JP3879022B2 - ゲル状キトサン成形物とそれを含有する食品およびゲル状キトサン成形物の食感改質法 - Google Patents

ゲル状キトサン成形物とそれを含有する食品およびゲル状キトサン成形物の食感改質法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、特定保健用食品素材であるキトサンを食品に含有させる際、キトサン特有の収斂味がなく、食感が良好となるように加工したゲル状キトサン成形物とそれを用いた食品とそのゲル状キトサン成形物の食感改質法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
キトサンはN‐アセチル基のないD‐グルコサミンの重合体であり、そのために塩基性を示し、純水には溶けないが酸性の水に溶け、アルカリ性にすると溶けなくなる性質を有している。このような性質を有するキトサンは食物繊維としての有用性が認められて栄養補助食品に指定されている。キトサンは食物中の油脂やコレステロール、核酸類を吸着してそれらの吸収を阻害する効果があり、その結果、血液中性脂肪、コレステロールおよび尿酸値の上昇を防止する。従って、当該キトサンは特定保健用食品素材として応用されたり、食品に添加する技術などが多方面で研究、開発されている。その一例として、キトサンを酸性水溶液に溶解した後、このキトサン溶液をノズルからアルカリ性溶液中に押し出して成形し、その後洗浄して得られるキトサン成形物を含有することを特徴とする食品が開示されている(特開平6−292520)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例の方法で加工されたキトサン成形物は、キトサン特有の収斂味がなく、好適な食感も優れているとされているが、消費者は満足しておらず、商品化は困難であった。即ち、キトサンを単独原料として製造された成形物は食感的に硬く、弾力性にも欠けているため、たとえ粒状や糸状に成形しても、そのまま食するには食感が悪く食べ難いものであった。このため、キトサンを単独原料として製造された成形物を食品に含有させるためには、その添加量を少なくしてキトサン成形物自体の食感を目立たなくさせる必要があった。このように従来のキトサン成形物は、食感不良からその食品への応用に制約があり、効率良いキトサン摂取も出来ない欠点があった。
【0004】
本発明は、このようなキトサン成形物に弾力性とソフト感を持たせて、その食感を良好なものに改質して、当該キトサン成形物自体でも味付けするだけで、充分食品として利用できるだけでなく、多様な食品への利用が可能な食材にすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような課題を解決する手段として、次のような手段を講じたものである。
【0006】
特許を受けようとする第1発明は、キトサンをキトサン可溶性の酸水溶液に溶解したものに、水に不溶性で加熱により粘性を得る多糖類を混合して混合溶液となし、この混合溶液をアルカリ溶液中でゲル化成形するに際し、加熱により多糖類に粘性を生じさせることにより食感を向上するとともに、得られたゲル化成形物を水洗いにより中性にしたことを特徴とするゲル状キトサン成形物である。
【0007】
当該第1発明の特徴は、キトサン溶解液をアルカリ溶液中でゲル化成形するに際し、水に不溶性で加熱により粘性を得る多糖類を加えることと、その多糖類を加熱して粘性を生じさせることにより、ゲル状キトサン成形物の食感を向上させた点にある。
【0008】
この際、加熱により多糖類に粘性を生じさせるのは、多糖類を混合して混合溶液となす以前に加熱して粘性を生じさせる場合、混合溶液を加熱して多糖類に粘性を生じさせる場合、アルカリ溶液中でゲル化成形物にした後で水洗いする前後又は同時に加熱して多糖類に粘性を生じさせる場合のいずれであっても良い。
【0009】
