JP2004161460A - 旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】旋回開始時は線形加速し、加速開始点7を死点とする振り子が前側の最下点まで移動するときの下向き変位距離と、振り子の1/4周期と、設定旋回速度V1の遠心力による外側変位距離Δrと、下向き変位距離を考慮した吊り荷6の巻き出し量とを求めておき、旋回停止時は線形減速し、減速開始点を最下点とする振り子が前側の死点まで移動するときの上向き変位距離と、振り子の1/4周期とを求めておき、旋回加速時には、線形加速時間を振り子の1/4周期に一致させ且つ距離Δrだけ吊り点半径rを減少すると共に、巻き出し量だけ吊り荷6を巻き下げ、旋回停止時には、線形減速時間を振り子の1/4周期に一致させ且つ上向き変位距離だけ吊り荷6を巻き上げ、吊り点半径を距離Δrだけ増加して吊り点4を停止点8上に一致させる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は旋回クレーンにおける吊り荷の振れ止め制御方法に関し、更に詳しくは、吊り荷の旋回時及び吊り荷の引込み・押出し時における吊り荷の振れを簡単な装置構成にて効果的に低減できるようにした旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11、図12は、クレーン本体1に旋回可能に設けられた旋回台2に、俯仰と伸縮が可能なブーム3を備えた旋回クレーンの場合を示している。旋回クレーンは、ブーム3先端のブーム吊り点4から垂下されるロープ5により吊り荷6を吊り上げ、ブーム3の矢印Aで示す旋回によって吊り荷6を加速開始点7から停止点8へ搬送するようにしている。また、図13に示すように、ブーム3の俯仰と伸縮を組合わせて作動することによって吊り荷6を半径方向に引込み搬送或いは押出し搬送するようにしている。
【0003】
図11、図12の旋回クレーンでは、加速開始点7の直上にブーム吊り点4が位置するようにブーム3を伸縮させたブーム吊り点半径rで吊り荷6を吊り上げ、加速開始点7から停止点8に向けて矢印Aで示すように水平旋回するとき、図14に示すように、吊り荷6とブーム吊り点4との間に吊り高さL0を有するために慣性によって吊り荷6は二点鎖線のように旋回方向の後方aへ遅れ、このために吊り荷6が旋回方向前後に振れを生じることになる。また、図11、図12に示すように、矢印Aの旋回による遠心力によって、吊り荷6は、一点鎖線で示すブーム吊り点半径rに対して二点鎖線で示すように外方へ距離Δrだけ膨らんで(変位して)旋回することになる。
【0004】
また、所定の旋回速度で旋回しているブーム3の旋回を減速して吊り荷6を停止点8に停止するときは、図14に示すように、ブーム吊り点4の減速によって吊り荷6は慣性により破線のように旋回方向の前方bへ進み、このために吊り荷6は旋回方向前後の振れを生じることになる。また、図11、図12に示すように、旋回速度の減速により、遠心力によって外方にΔrだけ変位していた吊り荷6がブーム吊り点4の直下に戻るように振れ、このために半径方向の振れを生じることになる。
【0005】
従って、図14のように、減速時に旋回方向の前方bに進んだ吊り荷6が吊り点4直下に戻る振れと、図11のように、遠心力によって外方に変位した吊り荷6がブーム吊り点4直下に戻ろうとする振れとが合成されることによって、従来の旋回クレーンでは一般に図12にXで示すように停止点8で円形の振れを生じていた。
【0006】
一方、図13に示したように、ブーム3の俯仰と伸縮を組合わせて吊り荷6を半径方向に引込み搬送する場合においても、引込み開始点イから矢印方向に引込むときには吊り荷6が後方aに遅れることにより振れを生じ、引込み搬送速度を減速して停止点ロに停止させるときには吊り荷6が前方bへ進むことにより振れを生じ、更に、ブーム3により吊り荷6を半径方向外方に押出し搬送する場合にも、上記引込み搬送時と同様の振れを生じる。
【0007】
上記したようなブームの旋回加速時及び旋回停止時の旋回方向前後の振れ、半径方向の振れ、旋回停止時の円運動の振れ、引込み・押出し搬送時の振れは、吊り荷6に慣性による重力バネが作用したために起こるものであり、こうした吊り荷6の振れは旋回クレーンの荷役作業における作業性や安全性を損なう要因となっている。
【0008】
従来の旋回クレーンの吊り荷の振れを止める方法としては、ワイヤの吊り長さとブームの現在位置から吊り荷の静止目標位置上までの旋回角度と、ブームが現在位置にあるときの吊り荷の振り子運動の振れ角、振れ速度とに基づいて、旋回角度と振れ角および振れ速度とが許容誤差範囲内になるように、所定時間ごとに計算してブームの旋回角速度を制御してブームを旋回させることにより、吊り荷を目標位置に静止させる方法が提案されている(例えば特許文献1)。
