JP5965549B2 - Fgd石膏を硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換するためのプロセス - Google Patents

Fgd石膏を硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換するためのプロセス Download PDF

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Description

本発明は、発電所に位置する排煙脱硫(FGD)システムから得られた石膏からの硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムの製造に関する。FGD石膏は石膏の安価な供給源を提供するが、石膏結晶粒子の物理的構造によっては他の化学物質と反応しにくい特性を有することがある。本発明のプロセスは、この問題やその他の困難を克服し、高い純度かつ収率の硫酸アンモニウムを製造するための経済的に実行可能な方法をもたらす。
FGD石膏は、化石燃料で使用される二酸化硫黄(SO)ガス排出制御システムや特に「スクラバー」装置を使用して燃焼ガスから硫黄を除去する石炭燃焼発電所から得られる、合成品である。二酸化硫黄は燃料中の化合物を含む任意の硫黄に由来する。湿式スクラバーには、石灰(酸化カルシウム又は水酸化カルシウム)又はより典型的には石灰石(炭酸カルシウム)を使用し、二酸化硫黄ガスと反応させて固体の形で硫黄を除去する。湿式スクラビングには石灰石(CaCO)−水スラリーを使用し、以下の化学反応にしたがって亜硫酸カルシウム(CaSO)を生成する。

CaCO(固体)+SO(気体)→CaSO(固体)+CO(気体)
上記化学反応において、二酸化炭素(CO)の生成は、排煙中への二酸化炭素の有害な放出の潜在的な原因となって、大気品質規制の違反につながり、より重大な大気温室効果につながるおそれがある。
FGD設備のコストの一部を埋め合わせるために、CaSO(亜硫酸カルシウム)をさらに酸化し(強制酸化として知られている)、以下の化学反応にしたがってCaSO・2HO(FGD石膏)を生成してもよい。

CaSO(固体)+HO(液体)+ 1/2O(気体)→CaSO(固体)+H

水和 CaSO・1/2HO+1・1/2HO → CaSO・2H
FGD石膏は小さくて細かい結晶粒子からなり、採掘された天然石膏と化学的にほぼ同じである。しかし、異なる発電所で生成したFGD石膏は、化学組成や結晶構造において少し異なることがある。ほとんどの化学的な相違は、用いた燃料からの不純物に由来する。しかし、構造的には、ある種のFGD石膏は、表面積がより小さく、これによって他のFGD結晶粒子よりも反応性がより低い結晶粒子から構成されることがある。より厚くより球形に近いFGD結晶は、より小さな反応表面積を有している。したがって、FGD石膏を出発原料として用いるプロセスでは、より平坦でより円盤状の構造を有しかつより大きな反応表面積を有する粒子を生成するようなFGD設備から得られたFGD石膏結晶粒子だけでなく、反応性がより低いFGD石膏粒子にも対応できなければならない。
本発明のプロセスでは、FGD石膏と炭酸アンモニウム((NHCO)の化学反応を用い、硫酸アンモニウム((NHSO)及び炭酸カルシウム(CaCO)を生成する。硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウム生成物は、両方とも商業的に価値のある物質であり、本発明のプロセスによって高純度かつ高収率で製造される。
硫酸アンモニウム(21−0−0−24S)は、アルカリ性土壌用の化学肥料として最も一般的に使用される。湿った土壌に適用した場合、アンモニウムイオンが放出されて少量の酸をつくり、土壌のpHバランスを低下させる。土壌中では、アンモニウムイオンは土壌細菌によって硝酸塩に変換され、土壌への窒素の供給に貢献し、植物の成長を助ける。硫酸アンモニウムは、比較的ゆっくりと分解し(硫酸アンモニウム−74.4g/100ml(20℃)、尿素−107.9g/100ml(20℃)、硝酸アンモニウム−150g/100ml(20℃))、より効率的な使用ができ、これにより、いくつかの他の人工肥料と比較してコストを削減できる。
一般的な窒素肥料には、無水アンモニア(82% N)、尿素(46% N)、尿素と硝酸アンモニウムの溶液(28−32% N)、硫酸アンモニウム(21% N)及び硝酸アンモニウム(34% N)が含まれる。硫酸アンモニウム(21%)は、ほとんどの土壌に適用した場合に表面の揮発損失がほとんど又は全くない窒素源である。保管が容易であり、硝酸アンモニウムのように吸湿性ではない。硫酸アンモニウムは、硫黄欠乏を治癒し又は防止する必要がある場合のよい硫黄源である。pHが高い土壌の地域では、硫酸アンモニウム中の硫黄が土壌のpHレベルを低下させるのに役立つ。
肥料としての使用に加えて、硫酸アンモニウムは、水溶性殺虫剤、除草剤及び殺菌剤のための農業用スプレー補助剤として使用される。この用途では、硫酸アンモニウムは、井戸水と植物細胞の両方に存在する鉄及びカルシウムカチオンを結合するために機能する。これは、2,4−D(アミン)、グリホサート及びグルホシネート除草剤の補助剤として、特に効果的である。
硫酸アンモニウムは、燃焼温度を低下させ、残渣又はチャーの生成を増加させるため、難燃性材料に使用される。
生化学では、硫酸アンモニウム沈殿法は、沈殿によってタンパク質を精製するための一般的な方法である。そのため、硫酸アンモニウムは米国で使用される多くのワクチン中の成分としても表示される。ジフテリア、破傷風及び百日咳から子供達を守るDTapワクチンは、この目的のために硫酸アンモニウムを使用している。
微細な炭酸カルシウムは、沈澱粒子として本発明のプロセスから得られ、多くの産業において有用である。
高純度の炭酸カルシウムは、健康な骨と歯を確保するためにダイエタリーカルシウムサプリメントとして使用されている。炭酸カルシウムサプリメントは、骨粗しょう症等のカルシウム欠乏に関連する特定医療疾患を治療し、胃の中の酸を減少させ、消化不良や胸焼けを緩和するのに有効である。過敏性腸症候群のために、炭酸カルシウムサプリメントを服用し、下痢を軽減又は緩和することができる。炭酸カルシウムは、練り歯磨きの製造において、かつ医薬品又はダイエタリーサプリメントの錠剤中の不活性物質として使用されている。
微細な炭酸カルシウムは、製紙業において最も好ましい鉱物であり、紙の充填とコーティングに使用される。これは、最高品質の印刷用紙の製造に役立つ。沈降炭酸カルシウムは、木質繊維より安価であるため紙中の充填剤として使用される。印刷用及び筆記用の紙は炭酸カルシウムを10−20%が含有することができる。北米では、炭酸カルシウムは、光沢紙の製造においてカオリンに置き換えられはじめている。欧州では、アルカリ性又は酸フリー製紙工程として数十年間にわたってこれが実践されている。沈降炭酸カルシウムは、直径2マイクロメートルのオーダーで、非常に微細で制御された粒径を有し、紙用コーティング剤の製造において格別の有用性があるため、重質炭酸カルシウムと比較して特に有用である。
石油産業において、炭酸カルシウムは、フォーメーション−ブリッジング及びろ過ケーキのシール剤として掘削流体に添加され、また、ダウン−ホール圧力を制御する掘削流体の密度を増加させるために重み付け材料としても使用することができる。
さらに、最終的にはFGD石膏を生成する排煙ガス(flue gas)のスクラブ(scrubbing)による上記の二酸化炭素の生成に関して、本発明のプロセスで使用される炭酸アンモニウムは、スクラバーによってつくられた二酸化炭素を除去してそれを別の反応器の中でアンモニアを反応させて炭酸アンモニウムを生成するプロセスによって生成される。このように、二酸化炭素を炭酸アンモニウムの形にして本発明のプロセスの中にフィードバックすることによって、スクラバー二酸化炭素の完全なリサイクルが達成される。このリサイクルが、大気品質規制を遵守することに役立ち、大気温室効果の低減につながる可能性があるだろう。
石炭火力発電所のますます厳しい排煙環境基準のため、排煙スクラバーによって発生するFGD石膏等の固体廃棄物の量は、かなりの大きなボリュームに増加している。他では、これまで、FGD石膏又は類似の石膏廃棄物から有用な製品を作ることが試みられてきたが、彼らは、本発明のプロセスによって提供される高い純度かつ収量効率の硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムを生成できるプロセスを採用することができなかった。
例えば、文献、WO2005/11822Aは、炭酸カルシウム及び硫酸アンモニウムを生成するリン酸石膏を取り扱う方法を開示している。その方法は、生成した炭酸カルシウムから硫酸アンモニウム又は炭酸アンモニウムを除去する手順を含まないため、生成した炭酸カルシウムは純粋ではない。また、開示された方法では、投入される石膏原料を精製する手順を含めることもできていない。
英国特許、GB437,278では、ガス工場やコークス炉からの燃焼ガスや蒸留ガスの処理が開示され、これらのガスと炭酸カルシウムとを接触させることにより硫酸カルシウム(石膏)を再生し、それをアンモニアとガスからの二酸化炭素と反応させて、硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムを生成することが開示されている。しかし、生成した炭酸カルシウムは硫酸カルシウムで汚染されていて、反応物の製品への変換は不十分である。
独国特許番号610786は、硫酸カルシウム及び炭酸アンモニウムを硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに連続的に変換するための方法を開示している。この特許は、硫酸アンモニウムから炭酸カルシウムの小さな沈降結晶を分離することが困難なため、高純度の炭酸カルシウム等の反応生成物を得ることの困難さを示している。この方法では、炭酸カルシウムの種結晶が、生成した硫酸アンモニウム溶液に添加され、炭酸カルシウムの大きな結晶が成長している。炭酸カルシウムはより効果的にろ過されて硫酸アンモニウム生成物から除去されるはずである。
独国特許番号612806は、硫酸カルシウム及び炭酸アンモニウムを硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに連続的に変換するための方法を開示した。重要なことは、開示された方法は並流であって、本発明の一実施形態のように向流ではなく、変換に必要な時間は約5時間もかかり、これは本発明の向流プロセスによる変換が約10分であるのに比べてずっと遅い。また、開示された変換収率は97%である一方、本発明の向流プロセスの変換収率は約100%と高い。
したがって、本発明は、硫酸アンモニウム生成物及び炭酸カルシウム生成物を包含する実施形態、並びに硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウム生成物を製造するための一段連続プロセス及び多段向流連続プロセスを包含する実施形態を含む、いくつかの実施形態を提供する。
本発明のプロセスは、FGD石膏(CaSO・2HO)と炭酸アンモニウム((NHCO)とを組み合わせて、化学反応を起こし、以下の反応によって硫酸アンモニウム溶液((NHSO)及び炭酸カルシウム(CaCO)を生成する。

(NHCO+CaSO・2HO→(NHSO+CaCO+2H
多段向流連続プロセスの実施形態に関して、本発明のプロセスを使用して、石炭火力発電所からのFGD石膏(CaSO・2HO)を、97から約100%の変換率で炭酸カルシウム(CaCO)及び硫酸アンモニウム((NHSO)に変換することに成功した。用いたFGD石膏結晶粒子は、乏しい反応性を提供する物理的構造を有していた。
本発明の向流プロセスでは、石膏の硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムへの97から約100%の変換率を達成した。また、より高い変換収率も得られ、連続向流プロセスにおいて2以上の反応器を用いることにより、98から約100%、99から約100%及び約100%変換の達成収率であった。最も高い収率は、各反応器中にさらにミキサーを含む向流プロセスから得られた。本発明のプロセスでは、短い反応保持時間、適度な温度及びより少ない混合操作を維持しながら、非常に迅速かつ高収率が得られる。
本発明の実施形態によれば、特に小粒径で、一般には粒子塊に凝集した立法体形状の炭酸カルシウム生成物が生成され、これにより高純度の固体ケーキを液体から迅速かつ効率的に分離することができる。
FGD石膏は、異なる発電所で、異なる物理的特性を有する結晶粒子の形で生成される。本発明のプロセスは、かなり非反応性のFGD石膏結晶を使用した場合であっても、高い製品歩留まりを実現する。そのような石膏結晶は、他の発電所で生成されたより平坦でより円盤状の結晶に比べて、より厚くかつより小さな表面積を有している。
本発明の別の実施形態によれば、単一の反応器を使用した一段連続プロセスは、より反応性の高いFGD石膏を用いることにより、硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムの90%の収率を得るのに十分であった。これに対して、一段の反応器を、より反応性の低いFGD石膏に用いると、わずか30から50%の収率しか得られず不十分であり、より大きな反応器を使用した場合でも、わずか75%の収率しか達成できなかった。したがって、新しい一段連続プロセスは、より反応性の高い石膏を変換するには十分であり、本発明はこの目的のために一段の反応器を含む。しかし、より反応性の低い石膏を変換するために新しい向流プロセスを開発することが必要であった。
したがって、本発明のプロセスの実施形態は、一段連続プロセスと多段向流連続プロセスも含み、両プロセスは、より大きな反応表面積を有する反応性のより高いFGD石膏粒子を用いて、高収率かつ高純度の製品を提供する。さらに、本発明のプロセスの実施形態は、多段向流連続プロセスを含み、このプロセスは、より小さな反応表面積を有する、他のFGD設備からの反応性がより低いFGD石膏粒子を用いて、高収率かつ高純度の製品を提供する。
本発明のプロセスの実施形態は、プロセスへのFGD石膏原料から汚染物質を除去するプロセスをさらに含む。セレン、アルミニウム、マグネシウム及びその他を含む汚染物質は、酸リンス除去プロセス及びスラリータンク除去プロセスによって除去される。両プロセスは、FGD石膏からの汚染物質の除去において非常に効果的であり、これにより、本発明のプロセスの硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウム生成物が純粋な品質であることを保証する。
本発明の第1の石膏変換向流プロセスの概略図。 本発明の第2の石膏変換向流プロセスの概略図。 本発明の汚染物質除去の酸リンスプロセス。 本発明の汚染物質除去のスラリータンクプロセス。 反応性がより低いFGD石膏A結晶、SEM像、500x。 反応性が高いFGD石膏B結晶、SEM像、500x。 炭酸カルシウム結晶及び凝集結晶である生成物(Mag=20.00KX、WD=10mm、Detector=SE1 and EHT=5.00kV.)
本発明の多段向流連続プロセスは、連続向流プロセスにおいて2以上の反応器を用い、FGD石膏を硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに、約100%の最大収率、少なくとも97%の収率で、以下の反応による石膏との反応で変換する。

(NHCO+CaSO・2HO→(NHSO+CaCO+2H
最初に、単一の反応器(テネシーバレーオーソリティー(TVA)コンバーター)を備えた一段連続プロセスを用いて、反応器の中や、硫酸アンモニウムと炭酸カルシウム生成物との流れの部分的再循環の中で、炭酸アンモニウム及び硫酸カルシウムを混合した。反応器、並びに硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウム生成物の流れの一部再循環の中で、炭酸アンモニウム及び硫酸カルシウムを混合した。一般に、FGD石膏は、硫酸カルシウム1モルに水2モル、水和している。平坦で円盤状の結晶構造を有し、より反応性の高い構造を示すFGD石膏を用いた場合、一段の反応器は、5時間の保持時間後に90%の収率をもたらした。
しかし、同じ条件下で、厚く丸形の結晶構造を有し、より反応性の低い構造を示すFGD石膏を用いた場合、変換率は75%であった。反応器内により長い時間保持し、温度をあげ、炭酸アンモニウムを過剰にしても、一段の反応器は生成物の90%の収率しか生成しなかった。より長い保持時間及びより過剰な炭酸アンモニウムは少しだけ高い収率をもたらした。
より反応性の低いFGD石膏を硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換するために、少なくとも2つの反応器を用いた連続多段向流プロセスを開発した。本発明のプロセスの別の実施形態では、連続多段向流プロセスにおいて、反応器を4つまで用いた。
本発明の実施形態は以下の内容を含む。
(1) FGD石膏を硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換するための連続向流プロセスであって、以下の工程を含む上記プロセス:
FGD石膏の水性スラリーを分離し、FGD石膏残液及びFGD石膏ケーキをもたらす工程;
第1反応器中で、FGD石膏ケーキと炭酸アンモニウム溶液及び硫酸アンモニウム溶液とを組み合わせて、化学的に反応させ、沈降炭酸カルシウムとFGD石膏残部と炭酸アンモニウム残部とを含む硫酸アンモニウム溶液を形成する工程;
硫酸アンモニウム溶液から沈降炭酸カルシウムを分離し、硫酸アンモニウム溶液残渣生成物及び炭酸カルシウムケーキ初期生成物をもたらす工程;
硫酸アンモニウム溶液残渣生成物の一部を硫酸アンモニウム溶液生成物として保持し、残りの部分を第1反応器中にリサイクルバックする工程;
第2反応器中で、炭酸カルシウムケーキ初期生成物と炭酸アンモニウム溶液の一部とを組み合わせて、化学的に反応させ、硫酸アンモニウム溶液初期生成物を形成する工程;
硫酸アンモニウム溶液初期生成物を分離し、硫酸アンモニウム溶液残渣初期生成物及び
炭酸カルシウムケーキ最終生成物をもたらす工程、並びに炭酸カルシウムケーキ最終生成物を保持する工程;
炭酸カルシウムケーキ最終生成物を、炭酸アンモニウム溶液の一部で洗浄し、その後に水で洗浄し、炭酸アンモニウム洗浄残渣をもたらす工程;
第2反応器に炭酸アンモニウム洗浄残渣を添加する工程;及び
硫酸アンモニウム溶液残渣初期生成物の一部を第1反応器にリサイクルし、かつ、硫酸アンモニウム溶液残渣初期生成物の一部を第2反応器にリサイクルする工程。
(2) 硫酸アンモニウム溶液生成物が硫酸アンモニウムを含み、かつ、炭酸カルシウムケーキ生成物が炭酸カルシウムを含み、硫酸アンモニウムと炭酸カルシウムが両方とも97から100%の収率である、(1)に記載のプロセス。
(3) 硫酸アンモニウム溶液生成物が硫酸アンモニウムを含み、かつ、炭酸カルシウムケーキ生成物が炭酸カルシウムを含み、硫酸アンモニウムと炭酸カルシウムが両方とも100%の収率である、(1)に記載のプロセス。
(4) プロセスが8から12分の反応の総時間を有する、(1)に記載のプロセス。
(5) FGD石膏が、より小さな反応表面積を有する粒子状結晶であり、30×30×40ミクロンから40×40×80ミクロンのサイズのプリズム結晶である、(1)に記載のプロセス。
(6) プロセスが80から100°Fの温度で行われる、(1)に記載のプロセス。
(7) インペラーミキサー、パドルミキサー、超音波ミキサー及びホモジナイザーからなる群から選択されるミキサーによって、第1反応器及び第2反応器内で混合する工程を更に含む、(1)に記載のプロセス。
(8) 超音波ミキサーが、反応器内で、保持時間1分あたり2−20秒間周期的に運転する、(7)に記載のプロセス。
(9) 分離工程が、遠心分離又はろ過によるものである、(1)に記載のプロセス。
(10) (1)に記載のプロセスであって、汚染物質が、以下の工程を含む酸リンスプロセスによってFGD石膏から除去される上記プロセス:
FGD石膏スラリーをろ過し、FGD石膏ろ過ケーキをもたらす工程;
FGD石膏ろ過ケーキを、0.01から10%濃度の硫酸を含む水溶液でリンスし、精製FGD石膏ろ過ケーキをもたらす工程;及び
精製FGD石膏ろ過ケーキを水でリンスして残留硫酸溶液を除去し、最終精製FGD石膏ろ過ケーキをもたらす工程。
(11) 71−73%のセレン濃度の減少、46−91%のマグネシウムの減少、及び18−36%のアルミニウムの減少があることを特徴とする、(10)に記載のプロセス。
(12) 廃ろ過液と活性炭を接触させ、セレン濃度を4ppm未満に減少する工程を含むプロセスによって、廃ろ過液が精製される、(10)に記載のプロセス。
(13) (1)に記載のプロセスであって、汚染物質が、以下の工程を含むスラリータンクプロセスによってFGD石膏から除去される上記プロセス:
FGD石膏の水性スラリーを反応容器に導入する工程;
0.01から10濃度の硫酸の水溶液を反応容器に導入し、FGD石膏の水性スラリーと混合し、溶液中に汚染物質を含む反応スラリーを生成する工程;
反応スラリーをろ過して、精製FGD石膏のろ過ケーキ及び廃ろ過液を生成する工程。
(14) 65−73%のセレン濃度の減少、19−90%のマグネシウムの減少、及び19−90%のアルミニウムの減少があることを特徴とする、(13)に記載のプロセス。
(15) 廃ろ過液と活性炭を接触させ、セレン濃度を4ppm未満に減少する工程を含むプロセスによって、廃ろ過液が精製される、(13)に記載のプロセス。
(16) 洗浄したFGD石膏ケーキと炭酸アンモニウム溶液とを組み合わせる工程において、洗浄したFGD石膏の量と炭酸アンモニウム溶液の量が、第1反応器へのリサイクルされた硫酸アンモニウム溶液生成物の量と第2反応器へのリサイクルされた硫酸アンモニウム溶液初期生成物の量とを調整することによって調節される、(1)に記載のプロセス。
