本願発明に係る開閉蓋装置の一例としての開閉蓋装置30、およびそれが設けられた電子機器の一例としての実施例1の撮像装置10について図1から図13を参照しつつ説明する。なお、図6では、理解容易のために、筐体11における電池室17の内部構造と外側の表面の構造とを省略して示している。また、図11では、図10との比較を容易とするために、ロック部材51の被押当箇所62(封止部材34の伝達突起34b)が解消突起26により押されていない状態で、ロック部材51が固定位置である様子を示している。さらに、図12(b)、(c)では、理解容易のために、封止部材34およびロック部材51の変形の様子を強調して示しているが、必ずしも実際の態様と一致するものではない。ついで、図13では、理解容易のために、ロック部材51にドットを付して示している。
撮像装置10は、図1および図2に示すように、カメラ本体の外形形状を形成する筐体11の前面側に撮影光学系12が設けられて構成されている。この撮影光学系12は、図示は略すが、固定レンズ、ズームレンズ、フォーカスレンズ、シャッタユニットおよび絞りユニット等の複数の光学部材と、それらを移動可能に保持するレンズ鏡胴と、を備える。撮影光学系12では、複数の光学部材を適宜移動させることにより倍率設定を行うことが可能であるとともに、フォーカスレンズを適宜移動させることによりピント調整を行うことが可能である。その撮影光学系12は、筐体11の外方においては、筐体11の前面に直交する方向を撮影光軸方向として構成されている。以下では、筐体11の外方における撮影光学系12の撮影光軸方向をZ軸方向とし、撮像装置10の通常の使用状態での上下方向をY軸方向とし、その2つに直交する方向をX軸方向とする。ここで、Z軸方向の正の側を撮像装置10(筐体11)の正面側(前側(被写体側))とし、Z軸方向の負の側を撮像装置10(筐体11)の背面側(後側)とする。また、Y軸方向の正の側を上側とし、Y軸方向の負の側を下側とし、X軸方向の正の側を背面側から見て撮像装置10(筐体11)の右側とし、X軸方向の負の側を背面側から見て撮像装置10(筐体11)の左側とする。
この撮像装置10は、図3に示すように、撮像素子13とレンズ鏡胴駆動ユニット14と表示部15と制御部16とを有する。撮像素子13は、撮影光学系12(図1および図2参照)により形成された被写体像を取得し、それに基づく信号を制御部16へ向けて出力する。レンズ鏡胴駆動ユニット14は、レンズ鏡胴(図示せず)を介して撮影光学系12の各光学部材(図示せず)を移動させる。
制御部16は、撮像素子13からの信号に基づく画像データの生成処理や、レンズ鏡胴駆動ユニット14の駆動等の制御や、図示を略す操作スイッチへの操作の判断等の制御を統括的に行う。この制御部16は、撮影光学系12(図1および図2参照)を経て撮像素子13で画像を取得し、その画像を筐体11(カメラ本体)の後面側に設けられる表示部15に適宜表示させる。撮像素子13、レンズ鏡胴駆動ユニット14および表示部15には、制御部16を介して、後述する電池室17(図2等参照)に装填された電池18から電力が供給され、撮影動作等の実行が可能とされている。また、制御部16は、後述する電池室17に装填された記録媒体19への情報(画像データ等)の格納および情報の抽出を行うことが可能とされている。さらに、制御部16は、図示は略すが、後述するHDMI端子20およびUSB端子21(図2参照)に接続された外部入出力端子を経て、外部機器(その制御部)と情報(画像データ等)を遣り取りすることが可能とされている。
その電池室17は、本発明に係る電子機器としての撮像装置10に設けられた収納室の一例を示すものであり、図2に示すように、基本的に電池18を装填する空間である。その電池18は、電池室17に適切に装填されることにより、撮像素子13、レンズ鏡胴駆動ユニット14、表示部15および制御部16に、電力を供給する。電池室17は、実施例1では、電池18に加えて記録媒体19の装填が可能であるとともに、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)端子20とUSB(Universal Serial Bus)端子21とが設けられている。その記録媒体19は、電池室17に適切に装填されることにより、制御部16により適宜情報(画像データ等)が格納されたり、情報が抽出されたりする。HDMI端子20およびUSB端子21は、図示は略すがそれぞれの規格に応じた外部入出力端子の接続を可能とするものであり、接続された外部入出力端子を経て外部機器(その制御部)と制御部16との情報(画像データ等)の遣り取りを可能とする。
この電池室17は、筐体11の底部(Y軸方向負側)の一部を開口して撮像装置10(筐体11)の外方に通じる収納口22を有する。この収納口22は、実施例1では、電池18の装填箇所と記録媒体19の装填箇所とHDMI端子20とUSB端子21とを取り囲むものとされており、Z軸方向の長さ寸法に比してX軸方向の長さ寸法が大きい長尺な形状とされている。このため、電池室17では、収納口22を経て、電池18の装填や、記録媒体19の装填や、HDMI端子20への接続や、USB端子21への接続を行うことができる。この収納口22は、本願発明に係る開閉蓋装置の一例としての開閉蓋装置30(その電池蓋31)により遮蔽可能とされている。
その開閉蓋装置30は、図1および図2に示すように、電池蓋31とロック機構32(図7等参照)とを備える。その電池蓋31は、収納室としての電池室17の収納口22を塞ぐ蓋部材である。ロック機構32は、電池蓋31を収納口22に押し当てた状態で筐体11に対して固定することができるとともに、その固定を解除することができる。
その電池蓋31は、全体に平板状を呈する(図4および図5等参照)。以下の説明では、後述する閉蓋状態(図1参照)の電池蓋31を基準として、X軸方向を電池蓋31の長尺方向とし、Z軸方向を電池蓋31の短尺方向または幅方向とし、Y軸方向を電池蓋31の厚さ方向とする。このため、電池蓋31の長尺方向は、収納口22(電池室17)の長尺方向となり、電池蓋31の短尺方向は、収納口22(電池室17)の短尺方向となり、電池蓋31の厚さ方向は、電池室17の深さ方向(奥行き方向)となる。このため、蓋部材としての電池蓋31では、X−Y平面に沿う平板面を形成しており、その厚さ方向(電池室17の深さ方向(奥行き方向))すなわちZ軸方向が平板面と直交する直交方向となる。
電池蓋31は、収納口22における長尺方向(X軸方向)での一端に設定され短尺方向(Z軸方向)に伸びる開閉軸線(符号Am参照)回りに回転可能に、筐体11の底面(Y軸方向の負側の面)に設けられている。電池蓋31は、実施例1では、筐体11の底面側に設けられた蓋収容空間23に収容可能な大きさ寸法とされている。この電池蓋31は、収納口22を遮蔽した状態(閉蓋状態)では、図1に示すように、蓋収容空間23に収容されて筐体11の底面の一部を形成する。この蓋収容空間23は、図2に示すように、電池室17の下方(Y軸方向の負側(図2を正面視すると上側))であって、その電池室17と筐体11の外方との間に設けられている。このため、実施例1では、電池室17の収納口22は、蓋収容空間23の奥壁(Y軸方向の正側の位置に存在する壁部)を開口しており、蓋収容空間23を介して撮像装置10(筐体11)の外方に通じている。
筐体11には、蓋収容空間23に開口する受入穴24(図6、図12および図13参照)が設けられている。この受入穴24は、蓋収容空間23において、閉蓋状態(図1参照)の電池蓋31を取り囲む内壁面のうち、長尺方向の他端側(X軸方向の負側)の位置、すなわち開閉軸Amが設けられた箇所と反対側に存在する内壁面に設けられている。受入穴24は、後述するロック部材51の引掛片部53を受け入れることを許容するとともに、受け入れた引掛片部53に対してY軸方向(電池蓋31の厚さ方向)の負側で接することが可能とされている。このため、受入穴24は、受け入れた引掛片部53がY軸方向(厚さ方向(直交方向))の負側に移動することを制限する。この受入穴24は、実施例1では、後述するように先端が2又状とされた引掛片部53に対応して、Z軸方向に並列して2つ設けられている。なお、図6では、理解容易のために、筐体11における外側の表面の構造を省略していることから、受入穴24は、筐体11を正面視した手前側の外表面を開口する穴として示している。
また、筐体11には、蓋収容空間23に開口する4つの受入溝25(図2および図13参照)が設けられている。各受入溝25は、蓋収容空間23において、閉蓋状態(図1参照)の電池蓋31を取り囲む内壁面のうち、短尺方向(Z軸方向)の位置に存在する内壁面のそれぞれに、その短尺方向(Z軸方向)で対を為して設けられている(図13参照)。この対を為す受入溝25は、蓋収容空間23におけるX軸方向(長尺方向)での中間位置であって互いに異なる2つの箇所に設けられている(図13参照)。このため、筐体11では、蓋収容空間23の短尺方向(Z軸方向)に存在する2つの内壁面に、それぞれ2つの受入溝25がX軸方向(長尺方向)に間隔を置いて直列されている(図2および図13参照)。この4つの受入溝25は、上述した受入穴24とともに、筐体11(蓋収容空間23)における等しい高さ位置(Y軸方向での設定位置)に設けられている。
さらに、筐体11には、蓋収容空間23に解消突起26が設けられている。この解消突起26は、電池蓋31が閉蓋状態(図1参照)とされると、その電池蓋31に設けられた後述する停留部69(その被押当箇所62)を相対的にY軸方向負側へと押すものである(図12参照)。解消突起26は、図6に示すように、蓋収容空間23の表側壁部23aにおいて電池蓋31の厚さ方向(Y軸方向)に沿って、そのY軸方向の負側へ向けて突起されて設けられている。その表側壁部23aは、蓋収容空間23の底壁、すなわち電池室17の収納口22(その開口縁部22a)を規定するものである。この解消突起26は、電池蓋31が閉蓋状態(図1参照)とされると、後述する停留部69(その被押当箇所62(伝達突起34b))に、Y軸方向(厚さ方向)で接する位置に設けられている(図12参照)。
電池蓋31は、実施例1では、図4、図5および図7等に示すように、蓋本体部33と封止部材34と板金部材35とを有し、内方にロック部材51(ロック機構32)が平行移動可能に設けられている。その蓋本体部33は、図8に示すように、X軸方向に長尺でありY軸方向に短尺である全体に平板状を呈し、電池蓋31の外形形状を大略規定している。蓋本体部33は、ロック部材51(ロック機構32)を受け入れる収容凹所36を形成することを可能とする厚さ寸法(Z軸方向の大きさ寸法)とされている。この蓋本体部33では、Y軸方向正側から見て正対する裏面に、X−Z平面に沿う方向で見た外側を形作る外周壁37が設けられており、その内側が相対的にY軸方向負側へと凹まされて収容凹所36が形成されている。この外周壁37は、その外周面(X−Z平面に沿う方向で見た外側の面)が全体に電池室17の収納口22(その開口縁部22a)に等しい形状および大きさ寸法とされており、その収納口22の開口縁部22a(図2等参照)に押し当てられる箇所を形成する。
