きとならないように、加速度又は減速度には制限を設けて制御すると、安全性が向上する。
加えて、各目標値は、クラブバケット8が吊り上げる運搬物の性状によって変わるため、各目標値を運搬物毎にティーチング操作を行なってもよい。
上記の制御方法によれば、トロリ7が移動する桁6の陸端側張力F1と海端側張力F2を正確に検知し、クラブバケット8が鉛直方向に振れたときに発生する張力差ΔFを算出し、その張力差ΔFから振れ角θを算出するので、振れ角検出装置を用いずに、しかもトロリ7の移動状態に関わらず、クラブバケット8の振れ角θを算出することができ、且つ、各ワイヤW1〜W4のよるノイズの影響を低減し、振れ角θをより正確に算出することができる。
これにより、トロリ7の移動を開始して、クラブバケット8の振れが発生した場合に、トロリ7が一定速度vnになるときに、クラブバケット8の振れを精度よく制御することが可能となるので、クラブバケット8の振れが収まるまで荷役作業を待機する時間が短くなり、荷役効率を向上することができる。
次に、定速終了位置Lmから停止位置Lzまでの制御について、図8及び図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、前述の制御方法と同様のステップについては同符号を用いて、その説明は省略する。
まず、図8に示すように、ホッパー9上に設定されたトロリ7の停止位置Lzが近くなると、図12に示すように、目標位置L’の設定を行うステップS50を行う。ここでは目標位置L’を停止位置Lzに設定する。次に、目標振れ角θ’の設定を行うステップS60を行う。ここでは、ホッパー9上の停止位置Lzでクラブバケット8の振れを止めるため、ゼロ度に設定する。
次に、トロリ7の停止を開始するステップS90を行う。図8に示すように、一定速度vnで移動していたトロリ7の停止が開始されると、減速度(マイナスの加速度)が発生するため、クラブバケット8の振れが生じる。このとき、図12に示すように、陸端側滑車P1及び陸端側滑車P3は陸端側張力F1を検知し、海端側滑車P2及び海端側滑車P4は海端側張力F2を検知するステップS20を行う。このときのトロリ7の現在位置をL2、速度をv2とする。
次に、振れ角算出手段M1が陸端側張力F1と海端側張力F2の張力差ΔFを算出するステップS30を行う。次に、振れ角算出手段M1が振れ角θを算出するステップS40を行う。次に、目標加速度算出手段M2が、振れ角θと目標振れ角θ’と目標位置L’から目標加速度α’を算出するステップS70を行う。
次に、振れ角調節手段M3が、トロリ7の速度v2を制御するステップS100を行う。このステップS100は、図8に示すように、現在位置L2から目標位置L’までの間にトロリ7を目標加速度α’で減速させて、現在の速度v2から停止するまで低下させる。トロリ7が目標位置L’に到達すると、この制御方法は完了する。
この制御方法によれば、一定速度vnで移動していたトロリ7の停止を開始して、クラブバケット8の振れが発生した場合に、トロリ7が停止するときに、クラブバケット8の振れを精度よく止めるように制御することが可能となるので、クラブバケット8の振れが収まるまで荷役作業を待機する時間が短くなり、荷役効率を向上することができる。
次に、トロリ7が海側の定速終了位置Lmから陸側の停止位置Lzまで移動し、荷役作業を行なってから、再びの陸側の停止位置Lzから海側の定速開始位置Loまで移動する
制御について、図9、図10、及び図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、この制御方法においてステップS110は、図12に示すフローチャートの一部と同様であるが、目標位置L’と目標振れ角θ’の設定値が異なる。
このステップS110の目標位置L’は、図9に示すように、ホッパー9上の停止位置Lzよりも手前(図中の左側、つまり海端側)に設けられた停止位置Lyに設定される。これにより、トロリ7の停止する場所が、上記の制御方法よりも手前になるため、その分荷役作業を速く行うことができる。
また、この制御方法の目標振れ角θ’は、ゼロ度よりも大きい値に設定される。これにより、トロリ7が停止位置Lyで停止したときに発生するクラブバケット8の振れを利用して、クラブバケット8を予め設定した停止位置Lzまで動かして、荷役作業を行うことができる。
図13に示すように、ステップS110が完了すると、次に、振れ角調節手段M3がトロリ7の速度v3を制御するステップS120を行う。このステップS120は、現在位置L3から目標位置L’までの間にトロリ7を目標加速度α’で減速させて、現在の速度v3から停止するまで低下させる。
次に、トロリ7の停止を検知するステップS130を行う。ステップS130で、トロリ7が目標位置L’で停止したことを検知すると、次に、目標タイミングT’を算出するステップS140を行う。次に、クラブバケット8を目標タイミングT’で開くステップS150を行う。
この目標タイミングT’は、クラブバケット8を開くタイミングTの目標値であり、実際の運搬物21の運搬状態やトロリ7の状態(例えば、速度v3、現在位置L3、目標位置L’、及び目標減速度α’など)により逆算して設定することができる。なお、図9に示すように、この目標タイミングT’をホッパー9の中心(停止位置Lz)よりも少し手前でクラブバケット8が開くように設定し、振れの最大位置、つまりクラブバケット8の振れ角θが目標振れ角θ’になったときにホッパー9の中心でクラブバケット8からホッパー9へ運搬物21を排出できるように設定すると、ホッパー9へ運搬物21を精度よく排出することができる。
