JP2015173609A - 餅状ゼリー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゼラチングミのように弾力が強すぎず、ペクチンゼリーやスターチゼリーより弾力があり、付着性や糊状感が少なく、適度な歯切れの良さを有し、且つ経時的に物性の変化が少ない安定した食感の餅状ゼリー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】寒天と、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤と、水不溶性食物繊維とを含み、糖度72〜90°であることを特徴とする餅状ゼリー及びその製造方法である。
【選択図】なし
【解決手段】寒天と、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤と、水不溶性食物繊維とを含み、糖度72〜90°であることを特徴とする餅状ゼリー及びその製造方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、餅状ゼリー及びその製造方法に関する。より詳細には、適度な弾力と、歯切れの良さを有し、且つ経時的に物性の変化が少ない安定した食感の餅状ゼリー及びその製造方法に関する。
澱粉やゲル化剤を使用したゼリーは、デザートやお茶請けとして様々な場面に使用されている。特に糖度を高くしたゼリーは、保存性も良く、求肥、グミ、パートドフリュイなど多くの商品が知られている。具体的には、餅粉を使用した求肥、ゼラチンを使用したゼラチングミ、澱粉を使用したスターチゼリー、ペクチンを使用したペクチンゼリーなどが挙げられる。
また、特許文献1には、糖質と油脂と増粘剤と水不溶性食物繊維を含有することを特徴とするチューイングキャンディが記載されており、増粘剤としてゼラチン、ペクチン、プルラン、澱粉等が記載されている。さらに、特許文献2には、ゼラチンと結晶セルロースを使用し、呈味を改善したソフトキャンディーが記載されている。
また、特許文献1には、糖質と油脂と増粘剤と水不溶性食物繊維を含有することを特徴とするチューイングキャンディが記載されており、増粘剤としてゼラチン、ペクチン、プルラン、澱粉等が記載されている。さらに、特許文献2には、ゼラチンと結晶セルロースを使用し、呈味を改善したソフトキャンディーが記載されている。
しかしながら、従来のどのゼリーも独特な食感を有しているが、それぞれに問題点もある。具体的には、餅粉を使用した求肥では、餅粉の老化により経時的に硬くなる、歯への付着性が高いなどの問題がある。また、ゼラチンを使用したゼラチングミでは、弾力が高すぎて咀嚼しにくいなどの問題がある。また、ペクチンゼリーでは、弾力が高いゼリーは作製できないなどの問題がある。また、スターチゼリーでは、弾力に欠け、付着性や糊状感の高いゼリーになり、澱粉の老化により経時的に硬くなるなどの問題がある。
また、特許文献1において、水不溶性食物繊維は、チューイングキャンディに弾力性に富んだ食感を付与することが記載されているように、上記の増粘剤を使用した水難溶性複合体は、弾力性が強いものになってしまうなどの問題がある。
また、特許文献2においては、呈味は改善されたとしても、食感としては歯への付着性が高いという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ゼラチングミのように弾力が強すぎず、ペクチンゼリーやスターチゼリーより弾力があり、付着性や糊状感が少なく、適度な歯切れの良さを有し、且つ経時的に物性の変化が少ない安定した食感の餅状ゼリー及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、以上の目的を達成するために、鋭意検討した結果、寒天と、その他特定のゲル化剤と、水不溶性食物繊維とを併用し、糖度を72〜90°に調製することにより、ゼラチングミのように弾力が強すぎず、ペクチンゼリーやスターチゼリーより弾力があり、スターチゼリーのような付着性や糊状感が少なく、餅粉を使用した求肥のような付着性がなく、適度な歯切れの良さを有し、且つ餅粉や澱粉のみを使用した場合に比べ、経時的に物性の変化が少ない安定した食感の餅状ゼリーを提供できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、寒天と、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤と、水不溶性食物繊維とを含み、糖度72〜90°であることを特徴とする餅状ゼリーに関する。
本発明において、前記寒天の含有量が0.05〜5.0重量%であり、前記水不溶性食物繊維の含有量が0.1〜10.0重量%であることが好ましく、製造後1日経過した餅状ゼリーの20℃におけるゼリー強度が20〜3000g/cm2であり、製造後1日経過した餅状ゼリーの20℃における付着性が20〜1000g/cm2であり、下記式(1)で表される経時変化率が1.0〜1.7であることが好ましい。
さらに、本発明は、少なくとも寒天と、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤とを加熱溶解する工程と、該加熱溶解工程後に糖質を加えて糖度を72〜90°にする工程と、水不溶性食物繊維を添加する工程とを備えることを特徴とする餅状ゼリーの製造方法に関する。
