JP2004284735A - クレーンの運転制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】吊荷の荷揚げ点から荷降ろし点までの運搬時間を短縮する。
【解決手段】クレーンの吊荷を吊揚げる吊点Aが移動する運転領域3を平面と見なし荷揚げ点6と荷降ろし点7とを2つの座標軸X,Y上で定義し、荷揚げ点6と荷降ろし点7を結ぶ運搬経路9上を移動する吊点Aの運搬速度Vを設定し、且つ吊点Aが運搬速度Vで移動するときの1つの座標軸Yの移動距離Δyから主側速度Vyを演算して設定し、1つの座標軸Yに沿い主側速度Vyで吊点Aを移動させると同時に、他方の座標軸Xに沿い主側速度Vyの移動に伴って演算した従側速度Vxで吊点Aを移動させることにより、吊荷を荷揚げ点6から荷降ろし点7まで最短時間で移動させる。
【選択図】 図1
【解決手段】クレーンの吊荷を吊揚げる吊点Aが移動する運転領域3を平面と見なし荷揚げ点6と荷降ろし点7とを2つの座標軸X,Y上で定義し、荷揚げ点6と荷降ろし点7を結ぶ運搬経路9上を移動する吊点Aの運搬速度Vを設定し、且つ吊点Aが運搬速度Vで移動するときの1つの座標軸Yの移動距離Δyから主側速度Vyを演算して設定し、1つの座標軸Yに沿い主側速度Vyで吊点Aを移動させると同時に、他方の座標軸Xに沿い主側速度Vyの移動に伴って演算した従側速度Vxで吊点Aを移動させることにより、吊荷を荷揚げ点6から荷降ろし点7まで最短時間で移動させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレーンの運転制御方法に関し、特に吊荷の荷揚げ点から荷降ろし点までの運搬時間を短縮し、更に吊荷の振れを防止することによって、クレーンの実質的な作業能率を高め得るようにしたクレーンの運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
荷揚げ点で吊荷を吊上げて目的の荷降ろし点まで吊荷を運搬するクレーンでは、吊荷の荷揚げ点と荷降ろし点の間を最短時間で運搬して作業能率を高めることが要求され、また、この運搬時に吊荷が振れると荷降ろしに時間が掛って作業能率が低下することから、吊荷の振れを防止することが同時に要求される。
【0003】
トロリの停止位置決めと吊荷の振れ止めの両者を同時に短時間で制御する方法としては、目的位置設定器が、操作器から停止指令を受けたときに、速度検出器からの検出移動速度によってトロリを停止させる目的位置を求め、また、振れ止め制御器が、トロリをこの目的停止位置とトロリの検出現在位置から求められた残り移動量と、トロリの検出移動速度と、振れ角検出器で検出した振れ角とから、電動機を停止するのに必要な加速度を判断して、この判断した加速度を表わす停止用速度指令を速度制御器へ供給するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、2次抵抗駆動制御系による吊荷運搬用クレーンの振れ止め・位置決め制御方法としては、搬送目標地点までの距離に応じてクレーンの横走行を搬送指令により開始し、最高速度まで急速に上げて最高速度での移動を行う初期加速工程、目標地点までの残距離とその時の移動速度の関係により得たタイミングで、最高速度から強制的に減速させる第1減速工程、第1減速工程で減速したクリープ速度状態を保持するクリープ速度保持工程、目標地点までの残距離とその時の移動速度の関係に基づいて、クリープ速度から更に減速してほぼ停止させる第2減速工程、停止位置での残留振れ及び位置偏差が許容範囲外のとき、最適な制御指令を出力して残留振れを収束し及び位置偏差を減少させるフィードバック制御工程、の各工程を経て制御するようにしたものがある(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平05−000796号公報
【特許文献2】
特開平11−292464号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載のものは、クレーンの吊荷の振れを防止することによって荷降ろしに要する時間を短縮しようとしたものであるが、何れも振れ止めをフィードバック制御で行う方法であるために速度の検出や加減速度の設定及び加減速の動作タイミング等の面で制御が複雑で難しいにも拘らず、良好な振れ止め効果が期待できない問題がある。また、上記特許文献1及び2は、吊荷を1軸方向に直線的に運搬する場合における振れ止めに関するものであり、例えば2つの座標軸に沿って同時に吊点を移動させて平面の領域で吊荷を運搬する場合の振れ止めについては何ら開示していない。従って、特許文献1及び2では、2つの座標軸に沿い同時に吊点を移動させることによって吊荷を荷揚げ点から荷降ろし点まで最短時間で運搬し、同時にこの運搬に伴う吊荷の振れを防止することによってクレーンの実質的な作業能率を高めるというようなことはできない。
【0007】
本発明は、上記課題に着目してなしたものであり、その目的とするところは、吊荷の荷揚げ点から荷降ろし点までの運搬時間を短縮し、同時にこの運搬によって生じる吊荷の振れを簡略な方法により防止して実質的な作業能率を高めるようにしたクレーンの運転制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、クレーンの吊荷を吊揚げる吊点が移動する運転領域を平面と見なし荷揚げ点と荷降ろし点とを2つの座標軸上で定義し、荷揚げ点と荷降ろし点を結ぶ運搬経路上を移動する吊点の運搬速度を設定し、且つ吊点が運搬速度で移動するときの1つの座標軸の移動距離から主側速度を演算して設定し、1つの座標軸に沿い前記主側速度で吊点を移動させると同時に、他方の座標軸に沿い前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させることにより、吊荷を荷揚げ点から荷降ろし点まで最短時間で移動させることを特徴とするクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記2つの座標軸が、縦軸と横軸からなる直交した2軸座標であることを特徴とする請求項1に記載のクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記2つの座標軸が、旋回角と半径からなる極座標であることを特徴とする請求項1に記載のクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記吊点を主側速度で移動させる1つの座標軸は、吊点が荷揚げ点から荷降ろし点に移動する移動距離が長い側の座標軸であり、前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させる他方の座標軸は、荷揚げ点から荷降ろし点に移動する吊点の移動距離が短い側の座標軸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記荷揚げ点及び荷降ろし点の座標認知は、クレーン自体の測距装置または外部指示装置の少なくとも1つによって行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記外部指示装置は、GPS装置であることを特徴とする請求項5に記載のクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記吊点と吊荷との間の吊下げ長さを測定し、荷揚げ点で吊揚げた吊荷を運搬速度まで加速する始動加速時は、吊下げ長さに基づく吊荷の固有周期の1/4の時間内で運搬速度に達するように1つの座標軸に沿う主側線形加速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形加速とを行うことにより吊荷の振れを防止し、また、運搬速度で移動する吊荷を荷降ろし点に停止させる停止減速時は、運搬速度からの減速によって吊荷が固有周期の1/4の時間で移動する振れ幅だけ手前位置から1つの座標軸に沿う主側線形減速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形減速とを行うことにより吊荷の振れを防止することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0015】
上記手段では以下のように作用する。
【0016】
請求項1に記載の発明では、クレーンの吊荷を吊揚げる吊点が移動する運転領域を平面と見なし荷揚げ点と荷降ろし点とを2つの座標軸上で定義し、荷揚げ点と荷降ろし点を結ぶ運搬経路上を移動する吊点の運搬速度を設定し、且つ吊点が運搬速度で移動するときの1つの座標軸の移動距離から主側速度を演算して設定し、1つの座標軸に沿い前記主側速度で吊点を移動させると同時に、他方の座標軸に沿い前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させることにより、吊荷を荷揚げ点から荷降ろし点まで最短時間で移動させるようにしたので、1つの座標軸に沿う主側速度と他の座標軸に沿う従側速度による合成した運搬速度によって吊荷を荷揚げ点から荷降ろし点まで自動的に最短時間で移動させることができ、クレーンの作業能率を大幅に向上できる。
