JP2007145519A - ロープトロリー式クレーンの振れ止め制御装置 - Google Patents

ロープトロリー式クレーンの振れ止め制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】振れ角を検出する装置を設けなくても運搬物の揺れを制御することができ、高速作業を行う設備や振れ止め制御にそれほど高い性能が要求されない設備にも採用できるロープトロリー式クレーンの振れ止め制御装置を提供する。
【解決手段】ロープ6の現在の振れ角φを算出する振れ角算出部12と、トロリー5を停止させるために必要な減速度αを求める減速度算出部11と、トロリー停止位置においてロープ6の振れが停止するために必要な必要振れ角φを算出する必要振れ角算出部13と、現在の振れ角θreaと必要振れ角θrefとの差θdefを算出する誤差算出部14と、ロープ6の振れ角を現在の振れ角θreaから必要振れ角θrefに変更させるために必要なトロリー5の調整減速度αを算出する調整減速度算出部15と、調整減速度α基づいて、トロリーの調整速度Vrを指示する速度指令信号を送信する速度制御部16とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロープトロリー式クレーンの振れ止め制御装置に関する。ロープトロリー式クレーンでは、運搬物を搬送するときにトロリーを移動させるのであるが、運搬物はトロリーから垂れ下がっているロープ先端に取付けられているため、一定速度で移動しているトロリーが停止するために減速すると、運搬物はトロリーの移動に追従できず振れが発生する。この運搬物の振れに起因して、トロリーが停止すると運搬物は振り子のように揺れてしまう。かかる揺れは、運搬物・装置の損傷や作業効率の低下につながるため、トロリーが停止後、早急に運搬物の揺れを停止させることが必要となる。
本発明は、トロリーが停止したときにおける運搬物の揺れを抑制するためのロープトロリー式クレーンの振れ止め制御装置に関する。
ロープトロリーを有するクレーンにおいて、トロリー停止時における運搬物の揺れはトロリーが停止するまでのトロリーの移動速度を調整することにより制御されるのであるが、この制御を行うには、ロープの振れ角を精度良く検出することが重要であり、このため、従来は振れ角を検出するための専用の検出装置がトロリーに設けられており、この検出装置が検出した振れ角に基づいてトロリーの移動を制御していた。
しかし、専用の検出装置を設けても、検出精度は使用環境により変化するため誤差も大きく、また、振れ角検出までのタイムラグがあり、高速で振れ制御を行うことは難しかった。しかも、検出精度を維持するためには、検出装置のメンテナンス作業を頻繁に行うことが必要であり、設備維持のために余分な作業工数を必要としていた。
かかる問題を解消するために、振れ角検出装置を使用せずに、トロリーの走行抵抗等を測定し、この測定された走行抵抗等とあらかじめ分かっているトロリーおよび運搬物の重量、ロープ長さ等に基づいてロープ振れ角を算出することが行われている。
通常、振れ止め制御は、運搬物の揺れができるだけ短時間で停止するように行われるのであるが、最短時間で揺れを停止させるように制御した場合、トロリーの減速中に加速が必要となる場合もある。2本のロープによって運搬物がトロリーから吊り下げられている場合、トロリーが減速状態から加速されると、減速時に緩んでいた前側ロープが急に張り、逆に、減速時に張っていた後側ロープが緩む状況、いわゆるシャクリ現象が発生する。そして、シャクリ現象が発生するとロープ等に振動が発生し、この振動がノイズを発生させ、算出される振れ角に誤差が生じてしまうため、ロープ振れ角が正確に検出できず、うまく振れ止めすることができなかった。
かかる問題を解決するために、ロープ等の振動に起因して発生するノイズを除去し、このノイズが除去された信号に基づいて振れ角を算出することにより振れ角の誤差を抑える技術が開発されている(特許文献1)。
この技術では、トロリーの走行抵抗等の測定信号に含まれるノイズを、振子運動方程式を用いたオブザーバ演算を利用して除去することによって算出される振れ角の誤差を抑えている。すると、誤差の小さい振れ角に基づいてトロリーの移動を制御できるから、運搬物の揺れを抑えることができるのである。