以上のように、本発明によれば、ゼラチングミのように弾力が強すぎず、ペクチンゼリーやスターチゼリーより弾力があり、付着性や糊状感が少なく、適度な歯切れの良さを有し、且つ経時的に物性の変化が少ない安定した食感の餅状ゼリー及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において特に記載がない限り「%」は「重量%」を意味する。
(寒天と、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤と、水不溶性食物繊維との併用)
本発明の特徴は、寒天と、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤と、水不溶性食物繊維とを併用することにある。
本発明の特徴は、寒天と、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤と、水不溶性食物繊維とを併用することにある。
(寒天)
寒天は、テングサやオゴノリなどの紅藻海藻から熱水抽出される多糖類であり、ゲル化剤として、羊羹やみつ豆などに古くから使用されている。中性でゲル化力に富むアガロースと硫酸基などの酸性基が付加したゲル化力の弱いアガロペクチンで構成されており、アガロースとアガロペクチンの割合の違いにより寒天ゲルの食感が異なるため、用途に合わせ様々な食感の寒天が生産されている。
寒天は、テングサやオゴノリなどの紅藻海藻から熱水抽出される多糖類であり、ゲル化剤として、羊羹やみつ豆などに古くから使用されている。中性でゲル化力に富むアガロースと硫酸基などの酸性基が付加したゲル化力の弱いアガロペクチンで構成されており、アガロースとアガロペクチンの割合の違いにより寒天ゲルの食感が異なるため、用途に合わせ様々な食感の寒天が生産されている。
本発明で使用される寒天は、一般的に使用されている寒天であれば、特に問題なく使用することができる。中でも、特許第3758834号に記載されている高粘性寒天が特に好ましい。具体的には、1.5%寒天濃度のゲルにおけるゼリー強度が600g/cm2以下であり、かつ1.5%寒天濃度のゾルにおける粘度が85℃において15cp以上であることが好ましい。商品としては、例えば、伊那寒天大和(伊那食品工業社製)などが挙げられる。
寒天を使用した糖度の高い(糖度72°以上)ゼリー食品を通常の方法(寒天を溶解後、糖質を加えて糖度を上げる方法)にて製造しようとすると、充分な強度を有するゲルを作らず、固まりが弱い水あめ状になり、食感も悪く、べたべたと歯に付着する寒天ゼリーしか得ることができない。寒天がゲルを形成するのは、構成成分であるアガロース分子が分子間結合により2重螺旋構造をとり、それらがさらに会合して3次元の立体構造をとることによるが、糖度が高い(糖度72°以上)と、これらの分子間結合が糖質により阻害されて立体構造がとれず、固まりが弱くなるからである。
寒天を使用した糖度の高い(糖度72°以上)ゼリー食品を通常の方法(寒天を溶解後、糖質を加えて糖度を上げる方法)にて製造しようとすると、充分な強度を有するゲルを作らず、固まりが弱い水あめ状になり、食感も悪く、べたべたと歯に付着する寒天ゼリーしか得ることができない。寒天がゲルを形成するのは、構成成分であるアガロース分子が分子間結合により2重螺旋構造をとり、それらがさらに会合して3次元の立体構造をとることによるが、糖度が高い(糖度72°以上)と、これらの分子間結合が糖質により阻害されて立体構造がとれず、固まりが弱くなるからである。
本発明においては、通常では利用されないような、上記固まりが弱い状態において寒天をあえて使用する。それにより、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤と水不溶性食物繊維との組み合わせにおいて、適度な弾力を持ち、歯への付着性の少ない、製造時の作業性が良好な糖度72〜90°の餅状のゼリーを作ることができる。さらに、特許第3758834号に示された寒天の場合、アガロペクチンが多いため、アガロース分子間の結合が、糖度が低い場合においても比較的弱い。そのため、糖度が高くなった場合でも糖質による影響が少なく、べたべたと歯に付着することが通常の寒天を使用した場合より少なくなるため、通常の寒天を使用した場合よりもさらに付着性の少ない良好なゼリーを作ることができる。
また、本発明における寒天の効果として、餅粉や澱粉のみを使用した場合に比べ、経時的に硬くなる、いわゆる老化現象が軽減されることが挙げられる。この現象は、高糖度の状態で分子間結合が阻害された寒天分子が餅粉や澱粉分子と相互作用していることに起因している。
本発明において、寒天の添加量は、最終製品に対して0.05〜5.0%が好ましく、0.2〜3.0%が特に好ましい。0.05%より少ないと本発明における寒天の効果が表れにくく、5.0%より多いと製造時に溶液の粘性が上がり作業性が悪くなる傾向がある。
本発明において、寒天の添加量は、最終製品に対して0.05〜5.0%が好ましく、0.2〜3.0%が特に好ましい。0.05%より少ないと本発明における寒天の効果が表れにくく、5.0%より多いと製造時に溶液の粘性が上がり作業性が悪くなる傾向がある。
(カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤)