外周壁37では、突出用穴38と、4つの突出用切欠39と、が設けられている。その突出用穴38は、収容凹所36をX−Z平面に沿う方向で取り囲む外周壁37のうち、長尺方向で見た他端側(X軸方向負側)の位置に存在する外周壁37aに設けられている。その突出用穴38は、外周壁37aをX軸方向に貫通して形成されており、後述するロック部材51の引掛片部53が、蓋本体部33から長尺方向(X軸方向)に突出することを許容する(図11等参照)。突出用穴38は、電池蓋31が閉蓋状態(図1参照)とされると、筐体11(蓋収容空間23)に設けられた受入穴24とX軸方向(長尺方向)で対向される(図12および図13参照)。この突出用穴38には、Z軸方向で見た中間位置に逃げ溝部38aが設けられている。この逃げ溝部38aは、突出用穴38のY軸方向正側の内周壁をY軸方向正側へと凹ませつつX軸方向に伸びて形成されており、X軸方向正側の端部すなわち収容凹所36側の端部に後述する被接触部45の前端面45bが設けられている(図10および図11参照)。
4つの突出用切欠39は、収容凹所36をX−Z平面に沿う方向で取り囲む外周壁37のうち、短尺方向(Z軸方向)の位置に存在する外周壁37b、外周壁37cに設けられている。この突出用切欠39は、短尺方向(Z軸方向)で対を為して、外周壁37bと外周壁37cとに2つずつ設けられている。この対を為す突出用切欠39は、蓋本体部33におけるX軸方向(長尺方向)での中間位置であって互いに異なる2つの箇所に設けられている。このため、外周壁37bおよび外周壁37cでは、それぞれ2つの突出用切欠39がX軸方向(長尺方向)に間隔を置きつつ直列されて設けられている。この各突出用切欠39は、電池蓋31が閉蓋状態(図1参照)とされると、筐体11(蓋収容空間23)に設けられた各受入溝25(図13参照)とZ軸方向(短尺方向)で対向される。
この蓋本体部33では、長尺方向で見た一端側(X軸方向正側)に補助開閉軸Asを介して保護吸収部40が連結されている。その補助開閉軸Asは、収容凹所36をX−Z平面に沿う方向で取り囲む外周壁37のうち、長尺方向で見た一端側(X軸方向正側)の位置に存在する外周壁37dに、Z軸方向(短尺方向)に掛け渡して設けられている。保護吸収部40は、X軸方向の負側となる他端部が補助開閉軸Asを中心に回転可能に蓋本体部33と連結されている。このため、保護吸収部40は、その他端部が、蓋本体部33に対して補助開閉軸Asを中心に回転可能に、当該蓋本体部33の一端側と連結されている。この蓋本体部33と保護吸収部40とは、補助開閉軸As回りの相対的に回転可能な範囲が、互いの外表面が同一平面上で並列する状態(図2および図4等参照)と、互いの外表面を近付ける回転方向側で両外表面が略直交する状態(図2に保護吸収部40に対して二点鎖線で示す蓋本体部33参照)と、の間に設定されている。また、蓋本体部33と保護吸収部40とは、補助開閉軸Asを取り巻いて設けられたトーションバネ40aにより、互いの外表面が同一平面状上で並列する状態(図2および図4等参照)へ向けて、補助開閉軸As回りに相対的に押し広げられている。
その保護吸収部40は、図2に示すように、開閉軸Amを介して蓋収容空間23に設けられている。その開閉軸Amは、保護吸収部40の一端側(X軸方向の正側)において、Z軸方向(短尺方向)に突出されて設けられている(図8等参照)。保護吸収部40は、一端側の開閉軸Amが、蓋収容空間23の一端側(X軸方向の正側)に回転自在に受け入れられることで、開閉軸Amを介して蓋収容空間23に設けられている。このため、保護吸収部40(その一端部)は、蓋収容空間23に対して開閉軸Am(その軸線)を中心に回転可能に、当該蓋収容空間23の一端側に設けられている。
その保護吸収部40が取り付けられた蓋本体部33は、電池蓋31における筐体11の外方側に設けられており、保護吸収部40との協動により互いの外表面(Y軸方向の負側の表面)で筐体11の底面の一部を形成することができる(図1参照)。換言すると、蓋本体部33は、保護吸収部40とともに、互いの外表面を筐体11の底面に沿わせることが可能とされており、電池蓋31における筐体11の底面の一部を形成するY軸方向負側の外壁面を構成している。
また、蓋本体部33では、図8に示すように、収容凹所36の底壁(蓋本体部33においてY軸方向負側に存在する奥壁部)に操作用開口41が設けられている。この操作用開口41は、当該底壁(蓋本体部33の奥壁部)をY軸方向に貫通しており、Y軸方向で見て矩形状の開口とされている。操作用開口41は、電池蓋31において後述するロック部材51の操作突起部54がY軸方向(電池蓋31の厚さ方向)に突出することを許容しつつ、その操作突起部54が蓋本体部33(電池蓋31)に対して長尺方向(X軸方向)に移動することを許容する(図10から図12参照)。このため、操作用開口41は、蓋本体部33におけるY軸方向負側の外表面、すなわち電池蓋31における筐体11の底面の一部を構成するY軸方向負側の外壁面を開口しており、蓋本体部33(電池蓋31)の外方と収容凹所36とを通じさせている。
その収容凹所36は、上述したように蓋本体部33のY軸方向正側の裏面の中央を凹ませて形成されており、内方に2つの軸受部42と2つのネジ穴部43と弾性部材取付部44と被接触部45とガイド部46とが設けられている。両軸受部42は、全体に円筒状を呈し、Y軸方向(電池蓋31の厚さ方向)の正側へ突出されている。この両軸受部42では、その中心軸線回りの回転方向で見て、180度未満の領域が切り欠かれており、Y軸方向で正側から見るとC字形状を呈している。この軸受部42は、蓋本体部33におけるX軸方向(長尺方向)での中間位置であって互いに異なる2つの箇所で、X軸方向(長尺方向)に並んで設けられている。また、各軸受部42は、外周壁37bと外周壁37cとで対を為す2組の突出用切欠39の略中央となる位置に設けられている。
2つのネジ穴部43は、封止部材34および板金部材35の蓋本体部33への取り付けのために設けられている。この各ネジ穴部43は、Y軸方向正側へと突出する円筒形状を呈し、図示は略すが内周面に後述するネジ部材72の軸部72a(そのネジ山(図7参照))との噛み合いが可能とされたネジ溝が設けられている。2つのネジ穴部43は、収容凹所36において、X軸方向およびZ軸方向で見て互いに間隔を置いて設けられている。
弾性部材取付部44は、後述する圧縮コイルスプリング52の蓋本体部33への取り付けのために設けられている。この弾性部材取付部44は、Y軸方向正側へ向けて突出する突出基部分44aと、その先端部からX軸方向負側へと突出する挿入部分44bと、を有する。この挿入部分44bは、円柱形状を呈し、後述する圧縮コイルスプリング52の内方へと挿入することを可能とする外径寸法とされている。弾性部材取付部44は、後述するように収容凹所36(蓋本体部33)にロック部材51が収容された状態において、ロック部材51の後述する弾性部材保持部56内におけるX軸方向正側の端部に存在する位置関係とされている。
被接触部45は、ロック部材51の後述する停留突起61(その前端面61a(図9等参照))が当てられる箇所を形成すべく設けられている。この被接触部45は、収容凹所36におけるX軸方向負側の端部の外周壁37aにおいて、そこに設けられた突出用穴38の上方(Y軸方向正側)の壁面に設けられており、少なくともX軸方向正側にY−Z平面に沿う後端面45aを規定している。このため、被接触部45は、後述する停留突起61がX軸方向正側から接近すると、その停留突起61に後端面45aを当てることができる。この被接触部45は、実施例1では、Y軸方向で正側から見ると、図8(b)に示すように、Z軸方向に伸びる板状を呈するとともにZ軸方向で見た中央箇所がX軸方向負側へと突出して形成されている。被接触部45は、Z軸方向正側の板状箇所におけるX軸方向正側のY−Z平面に沿う平坦面で後端面45aを規定する。また、被接触部45は、Z軸方向正側の板状箇所におけるX軸方向負側のY−Z平面に沿う平坦面(X軸方向で見て後端面45aの裏側の面)で、突出用穴38の逃げ溝部38aにおけるX軸方向正側の端部(収容凹所36側の端部)を規定する前端面45bを規定する(図10および図11参照)。このため、被接触部45における後端面45aおよび前端面45bを規定する壁部(Z軸方向正側の板状箇所)は、突出用穴38の逃げ溝部38aにより、相対的に突出用穴38が設けられた外周壁37aからY軸方向負側へと突出している(図10および図11参照)。さらに、被接触部45は、Y軸方向負側への突出箇所で受入凹面45cを規定する。
ガイド部46は、図8に示すように、収容凹所36内でのロック部材51の移動方向を規定するために設けられている。このガイド部46は、収容凹所36におけるX軸方向負側の端部において、Z軸方向で対を為して設けられている。各ガイド部46は、収容凹所36の底面(蓋本体部33の奥壁部)からY軸方向正側へと間隔を置く位置で、Z軸方向で互いに接近する側へと突出して形成されたガイド突起部分46a(図8(a)参照)を有し、そのガイド突起部分46aと収容凹所36の底面との間にガイド溝部分46bを形成している。このガイド溝部分46bは、X軸方向に沿って伸びて形成されており、後述するようにロック部材51の案内突起部67(図9参照)を受け入れることにより、当該ロック部材51をX軸方向へと移動可能とするとともに、Z軸方向へと移動することを防止し、Y軸方向への移動量を制限する。このため、ガイド部46は、収容凹所36内におけるロック部材51の移動の態様を、X軸方向に沿う平行移動に規定する。この蓋本体部33には、収容凹所36を覆うように封止部材34が取り付けられる(図7参照)。
その封止部材34は、図7に示すように、弾性変形が可能な材料で形成され、蓋本体部33の上端縁部(Y軸方向正側の裏面の縁部)に対応する外形形状の平板状とされている。このため、封止部材34は、蓋本体部33の裏面に宛がわれることにより、収容凹所36を全面に渡って覆うこと、換言すると収容凹所36の開放端を全周に渡って塞ぐことが可能とされている。この封止部材34には、2つのネジ穴部34aと伝達突起34bと周縁突起34cとが設けられている。
2つのネジ穴部34aは、封止部材34の蓋本体部33への取り付けのために設けられている。この各ネジ穴部34aは、封止部材34をY軸方向に沿って貫通する断面が円形状の穴であり、後述するネジ部材72の軸部72aの挿入を許す内径寸法とされている。2つのネジ穴部34aは、収容凹所36(蓋本体部33)に設けられた2つのネジ穴部43とY軸方向で対向する位置関係とされている。実施例1では、封止部材34の裏面(Y軸方向正側の面)に、各ネジ穴部34aを取り巻いて後述する座金部材71を配置するための環状凹所34dが設けられている。
