JPH09285079A - 同期電動機のステータ製造方法および製造装置 - Google Patents

同期電動機のステータ製造方法および製造装置

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JPH09285079A
JPH09285079A JP11529196A JP11529196A JPH09285079A JP H09285079 A JPH09285079 A JP H09285079A JP 11529196 A JP11529196 A JP 11529196A JP 11529196 A JP11529196 A JP 11529196A JP H09285079 A JPH09285079 A JP H09285079A
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JP
Japan
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stator
synchronous motor
impregnating liquid
rotating
jig
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JP11529196A
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English (en)
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Hiroyuki Uchida
裕之 内田
Yuichi Endo
裕一 遠藤
Shigemi Takeda
栄海 武田
Hiroshi Konoue
弘 鴻上
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同期電動機のステータ製造方法および製造装
置において、含浸液によって周囲を汚染することなく含
浸工程とシール工程との同時処理を行うことができる。 【解決手段】 同期電動機のステータコア20にハウジ
ング30,31を取り付けたステータ40の軸方向をほ
ぼ水平方向に支持し、回転軸がほぼステータの軸方向と
なるよう回転させる回転治具1と、回転治具1で支持さ
れたステータの内周面側に含浸液7を注入する注入手段
4,5とを備えた装置であり、これによって、含浸液7
によって周囲を汚染することなくステータの巻線21へ
の含浸とステータコア20とハウジング30,31間の
シールを同時に行うステータ製造装置を構成し、ステー
タ40をその軸方向をほぼ水平方向に回転治具1に取付
け、回転治具1を駆動して回転軸2がほぼステータ40
の軸方向となるようステータ40を回転させながらステ
ータ内部に含浸液7を注入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同期電動機のステ
ータ製造方法および製造装置に関し、特に、同期電動機
のステータコアの巻線の含浸,ステータコアとハウジン
グの間のシールを行う方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】同期電動機の製造においては、積層鋼板
等の磁性材で形成されたステータコアに巻線を卷回し、
該ステータコアにハウジングを取付けた後、巻線のステ
ータコアへの固定と巻線に発生する熱を良好に放熱する
ために巻線に含浸液を含浸する含浸処理を行ったり、同
期電動機内への水分や油分の侵入を防止するためにステ
ータコアとハウジングとの接合部の隙間にシールを施す
シール処理を行い、これによって、ステータを形成して
いる。通常、巻線への含浸処理とシール処理は別個の処
理工程で行われることが多い。
【0003】巻線への含浸の方法としては、例えば、ス
テータコアに巻線を卷回した状態で、巻線上に含浸液を
滴下する方法や、ステータコア全体を含浸液中に漬ける
ディッピングと呼ばれる方法が知られている。また、ス
テータコアとハウジング間のシール処理については、例
えば、ステータコア端部にシール材を塗布した後にハウ
ジングを被せることによって、ステータコアとハウジン
グとの隙間をシールする方法や、ステータの外周部から
隙間にシール材を塗布する方法や、ステータコアとハウ
ジングとを一体で含浸液中に漬けるディッピングの方法
が知られている。
【0004】含浸工程およびシール工程は各工程におい
て炉内で加熱を行う必要があり、この加熱処理に設備や
工数を要し多大の処理時間を要している。この加熱処理
に要する設備や工数を低減するために、従来より含浸工
程とシール工程を同時に行いたいという要求がある。こ
の含浸工程とシール工程を同時に行う方法として、ステ
ータコアとハウジングを接合して組み立てた状態で、ス
