JP5952144B2 - 灯火器構造 - Google Patents

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Description

本発明は、レンズを回転させずにレンズをハウジングに取り付けることが可能な灯火器構造に関する。
下記特許文献1には、レンズが灯火器のハウジングに、係合部と取付部とで固定されることが記載され、係合部にてレンズをハウジングに係合させるに際に、レンズをハウジングに対して係合部を中心として回転運動をさせて、レンズをハウジングに係合させることが記載されている。
実開昭62−184605号公報
上記特許文献1の記載のように、ハウジングにレンズを係合させる際に、レンズをハウジングに対して回転させるため、灯火器の形状やレンズの近傍に配置される部品の配置の自由度等が制限されるという問題がある。
そこで、本発明は、レンズをハウジングに対して回転させずに、レンズをハウジングに取り付けることが可能な灯火器構造を提供することを目的とする。
本発明に係る灯火器構造は、以下の特徴を有する。
第1の特徴;光源(102)と、前記光源(102)を支持するハウジング(100)と、前記光源(102)が発光する光を透過し、前記ハウジング(100)の被係合部(132)に係合する係合部(110)と、前記ハウジング(100)の被締結部(136)に締結される締結部(112)とを有するレンズ(104)と、を備える灯火器構造において、前記レンズ(104)は、レンズ本体部(106)と、レンズ本体部(106)の上部から前記ハウジング(100)側に延びる上面部(108U)と、レンズ本体部(106)の下部から前記ハウジング(100)側に延びる下面部(108D)とを有し、前記レンズ本体部(106)は、下方になるにつれてハウジング(100)側に位置するように傾斜しており、前記係合部(110)は、前記上面部(108U)に設けられ、前記締結部(112)は、前記係合部(110)より前記ハウジング(100)側で、前記下面部(108D)に設けられており、前記ハウジング(100)には、前記ハウジング(100)と前記レンズ(104)とをシールするシール部材(122)が配設される溝部(120)が設けられ、前記レンズ(104)には、前記シール部材(122)に当接する当接部(134)が設けられ、前記係合部(110)は、前記当接部(134)が前記ハウジング(100)の溝部(120)内に入った状態で、前記ハウジング(100)と係脱可能に構成され、前記締結部(112)は、前記係合部(110)が前記ハウジング(100)に係合されている状態で、前記ハウジング(100)と締結可能となるように構成されていることを特徴とする。
第2の特徴;前記ハウジング(100)は、前記上面部(108U)の下方に位置し、前記レンズ本体部(106)側に略水平に延びる突出部(130)を備え、前記係合部(110)は、前記上面部(108U)の上部に設けられ、前記ハウジング(100)に対して前記レンズ(104)を上方に移動させることで、前記ハウジング(100)と係合した状態となり、前記ハウジング(100)に対して前記レンズ(104)を下方に移動させることで、前記ハウジング(100)との係合が解除した状態となるように形成されていることを特徴とする。
第3の特徴;前記突出部(130)の下面は、リフレクタとして機能することを特徴とする。
第4の特徴;前記上面部(108U)及び前記突出部(130)は、灯火器の正面視で、上又は下に凸形状に成形されていることを特徴とする。
第5の特徴;前記灯火器は、少なくとも前記係合部(110)が内側となるように、周囲が車体カバー(90)で覆われていることを特徴とする。
第6の特徴;前記車体カバー(90)は、前記レンズ本体部(106)の表面と連続するように形成され、前記レンズ(104)の重心は、前記係合部(110)よりも前記ハウジング(100)側に位置することを特徴とする。
第7の特徴;前記レンズ本体部(106)及び前記当接部(134)は、下方になるにつれて、前記灯火器の発光方向の後方側に位置するように傾斜していることを特徴とする。