しかるに、オブザーバ演算を行う装置は高価であるため、設備コストが高くなる。したがって、非常に高精度の振れ止め制御が必要とされる設備はともかく、振れ止めの要求精度がそれほど高くない設備には現実には採用することはできない。
また、オブザーバ演算は運転開始までの調整が非常に面倒であり、また、作動条件が変化するたびにその調整を行わなければならないので、作動条件を変更してから作業開始までの時間が長くなり、作業効率が低下する。
特開2001−48467号
本発明は上記事情に鑑み、振れ角を検出する装置を設けなくても運搬物の揺れを制御することができ、作動条件が変更されても調整が容易であり、振れ止め制御にそれほど高い性能が要求されない設備にも採用できるロープトロリー式クレーンの振れ止め制御装置を提供することを目的とする。
第1発明のロープトロリー式クレーンの振れ止め制御装置は、桁上を走行するトロリーを備え、該トロリーから繰り出し巻上げ可能に吊り下げられたロープとを備え、該ロープに運搬物を取り付けた状態で前記トロリーを移動させて運搬物を運搬するクレーンにおいて、前記トロリーの移動速度を目標速度まで減速させたときにおける前記ロープの振れを止める制御を行う制御装置であって、鉛直方向に対する前記ロープの現在の振れ角を算出する振れ角算出部と、現在位置から一定の減速度で前記トロリーを減速する場合において、所定の目標位置における前記トロリーの移動速度が目標速度となる減速度を求める減速度算出部と、該減速度算出部が算出した減速度で前記トロリーを減速している期間において、前記目標位置において前記ロープの振れが停止するために必要となる現在位置における鉛直方向に対する前記ロープの必要振れ角を算出する必要振れ角算出部と、前記ロープの現在の振れ角と前記必要振れ角との差を算出する誤差算出部と、前記ロープの現在の振れ角から前記必要振れ角に変更させるために必要な前記トロリーの調整減速度を算出する調整減速度算出部と、前記減速度算出部が算出した減速度に前記調整減速度を加算して実減速度を算出し、現在のトロリー移動速度と前記実減速度に基づいて、前記トロリーの移動速度を指示する速度指令信号を送信する速度制御部とを備えていることを特徴とする。
第2発明のロープトロリー式クレーンの振れ止め制御装置は、第1発明において、前記振れ角算出部が、前記トロリーを走行させる横行装置の駆動力から、前記トロリーに加わる負荷のうち計算上求められる全ての負荷を計算して減算することにより運搬物の加速に寄与する運搬物加速力のみを抽出し、抽出された運搬物加速力に基づいて、前記ロープの現在振れ角を算出するものであることを特徴とする。
第3発明のロープトロリー式クレーンの振れ止め制御装置は、第1発明において、前記必要振れ角算出部において、運搬物の初期揺れがないと仮定した場合において、前記トロリーを現在位置から前記減速度算出部が算出した減速度で減速させたときに、前記目標位置で前記ロープの振れを停止させるために理論上必要な理論振れ角φを算出し、前記必要振れ角sinθrefを、前記理論振れ角φと前記減速度算出部が算出した減速度αと重力加速度gからなる式sinθref=α/g×(1-cosφ) に基づいて算出することを特徴とする。
本発明によれば、トロリーの減速度を調整減速度によって調整するので、運搬物に加わる減速度を、運搬物が1周期振れる間の減速度をほぼ一定にして振れ止め制御を行うときにおける減速度に近づけた状態で、かつ、減速度の変化の少ない状態とすることができる。つまり、運搬物に急激な加減速が加わることを防ぐことができ、現在の振れ角を正確に算出できるから、振れ角を検出する装置を設けなくても運搬物の揺れを正確に制御することができる。しかも、複雑な演算などを行わないので、振れ止め制御にそれほど高い性能が要求されない装置にも使用可能である。また、各パラメータを変更するだけで作動条件の変更に対応できるから、作動条件を変更による作業効率の低下を防ぐことができる。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図2は本実施形態の振れ止め制御装置10が設けられるロープトロリー式クレーン1の概略説明図である。まず、本実施形態の振れ止め制御装置10を説明する前に、本実施形態の振れ止め制御装置10が設けられるロープトロリー式クレーン1を簡単に説明する。
図2(A)において、符号2は、ロープトロリー式クレーン1の脚を示しており、この脚2には、地面と水平に桁3が設けられている。この桁3上には、桁3上を走行するトロリー5が設けられており、このトロリー5から垂らされたロープ6に運搬物Cが吊り下げられるように構成されている。