【0017】
請求項2に記載の発明では、縦軸と横軸からなる直交した2軸座標での運搬を行う天井クレーン等に適用できる。
【0018】
請求項3に記載の発明では、旋回角と半径からなる極座標での運搬を行うジブクレーン等に適用できる。
【0019】
請求項4に記載の発明では、前記吊点を主側速度で移動させる1つの座標軸は、吊点が荷揚げ点から荷降ろし点に移動する移動距離が長い側の座標軸であり、前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させる他方の座標軸は、荷揚げ点から荷降ろし点に移動する吊点の移動距離が短い側の座標軸としているので、吊荷の運搬を安定して制御することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明では、前記荷揚げ点及び荷降ろし点の座標認知は、クレーン自体の測距装置または外部指示装置の少なくとも1つで行うようにしているので、従来から用いられている装置を利用して座標を認知することにより本発明の実施を容易に可能にできる。
【0021】
請求項6に記載の発明では、前記外部指示装置をGPS装置としたことにより、荷揚げ点及び荷降ろし点の座標を比較的簡単にしかも精度良く認知できる。
【0022】
請求項7に記載の発明では、前記吊点と吊荷との間の吊下げ長さを測定し、荷揚げ点で吊揚げた吊荷を運搬速度まで加速する始動加速時は、吊下げ長さに基づく吊荷の固有周期の1/4の時間内で運搬速度に達するように1つの座標軸に沿う主側線形加速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形加速とを行うことにより吊荷の振れを防止し、また、運搬速度で移動する吊荷を荷降ろし点に停止させる停止減速時は、運搬速度からの減速によって吊荷が固有周期の1/4の時間で移動する振れ幅だけ手前位置から1つの座標軸に沿う主側線形減速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形減速とを行うことにより吊荷の振れを防止するようにしたので、フィードフォワードによる簡略な制御手段にて吊荷の振れを効果的に防止できる。
【0023】
更に、上述したように、1つの座標軸に沿う主側速度と他の座標軸に沿う従側速度との合成した運搬速度で吊点を荷揚げ点と荷降ろし点を結ぶ最短の運搬経路で移動させることにより吊荷を最短時間で運搬することと、この運搬における始動時の線形加速と停止時の線形減速とを吊荷の固有周期の1/4の時間内で完了させるという簡略な制御手段により吊荷の振れを効果的に防止して荷降ろしに要する時間を短縮することを同時に実施することによって、クレーンの作業時間を実質的に大幅に短縮して作業能率を著しく高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は本発明の方法を実施する天井クレーンの一例を示した平面図であり、天井クレーンは、天井を1つの座標軸(縦軸)Y方向に走行するガーダ1と、該ガーダ1上に沿って他方の座標軸(横軸)X方向に横行するトロリ2を備え、ガーダ1の座標軸Y方向の走行範囲とトロリ2の座標軸X方向の横行範囲とからなる運転領域3において、トロリ2が荷揚げ点6において図3の吊フック4を介して吊揚げた吊荷5を、荷降ろし点7まで運搬するようにしている。
【0026】
前記天井クレーンによる運転領域3を平面とみなし、この運転領域3において荷揚げ点6と荷降ろし点7とを2つの座標軸X,Y上で定義し、定義した荷揚げ点6の座標位置x0,y0及び荷降ろし点7の座標位置x1,y1は図3、図4に示す演算制御装置8に入力する。
【0027】
このときの荷揚げ点6及び荷降ろし点7の座標認知は、クレーン自体に備えられている測距装置または外部指示装置の少なくとも一つによって行う。クレーン自体の測距装置としては、図4のガーダ走行モータ1aに備えた走行距離検出装置1b(ロータリエンコーダ)と、トロリ横行モータ2aに備えた横行距離検出装置2b(ロータリエンコーダ)を用いることができる。外部指示装置としては、GPS装置を用いることができ、またその他にも、前記運転領域3を番地化して荷揚げ点6と荷降ろし点7とを番地によって認識させることもできる。また、前記座標認知は、クレーン自体の測距装置と外部指示装置とを組合わせることによって実施してもよい。
【0028】
更に、図1に示すように荷揚げ点6と荷降ろし点7とを直線で結ぶ運搬経路9を想定し、この運搬経路9に沿って運搬する運搬速度V(運搬可能な最高速度)を設定してこの運搬速度Vを前記図3、図4の演算制御装置8に入力する。
【0029】
演算制御装置8は、前記荷揚げ点6と荷降ろし点7の座標から運搬経路9における2つの座標軸X,Yでの移動距離Δx,Δyを夫々演算する。更に、移動距離が長い側である1つの座標軸Yにおける移動距離Δyと前記運搬速度Vから主側速度Vyを演算して設定する。
【0030】
そして、演算制御装置8は、吊点Aが1つの座標軸Yに沿って前記主側速度Vyで移動するようにガーダ走行モータ1aの駆動を制御すると同時に、吊点Aが他方の座標軸Xに沿い前記主側速度Vyの移動に伴って演算した従側速度Vxで移動するようトロリ横行モータ2aの駆動を制御する。これにより、吊点Aの吊荷5はガーダ走行モータ1aによる主側速度Vyとトロリ横行モータ2aによる従側速度Vxとを合成した運搬速度Vで運搬されることになる。
【0031】
尚、上記では図1に示すように、2つの座標軸X,Yの移動距離Δx,Δyを比較して、移動距離が長い側(移動距離Δyの座標軸Y側)を主側速度Vyとして設定して1つの座標軸Yに沿う移動を制御し、この主側速度Vyに追随させて移動距離が短い側(移動距離Δxの座標軸X側)の従側速度Vxを演算しながら制御する場合について例示したが、2つの座標軸X,Yの移動距離に関係なく一方を主側速度として設定し、他方を従側速度として追随させるようにしてもよい。
【0032】
上記形態では、図2に示すフローチャートの如く制御される。
【0033】
天井クレーンの運転領域3において、荷揚げ点6と荷降ろし点7とを2つの座標軸X,Y上で定義する(ステップS1)。
【0034】
次に、荷揚げ点6と荷降ろし点7とを直線で結ぶ運搬経路9を想定し、この運搬経路9に沿う運搬速度V(運搬可能な最高速度)を設定する(ステップS2)。
【0035】
更に、運搬経路9での2つの座標軸X,Yにおける移動距離Δx,Δyを夫々演算して求め、移動距離が長い1つの座標軸Yでの移動距離Δyと運搬速度Vから主側速度Vyを演算して設定する(ステップS3)。
【0036】
そして、前記主側速度Vyになるようにガーダ走行モータ1aを駆動して吊点Aを1つの座標軸Yに沿い移動させると同時に、前記主側速度Vyの移動に伴い演算した従側速度Vxになるようにトロリ横行モータ2aを駆動して吊点Aを移動させる(ステップS4)。
【0037】
これにより、吊点Aは、ガーダ走行モータ1aによる主側速度Vyとトロリ横行モータ2aによる従側速度Vxとが合成された運搬速度Vで運搬経路9上を移動し、吊荷5は荷揚げ点6から荷降ろし点7まで最短時間で運搬される。これによってクレーンの作業時間が短縮され作業能率を大幅に高めることができる。
【0038】
一方、上記では吊荷5を荷揚げ点6から荷降ろし点7まで最短時間で移動させることについて説明したが、天井クレーンにおいて図1のように運搬経路9に沿って吊荷5を運搬すると、運搬の始動加速時及び減速停止時に、図5のように運搬方向の前後に吊荷5が振れる問題がある。
【0039】
この吊荷5の振れを防止する方法について以下に説明する。
【0040】
図5のごとく、吊荷5を吊った状態のトロリ2が吊点Aを運搬速度Vまで加速させる始動加速時には、吊荷5は慣性によって−Fのように後方に遅れ、これによって吊荷5は吊下げ長さLに基づいた固有周期Tで振れを生じる。一方、吊点Aが運搬速度Vで移動している状態から減速して停止させる減速停止時には、吊荷5は慣性によって+Fのように前方に進み、これによって吊荷5は吊下げ長さLに基づいた固有周期Tで同様の振れを生じる。
【0041】
上記において、後方−Fまたは前方+Fに振れた吊荷5が吊点Aの直下位置に戻ったときに前記加速または減速が終了するように制御すると、吊荷5の振れをなくすことができる。
【0042】