(17) (1)に記載のプロセスであって、
第1反応器は反応物の固形物濃度を含み、第2反応器は反応物の固形物濃度を含み、
第1反応器中の固形物濃度は、第1反応器からの吐出流量と第1反応器へのリサイクル流入流量を調整することによって調節され、第2反応器中の固形物濃度は、第2反応器からの吐出流量と第2反応器へのリサイクル流入流量を調整することによって調節される、上記プロセス。
(18) 実質的に立方体形状を有し、0.5から4.0ミクロンの範囲のサイズを有する炭酸カルシウム粒子。
(19) FGD石膏を硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換するための連続向流プロセスであって、以下の工程を含む上記プロセス:
FGD石膏の水性スラリーをろ過し、FGD石膏ろ過液及びFGD石膏ろ過ケーキをもたらす工程;
FGD石膏ろ過ケーキを水で洗浄し、洗浄水のろ過液を処分する工程;
第1反応器中で、洗浄したFGD石膏ろ過ケーキと炭酸アンモニウム及び硫酸アンモニウム溶液とを組み合わせて、化学的に反応させ、沈降炭酸カルシウムとFGD石膏残部と炭酸アンモニウム残部とを含む硫酸アンモニウム溶液を形成する工程;
硫酸アンモニウム溶液から沈降炭酸カルシウムをろ過し、硫酸アンモニウムろ過液生成物及び炭酸カルシウムろ過ケーキ初期生成物をもたらす工程;
硫酸アンモニウムろ過液生成物の一部を硫酸アンモニウム溶液生成物として保持し、残りの部分を第1反応器中にリサイクルバックする工程;
第2反応器中で、炭酸カルシウムろ過ケーキ初期生成物と炭酸アンモニウム溶液の一部とを組み合わせて、化学的に反応させ、硫酸アンモニウム溶液初期生成物を形成する工程;
硫酸アンモニウム溶液初期生成物をろ過し、硫酸アンモニウムろ過液初期生成物及び炭酸カルシウムケーキ最終生成物をもたらす工程、並びに炭酸カルシウムケーキ最終生成物を保持する工程;
炭酸カルシウムケーキ最終生成物を、未反応の炭酸アンモニウム溶液で洗浄し、その後に水で洗浄し、炭酸アンモニウムと硫酸カルシウムと清浄な炭酸カルシウムケーキ最終生成物とを含む炭酸アンモニウム洗浄ろ過液をもたらす工程;
第2反応器に炭酸アンモニウム洗浄ろ過液を添加する工程;
硫酸アンモニウムろ過液初期生成物の一部を第1反応器にリサイクルし、かつ、硫酸アンモニウムろ過液初期生成物の一部を第2反応器にリサイクルする工程;
吸収塔内に吸収液として炭酸アンモニウム洗浄ろ過液を用い、炭酸アンモニウム洗浄ろ過液とアンモニア及び二酸化炭素とを接触させて炭酸アンモニウムを生成し、プロセス反応物として炭酸アンモニウムをリサイクルする工程。
(20) FGD石膏を硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換するための連続向流プロセスであって、以下の工程を含む上記プロセス:
FGD石膏の水性スラリーを、ゾーンAとゾーンBの2つのゾーンを有する連続フィルター上でろ過し、ゾーンA内では、水がFGD石膏を洗浄してFGD石膏の廃ろ過液とFGD石膏ろ過ケーキをもたらし、ゾーンB内では、FGD石膏ろ過ケーキが残留炭酸アンモニウムを含む硫酸アンモニウム溶液で洗浄され、プロセス生成物としてより純度の高い硫酸アンモニウム溶液と、炭酸カルシウムを含む反応FGD石膏ろ過ケーキとをもたらす工程;
第1反応器中で、反応したFGD石膏ろ過ケーキと炭酸アンモニウム溶液及び硫酸アンモニウム溶液とを組み合わせて、化学的に反応させ、沈降炭酸カルシウムとFGD石膏残部と炭酸アンモニウム残部とを含む硫酸アンモニウム溶液を形成する工程;
硫酸アンモニウム溶液から沈降炭酸カルシウムを分離し、硫酸アンモニウム溶液残渣生成物及び炭酸カルシウムケーキ初期生成物をもたらす工程;
硫酸アンモニウム溶液残渣生成物の一部を硫酸アンモニウム溶液生成物として保持し、残りの部分を第1反応器中にリサイクルバックする工程;
第2反応器中で、炭酸カルシウムケーキ初期生成物と炭酸アンモニウム溶液の一部とを組み合わせて、化学的に反応させ、硫酸アンモニウム溶液初期生成物を形成する工程;
硫酸アンモニウム溶液初期生成物を、ゾーンA、ゾーンB及びゾーンCの3つのゾーンを有する連続フィルター上でろ過する工程であって、硫酸アンモニウム溶液初期生成物は、ゾーンA内でろ過され、硫酸アンモニウムろ過液初期生成物と第2のFGD石膏残部を含む炭酸カルシウムろ過ケーキ最終生成物とをもたらし、ゾーンB内では、炭酸カルシウムろ過ケーキ最終生成物が第2の炭酸アンモニウム溶液で洗浄されて第2のFGD石膏残部を除去し、炭酸アンモニウムろ過液がもたらされ、それが第2反応器にリサイクルされ、ゾーンC内では、炭酸カルシウムろ過ケーキ最終生成物が水で洗浄され、炭酸アンモニウムろ過液がもたらされ、炭酸カルシウムケーキ最終生成物がプロセス生成物として保持される上記工程;
第2反応器に炭酸アンモニウム洗浄ろ過液をリサイクルする工程;
硫酸アンモニウムろ過液初期生成物の一部を第1反応器にリサイクルし、硫酸アンモニウムろ過液初期生成物の一部を第2反応器にリサイクルする工程。
[第1の石膏変換向流プロセス]
図1に示した本発明の向流プロセスは、本発明のプロセスの一実施形態であって、2−ステップ反応器プロセスを構成し、反応器No.2(11)からプロセスに入る純粋な炭酸アンモニウム溶液と、反応器No.1(8)からプロセスに入る未反応の石膏とを備える。
この構成は、すでに部分的に反応した石膏を、反応器No.2(11)中で純粋な炭酸アンモニウム溶液にさらすことにより、過剰な炭酸アンモニウムをもたらし、硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムへの約100%の変換を可能にすることを保証する。例えば、以下に開示される実施例において記載の通り、実験室で試験したプロセスに基づいて、図1では、本発明の多段向流連続プロセスをシミュレートするが、本発明のプロセスは、図1に示すプロセスに限定されるものではない。図1は2つの反応器を示しているが、高純度かつ高収率の製品を確保するために、必要に応じて追加の反応器を追加してもよい。本発明のプロセスの実施形態は、3つの反応器や4つの反応器プロセスを含む。
このようにして、本発明の連続多段向流プロセスの一実施形態を図1に示す。図1に示したプロセスは、排煙脱硫(FGD)石膏と炭酸アンモニウムの反応により、硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムを形成することを伴う。このプロセスは、液体の内部循環を備え、炭酸カルシウム及び硫酸アンモニウム純度を最大化するユニークな向流プロセスである。水(1)と石膏(2)を混合してスラリーを形成し、その後フィルターA(5)上に注いでケーキを形成する。次いで、石膏ケーキ(6)を洗浄水(3)でリンスし、いくつかの汚染物質を除去する。石膏ケーキ(6)を反応器No.1(8)に供給し、フィルターNo.1(9)からリサイクルした硫酸アンモニウム溶液(18)と混合する。ミキサー(7)は、反応器No.1(8)の内容物を撹拌するために使用する。反応器No.1(8)の温度は、70°Fと150°Fの間、好ましくは80°Fから100°Fに維持にする。反応器No.1(8)には、主として硫酸アンモニウム及び炭酸アンモニウム溶液である、フィルターNo.2(15)からの硫酸アンモニウム/炭酸アンモニウム溶液のろ過液(17)も添加する。反応器No.1(8)には過剰量の石膏が存在するので、炭酸アンモニウムは反応器No.1(8)の中で素早く反応する。硫酸アンモニウム溶液生成物(19)は、側流としてプロセスから除去される。硫酸アンモニウム溶液は約30%である。
反応器No.1(8)からの流出物は連続的にろ過され、石膏残渣をも含む炭酸カルシウムケーキ(10)を形成し、反応器No.2(11)に供給され、ミキサー(20)によって撹拌される。炭酸アンモニウム溶液(12)は、25から35%の範囲で好ましくは35%であり、温度は110°Fから120°Fの範囲で好ましくは115°Fであり、反応器No.2(11)に計量供給される。フィルターNo.2(15)からの硫酸アンモニウム/炭酸アンモニウム溶液(17)を含むろ過液は、連続的に反応器No.2(11)にリサイクルされる。反応器No.2(11)中の温度は、70°Fと150°Fの間、好ましくは80°Fから100°Fに維持される。反応器No.2(11)からの流出物は、連続的にろ過され炭酸カルシウム生成物ケーキ(14)を形成する。このろ過ケーキは、ろ過された炭酸カルシウム生成物ケーキ(14)の上に炭酸アンモニウム(12)の一部が通過することにより、さらに精製される。次いで、炭酸カルシウム生成物ケーキ(14)は洗浄水(13)でリンスされ、洗浄水(13)は吸収塔(16)への溶液となり、そこで炭酸アンモニウムが吸収される。
以下、図1に示した上記の本発明の多段向流連続プロセスの工程を強調する。
1. FGD石膏を水と混合して約15から25%の石膏の水性スラリーを形成し、次いで、(5)フィルターAでろ過して石膏中の潜在的な物理的汚染物質を除去する。(5)フィルターAに、(1)水と(2)石膏が入ることは、石膏の水性スラリーが用いられることを示している。
2. (5)フィルターAからのろ過ケーキ((6)石膏ケーキ)を水で洗浄する。こうして、FGD石膏中の可溶汚染物質を含む洗浄水は、(5)フィルターAからろ過液となる。
3. (5)フィルターAからろ過ケーキを除去し、(8)反応器No.1にチャージする。
4. (9)フィルターNo.1からの硫酸アンモニウム溶液生成物を、部分的に(8)反応器No.1にリサイクルする。(15)フィルターNo.2からの硫酸アンモニウム溶液生成物を、部分的に(8)反応器No.1にリサイクルする。部分的にリサイクルした両方の硫酸アンモニウム流を、(8)反応器No.1内で、(5)フィルターAからの(6)石膏ケーキと混合する。
5. 本発明のプロセスの一実施形態において、(8)反応器No.1内で、混合ユニット操作を用いる。
6. (9)フィルターNo.1からの炭酸カルシウムろ過ケーキ生成物を、(11)反応器No.2に導入する。
7. (15)フィルターNo.2からの硫酸アンモニウム溶液生成物の再循環流の一部を、(11)反応器No.2に導入する。プロセスの任意の実施形態では、(11)反応器No.2中にミキサーが存在してもよい。
8. 25から35%の範囲の炭酸アンモニウム、好ましくは約33%の炭酸アンモニウム溶液を、75°Fから120°F、好ましくは90°Fから120°F、最も好ましくは110°Fから120°Fの温度で、(11)反応器No.2に導入し、炭酸カルシウム及び硫酸アンモニウムと混合する。
9. (15)フィルターNo.2から炭酸カルシウムろ過ケーキを除去し、投入される炭酸アンモニウム溶液で洗浄し、その後、水で洗浄することにより、清浄な炭酸カルシウム生成物をもたらす。使用済みの洗浄水は、必要に応じて吸収塔で処理して洗浄してもよく、又はより望ましくは炭酸アンモニウムを吸収してプロセスに再導入してもよい。
10. (5)フィルターAからの硫酸アンモニウム溶液ろ過生成物を保存し又は晶析装置に送る。保存した場合は、結晶化の発生を防ぐために110−115°Fに任意に加熱することができる。本発明のプロセスにおいて、晶析装置又は代替的に蒸発装置が用いられ、より取り扱いが容易な固体生成物として分離し除去するために、硫酸アンモニウム結晶を成長させる。
(8)反応器No.1における保持時間は1分から20分、好ましくは5分から10分である。(11)反応器No.2における保持時間は、1分から20分、好ましくは5分から10分である。本発明のプロセスの反応が完結する典型的な時間は約6−14分、典型的には約9−11分である。
(8)反応器No.1内の温度は70°Fから150°Fで、より好ましくは80°Fから100°Fである。
(11)反応器No.2内の温度は70°Fから150°Fで、より好ましくは80°Fから100°Fである
(8)反応器No.1及び/又は反応器No.2内でミキサーを用いる本発明のプロセスの実施形態において、ミキサーは、反応物の良好な撹拌を提供するインペラーミキサー、パドルミキサー、超音波ミキサー若しくは他のタイプのミキサー、又はミキサーの組み合わせであってもよい。
混合は、例えばインペラー型ミキサーを用いて連続的であってもよい。超音波ミキサーの場合、混合は、通常周期的であり、例えば、反応器中の保持時間は毎分2−20秒、好ましくは反応器内の保持時間は毎分8−12秒である。
ろ過は、重力、圧力又は真空ろ過、ガラス繊維や磁器ふるい等のろ過媒体を使用する等、様々な手段によって行うことができる。遠心分離等の液体から固体を分離する別の手段を用いてもよい。
炭酸カルシウムケーキ洗浄水をリサイクルするための吸収塔を用いる本発明のプロセスの実施形態では、塔の種類には、充填層、及びスプレー塔吸収剤が含まれる。炭酸カルシウムケーキ洗浄水は、発電所の煙道ガスからのアンモニアや二酸化炭素と一緒に吸収装置を通過して、炭酸アンモニウムを生産する。炭酸アンモニウムは、プロセス反応物質として使用するため、プロセスにリサイクルバックされる。
本発明の炭酸カルシウム生成物は、実質的に立方体形状で、0.5から4.0ミクロンの範囲のサイズ、大部分は、約1.0ミクロンのサイズの微粒子で構成されている。炭酸カルシウムのこれらの小サイズの粒子は、おそらくファンデルワールス力で結合し、より大きなクラスターに凝集する。結晶及び凝集クラスターの立方体形状を図7に示す。本発明のプロセスにおいて、FGD石膏と炭酸アンモニウムとの反応により、硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウム生成物の水性混合物を生成する。炭酸カルシウム生成物の凝集体は、炭酸カルシウムの迅速かつ効果的なろ過を可能にし、これにより、本発明のプロセスの硫酸アンモニウム溶液生成物から非常によく取り除くことができる。炭酸カルシウムの残留ろ過ケーキは容易に破壊でき、水又は他の液体中に懸濁させることができるので、小サイズの非凝集粒子の使用が可能である。
最良の運転条件下では、図1を参照すると、炭酸アンモニウムを、フィルターNo.2(15)中で炭酸カルシウムの洗浄用として使用せず、反応器No.2(11)に直接添加する。特に未反応のFGD石膏を変換する際に、炭酸アンモニウムを、5−500%過剰に、好ましくは10−100%、最も好ましくは10−50%、反応器No.1(8)及び反応器No.2(11)に導入する。
図1に示すように、上記連続多段向流プロセスのプロセス制御を、以下の説明により詳述する。
炭酸アンモニウムと反応させることにより、FGD石膏を、硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウム等に変換するためのプロセスは、向流と、液体の内部循環とのユニーク組み合わせであり、反応生成物の純度を最大化し、反応時間を最小にする。フィルターは固形物を取り除き、これにより、固形物はリサイクルなしにプロセスを通過することができる。一方、液体の流れは、向流として制御されるが、反応器系内の内部循環、吐出のためのフィルター、及びフィルターの主要なろ過液を扱うポンプで制御されている。本発明のプロセスの実施形態における液体の循環は、重力もしくは1つ以上のポンプによって、又は重力とポンプの組み合わせによって、あるいは、液体の循環を誘導するための他の手段によって、誘導してもよい。この構成により、液体反応物の濃度は反応器内で制御することができ、反応器内の固形物濃度を制御することができる。液体反応物の濃度を制御することによって、反応器内の特定の反応物の主要な過剰量を使用して、反応器の運転をすることができ、それにより、他の反応物が低濃度であることに関して、反応時間と反応完全性の両方に大きな影響を与える。この操作手段によれば反応器内の固形物濃度も制御でき、これは最小時間で固形物の完全な反応を得る点でも重要である。
図1に関して、不純物が洗浄された後のFGD石膏は、反応器No.2(11)の主たるろ過液から投入される硫酸アンモニウム及び炭酸アンモニウムからなる液体と一緒に、かつ、反応器No.1(8)のフィルターからのろ過液であって主に硫酸アンモニウムからなり低濃度の炭酸アンモニウムを含むろ過液と一緒に、反応器No.1(8)に連続的にチャージすることができる。反応器No.1(8)からの吐出をろ過しているフィルターNo.1(9)から得られるろ過ケーキは、主に硫酸アンモニウム溶液を含み低濃度の炭酸アンモニウムを含有する反応器No.2(11)に連続的に供給される。反応器No.2(11)からのスラリーがろ過され、かつ、投入される炭酸アンモニウムでケーキが洗浄されると、多少の硫酸アンモニウムを含有する主に炭酸アンモニウム溶液の最初のろ過液は、反応器No.2(11)にリサイクルされるか、あるいは反応器No.1(8)に前方供給されるかのいずれかであり、供給された炭酸アンモニウムは反応器No.2(11)の吐出からのろ過ケーキを洗浄する。この炭酸アンモニウムが残留石膏と反応し、これにより石膏フリーの炭酸カルシウムが提供され、その後、反応器No.2(11)に供給される。
反応器No.2(11)に供給される炭酸アンモニウムの速度を制御することにより、反応器No.2(11)からの吐出スラリーの量、及び反応器No.2(11)にリサイクルされたろ過液の量、そして、投入される石膏との反応に必要な炭酸アンモニウムの過剰量を制御することができる。これらの制御は、投入される石膏との反応に必要な炭酸アンモニウムの化学量論量を、反応器No.2(11)内で必要なその量の5から500%過剰に(好ましくは10−100%、最も好ましくは10−50%)するように制御することができ、かつ、吐出スラリー中の固形物も同様な化学量論則によって制御することができる。これらの制御により、投入される未反応石膏の全反応が実現され、反応器No.2(11)の吐出スラリー中における硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムへの石膏の変換率を100%にまですることができる。
同時に、反応器No.1(8)は、大過剰の石膏を用いて制御することができる。これは、反応器No.2のろ過液の一部のみを除くことによって供給された炭酸アンモニウムを取り入れることにより可能となり、そのろ過液には、未反応の炭酸アンモニウムと同様に、反応器No.2で生成した硫酸アンモニウムが含まれ、ろ過液は反応器No.1(8)に供給される。再び、反応器No.1(8)からの吐出スラリーの速度を制御することにより、かつ、反応器のフィルターから反応器No.1(8)に戻されたろ過液の速度を制御することにより、反応器No.1(8)中の固形物濃度及び炭酸アンモニウム濃度の両方を制御することができる。このように、反応器No.1(8)では、硫酸アンモニウムへの炭酸アンモニウムの変換率を最大化でき、変換時間を最小化することができる。これは、反応に必要な石膏の化学量論量が、5から500%に変化することがあり、500%を超えることもがありえることが理由であるが、ろ過液流の循環を制御することにより必要とされる量の10から100%が好ましく、10から50%が最も好ましい。
表11の試験1−6の試験結果は、反応性の低い石膏を、硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換した結果であり、反応器No.1(8)を下記の条件で運転した場合について示している。すなわち、試験1及び試験4のように、反応器No.1(8)に炭酸アンモニウムを高速で供給した場合、反応器No.1(8)内における炭酸カルシウムへの石膏の変換率は、試験1が53.58%、試験4が53.85%であった(注:炭酸カルシウム生成物の収率は、化学量論的に、硫酸アンモニウム生成物の収率と同じ。)。反応器No.1(8)及び反応器No.2(11)の両方を通過した後の、炭酸カルシウム及び硫酸アンモニウムへの石膏の全体的な変換率は、試験1が98.97%、試験4が98.96%であった。反応器No.2(11)内のみにおける炭酸カルシウムへの石膏の変換率の計算値は、試験1が45.39%、試験4が43.11%であった。
試験3及び試験6において液体の流れを変化させることによって、反応器No.2(11)内で発生した反応の大部分は、反応器No.1(8)内における炭酸カルシウムへの石膏の変換率としてわずかに、試験3は5.21%、試験6は4.91%をもたらしたにすぎなかった。しかし、硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムへの石膏の全体的な変換率は、試験3が97.47%、試験6が99.07%であった。反応器No.2(11)内のみにおける炭酸カルシウムへの石膏の変換率の計算値は、試験3が92.26%、試験6が94.16%であった。
最良の結果は、試験2及び試験5において得られ、液体をそのように維持し、反応器No.1(8)内における炭酸カルシウムへの変換率は、試験2が29.92%、試験5は31.91であった。炭酸カルシウムへの石膏の全体的な変換率は、試験2が99.43%、試験5が99.53%であった。反応器No.2(11)内のみにおける炭酸カルシウムへの石膏の変換率の計算値は、試験2が69.51%、試験5が67.62%であった。
したがって、本発明の連続多段向流プロセスは、反応器No.1(8)又は反応器No.2(11)の中で化学量論的に過剰の反応物を使用することにより、化学量論的に大きな差にまで利用することにより、運転的に制御することができる。これにより、プロセス制御のための液体の内部循環が可能になる。フィルターNo.1(9)及びフィルターNo.2(15)の存在により固形物は除去されるので、固形物の循環は要因ではない。
本発明の別の実施形態にしたがって、4つの反応器を使用した場合(例、反応器A B C D)、反応物の濃度及びスラリーの密度は、反応を主に真ん中の2つの反応器(例、反応器B及びC)に移動し、初めの反応器(例、反応器A)と最後の反応器(例、反応器D)をポリッシング反応器として使用することにより、最終仕上げポリッシングフィルターの必要性を排除するように調整することができ、硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムへの石膏の99.9%から100%の変換率が得られた。一連の反応器の一方の末端でポリッシングが必要とされない場合、本発明の別の実施形態にしたがって3つの反応器を用いることができる。