図2(B)に示すように、運搬物Cが吊り下げられるロープ6は、トロリー5に設けられたシーブを介して、巻上ドラム7に巻き掛けられている。また、トロリー5は、その走行方向の前端および後端がそれぞれ、横行ドラム9に巻き掛けられたワイヤー8,8に取り付けられている。
このため、横行ドラム9を作動すれば、トロリー5を、桁3上で前進、後退、つまり、横行させて運搬物Cを移動させることができ、巻上ドラム7を作動すれば、運搬物Cを昇降させることができるのである。上記の横行ドラム9と横行ドラム9の駆動する図示しないモータおよび横行ドラム9の駆動を制御する横行インバータが、特許請求の範囲にいう横行装置に相当する。
つぎに本実施形態の振れ止め制御装置10について説明する。
本実施形態の振れ止め制御装置10は、トロリー5の桁3上を横行する速度(以下、単に横行速度という)を目標とする位置(目標位置)において所定の速度(目標速度)となるように減速し、トロリー5が目標位置に到達したときに、運搬物Cの振れが停止した状態となるように横行速度を制御するものであり、図2には図示していないが、振れ止め制御装置10は、巻上ドラム7の駆動を制御する巻上インバータや、横行ドラム9の駆動を制御する横行インバータに接続されている。
なお、本実施形態の振れ止め制御装置10では、トロリー5を減速する場合に限られず、トロリー5を加速する場合にも採用できるのは言うまでもない。そして、以下では、説明を簡単にするために、目標位置においてトロリー5が停止する場合、つまり、トロリー5の目標速度が0の場合を説明するが、目標位置においてトロリー5に加速度が加わらなくなる条件であれば本実施形態の振れ止め装置10による制御を行うことができるのは、いうまでもない。
本発明の振れ止め制御装置に採用されている振れ止め制御は、運搬物が吊り下げられている移動体を一定速度で移動させている状態から運搬物を減速度または加速度を一定として減速または加速すると、その運搬物に初期振れがなければ、減速または加速している期間と運搬物の振り子周期が同じであれば、移動体の減速または加速が終了したときに、運搬物の揺れが停止しているという原理(以下では、一周期減速法という)に基づいている(この原理は、市販のシミュレーションソフト(例えば、ViSim Version1.5e:Design Science Inc.製や、CSMP:IBM製等)によって検証することができる)。
この原理は、減速または加速開始に運搬物に初期振れがないことが条件となるが、本発明の振れ止め制御装置では、初期振れがある場合でも、移動体の減速または加速が終了したときに運搬物の揺れをほぼ停止させることができる点に特徴がある。
では、本実施形態の振れ止め制御装置10を具体的に説明する。
図1は本実施形態の振れ止め制御装置10の概略ブロック図である。同図に示すように本実施形態の振れ止め制御装置10は、減速度算出部11と、振れ角算出部12と、必要振れ角算出部13と、誤差算出部14と、調整減算度算出部15と、速度制御部16とを備えている。
まず、減速度算出部11は、現在位置から一定の減速度でトロリー5を減速する場合において、目標位置に相当する所定の停止位置にトロリー5を停止させるために必要な減速度α(以下、単に停止減速度αという)を求めるものである。停止減速度αは、横行インバータから供給される駆動電動機(モータ)の回転速度に基づいて算出されるトロリー5の移動速度Vと、横行ドラム取付エンコーダにより検出した現在位置から停止位置までの距離Lとから、以下の数1により算出される。なお、トロリー5の現在位置は横行ドラム取付エンコーダから供給される信号により算出される。
(数1)
α=V /2L
振れ角算出部12は、トロリーを走行させる横行装置の駆動力から、前記トロリー5に加わる負荷のうち計算上求められる全ての負荷を計算して減算することにより運搬物Cの加速に寄与する運搬物加速力のみを抽出し、抽出された運搬物加速力に基づいて、ロープ6の現在のロープ振れ角θreaを算出するものである。
ここで、トロリー5の横行装置の駆動力F1、つまり、横行ドラム9を駆動させるモータ等の駆動力は、トロリー5に加わる負荷(横行負荷)と釣り合うのであるが、横行負荷は、(1)トロリー5の走行抵抗F2、(2)ロープ6のしごき抵抗F3、(3)運搬物加速力からなるため、(1),(2)と、横行装置の駆動力が把握できれば、運搬物Cを加速する運搬物加速力のみを抽出することができる。