即ち、特願2002−295168号に示した如く、図6に示すように運搬速度Vが予め設定された状態において、始動加速時には、荷揚げ点6の速度0から最高速度である運搬速度Vに達する点22までの時間tが、前記吊荷5の固有周期Tの1/4の時間になるように吊点Aを線形加速23(一定変化率加速)させることにより吊荷5の振れを防止できる。また、運搬速度Vで移動している吊荷5を荷降ろし点7に停止させる減速停止時には、吊降ろし点7より吊荷5の固有周期Tの1/4の時間だけ前の時間tの点24から吊点Aを線形減速25(一定変化率減速)させることにより吊荷5の振れを防止できる。
【0043】
一方、上記した吊荷5の振れを防止するためには、吊荷5の固有振動の周期T(固有周期)を求める必要があり、この吊荷5の固有周期Tを求めるには、吊下げ長さLを測定する必要がある。吊下げ長さLを測定する方法としては従来から用いられている種々の方法を用いることができる。
【0044】
吊下げ長さLを測定する方法としては、例えば特願2003−35041号に示した吊下げ長さ測定方法を用いることができる。特願2003−35041号では、図3に示すごとく、吊フック4に荷重検出装置12を設けると共に、ウインチ10に巻取り長さ検出装置13を設けており、天井クレーンの吊点Aと地面等の接地面Bとの間の吊点高さ距離Hは予め分かっていることから吊下げ長さLを測定するようにしている。
【0045】
即ち、吊荷5の底面が接地面Bに接した破線の状態から、ウインチ10を駆動して吊索11を巻取って実線のように吊荷5を吊り上げると、荷重検出装置12による荷重検出信号が設定荷重を超えたことによって地切り(吊荷5の底面が接地面Bから離れること)が検出され、この地切りの検出以後に巻取り長さ検出装置13が検出する巻取り長さと同じ距離だけ吊荷5は吊上げられるので、前記吊点高さ距離Hから前記荷重検出装置12の巻取り長さを減算することによって、吊点Aから吊荷5の底面までの吊下げ長さLを正確に測定することができる。このように吊下げ長さLを正確に測定することにより、種々変化する吊下げ長さLに対応した吊荷5の固有周期T(図5)を常に正確に求めることができる。
【0046】
前記した吊下げ長さLを前記演算制御装置8に入力すると、演算制御装置8はその吊下げ長さLに基づいて固有周期Tを演算し、その固有周期Tの1/4の時間内に前記始動加速時の線形加速23及び停止減速時の線形減速25が終了するようにガーダ走行モータ1aとトロリ横行モータ2aを制御する。
【0047】
このとき、前記図1の運搬経路9における運搬速度Vは、2つの座標軸X,Yの主側速度Vyと従側速度Vxの合成速度であるために、前記線形加速23及び線形減速25も座標軸X,Yによる合成速度とする必要がある。
【0048】
このために、図6の線形加速23を行うには、先ず固有周期Tの1/4の時間で運搬速度Vに達するのに必要な1つの座標軸Yに沿って吊点Aを移動させる主側線形加速αy・1/4Tを設定し、この主側線形加速αy・1/4Tで1つの座標軸Yに沿い吊点Aを移動させると同時に、前記主側線形加速αy・1/4Tでの移動に伴い演算した従側線形加速αx・1/4Tで他の座標軸Xに沿って吊点Aを移動させる。
【0049】
また、図6の線形減速25を行うには、上記と同様にして設定した主側線形減速Vy−αy・1/4Tで吊点Aを1つの座標軸Yに沿い移動させると同時に、前記主側線形減速Vy−αy・1/4Tでの移動に伴い演算した従側線形減速Vx−αx・1/4Tで他の座標軸Xに沿い吊点Aを移動させる。
【0050】
このように、線形加速23と線形減速25が、2つの座標軸X,Yでの合成した速度で移動され、且つ夫々が吊荷5の固有周期の1/4の時間内で完了するように制御されることにより、簡単な制御手段にて吊荷5の振れを有効に低減することができる。更に、上記した天井クレーンの吊荷5の制振は、完全なフィードフォワード制御で行われるため、制御が非常にシンプルであり、且つ従来のような精密な振れ角検出装置等が不要であるために装置構成も簡素化できる。
【0051】
上記によれば、1つの座標軸Yに沿う主側速度Vyと他の座標軸Xに沿う従側速度Vxとの合成した運搬速度Vで吊点Aを荷揚げ点6と荷降ろし点7を結ぶ最短の運搬経路9を移動させることにより吊荷5を最短時間で運搬することと、この運搬における始動時の線形加速23と停止時の線形減速25とを吊荷5の固有周期の1/4の時間内で完了させるという簡略な制御手段により吊荷5の振れを効果的に防止して荷降ろしに要する時間を短縮することを同時に実施することによって、クレーンの作業時間を実質的に大幅に短縮して作業能率を著しく高めることができる。
【0052】
次に、本発明の運転制御方法の他の形態を説明する。
【0053】
図7は本発明の方法を実施するジブクレーンの一例を示した平面図、図8はその斜側面図であり、ジブクレーンは、伸縮するジブ26が旋回台27に起伏自在に備えられており、ジブ26は旋回と起伏と伸縮が行えるようになっている。そして、ジブ26先端の吊点Aから吊り下げられた吊索11によって吊荷5を吊上げるようにしている。
【0054】
ジブクレーンを平面視した図7では、ジブ26による最大作業半径R1と最小作業半径R2との間である運転領域3において、ジブ先端の吊点Aで吊揚げた吊荷5(図9参照)を、荷揚げ点6から荷降ろし点7に運搬するようにしている。
【0055】
前記ジブクレーンによる運転領域3を平面とみなし、この運転領域3において荷揚げ点6と荷降ろし点7とを2つの座標軸である旋回角θと半径Rからなる極座標上で定義し、定義した荷揚げ点6の座標位置θ0,r0及び荷降ろし点7の座標位置θ1,r1を、図示しないが図3、図4に示したような演算制御装置8に入力する。このときの荷揚げ点6及び荷降ろし点7の座標認知は、前記図1の形態と同様に行うことができる。
【0056】
図7において、荷揚げ点6と荷降ろし点7とを、旋回角θと半径Rを同時に同一の変化率で変化させることによって得られる運搬経路9で結び、この運搬経路9に沿う吊荷5の運搬速度V(運搬可能な最高速度)を設定して前記演算制御装置8に入力する。これにより、演算制御装置8は、運搬経路9における2つの座標軸θ,Rでの旋回移動距離Δθと半径移動距離Δrを夫々演算し、移動距離が長い側の1つの座標軸θでの旋回移動距離Δθから主側速度Vθを設定する。このとき、図8では半径移動距離Δrより旋回移動距離Δθの方が長くなっている。
【0057】
そして、1つの座標軸θに沿い、吊点Aが前記主側速度Vθで移動するようにジブ26の旋回駆動を行うと同時に、他方の座標軸Rに沿い前記主側速度Vθの移動に伴って演算した従側速度Vrになるようにジブ26の半径方向の変化を行う。ジブ26の半径方向の変化は、ジブ26の伸縮または俯仰、或いはこの両者の組合わせによって行う。上記によれぱ吊荷5は、旋回による主側速度Vθと半径方向の従側速度Vrとが合成された運搬速度Vによって運搬される。
【0058】
尚、上記では図7に示すように、2つの座標軸θ,Rの移動距離Δθ,Δrを比較して、移動距離が長い側(移動距離Δθ)を主側速度Vθとして設定する場合について例示したが、2つの座標軸θ,Rの移動距離に関係なく一方を主側速度とし、他方を従側速度として予め決めておくようにしてもよい。
【0059】
上記したように、ジブクレーンにおいて座標軸θに沿う主側速度Vθの移動と座標軸Rによる従側速度Vrとを合成した運搬速度Vで吊点Aを移動させることにより、吊荷5を荷揚げ点6から荷降ろし点7までを最短時間で移動させることができ、これによりジブクレーンの作業時間を短縮して作業能率を大幅に高めることができる。
【0060】
一方、上記ジブクレーンにおいても、ジブを旋回する旋回加速時及び旋回停止時に、旋回方向前後に吊荷5が振れる問題がある。
【0061】
この吊荷5の振れを防止する方法について以下に説明する。
【0062】
上記した吊荷5の振れを防止するためには、吊荷5の固有振動の周期T(固有周期)を求める必要がある。この吊荷5の固有周期Tを求めるには、先ず吊下げ長さLを測定する必要があり、吊下げ長さLを測定する方法としては従来から用いられている種々の方法を用いることができる。
【0063】
一例としては、例えば特願2003−35041号に示した吊下げ長さ測定方法を用いることができる。特願2003−35041号では、ジブクレーンは、伸縮するジブ26の長さとジブ26の起伏角度βとから、吊点Aと地面等の接地面Bとの間の吊点高さ距離Hを予め求めることができるので、ジブ26の伸縮を検出する検出器28とジブ26の起伏角度βを検出する検出器29を設けて吊点高さ距離Hを測定する。更に、前記図3、図4において説明した方法と同様に荷重検出装置12による荷重検出信号から地切りを検出し、この地切り検出時以後の図示しない巻上げウインチによる巻取り長さを検出し、その巻取り長さを吊点高さ距離Hから減算することにより吊下げ長さLを測定する。このようにして測定した吊下げ長さLを前記図3、図4と同様の演算制御装置8に入力して、その吊下げ長さLに基づいて固有周期Tを演算する。
【0064】
そして、上記固有周期Tに基づいて次のように振れ止めを行う。
【0065】