カラギナンは、スギノリ、ツノマタ、イリデヤ、キリンサイなどの紅藻海藻から熱水抽出される多糖類である。カラギナンは、使用する原料によりκ(カッパ)、ι(イオタ)、λ(ラムダ)の3種類に分類される。κタイプは、熱水溶解して冷却するとゲルを作る。ι、λタイプは、冷水に溶けやすくゲル化はほとんどしない。カラギナンは、高糖度で弾力性のあるゲルを作ることが知られている(特開2006−25741号等)。本発明においては、いずれのタイプのカラギナンを使用してもよいが、ιタイプが好ましい。その理由は、κタイプは弾力が強すぎまた作業性も悪くなり、λタイプは他のタイプに比べゲル化力が弱いためである。
また、ファーセレランは、紅藻海藻のファセラリアから熱水抽出される多糖類でκカラギナンと類似の性質を有する。
カラギナンは、スギノリ、ツノマタ、イリデヤ、キリンサイなどの紅藻海藻から熱水抽出される多糖類である。カラギナンは、使用する原料によりκ(カッパ)、ι(イオタ)、λ(ラムダ)の3種類に分類される。κタイプは、熱水溶解して冷却するとゲルを作る。ι、λタイプは、冷水に溶けやすくゲル化はほとんどしない。カラギナンは、高糖度で弾力性のあるゲルを作ることが知られている(特開2006−25741号等)。本発明においては、いずれのタイプのカラギナンを使用してもよいが、ιタイプが好ましい。その理由は、κタイプは弾力が強すぎまた作業性も悪くなり、λタイプは他のタイプに比べゲル化力が弱いためである。
また、ファーセレランは、紅藻海藻のファセラリアから熱水抽出される多糖類でκカラギナンと類似の性質を有する。
カラギナンまたはファーセレランの添加量は、最終製品に対して0.05〜5.0%が好ましく、0.2〜3.0%が特に好ましい。0.05%より少ないと本発明におけるカラギナンまたはファーセレランの効果が表れにくく、5.0%より多いと製造時に溶液の粘性が上がり作業性が悪くなる場合がある。
餅粉は、餅状ゼリーである求肥を作る時に使用される通常の餅粉を使用することができる。餅粉の添加量は、最終製品に対して1.0〜20.0%が好ましい。20.0%より多いと作業性が悪くなる場合があり、1.0%より少ないと他のゲル化剤と併用したときに、餅粉の特性が得られない場合がある。
HMペクチンは、ペクチンゼリーを作る際に使用されるものであれば特に限定はない。HMペクチンの添加量は、最終製品に対して0.1〜2.0%が好ましい。2.0%より多いと作業性が悪くなる場合があり、0.1%より少ないと他のゲル化剤と併用したときに、HMペクチンの特性が得られない場合がある。
澱粉は、スターチゼリーを作る時に使用される通常の澱粉を使用することができる。澱粉の添加量は、最終製品に対して1.0〜20.0%が好ましい。20.0%より多いと作業性が悪くなる場合があり、1.0%より少ないと他のゲル化剤と併用したときに、澱粉の特性が得られない場合がある。
ゼラチンは、ゼラチングミを作る時に使用される通常のゼラチンを使用することができる。ゼラチンの添加量は、最終製品に対して0.5〜12.0%が好ましい。12.0%より多いと作業性が悪く場合があり、ゼリーの粘弾性が高くなりすぎる場合がある。0.5%より少ないと他のゲル化剤と併用したときに、ゼラチンの特性が得られない場合がある。
上記ゲル化剤は、得られるゼリーの付着性がより少なくなる点から、カラギナン、ファーセレランがより好ましい。また、上記ゲル化剤は、一種を単独で用いても、二種以上を併用して用いてもよいが、二種以上を併用する場合においては、それぞれのゲル化剤が上記の添加量をそれぞれに満たしていることが好ましい。
(水不溶性食物繊維)
本発明で使用する水に不溶の食物繊維は、パルプ由来、小麦由来、オート麦由来、大麦由来、サトウキビ由来、馬鈴薯由来、コーン由来、アップル由来、グレープシード由来、オレンジ由来、ビート由来、大豆由来、エンドウ豆由来、海藻由来など特に原料には限定されない。本発明における水不溶性食物繊維の効果は、製造時において、寒天と、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤だけであると、曳糸性が強く充填性に劣るが、水不溶性食物繊維を入れることにより曳糸性が減少し、まとまりがよくなり成形が容易になる。また、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤のみを使用した場合のゼリーは粘弾性が強いが、水不溶性食物繊維が存在することにより、ゼリー組織に不連続相を作り適度に腰を切ることにより、歯への付着性が少ない餅状ゼリーを製造することができる。
本発明で使用する水に不溶の食物繊維は、パルプ由来、小麦由来、オート麦由来、大麦由来、サトウキビ由来、馬鈴薯由来、コーン由来、アップル由来、グレープシード由来、オレンジ由来、ビート由来、大豆由来、エンドウ豆由来、海藻由来など特に原料には限定されない。本発明における水不溶性食物繊維の効果は、製造時において、寒天と、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤だけであると、曳糸性が強く充填性に劣るが、水不溶性食物繊維を入れることにより曳糸性が減少し、まとまりがよくなり成形が容易になる。また、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤のみを使用した場合のゼリーは粘弾性が強いが、水不溶性食物繊維が存在することにより、ゼリー組織に不連続相を作り適度に腰を切ることにより、歯への付着性が少ない餅状ゼリーを製造することができる。
