JP5967971B2 - 電動機の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は電動機の製造方法に関するものである。
従来より、圧縮機の電動機の固定子に巻回された巻線には、巻線の表面を絶縁する目的、巻線をゴミ等から保護する目的、巻回時に傷ついた巻線の表面をコーティングする目的等により、ワニスが含浸されている。例えば、固定子に巻線を巻回した状態で、槽内に貯留されたワニスに巻線を浸漬して巻線にワニスを供給する。これにより、供給されたワニスは、毛細管現象によって巻線に含浸する。また例えば、巻線上にワニスを滴下して供給することにより、供給されたワニスは、毛細管現象によって巻線に含浸する。このような巻線へのワニスの含浸は、大気中で行われることが一般的である。また、巻線へのワニスの含浸方法としては、真空中でワニスを含浸させる方法も従来より提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。そして、特許文献3には、真空中でワニスを含浸させることにより、巻線間の狭い空間にまでワニスを含浸させることができ、巻線の熱伝導率が向上することが開示されている。
特開昭63−018937号公報 特開平06−054473号公報 特開平06−153468号公報
従来より、冷凍サイクル装置には、R410A冷媒よりも吐出温度が約5℃ほど高くなるR22冷媒が用いられることがある。このような吐出温度が高くなる冷媒を冷凍サイクル装置に用いることにより、圧縮機の電動機の固定子に巻回された巻線も、その温度が上昇してしまう。一方、IEC規格(IEC60335−1)には、電動機の巻線温度に関する規格が定められている(例えば、耐熱クラスEの電動機で、巻線温度131℃以下であること)。そこで、R22冷媒を用いる冷凍サイクル装置に使用される圧縮機には、上記IEC規格を満たすため、高い放熱性能が要求される。このため、大気中でワニスを巻線に含浸させた電動機を搭載した圧縮機は、R22冷媒を用いる冷凍サイクル装置に使用される場合、巻線へのワニスの含浸量が不足するために巻線の熱伝導率が十分ではないので、圧縮機が大型化してしまうという問題点があった。
また、近年、温暖化係数が低くエネルギー効率の高いR32冷媒を冷凍サイクル装置に用いることが、提案されている。しかしながら、このR32冷媒は、R22冷媒よりもさらに、吐出温度が約10℃ほど高くなる冷媒である。また、R32冷媒は誘電率が高いので、絶縁性が低下するという特性もある。このため、大気中でワニスを巻線に含浸させた電動機を搭載した圧縮機は、R32冷媒を用いる冷凍サイクル装置では上記IEC規格を満たすことができず、使用できないという問題点があった。
ここで、上記の特許文献3に示されているように、真空中で巻線にワニスを含浸させることにより、巻線の熱伝導率(つまり、冷却性能)を向上させることができる。このため、真空中でワニスを巻線に含浸させた電動機を搭載した圧縮機をR22冷媒用の冷凍サイクル装置に用いることにより、圧縮機を小型化することができる。また、真空中でワニスを巻線に含浸させた電動機を搭載した圧縮機であれば、R32冷媒用の冷凍サイクル装置に使用することも可能となる。
しかしながら、真空中でワニスを巻線に含浸させるには、真空槽を真空引きし、真空引き後の真空槽内で含浸作業を行う必要がある。このため、真空中でワニスを巻線に含浸させると、圧縮機の生産効率が低下してしまうという課題があった。また、真空中でワニスを巻線に含浸させるには、真空槽等の設備が必要となるので、圧縮機の生産設備費が増加してしまうという課題もあった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、第1の目的は、圧縮機の生産効率の低下や生産設備費の増加を抑制しつつ、R22冷媒用の冷凍サイクル装置に用いられる場合には小型化でき、R32冷媒用の冷凍サイクル装置に使用することが可能な縮機の電動機の製造方法を得ることである。
また、第2の目的は、真空中で巻線にワニスを含浸した際、従来の真空中のワニス含浸よりもワニスの含浸量を増加できる動機の製造方法を得ることである。
発明に係る電動機の製造方法は、スロットが形成され、該スロットに巻線が巻回された固定子と、該固定子の内周面に該固定子と所定の間隔を介して配置された回転子と、を備え、前記巻線にワニスが含浸された電動機の製造方法であって、前記巻線にワニスが含浸するワニス含浸工程として、反リード線側の巻線とリード線側の巻線とが上下に配置された状態で、前記固定子の前記スロットに巻回された前記巻線の一部をワニス槽内に貯留された前記ワニスに浸漬させるワニス供給工程と、該ワニス供給工程中に前記固定子を振動させる振動工程と、前記ワニス槽内に貯留された前記ワニスから前記固定子を引き上げ、前記巻線における前記ワニスに浸漬されていた部分が上方となるように前記固定子を回転させて、前記固定子を振動させる振動工程と、を有するものである。