2つの反応器を使用するように設計した向流プロセスを試験するために実施例3に記載したように一連の実験室試験を行った。試験では、フレッシュな炭酸アンモニウムを第2反応器内に導入し、精製していない未反応のFGD石膏を第1反応器内に導入した。試験は、第1反応器内で断続的に超音波ミキサーを使用し、第2反応器内で撹拌棒を使用し、両方の反応器内で撹拌棒を使用して、行った。
両方の反応器内で、5分と10分の保持時間を用い、化学量論的要件を超える10%過剰の炭酸アンモニウムを使用した。全ての試験において、撹拌方式や保持時間にかかわらず、炭酸カルシウムへの石膏の97から約100%の変換率を達成し、98%から約100%のより高い変換収率も得られ、同様に約100%変換の達成収率が得られた。これは、向流プロセスが効率的に動作し、炭酸カルシウムへの石膏の変換において非常にフレキシブルであることを示している。保持時間を短くし、過剰な炭酸アンモニウムの量を少なくすることで、反応器をより小さくでき、試薬の使用量を減らせるだろう。
[第2の石膏変換向流プロセス]
図2に示したプロセスフロー図は、FGD石膏と炭酸アンモニウムとを反応させて、硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムにFGD石膏を変換するための、本発明のプロセスの別の実施形態を示す。この実施形態は、第2の連続多段向流プロセスである。
図2を参照すると、15から25%石膏の範囲の組成を有する、排煙スクラバーからの石膏スラリー(30)は、連続ベルトフィルター1(32)に連続的に計量供給される。フィルター1(32)は、複数のリンス工程を可能にするために、複数のゾーン、ゾーンAとゾーンBを有している。フィルター1(32)のゾーンAは、スラリーから水を除去し、洗浄水(31)でリンスするために使用される。ゾーンAからのろ過液は、廃棄物(33)又は廃棄物処理プロセスに進む。形成した石膏ろ過ケーキ(34)は、フィルター1(32)のゾーンBで、フィルター2(38)からリサイクルされた硫酸アンモニウム溶液(46)でリンスされる。硫酸アンモニウム溶液(46)は、未反応の炭酸アンモニウムのごく一部を含むことができる。この工程では、未反応の炭酸アンモニウムが石膏と反応できるようになる。
石膏ろ過ケーキ(34)は、反応器No.1(36)に連続的に供給され、ミキサー(35)によって撹拌される。反応器No.1(36)の温度は、70°Fと150°Fの間、好ましくは80°Fから100°Fに維持にする。反応器No.1(36)には、主として硫酸アンモニウム溶液及び未反応の炭酸アンモニウム溶液である、フィルターNo.2(38)からの硫酸アンモニウム溶液(46)も供給する。反応器No.1(36)からの流出物は、ベルトフィルターを含む各種フィルターから選択されるフィルターNo.2(38)に、連続的に供給される。フィルターNo.2(38)からの硫酸アンモニウム溶液は、連続的に反応器No.1(36)にリサイクルされる。炭酸カルシウムケーキ(37)は、連続的に反応器2(39)に吐出する。炭酸カルシウムケーキ(37)は、この時点で多少の未反応の石膏を含む。フィルターNo.3(42)からの硫酸アンモニウム/炭酸アンモニウム溶液(45)は、連続的に反応器No.2(39)に再循環され、ミキサー(48)によって撹拌される。25から35%の範囲の炭酸アンモニウム(40)溶液、好ましくは約33%の炭酸アンモニウムを、75°Fから120°F、好ましくは110°Fから120°F、最も好ましくは約115°Fの温度で、フィルターNo.3(42)のゾーンBで、炭酸カルシウムのろ過ケーキを最初に通過することによって、プロセスに導入する。フィルターNo.3(42)は、連続ベルトフィルターであり、複数のリンス工程を可能にするために、複数のゾーン、ゾーンA、ゾーンB及びゾーンCを有している。この工程は、未反応の石膏を炭酸カルシウムに変換する。反応器2(39)からの流出物は、フィルターNo.3(42)によって連続的にろ過され炭酸カルシウム生成物ケーキ(43)を形成する。フィルターNo.3(42)からのろ過液は、連続的に反応器No.2(39)にリサイクルされる。フィルターNo.3(42)のゾーンBは、炭酸アンモニウムが未反応の残留石膏と反応する仕上げ工程であり、ろ過液は反応器No.2(39)にリサイクルバックされる。フィルターNo.3(42)のゾーンCは、最終的な水洗浄(41)工程である。フィルターNo.3(42)のゾーンCからのろ過液は、炭酸アンモニウムの吸収のために炭酸アンモニウム吸収塔(44)に送られる溶液である。
炭酸アンモニウムは、煙排出スタック(flue discharge stack)からの二酸化炭素から製造され、アンモニアをその二酸化炭素と反応させることによって製造される。
水銀は、石炭燃焼ガス中にしばしば存在し、FGD石膏を汚染する可能性がある。例えば、FGD石膏は、1から2ppmの水銀を含有し得る。そのようなFGD石膏について、本発明のプロセスの硫酸アンモニウム生成物では、硫酸アンモニウム溶液中の水銀が0.01ppm未満であり、市販の典型的な粒状硫酸アンモニウムと一致している。そのような粒状硫酸アンモニウムについても試験した。
FGD石膏からセレン及び他の潜在的な金属汚染物質を除去するために、プロセスを開発した。そのプロセスは、本発明のプロセスが、高純度でほとんど汚染物質を含まない硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウム生成物を生産するということを、保証する。そのプロセスは、酸リンス汚染物質除去プロセスと、スラリータンク反応器汚染除去プロセスである。図3に示すように、酸リンスプロセスによれば、試験した汚染物質は以下の通り減少した:
[酸リンス汚染物質除去プロセス]
Se− 71から73%減少、約100%の低減を達成することができる。
Mg− 46から91%減少
Al− 18から36%減少
酸リンス汚染物質除去プロセスの結果に基づいて、以下の通りプロセスを行う:
15から25%の固形分含有量を確保し、好ましくは20%固形分のために、必要に応じて、FGD石膏と水を混合する。周囲温度(20−25℃)で、FGD石膏スラリーを重力又は真空フィルターに導入し、石膏スラリーをろ過して、ろ過ケーキをもたらす。0.01から10%濃度、好ましくは0.1から5%濃度の硫酸を含む水溶液で、ろ過ケーキをリンスし、ろ過液を廃棄するか又は精製のために保存する。得られたろ過ケーキを水でリンスして残留する硫酸溶液を除去し、リンス水を廃棄するかは精製のために保存する。活性炭を使用して汚染物質を除去し、希硫酸ろ過液をリサイクルし、浄化することができる。
図1、図2及び図3を参照すると、酸リンス精製プロセスは、必要に応じて、一つのプロセスとして向流プロセスに統合される。このプロセスにおいて、図1のフィルターA(5)又は図2のフィルター1(32)ゾーンAで形成された石膏ろ過ケーキは、最初の水洗浄の後に、希硫酸でリンスする。ここでは、2つに分離した洗浄が可能で、かつ、2つのろ過液の流れを分離して維持しておくことができるフィルターが必要である。
清浄な、精製された石膏ろ過ケーキは、いくらかの残留硫酸を含み得るが、このことは、下流において問題を起こさない。なぜなら、硫酸は炭酸アンモニウムと反応して硫酸アンモニウム生成物を形成するからである。
図4に示すように、スラリータンク反応器プロセスによれば、試験した汚染物質は以下の通り減少した:
[スラリータンク汚染物質除去プロセス−大容量容器]
Se− 65から73%減少、約100%の低減を達成することができる。
Mg− 19から90%減少
Al− 19から90%減少
スラリータンク汚染物質除去プロセスの結果に基づいて、以下の通りプロセスを行う。
15から25%の固形分含有量を確保し、好ましくは20%固形分のために、必要に応じて、FGD石膏と水を混合する。周囲温度(20−25℃)で、FGD石膏スラリーを反応容器に導入し、0.01から10%濃度、好ましくは0.1から5%濃度の硫酸を含む水溶液を容器に導入し、十分な反応のために、5から20分(好ましくは15分)間、パドル、ネジ、インペラー又は撹拌ミキサーを含む手段で混合する。得られた反応したスラリーを重力又は真空フィルターに導入し、ろ過ケーキを生成し、ろ過液を廃棄する。得られたろ過ケーキを水でリンスして残留する硫酸溶液を除去する。
図1、2及び図4を参照すると、スラリータンク精製プロセスは、一つのプロセスとして向流プロセスに統合され得る。このプロセスにおいて、図1のフィルターA(5)又は図2のフィルター1(32)にベルトフィルターを利用し、石膏スラリーから水を除去し、その後に水洗浄を石膏ろ過ケーキに適用する。その後、石膏ろ過ケーキを追加の反応器に添加し、硫酸溶液と混合して反応させ、汚染物質を除去する。その後、追加のフィルターを使用して、ろ過液から清浄な石膏を分離してもよい。汚染物質を含む希硫酸を除去するために、少量の水リンスを必要としてもよい。その後、清浄な石膏を反応器No.1に入れる。活性炭を使用して汚染物質を除去し、希硫酸ろ過液をリサイクルし、浄化することができる。
清浄な、精製された石膏ろ過ケーキは、いくらかの残留硫酸を含み得るが、このことは、下流において問題を起こさない。なぜなら、硫酸は炭酸アンモニウムと反応して硫酸アンモニウム生成物を形成するからである。
酸リンス及びスラリータンク汚染物質除去プロセスの両方から生じる硫酸ろ過液からセレンを除去する方法として、活性炭の使用を試験した。シングルパス及びダブルパス試験の両方を行い、シングルパスにおいて、セレンが4ppm未満に減少し、マグネシウムも顕著に減少した。4ppmが定量的検出の下限であるため、セレンの量がさらに少なくなっている可能性がある。
実施例1 パイロットプラント試験
単一の反応器を用いる本発明の連続一段プロセスを、2012年2月中と2011年9月中にパイロットプラント試験で実証した。
2012年2月の後半に、アラバマ州、パリッシュ、ウィリアム・クロフォード・ゴーガス発電所から、FGD石膏材料を12樽(barrels)受け取った。11樽には、この発電所から集められた石膏(以下、「FGD石膏A」という)が水スラリーとして含まれ、1樽には、沈殿池から集められた比較的乾燥した石膏が含まれていた。スラリー樽(バレル)の内容物は、底部に石膏ケーキ、上部に液体が分離していた。サンプルは、各樽から採取し、各サンプルは、石膏の結晶構造の違いを探すために顕微鏡下で調べた。観察結果を下記表1に記録した。
アラバマ州、西ジェファーソン、ジェームズ・H・ミラー・ジュニア発電所(Miller、Jr Electric Generating Plant)から、あらかじめ受け取っていたFGD石膏のサンプル(以下、「FGD石膏B」という)を顕微鏡観察した。FGD石膏A結晶とFGD石膏B結晶の間に、構造上の違いが観察された。石膏B結晶は、非常に平坦でディスクのような形状であることが観察された。石膏A結晶は、より厚くてより球形だった。走査型電子顕微鏡観察により、各発電所からのサンプルについて、この形状の違いを確認した。図2はFGD石膏A結晶を示し、図3はFGD石膏B結晶を示す。以下の表1によれば、石膏B結晶は、2×30×30ミクロンから10×100×100ミクロンまでの板状結晶として記載されている。表1から、石膏A結晶は、30×30×40ミクロンから40×40×80ミクロンまでのプリズム結晶として記載されている。
石膏Bの板状結晶は、2から10ミクロンの範囲の厚さであり、石膏Aの結晶は非常に厚く30から40ミクロンの厚さであった。
反応は、石膏の表面上で発生し結晶面を貫通する。炭酸カルシウムのベニヤ(veneers)は、FGD石膏A結晶の表面上に形成することが観察され、その後、壊れる。ここで、反応の律速段階は結晶の厚さによる。したがって、より厚い石膏A結晶の場合は、本発明のプロセスで用いられる炭酸アンモニウム溶液の深い浸透が必要である。溶液の深い浸透は、超音波ミキサーを使用した場合のように、顆粒の反応部分が残りの粒子を振動させない限り達成することがますます困難であるため、浸透は線形(linear)ではない。
FGD石膏Aがより厚くより球形の形状であることにより、石膏A結晶は、より小さな表面積を有し化学的に反応性がより低いであろうとの結論に至った。逆に、FGD石膏Bが薄板の形状であることにより、石膏B結晶は、より大きな表面積を有し化学的に反応性がより高いであろうとの結論に至った。
さらに、石膏B結晶はより平坦であるため、ゆっくりと沈降し、化学反応が起こるためにより多くの時間がかかる。
分離した液体を、全てのスラリー樽(バレル)からデカントし、樽の底からの沈降FGD石膏ケーキを組み合わせた。パイロット運転を始める前に、乾燥池FGD石膏と共にこれらのケーキを平鍋に入れ、2日間ファンで風を吹き、大気中で乾燥させた。水分含有量を決定するため、組み合わせたケーキと沈降池の石膏から、サンプルを取った。水分バランス法を用いて計算したところ、樽(バレル)ケーキは20.71%水分量、沈降池の石膏は22.66%水分量であった。組み合わせた石膏ケーキを用いて、パイロットプラント運転を実施することを決定した。
装置説明
予備混合装置
炭酸アンモニウム予備混合タンク及びポンプ
33%炭酸アンモニウム溶液を、36ガロンの容量の304−ステンレススチール蒸気ジャケット付きタンク内で予備混合した。タンクは直径17.5インチ、高さ34.5インチであった。炭酸アンモニウム溶液の製造を助けるために、従来の蒸気レギュレータ、バルブ、トラップ、及び配管によって制御される低圧蒸気を用いて、タンクを加熱した。タンクは、シングルスピードChemineer0.5HPモーター(登録商標)及び長さ32インチの1インチのステンレス鋼製の撹拌軸を装備していた。二つの(2)−三つのブレードステンレス鋼4インチ直径のインペラーは、良好な混合を達成するために、ミキサー軸から19インチ離して配置した。下インペラーは、タンクの底から約2.5インチ離して配置した。炭酸アンモニウム溶液を、マスターフレックス可変速度蠕動ポンプ(登録商標)及びチューブを用いて予め定められた速度でプロセスに計量供給した。
FGD石膏/硫酸アンモニウム予備混合タンク及びポンプ
35%のFGD石膏/33%硫酸アンモニウムスラリーを、5ガロン容量の304ステンレス鋼ポンプタンク内で予備混合することにより作った。ポンプタンクは直径9インチ、高さ17インチであった。タンクは、長さ16インチで1/2インチのステンレス鋼撹拌軸を備えた可変速度トンソンV20.93HP空気電動撹拌機(登録商標)を装備していた。二つの(2)−三つのブレードステンレス鋼6インチ直径のインペラーは、良好な混合を達成するために、ミキサー軸から9インチ離して配置した。下インペラーは、タンクの底から約1インチ離して配置した。石膏/硫酸アンモニウムスラリーを、マスターフレックス可変速度蠕動ポンプ(登録商標)及びチューブを用いて予め定められた速度でプロセスに計量供給した。
炭酸アンモニウム/石膏/硫酸アンモニウム混合タンク及びポンプ
炭酸アンモニウム溶液とFGD石膏/硫酸アンモニウムスラリーを、0.32ガロン底部排出ステンレス製予備混合タンクに同時に計量供給した。予備混合タンクは直径4インチ、高さが6インチであった。その後、より多くの保持時間を追加するために、そのタンクを、背7・1/4インチ、高さ8・3/4インチのタンクと交換した。タンクは、長さ8インチで3/8インチのステンレス鋼撹拌軸を含む可変速度IKA撹拌機(登録商標)を装備していた。一つの(1)−四つのブレードステンレス鋼3インチ径直径のインペラーは、良好な混合を達成するために、タンクの底から約1/2インチ離して配置した。別の6ブレードステンレス鋼3インチ径直径のインペラーは、混合を助けるために、タンクの底から約2インチ離して配置した。予備混合タンクは、スラリー供給ポンプの吸引部に直接配管した。試験中に使用したスラリー供給ポンプは、SeepexプログレッシブキャビティポンプモデルMD003−Z4であった。プログレッシブキャビティポンプケーシング、ロータ、及び固定子は、316ステンレス鋼で構成した。ポンプはNEMA4エンクロージャ内の0.5HP Nordギヤードモータ(登録商標)及び可変周波数ダイブ(登録商標)を備えていた。
石膏変換器及びポンプ
硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムを生成するための炭酸アンモニウム溶液とFGD石膏との反応を、石膏変換器内で行った。石膏変換器は、直径6.25インチ、背92インチであった。運転中の内容物の目視観察を可能にするために、アクリルで変換器を作製した。反応物質をアクリル管内の予め定められた位置にチャージする目的で、長さ24インチで直径2インチの反応管を、石膏変換器の中心に挿入した。容器の底に固形物が蓄積するのを防ぐため、変換器は、ゆっくりと動く、30度ピッチのブレード、パドル型撹拌機及びレーキ(rake)を備えていた。撹拌軸は、3/4インチのスケジュール40ステンレス鋼パイプを用いて構築した。撹拌機を、可変周波数駆動を搭載した0.5HPバルドーモーター(登録商標)で駆動した。パドル型撹拌機を、タンクの底から約1インチ離して配置した。リサイクル液を、マスターフレックス可変速度蠕動ポンプ(登録商標)及びチューブを用いて石膏変換器内の液面の近くに引き出し、ステンレス鋼ITT標準固定バンドルチューブ熱交換器(登録商標)を通して循環させ、撹拌軸に開けた穴を通して容器に戻した。石膏反応器の底部から約14.5インチのところに二つの(2)、撹拌軸に配置された1/2インチの穴があった。熱は、変換器内部に配置された単一のUチューブ型熱交換器を用いて容器に供給した。熱は、40−250°Fの作動範囲でBudzarモデル1WT−9−75−25CS460MTC給湯システム(登録商標)を使用してU−字加熱管及び熱交換器に供給した。生成物スラリーは、SeepexプログレッシブキャビティポンプモデルMD003−Z4(登録商標)を使用して、石膏変換器から除去した。プログレッシブキャビティポンプケーシング、ロータ、及び固定子は、316ステンレス鋼で構成した。ポンプは、0.5HP Nordギヤードモータ(登録商標)及びNEMA4エンクロージャ(登録商標)の可変周波数diveを装備していた。
プロセス説明
2012年3月5日に、36%硫酸アンモニウム溶液85.5ポンドと33%炭酸アンモニウム溶液4.5ポンドを作製し、共に混合し、パイロットプラントのランのための開始材料として、変換器に加えた。溶液は、変換器に最初に添加した時に非常に濁っていたので、変換器の撹拌機を3rpmで夜通し運転した。また、33%炭酸アンモニウム溶液の215ポンドのバッチを、36ガロンのステンレス鋼スチームジャケット付きタンク内で予備混合した。炭酸アンモニウム溶液の製造を助けるために、従来の蒸気レギュレータ、バルブ、トラップ、及び配管によって制御される低圧蒸気を用いて、タンクを加熱した。33%炭酸アンモニウム溶液は、炭酸アンモニウムの結晶の溶解を助けるために、約160−170°Fに加熱した。何度か沸騰と激しいバブリングが起こり、アンモニアが放出した。均質な溶液を達成するために、タンクを撹拌した。透明な溶液が得られたところで蒸気を停止し、33%炭酸アンモニウム溶液を室温(約65−70°F)に冷却し、撹拌機を停止した。
変換器内で一晩放置した後、硫酸アンモニウム/炭酸アンモニウムスラリーはかなり透明になった。120°Fにまで液温を上昇させるため、温水熱交換器を通して、溶液を循環させた。一晩中、炭酸塩タンク内で予備混合した炭酸アンモニウム溶液は、低温(25°Fの低温)ため沈殿していた。炭酸アンモニウムを溶液中に戻すために、タンクを蒸気で再加熱し、撹拌機も使用した。混合物を約131°Fに温め、溶液を透明になったところで蒸気を停止した。パイロットラン全体を通じて、より多くの沸騰と溶液のバブリングがあり、その際にアンモニアの強い臭気が検出された。撹拌機は動かし続けた。
35%石膏/33%硫酸アンモニウムスラリーの40ポンドのバッチを、5ガロンのバケツの中で手で混合した後、電動撹拌機を装備した5ガロンのステンレス鋼製のポンプタンクにチャージした。石膏は、粉砕しなければならなかった多くの塊を含んでいた。撹拌速度は、約1750rpmであった。均質な石膏/硫酸アンモニウムスラリーを、マスターフレックス可変速度蠕動ポンプ(登録商標)及びチューブを用いて41.4lbs/時の予め定められた速度で炭酸アンモニウム/石膏/硫酸アンモニウムポンプタンクに計量供給した。炭酸アンモニウム溶液を、マスターフレックス可変速度蠕動ポンプ(登録商標)及びチューブを用いて26.9lbs/時の予め定められた速度で炭酸アンモニウム/石膏/硫酸アンモニウムポンプタンクに計量供給した。
2012年3月6日10時少し前、石膏/硫酸アンモニウム/炭酸アンモニウムスラリーをポンプタンクから変換器にポンプ輸送した。ランの目標は、2011年9月の前回のランと同一条件下でFGD石膏Bを用いて運転し、FGD石膏Aが同様に反応するかどうかを判断することであった。以下、FGD石膏B及びFGD石膏Aを用い、本発明の連続一段反応器を利用して行ったパイロットテストについて記載する。
FGD石膏Bを用いて連続一段反応器を利用して行ったパイロットテスト
FGD石膏B(高反応性FGD石膏)を用い、小スケール、40lb/時の連続パイロットプラント一段変換器(反応器)を使用して、石膏(CaSO・2HO)を炭酸カルシウム(CaCO)及び硫酸アンモニア溶液((NHSO)に変換するための連続プロセスを行った。パイロットプラントは、2011年9月19―23日の週に運転した。運転5時間後、一段変換器は、FGD石膏を、高い化学的純度の炭酸カルシウムに約90%の変換率で変換することに成功した。ゆえに、硫酸アンモニウムへの変換は化学量論的に同様な収率を有するであろう。