【0009】
【特許文献1】
特開平09−315765号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に示された振れ止め方法は、ブームの旋回速度を所定時間ごとに計算して制御することにより吊り荷の旋回方向前後の振れを防止するというものであるが、このような方法は従来から走行クレーンなどで行われていた方法であり、制御が非常に大変で装置が高価になるという問題がある。また、上記従来の方法では、吊り荷の旋回方向前後の振れを対象としているが、旋回クレーンでは、旋回方向前後の振れと同時に遠心力による半径方向の振れも生じ、このために停止点では合成された円形の振れが生じることになるが、このような円形の振れは防止することができない。
【0011】
また、図13に示したように、吊り荷の引込み・押出し搬送時にも搬送方向の振れが生じ、旋回クレーンの作業性や安全性において問題となっていた。
【0012】
本発明は、上記したような従来技術に存在する問題点に着目してなしたものであり、その目的とするところは、簡略な装置構成にて旋回クレーンの旋回による吊り荷の振れ及び引込み・押出し搬送時の吊り荷の振れが生じないようにした旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ブームを有する旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法であって、ブームの旋回加速時はブーム吊り点を設定旋回速度まで線形加速させるようにし、加速開始点を死点とする振り子が前側に向けて最下点まで移動するときの下向き変位距離と、振り子の1/4周期と、設定旋回速度の遠心力により吊り荷がブーム吊り点半径から外方に変位する外側変位距離とを予め演算して求めておき、一方、ブームの旋回停止時はブーム吊り点を設定旋回速度から停止点まで線形減速させるようにし、減速開始点を最下点とする振り子が前側に向けて死点まで移動するときの上向き変位距離と、振り子の1/4周期とを予め演算して求めておき、ブームの旋回加速時には、線形加速時間を前記振り子の1/4周期の時間に一致させ、且つ振り子の1/4周期の時間内において吊り荷の外側変位距離だけブーム吊り点半径を減少し、同時に前記下向き変位距離を考慮した巻き出し量の巻き出しを行うことにより前後方向と半径方向の振れを防止し、ブームの旋回停止時には、線形減速時間を前記振り子の1/4周期の時間に一致させ、且つ振り子の1/4周期の時間内で前記上向き変位距離だけ吊り荷を巻き上げ、同時に吊り荷の外側変位距離だけブーム吊り点半径を増加してブーム吊り点を停止点上に一致させることを特徴とする旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法、に係るものである。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記加速開始点の半径と停止点の半径とが異なる場合は、設定旋回速度での旋回による遠心力によって外側に変位する吊り荷が停止点を通る半径の円上に位置するよう、線形加速時にブーム吊り点半径を増減する調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法、に係るものである。
【0015】
請求項3に記載の発明は、ブームを有する旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法であって、ブームの設定旋回速度を予め設定しておき、ブームの旋回加速時はブーム吊り点を設定旋回速度まで線形加速させるようにし、一方、ブームの旋回停止時は設定旋回速度から停止点まで線形減速させるようにし、前記線形加速と線形減速を吊り荷の振れの1/4周期の時間内で完了させることを特徴とする旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法、に係るものである。
【0016】
請求項4に記載の発明は、ブームを有する旋回クレーンのブーム吊り点と吊り荷間の吊り高さを変えることなく吊り荷を半径方向に搬送する場合の吊り荷の振れ止め制御方法であって、半径方向の搬送加速時は設定搬送速度まで線形加速させるようにし、加速開始点を死点とする振り子が最下点まで移動するときの下向き変位距離と、該振り子の1/4周期とを予め演算して求めておき、一方、搬送停止時は設定搬送速度から停止点まで線形減速させるようにし、減速開始点を最下点とする振り子が死点まで移動するときの上向き変位距離と、該振り子の1/4周期とを予め演算して求めておき、搬送加速時には、線形加速時間を前記振り子の1/4周期の時間に一致させ且つ振り子の1/4周期の時間内で前記下向き変位距離だけ吊り荷を巻き下げ、一方、搬送停止時には、線形減速時間を前記振り子の1/4周期の時間に一致させ且つ振り子の1/4周期の時間内で前記上向き変位距離だけ吊り荷を巻き上げることを特徴とする旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法、に係るものである。
