JP5953489B2 - 米様食品の製造方法及びそれによって得られた米様食品 - Google Patents
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Description
第1ゲル化工程は、寒天と、アルギン酸又はその塩と、グルコマンナンと、を含む原料を水に分散又は加熱溶解してゾル化させたのち、アルカリ性を示さない多価陽イオン溶液を接触させて、アルギン酸又はその塩をゲル化させる工程である。以下、原料について説明する。
寒天は、天草やオゴノリなどの紅藻類から熱水抽出され、ろ過精製しゲル化後脱水乾燥させた乾物である。この乾物状の寒天は、熱水に溶解しゾルとなり、冷えて構造転移してゲルとなるハイドロコロイドである。このゲルは、再加熱により溶解してゾルに戻る熱可逆性の性質を有する。寒天は、熱水溶解したゾルから冷却によりゲルとなりゼリー状食品として一般に使用されている一方で、寒天を様々な形状の乾物にして、溶解せずに水戻ししてサラダなどの具材として、湯戻ししてスープなどの具材として利用されている。
アルギン酸は、褐藻などに含まれる多糖類で、β−D−マンヌロン酸とα−L−グルロン酸がブロック重合したポリマーである。アルギン酸又はその塩は、海藻抽出物を使用することが可能であり、例えばマクロシスティス、アスコフィリウム、ダービリア、レソニア、ラミナリアなどの褐藻類から抽出され、精製、乾燥、粉砕された乾物を用いることができる。
グルコマンナンは、こんにゃく芋などに多く含まれる水溶性の中性多糖類で、D−グルコースとD−マンノースがほぼ2:3のモル比でβ−1,4結合した直鎖状の構造を有している。グルコマンナンとしては、こんにゃく芋から精製した精製グルコマンナンのほか、こんにゃく粉やこんにゃく精粉など精製しないグルコマンナンも使用することができる。
本発明の米様食品には、物性を阻害しない範囲で必要に応じて多糖類、糖類、ミネラル類、色素、機能性成分、乳化剤など他の成分を添加することができる。これらの他の成分は、米様食品の原料に添加することができるほか、成形後など米様食品の製造工程のいずれかの段階で必要に応じて添加することもできる。多糖類としては、カラギナン、ファーセレラン、フェヌグリークガム、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、カシアガム、タマリンドガム、澱粉、化工デンプン、ペクチン、アラビアガム、プルラン、セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−Na)、ジェランガム、脱アシルジェランガム、大豆多糖類、アラビアガムなどを挙げることができる。糖類としては、デキストリン、環状デキストリン、高度分岐環状デキストリン、オリゴ糖、2糖類、単糖類、還元糖など一般的な糖類を使用することができる。ミネラルとしては、成形時にアルギン酸塩と相互作用を起こさないように、成形後に含浸させる方法が好ましい。色素としては、一般的な色素を使用することができ、例えば合成色素、天然色素、顔料、不溶性カルシウムなどを用いることができる。機能性成分としては、酸化防止剤やビタミンなど一般に使用されているものでよい。乳化剤は、合成品、天然物どちらでもよい。
寒天と、アルギン酸又はその塩と、グルコマンナンとを含む原料は、水溶液に溶解してゾル化させる。原料をゾル化するためには、例えば粉末状の原料を水に分散させる方法や、原料を加熱しながら水に溶解させる方法を挙げることができる。前者の方法では、加熱を必要としないため、作業的には簡易であり好ましい。また、後者の方法における加熱温度は、例えば常圧の場合は70〜100℃の範囲内で、また高圧の場合は101℃〜121℃の範囲内で適宜設定することができ、好ましくは85〜100℃の範囲内である。
続いて、上記のゾル化した溶液を、アルカリ性を示さない多価陽イオン溶液と接触させて、アルギン酸又はその塩をゲル化させる。ゲル化反応は、ゾル化後の溶液を多価陽イオン溶液(成形液)に滴下する方法などによって行うことができる。このような多価陽イオンとしては、一般に食品で使用される水溶性の多価陽イオンであれば特に限定されないが、例えばカルシウムイオン(Ca2+)などの二価陽イオンや、鉄イオン(Fe3+)、アルミニウムイオン(Al3+)などの三価陽イオンなどを挙げることができる。このうち特に、アルギン酸やその塩との架橋性が高いカルシウムイオン(Ca2+)が好ましい。このようなカルシウムイオンとしては、例えば塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウムなどのカルシウム塩を挙げることができる。また、これらのカルシウム塩のうち2種類以上を混合して使用してもよい。