ここで水に不溶性で加熱により粘性を得る多糖類とは、カードランおよび/または澱粉などが望ましいが、これに限る必要がないこと勿論である。しかし、キトサンに澱粉を添加し水の存在下で加熱した場合は、不可逆的に膨潤または溶解し、糊化する。糊化とともに結晶性、複屈折性を失い、粘度が上昇する。従って固さは低下し柔らかく粘り気のある食感になり、ソフト感を増大調整することができる。また、キトサン溶解液にカードランを添加し水分の存在下で加熱した場合は、約50℃で膨潤して粘度が上昇し、さらに加熱することによりゲルを形成する。カードランを水に分散させると、吸水・膨潤し、粘度が増していく。カードランは、常温で10倍程度の重さの水を吸収し、最大膨潤温度帯(50℃〜60℃)まで加熱すると膨潤は最大に達し、このときの粘度は急増し、ゲル化するまで増加を続ける。従って、キトサン溶解液にカードランを添加し水分の存在下で加熱した場合は、弾力が増して歯ごたえのある食感となり、弾力性を調整することができることになる。このためカードランと澱粉の両方を添加した場合は、柔らかさと弾力性の両方を同時に具備するように調整できる。従って、利用する食品の種類によって、カードランと澱粉の添加量を調整すれば、好適なソフト感と弾力性を得ることができるのである。
【0010】
ここでキトサンを溶解する酸としては、キトサンが溶解し食品加工に使用できる酸なら何でも良く、有機酸では、酢酸、乳酸、林檎酸、アスコルビン酸、ギ酸、クエン酸等、無機酸では、塩酸等がよい。これらの酸の添加量はキトサンが溶解する最少量でよい。
【0011】
また、キトサンを凝固成形させるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等、食品加工に使用できるものがよい。これらのアルカリはキトサン溶液中の酸を中和できる量でよく、その濃度は、0.1%〜10%程度でよく、この濃度を変えることによってゲルの固さを調整することができる。
【0012】
本発明は、キトサン特有の収斂味がないだけでなく、従来より弾力性とソフト感を備えた好適な食感のゲル状キトサン成形物が得られ、当該ゲル状キトサン成形物自体に味付けして食することができるうえ、多様な食品への応用が可能であり、効率よくキトサンを摂取することができるものである。しかもキトサンには、食物中の油脂やコレステロール、核酸類を吸着してそれらの吸収を阻害する効果があり、その結果、血液中性脂肪、コレステロールおよび尿酸値の上昇を防止するなどの機能を発揮する。また、当該ゲル状になっているキトサンは水を吸収して膨潤し、容積を著しく増加させるので、歩留まりを向上させることができる。
【0013】
特許を受けようとする第2発明は、加熱により多糖類に粘性を生じさせるのが、多糖類を混合して混合溶液となす以前に加熱して粘性を生じさせる場合、混合溶液を加熱して多糖類に粘性を生じさせる場合、アルカリ溶液中でゲル化成形物にした後で水洗いする前後又は同時に加熱して多糖類に粘性を生じさせる場合を含む第1発明に記載するゲル状キトサン成形物である。
【0014】
特許を受けようとする第3発明は、水に不溶性で加熱により粘性を得る多糖類が、カードランおよび/または澱粉であることを特徴とする第1発明に記載するゲル状キトサン成形物である。
【0015】
特許を受けようとする第4発明は、キトサンをキトサン可溶性の酸水溶液に溶解したものに、水に不溶性で加熱により粘性を得る多糖類を混合して混合溶液となし、この混合溶液をアルカリ溶液中でゲル化成形するに際し、加熱により多糖類に粘性を生じさせることにより食感を向上するとともに、得られたゲル化成形物を水洗いにより中性にしてなるゲル状キトサン成形物を含有するようにしたことを特徴とする食品である。
【0016】
特許を受けようとする第5発明は、キトサンをキトサン可溶性の酸水溶液に入れてキトサンを溶解し、これをアルカリ溶液中でゲル化成形したうえ、水洗することによって得られるゲル状キトサン成形物において、キトサンを溶解液に、水に不溶性で加熱により粘性を得る多糖類を混合し、当該多糖類を加熱して粘性を得ることにより、得られるゲル状キトサン成形物の弾力性やソフト性の食感を向上するようにしたことを特徴とするゲル状キトサン成形物の食感改質法である。
【0017】