【0017】
請求項5に記載の発明は、ブームを有する旋回クレーンのブーム吊り点と吊り荷間の吊り高さを変えることなく吊り荷を半径方向に搬送する場合の旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法であって、半径方向の設定搬送速度を予め設定しておき、搬送加速時は設定搬送速度まで線形加速させるようにし、一方、搬送停止時は設定搬送速度から停止点まで線形減速させるようにし、前記線形加速と線形減速を吊り荷の振れの1/4周期の時間内で完了させることを特徴とする旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法、に係るものである。
【0018】
上記手段では以下のように作用する。
【0019】
請求項1記載の発明では、簡略な装置構成、制御方法にて吊り荷の旋回時における旋回方向前後の振れと半径方向の振れを防止し、よって従来のように旋回停止時に吊り荷が円形の振れを生じる問題を防止し、吊り荷を停止点に静止させることができる。
【0020】
請求項2記載の発明では、吊り荷の加速開始点と停止点の半径が異なっても吊り荷を停止点に静止させることができる。
【0021】
請求項3記載の発明では、旋回時の吊り荷の振れを更に簡略な方法によって防止できる。
【0022】
請求項4記載の発明では、簡略な装置構成、制御方法にて吊り荷の半径方向の引込み・押出し搬送時における吊り荷の振れを防止できる。
【0023】
請求項5記載の発明では、吊り荷の半径方向の引込み・押出し搬送時の振れを更に簡略な方法によって防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1、図2は本発明の吊り荷の振れ止め制御方法を実施する旋回クレーンの一例を示したものであり、この旋回クレーンは、ブーム3の旋回、俯仰、伸縮及び吊り荷6の巻き上げ、巻き下げを駆動する装置の駆動制御を行うための駆動制御器9を備えている。
【0026】
駆動制御器9は、図3に示す制御装置10の演算装置11からの制御信号によって制御されるようになっており、前記演算装置11には、旋回クレーンの設定旋回速度V1(設定した一定速度)と、例えばロープ5の巻取り量から検出した吊り荷6の吊り高さL0とが入力されている。
【0027】
旋回クレーンでは、吊り荷6を吊り上げてブーム3を所定の位置まで旋回して搬送する時、吊り荷6は旋回方向前後の振れと遠心力による半径方向の振れを同時に生じることになるが、以下では上記旋回方向前後の振れと半径方向の振れを分けて説明する。
【0028】
先ず、吊り荷6の旋回方向前後の振れについて説明する。
【0029】
図4はブーム3の旋回加速時を示し、図5はブーム3の旋回停止時を示している。
【0030】
ブーム3の旋回加速時は、図1、図2に示すようにブーム吊り点4を加速開始点7上に移動してブーム吊り点半径rで吊り荷6を吊上げたクレーン本体1に対し、制御装置10は図4(A)に示すように、加速開始点7(速度V0)から設定旋回速度V1まで線形加速(一定変化率加速)するよう制御する。更に、演算装置11は図4(B)に示すように、旋回加速時における加速開始点7の吊り荷6の位置を死点R0とする振り子が最下点R1まで移動するときの重力バネである下向き変位距離Δh1と、この振り子の周期Tの1/4周期、即ちT/4を予め演算して求めるようにしている。
【0031】
更に、前記重力バネである下向き変位距離Δh1を相殺するために前記線形加速時に吊り荷6を巻き下げるように制御し、この時の巻き下げ速度Vvm1を求めている。
【0032】
下向き変位距離Δh1は、吊り荷6が走行開始点を死点R0として振り子の最下点R1まで移動するときの位置エネルギUと運動エネルギKから求められる。即ち、
U=mGh
K=1/2mV1 2
であるので、U=Kとおくことにより、下向き変位距離Δh1は
【数1】
Δh1=V1 2/2G・・・(1)
である。
【0033】
また、吊り荷6の振れの角速度ωは
【数2】
ω=√{G/(L0+Δh1)}・・・(2)
であるので、周期Tは
【数3】
T=2π/ω・・・(3)
である。
【0034】
更に、重力バネである下向き変位距離Δh1を相殺するために線形加速時に吊り荷6を巻き下げる巻き下げ速度Vvm1は
【数4】
Vvm1=8Δh1/T・・・(4)
である。また、この時の巻き下げ加速度αv1は、αv1=±64Δh1/T2である。+符号は下向きを、−符号は上向きをそれぞれ表わす。
【0035】
この時の水平加速度αhは
【数5】