テータコアとハウジングとを含浸液槽内に漬けてディッ
ピングを行う方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、含浸工
程とシール工程を同時に行う場合、従来のようにステー
タコアとハウジングとによってステータを形成し、この
ステータにディッピング処理を施す方法は、ステータを
含浸液槽内につける作業が自動化に不向きであり、ま
た、ディッピングのために大がかりな設備が必要となる
という問題があり、また、ディッピングによってステー
タに付着した含浸液が垂れて、設備周辺や加熱炉が含浸
液によって汚染されるという問題がある。
【0006】そのため、従来のディッピングによる含浸
工程とシール工程との同時処理は、小型のモータを自動
化して少量生産する場合には適用できても、中型以上の
モータの自動化による大量生産には適していない。そこ
で、本発明は前記した従来のディッピングによる問題点
を解決して、含浸液によって周囲を汚染することなく含
浸工程とシール工程との同時処理を行うことができる同
期電動機のステータ製造方法および製造装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の同期電動機のス
テータ製造方法は、巻線を卷回した同期電動機のステー
タコアにハウジングを取付けたステータに対して、ステ
ータの軸方向をほぼ水平方向に回転治具に取付ける工程
と、回転治具を駆動して回転軸がほぼステータの軸方向
となるようステータを回転させる工程と、回転中のステ
ータ内部に含浸液を注入する工程とによって、含浸液に
よって周囲を汚染することなくステータコアの巻線への
含浸とステータコアとハウジング間のシールを同時に行
う。また、ステータを含浸液の注入時には加熱された状
態としておくことができる。ステータを加熱状態とする
ために、ステータを回転治具に取り付ける前に加熱して
おいたり、回転治具に取り付けた後に、回転治具に付加
した加熱手段により加熱することができる。
【0008】また、本発明の同期電動機のステータ製造
装置は、同期電動機のステータコアにハウジングを取り
付けたステータに対して、ステータの軸方向をほぼ水平
方向に支持し、回転軸がほぼステータの軸方向となるよ
うステータを回転させる回転治具と、回転治具で支持さ
れたステータの内周面側に含浸液を注入する注入手段と
を備えた装置であり、これによって、含浸液によって周
囲を汚染することなくステータコアの巻線への含浸とス
テータコアとハウジング間のシールを同時に行うステー
タ製造装置を構成する。
【0009】本発明の製造方法および製造装置は、ステ
ータコアにハウジングを取り付けたステータをその軸方
向をほぼ水平方向として支持するものであり、該水平方
向は、ステータ内部に注入した含浸液が外部にこぼれな
い程度の水平に対する軸方向の傾斜許容角度を含んでお
り、回転治具は該傾斜許容角度を含む水平方向にステー
タを回転可能に支持する。また、本発明製造方法および
製造装置において、回転軸がほぼステータの軸方向とな
るよう回転させるものであり、該回転軸とステータの軸
方向とは、ステータ内部に注入した含浸液が外部にこぼ
れない程度の許容角度内で互いに傾斜した位置関係とし
たり、また、回転軸の中心とステータの軸中心とをずら
した位置関係とすることができる。
【0010】また、本発明の製造方法および製造装置
は、含浸液の注入後のステータの回転速度を変化させる
ことができ、該回転速度の変化は高速回転の後低速回転
に戻すよう変化させることができる。また、注入手段は
2つの注入管を備え、ステータの軸方向の両端面側に取
り付けられたハウジングに対応して設けることができ
る。また、2つ以上の注入管を備えることによって、望
ましい含浸液の粘度に応じて特性の異なる2種類以上の
含浸液を使用することができる。
【0011】本発明の製造方法および製造装置は、含浸
液の硬化を促進することで含浸液のステータ巻線への含
浸を十分に行って含浸液の垂れを防止するために、回転
治具にステータを取り付ける前にあらかじめステータを
加熱しておいたり、あるいは回転治具に取り付けた後に
ステータ製造装置に設けた加熱手段によって加熱するこ
とができる。回転治具に取り付けた後にステータを加熱
する場合には、回転治具に設けたステータに熱風を送る
ことによって加熱したり、回転治具に設けた導線接続部
を介してステータ巻線に電流を流し、該電流によって巻
線に生じる熱により加熱することができる。
【0012】本発明の同期電動機のステータ製造方法お
よび製造装置によれば、ステータの軸方向をほぼ水平方
向に回転治具を取り付けることによって、ステータは軸
方向を横方向にした状態で回転治具に取り付けられる。
このステータを取り付けた回転治具を駆動すると、ステ
ータは軸方向を横向きとして回転し、ステータコアの各