伝達突起34bは、蓋収容空間23(筐体11)に設けられた解消突起26(図6参照)が、ロック部材51の後述する被押当箇所62を押す際に、その解消突起26と被押当箇所62との間に介在される箇所を構成するものである。この伝達突起34bは、封止部材34の裏面からY軸方向正側へと突出されて形成されている。伝達突起34bは、後述するように組みつけられた電池蓋31において、ロック部材51が後述する解除位置とされると、ロック部材51の後述する被押当箇所62とY軸方向で隣接する位置に設けられている(図10および図12(a)等参照)。また、伝達突起34bは、後述するように組みつけられた電池蓋31(図7および図10等参照)において、Y軸方向で見て、板金部材35の裏面(Y軸方向正側の面)よりも凹んだ位置をなるように高さ寸法(裏面からの突出量)が設定されている。さらに、伝達突起34bは、実施例1では、後述するように組みつけられた電池蓋31(図7および図10等参照)において、その電池蓋31の内壁面(Y軸方向正側であって収納口22側となる面)の極めて小さな範囲のみを占有する大きさ寸法とされている。ここでいう極めて小さな範囲とは、人の平均的な指先の大きさよりも小さいことをいう。
周縁突起34cは、封止部材34の裏面に対してY軸方向正側へ向けて突出されて形成されており、封止部材34における周縁で全周に渡って設けられている。この周縁突起34cは、電池蓋31が閉蓋状態(図1参照)とされると、収納口22の内方へと押し込まれて変形しつつ蓋本体部33(その上端縁部)と開口縁部22aとの間で適切に圧縮されて、当該開口縁部22aに密接される(図12参照)。このため、電池蓋31では、閉蓋状態(図1参照)とされると、封止部材34の周縁突起34cが収納口22の内方へと押し込まれ、その周縁突起34cを介して蓋本体部33(その上端縁部)が収納口22(その開口縁部22a)に押し当てられることとなる。これにより、蓋本体部33は、封止部材34との協働により、収納口22(その開口縁部22a)に押し当てられた状態において、収納口22を封じてそこから電池室17への異物(塵埃等)の侵入を防止する(以下、封止ともいう)。実施例1では、電池蓋31(周縁突起34c)は、収納口22(その開口縁部22a)に押し当てられた状態において、収納口22から電池室17への水の浸入を防止する封止性能(水密性)を有している。
また、封止部材34では、Y軸方向負側の表面に伝達面34eと復帰補助面34fとが設けられている(図12等参照)。伝達面34eは、封止部材34における伝達突起34bの裏側、すなわち封止部材34の表面(Y軸方向負側の面)における伝達突起34bに対応する位置に設けられており、X−Z平面に沿う平坦面とされている。復帰補助面34fは、伝達面34eに連続しつつそのX軸方向負側に設けられており、Z軸方向を含みつつ、Y軸方向の負側に向かうに連れてX軸方向の正側へと伸びる傾斜面とされている(図12等参照)。
板金部材35は、図7に示すように、電池蓋31におけるY軸方向正側の内壁面(Y軸方向正側であって収納口22側となる面)を規定するものである。この板金部材35は、金属材料で形成され、封止部材34の裏面における周縁突起34cの内方箇所に対応する外形形状の平板状とされている。このため、板金部材35は、封止部材34の裏面に宛がわれることにより、封止部材34のうち周縁突起34cのみを露出させることが可能とされている(図5等参照)。この板金部材35には、2つのネジ穴部35aと露見開口35bとが設けられている。
2つのネジ穴部35aは、板金部材35の蓋本体部33への取り付けのために設けられている。この各ネジ穴部35aは、板金部材35をY軸方向に沿って貫通する断面が円形状の穴であり、後述するネジ部材72の軸部72aの挿入を許す内径寸法とされている。2つのネジ穴部35aは、封止部材34に設けられた2つのネジ穴部34aおよび収容凹所36(蓋本体部33)に設けられた2つのネジ穴部43と、Y軸方向で対向する位置関係とされている。
露見開口35bは、蓋収容空間23(筐体11)に設けられた解消突起26(図6参照)が、封止部材34の伝達突起34bを介してロック部材51の後述する被押当箇所62を押すことを許容するために設けられている(図12参照)。この露見開口35bは、板金部材35をY軸方向に沿って貫通する断面が矩形状の穴である。露見開口35bは、板金部材35の表面(Y軸方向負側の面)側からの封止部材34の伝達突起34bの挿入を許すとともに、その封止部材34の伝達突起34bの先端部が板金部材35の裏面(Y軸方向正側の面)側へと覗かせることを許す大きさ寸法とされている。この露見開口35bは、電池蓋31が閉蓋状態(図1参照)とされると、蓋収容空間23(筐体11)に設けられた解消突起26(図6参照)と接触する位置関係とされており、解消突起26の先端部のY軸方向での挿入を可能としている。露見開口35bは、後述するように組みつけられた電池蓋31(図7および図10等参照)において、Y軸方向で見て板金部材35の裏面よりも凹んだ位置で封止部材34の伝達突起34bの先端部を露見させる。
この蓋本体部33に封止部材34と板金部材35とが後述するように組みつけられることにより、電池蓋31が構成される(図7参照)。この電池蓋31では、上述したように蓋本体部33に保護吸収部40が取り付けられ、その保護吸収部40が開閉軸Amを介して蓋収容空間23に設けられている(図2参照)。このため、電池蓋31では、基本的には、電池室17(蓋収容空間23)に対して、蓋本体部33(封止部材34および板金部材35を含む)と保護吸収部40とが開閉軸Am回りに一体的に回転可能とされている(図1および図2参照)。この電池蓋31は、封止部材34の周縁突起34cを介して蓋本体部33を電池室17の収納口22の開口縁部22aに押し当てつつ外壁面(蓋本体部33および保護吸収部40の外表面)で筐体11の底面の一部を形成することにより、収納口22(その開口縁部22a)を遮蔽する(図1参照)。このとき、封止部材34の周縁突起34cは、上述したように、収納口22の内方へと押し込まれつつ蓋本体部33と開口縁部22aとの間で適切に圧縮されて、その開口縁部22aに密接される(図12参照)。この明細書では、このように電池蓋31が閉められた状態(図1参照)を閉蓋状態という。また、電池蓋31は、筐体11の底面に対して蓋本体部33(封止部材34および板金部材35を含む)および保護吸収部40を起立させて蓋本体部33(周縁突起34c)を電池室17の収納口22の開口縁部22aから離間させることにより、収納口22(その開口縁部22a)を露出させる(図2参照)。この明細書では、このように電池蓋31が開けられた状態を開蓋状態という。このことから、電池蓋31は、閉蓋状態(図1参照)とされることで電池室17を閉鎖することができ、開蓋状態(図2参照)とされることで電池室17を開放することができる。
また、電池蓋31では、開蓋状態(図2参照)とされた際に蓋本体部33に不測の力が作用すると当該蓋本体部33が保護吸収部40に対して補助開閉軸As回りに回転する(図2に示す二点鎖線の蓋本体部33参照)。これにより、電池蓋31は、開蓋状態(図2参照)において不測の力が作用した際に不具合が生じることを抑制することができる。この電池蓋31を閉蓋状態で固定するためにロック機構32が設けられている。
このロック機構32は、収容凹所36(蓋本体部33)に設けられるロック部材51と圧縮コイルスプリング52とを有する(図7参照)。そのロック部材51は、図9に示すように、全体にX軸方向に長尺な板状を呈する。このロック部材51では、図9(a)を正面視した際に見える表面(Y軸方向負側の面)側に、引掛片部53と操作突起部54と2つの貫通穴55と弾性部材保持部56とが設けられている。引掛片部53は、X軸方向の負側(電池蓋31の長尺方向の他端側)に突出されており、収容凹所36(蓋本体部33)に設けられた突出用穴38を経て、筐体11(蓋収容空間23)に設けられた受入穴24への進入(挿入)が可能とされている(図12および図13参照)。この引掛片部53では、突出端部の表面側(Y軸方向負側の面)が切り欠かれており、先端に向かうに連れて厚さ寸法(Y軸方向での大きさ寸法)が漸減している。また、実施例1では、引掛片部53の突出端部は、先端がZ軸方向で見た中間位置で分割された2又状とされており、それぞれが筐体11(蓋収容空間23)に設けられた2つの受入穴24のうちの対応する側への進入(挿入)が可能とされている(図13参照)。
操作突起部54は、引掛片部53とX軸方向負側の貫通穴55との間で、Y軸方向の負側へ向けて突出されている。この操作突起部54は、後述するように収容凹所36(蓋本体部33)に収容された状態において、蓋本体部33の操作用開口41からY軸方向の負側へ向けて突出する位置および大きさ寸法とされている。また、操作突起部54は、その操作用開口41内においてX軸方向(長尺方向)に移動することのできる位置および大きさ寸法とされている(図11から図13等参照)。操作突起部54は、実施例1では、電池蓋31のZ軸方向(短尺方向)の長さ寸法がそのX軸方向(長尺方向)の長さ寸法よりも大きく設定されて、全体に直方体形状とされている。この操作突起部54のX軸方向の正側に2つの貫通穴55が設けられている。
その2つの貫通穴55は、ロック部材51をY軸方向(電池蓋31の厚さ方向)に貫通して形成されている。この各貫通穴55は、蓋本体部33に設けられた2つの軸受部42(図8参照)に対応されて設けられている。このため、2つの貫通穴55は、X軸方向(長尺方向)に並んで設けられている。各貫通穴55は、それぞれが対応する軸受部42を受け入れることを許容する大きさ寸法であって、受け入れた軸受部42がX軸方向(長尺方向)に相対的に移動することを許容する大きさ寸法とされている(図13参照)。
弾性部材保持部56は、2つの貫通穴55の間で、ロック部材51をY軸方向(電池蓋31の厚さ方向)に貫通して形成されている。この弾性部材保持部56は、内方の空間がX軸方向(電池蓋31の長尺方向)に長尺な直方体形状を呈する。弾性部材保持部56は、ロック部材51が収容凹所36(蓋本体部33)内に設けられた状態において、後述するように収容凹所36の弾性部材取付部44に取り付けられた圧縮コイルスプリング52を圧縮させた状態で、その弾性部材取付部44をX軸方向正側の端部に存在させつつ収容することが可能な大きさ寸法とされている(図7および図13参照)。この弾性部材保持部56は、X軸方向負側の端面で、収容した圧縮コイルスプリング52(後述する他端52b)が宛がわれる受け面56aを形成している。また、弾性部材保持部56には、X軸方向で見た中間位置に抜止防止片56bが設けられている。その抜止防止片56bは、弾性部材保持部56におけるY軸方向正側の端部において、弾性部材保持部56の裏面側(Y軸方向正側となる面)の開口をZ軸方向に掛け渡して設けられている(図9(b)参照)。抜止防止片56bは、弾性部材保持部56に収容した圧縮コイルスプリング52が、当該弾性部材保持部56から抜け落ちることを防止する。