αh=4V1/T・・・(5)
であり、よって線形加速時の速度vは
【数6】
v=αht・・・(6)
となる。
【0036】
一方、旋回中のブーム3の旋回停止時は、前記制御装置10は図5(A)に示すように、設定旋回速度V1の減速開始点から停止点8までを線形減速(一定変化率減速)で制御するようにしており、更に、演算装置11は図5(B)に示すように、上記停止時における減速開始点を吊り荷6の最下点F1として振り子が死点F0まで移動するときの重力バネである上向き変位距離Δh2と、この振り子の周期Tの1/4周期、即ちT/4とを予め演算して求める。
【0037】
また、前記重力バネである上向き変位距離Δh2を相殺するために前記線形減速時に吊り荷6を巻き上げるようにし、この時の巻き上げ速度Vvm2を求める。
【0038】
上向き変位距離Δh2は、吊り荷6が減速開始点を最下点F1として振り子の死点F0まで移動するときの位置エネルギUと運動エネルギKから求められる。即ち、
U=mGh
K=1/2mV1 2
であるので、U=Kとおくことにより、上向き変位距離Δh2は
【数7】
Δh2=V1 2/2G・・・(7)
である。
【0039】
また、吊り荷6の角速度ωは
【数8】
ω=√(G/L0)・・・(8)
であり、周期Tは
【数9】
T=2π/ω・・・(9)
である。
【0040】
更に、重力バネである上向き変位距離Δh2を相殺するために線形減速時に吊り荷6を巻き上げる巻き上げ速度Vvm2は
【数10】
Vvm2=8Δh2/T・・・(10)
である。また、この時の巻き上げ加速度αv2は、αv2=±64Δh2/T2である。−符号は下向きを、+符号は上向きをそれぞれ示す。
【0041】
この時の水平減速度αhは
【数11】
αh=4V1/T・・・(11)
であり、よって線形減速時の速度v’は
【数12】
v’=αht・・・(12)
となる。
【0042】
図3の演算装置11は上記演算の結果を記憶しており、ブーム3の旋回加速時及び旋回停止時には制御装置10は、演算装置11の演算結果に基づき駆動制御器9のインバータ装置12を介してブーム3の旋回と吊り荷6の巻き上げ巻き下げ用の各駆動装置13を自動制御するようにしている。
【0043】
次に、上記ブーム3の旋回加速時における振れ止め制御方法を図4、図6を参照して説明する。
【0044】
ブーム3の旋回加速時は、図4(A)に示すように、加速開始点7(速度=0)から設定した設定旋回速度V1までを線形加速(一定変化率加速)するようにブーム3の旋回を制御し、この時、線形加速時間tが演算装置11で予め求めた振り子の周期Tの1/4の時間であるT/4に一致して加速されるようにブーム3の旋回を制御する。
【0045】
更に、上記旋回加速の開始と同時に、振り子の1/4周期の時間T/4内で、演算装置11で求めておいた下向き変位距離Δh1だけ吊り荷6を巻き下げる。この時、吊り荷6を巻き下げ速度Vvm2で巻き下げる。このように振り子の1/4周期の時間T/4内で下向き変位距離Δh1だけ吊り荷6を巻き下げると、吊り荷6は図4(B)に示す破線のように死点R0から最下点R1に移動することによって重力バネが相殺され、これにより旋回加速時に吊り荷6が振れる問題は生じなくなる。
【0046】
上記したように、ブーム3の旋回加速時は、線形加速を振り子の1/4周期の時間に一致させて行い、且つ同時に振り子の1/4周期の時間内で下向き変位距離Δh1だけ吊り荷6を巻き下げることにより、線形加速によって生じる振り子の重力バネが相殺されて吊り荷6が振れなくなり、よって吊り荷6は略ブーム吊り点4の直下に位置して振れないまま設定旋回速度V1に移行することができる。
【0047】
次に、設定旋回速度V1で旋回しているブーム3の旋回停止時における振れ止め制御方法を図5、図7を参照して説明する。
【0048】
設定旋回速度V1で旋回しているブーム3の旋回停止時は、図5(A)に示すように、減速開始点(速度=V1)から停止点8(速度=V0)までを線形減速(一定変化率減速)するようにブーム3の旋回を制御する。この時、ブーム吊り点4の線形減速時間tが演算装置11で予め求めた振り子の1/4周期の時間に一致して減速されるように制御する。
【0049】
更に、上記減速開始と同時に、振り子の1/4周期の時間内で、演算装置11で求めておいた上向き変位距離Δh2だけ吊り荷6を巻き上げる。このように振り子の1/4周期の時間T/4内で上向き変位距離Δh2だけ吊り荷6を巻き上げると、吊り荷6は図5(B)に示す破線のように最下点F1から死点F0に移動することによって重力バネは相殺され、これにより旋回停止時に吊り荷6が振れる問題は生じなくなる。
【0050】
上記したように、ブーム3の旋回停止時に、線形減速を振り子の1/4周期の時間に一致させて行い、且つ同時に振り子の1/4周期の時間内で上向き変位距離Δh2だけ吊り荷6を巻き上げることにより、減速によって生じる振り子の重力バネが相殺されて吊り荷6が振れなくなり、よって吊り荷6はブーム吊り点4の略直下位置に静止される。