第2ゲル化工程は、第1ゲル化工程で得られたゲル化物とアルカリ性溶液を接触させてアルカリ処理を行い、グルコマンナンをゲル化させる工程である。第2ゲル化工程で使用するアルカリ性溶液は、食品の分野で一般的に使用されるアルカリ性溶液であればよく、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウムなどの溶液を挙げることができる。このうち特に、通常のこんにゃくを作るときに使用される水酸化カルシウムが好ましい。水酸化カルシウムの水への溶解度(20℃)は、100mLに対して0.161g程度と低いため、使用濃度は0.03〜0.2重量%であることが好ましく、0.03〜0.15重量%であることがさらに好ましい。使用濃度が0.03重量%より低いとグルコマンナンの脱アセチル化が弱く、米様食品を炊飯したときの食感が悪いばかりかグルコマンナン等の溶け出しが多くなる。また、使用濃度が0.2重量%を上回ると得られる成形物が硬くなりすぎるという問題がある。
第2ゲル化工程の後、必要に応じて脱アルカリ処理工程を行うことができる。脱アルカリ処理工程は、第2ゲル化工程においてゲル化物に付着したアルカリを除去する工程である。本発明において脱アルカリ処理工程は、任意の工程である。脱アルカリ処理工程は、アルカリを含まない水や弱酸性の水などにアルカリ処理後のゲル化物を浸漬することで行うことができる。ゲル化物を浸漬する時間としては、1〜10分程度が好ましい。
第3ゲル化工程は、原料を冷却して寒天をゲル化させる工程である。冷却温度は、寒天がゲル化する凝固点以下であれば特には限定されないが、例えば33℃以下であることが好ましく、30℃以下であることがさらに好ましく、特に25℃以下であることが特に好ましい。第3ゲル化工程は、アルギン酸又はその塩のゲル化(第1ゲル化工程)と同時以降であれば、どの段階で行ってもよく、例えばグルコマンナンのゲル化(第2ゲル化工程)の前後であってもよい。なお、第1ゲル化工程と同時に第3ゲル化工程を行う場合、多価陽イオン溶液を予め冷却しておき、これにゾル化した原料の溶液を滴下することで、アルギン酸又はその塩のゲル化と寒天のゲル化を同時に行うことができる。
脱水・乾燥工程は、上記の第1ゲル化工程から第3ゲル化工程を経て得られたゲル化物の脱水及び乾燥の少なくとも一つを行なう工程である。脱水工程には、冷凍法により氷晶発達させ解凍して脱水する冷凍脱水法、ゲル化物に圧力を徐々に加えて脱水する加圧脱水法などがある。乾燥工程は、必要によりゲル化物を脱水し、乾燥することによって行うことができる。乾燥の方法としては、冷凍脱水法や加圧脱水法により脱水した後に乾燥する方法や、直接真空乾燥する方法、加熱乾燥する方法、フリーズドライによる方法などを挙げることができる。特に、冷凍と解凍を行うことでゲル化物を脱水して乾燥させる方法が好ましい。
成形工程は、ゲル化物を米状に成形する工程である。成形工程は、第1ゲル化工程と同時から乾燥工程後までのいずれかの段階で行うことができる。特に、第1ゲル化工程と同時に成形工程を行う場合は、ゾル化後の溶液を一定量ずつ多価陽イオン溶液と反応させることによってゲル化物を米状に成形することが好ましい。また、第1ゲル化工程の後から乾燥工程後までの間に成形工程を行う場合は、ゲル化物を米状に裁断することで米状に成形することができる。
(実施例1)
表1に示した配合の原料を用い、以下の製造工程を経て実施例の米様食品を得た。具体的には、水1000gに対して表1の組成の原料20gを分散し、90℃にて加熱溶解した。この溶液を70℃に冷却し、10℃に冷却した0.4重量%塩化カルシウム液からなる成形液(凝固液)1000mLに直径3mmのオリフィス(穴)から滴下して成形した。そのまま1時間放置後、成形物を取り出し、0.1重量%水酸化カルシウム液1000mLに入れて1時間放置した後、成形物を取り出した。取り出した成形物を水1000mLに2分間浸漬し、成形物に付着している水酸化カルシウムを除去した。この成形物を−20℃にて冷凍した後、室温で解凍し、加圧脱水したのち、90℃、1時間で熱風乾燥して実施例1の米様食品を得た。水分値10重量%に調整した実施例1の米様食品5gと米80gとを水で洗浄後、水300gとともに炊飯器にて炊飯し米様食品入りの米飯を作製した。