本発明においては、大気中で巻線にワニスを含浸させる場合、従来の大気中でのワニス含浸方法に比べ、ワニスの含浸量(巻線の単位体積当りのワニス付着量)を増加させることができ、巻線の熱伝導率を大きくできる。つまり、本発明においては、大気中で巻線にワニスを含浸させる場合、従来の大気中でのワニス含浸方法に比べ、巻線の冷却性能を向上でき、巻線温度を低下できる。また、本発明においては、大気中で巻線にワニスを含浸させる場合、従来の大気中でのワニス含浸方法に比べ、巻線の絶縁性能を向上できる為、漏洩電流を低減できる。このため、本発明は、圧縮機の生産効率の低下や生産設備費の増加を抑制しつつ、R22冷媒用の冷凍サイクル装置に用いられる圧縮機を小型化できる。また、本発明は、大気中でワニス含浸処理を行えるため、圧縮機の生産効率の低下や生産設備費の増加を抑制しつつ、R32冷媒用の冷凍サイクル装置に使用することが可能な圧縮機を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る圧縮機の縦断面図(回転軸の軸心方向に切断した断面図)である。 本発明の実施の形態1に係る電動機の横断面図(回転軸の軸心方向と直交する仮想平面で切断した断面図)である。 本発明の実施の形態1に係る電動機の回転子の横断面図(回転軸の軸心方向と直交する仮想平面で切断した断面図)である。 本発明の実施の形態1に係る電動機の回転子の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る圧縮機における巻線へのワニス含浸方法を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態5に係る冷凍サイクル装置の一例を示す構成図である。
実施の形態1.
以下、図面に基づき、本実施の形態1に係る圧縮機1について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る圧縮機の縦断面図(回転軸の軸心方向に切断した断面図)である。圧縮機1は、密閉容器4内に、圧縮機構200と誘導電動機である電動機100と図示しない冷凍機油とを収納している。また、密閉容器4の上部には、圧縮機構200で圧縮された冷媒を外部に導く(吐出する)ための吐出管70も設けられている。なお、冷凍機油は、主に圧縮機構200の摺動部を潤滑するものであり、密閉容器4内の底部に貯留されている。
電動機100は、固定子12と回転子11とを備えている。固定子12は、略円筒形状に形成されており、外周部が密閉容器4に例えば焼き嵌め等により固定されている。この固定子12には巻線20(後述の主巻線20a及び補助巻線20b)が巻回されている。また、巻線20(つまり、主巻線20a及び補助巻線20b)は、リード線21を介して、密閉容器4に設けられたガラス端子15に接続されている。このガラス端子15は外部に設けられた電源(図示せず)に接続されている。つまり、固定子12の巻線20は、ガラス端子15及びリード線21を介して、外部電源から電力供給される構成となっている。
回転子11は、略円筒形状をしており、固定子12の内周面と所定の間隔を介して、固定子12の内周部に配置されている。本実施の形態1に係る回転子11は、後述のように、回転子鉄心11a及びかご形導体(エンドリング32、後述のアルミバー30)で構成されたかご形回転子である。この回転子11には回転軸3が固定されており、電動機100と圧縮機構200とは、回転軸3を介して接続された構成となっている。つまり、電動機100が回転することにより、圧縮機構200には、回転軸3を介して回転動力が伝達されることとなる。ここで、一般的に、密閉型圧縮機の性能を確保するためには、電動機に一定の冷媒の流路が必要である。このため、本実施の形態1に係る電動機100には、回転子11に、圧縮機構200から吐出された高圧のガス冷媒を電動機100の上方へ導く(冷媒の流路となる)ガス流路2が回転軸方向に貫通形成されている。
なお、電動機100の詳細構成については、後述する。
圧縮機構200は、シリンダ5、上軸受6(軸受の一例)、下軸受7(軸受の一例)、ローリングピストン9、吐出マフラ8、及びベーン(図示せず)等で構成される。