突起部および該突起部に巻回された巻線は軸方向を対称
軸として上下の位置関係の交換を繰り返す。この状態で
回転治具に取り付けられたステータの内部に含浸液を注
入すると、注入された含浸液は横向きにされたステータ
の内部の下部に溜まり、ステータの回転によって各巻線
への含浸液の塗布が順次行われる。この巻線への含浸と
ともに、含浸液自身の持つ浸透性によってステータコア
およびハウジング間に含浸液が浸透し、シールが行われ
る。回転治具に取り付けられたステータを高速に回転す
ることによって生じる遠心力によって、ステータコアと
ハウジングへの含浸液の浸透を促進し、より良好なシー
ルを行うことができる。回転治具に取り付けられたステ
ータは、含浸液の注入前に加熱された状態としておくこ
とができる。このステータの加熱は、ステータを回転治
具に取り付ける前に行うことも、あるいは回転治具に取
り付けた後で含浸液を注入する前に行うこともできる。
含浸液が注入されたステータが回転している時点でステ
ータをあらかじめ加熱しておくことにより、注入された
含浸液の凝固を迅速に行うことができ、巻線への含浸液
の付着を十分に行うことができる。また、含浸液がステ
ータ外部にこぼれて周囲の設備等を汚染することを防止
することができる。また、本製造装置にステータ加熱の
ための装置を付加しておくことによって、ステータに含
浸液を注入した後、ステータが回転している間に加熱を
行うこともでき、注入された含浸液を凝固させて同様の
効果を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しながら詳細に説明する。図1,図2は本発明の同
期電動機のステータ製造装置の一構成例を説明するため
の斜視図,および断面図である。図1,2において、同
期電動機は、積層鋼板を重ねて形成されるステータコア
20と、該ステータコア20の両端に設けられる第1ハ
ウジング30と第2ハウジング31とによって固定子側
を構成し、該固定子内に図示しない回転子を挿入して構
成される。第1ハウジング30の一端はステータコア2
0の一端に接合し、また、第2ハウジング31の一端は
ステータコア20の他端と接合し、第2ハウジング31
の他端は軸方向に短く湾曲して縁部32を形成し、第2
開口部34を形成している。ステータコア20は、内部
の軸に向かって突起して形成された複数個の突起部を備
え、該突起部には巻線が卷回される。
【0014】本発明のステータ製造装置は、図1,2に
示す固定子に対して巻線に対する含浸処理とステータコ
アとハウジングとの間の隙間に対するシール処理を行う
装置であり、回転治具1と含浸液供給管(第1含浸液供
給管4,第1含浸液供給管5)を備える。回転治具1は
第1ハウジング30を支持するためのフランジ3と、第
1ハウジング30をフランジ3に固定するための固定具
6と、フランジ3を回転駆動するための回転軸2とを含
む。また、含浸液供給管(第1含浸液供給管4,第1含
浸液供給管5)は、一端を図示しない含浸液供給源に接
続し、他端を第2開口部34を通して第1ハウジング3
0あるいは第2ハウジング31内に延ばして先端部を開
口している。
【0015】第1ハウジング30および第2ハウジング
31を接合したステータコア20はステータ40を形成
し、該ステータ40はフランジ3によって回転治具1に
取り付けられ、回転治具1を回転駆動させることによっ
てステータコア20の軸方向を回転軸として回転する。
このステータコア20の回転中に、含浸液供給管4,5
から含浸液7を注入することによってステータコア20
内の巻線21への含浸処理およびステータコア20とハ
ウジング30,31との間のシール処理を行う。図中の
波線8は注入された含浸液7の液面レベルを示してい
る。
【0016】図3,4は本発明の同期電動機のステータ
断面図であり、図3は図2中の符号Aで示す位置から矢
印の方向を見た図を示し、図4は図2中の符号Bで示す
位置から矢印の方向を見た図を示している。図3,4に
おいて、ステータコア20の内部に注入された含浸液7
は、最も低い位置にあるステータコアの突起コアおよび
巻線21を浸し、巻線21の含浸を行う。含浸液7が浸
す巻線21は、ステータコア20が回転することによっ
て順に移動し、一回転することによって全ての巻線21
に対して含浸が行われる。
【0017】次に、図5のフローチャートを用いて、本
発明のステータ製造装置を用いたステータ製造方法の手
順について説明する。積層鋼板等の磁性材により形成さ
れたステータコア20に巻線21を卷回し、該ステータ
コア20の両端にハウジング30,31を取付けてたス
テータ40を、加熱炉等の加熱手段によって予熱する。
予熱の温度は使用する含浸液の凝固温度に応じて調整す
ることができ、例えば100°C程度により行うことが
できる。このステータコア20の予熱は、含浸した含浸