図9のように運搬速度Vが予め設定された状態において、始動加速時には、荷揚げ点6の速度0から最高速度である運搬速度Vに達する点22までの時間tが、前記吊荷5の固有周期Tの1/4の時間になるように線形加速23(一定変化率加速)させる。また、運搬速度Vで移動している吊荷5を荷降ろし点7に停止させる減速停止時には、吊降ろし点7より吊荷5の固有周期Tの1/4の時間だけ前の時間tの点24から線形減速25(一定変化率減速)させる。
【0066】
このとき、前記図7の運搬経路9における運搬速度Vは、2つの座標軸θ,Rにおける主側速度Vθと従側速度Vrの合成速度であるために、前記線形加速23及び線形減速25も座標軸θ,Rによる合成速度とする必要がある。
【0067】
このために、図9の線形加速23を行うには、先ず固有周期Tの1/4の時間で運搬速度Vに達するのに必要な1つの座標軸θに沿って吊点Aを移動させる主側線形加速αθ・1/4Tを設定し、この主側線形加速αθ・1/4Tで1つの座標軸θに沿い吊点Aを移動させると同時に、前記主側線形加速αθ・1/4Tでの移動に伴い演算した従側線形加速αr・1/4Tで他の座標軸Rに沿って吊点Aを移動させる。
【0068】
また、図9の線形減速25を行うには、上記と同様にして設定した主側線形減速Vθ−αθ・1/4Tで吊点Aを1つの座標軸θに沿い移動させると同時に、前記主側線形減速Vθ−αθ・1/4Tでの移動に伴い演算した従側線形減速Vr−αr・1/4Tで他の座標軸Rに沿い吊点Aを移動させる。
【0069】
このように、線形加速23と線形減速25が、2つの座標軸θ,Rでの合成した速度で移動され、且つ夫々が吊荷5の固有周期の1/4の時間内で完了するように制御されることにより、簡単な制御手段にて吊荷5の振れを有効に低減することができる。更に、上記したジブクレーンの吊荷5の制振は、完全なフィードフォワード制御で行われるため、制御が非常にシンプルであり、且つ従来のような精密な振れ角検出装置等が不要であるために装置構成も簡素化できる。
【0070】
上記によれば、1つの座標軸θに沿う主側速度Vθと他の座標軸Rに沿う従側速度Vrとの合成した運搬速度Vで吊点Aを荷揚げ点6と荷降ろし点7を結ぶ最短の運搬経路9を移動させることにより吊荷5を最短時間で運搬することと、この運搬における始動時の線形加速23と停止時の線形減速25とを吊荷5の固有周期の1/4の時間内で完了させるという簡略な制御手段により吊荷5の振れを効果的に防止して荷降ろしに要する時間を短縮することを同時に実施することによって、クレーンの作業時間を実質的に大幅に短縮して作業能率を著しく高めることができる。
【0071】
尚、本発明は上記形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0072】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、クレーンの吊荷を吊揚げる吊点が移動する運転領域を平面と見なし荷揚げ点と荷降ろし点とを2つの座標軸上で定義し、荷揚げ点と荷降ろし点を結ぶ運搬経路上を移動する吊点の運搬速度を設定し、且つ吊点が運搬速度で移動するときの1つの座標軸の移動距離から主側速度を演算して設定し、1つの座標軸に沿い前記主側速度で吊点を移動させると同時に、他方の座標軸に沿い前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させることにより、吊荷を荷揚げ点から荷降ろし点まで最短時間で移動させるようにしたので、1つの座標軸に沿う主側速度と他の座標軸に沿う従側速度による合成した運搬速度によって吊荷を荷揚げ点から荷降ろし点まで自動的に最短時間で移動させることができ、クレーンの作業能率を大幅に向上できる効果がある。
【0073】
請求項2に記載の発明によれば、縦軸と横軸からなる直交した2軸座標での運搬を行う天井クレーン等に適用できる効果がある。
【0074】
請求項3に記載の発明によれば、旋回角と半径からなる極座標での運搬を行うジブクレーン等に適用できる効果がある。
【0075】
請求項4に記載の発明によれば、前記吊点を主側速度で移動させる1つの座標軸は、吊点が荷揚げ点から荷降ろし点に移動する移動距離が長い側の座標軸であり、前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させる他方の座標軸は、荷揚げ点から荷降ろし点に移動する吊点の移動距離が短い側の座標軸としているので、吊荷の運搬を安定して制御できる効果がある。
【0076】
請求項5に記載の発明によれば、前記荷揚げ点及び荷降ろし点の座標認知は、クレーン自体の測距装置または外部指示装置の少なくとも1つで行うようにしているので、従来から用いられている装置を利用して座標を認知することにより本発明の実施を容易に可能にできる効果がある。
【0077】
請求項6に記載の発明によれば、前記外部指示装置をGPS装置としたことにより、荷揚げ点及び荷降ろし点の座標を比較的簡単にしかも精度良く認知できる効果がある。
【0078】
請求項7に記載の発明によれば、前記吊点と吊荷との間の吊下げ長さを測定し、荷揚げ点で吊揚げた吊荷を運搬速度まで加速する始動加速時は、吊下げ長さに基づく吊荷の固有周期の1/4の時間内で運搬速度に達するように1つの座標軸に沿う主側線形加速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形加速とを行うことにより吊荷の振れを防止し、また、運搬速度で移動する吊荷を荷降ろし点に停止させる停止減速時は、運搬速度からの減速によって吊荷が固有周期の1/4の時間で移動する振れ幅だけ手前位置から1つの座標軸に沿う主側線形減速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形減速とを行うことにより吊荷の振れを防止するようにしたので、フィードフォワードによる簡略な制御手段にて吊荷の振れを効果的に防止できる効果がある。
【0079】
更に、上述したように、1つの座標軸に沿う主側速度と他の座標軸に沿う従側速度との合成した運搬速度で吊点を荷揚げ点と荷降ろし点を結ぶ最短の運搬経路で移動させることにより吊荷を最短時間で運搬することと、この運搬における始動時の線形加速と停止時の線形減速とを吊荷の固有周期の1/4の時間内で完了させるという簡略な制御手段により吊荷の振れを効果的に防止して荷降ろしに要する時間を短縮することを同時に実施することによって、クレーンの作業時間を実質的に大幅に短縮して作業能率を著しく高められる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する天井クレーンの一例を示した平面図である。
【図2】図1の天井クレーンにおける運転制御方法の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1の天井クレーンの概略側面図である。
【図4】天井クレーンの運転制御方法の一例を示すブロック図である。
【図5】天井クレーンにおける吊荷の振れを説明するための側面図である。
【図6】天井クレーンの始動加速時と停止減速時における吊荷の振れ止め制御を説明するための線図である。
【図7】本発明の方法を実施するジブクレーンの一例を示した平面図である。
【図8】図7のジブクレーンの斜側面図である。
【図9】ジブクレーンの始動加速時と停止減速時における吊荷の振れ止め制御を説明するための線図である。
【符号の説明】
3 運転領域
5 吊荷
6 荷揚げ点
7 荷降ろし点
9 運搬経路
A 吊点
L 吊下げ長さ
T 固有周期
t 時間
V 運搬速度
Y 座標軸(1つの座標軸)
X 座標軸(他の座標軸)
Δx 移動距離
Δy 移動距離
Vx 従側速度
Vy 主側速度
αx・1/4T 従側線形加速
αy・1/4T 主側線形加速
Vx−αx・1/4T 従側線形減速
Vy−αy・1/4T 主側線形減速
θ 旋回角(1つの座標軸)
R 半径(他の座標軸)
Δθ 旋回移動距離
Δr 半径移動距離
Vr 従側速度
Vθ 主側速度
αr・1/4T 従側線形加速
αθ・1/4T 主側線形加速
Vr−αr・1/4T 従側線形減速
Vθ−αθ・1/4T 主側線形減速
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレーンの運転制御方法に関し、特に吊荷の荷揚げ点から荷降ろし点までの運搬時間を短縮し、更に吊荷の振れを防止することによって、クレーンの実質的な作業能率を高め得るようにしたクレーンの運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
荷揚げ点で吊荷を吊上げて目的の荷降ろし点まで吊荷を運搬するクレーンでは、吊荷の荷揚げ点と荷降ろし点の間を最短時間で運搬して作業能率を高めることが要求され、また、この運搬時に吊荷が振れると荷降ろしに時間が掛って作業能率が低下することから、吊荷の振れを防止することが同時に要求される。