一般に、パイロットプラントシステムは、石膏/硫酸アンモニウム/炭酸アンモニウムスラリー混合タンクと炭酸アンモニウム溶液混合タンク(両方とも単一の変換器/反応器に供給する)、変換器から石膏/硫酸アンモニウム/炭酸アンモニウム混合タンクに戻る石膏/硫酸アンモニウム/炭酸アンモニウムスラリーのリサイクル、及び硫酸アンモニウム/炭酸カルシウム生成物スラリーの変換器からの吐出、を含む。
石膏をスラリーとしてパイロットプラントにチャージするために、35%石膏/33%硫酸アンモニウムスラリーの40ポンドのバッチを、撹拌機を備えたポンプタンク内で予備混合した。均質な石膏/硫酸アンモニウムスラリーを、炭酸アンモニウム/石膏/硫酸アンモニウム混合タンクに計量供給した。
石膏変換器の運転前に、33%炭酸アンモニウム溶液のバッチを、スチームジャケット付きタンク内で予備混合した。
石膏/硫酸アンモニウムスラリー及び炭酸アンモニウム溶液を、撹拌した予備混合タンク内に直接供給した。FGD石膏/硫酸アンモニウム/炭酸アンモニウムのスラリーを、変換器に計量供給した。
パイロットプラント試験中、炭酸アンモニウムの供給速度は、しばしば化学量論的要件の105%を超えた。
容器の上部領域で透明な液層を維持するために、浄化器(clarifier)と同じように変換器を運転した。何回かのランの間、保持時間よりも短い時間に発泡及びバブリングがあり、容器の上部領域に厚くて重い泡の層をでき、界面活性剤の添加が必要となった。
より大きくより重い炭酸カルシウム結晶が変換器の底に沈殿したので、増粘したスラリーとして連続的に除去した。増粘スラリーは、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、及び残留炭酸アンモニウムを含有しており、65lbs/時の速度で変換器から除去した。
変換器から除去したスラリーのサンプルは、パイロットランの期間を通して試験を行うため回収した。
表2にスラリーろ過ケーキ分析の要約を示す。表3にスラリーろ過液及びろ過ケーキリンス溶液の分析の要約を示す。
FGD石膏Aを用いて連続一段反応器を利用して行ったパイロットテスト
FGD石膏A(低反応性FGD石膏)を用いた場合、石膏/硫酸アンモニウム/炭酸アンモニウムスラリーの温度は、発熱により、約75−85°Fであった。容器内の液体レベルの下の予め定められた位置に反応物スラリーをチャージする目的で、石膏変換器の中心に位置する直径2インチの反応管に、スラリーを約65lbs/時で計量供給した。容器の上部領域で透明な液層を維持するために、浄化器と同じように変換器を運転した。ランを通してプロセスデータを記録した。以下の表4に重要なデータポイントを示す。
直ちに、結晶を形成し始めて、溶液から良好な分離が達成され始めた。約2インチの結晶の重い層が変換器の底に蓄積し、透明な液体層が変換器の上部に形成した。それらの層の間に、結晶成長が行われていた濁った領域があった。午前10:45までには、上部の透明層は濁っていた。午前10:40に、外観を調べ、かつ炭酸カルシウムへの変換率を推定するため、ろ過後に、最初の生成物スラリーのサンプルを回収して固形物を調べた。生成物サンプルについて観察を終日行った。その結果、コメント及び変換率推定値を以下の表5に示す。午前11:30に、生成物サンプルの観察したところ、ろ過した固体の大部分は石膏の結晶であり、炭酸カルシウムではなかった(約30%の変換率であった)。この結果は、同一条件下では、FGD石膏A(約30%変換)は、FGD石膏Bパイロットラン(約90%変換)のように速く反応しないことを示していた。
保持時間を増加してFGD石膏Aを変換する試みとして、再循環ポンプの高速化により、変換器内の溶液の再循環速度を増加させた。これは、変換器内の溶液を長く保持し、溶液が生成物として吐出される前に反応が完結するための時間を与えるのに役立つであろう。また、石膏/硫酸アンモニウム/炭酸アンモニウムポンプタンクが完全に満たされるようにした。これにより、保持時間は約2分から6分に、約3倍増加した。にもかかわらず、より短い保持時間で発泡及びバブリングがあったFGD石膏Bのランとは異なり、タンク内では、反応の目に見える兆候は観察されず、あらためてFGD石膏Aの反応性がより低いことが示された。
変換率は有意に改善せず(〜50%)、大きな結晶だけが形成した。そのため、午後12:15に、再循環率が低下した。また、未反応石膏の層が変換器の内側に被覆され、透明な変換器の管全体の視認性が低下したことが観察された。気泡の安定した流れは、カラムの頂部に移行し始め、溶液の上部が泡立つ原因となった。このガスは二酸化炭素であるものと考えられた。FGD石膏Bのテストランの間に存在したような厚くて重い泡の層はないものの、炭酸飲料のように薄いバブリング層があり、かなりのガス発生があったことを示していた。
午後13:10に、変換器内のレベルが突然劇的に低下し、中心の撹拌機管の上部から、泡が出てくるようになった。界面活性剤消泡剤を、ポンプタンク内と中心の撹拌機管の上部に注いだ。消泡剤は、泡を軽減するのにいくらか役立ったが、完全ではなかった。いくつかの材料を変換器の外にポンプアウトするために、運転を停止する必要があった。オーバーフローした泡の一部をサンプル瓶に採取し、実験室でろ過した。ろ過した固体を調べたところ、95%を超える石膏が炭酸カルシウムに変換されたものと推定された。変換器内の溶液はガスを放出し、その溶液は撹拌軸を介して再循環を持続したが、軸からは出なかった。変換器上部の残りの部分は、変換器内でガス圧が十分に大きくなった場合に溶液を押し上げて撹拌軸の外にガスを出すように、密閉されていた。そのように、1/2インチの直径の穴は、ガスを逃がし、かつ構造物からの圧力を防ぐことができるように、変換器の管の外側の上部付近に穿孔していた。また、保持時間をより長くして石膏の大きな変換率を達成することを期待して、より大きなポンプタンクを設置した。
プロセスは午後2:10に再開し、午後5時まで継続的に行われた。ガス抜き穴により変換器溶液の上部の泡立ちは少なく、泡のオーバーフローは再度発生しなかった。午後3:10に、再循環率は再度増加し、変換器におけるホールドアップ及び保持時間が増加した。午後3:30に、再循環温度は90°Fにまで低下し、変換器温度は92°Fに下がった。これは、より低い変換器温度の変換速度に対する効果を観察するために行った。生成物スラリーは、約65lb/時の速度で、変換器から連続的にポンプで取り出され、密封されたプラスチック製のドラムに入れられた。定期的に、サンプルを500mLポリプロピレンボトルに回収した。これらのサンプルを実験室でろ過し、固形物を調べた。
生成物サンプルを調べたところ、変換率を増加するために運転中に行われた全ての変更にもかかわらず、運転中の生成物の最大の推定変換率は、約75%であった。これは、FGD石膏Bを用いたパイロットランで達成した90%+変換率よりもはるかに低かった。さらに調べることができるように、生成物スラリーの5ガロンのバケツを回収し、午後5時にプロセスを停止して片づけた。
パイロットテストの結果は、炭酸カルシウム及び硫酸アンモニウムへのFGD石膏Aの変換率は、FGD石膏Bの変換率と比べて低かったことを示した。この結果は、炭酸アンモニウムが反応に必要な化学量論的量を超えて少なくとも5%添加されているにもかかわらず生じた。
FGD石膏A及びFGD石膏Bを変換するため、パイロットプラントで同じ運転条件下で、同一の一段の反応器を使用したところ、FGD石膏Aが、わずかに30から50%の収率で硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換された。より大きな反応器を、FGD石膏Aのテスト変換で使用した後でのみ、75%までの収率で変換された。
FGD石膏Aを使用した場合に変換率がより低いのは、結晶形状のせいで低い反応性を有する石膏に原因があり、かつ、今回利用した一段連続プロセスのパイロットプラントが石膏を炭酸カルシウム及び硫酸アンモニウムに完全に変換するには十分でなかったことに原因であると考えられた。
実施例2 実験室検討
一連の実験室での検討を、本発明の連続一段プロセスを利用し、単一の反応器を用いて、FGD石膏A(低反応性FGD石膏)の炭酸カルシウムへの変換のための最適なパラメータを決定するために実施した。生成した炭酸カルシウムの測定により、生成した硫酸アンモニウムと同じ変換率であることが化学量論的に示されるであろう。この実験室検討の目的は、FGD石膏Aの炭酸カルシウムへの完全な変換に必要な、保持時間、反応温度、及び過剰な炭酸アンモニウムの量の効果を決定することであった。一連の検討において、以下のパラメータを評価した:
・2分の保持時間
・10%過剰の炭酸アンモニウム
・20%過剰の炭酸アンモニウム
・50%過剰の炭酸アンモニウム
・10分の保持時間
・10%過剰の炭酸アンモニウム
・20%過剰の炭酸アンモニウム
・50%過剰の炭酸アンモニウム
・20分の保持時間
・10%過剰の炭酸アンモニウム
・20%過剰の炭酸アンモニウム
石膏を、400mLビーカー(反応器)内で36%硫酸アンモニウム溶液と組み合わせた。石膏と水のスラリーを作製した後、ビーカーをホットプレート/スターラーの上に置き、磁気撹拌棒で撹拌した。計算量の炭酸アンモニウム溶液を秤量し、石膏スラリーに添加した。保持時間を測定するためストップウォッチを使用した。反応中にスラリーの温度をモニターして記録した。発泡又は色の変化についての視覚観察も記録した。所望の保持時間の後、ワットマン541フィルター(登録商標)を用いたブフナー漏斗上で真空を用い、スラリーをろ過した。さらに観察ができるように、ろ過液を回収した。反応を停止するため、ろ過ケーキを直ちに蒸留水で洗浄した。分析のため、その後ろ過ケーキを回収した。
各ろ過ケーキ生成物を調べ、炭酸カルシウム変換の量を推定した。以下の表6に、変換率の結果の要約をリストにして示す。以下の表7Aと7Bに、関連する観察内容及びメモをリストにして示す。
実験室での検討(「ビーカー検討」)の結果によれば、より長い保持時間及びより過剰な炭酸アンモニウムが、ほぼ100%の割合でFGD石膏の炭酸カルシウムへの変換に役立つことを示している。より高い反応温度は同様に有益であった。
炭酸アンモニウム蒸発試験(観察):
元の(NHCO材料は二つのタイプの粒子を含んでいた;両方ともサイズは600μまでの範囲。
1.ごくわずかな浸食(erosion)しか示さない(NHCOの単結晶。
2.2つの相変化を経ているように見える多結晶凝集体。
この粗い凝集体は、1−2μサイズの結晶の大きなコア(明確に見分けるには小さすぎる)と共にサブ微細粒子の厚さ100μの表面ベニヤを有する。元の沈殿した粗い結晶は、表面で急速に分解して厚いベニヤを形成し、このベニヤがそれ以上の反応を遅らせると共にコア結晶を大きく成長させるように見えた。
(NHCOの単結晶は表面反応を示さなかった。このことは、存在する他の粒子はもともと別のものであることを示している。
115°F、130°F、150°F及び176°Fの条件(観察):
これらの全ての試験の残渣は、空気浸食された(昇華した)結晶としての(NHCOである。唯一の明らかな相違点は、温度が増加するにつれて残留物がより少なかったことである。
10%過剰で2分保持のFGD石膏Bサンプル(観察):
このサンプルは、〜80%が3×50×70μまでの範囲で反応生成物のベニヤのないCaSO・2HOの板状結晶からなっていた。約20%はCaCOの1−3μ結晶として存在した。
パイロットプラント〜午後2:00 2012年3月8日(観察):
ベニヤのない50×50×80μまでの残留CaSO・2HOがサンプルの〜25%を占めていた。CaCOは大部分が、元のCaSO・2HOとほぼ同じサイズの単位に凝集していた。
微視的レポート CaSO・2HO+(NHCO→CaCO 2012年3月9日
(観察)
これらのサンプルは、40μまでのかなり安定な単位に凝集するCaCOの1−8μ結晶を含んでいた。残留CaSO・2HOは、ベニヤのない30−60μの溶液浸食(eroded)結晶として存在した。以下の表8にサンプルのバリエーションを示す。
上記の炭酸アンモニウム蒸発試験の観察によれば、より短い保持時間での反応が、石膏結晶の外側に形成される炭酸カルシウムによって妨げられることを示していた。この炭酸カルシウムは、残留する石膏をコアの内側に閉じ込め、これにより、残留する石膏が反応することを妨げる。
撹拌試験
試験は、撹拌の利点(最初に形成された炭酸カルシウムを内側のコア石膏から分離し、コア石膏を露出させて反応させる利点)を判断するために行われた。このアイデアを検証するため、追加のビーカー検討行った。この一連の試験の目的は、保持時間及び過剰な炭酸アンモニウムに関し、変換における高撹拌及び撹拌のタイプの影響を判断することであった。評価した撹拌のタイプは、(3)磁気撹拌棒を用いた穏やか撹拌、との比較として、(1)超音波ミキサー及び(2)超音波ホモジナイザーであった。一連の実験室での検討において、以下のパラメータを評価した:
・超音波ミキサー
・10分保持時間、10%過剰の炭酸アンモニウム
・2分保持時間、10%過剰の炭酸アンモニウム
・2分保持時間、20%過剰の炭酸アンモニウム
・2分保持時間、50%過剰の炭酸アンモニウム
・5分保持時間、10%過剰の炭酸アンモニウム
・ホモジナイザー
・10分保持時間、10%過剰の炭酸アンモニウム
・10分保持時間、20%過剰の炭酸アンモニウム
・10分保持時間、50%過剰の炭酸アンモニウム
・20分保持時間、10%過剰の炭酸アンモニウム
・20分保持時間、20%過剰の炭酸アンモニウム
・20分保持時間、50%過剰の炭酸アンモニウム
FGD石膏を、400mLビーカー(反応器)内で36%硫酸アンモニウム溶液と組み合わせた。石膏を硫酸アンモニウムに入れた後―水スラリー、ビーカーをホットプレート/スターラーの上に置き、磁気撹拌棒で撹拌した。計算量の炭酸アンモニウム溶液を秤量し、石膏スラリーに添加した。超音波ミキサー又はやホモジナイザーをビーカーに入れ、スイッチを入れた。保持時間を測定するためストップウォッチを使用した。反応中にスラリーの温度をモニターして記録した。発泡又は色の変化についての視覚観察も記録した。所望の保持時間の後、ワットマン541フィルター(登録商標)を用いたブフナー漏斗上で真空を用い、スラリーをろ過した。さらに観察ができるように、ろ過液を回収した。反応を停止するため、ろ過ケーキを直ちに蒸留水で洗浄した。分析のため、その後ろ過ケーキを回収した。結晶構造特性及び変換率を決定するためにろ過ケーキ生成物を調べた。観察及び変換率推定値を以下の表9(試験1−22)に示す。試験1−22の要約チャートを表10に示す。

上記表9の試験データ及び観察結果に基づくと、結果には長所と短所が混在しており、炭酸カルシウムへの変換率は95%程度の高い値が達成されたものの、長い保持時間(20分)及び多くの過剰な炭酸アンモニウム(50%)が必要とされた。試験のほとんどは、顕著に、より低い転換率(10−80%)をもたらした。ホモジナイザーと超音波ミキサーを用いた試験では、両方とも多くの発泡が生じた。超音波ミキサーの場合、炭酸カルシウム生成物固形物上は粗かった。超音波によって引き起こされた摩擦のせいで、いくらかの結晶はフィルターを通過したが、ホモジナイザーではこれは発生しなかった。超音波ミキサーの使用はまた、溶液中の大幅な温度上昇を引き起こし、ミキサーを運転すると温度は増加し続けた。連続運転では、超音波の断続的な使用が必要であろう。
確認実験室試験
表10の石膏の変換率の推定値を確認するため、さらに実験室分析を行った。サンプルは、窒素及び硫酸硫黄について分析した。窒素は、石膏と炭酸アンモニウムとの反応から形成された硫酸アンモニウムに由来した。硫酸アンモニウム中の窒素と結合した硫酸硫黄の量を計算し、硫酸硫黄全体から差し引いた。硫酸硫黄の残りの部分は、ろ過ケーキ中の残留石膏に由来するであろう。変換率は、表10の推定値と合理的に一致し50から90%の範囲であった。より長い保持時間とより過剰な炭酸アンモニウム濃度により、高い変換率を生じた。
これらの分析の結果は、以下の表11の上部に含まれている。この分析手順は、磁気撹拌棒を用いて作製したサンプルの一部で行った。結果を、表11の第2欄に示した。これらの試験において、得られた変換率は、表10の推定値よりもかなり低かった。それらはまた、超音波ミキサーとホモジナイザーを使用して作製したものとを比較した場合に、より激しい混合方法のほうが、同じ保持時間で同じ過剰量の炭酸アンモニウムを用いた場合にて、顕著に大きな変換率をもたらすことを示した。

実施例3 連続多段向流プロセス
本発明の一段連続プロセスは、単一の反応器を含み、FGD石膏B(高反応性FGD石膏)を利用することにより、硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムの90%の収率を得るのに十分であった。これに対して一段連続反応器プロセスは、FGD石膏A(低反応性FGD石膏)を用いた場合に、わずか30から50%の収率しか得られず不十分であり、より大きな反応器を使用した場合でも、わずか75%の収率しか達成できなかった。したがって、一段反応器は、反応性のより低い石膏を変換するには十分であるが、石膏A等の反応性のより低い石膏を変換するためには、連続多段向流プロセスという新しいプロセスを開発することが必要であった。
FGD石膏を硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換するために、実験室規模の連続向流プロセスを設計し、試験した。この実施例3の多段向流連続プロセスの設計は、一段連続プロセスのパイロットプラント変換器/反応器や、上記実施例1及び実施例2に記載したそれぞれの実験室試験の検討とは、対照的である。
図1に示したように、本発明の向流プロセスは、2−ステップ反応器連続向流プロセスを含み、第2反応器(反応器No.2)からプロセスに入る純粋な炭酸アンモニウム溶液と、第1反応器(反応器No.1)からプロセスに入る未反応の石膏とを備える。この構成は、すでに部分的に反応した石膏を、反応器No.2中で純粋な炭酸アンモニウム溶液にさらすことにより、過剰な炭酸アンモニウムをもたらし、約100%の変換を可能にすることを、保証する。
図1に示した連続向流システム(系)をシミュレートするために、実験室規模の向流プロセスを設計し、試験した。 FGD石膏A(低反応性)を原料石膏として用いた。試験において、以下の運転条件を評価した:
・混合の効果
・超音波− 反応器1内、保持時間1分あたり10秒
・マグネチックスターラー− 反応器1及び2内、連続した穏やかな撹拌
・溶液の温度− 周囲
・過剰の炭酸アンモニウム− 10%過剰
・保持時間
・反応器ごとに10分
・反応器ごとに5分
各運転条件を評価するために、一連の3つの試験は向流のシステム(系)が平衡に到達するように行われた。図1に示した本発明の向流プロセスをシミュレートするための向流プロセス試験の工程は以下の通りである:
1.FGD石膏Aを蒸留水でスラリー化し、石膏中の潜在的な汚染物質を除去するためにワットマン541(登録商標)を用いてろ過した。
2.試験のために、ラベルしたろ過溶液(石膏洗浄水)を回収し、さらなる評価のために保存した。
3.最初の試験シーケンス中に、ろ過ケーキ(石膏ケーキ)を36%硫酸アンモニウム溶液で洗浄した。この溶液を、反応器No.1ろ過液をシミュレートするために使用し、そのろ過液は第2及び第3の各運転条件の試験に使用した。
4.上記の工程3の間に回収したろ過液に「硫酸アンモニウム溶液生成物」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
5.ろ過ケーキを、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)から分離し、反応器No.1(1000mLビーカー)にチャージした。
6.最初の試験において、33%炭酸アンモニウム溶液(温度=115°F)及び36%硫酸アンモニウム溶液(温度=82°F)をろ過ケーキと組み合わせて、(マグネチックスターラーを用いて)撹拌し、所望の保持時間反応させた。第2及び第3の試験において、反応器No.2ろ過液をろ過液と組み合わせた。超音波を用いた試験において、所望の保持時間の間、保持時間1分あたり10秒間超音波を作動させた。
7.反応器1の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。スラリーをろ過しても問題はなかった。
8.ろ過液を回収してラベルした(反応器1ろ過液)。
9.反応器1からのろ過ケーキを分析するために、ろ過ケーキを蒸留水でリンスして反応を停止した。このろ過溶液を「反応器1洗浄水」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
10.ろ過ケーキをフィルターから除去し、「反応器2」とラベルした1000mLビーカーにチャージした。ろ過ケーキの小サンプルを回収して「反応器1ケーキ」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
11.最初の試験において、33%炭酸アンモニウム溶液を反応器にチャージした。この溶液を、「A/Cケーキ洗浄ろ過液」溶液をシミュレートするために使用し、そのろ過液を第2及び第3の試験に加えた。
12.反応器2の内容物を組み合わせた後、温度は90−100°Fと測定された。反応器の内容物を、マグネチックスターラーを用いて所望の保持時間、連続的に撹拌した。混合物は直ちに発泡した。
13.反応器2の内容物を、ワットマン541フィルター(登録商標)を用いてろ過した。ろ過液を回収して「反応器2ろ過液」とラベルした。
14.残留石膏を反応させるために、反応器2から得られたろ過ケーキを33%炭酸アンモニウム溶液で洗浄した。
15.炭酸アンモニウム洗浄からのろ過液を「A/Cケーキ洗浄ろ過液」とラベルした。備考:結晶化の発生を防ぐために、この溶液を110−115°Fにまで加熱した。
16.ろ過ケーキから残留化学物質をリンスするために蒸留水を使用した。ろ過液を回収して「吸収塔への最終洗浄」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