図13に示すように、ステップS150で、トロリ7の停止時のクラブバケット8の振れを利用して、ホッパー9への荷役が完了した後、ステップS160を行う。このステップS160は、図11に示すフローチャートの一部と同様であるが、目標位置L’の設定値が異なる。このステップS160の目標位置L’は、図10に示すように、停止位置Lyから海端側の定速開始位置Loに設定される。
そして、前述と同様に、定速開始位置Loで、目標振れ角θ’となるように目標加速度α’が算出される。このステップS160では、ステップS150で振れを利用してクラブバケット8からホッパー9に運搬物21を排出したときの振れを、定速開始位置Loで止める目標加速度α’を算出する。
次に、トロリ7の速度v4を制御して、トロリ7が目標位置L’に到達すると、この制御方法は完了する。
この制御方法によれば、ホッパー9の中心の手前(停止位置Ly)でクラブバケット8の開きを開始して、一定速度vnで移動していたトロリ7を停止する際に発生する振れを利用して、クラブバケット8の振れの最大位置(目標振れ角θ’の位置)でクラブバケッ
ト8からホッパー9に運搬物21を精度よく排出することができる。そして、クラブバケット8の振れ戻しと同時に海端側にトロリ7の移動を開始して、その排出に利用した振れを一定速度vnに達するときに止めることで、クラブバケット8の振れを利用した最短サイクルで荷役することができる。
これにより、クラブバケット8からホッパー9への荷役作業において、待機する時間を短くすることができるので、荷役効率を向上することができる。
本発明のクレーンは、トロリが移動する桁の一端側の張力と他端側の張力を検知し、吊具が鉛直方向に振れたときに発生する張力差を算出し、その張力差から振れ角を算出するので、振れ角検出装置を用いずに、しかもトロリの移動状態に関わらず、吊具の振れ角を算出することができ、且つ、ワイヤによるノイズの影響を低減し、振れ角をより正確に算出することができる。これにより、吊具の振れが発生した場合に、吊具の振れを精度よく制御することが可能となり、吊具の振れが収まるまで荷役作業を待機する時間が短くなり、荷役効率を向上することができるので、吊具で運搬物を吊り下げて移動させて荷役するクレーンに利用することができる。
1 クレーン
6 桁
7 トロリ
8 クラブバケット(吊具)
9 ホッパー(運搬物受取装置)
10 機械室
11 制御装置
D1〜D4 ドラム
W1〜W4 ワイヤ
P1、P3 陸端側滑車(一端側滑車)
P2、P4 海端側滑車(他端側滑車)
P5〜P8 トロリ上滑車
M1 振れ角算出手段
M2 目標加速度算出手段
M3 振れ角調節手段

Claims (6)

  1. 個別に駆動する複数のドラムのそれぞれから繰り出される、及び巻き上げられるワイヤと、該ワイヤを支える滑車と、前記ワイヤにより桁上を走行するトロリから昇降可能に吊り下げられた吊具と、を備えると共に、
    鉛直方向に対する前記吊具の振れ角に応じた前記トロリの目標加速度を算出し、前記トロリの加速度が算出された該目標加速度になるように前記トロリを移動させて、鉛直方向に対する前記吊具の振れを制御する制御装置を備えるクレーンにおいて、
    前記滑車のうち、前記桁の一端側に設けられた一端側滑車と、前記桁の他端側に設けられた他端側滑車と、が荷重変換機能を有して構成され、
    前記制御装置が、前記一端側滑車が検知する前記ワイヤの一端側張力と、前記他端側滑車が検知する前記ワイヤの他端側張力との張力差から、前記振れ角を算出する振れ角算出手段を備えることを特徴とするクレーン。
  2. 前記制御装置が、
    前記振れ角算出手段で算出された前記振れ角と、前記トロリの加速度がゼロとなる目標位置とから、前記振れ角が前記目標位置で目標振れ角となる前記目標加速度を算出する目標加速度算出手段と、
    前記トロリの加速度が前記目標加速度算出手段で算出された前記目標加速度になるように前記トロリを前記目標位置に移動させ、前記目標位置で前記振れ角を前記目標振れ角に調節する振れ角調節手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のクレーン。
  3. 前記目標加速度算出手段が、前記目標位置が前記トロリの停止する位置の場合に、前記目標振れ角がゼロより大きい角度となる前記目標加速度を算出する手段であると共に、
    前記振れ角調節手段が、前記トロリの停止する位置よりも前記トロリの移動方向前方に前記吊具を位置させる手段であることを特徴とする請求項2に記載のクレーン。
  4. 鉛直方向に対する吊具の振れ角に応じたトロリの目標加速度を算出し、前記トロリの加速度が算出された前記目標加速度になるように前記トロリを移動させて、鉛直方向に対する吊具の振れを制御するクレーンの制御方法において、
    前記トロリが走行する桁の一端側で検知される吊具を支持するワイヤの一端側張力と、前記桁の他端側で検知される吊具を支持するワイヤの他端側張力との張力差から、前記振れ角を算出することを特徴とするクレーンの制御方法。
  5. 算出された前記振れ角と、前記トロリの加速度がゼロとなる目標位置とから、前記振れ角が前記目標位置で目標振れ角となる前記目標加速度を算出し、
    前記トロリの加速度が算出された前記目標加速度になるように前記トロリを前記目標位置に移動させ、前記目標位置で前記振れ角を前記目標振れ角に調節することを特徴とする請求項4に記載のクレーンの制御方法。
  6. 前記目標位置が前記トロリの停止する位置の場合に、前記目標振れ角がゼロより大きい角度なる前記目標加速度を算出し、
    前記トロリの停止する位置よりも前記トロリの移動方向前方に前記吊具を位置させることを特徴とする請求項5に記載のクレーンの制御方法。
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