【0051】
次に、旋回時における吊り荷の半径方向の振れについて説明する。
【0052】
図1、図2、図8において、加速開始点7にて吊り荷6を吊上げたブーム吊り点半径rのブーム3を、加速開始点7(速度V0)から設定旋回速度V1まで線形加速するように旋回させると、吊り荷6は遠心力によってブーム吊り点半径rに対し外方に向けて変位する。従って、外側変位距離Δrを予め求めておき、線形加速時にブーム3を縮小することによって吊り荷6の位置をブーム吊り点半径rに一致させる制御を行う。又、外側変位距離Δrだけブーム吊り点半径rを減少すると、図8のようにロープ5が傾斜することによって吊り荷6は半径方向の揺れを生じることになるので、この揺れを防止するために前記と同様の巻き出しを行なうが、前記前後方向の揺れを防止するための下向き変位距離Δh1を考慮した巻き出し量ΔLを求めて、巻き出しを制御する。
【0053】
即ち、図8において、質量mの吊り荷6が旋回によって外側に変位する外側変位距離Δrは、
Δr=mrω0 2/mG(L0+Δh1)であり
【数13】
Δr=rω0 2/G(L0+Δh1)・・・(13)
である。ω0はブーム3の旋回角速度である。
【0054】
従って、上記式(13)から外側変位距離Δrを演算装置11にて予め演算して求めておく。
L2=(L0+Δh1)2+r2
L2=(L0+Δh1)2+(rω0 2/G)2(L0+Δh1)2
L2={1+(rω0 2/G)2}(L0+Δh1)2
∴L=√{1+(rω0 2/G)2}(L0+Δh1)
そして、rω0 2<<Gであれば、
√{1+(rω0 2/G)2}≒1+1/2(rω0 2/G)2
と近似することができる。
∴L={1+1/2(rω0 2/G)2}(L0+Δh1)
である。
【0055】
よって、巻き出し量ΔL1は
ΔL1=L−(L0+Δh1)
であり、
【数14】
ΔL1=1/2(rω0 2/G)2(L0+Δh1)・・・(14)
である。
【0056】
更に、重力バネである巻き出し量ΔL1を相殺するために線形加速時に吊り荷6を巻き下げる巻き下げ速度Vvm1は
【数15】
Vvm1=8ΔL1/T・・・(15)
である。また、この時の巻き下げ加速度αv1は、αv1=±64ΔL1/T2である。+符号は下向きを、−符号は上向きをそれぞれ表わす。
【0057】
上記式(14)から外側変位距離Δrに基づく前記下向き変位距離Δh1を考慮した巻き出し量ΔL1を演算装置11にて予め演算して求めておく。
【0058】
そして、ブーム3の旋回加速時に設定旋回速度V1まで線形加速する間、即ち振り子の1/4周期の時間T/4内において、図2に示すように外側変位距離Δrだけブーム3を縮小させることによりブーム吊り点半径をr−Δrに減少し、同時に巻き出し量ΔL1だけ巻き出すと、吊り荷6は図2に示すように半径方向に揺れることなく停止点8の半径の円上を移動することになる。
【0059】
一方、ブーム3の旋回停止時には、旋回を設定旋回速度V1から線形減速する間、即ち振り子の1/4周期の時間T/4内において、図2に示すように外側変位距離Δrだけブーム3を伸長させることによりブーム吊り点半径をrに戻すように増加する。
【0060】
このとき、吊り荷6の半径方向の振れを防止するために上向き変位距離Δh2を考慮した巻き込み量ΔL2を求めて巻き込み量を制御する。即ち、前記式(14)と同様にして巻き込み量ΔL2
【数16】
ΔL2=1/2(rω0 2/G)2(L0+Δh2)・・・(16)
を求める。
【0061】
更に、重力バネである巻き込み量ΔL2を相殺するために線形減速時に吊り荷6を巻き上げる巻き上げ速度Vvm2は
【数17】
Vvm2=8ΔL2/T・・・(17)
である。また、この時の巻き下げ加速度αv1は、αv1=±64ΔL2/T2である。−符号は下向きを、+符号は上向きをそれぞれ表わす。
【0062】
上記式(16)から外側変位距離Δrに基づく前記上向き変位距離Δh2を考慮した巻き込み量ΔL2を演算装置11にて予め演算して求めておく。
【0063】
そして、ブーム3の旋回停止時に線形減速する間、即ち振り子の1/4周期の時間T/4内において、図2に示すように外側変位距離Δrだけブーム3を伸長させることによりブーム吊り点半径を元に戻し、同時に巻き込み量ΔL2だけ巻き込むと、ブーム吊り点4は吊り荷6の略直上に位置するようになり、遠心力による半径方向の振り子の重力バネは相殺され、従って、吊り荷6は半径方向の振れがない状態で停止点8に静止するようになる。
【0064】