【0003】
トロリの停止位置決めと吊荷の振れ止めの両者を同時に短時間で制御する方法としては、目的位置設定器が、操作器から停止指令を受けたときに、速度検出器からの検出移動速度によってトロリを停止させる目的位置を求め、また、振れ止め制御器が、トロリをこの目的停止位置とトロリの検出現在位置から求められた残り移動量と、トロリの検出移動速度と、振れ角検出器で検出した振れ角とから、電動機を停止するのに必要な加速度を判断して、この判断した加速度を表わす停止用速度指令を速度制御器へ供給するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、2次抵抗駆動制御系による吊荷運搬用クレーンの振れ止め・位置決め制御方法としては、搬送目標地点までの距離に応じてクレーンの横走行を搬送指令により開始し、最高速度まで急速に上げて最高速度での移動を行う初期加速工程、目標地点までの残距離とその時の移動速度の関係により得たタイミングで、最高速度から強制的に減速させる第1減速工程、第1減速工程で減速したクリープ速度状態を保持するクリープ速度保持工程、目標地点までの残距離とその時の移動速度の関係に基づいて、クリープ速度から更に減速してほぼ停止させる第2減速工程、停止位置での残留振れ及び位置偏差が許容範囲外のとき、最適な制御指令を出力して残留振れを収束し及び位置偏差を減少させるフィードバック制御工程、の各工程を経て制御するようにしたものがある(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平05−000796号公報
【特許文献2】
特開平11−292464号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載のものは、クレーンの吊荷の振れを防止することによって荷降ろしに要する時間を短縮しようとしたものであるが、何れも振れ止めをフィードバック制御で行う方法であるために速度の検出や加減速度の設定及び加減速の動作タイミング等の面で制御が複雑で難しいにも拘らず、良好な振れ止め効果が期待できない問題がある。また、上記特許文献1及び2は、吊荷を1軸方向に直線的に運搬する場合における振れ止めに関するものであり、例えば2つの座標軸に沿って同時に吊点を移動させて平面の領域で吊荷を運搬する場合の振れ止めについては何ら開示していない。従って、特許文献1及び2では、2つの座標軸に沿い同時に吊点を移動させることによって吊荷を荷揚げ点から荷降ろし点まで最短時間で運搬し、同時にこの運搬に伴う吊荷の振れを防止することによってクレーンの実質的な作業能率を高めるというようなことはできない。
【0007】
本発明は、上記課題に着目してなしたものであり、その目的とするところは、吊荷の荷揚げ点から荷降ろし点までの運搬時間を短縮し、同時にこの運搬によって生じる吊荷の振れを簡略な方法により防止して実質的な作業能率を高めるようにしたクレーンの運転制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、クレーンの吊荷を吊揚げる吊点が移動する運転領域を平面と見なし荷揚げ点と荷降ろし点とを2つの座標軸上で定義し、荷揚げ点と荷降ろし点を結ぶ運搬経路上を移動する吊点の運搬速度を設定し、且つ吊点が運搬速度で移動するときの1つの座標軸の移動距離から主側速度を演算して設定し、1つの座標軸に沿い前記主側速度で吊点を移動させると同時に、他方の座標軸に沿い前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させることにより、吊荷を荷揚げ点から荷降ろし点まで最短時間で移動させることを特徴とするクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記2つの座標軸が、縦軸と横軸からなる直交した2軸座標であることを特徴とする請求項1に記載のクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記2つの座標軸が、旋回角と半径からなる極座標であることを特徴とする請求項1に記載のクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記吊点を主側速度で移動させる1つの座標軸は、吊点が荷揚げ点から荷降ろし点に移動する移動距離が長い側の座標軸であり、前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させる他方の座標軸は、荷揚げ点から荷降ろし点に移動する吊点の移動距離が短い側の座標軸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記荷揚げ点及び荷降ろし点の座標認知は、クレーン自体の測距装置または外部指示装置の少なくとも1つによって行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記外部指示装置は、GPS装置であることを特徴とする請求項5に記載のクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記吊点と吊荷との間の吊下げ長さを測定し、荷揚げ点で吊揚げた吊荷を運搬速度まで加速する始動加速時は、吊下げ長さに基づく吊荷の固有周期の1/4の時間内で運搬速度に達するように1つの座標軸に沿う主側線形加速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形加速とを行うことにより吊荷の振れを防止し、また、運搬速度で移動する吊荷を荷降ろし点に停止させる停止減速時は、運搬速度からの減速によって吊荷が固有周期の1/4の時間で移動する振れ幅だけ手前位置から1つの座標軸に沿う主側線形減速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形減速とを行うことにより吊荷の振れを防止することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のクレーンの運転制御方法、に係るものである。
【0015】
上記手段では以下のように作用する。
【0016】
請求項1に記載の発明では、クレーンの吊荷を吊揚げる吊点が移動する運転領域を平面と見なし荷揚げ点と荷降ろし点とを2つの座標軸上で定義し、荷揚げ点と荷降ろし点を結ぶ運搬経路上を移動する吊点の運搬速度を設定し、且つ吊点が運搬速度で移動するときの1つの座標軸の移動距離から主側速度を演算して設定し、1つの座標軸に沿い前記主側速度で吊点を移動させると同時に、他方の座標軸に沿い前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させることにより、吊荷を荷揚げ点から荷降ろし点まで最短時間で移動させるようにしたので、1つの座標軸に沿う主側速度と他の座標軸に沿う従側速度による合成した運搬速度によって吊荷を荷揚げ点から荷降ろし点まで自動的に最短時間で移動させることができ、クレーンの作業能率を大幅に向上できる。
【0017】
請求項2に記載の発明では、縦軸と横軸からなる直交した2軸座標での運搬を行う天井クレーン等に適用できる。
【0018】
請求項3に記載の発明では、旋回角と半径からなる極座標での運搬を行うジブクレーン等に適用できる。
【0019】
請求項4に記載の発明では、前記吊点を主側速度で移動させる1つの座標軸は、吊点が荷揚げ点から荷降ろし点に移動する移動距離が長い側の座標軸であり、前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させる他方の座標軸は、荷揚げ点から荷降ろし点に移動する吊点の移動距離が短い側の座標軸としているので、吊荷の運搬を安定して制御することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明では、前記荷揚げ点及び荷降ろし点の座標認知は、クレーン自体の測距装置または外部指示装置の少なくとも1つで行うようにしているので、従来から用いられている装置を利用して座標を認知することにより本発明の実施を容易に可能にできる。
【0021】
請求項6に記載の発明では、前記外部指示装置をGPS装置としたことにより、荷揚げ点及び荷降ろし点の座標を比較的簡単にしかも精度良く認知できる。
【0022】