液を凝固させるために行う含浸前処理である(ステップ
S1)。
【0018】次に、予熱したステータ40を回転治具1
に取付ける。図1,2において、ステータ40の回転治
具1への取付けは種々の周知の固定手段により行うこと
ができ、例えば第1ハウジング30のフランジ部と回転
治具1のフランジ3との間に設けた固定具6により行う
ことができる。このとき、ステータ40は軸方向がほぼ
水平線となるよう横方向に倒した状態で回転治具1に取
付ける。なお、ステータ40の回転治具1への取付け方
向は、ステータ40内に注入される含浸液7が第2ハウ
ジング31の縁部32から外部に流れ出ない程度の傾き
の範囲内であれば、水平線方向から傾いた状態のほぼ水
平線で取り付けることができる。
【0019】また、回転治具1とステータ40との取り
付けにおいて、回転治具1の回転軸2はその回転の軸方
向がほぼステータ40の軸方向となるよう回転させるも
のである。この回転治具1の回転軸2の軸方向とステー
タ40の軸方向とは、ステータ40内部に注入した含浸
液7が外部にこぼれない程度の許容角度内で互いに傾斜
した位置関係とすることもでき、また、回転治具1の回
転軸2の中心とステータ40の軸中心とをずらしてオフ
セットした位置関係とすることができる。この傾斜した
位置関係で回転治具1を駆動すると、ステータ40は水
平線に対して揺動して回転し、内部に注入された含浸液
7を揺らすことになる。これによって、巻線21への含
浸液7の塗布を良好なものとすることができる。また、
軸中心とオフセットした位置関係で回転治具1を駆動す
ると、ステータ40は水平軸に対して横方向に揺動して
回転し、内部に注入された含浸液7を揺らし、巻線21
への含浸液7の塗布を良好なものとする(ステップS
2)。
【0020】ステータ40を回転治具1に取り付けた
後、含浸液供給管4,5からステータ40の内部に含浸
液7を供給する。供給する含浸液7の液量は、第2ハウ
ジング31の縁部32から含浸液7が、ステータ40が
回転しても外部にこぼれでない程度の量とし、1本の含
浸液供給管により供給することも、あるいは第1含浸液
供給管4と第2含浸液供給管5の2本の含浸液供給管に
より供給することもできる。2本の含浸液供給管により
供給する場合には、ステータコア20の両側のハウジン
グ部との間への含浸液7の供給を良好に行うことができ
る。供給する含浸液7としては、アクリル系樹脂等の周
知の含浸液を用いることができ、含浸処理やシール処理
の条件に応じて凝固温度や粘度を設定する(ステップS
3)。
【0021】注入された含浸液7は、予熱されたステー
タ40の熱によって巻線21の周囲で凝固し含浸処理が
行われる。このとき、回転治具1を駆動してステータ4
0を低速度で回転させる。含浸液7はハウジング31の
縁部32を越えない液面レベル8の範囲内で揺動し、液
面レベル8下にあるステータコア20,巻線21を塗布
するととにもステータコア20とハウジング30,31
との隙間に浸透する(ステップS4)。さらに、回転治
具1を高速で回転することによって、ステータ40内の
含浸液7に遠心力を付与し、ステータコア20とハウジ
ング30,31との隙間に含浸液7を浸透させシール処
理を行う。含浸液7はステータ40の予熱によって凝固
するため、低速回転のままではステータコア20とハウ
ジング30,31との隙間への浸透が良好に行われにく
いが、高速回転を行うことによって含浸液7の浸透をよ
り良好なものとしてシール効果を高める(ステップS
5)。高速回転の後、再び回転治具1を低速回転させ
て、未凝固の含浸液7の凝固を行うとともに、高速回転
によって巻線21に対する含浸液7の塗布量低下を補っ
て良好な含浸処理を行う。なお、前記ステップS4,
5,6の回転治具1の回転速度調整は、一例であり、含
浸液7の粘度等に条件に応じてその他の速度変化によっ
て行うこともできる。(ステップS6)。
【0022】含浸処理およびシール処理が終了した後、
ステータコア20を回転治具1から取り外す。これによ
って、含浸とシールが施されたステータコア20を形成
することができる(ステップS7)。本実施の形態によ
れば、加熱して温度を高めたステータを水平方向に支持
し、回転させながら含浸液を注入するため、注入された
含浸液の凝固が迅速に行われ、含浸液がステータから外
部に流出して周囲の設備等を汚染するといったことを防
止することができる。
【0023】次に、ステータ40をあらかじめ加熱して
おくことなしに、本ステータ製造装置によって含浸およ
びシールを行うステータ製造方法について説明する。こ
の製造方法の手順については、図5による前述のステー
タ製造手順からステータ加熱の項目を除いた場合と同様
である。ステータ40をあらかじめ加熱せずに回転治具
1に取付けて含浸液7を注入する方法では、注入した含