水不溶性食物繊維の形状は、粒子状、繊維状など特に限定されない。粒子状の場合の平均粒子径は、30〜400μmが好ましい。30μmより小さいと水不溶性食物繊維粒子の凝集が起こるため、分散性が悪くゼリー中に均一に分散しづらくなる。400μmより大きいと粒子の比表面積が少なくなるため不連続相を作る効果が弱くなり、本発明の効果が弱くなる。水不溶性食物繊維が繊維状の場合、平均繊維長は10〜1000μmが好ましい。10μmより小さいと水不溶性食物繊維粒子の凝集が起こるため、分散性が悪くゼリー中に均一に分散しにくくなる。1000μmより大きいと繊維の絡み合いが生じ分散性が劣る他、ゼリーを食した時に違和感を生ずる場合がある。
最終製品における水不溶性食物繊維の含有量は、0.1〜10.0%が好ましく、0.5〜7.0%が特に好ましい。0.1%より少ないと本発明における水不溶性食物繊維の効果が弱く、10.0%より多いと水不溶性食物繊維の吸水膨潤により作業性が悪くなり、さらに食感も悪くなる場合がある。
なお、市販されている水不溶性食物繊維には、原料由来による水溶性食物繊維を含むものもあるが、本発明の効果を妨げるものでないので、問題なく使用することができる。
(糖度)
本発明の餅状ゼリーの糖度は、72〜90°であるが、72〜85°が特に好ましい。72°より低いと寒天のゲル化が強くなり本発明の餅状ゼリーの食感を得ることができない。使用する糖質は、特に限定されず、単糖、2糖、オリゴ糖、デキストリン、サイクロデキストリン、これらの還元糖、などであればよい。具体的には、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、ショ糖、麦芽糖、トレハロース、水あめ、マルトトリオース、マルトテトラオースなどのオリゴ糖、デキストリンなど一般に食品に使用される糖質である。
本発明の餅状ゼリーの糖度は、72〜90°であるが、72〜85°が特に好ましい。72°より低いと寒天のゲル化が強くなり本発明の餅状ゼリーの食感を得ることができない。使用する糖質は、特に限定されず、単糖、2糖、オリゴ糖、デキストリン、サイクロデキストリン、これらの還元糖、などであればよい。具体的には、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、ショ糖、麦芽糖、トレハロース、水あめ、マルトトリオース、マルトテトラオースなどのオリゴ糖、デキストリンなど一般に食品に使用される糖質である。
(ゼリー強度(硬さ))
本発明の餅状ゼリーは、テクスチャーアナライザーを使用して、後述する実施例の方法で測定した、製造後1日経過した餅状ゼリーの20℃におけるゼリー強度が20〜3000g/cm2が好ましく、50〜2000g/cm2がさらに好ましい。ゼリー強度が20g/cm2より低いと保形性が弱く、食感が悪くなり付着性も増加する傾向にある。ゼリー強度が3000g/cm2より高いと餅状の食感が弱くなる傾向がある。
本発明の餅状ゼリーは、テクスチャーアナライザーを使用して、後述する実施例の方法で測定した、製造後1日経過した餅状ゼリーの20℃におけるゼリー強度が20〜3000g/cm2が好ましく、50〜2000g/cm2がさらに好ましい。ゼリー強度が20g/cm2より低いと保形性が弱く、食感が悪くなり付着性も増加する傾向にある。ゼリー強度が3000g/cm2より高いと餅状の食感が弱くなる傾向がある。
(付着性)
本発明の餅状ゼリーでは、ゼリー強度を測定する際、ゼリー強度測定後、プランジャーを引き上げ(20mm/分)、プランジャーがゼリーから抜けるまでの負の最高強度を付着性として評価した。本発明において、製造後1日経過した餅状ゼリーの20℃における付着性は、20〜1000g/cm2であることが好ましく、20〜800g/cm2であることがさらに好ましい。付着性が20g/cm2より低いと餅状の食感が弱くなる傾向がある。また、付着性が1000g/cm2より高いと歯への付着が強くなる傾向がある。
本発明の餅状ゼリーでは、ゼリー強度を測定する際、ゼリー強度測定後、プランジャーを引き上げ(20mm/分)、プランジャーがゼリーから抜けるまでの負の最高強度を付着性として評価した。本発明において、製造後1日経過した餅状ゼリーの20℃における付着性は、20〜1000g/cm2であることが好ましく、20〜800g/cm2であることがさらに好ましい。付着性が20g/cm2より低いと餅状の食感が弱くなる傾向がある。また、付着性が1000g/cm2より高いと歯への付着が強くなる傾向がある。
(融点)
本発明の餅状ゼリーは、融点が50〜100℃が好ましい。例えばゼラチングミのように、ゼリーの融点が低すぎると夏場に溶解してしまう場合があるが、本発明の餅状ゼリーのように融点が50℃以上あれば、温度の高い環境下であってもゼリーの溶解を防ぐことができる。
本発明の餅状ゼリーは、融点が50〜100℃が好ましい。例えばゼラチングミのように、ゼリーの融点が低すぎると夏場に溶解してしまう場合があるが、本発明の餅状ゼリーのように融点が50℃以上あれば、温度の高い環境下であってもゼリーの溶解を防ぐことができる。
(pH)
本発明の餅状ゼリーは、pHに影響されず安定した物性の餅状ゼリーを作ることができる。このため、果汁を添加して酸味を持った餅状ゼリーを作ることもできる。これにより、様々な種類の商品が製造可能となり、商品の種類を増やすことが可能になる。
本発明の餅状ゼリーは、pHに影響されず安定した物性の餅状ゼリーを作ることができる。このため、果汁を添加して酸味を持った餅状ゼリーを作ることもできる。これにより、様々な種類の商品が製造可能となり、商品の種類を増やすことが可能になる。