内部に圧縮室が形成されるシリンダ5は、外周が平面視略円形で、内部に平面視略円形の空間であるシリンダ室を備える。シリンダ室は、軸方向両端が開口している。シリンダ5は、側面視で所定の軸方向の高さを持つ。シリンダ5は、平面視略円形の空間であるシリンダ室に連通し、半径方向に延びる平行なベーン溝(図示せず)が軸方向に貫通して設けられる。また、ベーン溝背面(外側)に、ベーン溝に連通する平面視略円形の空間である背圧室(図示せず)が設けられる。
シリンダ5には、冷凍サイクル回路からの吸入ガスが通る吸入ポート(図示せず)が、シリンダ5の外周面からシリンダ室に貫通している。シリンダ5には、平面視略円形の空間であるシリンダ室を形成する円の縁部付近(電動機100側の端面)を切り欠いた吐出ポート(図示せず)が設けられる。
ローリングピストン9は、シリンダ室内を偏心回転するものである。ローリングピストン9は、リング状に形成されており、ローリングピストン9の内周が回転軸3の偏心軸部3aに摺動自在に設けられている。
ベーンは、シリンダ5のベーン溝内に収納され、背圧室に設けられたベーンスプリング(図示せず)により、常にローリングピストン9に押し付けられている。なお、本実施の形態1に係る圧縮機1は密閉容器4内が高圧となるので、運転を開始するとベーンの背面(背圧室側)に密閉容器4内の高圧とシリンダ室の圧力との差圧による力が作用する。このため、ベーンスプリングは、主に圧縮機1の起動時(密閉容器4内とシリンダ室の圧力に差がない状態)に、ベーンをローリングピストン9に押し付ける目的で使用される。ベーンの形状は、平たい(周方向の厚さが、径方向及び軸方向の長さよりも小さい)略直方体である。
上軸受6は、回転軸3の主軸部(偏心軸部より上の部分)に摺動自在に嵌合するとともに、シリンダ5のシリンダ室(ベーン溝も含む)の一方の端面(電動機100側)を閉塞する。下軸受7は、回転軸3の副軸部(偏心軸部より下の部分)に摺動自在に嵌合するとともに、シリンダ5のシリンダ室(ベーン溝も含む)の他方の端面(冷凍機油側)を閉塞する。上軸受6及び下軸受7は、側面視略T字状に形成されている。
また、上軸受6には、その外側(電動機100側)に吐出マフラ8が取り付けられている。上軸受6の吐出弁から吐出される高温・高圧の吐出ガスは、一端吐出マフラ8に入り、その後吐出マフラ8の吐出穴(図示せず)から密閉容器4内に放出される。
密閉容器4の横には、冷凍サイクル回路からの低圧の冷媒ガスを吸入し、液冷媒が戻る場合に液冷媒が直接シリンダ5のシリンダ室に吸入されるのを抑制する吸入マフラ80が設けられている。吸入マフラ80は、シリンダ5の吸入ポートに吸入管22を介して接続されている。吸入マフラ80は、例えば溶接等により密閉容器4の側面に固定される。
(電動機100の詳細構成)
続いて、本実施の形態1に係る電動機100の詳細について説明する。なお、以下では、まず図2を用いて固定子12の詳細を説明した後、図3及び図4を用いて回転子11の詳細について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る電動機の横断面図(回転軸の軸心方向と直交する仮想平面で切断した断面図)である。
固定子12は、固定子鉄心12a、及び巻線20(主巻線20a及び補助巻線20b)で構成されている。固定子鉄心12aは、板厚が0.1mm〜1mmの電磁鋼板を所定の形状(例えばドーナツ形状)に打ち抜き、軸方向に積層し、カシメや溶接等により固定して製作される。これにより、固定子鉄心12aは、略円筒形状に形成される。なお、本実施の形態1では、固定子鉄心12aと密閉容器4との間に流路23を形成するため、固定子鉄心12aの外周面には、外周面を略平面状に切り欠いた切欠き12cを4ヶ所に形成している。4ヶ所の切欠き12cは、隣り合うもの同士が略直角に配置される。但し、これは一例であり、切欠き12cの数、形状及び配置は任意でよい。なお、流路23は、ガス流路2によって電動機100の上方へ導かれたガス冷媒から図示しない油分離器で分離された冷凍機油を密閉容器4の底部に戻す油戻し通路として機能する。
この固定子鉄心12aには、内周縁に沿って、内周縁に開口した固定子スロット12bが形成されている。これら固定子スロット12bは、周方向にほぼ等間隔に配置され、半径方向に延在している。固定子スロット12bは内周縁に開口しており、この開口部をスロットオープニングと言う。このスロットオープニングから巻線20(主巻線20a及び補助巻線20b)が挿入される。
本実施の形態1に係る電動機100は、2極の単相誘導電動機である。このため、固定子12は、固定子スロット12bに挿入される(巻回される)主巻線20a及び補助巻線20bを備える。つまり、本実施の形態1に係る電動機100は、主巻線20a及び補助巻線20bで、巻線20を構成している。なお、固定子スロット12bには巻線20と固定子鉄心12aとの間の絶縁を確保するために絶縁材(例えば、スロットセル、ウェッジ等)が挿入されるが、ここでは省略する。また、この例では固定子スロット12bの数が24であるが、これは一例であり、固定子スロット12bの数は24に限定されるものではない。