上記したように、旋回加速時においては、線形加速と、旋回方向前後の振れを防止するための下向き変位距離Δh1の巻き下げ操作により旋回方向前後の振れを防止し、同時に、旋回時の遠心力によって外方に変位する吊り荷6が停止点8の半径の円上にくるようにブーム吊り点半径rを減少し、そのときに生じる半径方向の振れを防止するために前記下向き変位距離Δh1の巻き下げを考慮した巻き出し量ΔL1での巻き出し操作を行うことによって半径方向の振れを防止する。
【0065】
また、旋回停止時においては、線形減速と、上向き変位距離Δh2だけ吊り荷6を巻き上げる操作とにより旋回方向前後の振れを防止し、同時に、外側変位距離Δrだけブーム吊り点半径を増加し、そのときに生じる半径方向の振れを防止するために前記上向き変位距離Δh2の巻き上げを考慮した巻き出し量ΔL2での巻き込み操作を行うことにより、吊り荷6は半径方向に振れることなく停止点に一致して静止する。従って、旋回停止時における旋回方向前後の振れと半径方向の振れの両方が防止されることにより、従来の図12にXで示したような円形の振れが防止される。
【0066】
一方、図2では、前記加速開始点7のブーム吊り点半径rと停止点8の半径rとが一致している場合について説明したが、加速開始点7の半径と停止点8の半径とが異なる場合がある。
【0067】
この場合には、図2の方法で吊り荷6を停止させると、停止点8と異なる半径位置に吊り荷6が停止されることになる。このとき、吊り荷6の旋回停止後に吊り荷6の半径方向位置を停止点8に調整することはできるが、これでは作業に時間が掛ってしまう。
【0068】
このため、以下のように制御することによって、旋回停止時に吊り荷6を任意の停止点8に停止させることができる。
【0069】
即ち、加速開始点7の半径と停止点8の半径とが異なる場合は、ブーム3の旋回加速時に前記半径の差分を調整する操作を行う。即ち、例えば図9に示すように、加速開始点7のブーム吊り点半径rに対して停止点8の半径が距離Sだけ小さい場合には、ブーム吊り点4を加速開始点7から設定旋回速度V1に線形加速させる間に、図6の破線枠及び図9に示すように、設定旋回速度V1の旋回により遠心力を受けて外側に変位した吊り荷6が停止点8を通る半径の円上になるように、S+Δrだけ吊り点半径を減少する。
【0070】
このとき、距離Sだけ吊り点半径を余分に変化させることによって遠心力が変化し、半径方向の振れを生じることになるので、この分の補正を行う。即ち、距離Sだけ余分に吊り点4が移動することにより図8のロープ5の傾き角が大きくなってLの値が大きくなるので、このLの増加により変化する巻き出し量αを予め求めて式(14)の巻き出し量ΔL1に加算しておき、線形加速時に巻き出し量ΔL1+αの巻き出しを行う。これにより吊り荷6は振れを生じることなく停止点8を通る半径の円上を旋回するようになる。一方、旋回停止時には、前記旋回停止時と同様にしてブーム吊り点4が吊り荷6の上部になるように外側変位距離Δrだけブーム吊り点4の半径を増加すると同時に巻き出し量ΔL2を巻き出すことにより、吊り荷6は停止点8で静止して正確に停止するようになる。
【0071】
次に、前記吊り荷の旋回方向前後の振れを防止する簡便な形態例を図10について説明する。
【0072】
ブーム3の設定旋回速度V1を予め設定しておき、ブーム3の旋回加速時は、加速開始点7(速度V0=0)のブーム吊り点4がt時間後に最高速度である設定旋回速度V1になるように線形加速(一定変化率加速)させる。また、設定した設定旋回速度V1で旋回しているブーム3の停止時は、予定した停止点で停止させるために、停止点よりt時間前の時点から線形減速(一定変化率減速)させる。そして、前記線形加速と線形減速の操作が、吊り荷6の振れの周期T=2π/ωの1/4周期の時間で完了するようにする。
【0073】
このように、線形加速と線形減速の操作を、吊り荷の振れの1/4周期の時間内で完了させるという簡便な制御によっても、吊り荷の振れを低減することができる。また、上記簡便な制御方法によるブーム3の旋回停止時にも、前記図2或いは図9に示した半径方向の振れを防止する制御を同時に行うことにより、旋回停止時に吊り荷6が図12にXで示したような従来の円形の振れを防止できる。
【0074】
次に、ブーム3の俯仰と伸縮を組合わせて吊り荷を半径方向に搬送する引込み搬送と押出し搬送における搬送開始時と搬送停止時における吊り荷の振れを防止する形態を説明する。
【0075】
上記半径方向の搬送時における吊り荷の振れ防止は、前記ブーム旋回時の吊り荷の振れ防止の方法と全く同様の方法を用いることができ、よって図4、図5に示した符号を用いて説明する。
【0076】
即ち、半径方向搬送の搬送加速時は、図4に示すように設定搬送速度V1まで線形加速させるようにし、加速開始点を死点R0とする振り子が最下点R1まで移動するときの下向き変位距離Δh1と、該振り子の1/4周期とを予め演算して求めておき、一方、搬送停止時は、図5に示すように設定搬送速度V1から停止点まで線形減速させるようにし、減速開始点を最下点F1とする振り子が死点F0まで移動するときの上向き変位距離Δh2と、該振り子の1/4周期とを予め演算して求めておく。