(添加物)
本発明においては、本発明の効果を妨げない範囲で添加物を使用してもよい。添加物としては、増粘多糖類、酸味料、色素、香料、高甘味料、機能性成分などを添加することができる。増粘多糖類としては、アルギン酸塩、フノリ抽出物、フェヌグリークガム、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、カシアガム、グルコマンナン、タマリンドガム、LMペクチン、キサンタンガム、サクシノグルカン、ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カードラン、プルラン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アラビアガム、トラガントガムなどが挙げられる。酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、フィチン酸、及びこれらの塩などが挙げられる。高甘味料としては、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、サッカリンナトリウム、ステビア、羅漢果、ネオテームなどが挙げられる。機能性成分としては、ビタミン、ミネラル、機能性オリゴ糖、アガロオリゴ糖、各種ポリフェノール、生薬成分などが挙げられる。
本発明においては、本発明の効果を妨げない範囲で添加物を使用してもよい。添加物としては、増粘多糖類、酸味料、色素、香料、高甘味料、機能性成分などを添加することができる。増粘多糖類としては、アルギン酸塩、フノリ抽出物、フェヌグリークガム、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、カシアガム、グルコマンナン、タマリンドガム、LMペクチン、キサンタンガム、サクシノグルカン、ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、カードラン、プルラン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アラビアガム、トラガントガムなどが挙げられる。酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、フィチン酸、及びこれらの塩などが挙げられる。高甘味料としては、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、サッカリンナトリウム、ステビア、羅漢果、ネオテームなどが挙げられる。機能性成分としては、ビタミン、ミネラル、機能性オリゴ糖、アガロオリゴ糖、各種ポリフェノール、生薬成分などが挙げられる。
(製造方法)
本発明の餅状ゼリーは、一般的なゼリーの製造方法で作ることができる。具体的には、寒天、ゲル化剤、不溶性食物繊維を水に分散後、加熱溶解する。これに糖質や添加物を加えて冷却し、ゲル化させることで製造することができる。添加物として酸味料を添加する場合には、寒天及びゲル化剤の溶解液が80℃以下になったら加えることが好ましい。水不溶性食物繊維は、寒天及びゲル化剤を加熱溶解した後や糖質を加えた後など任意の段階で加えることができる。
本発明の餅状ゼリーは、一般的なゼリーの製造方法で作ることができる。具体的には、寒天、ゲル化剤、不溶性食物繊維を水に分散後、加熱溶解する。これに糖質や添加物を加えて冷却し、ゲル化させることで製造することができる。添加物として酸味料を添加する場合には、寒天及びゲル化剤の溶解液が80℃以下になったら加えることが好ましい。水不溶性食物繊維は、寒天及びゲル化剤を加熱溶解した後や糖質を加えた後など任意の段階で加えることができる。
さらに、本発明の製造方法の特徴として、通常では寒天が充分にゲル化しないため従来は行われていない、寒天を溶解後に糖質を加えて糖度を72〜90°にする工程を行うことにより、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤の高糖度ゼリーの強すぎる粘弾性を減少させ、適度な歯切れを持たせている。また、従来は行われていない、水不溶性食物繊維でゼリーに不連続相を作る工程を行うことにより、粘弾性の高いゼリーの腰を切って付着性を減少させ、適度な歯切れの餅状ゼリーを作ることができる。つまり、寒天と、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤と、水不溶性食物繊維とを併用し、糖度を72〜90°に調製することにより、本発明の効果は成し遂げられる。
上記製造方法によって得られた本発明の餅状ゼリーは、例えば澱粉のみを使用した従来のゼリーとは異なり、経時的な物性変化(老化現象)が少なく、長期間にわたり物性の安定した餅状ゼリーとなる。具体的には、製造後1日経過したものと製造後30日経過したものとで餅状ゼリーの硬さの比(製造後30日経過した餅状ゼリーの20℃におけるゼリー強度(g/cm2)÷製造後1日経過した餅状ゼリーの20℃におけるゼリー強度(g/cm2))が1.0〜1.7が好ましく、1.0〜1.5がより好ましい。本願においては、この硬さの比を経時変化率と規定する。このため、賞味期間が従来のゼリーに比べ極端に長くなる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。
まず、実施例に使用した材料を以下に示した。
寒天1:伊那寒天S−7(伊那食品工業社製)
寒天2:伊那寒天Z−10(伊那食品工業社製)