そして、運搬物加速力が抽出できれば、以下の数2に基づいて、現在のロープ振れ角θreaを求めることができる。なお、数2中Tは運搬物Cの振り子周期であり、tはトロリー5が現在位置から停止位置まで移動するのに要する時間である。また、振り子周期Tの算出には、ロープ6において、トロリー5に設けられているシーブから下方に垂れ下がってる部分の長さが必要であるが、これは、巻上ドラム7に取り付けられている巻上ドラム取付エンコーダからの信号に基づいて算出される。数2中FTは、駆動力F1から、走行抵抗F2としごき抵抗F3を減算したものである。
(数2)
θrea=sin-1 (FT/(g・M))
FT=F1−F2−F3
g:重力加速度
M:運搬物Cの重量
なお、トロリー5の走行抵抗F2は、トロリー5の自重と運搬物Cの重量を加えた値に、車輪径および軸受形式等から求められるトロリー5の走行抵抗率を掛け合わせることによって求めることができる。よって、トロリー5の自重、走行抵抗率は予め入力しておき、運搬物Cの重量はロープ6に接続されている荷重計から入力するように構成されていれば、現状のトロリー5の走行抵抗を把握することができる
また、横行装置の駆動力F1は、横行ドラム9を駆動させるモータの作動を制御する横行インバータの出力トルクと横行装置の機械効率から求めることができる。
さらに、ロープ6のしごき抵抗F3は、ロープ張力、つまり、吊り下げされている運搬物Cの重量Mと、シーブ枚数やシーブ径、シーブ軸受けの種類等から求められるしごき抵抗率によって求められる。
必要振れ角算出部13は、減速度算出部11が算出した停止減速度αでトロリー5が減速されている期間において、トロリー停止位置においてロープ6の振れが停止するために必要な現在の必要振れ角θrefを算出するものである。
必要振れ角算出部13では、まず、トロリー5を現在位置から停止減速度αで一定減速したときに、停止位置で運搬物Cの振れを停止させるために理論上必要な理論振れ角φが算出される。この理論振れ角φは、トロリー5を停止位置で停止させるために一周期減速法によってトロリー5の横行速度が制御されていると仮定した場合(つまり、運搬物Cの初期振れがない場合)において、トロリー5を停止位置で停止したときに運搬物Cの振れが停止するために必要な、現在位置における運搬物Cの鉛直方向に対する振れ角であり、以下の数3により求められる。
(数3)
φ=2π t/T
そして、算出された理論振れ角φを利用して、必要振れ角θrefは以下の数4から算出することができる。
(数4)
Sinθref=α/g×(1−cosφ)
なお、数4から得られる必要振れ角θrefにすれば停止位置で運搬物Cの振れを停止できることは、市販のシミュレーションソフト(例えば、ViSim Version1.5e:Design Science Inc.製や、CSMP:IBM製等)によって検証することができる。
誤差算出部14は、ロープ6の現在の振れ角φと必要振れ角θrefとの差θdefを算出するものであり、現在の振れ角θreaから必要振れ角θrefを減算することによって求められる。
調整減算度算出部15は、ロープ6の振れ角を、現在の振れ角φから必要振れ角θrefに変更させるために必要なトロリー5の調整減速度αを算出するものであり、この調整減速度αは、θdefに制御ゲインを掛け合わせることによって求められる。なお、制御ゲインは、実際に制御を行ったときの安定性と残留振れに応じて調整されるものであり、検証実験やシミュレーションなどによって、事前に求めておけばよい。
速度制御部16は、停止減速度αに調整減速度αを加算して実減速度αを算出し、現在のトロリー移動速度Vと実減速度αに基づいて、トロリー5に指示する速度(以下では、調整速度Vrという)を含む速度指令信号を送信するものである。このトロリー5の調整速度Vrは、現在のトロリー移動速度Vに、前記実減速度αを、所定の制御時間(例えば40ms)の期間積分して得られる制御期間変動分を加えて算出される。
つぎに、図3および図4に基づいて、本実施形態の振れ止め制御装置10による振れ止め制御手順を説明する。
トロリー5が定速で移動している状態から、減速状態に移行すると、本実施形態の振れ止め制御装置10による振れ止め制御が開始する。