請求項7に記載の発明では、前記吊点と吊荷との間の吊下げ長さを測定し、荷揚げ点で吊揚げた吊荷を運搬速度まで加速する始動加速時は、吊下げ長さに基づく吊荷の固有周期の1/4の時間内で運搬速度に達するように1つの座標軸に沿う主側線形加速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形加速とを行うことにより吊荷の振れを防止し、また、運搬速度で移動する吊荷を荷降ろし点に停止させる停止減速時は、運搬速度からの減速によって吊荷が固有周期の1/4の時間で移動する振れ幅だけ手前位置から1つの座標軸に沿う主側線形減速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形減速とを行うことにより吊荷の振れを防止するようにしたので、フィードフォワードによる簡略な制御手段にて吊荷の振れを効果的に防止できる。
【0023】
更に、上述したように、1つの座標軸に沿う主側速度と他の座標軸に沿う従側速度との合成した運搬速度で吊点を荷揚げ点と荷降ろし点を結ぶ最短の運搬経路で移動させることにより吊荷を最短時間で運搬することと、この運搬における始動時の線形加速と停止時の線形減速とを吊荷の固有周期の1/4の時間内で完了させるという簡略な制御手段により吊荷の振れを効果的に防止して荷降ろしに要する時間を短縮することを同時に実施することによって、クレーンの作業時間を実質的に大幅に短縮して作業能率を著しく高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は本発明の方法を実施する天井クレーンの一例を示した平面図であり、天井クレーンは、天井を1つの座標軸(縦軸)Y方向に走行するガーダ1と、該ガーダ1上に沿って他方の座標軸(横軸)X方向に横行するトロリ2を備え、ガーダ1の座標軸Y方向の走行範囲とトロリ2の座標軸X方向の横行範囲とからなる運転領域3において、トロリ2が荷揚げ点6において図3の吊フック4を介して吊揚げた吊荷5を、荷降ろし点7まで運搬するようにしている。
【0026】
前記天井クレーンによる運転領域3を平面とみなし、この運転領域3において荷揚げ点6と荷降ろし点7とを2つの座標軸X,Y上で定義し、定義した荷揚げ点6の座標位置x0,y0及び荷降ろし点7の座標位置x1,y1は図3、図4に示す演算制御装置8に入力する。
【0027】
このときの荷揚げ点6及び荷降ろし点7の座標認知は、クレーン自体に備えられている測距装置または外部指示装置の少なくとも一つによって行う。クレーン自体の測距装置としては、図4のガーダ走行モータ1aに備えた走行距離検出装置1b(ロータリエンコーダ)と、トロリ横行モータ2aに備えた横行距離検出装置2b(ロータリエンコーダ)を用いることができる。外部指示装置としては、GPS装置を用いることができ、またその他にも、前記運転領域3を番地化して荷揚げ点6と荷降ろし点7とを番地によって認識させることもできる。また、前記座標認知は、クレーン自体の測距装置と外部指示装置とを組合わせることによって実施してもよい。
【0028】
更に、図1に示すように荷揚げ点6と荷降ろし点7とを直線で結ぶ運搬経路9を想定し、この運搬経路9に沿って運搬する運搬速度V(運搬可能な最高速度)を設定してこの運搬速度Vを前記図3、図4の演算制御装置8に入力する。
【0029】
演算制御装置8は、前記荷揚げ点6と荷降ろし点7の座標から運搬経路9における2つの座標軸X,Yでの移動距離Δx,Δyを夫々演算する。更に、移動距離が長い側である1つの座標軸Yにおける移動距離Δyと前記運搬速度Vから主側速度Vyを演算して設定する。
【0030】
そして、演算制御装置8は、吊点Aが1つの座標軸Yに沿って前記主側速度Vyで移動するようにガーダ走行モータ1aの駆動を制御すると同時に、吊点Aが他方の座標軸Xに沿い前記主側速度Vyの移動に伴って演算した従側速度Vxで移動するようトロリ横行モータ2aの駆動を制御する。これにより、吊点Aの吊荷5はガーダ走行モータ1aによる主側速度Vyとトロリ横行モータ2aによる従側速度Vxとを合成した運搬速度Vで運搬されることになる。
【0031】
尚、上記では図1に示すように、2つの座標軸X,Yの移動距離Δx,Δyを比較して、移動距離が長い側(移動距離Δyの座標軸Y側)を主側速度Vyとして設定して1つの座標軸Yに沿う移動を制御し、この主側速度Vyに追随させて移動距離が短い側(移動距離Δxの座標軸X側)の従側速度Vxを演算しながら制御する場合について例示したが、2つの座標軸X,Yの移動距離に関係なく一方を主側速度として設定し、他方を従側速度として追随させるようにしてもよい。
【0032】
上記形態では、図2に示すフローチャートの如く制御される。
【0033】
天井クレーンの運転領域3において、荷揚げ点6と荷降ろし点7とを2つの座標軸X,Y上で定義する(ステップS1)。
【0034】
次に、荷揚げ点6と荷降ろし点7とを直線で結ぶ運搬経路9を想定し、この運搬経路9に沿う運搬速度V(運搬可能な最高速度)を設定する(ステップS2)。
【0035】
更に、運搬経路9での2つの座標軸X,Yにおける移動距離Δx,Δyを夫々演算して求め、移動距離が長い1つの座標軸Yでの移動距離Δyと運搬速度Vから主側速度Vyを演算して設定する(ステップS3)。
【0036】
そして、前記主側速度Vyになるようにガーダ走行モータ1aを駆動して吊点Aを1つの座標軸Yに沿い移動させると同時に、前記主側速度Vyの移動に伴い演算した従側速度Vxになるようにトロリ横行モータ2aを駆動して吊点Aを移動させる(ステップS4)。
【0037】
これにより、吊点Aは、ガーダ走行モータ1aによる主側速度Vyとトロリ横行モータ2aによる従側速度Vxとが合成された運搬速度Vで運搬経路9上を移動し、吊荷5は荷揚げ点6から荷降ろし点7まで最短時間で運搬される。これによってクレーンの作業時間が短縮され作業能率を大幅に高めることができる。
【0038】
一方、上記では吊荷5を荷揚げ点6から荷降ろし点7まで最短時間で移動させることについて説明したが、天井クレーンにおいて図1のように運搬経路9に沿って吊荷5を運搬すると、運搬の始動加速時及び減速停止時に、図5のように運搬方向の前後に吊荷5が振れる問題がある。
【0039】
この吊荷5の振れを防止する方法について以下に説明する。
【0040】
図5のごとく、吊荷5を吊った状態のトロリ2が吊点Aを運搬速度Vまで加速させる始動加速時には、吊荷5は慣性によって−Fのように後方に遅れ、これによって吊荷5は吊下げ長さLに基づいた固有周期Tで振れを生じる。一方、吊点Aが運搬速度Vで移動している状態から減速して停止させる減速停止時には、吊荷5は慣性によって+Fのように前方に進み、これによって吊荷5は吊下げ長さLに基づいた固有周期Tで同様の振れを生じる。
【0041】
上記において、後方−Fまたは前方+Fに振れた吊荷5が吊点Aの直下位置に戻ったときに前記加速または減速が終了するように制御すると、吊荷5の振れをなくすことができる。
【0042】
即ち、特願2002−295168号に示した如く、図6に示すように運搬速度Vが予め設定された状態において、始動加速時には、荷揚げ点6の速度0から最高速度である運搬速度Vに達する点22までの時間tが、前記吊荷5の固有周期Tの1/4の時間になるように吊点Aを線形加速23(一定変化率加速)させることにより吊荷5の振れを防止できる。また、運搬速度Vで移動している吊荷5を荷降ろし点7に停止させる減速停止時には、吊降ろし点7より吊荷5の固有周期Tの1/4の時間だけ前の時間tの点24から吊点Aを線形減速25(一定変化率減速)させることにより吊荷5の振れを防止できる。
【0043】
一方、上記した吊荷5の振れを防止するためには、吊荷5の固有振動の周期T(固有周期)を求める必要があり、この吊荷5の固有周期Tを求めるには、吊下げ長さLを測定する必要がある。吊下げ長さLを測定する方法としては従来から用いられている種々の方法を用いることができる。
【0044】
吊下げ長さLを測定する方法としては、例えば特願2003−35041号に示した吊下げ長さ測定方法を用いることができる。特願2003−35041号では、図3に示すごとく、吊フック4に荷重検出装置12を設けると共に、ウインチ10に巻取り長さ検出装置13を設けており、天井クレーンの吊点Aと地面等の接地面Bとの間の吊点高さ距離Hは予め分かっていることから吊下げ長さLを測定するようにしている。
【0045】
即ち、吊荷5の底面が接地面Bに接した破線の状態から、ウインチ10を駆動して吊索11を巻取って実線のように吊荷5を吊り上げると、荷重検出装置12による荷重検出信号が設定荷重を超えたことによって地切り(吊荷5の底面が接地面Bから離れること)が検出され、この地切りの検出以後に巻取り長さ検出装置13が検出する巻取り長さと同じ距離だけ吊荷5は吊上げられるので、前記吊点高さ距離Hから前記荷重検出装置12の巻取り長さを減算することによって、吊点Aから吊荷5の底面までの吊下げ長さLを正確に測定することができる。このように吊下げ長さLを正確に測定することにより、種々変化する吊下げ長さLに対応した吊荷5の固有周期T(図5)を常に正確に求めることができる。
【0046】