17.ろ過ケーキを回収して「ろ過ケーキ生成物」とラベルした。
図1に示した本発明の向流プロセスをシミュレートするために、連続向流プロセスを用いて、12の試験を行った。以下の試験3.1から3.12に記載する。使用した材料の比重量や試験中の観察などを含め、12の各試験で行った手順は、以下の通りである。
試験3.1−連続磁気撹拌試験
1.175.7グラムのFGD石膏Aを蒸留水でスラリー化し、石膏中の潜在的な汚染物質を除去するためにワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。
2.ラベルしたろ過溶液(石膏洗浄水)を回収し、さらなる評価のために保存した。
3.最初の試験シーケンス中に、ろ過ケーキ(石膏ケーキ)を、367グラムの36%硫酸アンモニウム溶液で洗浄した。この溶液は、ラベルした後の溶液(硫酸アンモニウム生成物溶液)をシミュレートするために使用し、後の溶液はプロセスが平衡に近づくと最終的に存在するであろう。
4.第3工程の間に回収したろ過液に「硫酸アンモニウム生成物溶液」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
5.ろ過ケーキを、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)から分離し、反応器No.1(1000mLビーカー)にチャージした。
6.256グラムの33%炭酸アンモニウム溶液(温度=115°F)及び367グラムの36%硫酸アンモニウム溶液(温度=82°F)をろ過ケーキと組み合わせて、(マグネチックスターラーを用いて)撹拌し、10分間反応させた。5分後、溶液温度は92°Fであった。10分後、溶液温度は90°Fであった。備考:発泡は撹拌の5分後に発生し、さらに2分間継続した。
7.反応器1の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。スラリーをろ過した際に問題はなかった。
8.ろ過液を回収してラベルした(反応器1ろ過液)。
9.反応器1からのろ過ケーキを分析するために、ろ過ケーキを蒸留水でリンスして反応を停止した。このろ過溶液を「反応器1洗浄水」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
10.ろ過ケーキをフィルターから除去し、「反応器2」とラベルした1000mLビーカーにチャージした。
11.320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液を反応器にチャージした。この溶液は、「A/Cケーキ洗浄ろ過液」溶液をシミュレートするために使用し、このろ過液は系が平衡に達すると後の試験において生成するであろう。
12.反応器2の内容物を組み合わせた後、温度は94°Fと測定された。反応器の内容物を、マグネチックスターラーを用いて10分間、連続的に撹拌した。混合物は、直ちに発泡した。連続撹拌3分後、発泡は減少した。5分で発泡はなくなったが、反応の泡はスラリーの上部に表面化し続けた。10分後、スラリー温度は94°Fであった。
13.反応器2の内容物を、ワットマン541フィルター(登録商標)を用いてろ過した。ろ過液を回収して「反応器2ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験で使用される。
14.残留石膏を反応させるために、反応器2から得られたろ過ケーキを、320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液で洗浄した。
15.炭酸アンモニウム洗浄からのろ過液を「A/Cケーキ洗浄ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験で使用される。備考:結晶化の発生を防ぐために、この溶液を110−115°Fにまで加熱しなければならない。
16.ろ過ケーキから残留化学物質をリンスするために蒸留水を使用した。リンス水を含むろ過液を回収して「吸収塔への最終洗浄」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
17.ろ過ケーキを回収して「試験1ろ過ケーキ生成物」とラベルした。
試験3.2−連続磁気撹拌試験
反応器1及び2内で連続磁気撹拌を使用した場合の炭酸カルシウムへの石膏変換の効果を評価するために、この一組の条件を利用し、向流プロセスにおける平衡条件をシミュレートした。
1.175.7グラムのFGD石膏Aを蒸留水でスラリー化し、石膏中の潜在的な汚染物質を除去するためにワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。
2.ラベルしたろ過溶液(石膏洗浄水)を回収し、さらなる評価のために保存した。
3.硫酸アンモニウム溶液からの任意の不純物を除去する目的で、ろ過ケーキ(石膏ケーキ)を反応器1ろ過液で洗浄した。
4.上記の工程3の間に回収したろ過液に「硫酸アンモニウム生成物溶液」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
5.ろ過ケーキを、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)から分離し、反応器No.1(1000mLビーカー)にチャージした。
6.反応器2ろ過液をろ過ケーキと組み合わせ、マグネチックスターラーを用いて連続的に撹拌した。反応器1内の全保持時間は10分であった。5分後、溶液温度は75°Fであった。10分後、溶液温度は70°Fであった。備考:発泡は撹拌の7分後に発生し、さらに2分間継続した。
7.反応器1の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。スラリーをろ過した際に問題はなかった。
8.ろ過液を回収してラベルした(反応器1ろ過液)。
9.反応器1からのろ過ケーキを分析するために、ろ過ケーキを蒸留水でリンスして反応を停止した。このろ過溶液を「反応器1洗浄水」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
10.ろ過ケーキをフィルターから除去し、「反応器2」とラベルした1000mLビーカーにチャージした。
11.A/Cケーキ洗浄ろ過液を反応器にチャージした。
12.反応器2の内容物を組み合わせた後、温度は99°Fと測定された。反応器の内容物を、マグネチックスターラーを用いて10分間、連続的に撹拌した。混合物は、直ちに発泡した。連続撹拌3分後、発泡は減少した、温度=98°F。6分で発泡はなくなったが、反応の泡はスラリーの上部に表面化し続けた、温度=98°F。10分後、スラリー温度は98°Fであった。
13.反応器2の内容物を、ワットマン541フィルター(登録商標)を用いてろ過した。ろ過液を回収して「反応器2ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験で使用される。
14.残留石膏を反応させるために、反応器2から得られたろ過ケーキを、320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液で洗浄した。
15.炭酸アンモニウム洗浄からのろ過液を「A/Cケーキ洗浄ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験で使用されるだろう。備考:結晶化の発生を防ぐために、この溶液を110−115°Fにまで加熱した。
16.ろ過ケーキから残留化学物質をリンスするために蒸留水を使用した。リンス水を含むろ過液を回収して「吸収塔への最終洗浄」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
17.ろ過ケーキを回収して「試験2ろ過ケーキ生成物」とラベルした。
試験3.3−連続磁気撹拌試験
反応器1及び2内で連続磁気撹拌を使用した場合の炭酸カルシウムへの石膏変換の効果を評価するために、この一組の条件を利用し、向流プロセスにおける平衡条件をシミュレートした。
1.175.7グラムのFGD石膏Aを蒸留水でスラリー化し、石膏中の潜在的な汚染物質を除去するためにワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。
2.ラベルしたろ過溶液(石膏洗浄水)を回収し、さらなる評価のために保存した。
3.硫酸アンモニウム溶液からの任意の不純物を除去する目的で、ろ過ケーキ(石膏ケーキ)を反応器1ろ過液で洗浄した。
4.第3工程の間に回収したろ過液に「硫酸アンモニウム生成物溶液」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
5.ろ過ケーキを、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)から分離し、反応器No.1(1000mLビーカー)にチャージした。
6.反応器2ろ過液をろ過ケーキと組み合わせ、マグネチックスターラーを用いて連続的に撹拌した。反応器1内の全保持時間は10分間であった。5分後、溶液温度は76°Fであった。10分後、溶液温度は76°Fであった。備考:発泡は撹拌の6分後に発生し、さらに3分間継続した。
7.反応器1の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。スラリーをろ過した際に問題はなかった。
8.ろ過液を回収してラベルした(反応器1ろ過液)。
9.反応器1からのろ過ケーキを分析するために、ろ過ケーキを蒸留水でリンスして反応を停止した。このろ過溶液を「反応器1洗浄水」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
10.ろ過ケーキをフィルターから除去し、「反応器2」とラベルした1000mLビーカーにチャージした。
11.A/Cケーキ洗浄ろ過液を反応器にチャージした。
12.反応器2の内容物を組み合わせた後、温度は98°Fと測定された。反応器の内容物を、マグネチックスターラーを用いて10分間、連続的に撹拌した。混合物は、直ちに発泡した。連続撹拌4分後、発泡は減少した、温度=96°F。6分で発泡はなくなったが、反応の泡はスラリーの上部に表面化し続けた、温度=98°F。10分後、スラリー温度は96°Fであった。
13.反応器2の内容物を、ワットマン541フィルター(登録商標)を用いてろ過した。ろ過液を回収して「反応器2ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.4、で使用される。
14.残留石膏を反応させるために、反応器2から得られたろ過ケーキを、320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液で洗浄した。
15.炭酸アンモニウム洗浄からのろ過液を「A/Cケーキ洗浄ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験で使用される。備考:結晶化の発生を防ぐために、この溶液を110−115°Fにまで加熱した。
16.ろ過ケーキから残留化学物質をリンスするために蒸留水を使用した。リンス水を含むろ過液を回収して「吸収塔への最終洗浄」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
17.ろ過ケーキを回収して「試験3ろ過ケーキ生成物」とラベルした。
試験3.4−超音波撹拌試験
反応器1内で超音波ミキサーを使用した場合の石膏の炭酸カルシウムへの変換の効果を評価するために、この一組の条件を利用し、向流プロセスにおける平衡条件の到達を目指した。
1.175.7グラムのFGD石膏Aを蒸留水でスラリー化し、石膏中の潜在的な汚染物質を除去するために、図1に示した本発明の向流プロセスをシミュレートするための向流プロセス試験のワットマン541フィルターペーパーを用いてろ過した。
2.ラベルしたろ過溶液(石膏洗浄水)を回収し、さらなる評価のために保存した。
3.最初の試験シーケンス中に、ろ過ケーキ(石膏ケーキ)を、367グラムの36%硫酸アンモニウム溶液で洗浄した。この溶液は、ラベルした後の溶液(反応器1ろ過液)をシミュレートするために使用し、後の溶液はプロセスが平衡に近づくと最終的に存在するであろう。
4.上記の工程3の間に回収したろ過液に「硫酸アンモニウム生成物溶液」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
5.ろ過ケーキを、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)から分離し、反応器No.1(1000mLビーカー)にチャージした。
6.256グラムの33%炭酸アンモニウム溶液(温度=115°F)及び367グラムの36%硫酸アンモニウム溶液(温度=82°F)をろ過ケーキと組み合わせ、マグネチックスターラーを用いて連続的に撹拌した。超音波ミキサーは、間欠的に使用した。超音波を反応器内に照射し、反応時間1分あたり10秒間超音波を作動させた。反応器1内の全保持時間は10分であった。超音波は、この反応の工程の間、十−10秒の撹拌サイクルを生じた。5分後、溶液温度は99°Fであった。10分後、溶液温度は99°Fであった。備考:発泡は撹拌の2分後に発生し、さらに5分間継続した。
7.反応器1の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。スラリーをろ過した際に問題はなかった。
8.ろ過液を回収してラベルした(反応器1ろ過液)。
9.反応器1からのろ過ケーキを分析するために、ろ過ケーキを蒸留水でリンスして反応を停止した。このろ過溶液を「反応器1洗浄水」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
10.ろ過ケーキをフィルターから除去し、「反応器2」とラベルした1000mLビーカーにチャージした。
11.320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液を反応器にチャージした。この溶液は、「A/Cケーキ洗浄ろ過液」溶液をシミュレートするために使用し、このろ過液は系が平衡に達すると後の試験において生成するであろう。
12.反応器2の内容物を組み合わせた後、温度は94°Fと測定された。反応器の内容物を、マグネチックスターラーを用いて10分間、連続的に撹拌した。混合物は、直ちに発泡した。連続撹拌2分後、発泡は減少した、温度=99°F。7分で発泡はなくなったが、反応の泡はスラリーの上部に表面化し続けた、温度=96°F。10分後、スラリー温度は95°Fであった。
13.反応器2の内容物を、ワットマン541フィルター(登録商標)を用いてろ過した。ろ過液を回収して「反応器2ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.5で使用される。
14.残留石膏を反応させるために、反応器2から得られたろ過ケーキを、320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液で洗浄した。
15.炭酸アンモニウム洗浄からのろ過液を「A/Cケーキ洗浄ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.5で使用される。備考:結晶化の発生を防ぐために、この溶液を110−115°Fにまで加熱した。
16.ろ過ケーキから残留化学物質をリンスするために蒸留水を使用した。リンス水を含むろ過液を回収して「吸収塔への最終洗浄」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
17.ろ過ケーキを回収して「試験4ろ過ケーキ生成物」とラベルした。
試験3.5−超音波撹拌試験
反応器1内で超音波ミキサーを使用した場合の炭酸カルシウムへの石膏変換の効果を評価するために、この一組の条件を利用し、向流プロセスにおける平衡条件の到達を目指した。
1.175.7グラムのFGD石膏Aを蒸留水でスラリー化し、石膏中の潜在的な汚染物質を除去するためにワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。
2.ラベルしたろ過溶液(石膏洗浄水)を回収し、さらなる評価のために保存した。
3.硫酸アンモニウム溶液からの任意の不純物を除去する目的で、ろ過ケーキ(石膏ケーキ)を反応器1ろ過液で洗浄した。
4.上記の工程3の間に回収したろ過液に「硫酸アンモニウム生成物溶液」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
5.ろ過ケーキを、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)から分離し、反応器No.1(1000mLビーカー)にチャージした。
6.反応器2ろ過液をろ過ケーキと組み合わせ、マグネチックスターラーを用いて連続的に撹拌した。超音波ミキサーは、間欠的に使用した。超音波を反応器内に照射し、反応時間1分あたり10秒間超音波を作動させた。反応器1内の全保持時間は10分であった。超音波は、この反応の工程の間、十−10秒の撹拌サイクルを生じた。5分後、溶液温度は80°Fであった。10分後、溶液温度は80°Fであった。備考:発泡は撹拌の2分後に発生し、さらに5分間継続した。
7.反応器1の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。スラリーをろ過した際に問題はなかった。
8.ろ過液を回収してラベルした(反応器1ろ過液)。
9.反応器1からのろ過ケーキを分析するために、ろ過ケーキを蒸留水でリンスして反応を停止した。このろ過溶液を「反応器1洗浄水」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
10.ろ過ケーキをフィルターから除去し、「反応器2」とラベルした1000mLビーカーにチャージした。
11.A/Cケーキ洗浄ろ過液を反応器にチャージした。
12.反応器2の内容物を組み合わせた後、温度は99°Fと測定された。反応器の内容物を、マグネチックスターラーを用いて10分間、連続的に撹拌した。混合物は、直ちに発泡した。連続撹拌2分後、発泡は減少した、温度=99°F。7分で発泡はなくなったが、反応の泡はスラリーの上部に表面化し続けた、温度=99°F。10分後、スラリー温度は98°Fであった。
13.反応器2の内容物を、ワットマン541フィルター(登録商標)を用いてろ過した。ろ過液を回収して「反応器2ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.6で使用される。
14.残留石膏を反応させるために、反応器2から得られたろ過ケーキを、320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液で洗浄した。
15.炭酸アンモニウム洗浄からのろ過液を「A/Cケーキ洗浄ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.6で使用される。備考:結晶化の発生を防ぐために、この溶液を110−115°Fにまで加熱した。
16.ろ過ケーキから残留化学物質をリンスするために蒸留水を使用した。リンス水を含むろ過液を回収して「吸収塔への最終洗浄」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
17.ろ過ケーキを回収して「試験5ろ過ケーキ生成物」とラベルした。
試験3.6−超音波撹拌試験
反応器1内で超音波ミキサーを使用した場合の炭酸カルシウムへの石膏変換の効果を評価するために、この一組の条件を利用し、向流プロセスにおける平衡条件の到達を目指した。
1.175.7グラムのFGD石膏Aを蒸留水でスラリー化し、石膏中の潜在的な汚染物質を除去するためにワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。
2.ラベルしたろ過溶液(石膏洗浄水)を回収し、さらなる評価のために保存した。
3.硫酸アンモニウム溶液からの任意の不純物を除去する目的で、ろ過ケーキ(石膏ケーキ)を反応器1ろ過液で洗浄した。
4.上記の工程3の間に回収したろ過液に「硫酸アンモニウム生成物溶液」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
5.ろ過ケーキを、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)から分離し、反応器No.1(1000mLビーカー)にチャージした。
6.反応器2ろ過液をろ過ケーキと組み合わせ、マグネチックスターラーを用いて連続的に撹拌した。超音波ミキサーは、間欠的に使用した。超音波を反応器内に照射し、反応時間1分あたり10秒間超音波を作動させた。反応器1内の全保持時間は10分であった。超音波は、この反応の工程の間、十−10秒の撹拌サイクルを生じた。5分後、溶液温度は81°Fであった。10分後、溶液温度は83°Fであった。備考:発泡は撹拌の2分後に発生し、さらに6分間継続した。
7.反応器1の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。スラリーをろ過した際に問題はなかった。
8.ろ過液を回収してラベルした(反応器1ろ過液)。
9.反応器1からのろ過ケーキを分析するために、ろ過ケーキを蒸留水でリンスして反応を停止した。このろ過溶液を「反応器1洗浄水」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
10.ろ過ケーキをフィルターから除去し、「反応器2」とラベルした1000mLビーカーにチャージした。
11.A/Cケーキ洗浄ろ過液を反応器にチャージした。