主巻線20aは、同心巻方式の巻線である。図2の例では、固定子スロット12b内の内周側(回転子11に近い方)に、主巻線20aが配置されている。本実施の形態1では、同心巻方式の主巻線20aは、大きさ(特に周方向の長さ)が異なる5個のコイルで構成される。そして、これら5個のコイルは、縦断面視において各コイルの中心が同じ位置となるように固定子スロット12bに挿入される。そのため、同心巻方式と呼ばれる。なお本実施の形態1では主巻線20aが5個のコイルのものを示したが、これは一例であって、その数は問わない。
主巻線20aの5個のコイルを径の大きい方から順にM1、M2、M3、M4、M5とすると、各コイルの巻数は、主巻線20aの磁束の分布が略正弦波になるように選ばれる。主巻線20aに電流が流れた場合に発生する主巻線磁束が正弦波になるようにするためである。
主巻線20aは、固定子スロット12b内の内周側、外周側のどちらに配置してもよい。主巻線20aを固定子スロット12b内の内周側に配置すると、固定子スロット12b内の外周側に配置する場合に比べて、巻線周長が短くなる。また、主巻線20aを固定子スロット12b内の内周側に配置すると、固定子スロット12b内の外周側に配置する場合に比べて、漏れ磁束が少なくなる。よって、主巻線20aを固定子スロット12b内の内周側に配置すると、固定子スロット12b内の外周側に配置する場合に比べて主巻線20aのインピーダンス(抵抗値、漏れリアクタンス)が小さくなる。そのため、単相誘導電動機の特性が良くなる。
主巻線20aに電流を流すことで、主巻線磁束が生成される。この主巻線磁束の向きは、図2の上下方向である。前述したように、この主巻線磁束の波形ができるだけ正弦波になるように、主巻線20aの5個のコイル(M1、M2、M3、M4、M5)の巻数が選ばれる。主巻線20aに流れる電流は交流であるから、主巻線磁束も流れる電流に従って大きさと位相を変える。
また、固定子スロット12bには、主巻線20aと同様の同心巻方式の補助巻線20bが挿入される。詳しくは、本実施の形態1では、補助巻線20bは、大きさ(特に周方向の長さ)が異なる3個のコイルで構成される。そして、これら3個のコイルは、縦断面視において各コイルの中心が同じ位置となるように固定子スロット12bに挿入される。また、補助巻線20bの3個のコイルを大きい方から順にA1、A2、A3とすると、各コイルの巻数は、補助巻線磁束の分布が略正弦波になるように選ばれる。補助巻線20bに電流が流れた場合に発生する補助巻線磁束が正弦波になるようにするためである。
図2では、補助巻線20bは、固定子スロット12b内の外側に配置されている。補助巻線20bに電流を流すことで補助巻線磁束が生成される。この補助巻線磁束の向きは、主巻線磁束の向きに直交する(図2の左右方向)。補助巻線20bに流れる電流は交流であるから、補助巻線磁束も電流に従って大きさと位相を変える。
一般的には主巻線磁束と補助巻線磁束のなす角度が電気角で90度(ここでは極数が2極であるため、機械角も90度である)になるように、主巻線20aと補助巻線20bとが固定子スロット12bに挿入される。
補助巻線20bと直列に運転コンデンサを接続したものに主巻線20aを並列に接続させる。その両端を単相交流電源へ接続する。運転コンデンサを補助巻線20bに直列に接続することにより、補助巻線20bに流れる電流の位相を主巻線20aに流れる電流の位相より約90度進めることができる。
主巻線20aと補助巻線20bの固定子鉄心12aにおける位置を電気角で90度ずらし、且つ主巻線20aと補助巻線20bの電流の位相を約90度異なるようにすることにより、2極の回転磁界が発生する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る電動機の回転子の横断面図(回転軸の軸心方向と直交する仮想平面で切断した断面図)である。また、図4は、この回転子の斜視図である。なお、図4は、固定子鉄心12aを透過して示している。
回転子11は、回転子鉄心11aとかご形導体を備える。かご形導体は、アルミバー30及びエンドリング32で構成される。一般的にアルミバー30とエンドリング32はダイキャストにより同時にアルミニウムを鋳込むことで製作される。
回転子鉄心11aは、固定子鉄心12aと同様に板厚が0.1〜1mmの電磁鋼板を所定の形状(例えばドーナツ形状)に打ち抜き、軸方向に積層して製作される。本実施の形態1では、図3に符号「14」で示す位置にカシメを施すことにより、各電磁鋼板を固定している。なお、一般的には、回転子鉄心11aは、固定子鉄心12aと同一の材料から打ち抜くことが多い。但し、回転子鉄心11aと固定子鉄心12aの材料を変えても構わない。