特許を受けようとする第6発明は、加熱により多糖類に粘性を得るのが、多糖類を混合して混合溶液となす以前に加熱して粘性を生じさせる場合、混合溶液を加熱して多糖類に粘性を生じさせる場合、アルカリ溶液中でゲル化成形物にした後で水洗いする前後又は同時に加熱して多糖類に粘性を生じさせる場合を含む請求項5に記載するゲル状キトサン成形物の食感改質法である。
【0018】
特許を受けようとする第7発明は、水に不溶性で加熱により粘性を得る多糖類が、カードランおよび/または澱粉であることを特徴とする請求項5に記載するゲル状キトサン成形物の食感改質法である。
【0019】
以下、本発明に係るゲル状キトサン成形物とそれを含有する食品とその食感の改質法の実施例を示す。
【0020】
【実施例】
本発明に係るゲル状キトサン成形物を得るための加工法は、概略は次の通りである。
第1工程:原料キトサン粉末に澱粉およびカードランなどの多糖類を混合する。
第2工程:上記キトサン混合物に加水し攪拌しながらキトサン等を膨潤させる。
第3工程:50%食品添加物用乳酸をキトサンと同量入れてキトサンを溶解する。
第4工程:よく攪拌して、最終的にキトサンとして2%となるように調整する。
第5工程:NaOH溶液中にノズルより押し出し、または滴下して糸状もしくは粒状にゲル化成形する。
第6工程:出来たゲル化成形物を中性になるまで水洗いをする。
第7工程:約5分間煮沸して多糖類に粘性を発生させる。これによって、糸状または粒状のゲル状キトサン成形物を得る。
【0021】
〈ゲル状キトサン成形物の加工法〉
即ち、本発明にかかるゲル状キトサン成形物を得るには、次のような手順による。キトサン粉末は、株式会社ニチロ製のキトサン(粘度50mPa・s、DAC 89%)を使用し、多糖類として澱粉及びカードランをキトサン1部に対して数部添加した。加水後、50%食品添加物用乳酸をキトサンと同量加えてキトサンを溶解させ、最終的に2%濃度のキトサン溶液を調整した。次に0.09Nの水酸化ナトリウム溶液中に糸状の場合はノズルの先より押し出し、粒状の場合は滴下してキトサンゲルの成形を行なった。糸の太さ、粒の大きさはノズル径を調整した。出来た成形物を洗浄水で中性になるまで数回水洗いしアルカリ性成分を除去した。その後、沸騰水中で約5分間ボイルして澱粉成分を糊化するとともに、カードランのゲル化成形を行なった。その結果、キトサン溶解液に多糖類の澱粉及びカードランの含有されたゲル状キトサン成形物が得られた。
【0022】
本実施例では、キトサンを溶解する酸として、乳酸を使用したが、有機酸では酢酸、林檎酸、アスコルビン酸、ギ酸、クエン酸等、無機酸では塩酸等のキトサンが溶解する食品加工に使用できる酸であればよいこと勿論である。
【0023】
本実施例では、キトサンを凝固成形させるアルカリとして水酸化ナトリウムを使用したが、水酸化カルシウム等、食品加工に使用できるものであればこれに限るものではない。これらのアルカリはキトサン溶液中の酸を中和できる量でよく、その濃度は、0.1%〜10%程度でよく、この濃度を変えることによってゲルの固さを調整することができる。ノズルの形状についても自由に選択することができ、アルカリ溶液に滴下すれば粒状に、アルカリ溶液中で連続して押し出せば糸状に成形することができる。本発明によって得られたゲル状のキトサン成形物は、キトサン独特の収斂味もなく、弾力性とソフト感のある食感を呈し、型崩れし難いため麺や粒状ゲルとして利用できるものである。
【0024】
<実験1>
前記加工法により得られるゲル状キトサン成形物について、キトサンを単独原料として成形したゲルと、キトサンと多糖類である澱粉及びカードランを含有したキトサン混合物を原料として成形したゲルとを比較し、その作成歩留まり、破断強度、食感等を比較実験した。試料ゲルは上記手順により作成し、約1mmのノズルの先より押し出して糸状に成形した。各試験区の原料配合割合を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0003879022
【0026】