12.反応器2の内容物を組み合わせた後、温度は95°Fと測定された。反応器の内容物を、マグネチックスターラーを用いて10分間、連続的に撹拌した。混合物は、直ちに発泡した。連続撹拌4分後、発泡は減少した、温度=93°F。8分で発泡はなくなったが、反応の泡はスラリーの上部に表面化し続けた、温度=91°F。10分後、スラリー温度は90°Fであった。
13.反応器2の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。ろ過液を回収して「反応器2ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.7で使用される。
14.残留石膏を反応させるために、反応器2から得られたろ過ケーキを、320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液で洗浄した。
15.炭酸アンモニウム洗浄からのろ過液を「A/Cケーキ洗浄ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.7で使用される。備考:結晶化の発生を防ぐために、この溶液を110−115°Fにまで加熱した。
16.ろ過ケーキから残留化学物質をリンスするために蒸留水を使用した。リンス水を含むろ過液を回収して「吸収塔への最終洗浄」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
17.ろ過ケーキを回収して「試験6ろ過ケーキ生成物」とラベルした。
試験3.7−連続磁気撹拌試験
1.175.7グラムのFGD石膏Aを蒸留水でスラリー化し、石膏中の潜在的な汚染物質を除去するためにワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。
2.ラベルしたろ過溶液(石膏洗浄水)を回収し、さらなる評価のために保存した。
3.最初の試験シーケンス中に、ろ過ケーキ(石膏ケーキ)を、367グラムの36%硫酸アンモニウム溶液で洗浄した。この溶液は、ラベルした後の溶液(硫酸アンモニウム生成物溶液)をシミュレートするために使用し、後の溶液はプロセスが平衡に近づくと最終的に存在するであろう。
4.第3工程の間に回収したろ過液に「硫酸アンモニウム生成物溶液」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
5.ろ過ケーキを、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)から分離し、反応器No.1(1000mLビーカー)にチャージした。
6.256グラムの33%炭酸アンモニウム溶液(温度=115°F)及び367グラムの36%硫酸アンモニウム溶液(温度=82°F)をろ過ケーキと組み合わせて、(マグネチックスターラーを用いて)撹拌し、5分間反応させた。1分後、溶液温度は85°Fであった。5分後、溶液温度は85°Fであった。備考:この反応工程中、発泡は起こらなかった。発泡は撹拌の5分後に発生し、さらに2分間継続した。
7.反応器1の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。スラリーをろ過した際に問題はなかった。
8.ろ過液を回収してラベルした(反応器1ろ過液)。
9.反応器1からのろ過ケーキを分析するために、ろ過ケーキを蒸留水でリンスして反応を停止した。このろ過溶液を「反応器1洗浄水」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
10.ろ過ケーキをフィルターから除去し、「反応器2」とラベルした1000mLビーカーにチャージした。
11.320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液を反応器にチャージした。この溶液は、「A/Cケーキ洗浄ろ過液」溶液をシミュレートするために使用し、このろ過液は系が平衡に達すると後の試験において生成するであろう。
12.反応器2の内容物を組み合わせた後、温度は95°Fと測定された。反応器の内容物を、マグネチックスターラーを用いて5分間、連続的に撹拌した。混合物は、直ちに発泡した。3分で発泡はなくなったが、反応の泡はスラリーの上部に表面化し続けた。5分後、スラリー温度は91°Fであった。
13.反応器2の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。ろ過液を回収して「反応器2ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.8で使用される。
14.残留石膏を反応させるために、反応器2から得られたろ過ケーキを、320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液で洗浄した。
15.炭酸アンモニウム洗浄からのろ過液を「A/Cケーキ洗浄ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.8で使用される。備考:結晶化の発生を防ぐために、この溶液を110−115°Fにまで加熱した。
16.ろ過ケーキから残留化学物質をリンスするために蒸留水を使用した。リンス水を含むろ過液を回収して「吸収塔への最終洗浄」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
17.ろ過ケーキを回収して「試験7ろ過ケーキ生成物」とラベルした。
試験3.8−連続磁気撹拌試験
反応器1及び2内で連続磁気撹拌を使用した場合の炭酸カルシウムへの石膏変換の効果を評価するために、この一組の条件を利用し、向流プロセスにおける平衡条件をシミュレートした。
1.175.7グラムのFGD石膏Aを蒸留水でスラリー化し、石膏中の潜在的な汚染物質を除去するためにワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。
2.ラベルしたろ過溶液(石膏洗浄水)を回収し、さらなる評価のために保存した。
3.硫酸アンモニウム溶液からの任意の不純物を除去する目的で、ろ過ケーキ(石膏ケーキ)を反応器1ろ過液で洗浄した。
4.上記の工程3の間に回収したろ過液に「硫酸アンモニウム生成物溶液」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
5.ろ過ケーキを、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)から分離し、反応器No.1(1000mLビーカー)にチャージした。
6.反応器2ろ過液をろ過ケーキと組み合わせ、マグネチックスターラーを用いて連続的に撹拌した。反応器1内の全保持時間は5分であった。1分後、溶液温度は76°Fであった。5分後、溶液温度は76°Fであった。備考:発泡は撹拌の3分後に発生し、さらに2分間継続した。
7.反応器1の内容物を、ワットマン541フィルターペーパーを用いてろ過した。スラリーをろ過した際に問題はなかった。
8.ろ過液を回収してラベルした(反応器1ろ過液)。
9.反応器1からのろ過ケーキを分析するために、ろ過ケーキを蒸留水でリンスして反応を停止した。このろ過溶液を「反応器1洗浄水」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
10.ろ過ケーキをフィルターから除去し、「反応器2」とラベルした1000mLビーカーにチャージした。
11.A/Cケーキ洗浄ろ過液を反応器にチャージした。
12.反応器2の内容物を組み合わせた後、温度は80°Fと測定された。反応器の内容物を、マグネチックスターラーを用いて5分間、連続的に撹拌した。混合物は撹拌の3分後に発泡した。溶液の温度は85°Fであった。5分後、スラリー温度は81°Fであった。
13.反応器2の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。ろ過液を回収して「反応器2ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.9で使用される。
14.残留石膏を反応させるために、反応器2から得られたろ過ケーキを、320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液で洗浄した。
15.炭酸アンモニウム洗浄からのろ過液を「A/Cケーキ洗浄ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.9で使用される。備考:結晶化の発生を防ぐために、この溶液を110−115°Fにまで加熱した。
16.ろ過ケーキから残留化学物質をリンスするために蒸留水を使用した。リンス水を含むろ過液を回収して「吸収塔への最終洗浄」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
17.ろ過ケーキを回収して「試験8ろ過ケーキ生成物」とラベルした。
試験3.9−連続磁気撹拌試験
反応器1及び2内で連続磁気撹拌を使用した場合の炭酸カルシウムへの石膏変換の効果を評価するために、この一組の条件を利用し、向流プロセスにおける平衡条件をシミュレートした。
1.175.7グラムのFGD石膏Aを蒸留水でスラリー化し、石膏中の潜在的な汚染物質を除去するためにワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。
2.ラベルしたろ過溶液(石膏洗浄水)を回収し、さらなる評価のために保存した。
3.硫酸アンモニウム溶液からの任意の不純物を除去する目的で、ろ過ケーキ(石膏ケーキ)を反応器1ろ過液で洗浄した。
4.上記の工程3の間に回収したろ過液に「硫酸アンモニウム生成物溶液」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
5.ろ過ケーキを、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)から分離し、反応器No.1(1000mLビーカー)にチャージした。
6.反応器2ろ過液をろ過ケーキと組み合わせ、マグネチックスターラーを用いて連続的に撹拌した。反応器1内の全保持時間は5分であった。1分後、溶液温度は73°Fであった。5分後、溶液温度は72°Fであった。備考:この反応工程中、発泡は起こらなかった。
7.反応器1の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。スラリーをろ過した際に問題はなかった。
8.ろ過液を回収してラベルした(反応器1ろ過液)。
9.反応器1からのろ過ケーキを分析するために、ろ過ケーキを蒸留水でリンスして反応を停止した。このろ過溶液を「反応器1洗浄水」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
10.ろ過ケーキをフィルターから除去し、「反応器2」とラベルした1000mLビーカーにチャージした。
11.A/Cケーキ洗浄ろ過液を反応器にチャージした。
12.反応器2の内容物を組み合わせた後、温度は100°Fと測定された。反応器の内容物を、マグネチックスターラーを用いて5分間、連続的に撹拌した。混合物は撹拌の1分後に発泡した。溶液の温度は96°Fであった。5分後、スラリー温度は92°Fであった。
13.反応器2の内容物を、ワットマン541フィルターペーパーを用いてろ過した。ろ過液を回収して「反応器2ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.10で使用される。
14.残留石膏を反応させるために、反応器2から得られたろ過ケーキを、320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液で洗浄した。
15.炭酸アンモニウム洗浄からのろ過液を「A/Cケーキ洗浄ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.10で使用される。備考:結晶化の発生を防ぐために、この溶液を110−115°Fにまで加熱した。
16.ろ過ケーキから残留化学物質をリンスするために蒸留水を使用した。リンス水を含むろ過液を回収して「吸収塔への最終洗浄」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
17.ろ過ケーキを回収して「試験9ろ過ケーキ生成物」とラベルした。
試験3.10−超音波撹拌試験
反応器1内で超音波ミキサーを使用した場合の炭酸カルシウムへの石膏変換の効果を評価するために、この一組の条件を利用し、向流プロセスにおける平衡条件をシミュレートした。
1.175.7グラムのFGD石膏Aを蒸留水でスラリー化し、石膏中の潜在的な汚染物質を除去するためにワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。
2.ラベルしたろ過溶液(石膏洗浄水)を回収し、さらなる評価のために保存した。
3.最初の試験シーケンス中に、ろ過ケーキ(石膏ケーキ)を、367グラムの36%硫酸アンモニウム溶液で洗浄した。この溶液は、ラベルした後の溶液(反応器1ろ過液)をシミュレートするために使用し、後の溶液はプロセスが平衡に近づくと最終的に存在するであろう。
4.第3工程の間に回収したろ過液に「硫酸アンモニウム生成物溶液」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
5.ろ過ケーキを、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)から分離し、反応器No.1(1000mLビーカー)にチャージした。
6.256グラムの33%炭酸アンモニウム溶液(温度=115°F)及び367グラムの36%硫酸アンモニウム溶液(温度=82°F)をろ過ケーキと組み合わせ、マグネチックスターラーを用いて連続的に撹拌した。超音波ミキサーは、間欠的に使用した。超音波を反応器内に照射し、反応時間1分あたり10秒間超音波を作動させた。反応器1内の全保持時間は5分であった。超音波は、この反応の工程の間、五−10秒の撹拌サイクルを生じた。5分後、溶液温度は99°Fであった。10分後、溶液温度は99°Fであった。備考:発泡は撹拌の2分後に発生し、さらに5分の試験期間継続した。
7.反応器1の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。スラリーをろ過した際に問題はなかった。
8.ろ過液を回収してラベルした(反応器1ろ過液)。
9.反応器1からのろ過ケーキを分析するために、ろ過ケーキを蒸留水でリンスして反応を停止した。このろ過溶液を「反応器1洗浄水」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
10.ろ過ケーキをフィルターから除去し、「反応器2」とラベルした1000mLビーカーにチャージした。
11.320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液を反応器にチャージした。この溶液は、「A/Cケーキ洗浄ろ過液」溶液をシミュレートするために使用し、このろ過液は系が平衡に達すると後の試験において生成するであろう。
12.反応器2の内容物を組み合わせた後、温度は94°Fと測定された。反応器の内容物を、マグネチックスターラーを用いて5分間、連続的に撹拌した。混合物は、直ちに発泡した。連続撹拌2分後、発泡は減少した、温度=99°F。5分後、スラリー温度は95°Fであった。
13.反応器2の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。ろ過液を回収して「反応器2ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.11で使用される。
14.残留石膏を反応させるために、反応器2から得られたろ過ケーキを、320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液で洗浄した。
15.炭酸アンモニウム洗浄からのろ過液を「A/Cケーキ洗浄ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.11で使用される。備考:結晶化の発生を防ぐために、この溶液を110−115°Fにまで加熱した。
16.ろ過ケーキから残留化学物質をリンスするために蒸留水を使用した。リンスからのろ過液を回収して「吸収塔への最終洗浄」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
17.ろ過ケーキを回収して「試験10ろ過ケーキ生成物」とラベルした。
試験3.11−超音波撹拌試験
反応器1内で超音波ミキサーを使用した場合の炭酸カルシウムへの石膏変換の効果を評価するために、この一組の条件を利用し、向流プロセスにおける平衡条件をシミュレートすることを目指した。
1.175.7グラムのFGD石膏Aを蒸留水でスラリー化し、石膏中の潜在的な汚染物質を除去するためにワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。
2.ラベルしたろ過溶液(石膏洗浄水)を回収し、さらなる評価のために保存した。
3.硫酸アンモニウム溶液からの任意の不純物を除去する目的で、ろ過ケーキ(石膏ケーキ)を反応器1ろ過液で洗浄した。
4.上記の工程3の間に回収したろ過液に「硫酸アンモニウム生成物溶液」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
5.ろ過ケーキを、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)から分離し、反応器No.1(1000mLビーカー)にチャージした。
6.反応器2ろ過液をろ過ケーキと組み合わせ、マグネチックスターラーを用いて連続的に撹拌した。超音波ミキサーは、間欠的に使用し、超音波を反応器内に照射し、反応時間1分あたり5秒間超音波を作動させた。反応器1内の全保持時間は5分であった。超音波は、この反応の工程の間、五−10秒の撹拌サイクルを生じた。5分後、溶液温度は80°Fであった。5分後、溶液温度は80°Fであった。備考:発泡は撹拌の2分後に発生し、さらに5分の試験期間継続した。
7.反応器1の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。スラリーをろ過した際に問題はなかった。
8.ろ過液を回収してラベルした(反応器1ろ過液)。
9.反応器1からのろ過ケーキを分析するために、ろ過ケーキを蒸留水でリンスして反応を停止した。このろ過溶液を「反応器1洗浄水」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
10.ろ過ケーキをフィルターから除去し、「反応器2」とラベルした1000mLビーカーにチャージした。
11.A/Cケーキ洗浄ろ過液を反応器にチャージした。
12.反応器2の内容物を組み合わせた後、温度は99°Fと測定された。反応器の内容物を、マグネチックスターラーを用いて10分間、連続的に撹拌した。混合物は、直ちに発泡した。連続撹拌2分後、発泡は減少した、温度=99°F。5分後、スラリー温度は98°Fであった。
13.反応器2の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。ろ過液を回収して「反応器2ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.12で使用される。
14.残留石膏を反応させるために、反応器2から得られたろ過ケーキを、320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液で洗浄した。
15.炭酸アンモニウム洗浄からのろ過液を「A/Cケーキ洗浄ろ過液」とラベルした。この溶液は次の実験、試験3.12で使用される。備考:結晶化の発生を防ぐために、この溶液を110−115°Fにまで加熱しなければならない。
16.ろ過ケーキから残留化学物質をリンスするために蒸留水を使用した。リンスからのろ過液を回収して「吸収塔への最終洗浄」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
17.ろ過ケーキを回収して「試験11ろ過ケーキ生成物」とラベルした。
試験3.12−超音波撹拌試験
反応器1内で超音波ミキサーを使用した場合の炭酸カルシウムへの石膏変換の効果を評価するために、この一組の条件を利用し、向流プロセスにおける平衡条件をシミュレートすることを目指した。
1.175.7グラムのFGD石膏Aを蒸留水でスラリー化し、石膏中の潜在的な汚染物質を除去するためにワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。
2.ラベルしたろ過溶液(石膏洗浄水)を回収し、さらなる評価のために保存した。
3.硫酸アンモニウム溶液からの任意の不純物を除去する目的で、ろ過ケーキ(石膏ケーキ)を反応器1ろ過液で洗浄した。
4.上記の工程3の間に回収したろ過液に「硫酸アンモニウム生成物溶液」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
5.ろ過ケーキを、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)から分離し、反応器No.1(1000mLビーカー)にチャージした。
6.反応器2ろ過液をろ過ケーキと組み合わせ、マグネチックスターラーを用いて連続的に撹拌した。超音波ミキサーは、間欠的に使用した。超音波を反応器内に照射し、反応時間1分あたり10秒間超音波を作動させた。反応器1内の全保持時間は5分であった。超音波は、この反応の工程の間、五−10秒の撹拌サイクルを生じた。5分後、溶液温度は81°Fであった。備考:発泡は撹拌の2分後に発生し、さらに5分間継続した。
7.反応器1の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。スラリーをろ過した際に問題はなかった。