また、ロック部材51では、図9(b)を正面視した際に見える裏面側に、停留突起61と被押当箇所62と解除側押壁部63と固定側押壁部64と解除側止壁部65と挿入溝部66と一対の案内突起部67と受入凹所68とが設けられている。その停留突起61は、ロック部材51におけるX軸方向で見た負側の端部で、Y軸方向の正側へ向けて突出されている。この停留突起61は、図9(c)に示すように、X軸方向負側の前端面61aがY−Z平面に沿う平坦面とされ、X軸方向正側の後端面61bが前端面61aと傾斜を為す平坦面とされている。その前端面61aは、Z軸方向を含みつつ、Y軸方向の負側に向かうに連れてX軸方向の正側へと伸びる傾斜面とされている。停留突起61は、ロック部材51が収容凹所36(蓋本体部33)内に設けられた状態において、そのロック部材51が後述する解除位置であると前端面61aを被接触部45の後端面45aに面で当てることが可能な位置関係とされているとともに(図10参照)、そのロック部材51が後述する固定位置であると後端面61bを被接触部45の前端面45bとX軸方向で対向させることが可能な位置関係とされている(図11参照)。
被押当箇所62は、停留突起61の近傍位置において、Y軸方向の負側へ向けて突出されている(図9(b)、(c)参照)。ここで言う近傍位置とは、後述するように、被押当箇所62が封止部材34の伝達突起34bを介して蓋収容空間23(筐体11)に設けられた解消突起26(図6参照)により押された際、相対的なY軸方向への移動により停留突起61の前端面61aと被接触部45の後端面45aとが接触している状態を解消することを可能とすべく、停留突起61(その前端面61a)をY軸方向に変位させることができることをいう。この被押当箇所62は、Y軸方向正側の上端面62aがX−Z平面に沿う平坦面とされ、X軸方向正側の後端面62bが上端面62aに連続しつつその上端面62aと傾斜を為す平坦面とされている。その後端面62bは、Z軸方向を含みつつ、Y軸方向の負側に向かうに連れてX軸方向の正側へと伸びる傾斜面とされている。被押当箇所62は、後述するように組みつけられた電池蓋31において、ロック部材51が後述する解除位置とされると、上端面62aを、封止部材34における伝達突起34bの裏側の伝達面34eとY軸方向で接する位置および大きさ寸法とされている(図10および図12(a)、(b)等参照)。また、被押当箇所62は、当該電池蓋31において、ロック部材51が後述する固定位置とされると、被接触部45の受入凹面45cに取り囲まれるとともに(図13(b)等参照)、後端面62bを復帰補助面34fとX軸方向で対向させることが可能な位置関係とされている(図11および図12(c)等参照)。
ロック部材51の解除側押壁部63と固定側押壁部64と解除側止壁部65と挿入溝部66とは、それぞれ2つの貫通穴55に対応して設けられている(図9(b)参照)。そのうちの解除側押壁部63と固定側押壁部64と解除側止壁部65とは、図9(b)に示すように、Y軸方向(電池蓋31の厚さ方向)に沿って伸びる面で構成されている。解除側押壁部63と固定側押壁部64と解除側止壁部65と挿入溝部66とは、どちらの貫通穴55に対応するものであっても略同様の構成であって同様の作用を得ることができる。
各解除側押壁部63は、貫通穴55におけるZ軸方向の負側の端部であって、かつX軸方向の負側の端部に設けられている。この各解除側押壁部63は、貫通穴55の端部から、Z軸方向の負側へ向けて湾曲された後にZ軸方向に沿って延びて形成されている。
各固定側押壁部64は、貫通穴55におけるZ軸方向の負側の端部であって、かつX軸方向の正側に設けられている。この各固定側押壁部64は、対応する解除側押壁部63のX軸方向の正側において、その解除側押壁部63とX軸方向で対向して設けられている。各固定側押壁部64は、対応する解除側押壁部63側に向けて膨らんで湾曲された後に、その解除側押壁部63との間隔を広げるようにZ軸方向に対して傾斜する方向に延びて形成されている。
各解除側止壁部65は、貫通穴55におけるZ軸方向の正側の端部であって、かつX軸方向の負側の端部に設けられている。この各解除側止壁部65は、貫通穴55の端部から、Z軸方向の正側であって当該Z軸方向に対してX軸方向の負側へと傾斜する方向に延びて形成されている。
各挿入溝部66は、貫通穴55におけるZ軸方向の正側の端壁部を、部分的にY軸方向負側へとへこませて形成されており、対応する貫通穴55とロック部材51の外方とを通じさせている。
一対の案内突起部67は、被押当箇所62とX軸方向負側の貫通穴55との間で、ロック部材51の両縁すなわちZ軸方向で見たロック部材51の両端部に設けられている。各案内突起部67は、X軸方向に沿って伸びて形成されており、収容凹所36に設けられたガイド部46のガイド溝部分46b(図8参照)の内方に挿入することが可能とされている。この両案内突起部67は、ガイド溝部分46b(ガイド部46)へと挿入されることにより、収容凹所36内においてロック部材51がX軸方向へと移動可能とするとともに、Z軸方向へと移動することを防止し、Y軸方向への移動量を制限する。このため、X軸方向が、収容凹所36内において平行移動が可能とされた平行移動方向となる。
受入凹所68は、被押当箇所62のX軸方向正側に設けられており、その後端面62bと連続して形成されている。この受入凹所68は、被押当箇所62のX軸方向正側の隣接箇所をY軸方向負側へと凹ませて形成されており、X軸方向負側の傾斜面が後端面62bと連続するものとされている(図9(c)参照)。受入凹所68は、後述するように組みつけられた電池蓋31において、ロック部材51が後述する固定位置とされた際、電池蓋31が閉蓋状態(図1参照)とされて、蓋収容空間23の解消突起26により封止部材34の伝達突起34bがY軸方向負側へと変位されると、その伝達突起34bの裏側の伝達面34eの周辺を、接触することなく受け入れることを可能する大きさ寸法とされている(図12(c)参照)。
圧縮コイルスプリング52は、図7に示すように、螺旋状とされた線材により構成されており、収容凹所36の弾性部材取付部44の挿入部分44bを取り巻くことが可能な内径寸法とされている。この圧縮コイルスプリング52は、無負荷状態において最も伸びて、一端52aと他端52bとを接近させる動作(圧縮)に抗する弾性力を発揮する。圧縮コイルスプリング52は、適宜圧縮された状態で、ロック部材51の弾性部材保持部56内に収容することが可能な大きさ寸法とされている(図13(a)参照)。また、圧縮コイルスプリング52は、収容凹所36内でロック部材51が後述する固定位置とされた状態であっても、弾性部材保持部56内で所定の量だけ圧縮されている長さ寸法に設定されている(図13(b)、(c)参照)。
このように構成されたロック部材51および圧縮コイルスプリング52は、蓋本体部33の内方の収容凹所36に設けられる(矢印A11、矢印A12参照)。このロック部材51は、収容凹所36内において、電池蓋31の長尺方向(X軸方向)に伸びるガイド部46(そのガイド溝部分46b(図8参照))に、同じく長尺方向(X軸方向)に伸びる一対の案内突起部67が嵌り合わせられて、蓋本体部33に保持される。このため、ロック部材51は、収容凹所36の内方で、電池蓋31の長尺方向(X軸方向)に平行移動(姿勢の変更を伴うことなく長尺方向での位置を変化させる)することが可能とされる(図10から図13参照)。このとき、圧縮コイルスプリング52は、一端52aで挿入部分44bを取り巻いて収容凹所36の弾性部材取付部44に取り付けられ(矢印A12参照)、適宜圧縮されて弾性部材取付部44とともにロック部材51の弾性部材保持部56内に収容される(矢印A13参照)。この圧縮コイルスプリング52の他端52bは、弾性部材保持部56の受け面56aに宛がわれる(図13参照)。この圧縮コイルスプリング52は、弾性部材保持部56内において弾性部材取付部44を基点として受け面56aを押すことにより、X軸方向に平行移動可能とされたロック部材51を後述する固定位置(X軸方向負側)へ向けて押すことができる(図13等参照)。このため、圧縮コイルスプリング52は、ロック機構32における弾性部材として機能する。また、ロック部材51では、操作突起部54が蓋本体部33の操作用開口41内に配され(図4、図10から図12等参照)、各貫通穴55内に蓋本体部33の対応する軸受部42が配される(図13参照)。この状態において、収容凹所36では、ロック部材51の引掛片部53が蓋本体部33の突出用穴38とX軸方向(長尺方向)で対向する(図10から図13参照)。
この蓋本体部33の上端面には、環状凹所34dに円環状の座金部材71を配置させた封止部材34が宛がわれ、その封止部材34の裏面における周縁突起34cの内方箇所には、板金部材35が宛がわれる。このとき、蓋本体部33の2つのネジ穴部43と、封止部材34の2つのネジ穴部34aと、板金部材35の2つのネジ穴部35aと、がY軸方向で見て一直線上に配される(矢印A14参照)。また、封止部材34の伝達突起34bを、板金部材35の露見開口35bに挿入する(矢印A15参照)。この状態において、ネジ部材72を用いて、封止部材34と板金部材35とを蓋本体部33(その上端面)に取り付ける。そのネジ部材72は、図示は略すがネジ山が設けられた軸部72aと、そこよりも大きな径寸法の頭部72bと、を有する。その軸部72aは、板金部材35のネジ穴部35a、座金部材71の内方および封止部材34のネジ穴部34aに挿入することのできる外径寸法であるとともに、図示を略すネジ山が蓋本体部33のネジ穴部43のネジ溝との噛み合いが可能とされている。また、頭部72bは、板金部材35のネジ穴部35aへと挿入することができない外径寸法とされている。このネジ部材72は、軸部72aが、板金部材35のネジ穴部35a、座金部材71の内方および封止部材34のネジ穴部34aを経て、蓋本体部33のネジ穴部43(そのネジ溝)に噛み合わされることにより、封止部材34と板金部材35とを蓋本体部33(その上端面)に固定する(矢印A14参照)。
このように、電池蓋31では、蓋本体部33(収容凹所36)に、ロック部材51と圧縮コイルスプリング52とが収容され、かつネジ部材72により封止部材34と板金部材35とが座金部材71とともに組みつけられて、ユニット化されている。その蓋本体部33は、保護吸収部40を介してその開閉軸Amを中心に回転可能に蓋収容空間23に設けられることにより、電池蓋31が筐体11に設けられる(図1および図2参照)。これにより、電池蓋31とロック機構32とを備える開閉蓋装置30が、電池室17の収納口22を遮蔽可能に筐体11(撮像装置10)に設けられる。