【0077】
そして、半径方向の搬送加速時には、線形加速時間tを前記振り子の1/4周期の時間に一致させ且つ振り子の1/4周期の時間内で前記下向き変位距離Δh1だけ吊り荷6を巻き下げる。これにより、吊り荷6は図4(B)に破線で示したように死点R0から最下点R1に移動することになるために重力バネが相殺され、これによって加速時に吊り荷6が振れる問題は生じなくなる。
【0078】
一方、半径方向の搬送停止時には、線形減速時間tを前記振り子の1/4周期の時間に一致させ且つ振り子の1/4周期の時間内で前記上向き変位距離Δh2だけ吊り荷6を巻き上げる。これにより、吊り荷6は図5(B)に破線で示したように最下点F1から死点F0に移動することになるために重力バネは相殺され、これによって減速時に吊り荷6が振れる問題は生じなくなる。
【0079】
更に、前記吊り荷6の引込み・押出し搬送の場合にも図10に示したような簡便な方法にて吊り荷6の振れを防止することができる。
【0080】
即ち、吊り荷6を半径方向に搬送する設定搬送速度V1を予め設定しておき、搬送加速時は、搬送開始点(速度V0=0)のブーム吊り点4がt時間後に最高速度である設定搬送速度V1になるように線形加速(一定変化率加速)させる。また、設定搬送速度V1で搬送している吊り荷6の搬送停止時は、予定した停止点で停止させるために、停止点よりt時間前の時点から線形減速(一定変化率減速)させる。そして、前記線形加速と線形減速の操作が、吊り荷6の振れの周期T=2π/ωの1/4周期の時間で完了するようにする。
【0081】
このように、線形加速と線形減速の操作を、吊り荷6の振れの1/4周期の時間内で完了させるという簡略な制御によっても、吊り荷6の振れを低減することができる。
【0082】
前記したように、本発明の旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法では、旋回クレーンによる吊り荷運搬時における吊り荷の振れを予め演算し、その振れの重力バネを相殺するように吊り荷の位置をフィードフォワード制御で調節するようにしたので、簡略な装置構成、制御方法によって効果的な振れ止めを達成することができた。
【0083】
尚、本発明は上記形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0084】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、簡略な装置構成、制御方法にて吊り荷の旋回時における旋回方向前後の振れと半径方向の振れを防止し、よって従来のように旋回停止時に吊り荷が円形の振れを生じる問題を防止し、吊り荷を停止点に静止させられる効果がある。
【0085】
請求項2記載の発明によれば、吊り荷の加速開始点と停止点の半径が異なっても吊り荷を停止点に静止させられる効果がある。
【0086】
請求項3記載の発明によれば、旋回時の吊り荷の振れを更に簡略な方法によって防止できる効果がある。
【0087】
請求項4記載の発明によれば、簡略な装置構成、制御方法にて吊り荷の半径方向の引込み・押出し搬送時における吊り荷の振れを防止できる効果がある。
【0088】
請求項5記載の発明によれば、吊り荷の半径方向の引込み・押出し搬送時の振れを更に簡略な方法によって防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吊り荷の振れ止め制御方法を実施する旋回クレーンの一例を示す側面図である。
【図2】図1の旋回クレーンの平面図である。
【図3】本発明を実施する制御装置のブロック図である。
【図4】(A)は本発明における旋回加速時の速度制御方法を示す線図、(B)は旋回加速時の吊り荷の振れ止め原理を示す線図である。
【図5】(A)は本発明における旋回停止時の速度制御方法を示す線図、(B)は旋回停止時の吊り荷の振れ止め原理を示す線図である。
【図6】本発明における旋回加速時の吊り荷の振れ止め制御を行うフローチャートである。
【図7】本発明における旋回停止時の吊り荷の振れ止め制御を行うフローチャートである。
【図8】本発明においてブーム吊り点半径を減少するときに吊り荷の半径方向の振れを防止するために巻き出す巻き出し量を説明するための線図である。
【図9】本発明において吊り荷を任意の停止点に停止させる方法を示すためのクレーンの平面図である。
【図10】本発明の吊り荷の振れ止め制御方法の簡便な形態例を示す線図である。
【図11】従来の旋回クレーンにおける吊り荷の振れの発生原理を示す側面図である。
【図12】図11の旋回クレーンの平面図である。