このように形成された回転子鉄心11aは、中心付近に断面が円形の軸孔を備える。この軸孔には、回転軸3が焼き嵌め等により固定される。また、回転子鉄心には、周方向にほぼ等間隔に配置された回転子スロット13が形成されている。この回転子スロット13にアルミニウムを鋳込むことにより、かご形導体のアルミバー30が形成される。
なお、上述した電動機100は、固定子鉄心12aのスロット数が24、回転子鉄心11aのスロット数が30の組合せである。但し、これは一例であり、固定子鉄心のスロット数が24、回転子スロット13の数が30に限定されるものではない。
(ワニスの含浸工程)
続いて、固定子12の固定子スロット12bに巻回された(挿入された)巻線20へのワニス含浸工程について説明する。固定子スロット12bに巻回された巻線20には、巻線の表面を絶縁する目的、巻線をゴミ等から保護する目的、巻回時に傷ついた巻線の表面をコーティングする目的等により、ワニスが含浸される。本実施の形態1では、例えばエポキシ樹脂を主剤とするワニスを含浸する。
ここで、巻線20へのワニスの含浸量が多くなるほど、つまり巻線20の単位面積あたりのワニス付着量を増加させるほど、巻線20の熱伝導率を大きくでき、巻線20の冷却性能を向上させることができる。これは、巻線20へのワニスの含浸量が多くなるほど、巻線20に付着したワニス内に気泡等が少なくなるためである。また、巻線20へのワニスの含浸量が多くなるほど、巻線の絶縁性能を向上できる為、漏洩電流を低減できる。つまり、巻線20へのワニスの含浸量を向上させることにより、冷媒吐出温度が高くなるR22冷媒を扱う圧縮機を小型化することができる。また、R22冷媒よりも吐出温度がさらに高いR32冷媒を扱うことができる圧縮機を得ることができる。
しかしながら、大気中で行う従来のワニス含浸方法で巻線20へワニスを含浸させた場合、ワニスの含浸量が不足してしまうため、圧縮機1でR22冷媒を扱おうとすると、巻線20の温度が上昇してしまう。このため、巻線20の温度をIEC規格を満たす温度まで低下させようとすると、圧縮機1が大型化してしまう。また、大気中で行う従来のワニス含浸方法で巻線20へワニスを含浸させた場合、圧縮機1でR22冷媒よりも吐出温度がさらに高いR32冷媒を扱おうとすると、圧縮機1を大型化しても巻線20の温度をIEC規格内に収めることができず、圧縮機1でR32冷媒を扱うことができない。
そこで、本実施の形態1では、大気中において、次のように巻線20にワニスを含浸させることにより、巻線20へのワニスの含浸量を増加させている。
図5は、本発明の実施の形態1に係る圧縮機における巻線へのワニス含浸方法を説明するための説明図である。
巻線20にワニスを含浸する際、まず、固定子スロット12bに巻線20が巻回された固定子12を、ハンガー50で保持する(図5(A)参照)。詳しくは、ハンガー50は、固定子12のリード線21側を保持するリード側受け部51と、固定子12におけるリード線21側の反対側を保持する反リード側受け部52と、を備えている。そして、これらリード側受け部51と反リード側受け部52とで固定子12を挟み込むことにより、固定子12をハンガー50で保持する。
固定子12をハンガー50で保持した後、図5(B)に示すように、固定子12のリード線21側が下方となるように、固定子12を180度回転させる。そして、図5(C)に示すように、固定子12のリード線21側をワニス槽55内に貯留されたワニス56に浸漬させる。これにより、毛細管現象によって、ワニス56が巻線20の間にしみ込んでいく(ワニス供給工程)。このとき、本実施の形態1では、固定子12を振動させる(振動工程)。これにより、巻線20に付着するワニス56内から気泡を外部に放出させることができ、巻線20へのワニス56の含浸量を増加させることができる。
図5(C)のワニス供給工程及び振動工程が終了した後、図5(D)に示すように、ワニス槽55内に貯留されたワニス56から固定子12を引き上げ、固定子12のリード線21側が上方となるように、固定子12を180度回転させる。これにより、巻線20に付着したワニス56の一部は、重力によって下方に流れつつ、下方の巻線20(反リード線側の巻線20)の間にしみ込んでいく。このとき、本実施の形態1では、固定子12を振動させる(振動工程)。これにより、図5(D)の工程において巻線20に付着するワニス56内からも気泡を外部に放出させることができ、巻線20へのワニス56の含浸量を増加させることができる。