この開閉蓋装置30では、上述した電池蓋31の開蓋状態(図2参照)において、ロック部材51の停留突起61の前端面61aが、収容凹所36に設けられた被接触部45の後端面45aに面で当てられている(図10、図12(a)および図13(a)参照)。これを、ロック部材51の解除位置とする。このため、電池蓋31(蓋本体部33)に設けられた被接触部45は、解除位置とされたロック部材51の平行移動方向であるX軸方向に直交するY−Z平面に沿う平坦面とされた後端面45aで、ロック部材51の停留突起61の前端面61aと当たる。このロック部材51が解除位置とされた状態を、図10、図12(a)および図13(a)に示す。この解除位置では、ロック部材51は、収容凹所36(蓋本体部33)内において、X軸方向の正側(電池蓋31の長尺方向の一端側)に寄せられている。また、ロック部材51の操作突起部54が、蓋本体部33の操作用開口41内でX軸方向の正側の位置に存在されている。さらに、ロック部材51の引掛片部53が、蓋本体部33の突出用穴38内の位置に存在して蓋本体部33(電池蓋31)から突出していない。ついで、ロック部材51の被押当箇所62の上端面62aが、封止部材34の伝達突起34bの裏側に設けられた伝達面34eとY軸方向で接している(図10および図12(a)参照)。
この解除位置では、ロック部材51の弾性部材保持部56に保持された圧縮コイルスプリング52は、弾性部材保持部56内において、その受け面56aと弾性部材取付部44との間で圧縮されている。このため、ロック部材51は、弾性部材保持部56内において圧縮コイルスプリング52(その他端52b)が弾性部材取付部44を基点として受け面56aを押すことにより、収容凹所36内でX軸方向負側へと押されている。ところが、上述したように、ロック部材51は、その停留突起61の前端面61aが、収容凹所36に設けられた被接触部45の後端面45aに当てられていることから、X軸方向負側へと変位することが防止されており、解除位置で留められている。
開閉蓋装置30では、上述したように、電池蓋31を開蓋状態(図2および図12(a)参照)から開閉軸Am回りに回転させると、電池室17を閉鎖する閉蓋状態(図1および図12(b)参照)とすることができる。このとき、電池蓋31では、封止部材34の周縁突起34cを介して蓋本体部33が電池室17の収納口22の開口縁部22aに押し当てられて、外壁面(蓋本体部33および保護吸収部40の外表面)で筐体11の底面の一部を形成する。ここで、電池蓋31では、閉蓋状態(図1および図12(b)参照)とされると、蓋本体部33が電池室17の収納口22の開口縁部22aに押し当てられることから、開蓋状態(図2および図12(a)参照)へ向けた反発力を受ける。特に、実施例1の電池蓋31では、蓋本体部33に弾性変形が可能な封止部材34(周縁突起34c)が設けられていることから、閉蓋状態とされると、蓋本体部33と開口縁部22aとの間で封止部材34の周縁突起34cが圧縮されるので、開蓋状態へ向けた反発力をより受け易い構成とされている。
ここで、開閉蓋装置30では、上述したように、電池蓋31にロック部材51と圧縮コイルスプリング52とが設けられ、かつ蓋収容空間23に解消突起26が設けられている。このため、電池蓋31が閉蓋状態(図1および図12(b)参照)とされて、蓋本体部33が電池室17の収納口22の開口縁部22aに押し当てられると、蓋収容空間23の解消突起26が、電池蓋31の内壁面を規定する板金部材35の露見開口35bを経て、そこから露見する封止部材34の伝達突起34bにY軸方向で当たり、その伝達突起34bをY軸方向負側へと変位させる(図12(b)参照)。ここで、電池蓋31では、上述したように、封止部材34における伝達突起34bの裏側の伝達面34eには、ロック部材51の被押当箇所62の上端面62aが接していることから(図10および図12(b)参照)、伝達突起34bがY軸方向負側へと変位されると、被押当箇所62もY軸方向負側へと変位されて、ロック部材51が被押当箇所62の周辺をY軸方向負側へと変位させるように撓み変形する(図12(b)参照)。このため、伝達突起34bおよび伝達面34eは、封止部材34において、被押当箇所62をY軸方向負側に押すべく解消突起26が接触される伝達箇所として機能する。
これにより、被押当箇所62の近傍位置に設けられた停留突起61もY軸方向負側へと変位されて、その前端面61aを被接触部45の後端面45aに接触させている位置関係が解消される(図12(b)参照)。すると、ロック部材51は、上述したように、圧縮コイルスプリング52により収容凹所36内でX軸方向負側へと押されていることから、解除位置からX軸方向負側(電池蓋31の長尺方向の他端側)に変位される(図12(c)参照)。その後、ロック部材51では、被押当箇所62が被接触部45の受入凹面45cへと嵌め込まれて、X軸方向の負側への移動が止められる(図13(b)参照)。これをロック部材51の固定位置とする。このロック部材51が固定位置とされた状態を、図11、図12(c)および図13(b)、(c)に示す。なお、ロック部材51を、圧縮コイルスプリング52からの弾性力に抗して固定位置に留めるものは、ロック部材51と収容凹所36とをX軸方向で当てるものであれば、弾性部材取付部44と弾性部材保持部56とを利用してもよく、他の箇所であってもよく、実施例1に限定されるものではない。
この固定位置では、ロック部材51の引掛片部53は、蓋本体部33の突出用穴38から突出されて、電池蓋31からX軸方向(長尺方向)に突出される。すると、突出用穴38には、筐体11(蓋収容空間23)に設けられた受入穴24が、X軸方向(長尺方向)で対向されていることから、引掛片部53が受入穴24内に進入する。この引掛片部53は、表面(Y軸方向の負側の面)が受入穴24(その内壁面)に接した状態で、受入穴24内に進入する。このとき、引掛片部53では、突出端部の表面側が切り欠かれて、突出端部が先端に向かうに連れて厚さ寸法(Y軸方向での大きさ寸法)が漸減していることから、受入穴24(その蓋収容空間23への開口端部)に引っ掛かることを防止することができる。また、ロック部材51では、被押当箇所62のX軸方向正側に受入凹所68が設けられていることから、X軸方向負側へと移動して固定位置とされると、Y軸方向負側へと変位された封止部材34の伝達突起34bの裏側の伝達面34eの周辺を接触することなく受入凹所68で受け入れることができる(図11および図12(b)参照)。このため、ロック部材51では、固定位置において、解消突起26が間接的に押し当てられた状態を解消することができ、Y軸方向負側へと撓み変形された状態が解消される(図11参照)。また、ロック部材51では、Y軸方向負側へと撓み変形された状態が解消されると、停留突起61が突出用穴38内において元の高さ位置へと戻ることとなるが、その突出用穴38にはその内周壁をY軸方向正側へと凹ませる逃げ溝部38aが設けられていることから、停留突起61が突出用穴38(そのY軸方向正側の内周壁)に当たることが防止されている(図11参照)。
この状態(ロック部材51の固定位置)では、引掛片部53の表面(Y軸方向の負側の面)が受入穴24(その内壁面)に接していることから、その受入穴24により引掛片部53がY軸方向の負側へと移動することが防止されている。すなわち、電池蓋31では、引掛片部53と受入穴24との干渉により、閉蓋状態(図1参照)から開蓋状態(図2参照)へ向けた反発力に抗して蓋本体部33(電池蓋31)を開口縁部22aへと押し付けている。このため、引掛片部53と受入穴24との干渉により、電池蓋31が閉蓋状態(図1参照)で維持される。このことから、ロック部材51は、筐体11(蓋収容空間23)に設けられた受入穴24、蓋収容空間23の解消突起26および圧縮コイルスプリング52と協働して、ロック機構32を構成する。また、ロック部材51の停留突起61および被押当箇所62は、収容凹所36(蓋本体部33)の被接触部45と協働して、圧縮コイルスプリング52(弾性部材)からの弾性力に抗してロック部材51を解除位置に留めるとともに、解消突起26により押されることでロック部材51を解除位置に留める状態を解除する停留部69として機能する。
この閉蓋状態(図1参照)の維持、すなわちロック機構32による電池蓋31の閉蓋状態(図1参照)での固定を解除する場合、蓋本体部33の操作用開口41からY軸方向の負側に突出された操作突起部54を、X軸方向の負側へと移動させる(図13(c)の矢印A16参照)。すると、操作突起部54が設けられたロック部材51は、蓋本体部33内において、固定位置(図11、図12(c)および図13(b)、(c)参照)から、電池蓋31の長尺方向の一端側(X軸方向の正側)に変位されて解除位置(図10、図12(b)および図13(a)参照)とされる。このとき、ロック部材51の停留突起61は、固定位置において、後端面61bが被接触部45の前端面45bとX軸方向で対向されているが(図11参照)、その後端面61bがZ軸方向を含みつつY軸方向の負側に向かうに連れてX軸方向の正側へと伸びる傾斜面とされていることから、ロック部材51の解除位置への移動の際に後端面61bと前端面45b(その下端部)とが引っ掛かることが防止されている。このため、電池蓋31では、ロック部材51の解除位置への移動の際、被接触部45の前端面45b(その下端部)に停留突起61の後端面61bが相対的に押されてロック部材51が撓み変形することで、被接触部45を乗り越えることができる。このように、電池蓋31(蓋本体部33)に設けられた被接触部45は、ロック部材51が固定位置から解除位置へと移動する際、そのロック部材51の平行移動方向であるX軸方向に対して傾斜しつつ圧縮コイルスプリング52(弾性部材)により押される向き(X軸方向正側から負側へ向かう側)でロック部材51の裏面に対して仰角を為す面に沿う平坦面で、ロック部材51の停留突起61の後端面61bと当たる。
また、ロック部材51の被押当箇所62は、固定位置において、後端面62bが封止部材34の復帰補助面34f(伝達突起34bの裏側の伝達面34e)とX軸方向で対向されているが(図12(c)参照)、その後端面62bがZ軸方向を含みつつY軸方向の負側に向かうに連れてX軸方向の正側へと伸びて受入凹所68に連続する傾斜面とされているとともに、復帰補助面34fがZ軸方向を含みつつY軸方向の負側に向かうに連れてX軸方向の正側へと伸びる傾斜面とされていることから、ロック部材51の解除位置への移動の際に後端面62bと復帰補助面34fとが引っ掛かることが防止されている。このため、電池蓋31では、ロック部材51の解除位置への移動の際、封止部材34の復帰補助面34fに被押当箇所62の後端面62bが相対的に押されてロック部材51が撓み変形することで、上端面62aを伝達面34eに接する状態へと復帰することができる。このとき、ロック部材51の引掛片部53は、筐体11(蓋収容空間23)の受入穴24から後退(離脱)して、蓋本体部33の突出用穴38内に存在して蓋本体部33(電池蓋31)から突出しないものとされる(図10、図12(a)および図13(a)参照)。