まず、横行インバータからの信号が制御信号に入力されると、この信号に基づいて、減速度算出部11は、現在のトロリー5の位置とトロリー5の移動速度Vを算出する。そして、目的位置までの移動距離Lが算出され、この移動距離Lと移動速度Vから、図3中(6),(7)式により停止減速度αと目的位置までの移動時間tが算出される(SO1)。
図3、4には記載していないが、振れ角算出部12には、巻上ドラム取付エンコーダからの信号が入力され、この信号に基づいてロープ6の巻上ロープ長さ、つまり、ロープ6のトロリー5から吊り下がっている長さlが算出される。さらに、この長さlに基づいて運搬物Cの振り子周期Tが算出される。さらに、荷重計から運搬物Cの重量が入力されており、また、横行インバータからはその出力トルクが入力されており、これらに基づいて現在時間でのロープ6の振れ角θreaが算出される。
必要振れ角算出部13にも、巻上ドラム取付エンコーダからの信号が入力され、この信号に基づいてロープ6の巻上ロープ長さ、つまり、ロープ6のトロリー5から吊り下がっている長さlが算出される。さらに、この長さlに基づいて運搬物Cの振り子周期Tが算出される(SO2-1)。
また、減速度算出部11から算出された目的位置までの移動時間tが入力されると、前述した数3に基づいて、現在時間での理論振れ角φが算出される(SO2-2)。
そして、理論振れ角φが算出されると、減速度算出部11から入力される停止減速度αと振れ角φを用いて、数4に基づいて必要振れ角θrefが算出される(SO3)。
必要振れ角θrefが算出されると、この値は誤差算出部14に入力される。この誤差算出部14には、現在時間でのロープ振れ角θreaも入力されており、両者の差θdefが誤差算出部14により算出される(SO4)。
差θdefは調整減速度算出部15に入力され、この調整速度算出部15において調整減速度αが算出される(SO5)。
算出された調整減速度αと停止減速度αは速度制御部16に入力され、停止減速度αに調整減速度αを加算して実減速度αを算出される。そして、この実減速度αとトロリー移動速度Vに基づいて、調整速度Vrが算出される(SO6)。算出された調整速度Vrは、横行ドラム9を駆動しているモータを制御する横行インバータに入力され、トロリー5の移動速度Vが変化する。
すると、このトロリー5の移動速度Vの変化により、運搬物Cの揺動角度が変化するから、再び、SO1〜SO6の手順がトロリー5が目的位置に停止するまで繰り返される。
すると、トロリー5が停止したときには、運搬物Cの振れも停止させることができる。
以上のごとく、本実施形態の振れ止め制御装置10では、トロリー5の停止減速度αを調整減速度αによって調整するので、運搬物Cに加わる減速度を、運搬物Cが1周期振れる間の減速度をほぼ一定にして振れ止め制御を行うときにおける減速度に近づけた状態で、かつ、減速度の変化の少ない状態とすることができる。つまり、運搬物Cに急激な加減速が加わることを防ぐことができ、ロープ8等に発生する振動を抑えることができるから、現在のロープ振れ角θreaを正確に検出できる。よって、現在のロープ振れ角θreaを検出する装置を設けなくても運搬物Cの揺れを正確に制御することができる。
しかも、ロープ8等に発生する振動を抑えることができ、複雑な演算などを行わなくても、現在のロープ振れ角θreaの誤差を小さくすることができるから、高速作業を行う設備や振れ止め制御にそれほど高い性能が要求されない装置にも使用可能である
そして、作動条件を変更しても、調整減速度αを算出するための制御ゲインを変更するだけでよく特別な調整作業も必要ないから、作動条件を変更してから迅速に作業に復帰できるので、作動条件の変更による作業効率が低下を防ぐことができる。
本発明の振れ止め制御装置により、実際のロープトロリー式アンローダの振れ止め制御を行った結果を以下に示す。
この実施例は、ロープトロリー式アンローダによって、船舶上の積荷をアンローダによって掴み、その状態からロープを巻き上げながらトロリーを移動させ、機内に設けられたホッパの上方にトロリーを移動させる作業において、本発明の振れ止め制御を行ったものである。
なお、振れ止め制御は、トロリーが減速を開始してから制御を開始している。
図5に示すように、トロリーが減速を開始する前から積荷は振れており、トロリーが減速を開始した時点や減速を開始してからしばらくの間は現在の振れ角と必要振れ角の変動状況が大きく異なっているのである。しかし、トロリーが停止する少し前(図5A部)では、両振れ角の変動がほぼ一致しているおり、トロリーが停止した時には、振れがほほ停止していることが確認できる。