第8の特徴;前記灯火器は、車体の後方に搭載されるテールランプであって、前記光源(102)は、前記テールランプが車体に取り付けられた状態で、前記ハウジング(100)から前記レンズ(104)を取り外すことで交換されることを特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、係合部は、レンズの当接部がハウジングの溝部内に入った状態で、ハウジングと係脱可能に構成され、締結部は、係合部がハウジングに係合されている状態で、ハウジングと締結可能となるように構成されているので、簡単にレンズをハウジングに取り付けることができ、レンズをハウジングに取り付ける際に、レンズを回転させる必要がなく、灯火器の形状やレンズ近傍に配置される部品の配置の自由度を向上させることができる。
本発明の第2の特徴によれば、レンズをハウジングに取り付ける際、又は、取り外す際に、ハウジングの突出部にレンズの上面部を引っ掛けておくことができるので、取り付け、又は、取り外しがし易くなり、作業性が向上する。
本発明の第3の特徴によれば、突出部の下面はリフレクタとして機能するので、突出部を利用して、配光設計することができる。
本発明の第4の特徴によれば、上面部及び突出部は、灯火器の正面視で、上又は下に凸形状に成形されているので、安定してレンズの上面部をハウジングの突出部に引っ掛けておくことができる。
本発明の第5の特徴によれば、灯火器は、係合部が内側となるように、周囲が車体カバーに覆われているので、係合部が見え難くなり、灯火器の外観が向上する。
本発明の第6の特徴によれば、レンズ本体部の表面と連続するように車体カバーを形成するので、優れた外観性を得ることができるとともに、レンズの重心は、係合部よりもハウジング側に位置するので、レンズとハウジングとの締結を解除した際、レンズの自重により、発光方向に傾こうとする力がレンズに働くので、レンズを取り外し易くなり、結果として作業性が向上する。
本発明の第7の特徴によれば、レンズ本体部及び当接部は、下方になるにつれて、灯火器の発光方向の後方側に位置するように傾斜しているので、レンズの重心を係合部よりもハウジング側に設定し易い。
本発明の第8の特徴によれば、灯火器は、車体の後方に搭載されるテールランプであって、光源は、テールランプが車体に取り付けられた状態で、ハウジングからレンズを取り外すことで交換されるので、灯火器の外観性と、光源の交換作業性とを両立できるテールランプを構成することができる。
実施の形態に係る灯火器が搭載される自動二輪車の外観左側面図である。 図1に示す自動二輪車を後方から見たときの図である。 図1に示す灯火器の後面図である。 図1に示す灯火器のハウジングの発光方向前方向から見た図である。 図3に示す灯火器単体の左側面図である。 図3のVI−VI線矢視断面図である。 図3のVII−VII線矢視断面図である。 図3のVIII−VIII線矢視断面図である。 図3に示す灯火器の車体への取り付け構造を示す図である。 係合部と被係合部とが係合されていないときの図3のVIII−VIII線矢視断面図である。
本発明に係る灯火器構造について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る灯火器10が搭載される自動二輪車(原動機付き自転車も含む)12の外観左側面図、図2は、図1に示す自動二輪車12を後方から見たときの図である。なお、発明の理解を容易にするために、特に指示のない限り、図1に示す矢印方向を基準として、前後及び上下の方向を説明するとともに、車体に着座した運転者から見た方向を基準として、左右の方向を説明する。
自動二輪車12は、車体を構成する車体フレーム14を有し、車体フレーム14は、前端に設けられるヘッドパイプ16と、ヘッドパイプ16から後方且つ斜め下方に延びる左右一対のメインフレーム18と、左右一対のメインフレーム18の後端部に接続されるピボットプレート20と、メインフレーム18の中間部に連結され、後方且つ上方に延びる左右一対のシートフレーム22と、ヘッドパイプ16から、メインフレーム18の下方であって、後方且つ下方に延びる左右一対のダウンフレーム24とを有する。エンジン26及びエンジン26の後部に一体的に取り付けられる変速機28は、メインフレーム18、ピボットプレート20、及びダウンフレーム24に取り付けられている。
エンジン26は、単気筒エンジンであり、クランクケース30と、クランクケース30の前方上部に取り付けられるシリンダブロック32と、シリンダブロック32の上端部に取り付けられるシリンダヘッド34と、シリンダヘッド34の上部開口を覆うシリンダヘッドカバー36とを有する。シリンダヘッド34の後部には、給気管を介してスロットルボディ38が接続され、スロットルボディ38には、接続管を介してエアクリーナ40が接続される。また、シリンダヘッド34には、排気管42を介してマフラー44が接続されている。