実験で行う歩留測定のうち、成形歩留はキトサン溶液重量に対する糸状ゲル成形重量の比率であり、加熱歩留は糸状ゲル成形重量に対する加熱後の糸状ゲル重量の比率であり、総歩留は溶液重量に対する加熱後の糸状ゲル重量の比率である。また、実験で行う重量測定は、試料をザル上で1分間放置した後、軽く7回水切りして測定した。更に、実験で行う食感測定は、破断強度(破断荷重と破断歪率)と試食結果で評価した。これらの結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
Figure 0003879022
【0028】
歩留の測定結果は、試験区2〜7は、試験区1に対し成形歩留は殆ど同じであったが、加熱歩留では試験区1が減少したのに対し試験区2〜7は増加した。試験区8〜10のカードラン添加品は成形歩留がかなり増加した。
【0029】
総歩留のよかった順では、カードラン添加品の試験区9、8、10、澱粉添加品の試験区6、3、5、2、7、4、1で、試験区4〜6では、澱粉添加量が増えるにしたがい歩留が増加した。しかし、試験区6(澱粉3倍量添加)ではゲルがもろく切れやすくなるため、澱粉添加は2倍量添加以下が望ましいと考えられる。
【0030】
破断強度の測定結果は、試験区1に対し試験区4は破断荷重、破断歪率ともに低下した。試験区8と10では破断荷重は低下したが破断歪率は高くなった。試食結果と総合すると、キトサンに澱粉を添加した場合は、固さ、弾力とも低下し柔らかく粘り気のある食感となった。カードランを添加した場合は、固さは低下したが弾力が増して歯ごたえのある食感となった。カードランと澱粉を添加した場合は、キトサン単独よりも若干ソフト感と弾力性が増加し食感が良くなった。
【0031】
<実施例1>
キトサン粉末2gにカードラン粉末2gを混合、水94mlを加え撹拌後、50%乳酸2mlを加えキトサンを溶解させキトサン(カードラン含有)混合溶液を作成した。このキトサン混合溶液を直径約1mmのノズルの先より0.5%水酸化ナトリウム水溶液中に押し出し、麺状のゲル状キトサン成形物を得た。この麺状のゲル状キトサン成形物を中性になるまで水洗いし、沸騰水浴中で約5分間ボイルし、麺状のゲル状キトサン成形物とした。
【0032】
この麺状のゲル状キトサン成形物100gを牛肉細切れとフライパンで軽く炒め、マーボーソース(ニンニク、ショウガ、葱、豆板醤、てん麺醤、八丁味噌、ゴマ油、サラダ油、調味料)を絡め、マーボー春雨風キトサン(カードラン含有)麺を作成した。この麺は収斂味もなく弾力性のある好適な食感であった。
【0033】
<実施例2>
キトサン粉末2gに対しカードラン1g、澱粉1gを混合、水94mlを加え撹拌後、50%乳酸2mlを加えキトサンを溶解させ混合溶液を作成した。この混合溶液を直径約0.5mmのノズルの先より0.5%水酸化ナトリウム水溶液中に押し出し、繊維状のゲル状キトサン成形物を得た。この繊維状のゲル状キトサン成形物を中性になるまで水洗いし、沸騰水浴中で約5分間ボイルし、繊維状のゲル状キトサン成形物とした。
【0034】
この繊維状のゲル状キトサン成形物33gを約1cmの長さにカットし、ズワイガニほぐし身77gと混合、調味液75g(0.05%リン酸塩含有)と共に缶に充填し巻締後、レトルト殺菌を行なった。この繊維状ゲル状キトサン成形物入りズワイガニフレークは収斂味もなくズワイガニフレーク100%の缶詰より、適度なソフト感と歯ごたえ(弾力性)のある好適な食感を有していた。
【0035】
<実施例3>
キトサン粉末1.5gに対し、澱粉1.5gを混合、水95mlを加え撹拌後、50%乳酸2mlを加えキトサンを溶解させ混合溶液を作成した。この混合溶液を直径約1mmのノズルの先より0.5%水酸化ナトリウム水溶液中に滴下し、粒状のゲル状キトサン成形物を得た。この粒状のゲル状キトサン成形物を中性になるまで水洗し、沸騰水浴中で約5分間ボイルし、粒状のゲル状キトサン成形物とした。
【0036】
この粒状のゲル状キトサン成形物をココナッツミルク(400mlに対し牛乳200ml、砂糖50gを加えた)中に入れ、タピオカ風粒状キトサン(澱粉含有)入りココナッツミルクを作成した。このココナッツミルク中の粒状キトサン(澱粉含有)は収斂味もなくソフトでありながら、弾力性をもった粒状感のある食感を有していた。