したがって、本発明の振れ止め制御装置によれば、減速開始前に初期振れがあったとしても、トロリーが停止した時に、運搬物の振れをほほ停止させることができる。
本発明の振れ止め制御装置は、ロープトロリー式クレーンに限られず、物体を吊り下げた状態で移動する天井クレーンなどの振れ止め制御に適している。
本実施形態の振れ止め制御装置10の概略ブロック図である。 本実施形態の振れ止め制御装置10が設けられるロープトロリー式クレーン1の概略説明図である。 本実施形態の振れ止め制御装置10において、停止減速度αおよび必要振れ角θrefを算出するフローチャートである。 本実施形態の振れ止め制御装置10において、トロリー5の調整速度Vrを算出するフローチャートである。 本発明の振れ止め制御装置を、実際のロープトロリー式アンローダの振れ止めに適用した結果を示す図である。
符号の説明
5 トロリー
6 ロープ
10 振れ止め制御装置
11 減速度算出部
12 振れ角算出部
13 必要振れ角算出部
14 誤差算出部
15 調整減速度算出部
16 速度制御部
φ 理論振れ角
θref 現在の振れ角
θrea 必要振れ角
θdef 差
α 停止減速度
α 調整減速度
α 実減速度
現在の移動速度
Vr 調整速度

Claims (3)

  1. 桁上を走行するトロリーを備え、該トロリーから繰り出し巻上げ可能に吊り下げられたロープとを備え、該ロープに運搬物を取り付けた状態で前記トロリーを移動させて運搬物を運搬するクレーンにおいて、前記トロリーの移動速度を目標速度まで減速させたときにおける前記ロープの振れを止める制御を行う制御装置であって、
    鉛直方向に対する前記ロープの現在の振れ角を算出する振れ角算出部と、
    現在位置から一定の減速度で前記トロリーを減速する場合において、所定の目標位置における前記トロリーの移動速度が目標速度となる減速度を求める減速度算出部と、
    該減速度算出部が算出した減速度で前記トロリーを減速している期間において、前記目標位置において前記ロープの振れが停止するために必要となる現在位置における鉛直方向に対する前記ロープの必要振れ角を算出する必要振れ角算出部と、
    前記ロープの現在の振れ角と前記必要振れ角との差を算出する誤差算出部と、
    前記ロープの現在の振れ角から前記必要振れ角に変更させるために必要な前記トロリーの調整減速度を算出する調整減速度算出部と、
    前記減速度算出部が算出した減速度に前記調整減速度を加算して実減速度を算出し、現在のトロリー移動速度と前記実減速度に基づいて、前記トロリーの移動速度を指示する速度指令信号を送信する速度制御部とを備えている
    ことを特徴とするロープトロリー式クレーンの振れ止め制御装置。
  2. 前記振れ角算出部が、
    前記トロリーを走行させる横行装置の駆動力から、前記トロリーに加わる負荷のうち計算上求められる全ての負荷を計算して減算することにより運搬物の加速に寄与する運搬物加速力のみを抽出し、抽出された運搬物加速力に基づいて、前記ロープの現在振れ角を算出するものである
    ことを特徴とする請求項1記載のロープトロリー式クレーンの振れ止め制御装置。
  3. 前記必要振れ角算出部において、
    運搬物の初期揺れがないと仮定した場合において、前記トロリーを現在位置から前記減速度算出部が算出した減速度で減速させたときに、前記目標位置で前記ロープの振れを停止させるために理論上必要な理論振れ角φを算出し、
    前記必要振れ角sinθrefを、
    前記理論振れ角φと前記減速度算出部が算出した減速度αと重力加速度gからなる式
    sinθref=α/g×(1-cosφ)
    に基づいて算出する
    ことを特徴とする請求項1記載のロープトロリー式クレーンの振れ止め制御装置。
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JP2014189389A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd クレーンとその制御方法
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