寒天3:伊那寒天UP−37(伊那食品工業社製)
寒天4:伊那寒天大和(伊那食品工業社製)
寒天5:ウルトラ寒天BX−200(伊那食品工業社製)
カラギナン1:イナゲルE−150(伊那食品工業社製)κタイプ
カラギナン2:イナゲルV−120(伊那食品工業社製)ιタイプ
カラギナン3:イナゲルV−240(伊那食品工業社製)λタイプ
ファーセレラン:ファーセレラン(伊那食品工業社製)
水不溶性食物繊維1:小麦ファイバー(Fiニュートリション社製)
水不溶性食物繊維2:大麦ファイバー(大麦発酵研究所社製)
水不溶性食物繊維3:オート麦ファイバー(Fiニュートリション社製)
水不溶性食物繊維4:コーンファイバー(日本食品化工社製)
水不溶性食物繊維5:ビートファイバー(日本甜菜製糖社製)
水不溶性食物繊維6:サトウキビファイバー(Fiニュートリション社製)
水不溶性食物繊維7:ポテトファイバー(Fiニュートリション社製)
水不溶性食物繊維8:アップルファイバー(Fiニュートリション社製)
水不溶性食物繊維9:オレンジファイバー(DSP五協フード&ケミカル社製)
水不溶性食物繊維10:大豆ファイバー(デュポン ソレイ社製)
水不溶性食物繊維11:エンドウファイバー(オルガノフードテック社製)
水不溶性食物繊維12:夕顔ファイバー(イワキ社製)
グアーガム:イナゲルGR−10(伊那食品工業社製)
タラガム:イナゲルタラガムA(伊那食品工業社製)
ローカストビーンガム:イナゲルL−15(伊那食品工業社製)
グルコマンナン:イナゲルマンナン100(伊那食品工業社製)
タマリンドガム:グリロイド3S(DSP五協フード&ケミカル社製)
澱粉:クリアセット75505(セレスター社製)
化工澱粉:ゆり8(松谷化学工業社製)
餅粉:紫(日の本穀粉社製)
HMペクチン1:イナゲルJP−10(伊那食品工業社製)
HMペクチン2:イナゲルJP−30(伊那食品工業社製)
キサンタンガム:イナゲルV−10(伊那食品工業社製)
ジェランガム:ケルコゲル(CPケルコ社製)
ネイティブ型ジェランガム:LT−100(CPケルコ社製)
プルラン:PI−20(林原商事社製)
ゼラチン:イナゲルN−150(伊那食品工業社製)
大豆多糖類:ソヤファイブS(不二製油社製)
CMC−Na:セロゲンF−90 7A(第一工業製薬社製)
アルギン酸塩:アルギン酸Na、イナゲルGS−70(伊那食品工業社製)
フノリ抽出物:フノリ抽出物(伊那食品工業社製)
メチルセルロース:MCE−1500(信越化学工業社製)
ヒドロキシメチルセルロース:SFE−4000(信越化学工業社製)
アラビアガム:アラビアガムA(伊那食品工業社製)
アスパルテーム:味の素社製
スクラロース:サンスイート(三栄源FFI社製)
アセスルファムK:サネットD(キリン協和フーズ社製)
クエン酸:磐田化学社製
クエン酸ナトリウム:磐田化学社製
砂糖:東洋精糖社製
水あめ:マルトラップ(糖度75°)(林原商事社製)
アガロオリゴ糖:伊那食品工業社製
寒天1:伊那寒天S−7(伊那食品工業社製)
寒天2:伊那寒天Z−10(伊那食品工業社製)
寒天3:伊那寒天UP−37(伊那食品工業社製)
寒天4:伊那寒天大和(伊那食品工業社製)
寒天5:ウルトラ寒天BX−200(伊那食品工業社製)
カラギナン1:イナゲルE−150(伊那食品工業社製)κタイプ
カラギナン2:イナゲルV−120(伊那食品工業社製)ιタイプ
カラギナン3:イナゲルV−240(伊那食品工業社製)λタイプ
ファーセレラン:ファーセレラン(伊那食品工業社製)
水不溶性食物繊維1:小麦ファイバー(Fiニュートリション社製)
水不溶性食物繊維2:大麦ファイバー(大麦発酵研究所社製)
水不溶性食物繊維3:オート麦ファイバー(Fiニュートリション社製)
水不溶性食物繊維4:コーンファイバー(日本食品化工社製)
水不溶性食物繊維5:ビートファイバー(日本甜菜製糖社製)
水不溶性食物繊維6:サトウキビファイバー(Fiニュートリション社製)
水不溶性食物繊維7:ポテトファイバー(Fiニュートリション社製)
水不溶性食物繊維8:アップルファイバー(Fiニュートリション社製)
水不溶性食物繊維9:オレンジファイバー(DSP五協フード&ケミカル社製)
水不溶性食物繊維10:大豆ファイバー(デュポン ソレイ社製)
水不溶性食物繊維11:エンドウファイバー(オルガノフードテック社製)
水不溶性食物繊維12:夕顔ファイバー(イワキ社製)
グアーガム:イナゲルGR−10(伊那食品工業社製)
タラガム:イナゲルタラガムA(伊那食品工業社製)
ローカストビーンガム:イナゲルL−15(伊那食品工業社製)
グルコマンナン:イナゲルマンナン100(伊那食品工業社製)
タマリンドガム:グリロイド3S(DSP五協フード&ケミカル社製)
澱粉:クリアセット75505(セレスター社製)
化工澱粉:ゆり8(松谷化学工業社製)
餅粉:紫(日の本穀粉社製)
HMペクチン1:イナゲルJP−10(伊那食品工業社製)
HMペクチン2:イナゲルJP−30(伊那食品工業社製)
キサンタンガム:イナゲルV−10(伊那食品工業社製)
ジェランガム:ケルコゲル(CPケルコ社製)
ネイティブ型ジェランガム:LT−100(CPケルコ社製)
プルラン:PI−20(林原商事社製)
ゼラチン:イナゲルN−150(伊那食品工業社製)
大豆多糖類:ソヤファイブS(不二製油社製)
CMC−Na:セロゲンF−90 7A(第一工業製薬社製)
アルギン酸塩:アルギン酸Na、イナゲルGS−70(伊那食品工業社製)