【0037】
【発明の効果】
本発明の製造法により得られた多糖類の含有したゲル状キトサン成形物は、キトサン独特の収斂味がないだけでなく、多糖類の膨潤、溶解と、加熱によって粘性を得ることによって従来より良好なソフト感と弾力性のある食感を呈し、型崩れし難い糸状や粒状ゲルとしてその食感が改質されたものとなっている。その結果、当該ゲル状キトサン成形物自体に味付けして食することができるうえ、多様な食品への応用が可能であり、効率よくキトサンを摂取することができるものである。
【0038】
しかもキトサンには、食物中の油脂やコレステロール、核酸類を吸着してそれらの吸収を阻害する効果があり、その結果、血液中性脂肪、コレステロールおよび尿酸値の上昇を防止するなどの機能を発揮する。また、当該ゲル状になっているキトサンは水を吸収して膨潤し、容積を著しく増加させるので、歩留まりを向上させることができる。
【0039】
また、第7発明は、原料キトサン溶解液にカードランおよび/または澱粉を混合することにより、ゲル状キトサン成形物の弾力性とソフト性の食感を向上するようにしたことを特徴とするゲル状キトサン成形物の食感改質法である。キトサン溶解液に澱粉を添加することによりゲル化成形したときのソフト感を調整することができ、キトサン溶解液にカードランを添加することによりゲル化成形したときの弾力性を調整することができる。従って、利用する食品の種類によって、カードランと澱粉の添加量を調整すれば、好適なソフト感と弾力性を得ることができるからである。

Claims (7)

  1. キトサンをキトサン可溶性の酸水溶液に溶解したものに、水に不溶性で加熱により粘性を得る多糖類を混合して混合溶液となし、この混合溶液をアルカリ溶液中でゲル化成形するに際し、加熱により多糖類に粘性を生じさせることにより食感を向上するとともに、得られたゲル化成形物を水洗いにより中性にしたことを特徴とするゲル状キトサン成形物。
  2. 加熱により多糖類に粘性を生じさせるのが、多糖類を混合して混合溶液となす以前に加熱して粘性を生じさせる場合、混合溶液を加熱して多糖類に粘性を生じさせる場合、アルカリ溶液中でゲル化成形物にした後で水洗いする前後又は同時に加熱して多糖類に粘性を生じさせる場合を含む請求項1に記載するゲル状キトサン成形物。
  3. 水に不溶性で加熱により粘性を得る多糖類が、カードランおよび/または澱粉であることを特徴とする請求項1に記載するゲル状キトサン成形物。
  4. キトサンをキトサン可溶性の酸水溶液に溶解したものに、水に不溶性で加熱により粘性を得る多糖類を混合して混合溶液となし、この混合溶液をアルカリ溶液中でゲル化成形するに際し、加熱により多糖類に粘性を生じさせることにより食感を向上するとともに、得られたゲル化成形物を水洗いにより中性にしてなるゲル状キトサン成形物を含有するようにしたことを特徴とする食品。
  5. キトサンをキトサン可溶性の酸水溶液に入れてキトサンを溶解し、これをアルカリ溶液中でゲル化成形したうえ、水洗することによって得られるゲル状キトサン成形物において、キトサン溶解液に水に不溶性で加熱により粘性を得る多糖類を混合し、当該多糖類を加熱して粘性を得ることにより、得られるゲル状キトサン成形物の弾力性やソフト性の食感を向上するようにしたことを特徴とするゲル状キトサン成形物の食感改質法。
  6. 加熱により多糖類に粘性を得るのが、多糖類を混合して混合溶液となす以前に加熱して粘性を生じさせる場合、混合溶液を加熱して多糖類に粘性を生じさせる場合、アルカリ溶液中でゲル化成形物にした後で水洗いする前後又は同時に加熱して多糖類に粘性を生じさせる場合を含む請求項5に記載するゲル状キトサン成形物の食感改質法。
  7. 水に不溶性で加熱により粘性を得る多糖類が、カードランおよび/または澱粉であることを特徴とする請求項5に記載するゲル状キトサン成形物の食感改質法。
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