図5(D)の工程の後、図5(E)に示すように、固定子12の反リード線21側をワニス槽55内に貯留されたワニス56に浸漬させる。これにより、毛細管現象によって、ワニス56が、上記の工程中にワニス56が供給されていなかった範囲の巻線20の間にもしみ込んでいく(ワニス供給工程)。このとき、本実施の形態1では、固定子12を振動させる(振動工程)。これにより、図5(E)の工程において巻線20に付着するワニス56内からも気泡を外部に放出させることができ、巻線20へのワニス56の含浸量を増加させることができる。
図5(E)のワニス供給工程及び振動工程が終了した後、図5(F)に示すように、ワニス槽55内に貯留されたワニス56から固定子12を引き上げ、固定子12の反リード線21側が上方となるように、固定子12を180度回転させる。これにより、巻線20に付着したワニス56の一部は、重力によって下方に流れつつ、下方の巻線20(反リード線側の巻線20)の間にしみ込んでいく。このとき、本実施の形態1では、固定子12を振動させる(振動工程)。これにより、図5(F)の工程において巻線20に付着するワニス56内からも気泡を外部に放出させることができ、巻線20へのワニス56の含浸量を増加させることができる。
なお、本実施の形態1では、ワニス供給工程中及びワニス供給工程後の双方において固定子12を振動させたが、どちらか一方において固定子12を振動させてもよい。但し、ワニス供給工程中に固定子12を振動させた方が、ワニス中から気泡を放出させる効果が大きい。このため、どちらか一方において固定子12を振動させる場合、ワニス供給工程中に固定子12を振動させる方が好ましい。
また、本実施の形態1では、固定子12のリード線21側をワニス56に浸漬させてワニス56を供給するワニス供給工程と、固定子12の反リード線21側をワニス56に浸漬させてワニス56を供給するワニス供給工程と、の双方を行っている。しかしながら、これに限らず、どちらか一方のワニス供給工程(より詳しくは、この工程の後に固定子12を反転させてワニス56を落下させる工程も含む)により十分にワニスを供給できる場合には、どちらか一方のワニス供給工程(例えば、固定子12の反リード線21側をワニス56に浸漬させてワニス56を供給するワニス供給工程)のみ行ってもよい。
また、本実施の形態1では、固定子12をワニス槽55内に貯留されたワニス56に浸漬させることにより、巻線20にワニス56を供給した。しかしながら、これに限らず、巻線の上方からワニス56を滴下して、巻線20にワニス56を供給しても勿論よい。
また、本実施の形態1では、ワニス含浸工程中のみ固定子12を振動させたが、ワニス含浸工程後も、ワニス56が乾燥するまで固定子12を振動させてもよい。これにより、ワニス含浸工程後においてもワニス56内から気泡を放出させることができ、巻線20へのワニス56の含浸密度(巻線20の単位面積あたりのワニス付着量)をさらに増加させることができる。
以上、本実施の形態1のように構成された圧縮機1においては、従来の大気中でのワニス含浸方法で製造された圧縮機に比べ、巻線20へのワニス56の含浸密度(巻線20の単位体積当りのワニス付着量)を増加させることができ、巻線20の熱伝導率を大きくできる。つまり、本実施の形態1に係る圧縮機1は、従来の大気中でのワニス含浸方法で製造された圧縮機に比べ、巻線20の冷却性能を向上でき、巻線20の温度を低下できる。また、本実施の形態1に係る圧縮機1は、従来の大気中でのワニス含浸方法で製造された圧縮機に比べ、巻線20の絶縁性能を向上できる為、漏洩電流を低減できる。このため、本実施の形態1に係る圧縮機1は、吐出温度が高いR22冷媒を用いる冷凍サイクル装置に使用される場合であっても、圧縮機1を小型化することができる。さらに、本実施の形態1に係る圧縮機1は、R22冷媒よりもさらに吐出温度が高いR32冷媒を用いる冷凍サイクル装置にも使用することができる。
また、本実施の形態1に係る圧縮機1は、大気中でワニス含浸処理を行えるため、当該圧縮機1の製造に際し、真空中でワニス含浸処理を行う際に用いる真空槽等の設備や、真空槽の真空引きといった工程を必要としない。このため、本実施の形態1に係る圧縮機1は、圧縮機1の生産効率の低下や生産設備費の増加を抑制することもできる。
なお、本発明は巻線20へのワニス56の含浸処理に特徴を有するものである。このため、密閉容器4内における電動機100及び圧縮機構200の配置関係(どちらの構成が密閉容器の上方に配置されるのか、双方の構成が横方向に配置されるのか等)、圧縮機構の種類(レシプロ式やスクロール式等、ロータリー式以外の圧縮機構であるか否か)、電動機100の種類(誘導電動機であるか否か)、巻線20の巻き方等は、本発明を限定するものではない。
実施の形態2.