浸液7をステータ40の熱によって凝固させることがで
きないため、通常用いられる加熱硬化型の含浸液を使用
するの場合には、本装置の回転治具1から取り外した後
に含浸液7を加熱硬化させる必要がある。その際、ステ
ータから含浸液7がこぼれないようにするため、また、
巻線21に付着した含浸液7が垂れ落ちて含浸が不十分
にならないように、使用する含浸液7の粘度は比較的高
いものが望ましい。含浸液7の粘度が高くなると、ステ
ータコア20とハウジング30,31との間に含浸液7
が浸透し難くなる。このシールを良好とするために、前
述の方法同様に、回転治具1を高速で回転することによ
って、ステータ40内の含浸液7に遠心力を付与し、ス
テータコア20とハウジング30,31との隙間に含浸
液7を強制的に浸透させてシール処理を行う。このと
き、巻線21に付着するべき含浸液7も遠心力によって
振り切られてしまう可能性があるため、これを防ぐため
に再び低速回転に戻した後に再度含浸液7を補充する方
法をとることもできる。さらには、粘度や特性の異なる
含浸液7を2種類用意し、含浸液供給管4,5により別
々に供給することによって、先に粘度の低い含浸液7を
注入して巻線への含浸液7の付着量を確保し、良好な巻
線への含浸を行わせるといった方法をとることもでき
る。
【0024】次に、図6,図7を用いて本発明の同期電
動機のステータ製造装置の他の構成例を説明する。図
6,図7に示す構成例は、予熱を行う加熱手段を回転治
具1に設ける構成であり、予熱処理と含浸処理およびシ
ール処理を一つの装置で行うものである。
【0025】図6に示す構成例の回転治具1は、内部に
加熱管10を設けた加熱部9を備え、該加熱管10内に
加熱した流体を供給することによってステータ40を加
熱するものである。加熱部9の回転治具1への取り付け
は、例えば回転治具1のフランジ3と加熱部9のフラン
ジ13とを固定具12で固定することにより行うことが
でき、加熱流体に供給は、回転治具1に設けた加熱管1
1を介して供給源から加熱管10内に加熱流体を送るこ
とによって行うことができる。なお、加熱部9はステー
タ40の支持部材として使用することもできる。
【0026】また、図7に示す構成例の回転治具1は、
取り付けたステータ40の巻線21に電流を供給して巻
線21に誘導加熱を生じさせ、この発熱によってステー
タ40を加熱するものである。ステータ40への電流供
給は、回転治具1に設けた一端が電源側の導線14に接
続されている端子15を、ステータ40の導線22と接
続することによって行うことができる。なお、導線22
は、回転治具1のフランジ3に設けた開口部32を介し
て通すことができる。
【0027】なお、図6,図7に示す構成例の回転治具
1を用いたステータの製造方法は前記した構成例とほぼ
共通であり、予熱工程において加熱流体を供給したりあ
るいは巻線21に電流を供給することによってステータ
40の加熱を行い、加熱されたステータを回転させなが
ら含浸液の注入を行う。他にも、回転治具1に取り付け
られたステータ40内部へ熱風を送り込むといった方法
によっても、同様にステータ40を回転治具1に取り付
けられた状態で加熱することができる。
【0028】また、図6,図7の構成例では、含浸工程
やシール工程の処理中に加熱手段によってステータ40
の温度を調整して、含浸液7の凝固の制御を行うことが
できる。本発明の実施の形態において、回転治具に対し
てステータの軸方向を水平からずらして取り付けたり、
ステータの軸中心と回転治具の回転中心をずらして取り
付けたり、回転治具の回転軸を水平からずらすことによ
り、ステータを水平に対して軸方向あるいは軸と角度を
有した方向に揺動させながら回転させることにより、含
浸液の巻線への塗布および含浸液のハウジングの隙間へ
の浸透を良好なものとすることができる。
【0029】また、本発明の実施の形態によれば、回転
治具に付加した加熱手段によってステータを加熱した
り、回転治具に設けた導線接続部を介してステータの巻
線に電流を流し、該電流によって巻線に生じる誘導加熱
により加熱することができ、これによって、ステータの
予熱を回転治具において行うことができ、予熱のための
他の設備を省くことができ、また、ステータを回転治具
に取り付ける前の予熱を行う工程を省略することができ
る。また、回転治具に取り付けられたステータに含浸液
を注入する前の段階ではステータの加熱を行わず、含浸
液を注入した後に適宜加熱を行うことによって、設備や
工程を簡略にできるとともに、シール時に重要な含浸液
の浸透性と、巻線含浸時に重要な含浸液の巻線への付着
性とを両立させることが可能となる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
同期電動機のステータ製造方法および製造装置におい