また、自動二輪車12は、ヘッドパイプ16に回転自在に軸支される左右一対のフロントフォーク46と、左右一対のフロントフォーク46に回転可能に軸支される操舵輪である前輪48と、左右一対のフロントフォーク46の上部に取り付けられる操舵可能なバー状のハンドル50と、左右一対のピボットプレート20に揺動可能に前端部が支持される左右一対のスイングアーム52と、左右一対のスイングアーム52の後端部に回転可能に軸支される後輪54と有する。
スイングアーム52の後端部は、クッションユニット56によってシートフレーム22に懸架されている。ピボットプレート20には、後輪54を浮かせて駐車時に路面と略直交となるように自動二輪車12を自立させるメインスタンド58と、自動二輪車12を左に傾斜状態で自立させるサイドスタンド60とが設けられている。
ヘッドパイプ16の前方には、自動二輪車12の前方を照射するヘッドライト62、メータ64、及び前側ウインカ66が設けられ、エンジン26の上方には、燃料タンク68が設けられている。燃料タンク68の後方には、シート70が配設されている。シート70は、運転者が着座するフロントシート70a及びフロントシート70aの後方で同乗者が着座するリアシート70bからなる、いわゆるタンデム型のシートが採用されている。
前輪48の上方には、前輪48を上方から覆うフロントフェンダ74が取り付けられており、シート70の後方には、後輪54の後ろ上方を覆うリアフェンダ76、後側ウインカ78、及びテールランプとしての灯火器10が取り付けられている。このリアフェンダ76には、ライセンスプレート80と、ライセンスプレート80を照らすライセンスライト82が取り付けられている。ライセンスライト82は、リアフェンダ76の上部から後方に突出するように取り付けられている。ライセンスライト82の後部には、後続車両から照射された光を反射するリフレクタ84が取り付けられている(図2参照)。
自動二輪車12には、シートフレーム22とともに後方に延び、シートフレーム22の両側面及び下面を覆う車体カバーとしてのリアカウル90を有している。このリアカウル90とリアフェンダ76とは連接して形成されている。
図3は、図1に示す灯火器10の後面図、図4は、灯火器10のハウジング100の発光方向前方向から見た図、図5は、灯火器10単体の左側面図、図6は、図3のVI−VI線矢視断面図、図7は、図3のVII−VII線矢視断面図、図8は、図3のVIII−VIII線矢視断面図である。
灯火器10は、バルブとしての光源102と、光源102を支持するとともに、光源102の前方を覆い、光源102が発光した光を車体後方側に反射させるリフレクタとしての機能を有するハウジング100と、ハウジング100に支持され、光源102の後方を覆うレンズ104とを有する。レンズ104は、光源102が発光した光を透過する部材で形成されている。なお、以下、車体前方側をハウジング100側と、車体後方側をレンズ104側と呼ぶ。また、車体前方から車体後方に向かう方向を灯火器10の発光方向とする。
レンズ104は、レンズ本体部106と、レンズ本体部106の縁部106aからハウジング100側に延びる延出部108と、ハウジング100に係合する係合部110と、ハウジング100に締結される締結部112とを有する(図3、図5〜図8参照)。レンズ本体部106は、レンズ104の外観を形成する部分であり、人間が灯火器10を見た場合に、主に注目される部分である。
なお、以下、レンズ本体部106の縁部106aから後方に延びる上側の延出部108を上面部108Uと、下側の延出部108を下面部108Dと、左側の延出部108を左面部108Lと、右側の延出部108を右面部108Rと呼ぶ。
係合部110は、上面部108Uの左右両側に設けられている(図3参照)。係合部110は、上面部108Uのハウジング100寄りに設けられ、上方に向かって突出するように設けられている(図7、図8参照)。レンズ104の重心位置O及び光源102の略中心位置P(図5参照)は、係合部110の位置よりハウジング100側にある。締結部112は、下面部108Dの左右両側に設けられている(図3参照)。締結部112は、下面部108Dのハウジング100側の端部に設けられ、下方に向かって突出するように設けられている(図8参照)。この締結部112は、ボルト114が挿入可能な孔112aを有する。