この状態では、電池蓋31の厚さ方向(Y軸方向)への移動を阻害するものがなくなる、すなわちロック機構32による電池蓋31の閉蓋状態(図1および図12(c)参照)での固定が解除される。このため、電池蓋31は、電池室17を閉鎖する閉蓋状態から開閉軸Am回りに回転することが可能となり、電池室17を開放する開蓋状態(図2および図12(a)参照)とすることができる。
本発明に係る開閉蓋装置30では、開蓋状態の電池蓋31を開閉軸Am回りに回転させて閉蓋状態とすると、蓋収容空間23の解消突起26が停留部69を押して、そのロック部材51を解除位置に留める状態を解除することから、何らの操作を行うことなく電池室17の収納口22の開口縁部22aに押し当てた状態で電池蓋31を固定することができる。このため、使い勝手を向上させることができる。
また、開閉蓋装置30では、停留部69が圧縮コイルスプリング52(弾性部材)からの弾性力に抗してロック部材51を解除位置に留めていることから、開蓋状態の電池蓋31(蓋本体部33)の操作用開口41から突出された操作突起部54を操作しても、ロック部材51を解除位置に留めることができるので、ロック部材51の引掛片部53が蓋本体部33の突出用穴38から突出されることを確実に防止することができる。
さらに、開閉蓋装置30では、停留部69が停留突起61の前端面61aを収容凹所36に設けられた被接触部45の後端面45aにX軸方向で当てるものであることから、簡易な構成で、ロック部材51を圧縮コイルスプリング52(弾性部材)からの弾性力に抗して解除位置に留めることができるとともに、操作突起部54への操作に抗して解除位置に留めることができる。
開閉蓋装置30では、X軸方向に平行移動可能とされたロック部材51をその平行移動(X軸方向)へと圧縮コイルスプリング52(弾性部材)が押すものであり、停留部69における停留突起61の前端面61aと被接触部45の後端面45aとが互いにY−Z平面に沿う平坦面であることから、より確実にロック部材51を解除位置に留めることができる。
開閉蓋装置30では、開蓋状態の電池蓋31を閉蓋状態する際には、停留部69によりロック部材51の引掛片部53が蓋本体部33の突出用穴38から突出されることを防止しているので、閉蓋状態への電池蓋31の移動に伴って突出用穴38が筐体11と干渉することを確実に防止することができる。このため、筐体11に傷が付くことを防止することができるとともに、ロック部材51(引掛片部53)あるいはその引掛片部53が挿入される筐体11(蓋収容空間23)の受入穴24の変形に起因する封止性能の低下を防止することができる。
開閉蓋装置30では、停留部69が、X軸方向に長尺な板状とされたロック部材51の裏面側(Y軸方向正側となる面)におけるX軸方向負側の端部に停留突起61と被押当箇所62とが設けられて構成されていることから、その被押当箇所62をY軸方向負側へと押すことで、容易にロック部材51を撓み変形させることができ、停留突起61(その前端面61a)を被接触部45の後端面45aよりもY軸方向負側へと変位させて、ロック部材51を解除位置に留める状態を解除することができる。
開閉蓋装置30では、停留部69が、被押当箇所62がY軸方向負側へと押されると、ロック部材51を解除位置に留める状態を解除するものであることから、蓋収容空間23にY軸方向負側へと突出する解消突起26を設けるだけで、電池蓋31(蓋本体部33)を閉蓋状態とした際に停留部69におけるロック部材51を解除位置に留める状態を解除することができる。
開閉蓋装置30では、停留部69の被押当箇所62が、電池蓋31における封止性能を得るための封止部材34に設けた伝達突起34bを介して解消突起26が当てられるものであることから、封止性能の低下を招くことなく解消突起26によりY軸方向負側へと押すことができる。
開閉蓋装置30では、停留部69の被押当箇所62をY軸方向負側へと押すべく解消突起26が当てられる封止部材34の伝達突起34b(その先端面)が、板金部材35の裏面(Y軸方向正側の面)すなわち電池蓋31の内壁面よりも凹んだ位置とされていることから、誤って伝達突起34bすなわち被押当箇所62が押されることを防止することができる。特に、実施例1では、伝達突起34bが、電池蓋31において板金部材35により規定された内壁面のうちの極めて小さな範囲を占有する大きさ寸法とされていることから、誤って伝達突起34bすなわち被押当箇所62が押されることをより確実に防止することができる。
開閉蓋装置30では、停留突起61の後端面61bがZ軸方向を含みつつY軸方向の負側に向かうに連れてX軸方向の正側へと伸びる傾斜面とされていることから、停留突起61と被接触部45とが固定位置から解除位置へのロック部材51の平行移動を妨げることを防止することができる。また、その固定位置から解除位置へのロック部材51の平行移動の際、被接触部45の前端面45b(その下端部)に停留突起61の後端面61bが相対的に押されてロック部材51が撓み変形することで、停留突起61が被接触部45を乗り越えることから、解除位置へと移動したことの手ごたえ(クリック感)を生じさせることができる。
開閉蓋装置30では、被押当箇所62の後端面62bがZ軸方向を含みつつY軸方向の負側に向かうに連れてX軸方向の正側へと伸びて受入凹所68に連続する傾斜面とされ、かつ封止部材34の復帰補助面34fがZ軸方向を含みつつY軸方向の負側に向かうに連れてX軸方向の正側へと伸びる傾斜面とされていることから、被押当箇所62と伝達突起34bが設けられた封止部材34とが固定位置から解除位置へのロック部材51の平行移動を妨げることを防止することができる。
開閉蓋装置30では、収容凹所36(蓋本体部33)に設けた弾性部材取付部44に取り付けた圧縮コイルスプリング52(弾性部材)を、その弾性部材取付部44とともにロック部材51に設けた弾性部材保持部56内に収容するものであることから、電池蓋31の大きさ寸法の増大を招くことなく収容凹所36内で圧縮コイルスプリング52により固定位置へ向けてロック部材51を押す構成とすることができる。
開閉蓋装置30では、引掛片部53において、突出端部の表面側(Y軸方向の負側)が切り欠かれて、突出端部が先端に向かうに連れて厚さ寸法(Y軸方向での大きさ寸法)が漸減していることから、受入穴24(その蓋収容空間23への開口端部)に引っ掛かることを防止することができる。
開閉蓋装置30が設けられた撮像装置10では、電池蓋31を閉蓋状態へと回転するだけで電池蓋31を閉蓋状態で固定することができることから、良好な使い勝手を得ることができ、開蓋状態の電池蓋31から引掛片部53が突出されることを防止できることから、より好ましい態様とすることができる。
したがって、実施例1の開閉蓋装置30では、開蓋状態の電池蓋31(蓋部材)から固定のための引掛片部53(突起部)が突出することを防止することができるとともに、電池蓋31を閉蓋状態へと回転するだけで電池蓋31を閉蓋状態で固定することができる。
次に、本発明の実施例2に係る開閉蓋装置30Bについて、図14から図19を用いて説明する。この実施例2は、開閉蓋装置30Bの構成が実施例1とは異なる例である。この実施例2の開閉蓋装置30Bおよびそれが設けられた撮像装置10は、基本的な構成は上記した実施例1の開閉蓋装置30および撮像装置10と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図14は、実施例2に係る開閉蓋装置30Bの電池蓋31Bの各構成を分解して示す図7と同様の模式的な斜視図である。図15は、引掛部材73を示す斜視図である。図16は、引掛爪部73bに対する受入溝25の構成を説明するための説明図であり、図19の矢印A2から見た様子を模式的に示している。図17は、電池蓋31Bの蓋本体部33に引掛部材73が取り付けられる様子を示す説明図である。図18は、筐体11内における電池蓋31Bを示す説明図であり、ロック機構32Bによる閉蓋状態での固定が解除された様子を示している。図19は、筐体11内における電池蓋31Bを示す説明図であり、ロック機構32Bにより閉蓋状態で固定された様子を示している。
実施例2に係る開閉蓋装置30Bでは、図14に示すように、2つの引掛部材73が設けられていることを除くと、実施例1の開閉蓋装置30と同様の構成とされている。この開閉蓋装置30Bでは、収容凹所36(蓋本体部33)に設けられた2つの軸受部42および4つの突出用切欠39と、筐体11(蓋収容空間23)に設けられた4つの受入溝25(図2等参照)と、2つの貫通穴55に対応する構成(解除側押壁部63と固定側押壁部64と解除側止壁部65と挿入溝部66(図9等参照))と、を用いて2つの引掛部材73でロック機構32Bの一部を構成する。
その2つの引掛部材73は、ともに等しい構成とされていることから、単一の引掛部材73を用いて説明する。引掛部材73は、図15に示すように、全体に長尺な平板状を呈する。この引掛部材73は、実施例2では、金属材料から形成されている。引掛部材73は、長尺方向で見た中央に設けられた回転軸部73aと、長尺方向で見た両端に設けられた2つの引掛爪部73bと、を有する。
回転軸部73aは、平坦な引掛部材73から直交する方向に突出されており、全体に円筒形状を呈する。この回転軸部73aは、蓋本体部33の軸受部42(図8参照)に回転可能に嵌め込むことが可能とされている。このため、回転軸部73aの中心軸線すなわち蓋本体部33の軸受部42の中心軸線が、電池蓋31Bに対して引掛部材73が回転可能とされる固定軸線73d(図18および図19参照)となる。この固定軸線73dは、電池蓋31Bの厚さ方向であるにY軸方向に沿って設定される。
2つの引掛爪部73bは、筐体11(蓋収容空間23)に設けられた受入溝25(図2および図13等参照)への進入が可能とされている。この各引掛爪部73bでは、引掛部材73における短尺方向で見た一端側が、短尺方向の外側に向かうに連れて厚さ寸法が漸減されている。この一端側は、後述するように、ロック部材51の蓋本体部33内での平行移動に伴って、引掛部材73が回転軸部73a回りに回転された際、引掛爪部73bが蓋本体部33から突出される移動方向(図18の矢印A18参照)における前側とされている。
また、引掛部材73では、実施例2では、長尺方向で見た中央箇所に拡径部73cが設けられている。この拡径部73cでは、引掛部材73の中央箇所の径を増大させる円板状とされており、その中心位置が回転軸部73aの軸線(中心)と一致されている。
この各引掛部材73の各引掛爪部73bは、収容凹所36(蓋本体部33)に設けられた各突出用切欠39への挿入が可能とされており、この各突出用切欠39を経て蓋本体部33からZ軸方向(短尺方向)に突出することが可能とされている。また、各引掛爪部73bは、各突出用切欠39に対応された各受入溝25への挿入が可能とされてとともに、挿入した各受入溝25に対してY軸方向(電池蓋31Bの厚さ方向)の両側で接することが可能とされている(図16参照)。このため、各引掛爪部73bは、各受入溝25に挿入されると、Y軸方向(厚さ方向)に移動することが制限される。