8.ろ過液を回収してラベルした(反応器1ろ過液)。
9.反応器1からのろ過ケーキを分析するために、ろ過ケーキを蒸留水でリンスして反応を停止した。このろ過溶液を「反応器1洗浄水」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
10.ろ過ケーキをフィルターから除去し、「反応器2」とラベルした1000mLビーカーにチャージした。
11.A/Cケーキ洗浄ろ過液を反応器にチャージした。
12.反応器2の内容物を組み合わせた後、温度は95°Fと測定された。反応器の内容物を、マグネチックスターラーを用いて5分間、連続的に撹拌した。混合物は、直ちに発泡した。5分後、スラリー温度は90°Fであった。
13.反応器2の内容物を、ワットマン541フィルターペーパー(登録商標)を用いてろ過した。ろ過液を回収して「反応器2ろ過液」とラベルした。
14.残留石膏を反応させるために、反応器2から得られたろ過ケーキを、320.3グラムの33%炭酸アンモニウム溶液で洗浄した。
15.炭酸アンモニウム洗浄からのろ過液を「A/Cケーキ洗浄ろ過液」とラベルした。備考:結晶化の発生を防ぐために、この溶液を110−115°Fにまで加熱した。
16.ろ過ケーキから残留化学物質をリンスするために蒸留水を使用した。リンスからのろ過液を回収して「吸収塔への最終洗浄」とラベルし、さらなる評価のために取っておいた。
17.ろ過ケーキを回収して「試験12ろ過ケーキ生成物」とラベルした。
上記試験3.1−3.12から得られた生成物ケーキについて、FGD石膏及び炭酸アンモニウムの炭酸カルシウムへの変換の量を調べたところ、全ての試験において、炭酸カルシウムへの約100%の変換を示したことがわかった。硫酸アンモニウムへの変換の量は、炭酸カルシウムへの変換の量から化学量論的に決定される。観察結果は以下のとおりである:
試験3.1、3.2、3.3、3.4及び3.5ケーキスラリー生成物:これらの全ての固形物は、10−15μまでのサイズの約1%の結晶を有する純粋なCaCOであった。
これらのサンプルは、10×30から50×100μのサイズのCaSOの残留板状結晶を含んでいた。いくつかのオーブン乾燥したサンプルでは、CaSO・2HOの一部は仮像とCaSO・1/2HOに変換された。CaCOは、80μまでのソフトな単位に幾分凝集した1−8μ結晶として存在した。
炭酸カルシウムを決定するため、「確認実験室試験」において上記の通り確認試験と分析を行った。そして、石膏の炭酸カルシウムへの97から約100%変換率を達成したこと、並びにより高い変換効率である98%から約100%、99%から約100%、及び約100%の達成収率も得られたことを確認した。このことは、超音波及び撹拌棒攪拌の両方、並びに両方の保持時間に当てはまるものであった。ケーキのサンプルはまた、第一の反応器の後のろ過から回収し、比較のために分析した。これらは、0から60%の変換率を示した。これらの結果を、上記表7の下部の2つ欄に示す。
FGD石膏及びプロセス生成物中の汚染物質及び微量金属
試験1
炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム生成物、及びFGD石膏中の汚染物質及び微量金属
炭酸カルシウム及び硫酸アンモニウム溶液生成物、並びに石膏原料中の不純物及び微量金属のレベルを決定するため、サンプルを、ICP(誘導結合プラズマ)分析器に通して調べた。FGD石膏サンプルは、先に述べたアラバマ州のミラー発電所(Miller Power Plant)とアラバマ州のゴーガス発電所からものであった。いかなる有意な又は過度の量の金属も、高濃度で分析された水銀を除いて示されなかった。ICPを再較正してサンプルを再試験したところ、水銀は示されなかった。
このようなデータの不一致のため、サンプルを水銀について3回試験し、今回は低温蒸気吸収法により分析した。その結果、少量の水銀が示され、石膏中に1から2ppm、硫酸アンモニウム溶液中に0.01ppm未満(この値は、試験した典型的な粒状硫酸アンモニウムと一致している)であった。
不純物及び微量金属の結果データを下記表12に示す。
さらに注意すべき点としては、サンプル中のセレンの濃度を測定した当時は、分析方法は十分に開発されておらず、信頼性の高い測定を提供することはできていなかった。その後、測定結果に誤差を及ぼす可能性のある障害を特定してマスキングし、可能な限り最高の分析結果のための機器の標準化がされて、厳密な測定方法が開発された後に、以下の試験2に記載したデータが得られた。


試験2
本発明のプロセスによるFGD石膏からのセレン及び他の金属の除去のプロセス
FGD石膏からセレン及び他の潜在的な金属汚染物質を除去するための複数のプロセスが開発された。その複数のプロセスは、本発明のプロセスが高純度でほとんど汚染物質を含まない硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウム生成物を生産することを、保証する。
FGD石膏サンプルは、先に述べたアラバマ州のミラー発電所(Miller Power Plant)から得られた。炭酸カルシウム及び硫酸アンモニウム溶液の生成物サンプルは、多段向流連続プロセスにより製造した。このプロセスは、図1に示したプロセスをシミュレートするものである。
FGD石膏サンプルは、ミラープラント(Miller Plant)の石膏保管建物内のさまざまな場所から回収した。これらのFGD石膏サンプルを、ろ過前のスクラバーのスラリーパイプラインから回収したスラリー石膏サンプルと共に、ICP−OES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)を使用してセレンについて分析した。石膏サンプル中のセレン濃度は、<4から19ppmの範囲であった。マグネシウムとアルミニウムの濃度を、最も高濃度のセレンを含む石膏サンプルの中から抜き取り調査したところ、それぞれ544と919ppmと分析された。バリウムと水銀の濃度についても、最も高濃度のセレンを含む2つの石膏サンプルについて抜き取り調査をしたところ、分析結果はそれぞれ、73−148ppmのバリウムと1.35−2.05ppmの水銀の範囲であった。サンプルは、有意なレベルのヒ素、カドミウム、クロム、ニッケル又は鉛を含有していなかった。
サンプルの作製
FGD石膏サンプルは、ミラープラント(Miller Plant)の石膏保管建物内のさまざまな場所から回収した。また、石膏スラリーサンプルはろ過前のスラリーラインから得られた。回収された各石膏サンプルの小部分を、実験室オーブン内50℃で一晩乾燥させた。各サンプルの水分含有量を計算した。各サンプルの乾燥した部分を、セレン及び他の潜在的な金属汚染物質の測定に使用した(下記表13A及び表13B参照)。スラリーサンプルは、しかし、少し異なる方法で処理した。液体部分をデカントし、別の容器に集めた。固体部分をサンプリングし、実験室オーブン内に50℃で一晩置いた。乾燥した固体部分を、セレン及び他の潜在的な金属汚染物質について分析した(表13A及び表13B参照)。
汚染物質除去のための酸リンスプロセス
フィルターリンス試験:
フィルターリンス試験は、最初にろ過ケーキを生成し、そのろ過ケーキを硫酸を含む溶液でリンスし、そのろ過ケーキを水でリンスし、最後にそのろ過ケーキ及び硫酸リンス液をセレンについて分析することによって行った。最も高濃度のセレンを含む石膏サンプル、2013年6月10日又は11日生成物とラベルしたサンプルを選択し、ろ過ケーキの生成に使用した。
ろ過ケーキは、既知量の石膏(6月10日又は11−13日の生成物)約40グラムに、既知量の水、約100グラムを添加し、スラリーを生成するために攪拌棒で混合することによって生成した。その後、スラリーを、ブフナー漏斗、GFAろ紙(孔径=8ミクロン)、ろ過フラスコ及び実験室の真空ポンプを用いてろ過し、厚さ約0.25インチの石膏のろ過ケーキを生成した。ろ過フラスコ内の液体を、アルミニウム、マグネシウム、及びセレンの分析のために回収した。結果を次ページの表に示す(表14B参照)。
プロセスの次のステップは、ろ過ケーキを硫酸溶液でリンスすることであった。硫酸溶液の濃度は、石膏からセレンを最大限除去するための理想的な硫酸溶液の濃度を決定するように変化させた。使用した約865mlの硫酸溶液は、材料の酸分解に使用される酸の比率にサンプルを維持できるように決定した(サンプル1g=酸溶液25ml)。ろ過ケーキの完全なカバレッジを確保するために、真空を用いず、ろ過ケーキを含むブフナー漏斗に溶液の一部を注ぐことによって、ろ過ケーキを硫酸溶液でリンスした。その後、真空を用いて、溶液全体をろ過ケーキを通して注いだ。再び、液体を分析のために回収した(表14A参照)。
最後に、ろ過ケーキを脱イオン水でリンスして残留硫酸溶液を除去した。サンプルをリンスするために使用した水の量は、約865mlであった。ろ過ケーキの完全なカバレッジを確保するために、真空を用いずに脱イオン水をブフナー漏斗に注いだ。その後、真空を用いて、溶液全体をろ過ケーキを通して真空引きした。ろ過フラスコ内の液体を回収し、分析のために保存した。最初の試験では、ろ過ケーキを同じ方法でもう一度リンスした。水リンス溶液の分析の後、1回のリンスでも金属が検出されなかったという事実により、後の試験において、ろ過ケーキから硫酸溶液を除去するのに1回のリンスで十分であると決定した。
その後、ろ過ケーキを注意深くブフナー漏斗から除去した。ろ過ケーキを実験室オーブン内に50℃で一晩置いた。ろ過ケーキを乾燥した後、硝酸に温浸し、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−OES)を使用して、セレン(Se)、アルミニウム(Al)、及びマグネシウム(Mg)を分析した(表14A参照)。
汚染物質除去のためのスラリータンクプロセス
大容器及び小容器のスラリータンクシミュレーション:
スラリータンクシミュレーションは、石膏と硫酸溶液から構成されるスラリーを生成し、そのスラリーをスラリータンク(反応器)容器内で一定時間混合し、そのスラリーをろ過ケーキを生成するためにろ過し、ろ過ケーキを水でリンスし、最後にろ過ケーキ及びスラリーろ過溶液をセレンについて分析することによって行った。最も高濃度のセレンを含む石膏サンプル、2013年6月10日又は11日生成物、を選択し、スラリーの生成に使用した。
スラリーは、硫酸溶液に、既知量の石膏、約40グラムを添加することによって生成した。硫酸溶液の濃度は、石膏からセレンを最大限除去するための理想的な硫酸溶液の濃度を決定するように変化させた。
2つの異なる体積、100ml(小体積)及び865ml(大体積)の硫酸溶液を使用し、石膏からセレンを除去するために必要な硫酸の量を決定した。硫酸溶液は、スラリーの生成に使用される前に室温(約20−25℃)に冷却した。スラリーは15分間撹拌した。その後、スラリーを、ブフナー漏斗、GFAろ紙、ろ過フラスコ及び実験室の真空ポンプを用いてろ過し、ブフナー漏斗内部のろ紙上に石膏のろ過ケーキを生成した。ろ過フラスコ内の液体を回収し、さらに分析できるように保存した(表15A及び表15B参照)。
最後に、ろ過ケーキを脱イオン水でリンスして、残っていた硫酸溶液を除去した。サンプルをリンスするために使用した水の量は、100ml又は865mlであった。ろ過ケーキの完全なカバレッジを確保するために、真空を用いずに脱イオン水をブフナー漏斗に注いだ。その後、真空を用いて、溶液全体をろ過ケーキを通して真空引きした。ろ過フラスコ内の液体を回収し、分析のために保存した。
その後、ろ過ケーキを注意深くブフナー漏斗から除去した。ろ過ケーキを実験室オーブン内に50℃で一晩置いた。ろ過ケーキを乾燥した後、硝酸に温浸し、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−OES)を使用して、セレン(Se)、アルミニウム(Al)、及びマグネシウム(Mg)を分析した(小容器は表15A及び大容器は表15B参照)。
汚染物質除去のための加熱したスラリータンクプロセス
小容器の加熱したスラリータンクシミュレーション:
加熱したスラリータンクシミュレーションは、石膏と硫酸溶液のスラリーを生成し、そのスラリーを65−85℃に加熱して維持し、そのスラリーを一定時間混合し、そのスラリーをろ過ケーキを生成するためにろ過し、ろ過ケーキを水でリンスし、最後にろ過ケーキ及びスラリーろ過溶液をセレンについて分析することによって行った。最も高濃度のセレンを含む石膏サンプル、2013年6月10日又は11日生成物、を選択し、スラリーの生成に使用した。
スラリーは、上記の加熱していない小容器のスラリータンクシミュレーションと同様に、小容器中の硫酸溶液に、既知量の石膏、約40グラムを添加することによって生成した。硫酸溶液の濃度は、石膏からセレンを除去するための理想的な硫酸溶液の濃度を決定するように変化させた。スラリーは、石膏の沈降を防ぐために、ホットプレートスターラーを用いて15分間撹拌した。その後、スラリーを、ブフナー漏斗、GFAろ紙、ろ過フラスコ及び実験室の真空ポンプを用いてろ過し、ブフナー漏斗内部のろ紙上に石膏のろ過ケーキを生成した。ろ過フラスコ内の液体を回収し、さらに分析できるように保存した(表4参照)。
最後に、ろ過ケーキを脱イオン水でリンスして、残っていた硫酸溶液を除去した。サンプルをリンスするために使用した水の量は、100mlであった。ろ過ケーキの完全なカバレッジを確保するために、真空を用いずに脱イオン水をブフナー漏斗に注いだ。その後、真空を用いて、溶液全体をろ過ケーキを通して真空引きした。ろ過フラスコ内の液体を回収し、分析のために保存した。
その後、ろ過ケーキを注意深くブフナー漏斗から除去した。ろ過ケーキを実験室オーブン内に50℃で一晩置いた。ろ過ケーキを乾燥した後、硝酸に温浸し、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−OES)を使用して、セレン(Se)、アルミニウム(Al)、及びマグネシウム(Mg)を分析した(表16参照)。
汚染物質除去プロセスの硫酸廃ろ過液からのセレンの除去のプロセス
活性炭ろ過試験
ろ過試験の目的は、活性炭が、硫酸ろ過液からセレンを除去するために使用され得るか否かを判断することであった。これにより、セレン除去プロセスの間に、硫酸溶液を再利用することが可能になるだろう。クロマトグラフィーカラムを、約159グラムの活性炭で充填した。活性炭フィルターカラムをリングスタンドに取り付けて、重力流ろ過を確保した。最も高濃度のセレンを含む硫酸ろ過液、5%HSO大体積スラリー硫酸ろ過液、を両方の活性炭ろ過試験に使用した。
シングルパスろ過試験
約250mlの硫酸ろ過液を、クロマトグラフィーカラムの上部に注いだ。乾燥炭が硫酸ろ過液の大部分を吸収するので、約75mlの硫酸ろ過溶液がカラムを通過した。カラムを通過した溶液を回収し、分析のために保存した(表17参照)。
ダブルパスろ過試験
約250mlの硫酸ろ過液を、シングルパスろ過試験で使用した活性炭を含むクロマトグラフィーカラムの上部に注いだ。約250mlの硫酸ろ過溶液がカラムを通過した。カラムを通過した溶液を回収し、もう一度クロマトグラフィーカラムの上部に注いだ。約250mlの硫酸ろ過溶液がカラムを通過した。カラムを通過した溶液を回収し、分析のために保存した(表17参照)。
排気筒サンプル(Air Stack Samples):
煙道排出ガス(stack exhaust gases)にセレン及び他の潜在的な金属汚染物質が含まれているかどうかを判断するために、別の検討を実施した。本発明のプロセスで利用する硫酸アンモニウムが、取り込んだ煙道排出二酸化炭素とアンモニウムが別の反応器及びプロセスで反応することによって、生成することが予想される。排出ガス中の汚染物質が、本発明のプロセスに汚染物質を導入する可能性があり、これにより、プロセス生成物である硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウム中に汚染物質を導入する可能性がある。
煙道排出ガスのサンプルを、スタンダードメソッドVスタックサンプリング装置を使用して、ミラープラント(Miller Plant)の場所で回収した。アンモニア水(14%アンモニア)を連続する2つのインピンジャーに装填した。煙道からのガスは、インピンジャーを通して取り出した。煙道ガス中の二酸化炭素(CO)は、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムを作るために、アンモニアと反応させた。これにより、可能なフルスケールのプロセスをシミュレートした。その後、各サンプル中のセレンの濃度を決定するために、ICP−OESでサンプルを分析した。いくつかのサンプルでは、ICP−OES上の炎をそのサンプルが消火したことにより、ICP−OESで分析することができなかった。いずれのサンプルにおいても、有意な量のセレンは検出されなかった(表18参照)。
試験結果の考察
第一に、ろ過ケーキを、最も高濃度のセレンを含む石膏サンプルを水でスラリー化して真空ろ過することにより作製し、約0.25インチ厚のろ過ケーキを生成した。
第二に、各ろ過ケーキを、濃度が0.1から5%の範囲の硫酸溶液でリンスし、真空ろ過し、その後、脱イオン水でリンスして真空ろ過し、硫酸溶液を除去した。硫酸濃度にかかわらず、全ての溶液がろ過ケーキからセレンを4ppm以下に除去した(71から73%の減少、100%程度に減少できる)。ICPのアルゴンキャリアガスに起因する干渉により、ICP装置においては硫酸溶液中のセレンの4ppmが最小検出限界である。ろ過ケーキ中のアルミニウム濃度は、硫酸溶液リンスによりわずかに減少し(18から36%減少)、マグネシウム濃度は、より高い濃度の硫酸溶液を使用した場合に特に、顕著に減少した(46から91%減少)。ろ過ケーキを作製する際に使用された水を、マグネシウム、アルミニウム、及びセレンについて分析したが、いずれも有意な濃度は認められなかった。
好ましくない金属を除去するこのプロセスにおいて使用するための最も好ましい酸は、硫黄及び酸素を含むものである(例えば、硫酸(HSO)や亜硫酸(HSO))。なぜなら、石膏中にすでに存在していないいかなる化合物も生成すべきではなく、石膏の化学構造はCaSO−2HOだからである(SOはすでに存在し、その酸はいかなる新たな元素も導入しない)。亜ジチオン酸(次亜硫酸、H)、ピロ硫酸(H)、ピロ亜硫酸(H)、及びスルホキシル酸(HSO)を含むその他の硫黄−酸素酸が任意に使用され、硫黄−酸素酸の組み合わせも任意に使用される。
酸リンス汚染物質除去プロセス
Se− 71から73%減少、約100%の低減を達成することができる。
Mg− 46から91%減少
Al− 18から36%減少
酸リンス汚染物質除去プロセスの結果に基づいて、以下の通りプロセスを行う:
15から25%の固形分含有量を確保し、好ましくは20%固形分のために、必要に応じて、FGD石膏と水を混合する。周囲温度(20−25℃)で、FGD石膏スラリーを重力又は真空フィルターに導入し、石膏スラリーをろ過して、ろ過ケーキをもたらす。0.01から10%濃度、好ましくは0.1から5%濃度の硫酸を含む水溶液で、ろ過ケーキをリンスし、ろ過液を廃棄するか又は精製のために保存する。得られたろ過ケーキを水でリンスして残留する硫酸溶液を除去し、リンス水を廃棄するか又は精製のために保存する。活性炭を使用して汚染物質を除去し、希硫酸ろ過液をリサイクルし、浄化することができる。
高純度プロセス生成物、特に、炭酸カルシウム生成物をもたらすように、追加のプロセス工程を利用して、投入される石膏から潜在的な汚染物質を除去する。FGD石膏には、セレン、マグネシウム、及びアルミニウム等の汚染物質、並びに他の汚染物質が含まれている可能性がある。汚染物質は、石炭中に存在し、燃焼後の煙道ガスからスクラブされる(scrubbed)。このプロセスの目的は、石膏変換プロセスに入る前に、これらの汚染物質を除去するために、投入されるFGD石膏を処理することである。図3は、汚染物質を除去するために酸リンスを利用する、本発明の汚染物質除去酸リンスプロセスの一実施形態のプロセスフロー図を示す。硫酸は汚染物質と反応し、洗浄して石膏から除去することができる可溶性の硫酸塩を形成する。
酸リンス精製プロセスの一実施形態を図3に示す。図3を参照すると、FGD石膏スクラバーからの水性石膏スラリー(60)は、連続ベルトフィルターであるフィルターNo.1(62)に連続的に供給される。ベルトフィルターは、三つのゾーン、ゾーンA、ゾーンB及びゾーンCに分割されている。ゾーンAは、水を除去し、初期ろ過ケーキを形成する。ゾーンAからのろ過液は、廃棄物(66)又は排水処理プロセスに向かう。ゾーンBにおいて、硫酸溶液(61)は、0.1から10%、好ましくは0.1から5.0%の硫酸濃度の範囲にあり、ケーキ上を通過し、反応して汚染物質を洗い流す。ゾーンBからのろ過液は廃棄してもよいし、汚染物質を除去する活性炭(67)上で酸溶液が接触することにより洗浄される。清浄な硫酸(69)は、プロセスの先頭部分(beginning)にリサイクルされる。
この汚染物質除去プロセスは、図1又は図2のいずれかに示すように、本発明のFGD石膏変換プロセスの先頭部分に統合する。図3において、フィルター1(62)、ゾーンC、硫酸アンモニウム溶液生成物(石膏変換プロセスからの)は、石膏ろ過ケーキ上を通過し、清浄な石膏ろ過ケーキ(65)をもたらす。これにより、硫酸アンモニウム溶液生成物中に存在する未反応の炭酸アンモニウムが、石膏及び残留硫酸と反応することができる。汚染物質は、当該技術分野で公知の方法によって活性炭から除去することができる。
図1及び図2を参照すると、酸リンス精製プロセスは、一つのプロセスとして向流プロセスに統合されるだろう。このプロセスにおいて、図1のフィルターA(5)又は図2のフィルター1(32)で形成された石膏ろ過ケーキは、最初の水洗浄の後に、希硫酸でリンスする。ここでは、2つに分離した洗浄が可能で、かつ、2つのろ過液の流れを分離して維持しておくことができるフィルターが必要である。