フノリ抽出物:フノリ抽出物(伊那食品工業社製)
メチルセルロース:MCE−1500(信越化学工業社製)
ヒドロキシメチルセルロース:SFE−4000(信越化学工業社製)
アラビアガム:アラビアガムA(伊那食品工業社製)
アスパルテーム:味の素社製
スクラロース:サンスイート(三栄源FFI社製)
アセスルファムK:サネットD(キリン協和フーズ社製)
クエン酸:磐田化学社製
クエン酸ナトリウム:磐田化学社製
砂糖:東洋精糖社製
水あめ:マルトラップ(糖度75°)(林原商事社製)
アガロオリゴ糖:伊那食品工業社製
次に、実施例で使用した物性測定方法を以下に示した。
<物性測定項目>
糖度:糖度計にて測定した。(糖度計:アタゴ社製)
食感:官能検査を行い下記の評価基準で示した。
A:適度な弾力と歯切れを有する従来にない餅状食感であり歯への付着もない
B:弾力性が強すぎる
C:付着性が高くなりベトツキ感がある
D:糊状感が強い
E:ゲル性が高く脆いゲルとなり餅状食感ではない
<物性測定項目>
糖度:糖度計にて測定した。(糖度計:アタゴ社製)
食感:官能検査を行い下記の評価基準で示した。
A:適度な弾力と歯切れを有する従来にない餅状食感であり歯への付着もない
B:弾力性が強すぎる
C:付着性が高くなりベトツキ感がある
D:糊状感が強い
E:ゲル性が高く脆いゲルとなり餅状食感ではない
ゼリー強度:測定機としては、テクスチャーアナライザー(TX−Puls、英弘精機社製)を使用した。製造後1日経過したものの検体は、餅状ゼリーを製造する際、直径50mm,高さ30mmの容器に充填して冷却、ゲル化させ、これに蓋等をして表面からの蒸発を防ぎ、20℃にて24時間保管し、測定検体とした。製造後30日経過したものの検体は、餅状ゼリーが充填された容器をアルミニウムのラミネートフィルム袋に密閉し20℃の恒温機内で30日保存し、測定検体とした。テクスチャーアナライザーの測定条件は、プランジャー:断面積1cm2の長さ3cmの円柱状(プラスチィック製の付属品)、進入速度:20mm/分、測定温度:20℃、進入距離:20mmとし、進入距離20mmまでの最高強度をゼリー強度とした。
付着性:ゼリー強度を測定する際、ゼリー強度測定後、プランジャーを引き上げ(20mm/分)、プランジャーがゼリーから抜けるまでの負の最高強度を付着性として評価した。
(実験例1:寒天、ゲル化剤、水不溶性食物繊維の効果)
表1〜4に示した配合に最終製品がなるように餅状ゼリーを1000g作製した。具体的には、水に寒天、ゲル化剤、水不溶性食物繊維のうち該当する成分を分散し沸騰溶解した。ただし、溶解の水の量は100gを上乗せして使用し蒸発分を考慮した。溶解後、砂糖、マルトラップを加え加熱した。HMペクチンを使用したものは、砂糖、マルトラップを溶解後にクエン酸、クエン酸ナトリウムを添加し溶解し、100mLビーカーに100gずつ充填した。これを室温に冷却した後、蓋をして水分の蒸発を防ぎ、20℃にて1日放置後、物性を測定した。また、30日経過後の物性を測定し経時変化率を比較した。結果を表5に示した。
また、ゲル化剤としてカラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉、及びゼラチン以外のもの、具体的には、ジェランガム、ネイティブ型ジェランガムを使用した場合についても同様に試験した。
表1〜4に示した配合に最終製品がなるように餅状ゼリーを1000g作製した。具体的には、水に寒天、ゲル化剤、水不溶性食物繊維のうち該当する成分を分散し沸騰溶解した。ただし、溶解の水の量は100gを上乗せして使用し蒸発分を考慮した。溶解後、砂糖、マルトラップを加え加熱した。HMペクチンを使用したものは、砂糖、マルトラップを溶解後にクエン酸、クエン酸ナトリウムを添加し溶解し、100mLビーカーに100gずつ充填した。これを室温に冷却した後、蓋をして水分の蒸発を防ぎ、20℃にて1日放置後、物性を測定した。また、30日経過後の物性を測定し経時変化率を比較した。結果を表5に示した。
また、ゲル化剤としてカラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉、及びゼラチン以外のもの、具体的には、ジェランガム、ネイティブ型ジェランガムを使用した場合についても同様に試験した。
以上のように、寒天と、ゲル化剤としてカラギナン、餅粉、HMペクチン、澱粉、ゼラチンのいずれかと、水不溶性食物繊維とを併用することにより、適度な弾力と歯切れを有する従来にない餅状食感であり歯への付着もない餅状ゼリーができた。また、経時変化率においても硬さの変化が少なかった。
(実験例2:寒天、ゲル化剤、水不溶性食物繊維の配合量)
表6〜11に示した配合に最終製品がなるように餅状ゼリーを1000g作製した。具体的には、水に寒天、ゲル化剤、水不溶性食物繊維のうち該当する成分を分散し沸騰溶解した。ただし、溶解の水の量は100gを上乗せして使用し蒸発分を考慮した。溶解後、砂糖、マルトラップを加え加熱し、最終重量を水で補正して糖度を調整した。LMペクチンを使用したものは、砂糖、マルトラップを溶解後にクエン酸、クエン酸ナトリウムを添加し溶解した後、食感確認用に5gに小分けを行い、及びゼリー強度、付着性測定用の容器に充填した。これを室温に冷却して後、蓋をして水分の蒸発防ぎ、20℃にて1日放置後、実験例1と同様にして物性を測定した。また、実験例1と同様に30日経過後の物性を測定し経時変化率を比較した。結果を表12に示した。