実施例2では、各受入溝25は、図16に示すように、X軸方向(電池蓋31Bの長尺方向)で見て、一方の端部が他方の端部よりもY軸方向(電池蓋31Bの厚さ方向)で見た間隔が小さく設定されている。この各受入溝25では、各引掛部材73の引掛爪部73bが蓋本体部33から突出される際の移動方向における前側(図18の矢印A18参照)を、X軸方向での一方の端部側として設定されている。各受入溝25では、電池蓋31Bの厚さ方向(Y軸方向)で見て小さく設定された間隔が、引掛部材73の引掛爪部73bの厚さ寸法に等しく設定されている。このため、実施例2では、各引掛爪部73bは、対応する受入溝25の一方の端部へと挿入されることにより、Y軸方向(厚さ方向)に移動することが制限される。
この開閉蓋装置30Bでは、圧縮コイルスプリング52とともに蓋本体部33の内方の収容凹所36に設けられたロック部材51に、2つの引掛部材73を取り付けることを除くと、実施例1の開閉蓋装置30と同様に電池蓋31Bを組み付けることができる。詳細には、そのロック部材51が設けられた蓋本体部33では、図14および図17に示すように、2つの引掛部材73が装着される。両引掛部材73は、実施例2では、蓋本体部33(収容凹所36)におけるZ軸方向正側の外周壁37bに設けられた2つの突出用切欠39から、蓋本体部33内へと進入される(矢印A17参照)。このとき、両引掛部材73の回転軸部73aを各突出用切欠39におけるX軸方向で見た中間位置のY軸方向に幅を広げる箇所に通すことで、対応する突出用切欠39からの進入が可能とされている。その両引掛部材73の回転軸部73aを蓋本体部33の軸受部42に嵌め込む。その軸受部42は、中心軸線回りの回転方向で見た一部が切り欠かれたC字形状を呈していることから、当該切り欠かれた箇所からの回転軸部73aのX−Z平面に沿う方向での押し入れが可能である。また、各軸受部42は、ロック部材51の対応する貫通穴55内に配されているが、各貫通穴55には挿入溝部66が設けられていることから、両引掛部材73の回転軸部73aを挿入溝部66内に通すことで、軸受部42に嵌め込むことができる。これにより、両引掛部材73は、ロック部材51の2つの貫通穴55内に配された軸受部42の中心軸線(固定軸線73d)回りに、回転可能に蓋本体部33に取り付けられる(図18および図19参照)。このとき、各引掛部材73では、拡径部73cの近傍において、X軸方向の負側に解除側押壁部63が接しているとともに、X軸方向の正側に固定側押壁部64が接している(図18参照)。
この開閉蓋装置30Bでは、基本的に実施例1の開閉蓋装置30と同様に動作する。すなわち、電池蓋31Bでは、上述した開蓋状態(図2参照)では、図18に示すように、ロック部材51が解除位置とされており、その引掛片部53が、蓋本体部33の突出用穴38内の位置に存在して蓋本体部33(電池蓋31B)から突出していない。このとき、開閉蓋装置30Bでは、2つの引掛部材73は、両端の引掛爪部73bが蓋本体部33の対応する突出用切欠39内の位置に存在させて蓋本体部33(電池蓋31B)から突出させることのない、Z軸方向に対して傾斜する回転姿勢とされている。この引掛部材73は、拡径部73cの近傍であって、解除側押壁部63および固定側押壁部64とはZ軸方向の反対側(正側)において、X軸方向の負側に解除側止壁部65が接している。この解除側押壁部63と固定側押壁部64と解除側止壁部65とは、Y軸方向(電池蓋31の厚さ方向)に沿って伸びる面で構成されていることから、Y軸方向(電池蓋31Bの厚さ方向)で見て引掛部材73と等しい高さ位置で干渉することが可能とされている。
開閉蓋装置30Bでは、電池蓋31Bを開蓋状態(図2参照)から開閉軸Am回りに回転させると、電池室17を閉鎖する閉蓋状態(図1参照)とすることができる。このとき、電池蓋31Bでは、蓋収容空間23の解消突起26が、電池蓋31の内壁面を規定する板金部材35の露見開口35bを経て、封止部材34の伝達突起34bをY軸方向負側へと変位させ、その裏側の伝達面34eに接するロック部材51の被押当箇所62(その上端面62a)がY軸方向負側へと変位されて、停留突起61の前端面61aが被接触部45の後端面45aに接触している位置関係が解消される(図12(b)参照)。これにより、ロック部材51は、解除位置からX軸方向負側(電池蓋31の長尺方向の他端側)に変位される(図12(c)参照)。
すると、開閉蓋装置30Bでは、図18に示すように、ロック部材51の各固定側押壁部64が対応する引掛部材73の拡径部73cの近傍におけるZ軸方向(短尺方向)の負側の位置を、X軸方向の負側へ向けて押す。これにより、両引掛部材73は、蓋本体部33の軸受部42に嵌め込まれた回転軸部73aすなわち固定軸線73dを中心として、矢印A18方向(図18を正面視して時計回り)に回転する。その後、ロック部材51が固定位置へと平行移動されると、図19に示すように、両引掛部材73は、大略Z軸方向と平行な姿勢まで回転される。このとき、各引掛部材73の両端の引掛爪部73bは、蓋本体部33の対応する突出用切欠39から突出されて蓋本体部33(電池蓋31B)からZ軸方向(短尺方向)に突出される。すると、各突出用切欠39には、筐体11(蓋収容空間23)に設けられた各受入溝25が、Z軸方向(短尺方向)で対向されていることから、各引掛爪部73bは対応する受入溝25内に進入する。この各引掛爪部73bでは、引掛部材73における短尺方向で見た一端側が、短尺方向の外側に向かうに連れて厚さ寸法が漸減していることから、受入溝25(その開口端部)に引っ掛かることを防止することができる。このとき、各受入溝25では、引掛爪部73bが蓋本体部33から突出される際の移動方向における前側(図18の矢印A18参照)が、X軸方向での一方の端部とされている。このため、各引掛爪部73bは、受入溝25内において、Y軸方向(電池蓋31Bの厚さ方向)で見た間隔が小さく設定された一方の端部に進入する(図16参照)。その各受入溝25では、一方の端部側が引掛爪部73bの厚さ寸法に等しく設定されている。このため、各引掛爪部73bは、対応する受入溝25の一方の端部に進入することにより、電池蓋31BのY軸方向で見て表裏面が受入溝25(その一方の端部)に接する(図16参照)。
このとき、電池蓋31Bでは、図19に示すように、そのX軸方向(電池蓋31Bの長尺方向)で見て、正側(一端側)で対を為す両引掛爪部73bは、蓋収容空間23に設けられた開閉軸Amと間隔を置く位置で受入溝25に進入しており、負側(他端側)で対を為す両引掛爪部73bは、受入穴24内に進入した引掛片部53と間隔を置く位置で受入溝25に進入している。実施例2では、引掛片部53が受入穴24内に進入する位置と、他端側で対を為す両引掛爪部73bが受入溝25に進入する位置と、一端側で対を為す両引掛爪部73bが受入溝25に進入する位置と、蓋収容空間23に設けられた開閉軸Amと、が、電池蓋31Bの長尺方向(X軸方向)で見て互いに略等しい間隔に設定されている。
この状態(ロック部材51の固定位置)では、引掛片部53が受入穴24によりY軸方向の負側への移動が防止されているとともに、各引掛爪部73bが受入溝25により電池蓋31Bの厚さ方向(Y軸方向)への移動が防止されている。すなわち、電池蓋31Bでは、引掛片部53と受入穴24との干渉および各引掛爪部73bと各受入溝25との干渉により、閉蓋状態(図1参照)から開蓋状態(図2参照)へ向けた反発力に抗して蓋本体部33を開口縁部22aへと押し付けている。このため、引掛片部53と受入穴24との干渉および各引掛爪部73bと各受入溝25との干渉により、電池蓋31Bが閉蓋状態(図1参照)で維持される。このことから、実施例2では、ロック部材51および引掛部材73は、筐体11(蓋収容空間23)に設けられた受入穴24および4つの受入溝25と、蓋収容空間23の解消突起26と、圧縮コイルスプリング52と、協働して、ロック機構32Bを構成する。
この閉蓋状態(図1参照)の維持、すなわちロック機構32Bによる電池蓋31Bの閉蓋状態(図1参照)での固定を解除する場合は、実施例1と同様に、操作突起部54を、操作用開口41内でX軸方向の負側へと移動させてロック部材51を解除位置(図18参照)とする。このとき、開閉蓋装置30Bでは、ロック部材51が固定位置からX軸方向の正側へと変位すると、その各解除側押壁部63が対応する引掛部材73の拡径部73cの近傍におけるZ軸方向の負側の位置を、X軸方向の正側へ向けて押す(図19および図18参照)。これにより、両引掛部材73は、蓋本体部33の軸受部42に嵌め込まれた回転軸部73aを中心として、図18の矢印A18とは反対方向(図18および図19を正面視して反時計回り)に回転する。その後、ロック部材51を解除位置とすると、両引掛部材73は、拡径部73cの近傍におけるZ軸方向の正側の位置が、解除側止壁部65に接する姿勢まで回転される(図18参照)。すると、各引掛部材73の両端の引掛爪部73bは、筐体11(蓋収容空間23)の各受入溝25から後退(離脱)して、蓋本体部33の対応する突出用切欠39内に存在して蓋本体部33(電池蓋31B)から突出しないものとされる(図18参照)。
この状態では、電池蓋31Bの厚さ方向(Y軸方向)への移動を阻害するものがなくなる、すなわちロック機構32Bによる電池蓋31Bの閉蓋状態(図1参照)での固定が解除される。このため、電池蓋31Bは、電池室17を閉鎖する閉蓋状態(図1参照)から開閉軸Am回りに回転することが可能となり、電池室17を開放する開蓋状態(図2参照)とすることができる。このため、ロック機構32Bでは、解除側押壁部63および固定側押壁部64が、電池蓋31Bの長尺方向で引掛部材73に接する突起部として機能するとともに、ロック部材51の電池蓋31Bの長尺方向への平行移動を引掛部材73の回転軸部73aを中心とする回転に変換する変換部として機能する。
よって、開閉蓋装置30Bでは、各引掛部材73の両端の引掛爪部73bの筐体11(蓋収容空間23)の各受入溝25への進退を除くと、実施例2の開閉蓋装置30と同様に電池蓋31Bを開蓋状態と閉蓋状態とで移行することができる。
実施例2の開閉蓋装置30Bでは、基本的に実施例1の開閉蓋装置30と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例2の開閉蓋装置30Bでは、停留部69が圧縮コイルスプリング52(弾性部材)からの弾性力に抗してロック部材51を解除位置に留めていることから、開蓋状態の電池蓋31(蓋本体部33)の操作用開口41から突出された操作突起部54を操作しても、ロック部材51を解除位置に留めることができるので、ロック部材51の引掛片部53が蓋本体部33の突出用穴38から突出されることと、各引掛部材73の両端の引掛爪部73bが蓋本体部33の対応する突出用切欠39から突出されることと、を確実に防止することができる。