清浄な、精製された石膏ろ過ケーキは、いくらかの残留硫酸を含み得るが、このことは、下流において問題を起こさない。なぜなら、硫酸は炭酸アンモニウムと反応して硫酸アンモニウム生成物を形成するからである。
スラリータンク反応器の汚染物質除去プロセスに関して、ろ過ケーキを、最も高いセレン濃度を有する石膏サンプルから再度作製し、小容量(100ml)の反応器及び大容量(865ml)の反応器内で硫酸溶液の濃度を変化させて反応させた。混合時間は15分で一定に保持した。小容量の反応器内におけるセレンの除去は、0%及び0.1%の酸溶液を使用した場合には限定的であった(17%減少)が、0.5%及び5%の酸溶液を使用した場合には、4.8ppm以下にまでセレンが除去された(67から73%の減少、100%程度に減少できる)。マグネシウム及びアルミニウムの除去もまた、より高い濃度の酸溶液で顕著であった(27から88%減少)。より大容量の反応器内では、酸溶液の濃度にかかわらず、セレンの除去は効率的に行われ、5ppm以下にまでセレンが除去された(65から73%の減少、100%程度に減少できる)。このことは、マグネシウム及びアルミニウムにも当てはまるものであった(19から90%の減少)。この一連の試験中に記録された酸溶液の温度は、20−25℃であった。0.1及び0.5%の硫酸溶液を用いて小反応器の試験を再実行したが、反応器の温度が65−85℃に上昇した。これらの試験は、20−25℃で行った試験と比べて、セレン、マグネシウム、又はアルミニウムの除去に有意な改善を示さなかった。
スラリータンク汚染物質除去プロセス−小体積容器
Se− 67から73%減少、約100%の低減を達成することができる。
Mg− 27から88%減少
Al− 27から88%減少
スラリータンク汚染物質除去プロセス−大体積容器
Se− 65から73%減少、約100%の低減を達成することができる。
Mg− 19から90%減少
Al− 19から90%減少
シングルパス試験及びダブルパス試験において、最も高いレベルのセレンを含むろ過液を活性炭カラムに通した。両試験では、ろ過液中のセレンが13ppmから4ppm未満にまで除去された。ろ過液中のマグネシウムの除去もまた、顕著であった。
スラリータンク汚染物質除去プロセスの結果に基づいて、以下の通りプロセスを行う:
15から25%の固形分含有量を確保し、好ましくは20%固形分のために、必要に応じて、FGD石膏と水を混合する。周囲温度(20−25℃)で、FGD石膏スラリーを反応容器に導入し、0.01から10%濃度、好ましくは0.1から5%濃度の硫酸を含む水溶液を容器に導入し、十分な反応のために、5から20分(好ましくは15分)間、パドル、ネジ、インペラー又は撹拌ミキサーを含む手段で混合する。得られた反応したスラリーを重力又は真空フィルターに導入し、ろ過ケーキを生成し、ろ過液を廃棄する。得られたろ過ケーキを水でリンスして残留する硫酸溶液を除去する。
スラリータンクプロセスの試験データを参照すると、より小さな反応容器は、約0.4グラムの石膏/mlの固形分含有量の石膏スラリーを処理し、より大きな反応容器は、約0.046グラム石膏/mlの固形分含有量の石膏スラリーを処理するであろう。
FGD石膏から汚染物質を除去するための本発明のプロセスの別の実施形態を図4に示す。図4は汚染物質除去のスラリータンクプロセスのプロセスフロー図を示す。スラリータンクプロセスでは、硫酸とFGD石膏が反応器内で混合して反応し、溶液中に汚染物質の塩を生成し、精製FGD石膏はろ過により除去される。
図4を参照すると、FGDスクラバーからの水性石膏スラリー(80)は、連続ベルトフィルターであるフィルターNo.1(81)を用いて、石膏から水を除去するために連続的にろ過される。ベルトフィルターは、二つのゾーン、ゾーンA及びゾーンBに分割されている。石膏ケーキ(83)は、反応器(85)の内容物を撹拌するためのミキサー(84)を備えた反応器(85)に連続的に供給される。0.01から10.0%、好ましくは0.1から5.0%濃度の硫酸を含む硫酸溶液(82)は、反応器(85)に計量供給される。反応器(85)内の滞留時間は、5−20分、好ましくは約15分である。反応器(85)内の温度は70から185°Fの範囲内である。反応器(85)からの流出物は、二つのゾーン、ゾーンA及びゾーンBに分割された連続ベルトフィルターであるフィルター2(89)を用いて、連続的にろ過される。フィルター2(89)ゾーンAでは、清浄な石膏がろ過され、その後、ゾーンAからのろ過液は廃棄してもよいし、酸溶液から汚染物質を除去するために活性炭(92)の上にろ過液が通過することにより洗浄してもよい。清浄な硫酸溶液(94)は、プロセスの先頭部分(beginning)にリサイクルされる。フィルター2(89)ゾーンBにおいて、硫酸アンモニウム溶液生成物(88)は、清浄な石膏ケーキ(90)となるろ過ケーキ上を通過し、未反応の炭酸アンモニウムが、投入される石膏及び残留硫酸と反応できるようになる。
このスラリータンク汚染物質除去プロセスは、図1又は図2のいずれかに示すように、本発明のFGD石膏変換プロセスの先頭部分に統合する。図4、フィルター2(89)、ゾーンBにおいて、硫酸アンモニウム溶液生成物(石膏変換プロセスから)は、石膏ろ過ケーキ上を通過し、清浄な石膏ろ過ケーキ(90)をもたらす。これにより、硫酸アンモニウム溶液生成物中に存在する未反応の炭酸アンモニウムが、石膏及び残留硫酸と反応することができる。汚染物質は、当該技術分野で公知の方法によって活性炭から除去することができる。
図1及び図2を参照すると、スラリータンク精製プロセスは、一つのプロセスとして向流プロセスに統合され得る。このプロセスにおいて、図1のフィルターA(5)又は図2のフィルター1(32)、ゾーンAにベルトフィルターを利用し、石膏スラリーから水を除去し、その後に水洗浄を石膏ろ過ケーキに適用する。その後、石膏ろ過ケーキを追加の反応器に添加し、硫酸溶液と混合して反応させ、汚染物質を除去する。その後、追加のフィルターを使用して、ろ過液から清浄な石膏を分離してもよい。汚染物質を含む希硫酸を除去するために、少量の水リンスを必要としてもよい。その後、清浄な石膏を、図1の反応器No.1(8)又は図2の反応器No.1(36)に入れる。活性炭を使用して汚染物質を除去し、希硫酸ろ過液をリサイクルし、浄化することができる。
清浄な、精製された石膏ろ過ケーキは、いくらかの残留硫酸を含み得るが、このことは、下流において問題を起こさない。なぜなら、硫酸は炭酸アンモニウムと反応して硫酸アンモニウム生成物を形成するからである。
酸リンス及びスラリータンク汚染物質除去プロセスの両方から生じる、硫酸ろ過液からセレンを除去する方法として、活性炭の使用を試験した。シングルパス及びダブルパス試験の両方を行い、シングルパスにおいて、セレンが4ppm未満に減少し、マグネシウムも顕著に減少した。4ppmが定量的検出の下限であるため、セレンの量がさらに少なくなっている可能性がある。
酸ろ過液からの汚染物質を除去するための活性炭プロセスの結果に基づいて、以下の通り行う:
少なくともセレン濃度を69%減少しかつ他の汚染物質を減少して精製水を得るために、周囲温度で、酸ろ過液を活性炭カラムに導入する。任意に、汚染物質のアルミニウム及びマグネシウムをさらに減少してより精製された水を得るために、同じ運転条件下で、精製水を同じ活性炭カラムに導入する。
1回目のパスで、定量的な検出レベル未満にセレンの濃度を減少させたので、2回目のパスの後に、セレン濃度のさらなる減少は、検出されなかった。
アラバマ・パワー・ミラープラント(Alabama Power’s Miller Plant)のガスを排出するスクラバー出口で回収した煙道サンプル(stack sample)も分析した。
ガスサンプルを、炭酸アンモニウムを生成するために、14%のアンモニウム水溶液にバブリングした。この目的は、フルスケールの生産において実証されるように、炭酸アンモニウムの生成をシミュレートすることであった。合計4つのサンプルを回収し、分析した。全てのサンプルはセレンのレベルが4ppm以下であることを示した。試験を実施するにあたり、煙道ガスのサンプルを煙道(stack)から取り出し、アンモニア水と煙道ガス中の二酸化炭素を反応させることによって炭酸アンモニアを作った。炭酸アンモニウム溶液を分析したところ、セレンは検出されなかった。
要約−汚染物質除去プロセス
ミラープラントで生成したFGD石膏には、マグネシウムやアルミニウムと同様に、<4から19ppmの範囲のセレンが含まれている。サンプルは、有意なレベルのヒ素、カドミウム、クロム、ニッケル又は鉛を含有していなかった。バリウムと水銀の濃度についても、最も高濃度のセレンを含む2つの石膏サンプルについて抜き取り調査をしたところ、分析結果はそれぞれ、73−148ppmのバリウムと1.35−2.05ppmの水銀の範囲であった。石膏のろ過ケーキを生成し、そのケーキを硫酸及び脱イオン水でリンスし、リンス後にそのケーキを真空ろ過することによって、セレンは、15ppmから有意なレベル(<4ppm)にまで減少した。マグネシウムの除去もまた顕著であったが、アルミニウムの除去はこれに比べると若干効果が低かった。異なる硫酸濃度(0.1から5%)をリンスに用いて試し、最も効果的な硫酸濃度を決定した。その結果、全ての濃度において、4ppm以下にまでセレンを除去するのに成功した。硫酸濃度が増加するにつれて除去されるマグネシウムが増加した:0.1%の酸溶液で残留マグネシウムは496ppm、5%の酸溶液で残留マグネシウムは83ppm。除去されるアルミニウムは、酸溶液の濃度にかかわらず、ほぼ同じにとどまった。
石膏ろ過ケーキと濃度を変化させた硫酸溶液(0.1から5%)とを、小さなスラリータンクの反応容器(使用した酸溶液は100ml)及び大きな反応容器(使用した酸溶液は865ml)の中で、15分間混合した。その後、そのケーキを真空ろ過し、水でリンスしてから、汚染金属の分析をした。この方法では、小さな反応器におけるリンス方法ほどの効果は証明できなかった。なぜなら、0.1%の酸濃度で、セレンは15ppmから12ppmに減少したからである。0.5から5%の酸濃度の試験では、セレンは4.8ppm以下にまで除去された。スラリータンクのより大きな反応容器において、全ての酸濃度で、セレンは5ppm以下にまで除去された。これは、酸の量が多いほどセレンの除去の効果が増大することを示している。スラリータンク反応器プロセスでは、マグネシウム及びアルミニウムの除去について、酸リンス汚染物質除去プロセスとほぼ同じ結果が得られた。スラリータンク小反応器について0.1及び0.5%の酸濃度でスラリータンク反応器試験を再実行したが、反応器が65から85℃に温度上昇した。発生した熱は、重金属の除去に関してはほとんど違いをもたらさなかった。
シングルパス試験及びダブルパス試験において、最も高いセレン濃度のろ過液を活性炭カラムを通して注いだ。両試験では、4ppm以下にまで、セレンがろ過液から除去された。活性炭も、ろ過液からマグネシウムを顕著に除去した。この試験により、活性炭の使用は、酸溶液からセレンを分離してその溶液をプロセスに再利用できる、実行可能な方法であることが証明された。活性炭を再生するための公知の方法があるので、セレン及び他の金属を再利用することができる。
ミラープラントのスクラバー排出(discharge)から集めた煙道サンプルをセレンについて分析したところ、全てのサンプルはセレンを4ppm未満含有することがわかった。煙道ガス(stack gas)中のセレンの汚染は問題ではない。煙道サンプルのpHは8.11から9.73の範囲であった。

Claims (20)

  1. FGD石膏を硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換するための連続向流プロセスであって、以下の工程を含む上記プロセス:
    FGD石膏の水性スラリーを分離し、FGD石膏残液及びFGD石膏ケーキをもたらす工程;
    第1反応器中で、FGD石膏ケーキと炭酸アンモニウム溶液及び硫酸アンモニウム溶液とを組み合わせて、化学的に反応させ、沈降炭酸カルシウムとFGD石膏残部と炭酸アンモニウム残部とを含む硫酸アンモニウム溶液を形成する工程;
    硫酸アンモニウム溶液から沈降炭酸カルシウムを分離し、硫酸アンモニウム溶液残渣生成物及び炭酸カルシウムケーキ初期生成物をもたらす工程;
    硫酸アンモニウム溶液残渣生成物の一部を硫酸アンモニウム溶液生成物として保持し、残りの部分を第1反応器中にリサイクルバックする工程;
    第2反応器中で、炭酸カルシウムケーキ初期生成物と炭酸アンモニウム溶液の一部とを組み合わせて、化学的に反応させ、硫酸アンモニウム溶液初期生成物を形成する工程;
    硫酸アンモニウム溶液初期生成物を分離し、硫酸アンモニウム溶液残渣初期生成物及び
    炭酸カルシウムケーキ最終生成物をもたらす工程、並びに炭酸カルシウムケーキ最終生成物を保持する工程;
    炭酸カルシウムケーキ最終生成物を、炭酸アンモニウム溶液の一部で洗浄し、その後に水で洗浄し、炭酸アンモニウム洗浄残渣をもたらす工程;
    第2反応器に炭酸アンモニウム洗浄残渣を添加する工程;及び
    硫酸アンモニウム溶液残渣初期生成物の一部を第1反応器にリサイクルし、かつ、硫酸アンモニウム溶液残渣初期生成物の一部を第2反応器にリサイクルする工程。
  2. 硫酸アンモニウム溶液生成物が硫酸アンモニウムを含み、かつ、炭酸カルシウムケーキ生成物が炭酸カルシウムを含み、硫酸アンモニウムと炭酸カルシウムが両方とも97から100%の収率である、請求項1に記載のプロセス。
  3. 硫酸アンモニウム溶液生成物が硫酸アンモニウムを含み、かつ、炭酸カルシウムケーキ生成物が炭酸カルシウムを含み、硫酸アンモニウムと炭酸カルシウムが両方とも100%の収率である、請求項1に記載のプロセス。
  4. プロセスが8から12分の反応の総時間を有する、請求項1に記載のプロセス。
  5. FGD石膏が、より小さな反応表面積を有する粒子状結晶であり、30×30×40ミクロンから40×40×80ミクロンのサイズのプリズム結晶である、請求項1に記載のプロセス。
  6. プロセスが27から38℃の温度で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  7. インペラーミキサー、パドルミキサー、超音波ミキサー及びホモジナイザーからなる群から選択されるミキサーによって、第1反応器及び第2反応器内で混合する工程を更に含む、
    請求項1に記載のプロセス。
  8. 超音波ミキサーが、反応器内で、保持時間1分あたり2−20秒間周期的に運転する、
    請求項7に記載のプロセス。
  9. 分離工程が、遠心分離又はろ過によるものである、請求項1に記載のプロセス。
  10. 請求項1に記載のプロセスであって、汚染物質が、以下の工程を含む酸リンスプロセスによってFGD石膏から除去される上記プロセス:
    FGD石膏スラリーをろ過し、FGD石膏ろ過ケーキをもたらす工程;
    FGD石膏ろ過ケーキを、0.01から10%濃度の硫酸を含む水溶液でリンスし、精製FGD石膏ろ過ケーキをもたらす工程;及び
    精製FGD石膏ろ過ケーキを水でリンスして残留硫酸溶液を除去し、最終精製FGD石膏ろ過ケーキをもたらす工程。
  11. 71−73%のセレン濃度の減少、46−91%のマグネシウムの減少、及び18−36%のアルミニウムの減少があることを特徴とする、請求項10に記載のプロセス。
  12. 廃ろ過液と活性炭を接触させ、セレン濃度を4ppm未満に減少する工程を含むプロセスによって、廃ろ過液が精製される、請求項10に記載のプロセス。
  13. 請求項1に記載のプロセスであって、汚染物質が、以下の工程を含むスラリータンクプロセスによってFGD石膏から除去される上記プロセス:
    FGD石膏の水性スラリーを反応容器に導入する工程;
    0.01から10濃度の硫酸の水溶液を反応容器に導入し、FGD石膏の水性スラリーと混合し、溶液中に汚染物質を含む反応スラリーを生成する工程;
    反応スラリーをろ過して、精製FGD石膏のろ過ケーキ及び廃ろ過液を生成する工程。
  14. 65−73%のセレン濃度の減少、19−90%のマグネシウムの減少、及び19−90%のアルミニウムの減少があることを特徴とする、請求項13に記載のプロセス。
  15. 廃ろ過液と活性炭を接触させ、セレン濃度を4ppm未満に減少する工程を含むプロセスによって、廃ろ過液が精製される、請求項13に記載のプロセス。
  16. 洗浄したFGD石膏ケーキと炭酸アンモニウム溶液とを組み合わせる工程において、洗浄したFGD石膏の量と炭酸アンモニウム溶液の量が、第1反応器へのリサイクルされた硫酸アンモニウム溶液生成物の量と第2反応器へのリサイクルされた硫酸アンモニウム溶液初期生成物の量とを調整することによって調節される、請求項1に記載のプロセス。
  17. 請求項1に記載のプロセスであって、
    第1反応器中及び/又は第2反応器中の反応物の固形物濃度を調節する工程を含み、
    第1反応器中の固形物濃度は、第1反応器からの吐出流量と第1反応器へのリサイクル流入流量を調整することによって調節され、第2反応器中の固形物濃度は、第2反応器からの吐出流量と第2反応器へのリサイクル流入流量を調整することによって調節される、上記プロセス。
  18. 前記炭酸カルシウムケーキ最終生成物が、実質的に立方体形状を有し0.5から4.0ミクロンの範囲のサイズを有する炭酸カルシウム粒子を含む、請求項1に記載のプロセス
  19. FGD石膏を硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換するための連続向流プロセスであって、以下の工程を含む上記プロセス:
    FGD石膏の水性スラリーをろ過し、FGD石膏ろ過液及びFGD石膏ろ過ケーキをもたらす工程;
    FGD石膏ろ過ケーキを水で洗浄し、洗浄水のろ過液を処分する工程;
    第1反応器中で、洗浄したFGD石膏ろ過ケーキと炭酸アンモニウム及び硫酸アンモニウム溶液とを組み合わせて、化学的に反応させ、沈降炭酸カルシウムとFGD石膏残部と炭酸アンモニウム残部とを含む硫酸アンモニウム溶液を形成する工程;
    硫酸アンモニウム溶液から沈降炭酸カルシウムをろ過し、硫酸アンモニウムろ過液生成物及び炭酸カルシウムろ過ケーキ初期生成物をもたらす工程;
    硫酸アンモニウムろ過液生成物の一部を硫酸アンモニウム溶液生成物として保持し、残りの部分を第1反応器中にリサイクルバックする工程;
    第2反応器中で、炭酸カルシウムろ過ケーキ初期生成物と炭酸アンモニウム溶液の一部とを組み合わせて、化学的に反応させ、硫酸アンモニウム溶液初期生成物を形成する工程;
    硫酸アンモニウム溶液初期生成物をろ過し、硫酸アンモニウムろ過液初期生成物及び炭酸カルシウムケーキ最終生成物をもたらす工程、並びに炭酸カルシウムケーキ最終生成物を保持する工程;
    炭酸カルシウムケーキ最終生成物を、未反応の炭酸アンモニウム溶液で洗浄し、その後に水で洗浄し、炭酸アンモニウムと硫酸カルシウムと清浄な炭酸カルシウムケーキ最終生成物とを含む炭酸アンモニウム洗浄ろ過液をもたらす工程;
    第2反応器に炭酸アンモニウム洗浄ろ過液を添加する工程;
    硫酸アンモニウムろ過液初期生成物の一部を第1反応器にリサイクルし、かつ、硫酸アンモニウムろ過液初期生成物の一部を第2反応器にリサイクルする工程;
    吸収塔内に吸収液として炭酸アンモニウム洗浄ろ過液を用い、炭酸アンモニウム洗浄ろ過液とアンモニア及び二酸化炭素とを接触させて炭酸アンモニウムを生成し、プロセス反応物として炭酸アンモニウムをリサイクルする工程。
  20. FGD石膏を硫酸アンモニウム及び炭酸カルシウムに変換するための連続向流プロセスであって、以下の工程を含む上記プロセス:
    FGD石膏の水性スラリーを、ゾーンAとゾーンBの2つのゾーンを有する連続フィルター上でろ過し、ゾーンA内では、水がFGD石膏を洗浄してFGD石膏の廃ろ過液とFGD石膏ろ過ケーキをもたらし、ゾーンB内では、FGD石膏ろ過ケーキが残留炭酸アンモニウムを含む硫酸アンモニウム溶液で洗浄され、プロセス生成物としてより純度の高い硫酸アンモニウム溶液と、炭酸カルシウムを含む反応FGD石膏ろ過ケーキとをもたらす工程;
    第1反応器中で、反応したFGD石膏ろ過ケーキと炭酸アンモニウム溶液及び硫酸アンモニウム溶液とを組み合わせて、化学的に反応させ、沈降炭酸カルシウムとFGD石膏残部と炭酸アンモニウム残部とを含む硫酸アンモニウム溶液を形成する工程;
    硫酸アンモニウム溶液から沈降炭酸カルシウムを分離し、硫酸アンモニウム溶液残渣生成物及び炭酸カルシウムケーキ初期生成物をもたらす工程;
    硫酸アンモニウム溶液残渣生成物の一部を硫酸アンモニウム溶液生成物として保持し、残りの部分を第1反応器中にリサイクルバックする工程;
    第2反応器中で、炭酸カルシウムケーキ初期生成物と炭酸アンモニウム溶液の一部とを組み合わせて、化学的に反応させ、硫酸アンモニウム溶液初期生成物を形成する工程;
    硫酸アンモニウム溶液初期生成物を、ゾーンA、ゾーンB及びゾーンCの3つのゾーンを有する連続フィルター上でろ過する工程であって、硫酸アンモニウム溶液初期生成物は、ゾーンA内でろ過され、硫酸アンモニウムろ過液初期生成物と第2のFGD石膏残部を含む炭酸カルシウムろ過ケーキ最終生成物とをもたらし、ゾーンB内では、炭酸カルシウムろ過ケーキ最終生成物が第2の炭酸アンモニウム溶液で洗浄されて第2のFGD石膏残部を除去し、炭酸アンモニウムろ過液がもたらされ、それが第2反応器にリサイクルされ、ゾーンC内では、炭酸カルシウムろ過ケーキ最終生成物が水で洗浄され、炭酸アンモニウムろ過液がもたらされ、炭酸カルシウムケーキ最終生成物がプロセス生成物として保持される上記工程;
    第2反応器に炭酸アンモニウム洗浄ろ過液をリサイクルする工程;
    硫酸アンモニウムろ過液初期生成物の一部を第1反応器にリサイクルし、硫酸アンモニウムろ過液初期生成物の一部を第2反応器にリサイクルする工程。
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