実施の形態1では、ワニスの含浸工程中に固定子12を振動させることにより、巻線20へのワニスの含浸量を増加させた。これに限らず、例えば次のようなワニス含浸工程によって巻線20にワニスを含浸させても、巻線20へのワニスの含浸量を増加させることができる。なお、本実施の形態2で特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
本実施の形態2に係るワニス含浸工程は、基本的に実施の形態1で示したワニス含浸工程と同様である。本実施の形態2に係るワニス含浸工程が実施の形態1で示したワニス含浸工程と異なる点は、
(1)ワニス含浸工程中に、固定子12を振動させない点、
(2)粘度の異なる2種類のワニスを用いる点、
である。
詳しくは、本実施の形態2に係るワニス含浸工程では、まず、粘度の低い方のワニスを用いて、例えば図5で示したような方法(但し、固定子12は振動していない)で巻線20にワニス56を含浸させる(第1のワニス含浸工程)。粘度の低いワニスは、巻線20の間にしみ込みやすいため、固定子スロット12bの奥側(固定子12の外周側)に配置された巻線20の間や、巻線20が密集した箇所にまで良好にしみ込むことができる。
一方、粘度の低いワニスは、重力によって落下しやすい(つまり、巻線20の間に留まりづらい)。このため、特に固定子スロット12bの手前側(固定子12の内周側)や、巻線20間の隙間が大きい箇所では、巻線20に付着する量が減少してしまう。そこで、本実施の形態2では、粘度の高い方のワニスを用いて、例えば図5で示したような方法(但し、固定子12は振動していない)で巻線20にワニス56を含浸させる(第2のワニス含浸工程)。粘度の高いワニスで再度のワニス含浸処理を行うことにより、粘度の低いワニスでは含浸量が不足していた箇所に粘度の高いワニスを含浸させることができる。このため、最終的には、巻線20へのワニスの含浸量を、従来の大気中でのワニス含浸方法よりも増加させることができる。
なお、本実施の形態では、粘度の低いワニスとしては例えば、エポキシポリエステル及びスチレン等の成分を有し、25℃時の粘度が180mPa・s〜260mPa・sとなるワニスを用いている。また、粘度の高いワニスとしては例えば、エポキシアクリレート及びメタクリレート等の成分を有し、25℃時の粘度が260mPa・s〜320mPa・sとなるワニスを用いている。
以上、本実施の形態2のように構成された圧縮機1においては、実施の形態1と同様に、従来の大気中でのワニス含浸方法で製造された圧縮機に比べ、巻線20へのワニスの含浸量(巻線20の単位体積当りのワニス付着量)を増加させることができ、巻線20の熱伝導率を大きくできる。つまり、本実施の形態2に係る圧縮機1も、従来の大気中でのワニス含浸方法で製造された圧縮機に比べ、巻線20の冷却性能を向上でき、巻線20の温度を低下できる。また、本実施の形態2に係る圧縮機1も、従来の大気中でのワニス含浸方法で製造された圧縮機に比べ、巻線20の絶縁性能を向上できる為、漏洩電流を低減できる。このため、本実施の形態2に係る圧縮機1も、吐出温度が高いR22冷媒を用いる冷凍サイクル装置に使用される場合であっても、圧縮機1を小型化することができる。また、本実施の形態2に係る圧縮機1も、R22冷媒よりもさらに吐出温度が高いR32冷媒を用いる冷凍サイクル装置に使用することができる。
なお、本実施の形態2で示した第1のワニス含浸工程及び第2のワニス含浸工程において、実施の形態1で示した固定子12の振動工程を追加しても勿論よい。巻線20へのワニスの含浸量をより増加させることができる。
実施の形態3.
実施の形態2では、組成の異なるワニスを用いることにより、第1のワニス含浸工程で供給するワニスの粘度と第2のワニス含浸工程で供給するワニスの粘度とを異ならせた。これに限らず、同一組成のワニスを用い、ワニスの温度を異ならせることにより、ワニスの粘度を異ならせてもよい。つまり、第1のワニス含浸工程では、巻線20に供給するワニスの温度を、第2のワニス含浸工程時に供給するワニスの温度よりも高くすればよい。これにより、同一組成のワニスを用いても、第1のワニス含浸工程で供給するワニスの粘度を第2のワニス含浸工程で供給するワニスの粘度よりも低くすることができる。
以上、本実施の形態3で示したようなワニス含浸工程で巻線20にワニスを含浸しても、従来の大気中でのワニス含浸方法で製造された圧縮機に比べ、巻線20へのワニスの含浸量(巻線20の単位体積当りのワニス付着量)を増加させることができ、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
実施の形態1〜実施の形態3では、大気中でワニス含浸工程を行っていた。これに限らず、実施の形態1〜実施の形態3のワニス含浸工程(少なくとも、ワニス中に気泡が混入するワニス供給工程)を真空中で行ってもよい。なお、本実施の形態4での真空とは、大気圧よりも低い圧力環境を示すものとする。
以上、本実施の形態4で示したワニス含浸工程は、ワニス中に気泡が混入しづらい環境下において巻線20にワニスを含浸できるため、巻線20へのワニスの含浸量をさらに増加できる。なお、本実施の形態4で示したワニス含浸工程は、真空槽等の設備や真空槽の真空引きといった工程を必要とするため、実施の形態1〜実施の形態3のワニス含浸工程と比べ、圧縮機1の生産効率の低下や生産設備費の増加を招く。しかしながら、本実施の形態4で示したワニス含浸工程は、巻線20へのワニスの含浸量を優先して圧縮機1を製造する際に、非常に有用なものである。
実施の形態5.