また、実施例2の開閉蓋装置30Bでは、ロック機構32Bにおいて、引掛片部53と受入穴24との干渉に加えて、引掛部材73の両端に設けられた各引掛爪部73bを、筐体11(蓋収容空間23)に設けられた各受入溝25に進入させることで、電池蓋31の閉蓋状態を維持することができるので、電池蓋31を電池室17の収納口22(その開口縁部22a)に偏りなく押し当てることができる。
さらに、実施例2の開閉蓋装置30Bでは、ロック機構32Bにおいて、両端に各引掛爪部73bを有する引掛部材73が、電池蓋31の長尺方向(X軸方向)に沿って複数(実施例2では2つ)設けられていることから、長尺方向で見た複数の位置を短尺方向の一方と他方とで均等に電池室17の収納口22(その開口縁部22a)に押し当てることができるので、電池蓋31(その蓋本体部33)を電池室17の収納口22(その開口縁部22a)に偏りなく押し当てることができる。
実施例2の開閉蓋装置30Bでは、ロック機構32Bにおいて、引掛片部53を受入穴24に干渉させるとともに、複数の引掛部材73の両引掛爪部73bを各受入溝25に干渉させることで、閉蓋状態(図1参照)から開蓋状態(図2参照)へ向けた反発力に抗して蓋本体部33を開口縁部22aに押し付けていることから、引掛片部53(受入穴24)および各引掛爪部73b(各受入溝25)にかかる負荷を小さなものとしつつ、電池蓋31(その蓋本体部33)を電池室17の収納口22(その開口縁部22a)に偏りなく押し当てることができる。このため、引掛片部53(受入穴24)および各引掛爪部73b(各受入溝25)において必要となる強度を低減することができるので、より簡易な構成とすることができる。
実施例2の開閉蓋装置30Bでは、ロック機構32Bにおいて、ロック部材51の電池蓋31の長尺方向への平行移動を、変換部(実施例2では解除側押壁部63および固定側押壁部64)で複数(実施例2では2つ)の引掛部材73の回転軸部73a(固定軸線73d)を中心とする回転に変換することができるので、簡易な構成でロック部材51のX軸方向(長尺方向)への移動により電池蓋31の閉蓋状態(図1参照)での固定とその解除との切り替えを可能とすることができる。
実施例2の開閉蓋装置30Bでは、ロック機構32Bにおいて、ロック部材51の電池蓋31の長尺方向への平行移動を引掛部材73の回転軸部73aを中心とする回転に変換する変換部が、回転軸部73a(固定軸線73d)回りに回転可能とされた引掛部材73に対して、その回転軸部73aからZ軸方向(短尺方向)に偏芯した位置を解除側押壁部63もしくは固定側押壁部64で押すものであることから、簡易な構成とすることができる。
実施例2の開閉蓋装置30Bでは、ロック機構32Bにおける変換部が、引掛部材73に対して、その回転軸部73aからZ軸方向(短尺方向)に偏芯した位置を解除側押壁部63もしくは固定側押壁部64で長尺方向に押すことにより、ロック部材51の長尺方向への平行移動を引掛部材73の回転軸部73aを中心とする回転に変換するものであることから、ロック部材51における長尺方向での複数の箇所に同様の構成を設けるだけで、単一のロック部材51において複数の引掛部材73に対応する変換部を形成することができる。
実施例2の開閉蓋装置30Bでは、ロック部材51における長尺方向での複数の箇所に同様の構成を設けるだけで、単一のロック部材51において複数の引掛部材73に対応する変換部を形成することができるので、引掛部材73の個数を適宜設定することができる。
実施例2の開閉蓋装置30Bでは、ロック機構32Bにおける変換部が、各引掛部材73の拡径部73cの近傍において、X軸方向の負側に解除側押壁部63が接しているとともにX軸方向の正側に固定側押壁部64が接して構成されていることから、ロック部材51が電池蓋31のX軸方向(長尺方向)の正側に移動されたときとX軸方向(長尺方向)の負側に移動されたときとで、各引掛部材73の回転軸部73a回りの回転方向を逆転させることができる。このため、簡易な構成でロック部材51の長尺方向への変位で電池蓋31の閉蓋状態での固定とその解除との切り替えを可能とすることができる。
実施例2の開閉蓋装置30Bでは、ロック機構32Bにおいて、引掛片部53が受入穴24内に進入する位置と、他端側で対を為す両引掛爪部73bが受入溝25に進入する位置と、一端側で対を為す両引掛爪部73bが受入溝25に進入する位置と、蓋収容空間23に設けられた開閉軸Amと、が、電池蓋31の長尺方向(X軸方向)で見て互いに略等しい間隔に設定されていることから、より均等に電池蓋31(その蓋本体部33)を電池室17の収納口22(その開口縁部22a)に押し当てることができる。
実施例2の開閉蓋装置30Bでは、ロック機構32Bにおいて、4つの受入溝25と受入穴24とが、筐体11(蓋収容空間23)における等しい高さ位置(Y軸方向での設定位置)に設けられていることから、より均等に電池蓋31(その蓋本体部33)を電池室17の収納口22(その開口縁部22a)に押し当てることができる。
実施例2の開閉蓋装置30Bでは、ロック機構32Bがより均等に電池蓋31(その蓋本体部33)を電池室17の収納口22(その開口縁部22a)に押し当てた状態でその電池蓋31を固定することができることから、そこに設けられた封止部材34の周縁突起34cをより適切に電池室17の収納口22の開口縁部22aに密接させることができる。このため、封止部材34による水密性をより確実なものとすることができる。すなわち、防水機能を向上させることができる。
実施例2の開閉蓋装置30Bでは、各引掛爪部73bにおいて、短尺方向で見た一端側が、短尺方向の外側に向かうに連れて厚さ寸法が漸減していることから、受入溝25(その開口端部)に引っ掛かることを防止することができる。
したがって、実施例2の開閉蓋装置30Bでは、開蓋状態の電池蓋31(蓋部材)から固定のための引掛片部53(突起部)および各引掛爪部73bが突出することを防止することができるとともに、電池蓋31を閉蓋状態へと回転するだけで電池蓋31を閉蓋状態で固定することができる。
なお、上記した各実施例では、本発明に係る開閉蓋装置について説明したが、筐体を開口する収納口を有する収納室の前記収納口を塞ぐ蓋部材と、該蓋部材を前記収納口に押し当てた状態で前記筐体に対して前記蓋部材を固定するロック機構と、を備える開閉蓋装置であって、前記蓋部材は、前記収納口の一端に設定された開閉軸線周りに回転可能に一端が支持され、前記ロック機構は、前記蓋部材の内方における固定位置と解除位置との間で平行移動可能に前記蓋部材内に収容され前記固定位置で前記蓋部材から突出する引掛片部を有するロック部材と、該ロック部材を前記固定位置へ向けて押すべく前記蓋部材に設けられる弾性部材と、前記蓋部材から突出された前記引掛片部を受け入れて前記蓋部材の平板面と直交する直交方向への前記引掛片部の移動を制限すべく前記筐体に設けられる受入穴と、前記弾性部材に抗して前記ロック部材を前記解除位置に留めるべく前記蓋部材に設けられる停留部と、前記蓋部材が前記収納口に押し当てられると前記停留部を押すべく前記直交方向へと突出して前記収納室に設けられる解消突起と、を有し、前記停留部は、前記直交方向へと押されると、前記ロック部材を前記解除位置に留める状態を解消する開閉蓋装置であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
また、上記した各実施例では、開閉蓋装置の一例として電池18を装填する電池室17を蓋部材(31)で開閉しつつその蓋部材をロック機構(32、32B)で固定可能な開閉蓋装置(30、30B)を示したが、筐体を開口する収納口を有する収納室を開閉する蓋部材と、その蓋部材を収納口に押し当てた状態で筐体に対して蓋部材を固定するロック機構と、を備える開閉蓋装置であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した各実施例では、蓋収容空間23の解消突起26により被押当箇所62(伝達突起34b)がY軸方向負側に押されると、ロック部材51が撓み変形するものとされていたが、停留突起61の前端面61aを被接触部45の後端面45aに接触させている位置関係を解消するものであれば、ロック部材51をY軸方向負側へと移動(変位)させるものであってもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した各実施例では、蓋収容空間23の解消突起26が封止部材34の伝達突起34bを介してロック部材51の被押当箇所62を押すものとされていたが、停留突起61の前端面61aを被接触部45の後端面45aに接触させている位置関係を解消すべく解消突起26がロック部材51の被押当箇所62を押すものであれば、例えば、解消突起26を直接被押当箇所62に当てるものであってもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した各実施例では、停留部69としてロック部材51に停留突起61および被押当箇所62を設けていたが、停留部は解消突起26により押されることでロック部材51を解除位置に留める状態を解除するものであれば、例えば、停留突起(61)と被押当箇所(62)とを一体的に構成してもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した各実施例では、ロック部材51の停留突起61の後端面61bがZ軸方向を含みつつY軸方向の負側に向かうに連れてX軸方向の正側へと伸びる傾斜面とされていたが、被接触部45の前端面45bをZ軸方向を含みつつY軸方向の負側に向かうに連れてX軸方向の正側へと伸びる傾斜面としてもよく、双方を同様の傾斜面としてもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した各実施例では、電子機器の一例として電池室17を有する撮像装置(10)を示したが、筐体を開口する長尺な収納口を有する収納室が設けられた電子機器であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した実施例2では、ロック機構32Bにおいて、長尺方向に2つの引掛部材73が設けられて構成されていたが、引掛部材73の個数は電池蓋31における剛性を勘案して適宜設定すればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
以上、本発明の開閉蓋装置を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。また、前記構成部材の数、位置、形状等は各実施例に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。