て、含浸液によって周囲を汚染することなく含浸工程と
シール工程との同時処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の同期電動機のステータ製造装置の一構
成例を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の同期電動機のステータ製造装置の一構
成例を説明するための断面図である。
【図3】本発明の同期電動機のステータ断面図である。
【図4】本発明の同期電動機のステータ断面図である。
【図5】本発明の同期電動機のステータ製造方法を説明
するためのフローチャートである。
【図6】本発明の同期電動機のステータ製造装置の他の
構成例を説明するための断面図である。
【図7】本発明の同期電動機のステータ製造装置の別の
構成例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 回転治具 2 回転軸 3,13 フランジ 4,5 含浸液供給管 6,12 固定具 7 含浸液 8 液面レベル 9 加熱部 10,11 加熱管 14,22 導線 15 端子 20 ステータコア 21 巻線 30,31 ハウジング 32 縁 33,34 開口部 40 ステータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 栄海 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 鴻上 弘 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線を卷回した同期電動機のステータコ
    アにハウジングを取付けてステータを形成し、前記ステ
    ータの軸方向をほぼ水平方向に回転治具に取付け、前記
    回転治具を駆動して回転軸がほぼステータの軸方向とな
    るようステータを回転させ、前記回転中のステータ内部
    に含浸液を注入して、ステータコアの巻線への含浸とス
    テータコアとハウジング間のシールを行うことを特徴と
    する同期電動機のステータ製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ステータは回転治具に取り付ける前
    に加熱しておくことを特徴とする請求項1記載の同期電
    動機のステータ製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ステータは回転治具に取り付けた後
    に、回転治具に付加した加熱手段により加熱することを
    特徴とする請求項1記載の同期電動機のステータ製造方
    法。
  4. 【請求項4】 含浸液の注入後のステータの回転速度を
    変化させることを特徴とする請求項1記載の同期電動機
    のステータ製造方法。
  5. 【請求項5】 前記回転速度の変化は、高速回転の後低
    速回転に戻すことを特徴とする請求項4記載の同期電動
    機のステータ製造方法。
  6. 【請求項6】 同期電動機のステータコアとハウジング
    とを含むステータに対して、ステータの軸方向をほぼ水
    平方向に支持し、回転軸がほぼステータの軸方向となる
    ようステータを回転させる回転治具と、前記回転治具で
    支持されたステータコアの内周面側に含浸液を注入する
    注入手段とを備えたことを特徴とする同期電動機のステ
    ータ製造装置。
  7. 【請求項7】 前記回転治具の回転速度は可変であるこ
    とを特徴とする請求項6記載の同期電動機のステータ製
    造装置。
  8. 【請求項8】 前記注入手段は2つの注入管を備え、該
    注入管はステータコアの軸方向の両端側に取り付けられ
    たハウジングに対応して設けられることを特徴とする請
    求項6,又は7記載の同期電動機のステータ製造装置。
  9. 【請求項9】 前記回転治具は、ステータコアを加熱す
    る加熱手段を備えたことを特徴とする請求項6,7,又
    は8記載の同期電動機のステータ製造装置。
  10. 【請求項10】 前記回転治具は、ステータコアの巻線
    と接続する導線接続部を備えたことを特徴とする請求項
    6,7,又は8記載の同期電動機のステータ製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013172518A (ja) * 2012-02-20 2013-09-02 Mitsubishi Electric Corp 電動機、この電動機を備えた圧縮機、この圧縮機を備えた冷凍サイクル装置、及びこの電動機の製造方法

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