表6〜11に示した配合に最終製品がなるように餅状ゼリーを1000g作製した。具体的には、水に寒天、ゲル化剤、水不溶性食物繊維のうち該当する成分を分散し沸騰溶解した。ただし、溶解の水の量は100gを上乗せして使用し蒸発分を考慮した。溶解後、砂糖、マルトラップを加え加熱し、最終重量を水で補正して糖度を調整した。LMペクチンを使用したものは、砂糖、マルトラップを溶解後にクエン酸、クエン酸ナトリウムを添加し溶解した後、食感確認用に5gに小分けを行い、及びゼリー強度、付着性測定用の容器に充填した。これを室温に冷却して後、蓋をして水分の蒸発防ぎ、20℃にて1日放置後、実験例1と同様にして物性を測定した。また、実験例1と同様に30日経過後の物性を測定し経時変化率を比較した。結果を表12に示した。
(実験例3:糖度)
表13に示した配合に最終製品がなるように餅状ゼリーを1000g作製した。具体的には、水に寒天、ゲル化剤、水不溶性食物繊維のうち該当する成分を分散し沸騰溶解した。ただし、溶解の水の量は100gを上乗せして使用し蒸発分を考慮した。溶解後、砂糖、マルトラップを加え加熱し、最終重量を水で補正して糖度を調整した。食感確認用に5gに小分けを行い、及びゼリー強度、付着性測定用の容器に充填した。これを室温に冷却した後、蓋をして水分の蒸発防ぎ、20℃にて1日放置後、実験例1と同様にして物性を測定した。また、実験例1と同様に30日経過後の物性を測定し経時変化率を比較した。結果を表14に示した。
表13に示した配合に最終製品がなるように餅状ゼリーを1000g作製した。具体的には、水に寒天、ゲル化剤、水不溶性食物繊維のうち該当する成分を分散し沸騰溶解した。ただし、溶解の水の量は100gを上乗せして使用し蒸発分を考慮した。溶解後、砂糖、マルトラップを加え加熱し、最終重量を水で補正して糖度を調整した。食感確認用に5gに小分けを行い、及びゼリー強度、付着性測定用の容器に充填した。これを室温に冷却した後、蓋をして水分の蒸発防ぎ、20℃にて1日放置後、実験例1と同様にして物性を測定した。また、実験例1と同様に30日経過後の物性を測定し経時変化率を比較した。結果を表14に示した。
以上のように、糖度72〜90°において良好な結果が得られた。
(実験例4:他の食物繊維)
実施例1の水不溶性食物繊維1の変わりに表15に示した水不溶性食物繊維9〜12を使用して実施例1と同様に試験を行い結果を表16に示した。
実施例1の水不溶性食物繊維1の変わりに表15に示した水不溶性食物繊維9〜12を使用して実施例1と同様に試験を行い結果を表16に示した。
(実験例5:添加物)
実施例1の配合に加え、表17に示した添加物を溶解時に0.01%添加して実施例1と同様に試験を行い、結果を表18に示した。
実施例1の配合に加え、表17に示した添加物を溶解時に0.01%添加して実施例1と同様に試験を行い、結果を表18に示した。
以上のように、添加物により物性が阻害されず、且つ若干のゼリー強度上昇が見られ、良好な結果が得られた。
(実験例6:微量添加物)
実施例1の配合に、微量添加物として表19に示した成分をゲル化剤を溶解後に添加した。その結果、物性に影響を与えず実施例1と同様な結果であった。
実施例1の配合に、微量添加物として表19に示した成分をゲル化剤を溶解後に添加した。その結果、物性に影響を与えず実施例1と同様な結果であった。
Claims (4)
- 寒天と、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤と、水不溶性食物繊維とを含み、糖度72〜90°であることを特徴とする餅状ゼリー。
- 前記寒天の含有量が0.05〜5.0重量%であり、前記水不溶性食物繊維の含有量が0.1〜10.0重量%であることを特徴とする請求項1記載の餅状ゼリー。
- 少なくとも寒天と、カラギナン、ファーセレラン、餅粉、HMペクチン、澱粉及びゼラチンより選択される一種以上のゲル化剤とを加熱溶解する工程と、
該加熱溶解工程後に糖質を加えて糖度を72〜90°にする工程と、
水不溶性食物繊維を添加する工程と
を備えることを特徴とする餅状ゼリーの製造方法。
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---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018027041A (ja) * | 2016-08-18 | 2018-02-22 | 長岡香料株式会社 | 餅状食品 |
KR20190048239A (ko) * | 2017-10-31 | 2019-05-09 | 롯데제과 주식회사 | 떡과 유사한 식감의 젤리 조성물 및 이의 제조방법 |
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JP7129114B1 (ja) | 2021-03-31 | 2022-09-01 | 伊那食品工業株式会社 | 高糖度寒天ゲル状食品 |
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-
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- 2014-03-13 JP JP2014050623A patent/JP2015173609A/ja active Pending
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