実施の形態1〜実施の形態4で示したワニス含浸処理工程を用いて製造された圧縮機1は、例えば次に示すような冷凍サイクル装置に用いられる。
図6は、本発明の実施の形態5に係る冷凍サイクル装置の一例を示す構成図である。
この図6に示す冷凍サイクル装置300は、例えば、空気調和機に用いられるものである。図6に示すように、実施の形態1〜実施の形態4で示したワニス含浸処理工程を用いて製造された圧縮機1は、電源18に接続される。なお、圧縮機1の電動機100の補助巻線20bと電源18との間には、運転コンデンサ(図示せず)が接続される。電源18から電力が圧縮機1に供給され、圧縮機1が駆動する。この冷凍サイクル装置(空気調和機)は、圧縮機1、冷媒の流れる方向を切り替える四方弁301、室外熱交換器302、減圧装置303、及び室内熱交換器304等が冷媒配管で接続されて構成される。
冷凍サイクル装置300(空気調和機)は、例えば、冷房運転時、矢印のように冷媒が流れる。つまり、室外熱交換器302は凝縮器として機能し、室内熱交換器304は蒸発器として機能する。
図示はしないが、冷凍サイクル装置300(空気調和機)の暖房運転時は、冷媒は図4の矢印と反対方向の流れとなる。四方弁301によって、冷媒の流れる方向が切り替えられる。このとき、室外熱交換器302は蒸発器として機能し、室内熱交換器304は凝縮器として機能する。
以上、本実施の形態5のように構成された冷凍サイクル装置300においては、実施の形態1〜実施の形態4で示したワニス含浸処理工程を用いて製造された圧縮機1を用いているので、R22冷媒を使用する際、小型の圧縮機1を用いることができる。また、R32冷媒を用いた冷凍サイクル装置300を実用化することができる。
なお、本実施の形態5では、空気調和機に用いられる冷凍サイクル装置300を例に説明したが、ヒートポンプ式貯湯装置や冷凍装置等に用いられる冷凍サイクル装置に圧縮機1を用いても勿論よい。
1 圧縮機、2 ガス流路、3 回転軸、3a 偏心軸部、4 密閉容器、5 シリンダ、6 上軸受、7 下軸受、8 吐出マフラ、9 ローリングピストン、11 回転子、11a 回転子鉄心、12 固定子、12a 固定子鉄心、12b 固定子スロット、12c 切欠き、13 回転子スロット、14 カシメ、15 ガラス端子、18 電源、20 巻線、20a 主巻線、20b 補助巻線、21 リード線、22 吸入管、23 流路、30 アルミバー、32 エンドリング、50 ハンガー、51 リード側受け部、52 反リード側受け部、55 ワニス槽、56 ワニス、70 吐出管、80 吸入マフラ、100 電動機、200 圧縮機構、300 冷凍サイクル装置、301 四方弁、302 室外熱交換器、303 減圧装置、304 室内熱交換器。

Claims (5)

  1. スロットが形成され、該スロットに巻線が巻回された固定子と、
    該固定子の内周面に該固定子と所定の間隔を介して配置された回転子と、
    を備え、
    前記巻線にワニスが含浸された電動機の製造方法であって、
    前記巻線にワニスが含浸するワニス含浸工程として、
    反リード線側の巻線とリード線側の巻線とが上下に配置された状態で、前記固定子の前記スロットに巻回された前記巻線の一部をワニス槽内に貯留された前記ワニスに浸漬させるワニス供給工程と、
    該ワニス供給工程中に前記固定子を振動させる振動工程と、
    前記ワニス槽内に貯留された前記ワニスから前記固定子を引き上げ、前記巻線における前記ワニスに浸漬されていた部分が上方となるように前記固定子を回転させて、前記固定子を振動させる振動工程と、
    を有することを特徴とする電動機の製造方法。
  2. 前記ワニスとして粘度の異なる2種類のワニスが用いられ、
    粘度が低い方の前記ワニスを用いて前記ワニス供給工程と前記振動工程とを行う第1のワニス含浸工程と、
    粘度が高い方の前記ワニスを用いて前記ワニス供給工程と前記振動工程とを行う第2のワニス含浸工程と、
    を有することを特徴とする請求項に記載の電動機の製造方法。
  3. 粘度の異なる前記ワニスは、同一組成のワニスであり、
    前記ワニスの温度を異ならせることにより、前記ワニスの粘度を変更することを特徴とする請求項に記載の電動機の製造方法。
  4. 前記ワニス含浸工程後、前記ワニスが乾燥するまで前記固定子を振動させる工程を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電動機の製造方法。
  5. 前記巻線への前記ワニスの含浸工程において、
    少なくとも前記巻線へ前記ワニスを供給する工程は真空中で行われることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電動機の製造方法。
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