【図13】従来の旋回クレーンにおいて吊り荷を半径方向に搬送する際の吊り荷の振れの発生原理を示す側面図である。
【図14】従来の旋回クレーンにおいて吊り荷を旋回する際の吊り荷が旋回方向前後に振れる発生原理を示す側面図である。
【符号の説明】
3 ブーム
4 ブーム吊り点
6 吊り荷
7 加速開始点
8 停止点
r ブーム吊り点半径
F0 死点
F1 最下点
L0 吊り高さ
R0 死点
R1 最下点
T 周期
V1 設定旋回速度(設定搬送速度)
t 線形加速時間(線形減速時間)
Δh1 下向き変位距離
Δh2 上向き変位距離
Δr 外側変位距離
Claims (5)
- ブームを有する旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法であって、ブームの旋回加速時はブーム吊り点を設定旋回速度まで線形加速させるようにし、加速開始点を死点とする振り子が前側に向けて最下点まで移動するときの下向き変位距離と、振り子の1/4周期と、設定旋回速度の遠心力により吊り荷がブーム吊り点半径から外方に変位する外側変位距離とを予め演算して求めておき、一方、ブームの旋回停止時はブーム吊り点を設定旋回速度から停止点まで線形減速させるようにし、減速開始点を最下点とする振り子が前側に向けて死点まで移動するときの上向き変位距離と、振り子の1/4周期とを予め演算して求めておき、ブームの旋回加速時には、線形加速時間を前記振り子の1/4周期の時間に一致させ、且つ振り子の1/4周期の時間内において吊り荷の外側変位距離だけブーム吊り点半径を減少し、同時に前記下向き変位距離を考慮した巻き出し量の巻き出しを行うことにより前後方向と半径方向の振れを防止し、ブームの旋回停止時には、線形減速時間を前記振り子の1/4周期の時間に一致させ、且つ振り子の1/4周期の時間内で前記上向き変位距離だけ吊り荷を巻き上げ、同時に吊り荷の外側変位距離だけブーム吊り点半径を増加してブーム吊り点を停止点上に一致させることを特徴とする旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法。
- 前記加速開始点の半径と停止点の半径とが異なる場合は、設定旋回速度での旋回による遠心力によって外側に変位する吊り荷が停止点を通る半径の円上に位置するよう、線形加速時にブーム吊り点半径を増減する調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法。
- ブームを有する旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法であって、ブームの設定旋回速度を予め設定しておき、ブームの旋回加速時はブーム吊り点を設定旋回速度まで線形加速させるようにし、一方、ブームの旋回停止時は設定旋回速度から停止点まで線形減速させるようにし、前記線形加速と線形減速を吊り荷の振れの1/4周期の時間内で完了させることを特徴とする旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法。
- ブームを有する旋回クレーンのブーム吊り点と吊り荷間の吊り高さを変えることなく吊り荷を半径方向に搬送する場合の吊り荷の振れ止め制御方法であって、半径方向の搬送加速時は設定搬送速度まで線形加速させるようにし、加速開始点を死点とする振り子が最下点まで移動するときの下向き変位距離と、該振り子の1/4周期とを予め演算して求めておき、一方、搬送停止時は設定搬送速度から停止点まで線形減速させるようにし、減速開始点を最下点とする振り子が死点まで移動するときの上向き変位距離と、該振り子の1/4周期とを予め演算して求めておき、搬送加速時には、線形加速時間を前記振り子の1/4周期の時間に一致させ且つ振り子の1/4周期の時間内で前記下向き変位距離だけ吊り荷を巻き下げ、一方、搬送停止時には、線形減速時間を前記振り子の1/4周期の時間に一致させ且つ振り子の1/4周期の時間内で前記上向き変位距離だけ吊り荷を巻き上げることを特徴とする旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法。
- ブームを有する旋回クレーンのブーム吊り点と吊り荷間の吊り高さを変えることなく吊り荷を半径方向に搬送する場合の旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法であって、半径方向の設定搬送速度を予め設定しておき、搬送加速時は設定搬送速度まで線形加速させるようにし、一方、搬送停止時は設定搬送速度から停止点まで線形減速させるようにし、前記線形加速と線形減速を吊り荷の振れの1/4周期の時間内で完了させることを特徴とする旋回クレーンの吊り荷の振れ止め制御方法。
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