レンズ本体部106は、灯火器10の正面視で上部が逆V字状に上に突出した凸形状を有する(図3参照)。従って、レンズ本体部106の上部に設けられた上面部108Uは、レンズ104の正面視で上に凸形状に成形されており、レンズ104の中心になるにつれて上方に突出している。従って、係合部110は、斜めに傾斜して上面部108Uに設けられている。なお、レンズ本体部106は、灯火器10の正面視で上部がV字状に下に凹んだ凹形状を有してもよい。この場合は、上面部108Uは、灯火器10の正面視で下に凸形状に成形され、レンズ104の中心になるにつれて下方に突出する。
ハウジング100は、リフレクタ部118を有し、灯火器10の正面視で、リフレクタ部118の外周に溝部120が形成されている(図4〜図8参照)。溝部120には、ハウジング100とレンズ104とをシールするシール部材122が配設されている。ハウジング100の下方には、水等を排出するための排出孔124aが形成された排出部124が設けられ(図4、図6)、溝部120は、略環状の形状を有し、該排出部124に対応する部分が切断されている。つまり、溝部120は、灯火器10の正面視で、排出部124の左右一端からハウジング100の外形に沿うように、排出部124の左右他端まで形成されている(図4参照)。
この溝部120は、下方になるにつれて灯火器10の発光方向の後方側(発光方向と反対方向側)に位置するように傾斜しており、リフレクタ部118と連接して設けられた第1壁部126と第2壁部128とによって形成されている。第1壁部126は第2壁部128より内周側に形成されている。
ハウジング100は、レンズ104の上面部108Uの下方に位置し、リフレクタ部118の上部からレンズ104側に略水平に延びる突出部130と、突出部130の上方に位置し、レンズ104の係合部110と係合する被係合部132とを有する(図3〜図8参照)。係合部110が被係合部132の孔132aに挿入されることで、係合部110と被係合部132とが係合する。
突出部130は、第1壁部126と連接して設けられ、係合部110は、第2壁部128と連接して設けられ、突出部130と被係合部132との間に溝部120が位置している。突出部130の下面は、リフレクタとしての機能を有する。レンズ104の延出部108の先端である当接部134は、溝部120に配設されたシール部材122と当接するように溝部120に挿入されている(図6〜図8参照)。このレンズ本体部106及び当接部134は、下方になるにつれて灯火器10の発光方向の後方側に位置するように傾斜している。
ハウジング100は、灯火器10の正面視で上部が逆V字状に突出した凸形状を有する(図4)。従って、リフレクタ部118の上部に設けられた突出部130は、灯火器10の正面視で上に凸形状に成形されており、ハウジング100の中心になるにつれ上方に突出している。また、ハウジング100の上部に設けられている被係合部132も斜めに傾斜して設けられている。なお、リフレクタ部118は、灯火器10の正面視で上部がV字状に下に凹んだ形状を有してもよい。この場合は、突出部130は、灯火器10の正面視で下に凸形状に成形され、レンズ104の中心になるにつれ下方に突出する。
ハウジング100の下方の溝部120の下に、つまり、第2壁部128の下に、レンズ104の締結部112と締結する被締結部136が設けられ、被締結部136は、ボルト114が挿入可能な孔136aを有し、該孔136aは、ネジ溝を有する。この締結部112の孔112aと被締結部136の孔136aとを一致させてボルト114を螺入することで、レンズ104の締結部112とハウジング100の被締結部136とが締結される。
灯火器10は、少なくとも係合部110が内側となるように、周囲がリアカウル90で覆われており、リアカウル90は、レンズ本体部106の表面(レンズ面)と連続するように形成されている。これにより、係合部110がリアカウル90によって視認され難くなり、外観が向上する。係合部110を覆うようにリアカウル90を設けてもよいことは勿論である。
図9は、灯火器10の車体への取り付け構造を示す図である。シートフレーム22にステー140が取り付けられており、該ステー140に灯火器10のハウジング100が取り付けられている。
ハウジング100のレンズ104が取り付けられる側とは反対側の面には、第1ボス142と、第2ボス144とが設けられている(図5〜図9参照)。また、ステー140には、第1ボス142、第2ボス144に対応して、開口部142a、144aが設けられ、該開口部142a、144aには、ボスが挿入可能な孔146a、148aを有する樹脂部材146、148が取り付けられている。この樹脂部材146、148の孔146a、148aにハウジング100の第1ボス142、第2ボス144を挿入することで、ハウジング100を車体に取り付けることができる。