成形液として0.4重量%塩化カルシウム、0.1重量%水酸化カルシウムの2成分の溶解液を使用した以外は、実施例1と同様に米様食品を作製した。実施例1と同様に、水分値10重量%に調整した米様食品5gと米80gを水で洗浄後、水300gとともに炊飯器にて炊飯し米様食品入りの米飯を作製した。
強度は、テクスチャーアナライザー(TAXT−Plus:英弘精機社製、プランジャー(1cm2円柱状、進入速度30mm/分、測定温度60℃):英弘精機社製)を使用し、粒状物3個をプランジャー測定範囲内に置いて圧縮率90%までにおける最高強度の測定を行った。この測定を3回行い、平均値を強度の値として採用した。
付着性は、テクスチャーアナライザー(TAXT−Plus:英弘精機社製、プランジャー(1cm2円柱状、進入速度30mm/分、測定温度60℃):英弘精機社製)を使用し、粒状物3個をプランジャー測定範囲内に置いて圧縮率90%までにおける最大強度を測定後、プランジャーを引き上げ、米様食品がプランジャーから離れるまでの負の最高強度(g)とした。この測定を3回行い、平均値を付着性の値として採用した。
粘りは、テクスチャーアナライザー(TAXT−Plus:英弘精機社製、プランジャー(1cm2円柱状、進入速度30mm/分、測定温度60℃):英弘精機社製)を使用し、粒状物3個をプランジャー測定範囲内に置いて圧縮率90%までにおける最大強度を測定後、プランジャーを引き上げ、米様食品がプランジャーから離れてから強度が0に戻るまでの負の部分の面積値(g・mm)とした。この測定を3回行い、平均値を付着性の値として採用した。
つや及び形状は、目視にて観察した。
溶け出し率は、以下の方法で測定した。まず、乾燥状態の米様食品5gを水500gに入れ、加熱して沸騰状態で20分間放置した。その後、メッシュを使用して固形分を分離し、90℃で乾燥して水分値を始めの乾燥状態と同様にして重量を測定した。得られた重量をもとに、下記の式1により溶け出し率を計算した。
溶け出し率(%)=(A−B)÷A×100 ・・・式(1)
A:乾燥状態の米様食品重量5g
B:沸騰処理後の乾燥状態の米様食品重量(g)
戻り倍率は、米様食品5gを95℃の湯に10分間浸漬後、メッシュを使用して固形分を分離し、固形分の重量を測定し、下記の式(2)により計算した。
戻り倍率(倍)=B÷A ・・・式(2)
A:乾燥状態の米様食品重量5g
B:湯に浸漬後の米様食品重量(g)
実施例1、比較例1の米様食品入り米飯について、パネラー10名により食感評価を行った。評価方法は、以下の基準で評価した。
5点:通常の米飯同様である
3点:通常の米飯に比べ若干違和感があるが問題なく食することができる
1点:通常の米飯に比べ違和感があり食感も劣る
(実施例2〜7、実施例2´〜7´)
表3の配合で実施例2〜7の米様食品を作製した。具体的には、表3の組成の原料20gを水1000gに分散し、90℃にて加熱溶解した。次に、この溶液を、0.4重量%塩化カルシウム液1000mLの成形液に直径5mmのオリフィス(穴)から滴下して成形した。そのまま1時間放置後、成形物を取り出し、0.1重量%水酸化カルシウム液1000mLに入れて1時間放置した後、成形物を取り出した。取り出した成形物を水1000mLに2分間浸漬し、成形物に付着している水酸化カルシウムを除去した。この成形物を−20℃にて冷凍後、解凍、加圧脱水し、90℃、1時間で熱風乾燥して実施例2〜7の米様食品を得た。水分値10重量%に調整した実施例の米様食品5gと米80gとを水で洗浄後、水300gとともに炊飯器にて炊飯し米様食品入りの米飯を作製した。
また、加圧脱水後に熱風乾燥を行わなかったもの(水分値78%)については実施例の米用食品40gと米80gとを水で洗浄後、水260gとともに炊飯器にて炊飯し米様食品入りの米飯を作製した(実施例2´〜7´)。
(実施例8)