前記した吊下げ長さLを前記演算制御装置8に入力すると、演算制御装置8はその吊下げ長さLに基づいて固有周期Tを演算し、その固有周期Tの1/4の時間内に前記始動加速時の線形加速23及び停止減速時の線形減速25が終了するようにガーダ走行モータ1aとトロリ横行モータ2aを制御する。
【0047】
このとき、前記図1の運搬経路9における運搬速度Vは、2つの座標軸X,Yの主側速度Vyと従側速度Vxの合成速度であるために、前記線形加速23及び線形減速25も座標軸X,Yによる合成速度とする必要がある。
【0048】
このために、図6の線形加速23を行うには、先ず固有周期Tの1/4の時間で運搬速度Vに達するのに必要な1つの座標軸Yに沿って吊点Aを移動させる主側線形加速αy・1/4Tを設定し、この主側線形加速αy・1/4Tで1つの座標軸Yに沿い吊点Aを移動させると同時に、前記主側線形加速αy・1/4Tでの移動に伴い演算した従側線形加速αx・1/4Tで他の座標軸Xに沿って吊点Aを移動させる。
【0049】
また、図6の線形減速25を行うには、上記と同様にして設定した主側線形減速Vy−αy・1/4Tで吊点Aを1つの座標軸Yに沿い移動させると同時に、前記主側線形減速Vy−αy・1/4Tでの移動に伴い演算した従側線形減速Vx−αx・1/4Tで他の座標軸Xに沿い吊点Aを移動させる。
【0050】
このように、線形加速23と線形減速25が、2つの座標軸X,Yでの合成した速度で移動され、且つ夫々が吊荷5の固有周期の1/4の時間内で完了するように制御されることにより、簡単な制御手段にて吊荷5の振れを有効に低減することができる。更に、上記した天井クレーンの吊荷5の制振は、完全なフィードフォワード制御で行われるため、制御が非常にシンプルであり、且つ従来のような精密な振れ角検出装置等が不要であるために装置構成も簡素化できる。
【0051】
上記によれば、1つの座標軸Yに沿う主側速度Vyと他の座標軸Xに沿う従側速度Vxとの合成した運搬速度Vで吊点Aを荷揚げ点6と荷降ろし点7を結ぶ最短の運搬経路9を移動させることにより吊荷5を最短時間で運搬することと、この運搬における始動時の線形加速23と停止時の線形減速25とを吊荷5の固有周期の1/4の時間内で完了させるという簡略な制御手段により吊荷5の振れを効果的に防止して荷降ろしに要する時間を短縮することを同時に実施することによって、クレーンの作業時間を実質的に大幅に短縮して作業能率を著しく高めることができる。
【0052】
次に、本発明の運転制御方法の他の形態を説明する。
【0053】
図7は本発明の方法を実施するジブクレーンの一例を示した平面図、図8はその斜側面図であり、ジブクレーンは、伸縮するジブ26が旋回台27に起伏自在に備えられており、ジブ26は旋回と起伏と伸縮が行えるようになっている。そして、ジブ26先端の吊点Aから吊り下げられた吊索11によって吊荷5を吊上げるようにしている。
【0054】
ジブクレーンを平面視した図7では、ジブ26による最大作業半径R1と最小作業半径R2との間である運転領域3において、ジブ先端の吊点Aで吊揚げた吊荷5(図9参照)を、荷揚げ点6から荷降ろし点7に運搬するようにしている。
【0055】
前記ジブクレーンによる運転領域3を平面とみなし、この運転領域3において荷揚げ点6と荷降ろし点7とを2つの座標軸である旋回角θと半径Rからなる極座標上で定義し、定義した荷揚げ点6の座標位置θ0,r0及び荷降ろし点7の座標位置θ1,r1を、図示しないが図3、図4に示したような演算制御装置8に入力する。このときの荷揚げ点6及び荷降ろし点7の座標認知は、前記図1の形態と同様に行うことができる。
【0056】
図7において、荷揚げ点6と荷降ろし点7とを、旋回角θと半径Rを同時に同一の変化率で変化させることによって得られる運搬経路9で結び、この運搬経路9に沿う吊荷5の運搬速度V(運搬可能な最高速度)を設定して前記演算制御装置8に入力する。これにより、演算制御装置8は、運搬経路9における2つの座標軸θ,Rでの旋回移動距離Δθと半径移動距離Δrを夫々演算し、移動距離が長い側の1つの座標軸θでの旋回移動距離Δθから主側速度Vθを設定する。このとき、図8では半径移動距離Δrより旋回移動距離Δθの方が長くなっている。
【0057】
そして、1つの座標軸θに沿い、吊点Aが前記主側速度Vθで移動するようにジブ26の旋回駆動を行うと同時に、他方の座標軸Rに沿い前記主側速度Vθの移動に伴って演算した従側速度Vrになるようにジブ26の半径方向の変化を行う。ジブ26の半径方向の変化は、ジブ26の伸縮または俯仰、或いはこの両者の組合わせによって行う。上記によれぱ吊荷5は、旋回による主側速度Vθと半径方向の従側速度Vrとが合成された運搬速度Vによって運搬される。
【0058】
尚、上記では図7に示すように、2つの座標軸θ,Rの移動距離Δθ,Δrを比較して、移動距離が長い側(移動距離Δθ)を主側速度Vθとして設定する場合について例示したが、2つの座標軸θ,Rの移動距離に関係なく一方を主側速度とし、他方を従側速度として予め決めておくようにしてもよい。
【0059】
上記したように、ジブクレーンにおいて座標軸θに沿う主側速度Vθの移動と座標軸Rによる従側速度Vrとを合成した運搬速度Vで吊点Aを移動させることにより、吊荷5を荷揚げ点6から荷降ろし点7までを最短時間で移動させることができ、これによりジブクレーンの作業時間を短縮して作業能率を大幅に高めることができる。
【0060】
一方、上記ジブクレーンにおいても、ジブを旋回する旋回加速時及び旋回停止時に、旋回方向前後に吊荷5が振れる問題がある。
【0061】
この吊荷5の振れを防止する方法について以下に説明する。
【0062】
上記した吊荷5の振れを防止するためには、吊荷5の固有振動の周期T(固有周期)を求める必要がある。この吊荷5の固有周期Tを求めるには、先ず吊下げ長さLを測定する必要があり、吊下げ長さLを測定する方法としては従来から用いられている種々の方法を用いることができる。
【0063】
一例としては、例えば特願2003−35041号に示した吊下げ長さ測定方法を用いることができる。特願2003−35041号では、ジブクレーンは、伸縮するジブ26の長さとジブ26の起伏角度βとから、吊点Aと地面等の接地面Bとの間の吊点高さ距離Hを予め求めることができるので、ジブ26の伸縮を検出する検出器28とジブ26の起伏角度βを検出する検出器29を設けて吊点高さ距離Hを測定する。更に、前記図3、図4において説明した方法と同様に荷重検出装置12による荷重検出信号から地切りを検出し、この地切り検出時以後の図示しない巻上げウインチによる巻取り長さを検出し、その巻取り長さを吊点高さ距離Hから減算することにより吊下げ長さLを測定する。このようにして測定した吊下げ長さLを前記図3、図4と同様の演算制御装置8に入力して、その吊下げ長さLに基づいて固有周期Tを演算する。
【0064】
そして、上記固有周期Tに基づいて次のように振れ止めを行う。
【0065】
図9のように運搬速度Vが予め設定された状態において、始動加速時には、荷揚げ点6の速度0から最高速度である運搬速度Vに達する点22までの時間tが、前記吊荷5の固有周期Tの1/4の時間になるように線形加速23(一定変化率加速)させる。また、運搬速度Vで移動している吊荷5を荷降ろし点7に停止させる減速停止時には、吊降ろし点7より吊荷5の固有周期Tの1/4の時間だけ前の時間tの点24から線形減速25(一定変化率減速)させる。
【0066】
このとき、前記図7の運搬経路9における運搬速度Vは、2つの座標軸θ,Rにおける主側速度Vθと従側速度Vrの合成速度であるために、前記線形加速23及び線形減速25も座標軸θ,Rによる合成速度とする必要がある。
【0067】
このために、図9の線形加速23を行うには、先ず固有周期Tの1/4の時間で運搬速度Vに達するのに必要な1つの座標軸θに沿って吊点Aを移動させる主側線形加速αθ・1/4Tを設定し、この主側線形加速αθ・1/4Tで1つの座標軸θに沿い吊点Aを移動させると同時に、前記主側線形加速αθ・1/4Tでの移動に伴い演算した従側線形加速αr・1/4Tで他の座標軸Rに沿って吊点Aを移動させる。
【0068】
また、図9の線形減速25を行うには、上記と同様にして設定した主側線形減速Vθ−αθ・1/4Tで吊点Aを1つの座標軸θに沿い移動させると同時に、前記主側線形減速Vθ−αθ・1/4Tでの移動に伴い演算した従側線形減速Vr−αr・1/4Tで他の座標軸Rに沿い吊点Aを移動させる。
【0069】
このように、線形加速23と線形減速25が、2つの座標軸θ,Rでの合成した速度で移動され、且つ夫々が吊荷5の固有周期の1/4の時間内で完了するように制御されることにより、簡単な制御手段にて吊荷5の振れを有効に低減することができる。更に、上記したジブクレーンの吊荷5の制振は、完全なフィードフォワード制御で行われるため、制御が非常にシンプルであり、且つ従来のような精密な振れ角検出装置等が不要であるために装置構成も簡素化できる。
【0070】