次に、レンズ104のハウジング100への取り付け方法について簡単に説明する。ハウジング100は、車体に取り付けられているものとする。図10に示すように、レンズ104の延出部108がハウジング100の溝部120に挿入されるように、レンズ104をハウジング100に接近させて、延出部108の当接部134を溝部120に配設されたシール部材122に当接させる。なお、レンズ104をハウジング100に取り付ける際に、レンズ104の上側の延出部108をハウジング100の突出部130に掛けることができるので、レンズ104の取り付けがし易くなり、作業性が向上する。
このときは、図10に示すように、係合部110と被係合部132の孔132aとは、係合されていない。また、係合部110と被係合部132とが係合されていない場合は、締結部112の孔112aと、被締結部136の孔136aとは一致しておらず(同軸上になく)、ボルト114を挿入することはできない。
そして、延出部108の当接部134をシール部材122に当接させた後、レンズ104を上方に移動させることで、係合部110が被係合部132の孔132aに挿入され、係合部110と被係合部132とが係合する(図7、図8参照)。係合部110と被係合部132とが係合することで、締結部112の孔112aと、被締結部136の孔136aとが一致し、ボルト114を螺入して締めることで、締結部112と被締結部136とが締結する(図8参照)。これにより、レンズ104をハウジング100に取り付けることができる。
また、逆に、ボルト114を弛め、ボルト114を締結部112及び被締結部136の孔112a、136aから外してから、つまり、締結部112と被締結部136との締結を解除してから、レンズ104を下方に移動させることで、係合部110と被係合部132との係合を解除することでき、レンズ104の取り外し、レンズ104の出し入れが可能となる。このとき、レンズ104の重心位置Oは、係合部110よりハウジング100側にあるので、ボルト114を外すと、図10の2点鎖線で示す様に、レンズ104の自重により、係合部110を中心として光源102とは離間する方向(発光方向)に回転(移動)する力がレンズ104に働くので、レンズ104を取り外し易くなり、結果として作業性が向上する。
また、レンズ104の上側の延出部108を、ハウジング100の突出部130に掛けることができるので、レンズ104の取り外しがし易くなり、作業性が向上するとともに、レンズ104が誤って地面に落ちることを防止することができる。このレンズ104をハウジング100から取り外すことで、光源102を交換することが可能となる。
このように、レンズ104をハウジング100に取り付ける際には、延出部108の当接部134がシール部材122に当接するように、レンズ104をハウジング100に近接させた後、レンズ104を上方に移動させればよいので、従来のように、レンズ104をハウジング100に取り付ける際に、レンズ104を回転させる必要がない。従って、レンズ104を回転させる必要がないので、ハウジング100及びレンズ104の設計の自由度も上がるとともに、係合部110の設計及び係合部110の配置の自由度も向上する。
例えば、レンズ104を回転させてハウジング100に取り付ける場合は、レンズ104に対して突出部130が図6に示すような円弧状の軌跡Tを描いてしまい、レンズ104と突出部130が干渉してしまうが、本実施の形態では、レンズ104を回転させないので、ハウジング100にレンズ104側に突出する突出部130を設けることが可能となり、ハウジング100及びレンズ104の設計の自由度が低下せず、リフレクタ84の配光設計がし易い。
また、レンズ104を回転させてハウジング100に取り付ける場合は、係合部110を軸としてレンズ104が回転するため、左右の係合部110は同軸上に配置する必要があるが、本実施の形態では、レンズ104を回転させないので、左右の係合部110を同軸に配置する必要がなく、図3に示すように、例えば、左右の係合部110を斜めに配置する、つまり、八の字に配置することができる。また、レンズ104を回転させないので、左右の係合部110の配置位置の高さを異ならせることができる。従って、レンズ104及び係合部110の設計の自由度も向上する。更に、レンズ104を回転させないので、シール部材122を収容する溝部120も制約を受けることなく設計することができる。