以下の手順で実施例8の米様食品を作製した。具体的には、まず寒天(伊那寒天カリコリカン、伊那食品工業社製)25g、グルコマンナン(イナゲルマンナン100、伊那食品工業社製)40g、アルギン酸ナトリウム(イナゲルGS−70)35gを混合した。このうち15gを水1000gに分散させた後、95℃にて加熱溶解した。この溶液を70℃に冷却した後、10℃に冷却した0.4重量%塩化カルシウム液からなる成形液1000mLに直径3mmのオリフィス(穴)から滴下して成形した。そのまま1時間放置後、成形物を取り出し、0.1重量%水酸化カルシウム液1000mLに入れ1時間放置した後、成形物を取り出した。取り出した成形物を水1000mLに2分間浸漬し、成形物に付着している水酸化カルシウムを除去した。この成形物を−20℃にて冷凍した後、室温で解凍し、加圧脱水したのち、90℃、1時間熱風乾燥して実施例8の米様食品を得た。水分値10重量%に調整した実施例8の米様食品5gと米80gとを水で洗浄後、水300gとともに炊飯器にて炊飯し、米様食品入りの米飯を作製した。
アルギン酸ナトリウム(イナゲルGS−70、伊那食品工業社製)13.5g、寒天(伊那寒天カリコリカン、伊那食品工業社製)1.5gを混合し、水1000mLに分散させた後、95℃にて加熱溶解した。これを70℃に冷却した後、10℃に調整した0.5重量%乳酸カルシウム液2000mLからなる成形液に直径3mmのオリフィス(穴)から滴下して成形した。滴下後30分間放置した後、成形物をメッシュにとりカルシウム溶液を分離して回収した。この成形物を−10℃で24時間冷凍した後、室温で解凍し、加圧脱水したのち、90℃にて送風乾燥して比較例2の米様食品を得た。水分値10%に調整した比較例2の米様食品5gと米80gとを水で洗浄後、水300gとともに炊飯器にて炊飯し、米様食品入りの米飯を作製した。
(比較例3:特願2010−293823との比較)
アルギン酸ナトリウム(イナゲルGS−70、伊那食品工業社製)20g、もちこめ澱粉(上越スターチ社製)30gを混合し、水1000mLに分散させた。これを20℃に調整後、20℃に調整した0.5重量%乳酸カルシウム液2000mLからなる成形液に直径3mmのオリフィス(穴)から滴下した。滴下後30分間放置した後、成形物をメッシュにとりカルシウム溶液を分離して回収した。この成形物を−10℃で24時間冷凍した後、室温で解凍し、加圧脱水したのち、90℃にて送風乾燥して比較例3の米様食品を得た。水分値10%に調整した比較例3の米様食品5gと米80gとを水で洗浄後、水300gと共に炊飯器にて炊飯し米様食品入りの米飯を作製した。
(比較例4)
比較例4として、市販の米様食品であるマンナンヒカリ(大塚食品社製)を用意し、実施例8の米様食品と物性を比較した。マンナンヒカリは、こんにゃく精粉を使用した米様食品である。炊飯方法は、米75gを水で洗浄後、実施例8の米様食品又はマンナンヒカリ6gを混ぜて水300gとともに炊飯を行った。その結果を表8に示す。
(実施例9)
本発明に係る米様食品を作製した。具体的には、寒天(伊那寒天UP−37、伊那食品工業社製)25g、グルコマンナン(イナゲルマンナン100、伊那食品工業社製)35g、アルギン酸ナトリウム(イナゲルGS−70)40gを混合した。このうち25gを水1000gに分散させた後、95℃にて加熱溶解した。この溶液を70℃に冷却した後、10℃に冷却した0.4重量%塩化カルシウム液1000mLからなる成形液に直径3mmのオリフィス(穴)から滴下して成形した。そのまま1時間放置後、成形物を取り出し、0.1%水酸化カルシウム液1000mLに入れて1時間放置した後、成形物を取り出した。取り出した成形物を水1000mLに2分間浸漬し、成形物に付着している水酸化カルシウムを除去した。この成形物を−20℃にて冷凍した後、室温で解凍し、加圧脱水したのち、90℃、1時間熱風乾燥して実施例9の米様食品を得た。水分値10%に調整した実施例9の米様食品5gと米80gとを水で洗浄後、水300gとともに炊飯器にて炊飯し米様食品入りの米飯を作製した。