上記によれば、1つの座標軸θに沿う主側速度Vθと他の座標軸Rに沿う従側速度Vrとの合成した運搬速度Vで吊点Aを荷揚げ点6と荷降ろし点7を結ぶ最短の運搬経路9を移動させることにより吊荷5を最短時間で運搬することと、この運搬における始動時の線形加速23と停止時の線形減速25とを吊荷5の固有周期の1/4の時間内で完了させるという簡略な制御手段により吊荷5の振れを効果的に防止して荷降ろしに要する時間を短縮することを同時に実施することによって、クレーンの作業時間を実質的に大幅に短縮して作業能率を著しく高めることができる。
【0071】
尚、本発明は上記形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0072】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、クレーンの吊荷を吊揚げる吊点が移動する運転領域を平面と見なし荷揚げ点と荷降ろし点とを2つの座標軸上で定義し、荷揚げ点と荷降ろし点を結ぶ運搬経路上を移動する吊点の運搬速度を設定し、且つ吊点が運搬速度で移動するときの1つの座標軸の移動距離から主側速度を演算して設定し、1つの座標軸に沿い前記主側速度で吊点を移動させると同時に、他方の座標軸に沿い前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させることにより、吊荷を荷揚げ点から荷降ろし点まで最短時間で移動させるようにしたので、1つの座標軸に沿う主側速度と他の座標軸に沿う従側速度による合成した運搬速度によって吊荷を荷揚げ点から荷降ろし点まで自動的に最短時間で移動させることができ、クレーンの作業能率を大幅に向上できる効果がある。
【0073】
請求項2に記載の発明によれば、縦軸と横軸からなる直交した2軸座標での運搬を行う天井クレーン等に適用できる効果がある。
【0074】
請求項3に記載の発明によれば、旋回角と半径からなる極座標での運搬を行うジブクレーン等に適用できる効果がある。
【0075】
請求項4に記載の発明によれば、前記吊点を主側速度で移動させる1つの座標軸は、吊点が荷揚げ点から荷降ろし点に移動する移動距離が長い側の座標軸であり、前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させる他方の座標軸は、荷揚げ点から荷降ろし点に移動する吊点の移動距離が短い側の座標軸としているので、吊荷の運搬を安定して制御できる効果がある。
【0076】
請求項5に記載の発明によれば、前記荷揚げ点及び荷降ろし点の座標認知は、クレーン自体の測距装置または外部指示装置の少なくとも1つで行うようにしているので、従来から用いられている装置を利用して座標を認知することにより本発明の実施を容易に可能にできる効果がある。
【0077】
請求項6に記載の発明によれば、前記外部指示装置をGPS装置としたことにより、荷揚げ点及び荷降ろし点の座標を比較的簡単にしかも精度良く認知できる効果がある。
【0078】
請求項7に記載の発明によれば、前記吊点と吊荷との間の吊下げ長さを測定し、荷揚げ点で吊揚げた吊荷を運搬速度まで加速する始動加速時は、吊下げ長さに基づく吊荷の固有周期の1/4の時間内で運搬速度に達するように1つの座標軸に沿う主側線形加速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形加速とを行うことにより吊荷の振れを防止し、また、運搬速度で移動する吊荷を荷降ろし点に停止させる停止減速時は、運搬速度からの減速によって吊荷が固有周期の1/4の時間で移動する振れ幅だけ手前位置から1つの座標軸に沿う主側線形減速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形減速とを行うことにより吊荷の振れを防止するようにしたので、フィードフォワードによる簡略な制御手段にて吊荷の振れを効果的に防止できる効果がある。
【0079】
更に、上述したように、1つの座標軸に沿う主側速度と他の座標軸に沿う従側速度との合成した運搬速度で吊点を荷揚げ点と荷降ろし点を結ぶ最短の運搬経路で移動させることにより吊荷を最短時間で運搬することと、この運搬における始動時の線形加速と停止時の線形減速とを吊荷の固有周期の1/4の時間内で完了させるという簡略な制御手段により吊荷の振れを効果的に防止して荷降ろしに要する時間を短縮することを同時に実施することによって、クレーンの作業時間を実質的に大幅に短縮して作業能率を著しく高められる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する天井クレーンの一例を示した平面図である。
【図2】図1の天井クレーンにおける運転制御方法の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1の天井クレーンの概略側面図である。
【図4】天井クレーンの運転制御方法の一例を示すブロック図である。
【図5】天井クレーンにおける吊荷の振れを説明するための側面図である。
【図6】天井クレーンの始動加速時と停止減速時における吊荷の振れ止め制御を説明するための線図である。
【図7】本発明の方法を実施するジブクレーンの一例を示した平面図である。
【図8】図7のジブクレーンの斜側面図である。
【図9】ジブクレーンの始動加速時と停止減速時における吊荷の振れ止め制御を説明するための線図である。
【符号の説明】
3 運転領域
5 吊荷
6 荷揚げ点
7 荷降ろし点
9 運搬経路
A 吊点
L 吊下げ長さ
T 固有周期
t 時間
V 運搬速度
Y 座標軸(1つの座標軸)
X 座標軸(他の座標軸)
Δx 移動距離
Δy 移動距離
Vx 従側速度
Vy 主側速度
αx・1/4T 従側線形加速
αy・1/4T 主側線形加速
Vx−αx・1/4T 従側線形減速
Vy−αy・1/4T 主側線形減速
θ 旋回角(1つの座標軸)
R 半径(他の座標軸)
Δθ 旋回移動距離
Δr 半径移動距離
Vr 従側速度
Vθ 主側速度
αr・1/4T 従側線形加速
αθ・1/4T 主側線形加速
Vr−αr・1/4T 従側線形減速
Vθ−αθ・1/4T 主側線形減速
Claims (7)
- クレーンの吊荷を吊揚げる吊点が移動する運転領域を平面と見なし荷揚げ点と荷降ろし点とを2つの座標軸上で定義し、荷揚げ点と荷降ろし点を結ぶ運搬経路上を移動する吊点の運搬速度を設定し、且つ吊点が運搬速度で移動するときの1つの座標軸の移動距離から主側速度を演算して設定し、1つの座標軸に沿い前記主側速度で吊点を移動させると同時に、他方の座標軸に沿い前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させることにより、吊荷を荷揚げ点から荷降ろし点まで最短時間で移動させることを特徴とするクレーンの運転制御方法。
- 前記2つの座標軸が、縦軸と横軸からなる直交した2軸座標であることを特徴とする請求項1に記載のクレーンの運転制御方法。
- 前記2つの座標軸が、旋回角と半径からなる極座標であることを特徴とする請求項1に記載のクレーンの運転制御方法。
- 前記吊点を主側速度で移動させる1つの座標軸は、吊点が荷揚げ点から荷降ろし点に移動する移動距離が長い側の座標軸であり、前記主側速度の移動に伴って演算した従側速度で吊点を移動させる他方の座標軸は、荷揚げ点から荷降ろし点に移動する吊点の移動距離が短い側の座標軸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のクレーンの運転制御方法。
- 前記荷揚げ点及び荷降ろし点の座標認知は、クレーン自体の測距装置または外部指示装置の少なくとも1つによって行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のクレーンの運転制御方法。
- 前記外部指示装置は、GPS装置であることを特徴とする請求項5に記載のクレーンの運転制御方法。
- 前記吊点と吊荷との間の吊下げ長さを測定し、荷揚げ点で吊揚げた吊荷を運搬速度まで加速する始動加速時は、吊下げ長さに基づく吊荷の固有周期の1/4の時間内で運搬速度に達するように1つの座標軸に沿う主側線形加速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形加速とを行うことにより吊荷の振れを防止し、また、運搬速度で移動する吊荷を荷降ろし点に停止させる停止減速時は、運搬速度からの減速によって吊荷が固有周期の1/4の時間で移動する振れ幅だけ手前位置から1つの座標軸に沿う主側線形減速とそれに伴って演算した他方の座標軸に沿う従側線形減速とを行うことにより吊荷の振れを防止することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のクレーンの運転制御方法。
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