レンズ104の係合部110とハウジング100の被係合部132とを係合させる際に、レンズ104を上方に移動させるので、図8と図10とを比較するとわかるように、レンズ本体部106の上側の縁部106a(つまり、上面部108Uの端部)と、該レンズ本体部106の上側の縁部106aと対向するリアカウル90との隙間150を縮めることができるので、目立ちやすい上側の該隙間150を小さくすることができ、外観が向上する。また、この際は、レンズ本体部106の下側の縁部106a(つまり、下面部108Dの端部)と、該レンズ本体部106の下側の縁部106aと対向するリアカウル90との隙間152は、逆に大きくなってしまうが、該隙間152は下側にあるので目立ち難く、レンズ本体部106やリアカウル90の上方が外側にはり出すように形成されているので、下側の隙間152は更に目立ち難くなる。
ここで、レンズ104がハウジング100に取り付けられた時に、係合部110が被係合部132と係合する部分の上下方向の距離aは、当接部134と第1壁部126との上下方向の距離bより短く、且つ、該距離aは、下面部108Dと第2壁部128との上下方向の距離cよりも短い(図7参照)。距離aが、距離b及び距離cより短くないと、レンズ104を下方に移動しても、係合部110と被係合部132との係合が解除されないからである。
このように、本実施の形態の灯火器10の構造によれば、係合部110は、レンズ104の当接部134が、ハウジング100の溝部120内に入った状態で、ハウジング100と係脱可能に構成され、締結部112は、係合部110がハウジング100に係合されている状態で、ハウジング100と締結可能となるように構成されているので、簡単にレンズ104をハウジング100に取り付けることができ、レンズ104をハウジング100に取り付ける際に、レンズ104を回転させる必要がなく、灯火器10の形状やレンズ104の近傍に配置される部品の配置の自由度を向上させることができる。
また、レンズ104をハウジング100に取り付ける際、又は、取り外す際に、ハウジング100の突出部130にレンズ104の上面部108Uを引っ掛けておくことができるので、取り付け、又は、取り外しがし易くなり、作業性が向上する。
突出部130の下面はリフレクタとして機能するので、突出部130を利用して、配光設計することができる。上面部108U及び突出部130は、灯火器10の正面視で、上又は下に凸形状に成形されているので、安定してレンズ104の上面部108Uをハウジング100の突出部130に引っ掛けておくことができる。
灯火器10は、係合部110が内側となるように、周囲が車体カバーとしてのリアカウル90に覆われているので、係合部110が見え難くなり、灯火器10の外観が向上する。
レンズ本体部106の表面であるレンズ面と、連続するようにリアカウル90を形成するので、優れた外観性を得ることができる。また、レンズ104の重心は、係合部110よりもハウジング100側に位置するので、ボルト114を外すと、図10の2点鎖線で示す様に、レンズ104の自重により、発光方向に傾こうとする力がレンズ104に働くので、レンズ104を取り外し易くなり、結果として作業性が向上する。
レンズ本体部106及び当接部134は、下方になるにつれて、灯火器10の発光方向の後方側に位置するように傾斜しているので、レンズ104の重心を係合部110よりもハウジング100側に設定し易い。
灯火器10は、車体の後方に搭載されるテールランプであって、光源102はテールランプが車体に取り付けられた状態で、ハウジング100からレンズ104を取り外すことで交換されるので、灯火器10の外観性と、光源102の交換作業性とを両立できるテールランプを構成することができる。
以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。また、特許請求の範囲に記載された括弧書きの符号は、本発明の理解の容易化のために添付図面中の符号に倣って付したものであり、本発明がその符号をつけた要素に限定して解釈されるものではない。
10…灯火器 12…自動二輪車
14…車体フレーム 16…ヘッドパイプ
18…メインフレーム 22…シートフレーム
54…後輪 76…リアフェンダ
90…リアカウル 100…ハウジング
102…光源 104…レンズ
106…レンズ本体部 108…延出部
108U…上面部 108D…下面部
110…係合部 112…締結部
112a、132a、136a…孔 114…ボルト