これとは別に、寒天(伊那寒天UP−37、伊那食品工業社製)25g、グルコマンナン(イナゲルマンナン100、伊那食品工業社製)35g、アルギン酸ナトリウム(イナゲルGS−70)40gを混合した。このうち25gを水1000gに分散させたものを加熱溶解せずに室温の0.4重量%塩化カルシウム液1000mLに直径3mmの穴から滴下して成形し、以後は実施例9と同様に作製した米様食品を実施例10とした。水分値10%に調整した実施例10の米様食品5gと米80gとを水で洗浄後、水300gとともに炊飯器にて炊飯し米様食品入りの米飯を作製した。
(実施例11〜13)
以下の手順で実施例11〜13の米様食品を作製した。具体的には、寒天(伊那寒天カリコリカン、伊那食品工業社製)25g、グルコマンナン(イナゲルマンナン100、伊那食品工業社製)40g、アルギン酸ナトリウム(イナゲルGS−70)35gを混合した。このうち15gを水1000gに分散させた後、95℃にて加熱溶解した。この溶液を70℃に冷却した後、10℃に冷却した指定濃度(表10)の塩化カルシウム液1000mLからなる成形液に直径3mmのオリフィス(穴)から滴下して成形した。そのまま1時間放置後、成形物を取り出し、0.1%水酸化カルシウム液1000mLに入れ1時間放置した後、成形物を取り出した。取り出した成形物を水1000mLに2分間浸漬し、成形物に付着している水酸化カルシウムを除去した。この成形物を−20℃にて冷凍した後、室温で解凍し、加圧脱水したのち、90℃、1時間熱風乾燥して実施例11〜13の米様食品を得た。水分値10%に調整した実施例11〜13の米様食品5gと米80gとを水で洗浄後、水300gとともに炊飯器にて炊飯し米様食品入りの米飯を作製した。
(実施例14〜16)
以下の手順で実施例14〜16の米様食品を作製した。具体的には寒天(伊那寒天カリコリカン、伊那食品工業社製)25g、グルコマンナン(イナゲルマンナン100、伊那食品工業社製)40g、アルギン酸ナトリウム(イナゲルGS−70)35gを混合した。このうち15gを水1000gに分散させた後、95℃にて加熱溶解した。この溶液を70℃に冷却した後、10℃に冷却した0.4重量%の塩化カルシウム液1000mLからなる成形液に直径3mmの穴から滴下して成形した。そのまま1時間放置後、成形物を取り出し、指定濃度(表11)の水酸化カルシウム液1000mLに入れ1時間放置した後、成形物を取り出した。取り出した成形物を水1000mLに2分間浸漬し、成形物に付着している水酸化カルシウムを除去した。この成形物を−20℃にて冷凍した後、室温で解凍し、加圧脱水したのち、90℃、1時間熱風乾燥して実施例14〜16の米様食品を得た。水分値10%に調整した実施例14〜16の米様食品5gと米80gとを水で洗浄後、水300gとともに炊飯器にて炊飯し米様食品入りの米飯を作製した。
(実施例17〜19)
実施例8の配合に表12の多糖類を5g添加して混合したものを原料とした。この粉末15gを水1000mLに分散させ、以後は実施例8と同様の方法にて、実施例17〜19の米様食品を作製した。水分値10%に調整した実施例17〜19の米様食品5gと米80gとを水で洗浄後、水300gとともに炊飯器にて炊飯し米様食品入りの米飯を作製した。
Claims (3)
- 寒天、アルギン酸又はその塩、及びグルコマンナンを含む溶液と、アルカリ性を示さない多価陽イオン溶液を接触させて、前記アルギン酸又はその塩をゲル化させる第1ゲル化工程と、
該第1ゲル化工程によって得られたゲル化物と、アルカリ性溶液を接触させて、前記グルコマンナンをゲル化させる第2ゲル化工程と、
冷却して前記寒天をゲル化させる第3ゲル化工程と、を行うことにより、アルギン酸ゲルマトリックス中にグルコマンナンゲルダブルへリックス及び寒天ゲルダブルへリックスが絡み合った構造を形成させる工程と、
前記第1ゲル化工程乃至第3ゲル化工程後に、ゲル化物を脱水させる脱水工程及び乾燥させる乾燥工程の少なくとも一つと、
ゲル化物を米状に成形する成形工程と、を備えたことを特徴とする米様食品の製造方法。 - 前記第2ゲル化工程における前記アルカリ性溶液の使用濃度が0.03〜0.2重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の米様食品の製造方法。
- アルギン酸ゲルマトリックス中にグルコマンナンゲルダブルへリックス及び寒天ゲルダブルへリックスが絡み合った構造を有することを特徴とする米様食品。
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