118…リフレクタ部 120…溝部
122…シール部材 124…排出部
126…第1壁部 128…第2壁部
130…突出部 132…被係合部
134…当接部 136…被締結部
140…ステー 142…第1ボス
144…第2ボス 146、148…樹脂部材
150、152…隙間

Claims (8)

  1. 光源(102)と、
    前記光源(102)を支持するハウジング(100)と、
    前記光源(102)が発光する光を透過し、前記ハウジング(100)の被係合部(132)に係合する係合部(110)と、前記ハウジング(100)の被締結部(136)に締結される締結部(112)とを有するレンズ(104)と、
    を備える灯火器構造において、
    前記レンズ(104)は、レンズ本体部(106)と、レンズ本体部(106)の上部から前記ハウジング(100)側に延びる上面部(108U)と、レンズ本体部(106)の下部から前記ハウジング(100)側に延びる下面部(108D)とを有し、
    前記レンズ本体部(106)は、下方になるにつれてハウジング(100)側に位置するように傾斜しており、
    前記係合部(110)は、前記上面部(108U)に設けられ、前記締結部(112)は、前記係合部(110)より前記ハウジング(100)側で、前記下面部(108D)に設けられており、
    前記ハウジング(100)には、前記ハウジング(100)と前記レンズ(104)とをシールするシール部材(122)が配設される溝部(120)が設けられ、
    前記レンズ(104)には、前記シール部材(122)に当接する当接部(134)が設けられ、
    前記係合部(110)は、前記当接部(134)が前記ハウジング(100)の溝部(120)内に入った状態で、前記ハウジング(100)と係脱可能に構成され、
    前記締結部(112)は、前記係合部(110)が前記ハウジング(100)に係合されている状態で、前記ハウジング(100)と締結可能となるように構成されている
    ことを特徴とする灯火器構造。
  2. 請求項1に記載の灯火器構造において
    記ハウジング(100)は、前記上面部(108U)の下方に位置し、前記レンズ本体部(106)側に略水平に延びる突出部(130)を備え、
    前記係合部(110)は、前記上面部(108U)の上部に設けられ、前記ハウジング(100)に対して前記レンズ(104)を上方に移動させることで、前記ハウジング(100)と係合した状態となり、前記ハウジング(100)に対して前記レンズ(104)を下方に移動させることで、前記ハウジング(100)との係合が解除した状態となるように形成されている
    ことを特徴とする灯火器構造。
  3. 請求項2に記載の灯火器構造において、
    前記突出部(130)の下面は、リフレクタとして機能する
    ことを特徴とする灯火器構造。
  4. 請求項2又は3に記載の灯火器構造において、
    前記上面部(108U)及び前記突出部(130)は、灯火器の正面視で、上又は下に凸形状に成形されている
    ことを特徴とする灯火器構造。
  5. 請求項〜4の何れか1項に記載の灯火器構造において、
    前記灯火器は、少なくとも前記係合部(110)が内側となるように、周囲が車体カバー(90)で覆われている
    ことを特徴とする灯火器構造。
  6. 請求項5に記載の灯火器構造において、
    前記車体カバー(90)は、前記レンズ本体部(106)の表面と連続するように形成され、
    前記レンズ(104)の重心は、前記係合部(110)よりも前記ハウジング(100)側に位置する
    ことを特徴とする灯火器構造。
  7. 請求項6に記載の灯火器構造において、
    前記レンズ本体部(106)及び前記当接部(134)は、下方になるにつれて、前記灯火器の発光方向の後方側に位置するように傾斜している
    ことを特徴とする灯火器構造。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の灯火器構造において、
    前記灯火器は、車体の後方に搭載されるテールランプであって、
    前記光源(102)は、前記テールランプが車体に取り付けられた状態で、前記ハウジング(100)から前記レンズ(104)を取り外すことで交換される
    ことを特徴とする灯火器構造。
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